説明

有機EL表示パネルの駆動装置

【課題】 データドライバの駆動電圧を低減する。
【解決手段】 有機EL表示パネル100の行配線6をある期間中は負電源に接続し、該行配線を期間以外の期間中は正電源に接続するための切替回路を複数備える第1駆動回路部40と、有機EL表示パネルの列配線に正の印加電圧を出力して、切替回路により負電源に接続されている各有機EL発光素子12に発光電流を流すための電流回路30を備える第2駆動回路部20とを備えてなる駆動手段

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流駆動型フラットパネルディスプレイの駆動回路に関し、特に、パッシブマトリクス駆動を行う有機EL表示パネルの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高精細で視認性に優れ、携帯端末機または産業用計測器の表示など広範囲な応用可能性を有する有機エレクトロルミネセンスディスプレイ(または有機発光ダイオードディスプレイ、以下「有機EL表示パネル」という)が知られている。有機EL表示パネルは第1素子電極と第2素子電極に挟持された電子注入層211、電子輸送層212、有機EL発光層213、正孔輸送層214、正孔注入層215を有する有機EL発光素子112を各画素に備えている(図6)。有機EL発光素子は整流特性を有しており、第1素子電極と第2素子電極により注入された電流を可視光に変換して発光が実現する。このような有機EL表示パネルは自ら発光を行なう自発光タイプの表示装置であり、例えば液晶表示装置等の非発光型表示装置に比較して、視野角が広く、応答速度が速いという利点を有している。係る利点のため、有機EL表示パネルは、携帯電話端末装置、携帯型パーソナルコンピュータ、薄型テレビジョンのフラットパネル表示装置として開発が進められている。
【0003】
このような有機EL表示パネルにおいて、各画素に所望の発光を独立して行なわせて駆動する方式(ドットマトリクス駆動方式)としては、アモルファスシリコン層やポリシリコン層等を活性層(能動層)として有するTFT素子(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)等のアクティブ駆動素子を用いるアクティブマトリクス駆動方式と、行および列に配列された多数のストライプ状電極を組み合わせて、各画素において行および列の電極により挟持される有機EL発光層を駆動するパッシブマトリクス駆動方式とがある。パッシブマトリクス方式では、アルミニウムなどの金属電極からなる所定の走査ライン(陰極配線)と透明電極からなる所定のデータライン(陽極配線)によって有機EL発光層が挟持されていて、これらの電極を単純マトリクス駆動(あるいは、デューティ駆動)することにより有機EL発光層に電流を流す。こうして、走査ラインとデータラインとによってアドレス指定される画素を所望の輝度によって発光させる。この従来の駆動方法の例は、例えば特許文献1に開示されている。図5により、その動作を説明する。
【0004】
図5は、従来のパッシブマトリクス駆動による有機EL表示パネル110に駆動回路を接続した有機EL表示装置100の構成を示すブロック図である。有機EL発光素子112は、図5においては、有機EL発光素子の整流特性を表現するダイオード114と、電極間に生じる寄生容量を表現するキャパシタ116とを並列させた記号で表現している。列配線(陽極に接続)104、行配線(陰極に接続)106は、格子状に配列され、各電極の交点に対応するように、有機EL発光素子112が設けられている。陰極106は、走査ラインとも呼ばれ、行配線106に接続された列配線140は走査ドライバとも呼ばれる。列配線104は、データラインとも呼ばれ、列配線104に接続された駆動部120はデータドライバとも呼ばれる。
【0005】
走査ドライバ140の出力回路部144には、各行配線106に接続されるスイッチ148が備えられている。このスイッチ148は、接続された行配線を正電圧の電源(正電源)につながるライン146に接続するか、接地されているライン150に接続するかを切り替えるために用いられる。このスイッチ148の切り替えタイミングは、入力142aに入力されシフトレジスタ142によりタイミングがシフトされるクロック信号により制御される。
【0006】
走査ドライバ140は、ある期間(選択期間)中には、走査ライン106を一つ選択し、その走査ラインをライン150に接続してLOW電位にする。従来のパッシブマトリクス駆動においては、ライン150がアースに接続されており、LOW電位は接地電位となる。そして、その選択期間中には、他の走査ラインはHI電位にする。
【0007】
