説明

有機EL表示装置及び有機EL駆動方法

【課題】各画素内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけること。
【解決手段】本発明の有機EL表示装置は、各画素21内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加する比較増幅回路2と、各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧を比較増幅回路2にフィードバックするフィードバック回路5と、比較増幅回路2が各画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替回路1とを備えている。比較増幅回路2は、目標電圧(画像信号電圧)と、フィードバック回路5からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、各画素21に電圧を印加する。スルーレート切替回路1は、目標電圧(画像信号電圧)と、フィードバック回路5からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、比較増幅回路2が各画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己発光する有機EL素子を画素に用いてこれをマトリクス状に配置して表示を行う有機EL表示装置及び当該有機EL表示装置を駆動する有機EL駆動方法に係り、特に、画素ごとの輝度ばらつき、および長時間発光に伴う輝度低下を抑制する機能を備えた有機EL表示装置及び当該有機EL表示装置を駆動する有機EL駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子を利用した表示装置は、有機EL素子が自己発光素子であることからバックライトが不要であり低消費電力化に向く点でLCD( 液晶表示装置)にない特徴がある。また、高速応答、広視野角の特性を有し、さらに素子自体が固体であるためフレキシブルな用途への応用が可能などの利点もある。
【0003】
一般に有機EL素子の輝度は、その素子の電流対電圧特性にかかわらず、その素子に流れる電流値に比例する。したがって、画素ごとの輝度ばらつきを抑制するためには、各画素の有機EL素子に印加される電圧を均一にするのではなくて、各画素の有機EL素子を流れる電流を均一にする必要がある。また、同様に、長時間発光に伴う輝度低下を抑制するためには、各画素の有機EL素子に印加される電圧を一定にするのではなくて、各画素の有機EL素子を流れる電流を一定にする必要がある。
【0004】
図13に示すように、従来から、複数の画素21を駆動する有機EL表示装置用駆動回路は、各画素21に接続され、各画素21内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加する比較増幅回路2と、比較増幅回路2と各画素21に接続され、各画素21内の有機EL素子を流れる電流を検出し、電圧値に変換して比較増幅回路2にフィードバックするフィードバック回路5とを備えている。なお、各画素21は走査信号発生回路22に接続されており、この走査信号発生回路22は、比較増幅回路2によって電圧が印加される画素21を切り替える。
【0005】
このような比較増幅回路2は、目標電圧(画像信号電圧)と、フィードバック回路からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)とに基づいて、各画素21内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図13に示すような有機EL表示装置用駆動回路によると、図14に示すように、フィードバック電圧が振動する現象が生じる。フィードバック電圧は各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例しているから、この現象はすなわち各画素21内の有機EL素子を流れる電流が振動することを示している。この振動が生じると、前記有機EL素子を流れる電流を、所定の画素選択時間内に目標電流値に設定することが困難になるため、各画素21を画像信号によって指定された通りの輝度で発光させることが困難になる。
【0007】
このような振動現象が生じる原因は、一般的な比較増幅回路2の出力電圧のスルーレートが大きいために、比較増幅回路2の出力電圧の単位時間当たりの電圧変化が、上述したフィードバック電圧の単位時間当たりの電圧変化よりも大きいことにある。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、各画素内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる有機EL表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の画素がマトリックス状に配置され、前記複数の画素の中から走査信号に従って画素が選択され、前記選択された画素が画像信号に従って発光させられる有機EL表示装置であって、各画素に接続され、各画素に電圧を印加する比較増幅回路と、比較増幅回路と各画素に接続され、各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧を比較増幅回路にフィードバックするフィードバック回路と、フィードバック回路と比較増幅回路に接続され、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替回路とを備え、各画素は、発光素子である有機EL素子と、前記有機EL素子に流れる電流を制御する電流制御用薄膜トランジスタと、前記走査信号に従って比較増幅回路の出力電圧の印加/非印加を切り替える第1の画素選択用薄膜トランジスタと、前記走査信号に従ってフィードバック回路から前記有機EL素子へ流れる電流の伝送/非伝送を切り替える第2の画素選択用薄膜トランジスタと、前記走査信号の反転信号に従って電源から前記有機EL素子へ流れる電流の伝送/非伝送を切り替える第3の画素選択用薄膜トランジスタと、前記第1の画素選択用薄膜トランジスタを介して印加された比較増幅回路の出力電圧を保持する電圧保持用コンデンサとからなり、比較増幅回路は、目標電圧と、フィードバック回路からフィードバックされる各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、各画素内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加し、スルーレート切替回路は、目標電圧と、フィードバック回路からフィードバックされる各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えることを特徴とする有機EL表示装置である。
【0010】
このような構成により、各画素内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる。
【0011】
本発明は、スルーレート切替回路が、フィードバック回路からフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値と目標電圧の値との差が、所定値以内にある場合に、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを低下させることを特徴とする有機EL表示装置である。
【0012】
このような構成により、各画素内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる。
【0013】
本発明は、スルーレート切替回路が、比較増幅回路の出力電流を変化させることによって、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えることを特徴とする有機EL表示装置である。
【0014】
本発明は、比較増幅回路が、フィードバック回路からフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値と目標電圧の値との差が、所定値以内にある場合に、電流の供給を停止する補助定電流源を有することを特徴とする有機EL表示装置である。
【0015】
本発明は、スルーレート切替回路が、比較増幅回路の位相補償容量を変化させることによって、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えることを特徴とする有機EL表示装置である。
【0016】
本発明は、比較増幅回路が、フィードバック回路からフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値と目標電圧の値との差が、所定値以内にある場合に、比較増幅回路の位相補償容量を増加させる補助コンデンサを有することを特徴とする有機EL表示装置である。
【0017】
本発明は、フィードバック回路が、カレントミラー回路と抵抗からなることを特徴とする有機EL表示装置である。
【0018】
本発明は、比較増幅回路とスルーレート切替回路には、目標電圧を入力する目標電圧入力部が接続され、スルーレート切替回路が、フィードバック回路に接続される一対のコンパレータと、当該一対のコンパレータに接続されたOR回路とを有し、前記目標電圧入力部と一方のコンパレータとの間には、正電極が一方のコンパレータ側に配置された第一電源が設けられ、前記目標電圧入力部と他方のコンパレータとの間には、負電極が他方のコンパレータ側に配置された第二電源が設けられることを特徴とする有機EL表示装置である。
【0019】
本発明は、一方のコンパレータに入力される第一電源の電圧が、他方のコンパレータに入力される第二電源の電圧と等しいことを特徴とする有機EL表示装置である。
【0020】
本発明は、上述した有機EL表示装置を駆動する有機EL駆動方法において、画素に接続された比較増幅回路により、各画素内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加する電圧印加工程と、画素に接続された比較増幅回路と、比較増幅回路に接続されたスルーレート切替回路に、フィードバック回路を介して各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧をフィードバックするフィードバック工程と、フィードバック工程によってフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧と目標電圧とに基づいて、スルーレート切替回路により、比較増幅回路が画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替工程と、比較増幅回路により、切り替わったスルーレートで画素に電圧を印加する切替電圧印加工程と、を備えたことを特徴とする有機EL駆動方法である。