データドライバ120は、選択された走査ラインに接続された各有機EL発光素子に電流を供給する出力段回路128を有している。出力段回路128には、電流源回路130が備えられている。電流源回路130は、例えばパルス幅変調による変調を受けて、各列配線104が電気的に接続される先を、電圧V3の電源ライン132と接地電位にされたライン136との間でスイッチ134によりデータに応じて切り替えられる。パルス幅変調を採用する従来例においては、選択期間のうち電圧V3が出力される期間においては、電流源回路130は、走査ライン106のLOW電位である接地電位との間で、有機EL発光素子112を発光させる発光電流を出力する。また、選択期間中のうちスイッチ134がライン136側に切り替えられる期間においては、有機EL発光素子112の二つの素子電極の電位は等電位となり、発光電流が流れない。また、走査ライン106のHi電位は、電流源回路130の出力電圧との間で、選択されていない行の有機EL発光素子112に発光電流が流れないように選択される。典型的には、走査ライン106のHi電位は、電源ライン146の電圧と同じ電圧V3とされる。なお、パルス幅変調を採用するデータドライバ120では、シフトレジスタ122がデータクロック信号を入力122aから受信し、そのシフトレジスタによって生成されたタイミングデータが、入力124aに入力される画像データをサンプリングするためにラッチ回路124に送られる。そして、ラッチされた画像データはPWM回路126に送られる。PWM回路126は、入力126aから受信したPWMカウンタクロック制御信号を用いて、ラッチされた画像データに応じたスイッチ134の切り替えタイミングを生成し、各スイッチ134を制御する。
【0008】
選択期間が終了すると、走査ドライバ140は、選択する行を次の行に切り替え、それまで選択された行の走査ラインをHI電位にして、新しく選択された行の走査ラインをLOW電位にする。それに応じて、データドライバ120が新しく選択された行により表示するための表示電流を出力する。このように、選択する行を順次切り替えてゆくことにより、最終的に画面全体が表示を行う。パッシブマトリクス駆動の有機EL表示パネル110に用いるデータドライバ120および走査ドライバ140は、通常は別々の集積回路により作製されて、有機EL表示パネル110の外部から表示を制御する。
【0009】
データドライバ120や走査ドライバ140が集積回路により作製される場合、データを転送するシフトレジスタ122、ラッチ回路124、PWM回路126、シフトレジスタ142などのロジック部と、出力段回路128、出力回路部144に含まれるアナログ部(電流源回路130等)とが同一のICダイにデジタル・アナログ混載のICとして、同一のプロセスにより作製される。ここで、有機EL発光素子112の標準的な駆動電圧は、15V〜20Vあるいはそれ以上の電圧である。これは、一般的な電子機器が5Vや3.3Vで動作するのに比べて高い電圧であり、デジタルロジック部とアナログ部を混載するICは、高耐圧のICとする必要がある。このような高耐圧のICは、一般的なICより大きなサイズの設計ルールや、高耐圧の絶縁膜設計等を用いなければならず、コストを左右するチップサイズの点および動作速度の点で不利である。特にデータドライバ120は、走査ドライバ140に比べてデジタル回路部が複雑な処理を行なうものであり、演算処理をより高度化したいという要望もあるが、高耐圧のICではこれらが制限されやすいという問題がある。
【特許文献1】特開平11−311978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、データドライバICの動作電圧を低くし得る駆動方式を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、有機EL発光素子が電流により発光するためには閾値電圧以上の電圧が必要であるという性質を利用して、走査ドライバの駆動に用いる電圧範囲をシフトさせ、データドライバに必要な耐圧を低くできる駆動回路を実現する。すなわち、本発明においては、 有機EL表示パネルの行配線をある期間中は負電源に接続し、行配線を期間以外の期間中は正電源に接続するための切替回路を複数備える第1駆動回路部と、有機EL表示パネルの列配線に正の印加電圧を出力して、切替回路により負電源に接続されている各有機EL発光素子に発光電流を流すための電流回路を備える第2駆動回路部とを備えてなる駆動手段が提供される。
【0012】
第1駆動回路部および第2駆動回路部は、典型的には、それぞれ、走査ドライバICおよび走査ドライバICである。第1駆動回路部に負電源を用いることにより、第2駆動回路部が有機EL発光素子に発光電流を流す際の印加電圧を低減することができ、データドライバICの耐圧を低く抑えることができる。
【0013】
本発明の上記側面においては、正電源が第2駆動回路部の動作電源として用いられて、正電源の電圧が、印加電圧の最大電圧と等しいことが好ましい。これにより、第1駆動回路部の動作電源の一部を第2駆動回路部の動作電源として用いることができ、電源数を削減して低コストの駆動手段を実現することができる。
【0014】
本発明の上記側面においては、正電源の電圧は、印加電圧の最大電圧より高いことが好ましい。これにより、発光させる有機EL発光素子を適切に駆動することができ、また、発光させない有機EL発光素子には適切に逆バイアス電圧を印加することができる。
【0015】
本発明の上記態様において、負電源の電圧の絶対値が有機EL発光素子の動作電圧の閾値の絶対値とほぼ等しくされると特に好適である。閾値の分だけ第1駆動回路部の動作する電圧を負にずらせば、第2駆動回路部の駆動電圧をより低減できる。
【0016】
さらに、本発明の他の側面においては、上記の発明の側面における電圧をすべて反転させた構成も実現される。有機EL発光素子が基板側に発光する構成(ボトムエミッション構成)ではなく、基板とは反対側に発光する構成(トップエミッション構成)とすると、行配線が陽極に接続され、列配線が陰極に接続される。その場合であっても、本発明の上記側面と同様の技術思想が実現される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、データドライバを耐圧の小さなICとして作製することができ、有機EL表示装置の駆動手段において、ICのコストを抑えることが可能になり、また、より複雑な信号処理が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1〜図4を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の駆動手段と有機EL表示パネルとを有する有機EL表示装置1の構成を示すブロック構成図である。また、図2および図3は、この駆動手段において出力される信号の波形を示す波形図である。さらに、図4は、本発明の駆動手段により駆動される有機EL表示パネルに備えられる有機EL表示素子の特性を示す特性図である。
【0019】
図1に示した有機EL表示装置1においては、有機EL表示パネル10に走査ドライバ40(第1駆動回路部)とデータドライバ20(第2駆動回路部)とが接続されている。本発明の駆動手段は、走査ドライバ40とデータドライバ20として実施される。本実施の形態の駆動手段が駆動する有機EL表示パネルには、有機EL発光素子12が備えられている。陽極(列配線)4と陰極(行配線)6は、格子状に配列され、有機EL発光素子12が各電極の交点に対応するように設けられている。この有機EL表示素子12は、ダイオード14とキャパシタ16とが並列に接続された等価回路により表現できる。
【0020】
走査ドライバ40の出力回路部44には、各行配線6に接続されるスイッチ48が備えられている。これらのスイッチ48は、接続された行配線を正電圧の電源(正電源)につながるライン46に接続するか、負電圧の電源(負電源)につながるライン56に接続するかを切り替えるために用いられる。スイッチ48の切り替えタイミングは、入力54に入力され、フォトカプラ50を介してシフトレジスタ42によりタイミングがシフトされるクロック信号により制御される。フォトカプラ50は、走査ドライバ40のタイミングを制御するコントローラ(図示しない)と走査ドライバ40の電気的絶縁を図りつつクロック信号54を受信し、負電源につながれたライン52との間でクロックを生成するために用いられる。
【0021】
走査ドライバ40は、選択期間に走査ライン6のいずれかを選択し、その走査ラインをライン50に接続してLOW電位とする。本発明においては、ライン50につながっている負電源の電圧は−VLにされている。そして、その選択期間には、他の走査ラインはHI電位にする。本発明においては、ライン46につながっている正電源の電圧はVHにされている。
【0022】
また、データドライバ20は、走査ドライバ40により選択された走査ラインに接続された各有機EL発光素子に電流を供給する出力段回路28を有している。出力段回路28には、電流源回路30が備えられている。電流源回路30は正電源の電圧を十分な電流容量で出力する。電流源回路30の出力側にはスイッチ34が備えられる。また、データドライバ20は、スイッチ34を制御するためのPWM回路26、画像データをラッチするためのラッチ回路24、ラッチタイミングを生成するためのシフトレジスタ22を備えている。スイッチ34は、これらの回路の制御によりパルス幅変調を受けて、各列配線4が電気的に接続される先を、電圧VAの電源ライン32と接地電位にされたライン38との間で画像データに応じて切り替える。出力段回路28の各出力ラインには、ライン38との間に保護ダイオード36が設けられる。この保護ダイオードは、データラインが走査ドライバ40のスイッチング動作の影響により負電位にならないために付加される。
【0023】
パルス幅変調を用いる本実施形態においては、シフトレジスタ22がデータクロック信号を入力22aから受信し、そのシフトレジスタによって生成されたタイミングデータが、入力24aに入力される画像データをサンプリングするためにラッチ回路24に送られる。このラッチされた画像データはPWM回路26に送られる。PWM回路26は、入力26aから受信したPWMカウンタクロック制御信号を用いて、ラッチされた画像データに応じたスイッチ34の切り替えタイミングを生成し、各スイッチ34を制御する