【0021】
このような構成により、各画素内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、目標電圧(画像信号電圧)と、フィードバック回路からフィードバックされる各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替回路を用いることによって、各画素内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る有機EL表示装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図9は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本発明は、複数の画素21がマトリックス状に配置して表示を行う有機EL表示装置である。
【0025】
このような画素21は各々、図1乃至図3に示すように、走査信号発生回路22に接続され、当該走査信号発生回路22からの走査信号に従って、複数の画素21の中から特定の画素21が選択され、選択された画素21が画像信号に従って発光させられる。
【0026】
また、図10に示すように、各画素21は、発光素子である有機EL素子OLEDと、有機EL素子OLEDに流れる電流を制御する電流制御用薄膜トランジスタTと、走査信号発生回路22からの走査信号に従って、後述する比較増幅回路2の出力電圧の印加/非印加を切り替える第1の画素選択用薄膜トランジスタT1と、走査信号発生回路22からの走査信号に従って、後述するフィードバック回路5から有機EL素子へ流れる電流の伝送/非伝送を切り替える第2の画素選択用薄膜トランジスタT2と、走査信号発生回路22からの走査信号の反転信号に従って電源VDDから有機EL素子OLEDへ流れる電流の伝送/非伝送を切り替える第3の画素選択用薄膜トランジスタT3と、第1の画素選択用薄膜トランジスタT1を介して印加された比較増幅回路2の出力電圧を保持する電圧保持用コンデンサCSとからなっている。
【0027】
また、図1に示すように、有機EL表示装置は、目標電圧(画像信号電圧)を入力する目標電圧入力部9と、各画素21と目標電圧入力部9に接続され、各画素21内の電流制御用薄膜トランジスタTのゲート電極に電圧を印加する比較増幅回路2と、比較増幅回路2と各画素21に接続され、各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧を比較増幅回路2にフィードバックするPNPトランジスタ6pを用いたカレントミラー回路6を有するフィードバック回路5と、目標電圧入力部9、カレントミラー回路6及び比較増幅回路2に接続され、比較増幅回路2が各画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替回路1とを備えている。なお、フィードバック回路5は、カレントミラー回路6と抵抗6rからなっている。また、このような構成において、電流は、カレントミラー回路6から画素21に向かって流れる。
【0028】
このうち、比較増幅回路2は、図1において、目標電圧(画像信号電圧)と、カレントミラー回路6からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)とに基づいて、各画素21内の有機EL素子を流れる電流を目標電流に近づけるよう、各画素21内の電流制御用薄膜トランジスタTのゲート電極に電圧を印加する(図10参照)。
【0029】
また、図2に示すように、スルーレート切替回路1は、カレントミラー回路6に接続される一対のコンパレータ11,12と、当該一対のコンパレータ11,12に接続されたOR回路13とを有している。また、図2に示すように、目標電圧入力部9と一方のコンパレータ11との間には、正電極が一方のコンパレータ11側に配置された第一電源16が設けられ、目標電圧入力部9と他方のコンパレータ12との間には、負電極が他方のコンパレータ12側に配置された第二電源17が設けられている。なお、一方のコンパレータ11に入力される第一電源16の電圧αは、他方のコンパレータ12に入力される第二電源17の電圧αと等しくなっている。
【0030】
このようなスルーレート切替回路1は、図1において、目標電圧(画像信号電圧)と、カレントミラー回路6からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)とに基づいて、比較増幅回路2が各画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替える。すなわち、スルーレート切替回路1は、カレントミラー回路6からフィードバックされた各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値α以内にある場合に(図5参照)、比較増幅回路2の補助定電流源35が電流の供給を停止することによって、各画素21に印加する電圧のスルーレートを低下させる(遅くする)。
【0031】
具体的には、図3及び図4に示すように、比較増幅回路2は、カレントミラー回路6からフィードバックされた各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値α以内にある場合に、スイッチ44が切られ、電流の供給を停止する補助定電流源35を有している。