【0024】
図2は、この駆動手段において出力される信号の波形を示す波形図である。図2(a)に示したように、画像を表示する単位となる期間であるフレームF1、F2…のそれぞれにおいて、各行配線には、走査ドライバ40から波形S1〜SM(Mは行数)が出力され、図2(b)に示したように、データドライバ20からは、列配線を示す番号をj(j=1〜N、Nは列数)として、波形Djが出力される。走査ドライバ40からの波形S1〜SMには、選択パルスSP1〜SPMが含まれていて、そのタイミングは順次ずらされている。データドライバ20が第j列の有機EL表示素子を駆動する波形Djには、駆動パルスDP1〜DPMが含まれていて、選択パルスSP1〜SPMとタイミングが合わせられている。各選択パルスSP1〜SPMの電位は、負の電圧−VLのLOW電位にされている。選択パルスが出力されないときには、正電源の電位VHが出力される。選択パルスが出力される各選択期間においては、その選択パルスにより選択されている行に出力するために、駆動パルスDP1〜DPMが電圧VAのパルスとしてデータドライバ20の電流源回路30から出力される。駆動パルスDP1〜DPMはスイッチ34により生成され、そのタイミングおよびそのパルス幅がPWM回路26により制御される。
【0025】
選択パルスSP1〜SPMによる選択期間が終了すると、走査ドライバ40は、選択する行を次の行に切り替え、それまで選択された行の走査ラインをHI電位にして、新しく選択された行の走査ラインをLOWにする。それに応じて、データドライバ20が新しく選択された行により表示するための表示電流を出力する。このように、選択する行を順次切り替えてゆくことにより、最終的に画面全体が表示を行う。パッシブマトリクス駆動の有機EL表示パネル10に用いるデータドライバ20および走査ドライバ40は、通常は別々の集積回路により作製されて、有機EL表示パネル10の外部から表示を制御する。
【0026】
図3は、本実施形態の駆動手段において出力される信号の波形を、同じ電圧軸を用いて拡大して示す波形図であり、選択期間におけるデータドライバ20と走査ドライバ40の出力電圧の関係を示している。選択パルスSPi(i=1〜M)の選択期間に、電圧VAが出力される駆動パルスDPiの期間が重なるようにスイッチ34が制御される。駆動パルスDPiにより、電流源回路30は、走査ライン6のLOW電位(−VL)との間で、有機EL発光素子12を発光させる発光電流を出力する。また、選択期間のうち駆動パルスDPiの期間以外の期間においては、スイッチ34が制御されて、有機EL発光素子12の両端の電位は等電位とされ、発光電流は流れない。また、走査ライン6のHi電位(VH)は、電流源回路30の出力電圧との間で、選択されていない行の有機EL発光素子12に発光電流が流れないように選択される。
【0027】
図4は、本実施の形態の駆動手段により駆動される有機EL表示パネルに備えられる有機EL表示素子の特性を示す特性図である。有機EL表示素子は、陽極が負極より高い電圧が印加されると、所定の電圧(V1)までは電流を流さず、V1以上の電圧において電流を流す閾値特性を示す。また、有機EL表示素子は、負極が陽極より高い電圧が印加されても電流は流さない整流特性を示す。図4のグラフは、横軸に負極に対する陽極の電位をとり、そのときの電流(発光電流)を示している。表示に必要な最大輝度を得るための電圧(駆動電圧)をV3とする。なお、従来の駆動手段においては、このV3が駆動パルスの電圧として印加されている。
【0028】
閾値電圧V1と駆動電圧V3との差をV2とすると、本実施の形態の駆動手段においては、第1の例として、VL=V1とし、VH=VA=V2とすることにより、適切な駆動を実現しつつ、データドライバ20の電源電圧を最大限低くすることができる。この場合、図3および図4から明らかなように、電圧VL+VAによって駆動される有機EL表示素子の駆動電圧が電圧V3となり、選択パルスSPの期間以外の期間における行配線の電圧VHは電圧V2と等しくされる。これは、データドライバ20の正電源の電圧および走査ドライバ40の正電源の電圧として電圧V2を選ぶことにより実現できる。このとき、走査ドライバ40の負電源の電圧として電圧−V1が選ばれる。
【0029】
また、本実施の形態の駆動手段の第2の例として、走査ドライバ40の正電源の電圧が、データドライバの印加電圧の最大電圧より高くされる。この場合には、VL=V1とし、VA=V2として、VH>VAすることにより、適切な駆動を実現しつつ、有機EL素子の発光していない期間に逆バイアス電圧を印加することができる。この場合、図3および図4から明らかなように、電圧VL+VAによって駆動される有機EL表示素子の駆動電圧が電圧V3となり、選択パルスSPの期間以外の期間における行配線の電圧VHは電圧V2より大きくされる。これは、走査ドライバ40の正電源の電圧をデータドライバ20の電源の電圧より高くすることにより実現できる。走査ドライバ40の負電源の電圧として電圧−V1が選ばれることは第1の例と同様である。