【0032】
そして、スルーレート切替回路1は、比較増幅回路2のスイッチ44を入れて補助定電流源35に電流を供給させたり、スイッチ44を切って補助定電流源35からの電流を停止させたりすることによって、比較増幅回路2の出力電流を変化させ、比較増幅回路2が各画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替える。
【0033】
また、図4に示すように、比較増幅回路2は、電源VCCに接続され、PNPトランジスタ36pを用いたカレントミラー回路36と、当該カレントミラー回路36に接続されるとともに、+端子51(図1、図2及び図3参照)に接続されたNPNトランジスタ38nと、当該カレントミラー回路36に接続されるとともに、−端子52(図1、図2及び図3参照)に接続されたNPNトランジスタ37nとを有している。
【0034】
また、図4に示すように、電源VCCには、PNPトランジスタ41pが接続されている。また、当該PNPトランジスタ41pには、+端子51に接続されたNPNトランジスタ38nと、出力部49と、出力部49に接続されたコンデンサ42(容量C)と、グランドVSSに接続された第二定電流源32が接続されている。なお、第二定電流源32には、コンデンサと、出力部49が接続されている。また、この出力部49は、各画素21に接続されている(図1乃至図3参照)。
【0035】
また、図1乃至図3に示すように、+端子51は、目標電圧入力部9に接続され、−端子52は、カレントミラー回路6に接続されている。
【0036】
また、図4に示すように、+端子51に接続されたNPNトランジスタ38nと、−端子52に接続されたNPNトランジスタ37nは、グランドVSSに接続された第一定電流源31と、グランドVSSに接続されるとともに、スイッチ44によってON/OFF自在となった補助定電流源35に接続されている。
【0037】
また、図1乃至図3に示すように、各画素21は走査信号発生回路22に接続されている。そして、この走査信号発生回路22は、比較増幅回路2によって電圧が印加される画素21を切り替える。
【0038】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0039】
最初に、一般的な比較増幅回路2を示した図7を参照として、スルーレートの導き方について説明する。図7に示す比較増幅回路2は、第二定電流源32を有していない以外は、図4に示した本実施の形態における比較増幅回路2と、略同一の構成になっている。以下、図7において、+端子51から入力される電圧Vbe+が−端子52から入力される電圧Vbe−よりも大きくなる場合を用いて説明する。
【0040】
+端子51から入力される電圧Vbe+が−端子52から入力される電圧Vbe−よりも大きくなると、+端子51に接続されたNPNトランジスタ38nにおける電圧Vbe+が−端子52に接続されたNPNトランジスタ37nにおける電圧Vbe−よりも大きくなり、第一定電流源31によって流れる電流I1の大部分は、コンデンサ42から供給される。そして、コンデンサ42からの電流は、Vbe+=Vbe−となるまで流れ続ける。この間、コンデンサ42において変化する電荷ΔQは、
ΔQ=C・ΔV=I1・t (式1)
と示される。ここで、Cはコンデンサ42の容量を示し、tはVbe+=Vbe−となるまでに要する時間を示し、ΔVは、Vbe+=Vbe−となるまでの間、コンデンサ42において変化する電圧を示している。上述した(式1)より、スルーレート(以下、スルーレートの値をSRとして示す)は、
SR=ΔQ/(C・t)=ΔV/t=I1/C (式2)
と示される。
【0041】
従って、図4に示す本実施の形態の比較増幅回路2におけるスルーレートは、補助定電流源35に接続されたスイッチ44が入っている場合には、
SR=(I1+I3)/C (式3)
となり、補助定電流源35に接続されたスイッチ44が入っていない場合には、
SR=I1/C (式2)
となる。
【0042】
次に、本実施の形態による有機EL表示装置の作用効果について説明する。
【0043】
まず、画素21に接続された比較増幅回路2は、目標電圧入力部9から入力される目標電圧(画像信号電圧)と、後述のようにカレントミラー回路6からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、各画素21内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加する(電圧印加工程81)(図3及び図8参照)。なお、このとき、比較増幅回路2の補助定電流源35に接続されたスイッチ44は入っており、比較増幅回路2におけるスルーレートの値SRはSR=(I1+I3)/C(式3)となっている(図4参照)。
【0044】
次に、各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値が、カレントミラー回路6を介して、画素21に接続された比較増幅回路2と、比較増幅回路2に接続されたスルーレート切替回路1に、フィードバックされる(フィードバック工程82)(図3及び図8参照)。
【0045】
次に、スルーレート切替回路1は、フィードバックされた各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値αの範囲内にあるか否かを判断する(判断工程85)(図3、図5及び図8参照)。
【0046】
具体的には、図2に示すように、一方のコンパレータ11には、カレントミラー回路6が接続されるとともに、目標電圧入力部9との間に、正電極が一方のコンパレータ11側に配置された電圧α(V)の第一電源16が設けられているため、一方のコンパレータ11には、画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と、目標電圧(画像信号電圧)に所定値αを加えた値(目標電圧+α)が入力される。
【0047】
他方、図2に示すように、他方のコンパレータ12には、カレントミラー回路6が接続されるとともに、目標電圧入力部9との間に、負電極が他方のコンパレータ12側に配置された電圧α(V)の第二電源17が設けられているため、他方のコンパレータ12には、画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と、目標電圧(画像信号電圧)から所定値αを引いた値(目標電圧−α)が入力される。
【0048】
そして、図2に示すように、これらの一対のコンパレータ11,12はOR回路13に接続されているので、当該OR回路13は、フィードバックされた画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値αの範囲内にあるか否かを判断することができる。
【0049】
このような判断工程85において、スルーレート切替回路1のOR回路13が、フィードバックされた画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が所定値αの範囲内にあると判断するまで、上述した電圧印加工程81、フィードバック工程82及び判断工程85が順次行われる(図5及び図8参照)。
【0050】
そして、判断工程85において、スルーレート切替回路1のOR回路13が、フィードバックされた画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が所定値αの範囲内にあると判断すると、比較増幅回路2は、当該OR回路13からの信号に基づいて、画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替える(スルーレート切替工程90)(図2及び図8参照)。
【0051】
具体的には、比較増幅回路2の補助定電流源35に接続されたスイッチ44を切り、補助定電流源35からの電流の供給を停止することによって、SR=(I1+I3)/C(式3)であったスルーレートを、SR=I1/C(式2)に切り替えて、遅くする(図3、図4、図6及び図8参照)。
【0052】
次に、比較増幅回路2は、このように遅くなったスルーレート(SR=I1/C)で、目標電圧入力部9から入力される目標電圧と、後述のようにカレントミラー回路6からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、各画素21内の有機EL素子を流れる電流が目標電流値に近づけるよう、各画素21に電圧を印加する(低速電圧印加工程(切替電圧印加工程)91)(図3、図6及び図8参照)。
【0053】
次に、遅くなったスルーレート(SR=I1/C)によって画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値が、カレントミラー回路6を介して、画素21に接続された比較増幅回路2と、比較増幅回路2に接続されたスルーレート切替回路1に、フィードバックされる(低速フィードバック工程(切替フィードバック工程)92)(図3、図6及び図8参照)。
【0054】
後は、各画素21内の有機EL素子を流れる電流が目標電流値になるまで、上述した低速電圧印加工程91及び低速フィードバック工程92を繰り返し行う(図3及び図8参照)。
【0055】
このように、比較増幅回路2が、遅くなったスルーレート(SR=I1/C)によって、目標電圧入力部9から入力される目標電圧(画像信号電圧)と、カレントミラー回路6からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)とに基づいて、各画素21内の有機EL素子を流れる電流が目標電流値に近づけるよう、各画素21に電圧を印加する。このため、各画素21内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる。
【0056】
なお、上述した本実施の形態では、フィードバック回路5に、PNPトランジスタ6pを有するカレントミラー回路6を用いて説明したが、これに限ることなく、図9に示すように、フィードバック回路5に、NPNトランジスタ6nを有するカレントミラー回路6aを用いてもよい。このとき、電流は、PNPトランジスタ6pを有するカレントミラー回路6を用いた場合とは逆方向、すなわち、画素21側から当該カレントミラー回路6aに向かって流れる。
【0057】
第2の実施の形態
次に図11及び図12により本発明の第2の実施の形態について説明する。図11及び図12に示す第2の実施の形態は、比較増幅回路2の出力電流を変化させる代わりに、比較増幅回路2の位相補償容量を変化させることによって、比較増幅回路2が各画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替えるものである。