【0030】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形、変更および組合わせが可能である。例えば、上記実施の形態においては、パルス幅変調における例を示したが、当業者には明らかであるように、例えば、パルス振幅変調を行っても、本発明は実施可能である。また、有機EL表示素子の層構成を逆転させて、電源の極性を反転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態の駆動手段と有機EL表示パネルとを有する有機EL表示装置の構成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の駆動手段において出力される信号の波形を示す波形図である。
【図3】本発明の実施の形態の駆動手段において出力される信号の波形を拡大して示す波形図である。
【図4】本発明の駆動手段により駆動される有機EL表示パネルに備えられる有機EL表示素子の特性を示す特性図である。
【図5】従来の駆動手段と有機EL表示パネルとを有する有機EL表示装置の構成を示すブロック構成図である。
【図6】従来の駆動手段と有機EL表示パネルとの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
4 陽極(列配線)
6 陰極(行配線、走査ライン)
10 有機EL表示パネル
12 有機EL表示素子
14 ダイオード
16 キャパシタ
20 データドライバ
22 シフトレジスタ
24 ラッチ回路
26 PWM回路
28 出力段回路
30 電流源回路
32 電源ライン
34 スイッチ
36 保護ダイオード
38、46、52、56 ライン
40 走査ドライバ
42 シフトレジスタ
44 出力回路部
48 スイッチ
50 フォトカプラ
54 クロック信号
100 有機EL表示装置
106 走査ライン
104 列配線(陽極)
106 走査ライン(陰極)
110 有機EL表示パネル
112 有機EL発光素子
114 ダイオード
116 キャパシタ
120 データドライバ(駆動部)
122 シフトレジスタ
124 ラッチ回路
126 PWM回路
128 出力段回路
130 電流源回路
132 電源ライン
134、148スイッチ
136、146、150 ライン
140 走査ドライバ(駆動部)
142 シフトレジスタ
144 出力回路部
211 電子注入層
212 電子輸送層
213 有機EL発光層
214 正孔輸送層
215 正孔注入層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機EL表示パネルの行配線をある期間中は負電源に接続し、該行配線を前記期間以外の期間中は正電源に接続するための切替回路を複数備える第1駆動回路部と、
有機EL表示パネルの列配線に正の印加電圧を出力して、前記切替回路により前記負電源に接続されている各有機EL発光素子に発光電流を流すための電流回路を備える第2駆動回路部と
を備えてなる駆動手段。
【請求項2】
前記正電源が前記第2駆動回路部の動作電源として用いられて、前記正電源の電圧が、前記印加電圧の最大電圧と等しい、請求項1に記載の駆動手段。
【請求項3】
前記正電源の電圧は、前記印加電圧の最大電圧より高い、請求項1に記載の駆動手段。
【請求項4】
前記負電源の電圧の絶対値は、有機EL発光素子の動作電圧の閾値の絶対値とほぼ等しくされる、請求項1〜3のいずれかに記載の駆動手段。
【請求項5】
有機EL表示パネルの行配線をある期間中は正電源に接続し、該行配線を前記期間以外の期間中は負電源に接続するための切替回路を複数備える第1駆動回路部と、
有機EL表示パネルの列配線に負の印加電圧を出力して、前記切替回路により前記正電源に接続されている各有機EL発光素子に発光電流を流すための電流回路を備える第2駆動回路部と
を備えてなる駆動手段。
【請求項6】
前記負電源が前記第2駆動回路部の動作電源として用いられて、前記負電源の電圧が、前記印加電圧の最大電圧と等しい、請求項5に記載の駆動手段。
【請求項7】
前記負電源の電圧は、前記印加電圧の最大電圧より低い、請求項5に記載の駆動手段。
【請求項8】
前記正電源の電圧の絶対値は、有機EL発光素子の動作電圧の閾値の絶対値とほぼ等しくされる、請求項5〜7のいずれかに記載の駆動手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−58039(P2007−58039A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245878(P2005−245878)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】