【0058】
すなわち、カレントミラー回路6からフィードバックされた各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値α以内にある場合に、電流の供給を停止する補助定電流源35を有する比較増幅回路2を用いる(図3参照)代わりに、図11に示すように、カレントミラー回路6からフィードバックされた各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値α以内にある場合に、位相補償容量を増加させる補助コンデンサ45を有する比較増幅回路2を用いたものである。
【0059】
その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。また、図11及び図12に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0060】
具体的には、図12に示すように、比較増幅回路2は、電源VCCに接続され、PNPトランジスタ36pを用いたカレントミラー回路36と、当該カレントミラー回路36に接続されるとともに、+端子51に接続されたNPNトランジスタ38nと、当該カレントミラー回路36に接続されるとともに、−端子52に接続されたNPNトランジスタ37nとを有している。
【0061】
また、図12に示すように、電源VCCには、PNPトランジスタ41pが接続されている。また、当該PNPトランジスタ41pには、+端子51に接続されたNPNトランジスタ38nと、出力部49と、出力部49に接続された第一コンデンサ48(容量C1)と、出力部49に接続され、スイッチ46によってON/OFF自在となった補助コンデンサ45(容量C2)と、グランドVSSに接続された第二定電流源32が接続されている。なお、第二定電流源32には、第一コンデンサ48(容量C1)と、スイッチ46によってON/OFF自在となった補助コンデンサ45(容量C2)と、出力部49が接続されている。また、この出力部49は、各画素21に接続されている(図11参照)。
【0062】
また、図11に示すように、+端子51は、目標電圧入力部9に接続され、−端子52は、カレントミラー回路6に接続されている。
【0063】
また、図12に示すように、+端子51に接続されたNPNトランジスタ38nと、−端子52に接続されたNPNトランジスタ37nは、グランドVSSに接続された第一定電流源31に接続されている。
【0064】
このような図12に示す本実施の形態の比較増幅回路2におけるスルーレートは、補助コンデンサ45に接続されたスイッチ46が入っていない場合には、
SR=I1/C1 (式4)
となり、補助コンデンサ45に接続されたスイッチ46が入っている場合には、
SR=I1/(C1+C2) (式5)
となる。
【0065】
次に、本実施の形態による有機EL表示装置の作用効果について説明する。
【0066】
まず、画素21に接続された比較増幅回路2は、目標電圧入力部9から入力される目標電圧(画像信号電圧)と、後述のようにカレントミラー回路6からフィードバックされる画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、画素21内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加する(電圧印加工程81)(図8及び図11参照)。なお、このとき、比較増幅回路2の補助コンデンサ45に接続されたスイッチ46は入っておらず、比較増幅回路2におけるスルーレートの値SRは、SR=I1/C1(式4)となっている(図12参照)。
【0067】
次に、画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値が、カレントミラー回路6を介して、画素21に接続された比較増幅回路2と、比較増幅回路2に接続されたスルーレート切替回路1に、フィードバックされる(フィードバック工程82)(図8及び図11参照)。
【0068】
次に、スルーレート切替回路1は、フィードバックされた画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が、所定値αの範囲内にあるか否かを判断する(判断工程85)(図5、図8及び図11参照)。
【0069】
このような判断工程85において、スルーレート切替回路1のOR回路13が、フィードバックされた画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が所定値αの範囲内にあると判断するまで、上述した電圧印加工程81、フィードバック工程82及び判断工程85が順次行われる(図5及び図8参照)。
【0070】
そして、判断工程85において、スルーレート切替回路1のOR回路13が、フィードバックされた画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)の値と目標電圧(画像信号電圧)の値との差が所定値αの範囲内にあると判断すると、当該OR回路13からの信号に基づいて、比較増幅回路2が画素21に印加する電圧のスルーレートを切り替える(スルーレート切替工程90)(図2、図6、図8及び図11参照)。
【0071】
具体的には、比較増幅回路2の補助コンデンサ45に接続されたスイッチ46を入れて、位相補償容量を増加させることによって、SR=I1/C1(式4)であったスルーレートを、SR=I1/(C1+C2)(式5)に切り替えて、遅くする(図6、図8、図11及び図12参照)。
【0072】
次に、比較増幅回路2は、このように遅くなったスルーレート(SR=I1/(C1+C2))で、目標電圧入力部9から入力される目標電圧(画像信号電圧)と、後述のようにカレントミラー回路6からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、各画素21内の有機EL素子を流れる電流が目標電流値に近づけるよう、各画素21に電圧を印加する(低速電圧印加工程(切替電圧印加工程)91)(図6、図8及び図11参照)。
【0073】
次に、画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値が、カレントミラー回路6を介して、画素21に接続された比較増幅回路2と、比較増幅回路2に接続されたスルーレート切替回路1に、フィードバックされる(低速フィードバック工程(切替フィードバック工程)92)(図8及び図11参照)。
【0074】
後は、各画素21内の有機EL素子を流れる電流が目標電流になるまで、上述した低速電圧印加工程91及び低速フィードバック工程92を繰り返し行う(図11参照)。
【0075】
このように、比較増幅回路2が、遅くなったスルーレート(SR=I1/(C1+C2))によって、目標電圧入力部9から入力される目標電圧(画像信号電圧)と、フィードバック回路5からフィードバックされる各画素21内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧(フィードバック電圧)とに基づいて、各画素21内の有機EL素子を流れる電流が目標電流に近づけるよう、各画素21に電圧を印加する。このため、各画素21内の有機EL素子を流れる電流を、効率よくかつ迅速に、目標電流に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態において、スルーレート切替回路を具体的に示す構成図。
【図3】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態において、比較増幅回路の出力電流が変化可能であることを示す構成図。
【図4】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態において、比較増幅回路を具体的に示す構成図。
【図5】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態において、スルーレートを切り替える場合を、フィードバック電圧と目標電圧の関係を用いて示す概略図
【図6】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態において、画素に加えられる電圧と、時間との関係を示したグラフ図。
【図7】一般的な比較増幅回路を具体的に示す構成図。
【図8】本発明の第1の実施の形態における有機EL駆動方法を示すフロー図。
【図9】本発明による有機EL表示装置の第1の実施の形態の変形例を示す構成図。
【図10】本発明の第1の実施の形態における画素の回路図。
【図11】本発明による有機EL表示装置の第2の実施の形態において、比較増幅回路の位相補償容量が変化可能であることを示す構成図。
【図12】本発明による有機EL表示装置の第2の実施の形態において、比較増幅回路を具体的に示す構成図。
【図13】従来の有機EL表示装置を示す構成図。
【図14】従来の有機EL表示装置において、画素に加えられる電圧と、時間との関係を示したグラフ図。
【符号の説明】
【0077】
1 スルーレート切替回路
2 比較増幅回路
5 フィードバック回路
6 カレントミラー回路
6r 抵抗
9 目標電圧入力部
11 一方のコンパレータ
12 他方のコンパレータ
13 OR回路
16 第一電源
17 第二電源
21 画素
35 補助定電流源
45 補助コンデンサ
81 電圧印加工程
82 フィードバック工程
85 判断工程
90 スルーレート切替工程
91 低速電圧印加工程(切替電圧印加工程)
92 低速フィードバック工程(切替フィードバック工程)
CS 電圧保持用コンデンサ
T 電流制御用薄膜トランジスタ
T1 第1の画素選択用薄膜トランジスタ
T2 第2の画素選択用薄膜トランジスタ
T3 第3の画素選択用薄膜トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素がマトリックス状に配置され、前記複数の画素の中から走査信号に従って画素が選択され、前記選択された画素が画像信号に従って発光させられる有機EL表示装置であって、
各画素に接続され、各画素に電圧を印加する比較増幅回路と、
比較増幅回路と各画素に接続され、各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧を比較増幅回路にフィードバックするフィードバック回路と、
フィードバック回路と比較増幅回路に接続され、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替回路とを備え、
各画素は、発光素子である有機EL素子と、前記有機EL素子に流れる電流を制御する電流制御用薄膜トランジスタと、前記走査信号に従って比較増幅回路の出力電圧の印加/非印加を切り替える第1の画素選択用薄膜トランジスタと、前記走査信号に従ってフィードバック回路から前記有機EL素子へ流れる電流の伝送/非伝送を切り替える第2の画素選択用薄膜トランジスタと、前記走査信号の反転信号に従って電源から前記有機EL素子へ流れる電流の伝送/非伝送を切り替える第3の画素選択用薄膜トランジスタと、前記第1の画素選択用薄膜トランジスタを介して印加された比較増幅回路の出力電圧を保持する電圧保持用コンデンサとからなり、
比較増幅回路は、目標電圧と、フィードバック回路からフィードバックされる各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、各画素内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加し、
スルーレート切替回路は、目標電圧と、フィードバック回路からフィードバックされる各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧とに基づいて、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えることを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項2】
スルーレート切替回路は、フィードバック回路からフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値と目標電圧の値との差が、所定値以内にある場合に、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを低下させることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
【請求項3】
スルーレート切替回路は、比較増幅回路の出力電流を変化させることによって、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
比較増幅回路は、フィードバック回路からフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値と目標電圧の値との差が、所定値以内にある場合に、電流の供給を停止する補助定電流源を有することを特徴とする請求項3記載の有機EL表示装置。
【請求項5】
スルーレート切替回路は、比較増幅回路の位相補償容量を変化させることによって、比較増幅回路が各画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
【請求項6】
比較増幅回路は、フィードバック回路からフィードバックされた各画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧の値と目標電圧の値との差が、所定値以内にある場合に、比較増幅回路の位相補償容量を増加させる補助コンデンサを有することを特徴とする請求項5記載の有機EL表示装置。
【請求項7】
フィードバック回路は、カレントミラー回路と抵抗からなることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
【請求項8】
比較増幅回路とスルーレート切替回路には、目標電圧を入力する目標電圧入力部が接続され、
スルーレート切替回路は、フィードバック回路に接続される一対のコンパレータと、当該一対のコンパレータに接続されたOR回路とを有し、
前記目標電圧入力部と一方のコンパレータとの間には、正電極が一方のコンパレータ側に配置された第一電源が設けられ、
前記目標電圧入力部と他方のコンパレータとの間には、負電極が他方のコンパレータ側に配置された第二電源が設けられることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置。
【請求項9】
一方のコンパレータに入力される第一電源の電圧は、他方のコンパレータに入力される第二電源の電圧と等しいことを特徴とする請求項8記載の有機EL表示装置。
【請求項10】
請求項1記載の有機EL表示装置を駆動する有機EL駆動方法であって、
画素に接続された比較増幅回路により、画素内の電流制御用薄膜トランジスタのゲート電極に電圧を印加する電圧印加工程と、
画素に接続された比較増幅回路と、比較増幅回路に接続されたスルーレート切替回路に、フィードバック回路を介して画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧をフィードバックするフィードバック工程と、
フィードバック工程によってフィードバックされた画素内の有機EL素子を流れる電流に比例した電圧と目標電圧とに基づいて、スルーレート切替回路により、比較増幅回路が画素に印加する電圧のスルーレートを切り替えるスルーレート切替工程と、
比較増幅回路により、切り替わったスルーレートで画素に電圧を印加する切替電圧印加工程と、
を備えたことを特徴とする有機EL駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−15178(P2008−15178A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−185811(P2006−185811)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】