説明

有機EL表示装置

上面発光型の有機EL表示装置1は、絶縁基板10と、絶縁基板10の一主面上に配置された複数の有機EL素子40と、有機EL素子40から繰返し反射干渉しながら面内方向に伝播する光を取り出して有機EL素子40の前方へ進行させる取り出し層30とを含んだアレイ基板2と、複数の有機EL素子40と向き合うと共にそれらから離間した封止基板3とを含む。表示装置1は、封止基板3とアレイ基板2の有機EL素子40に対応した素子部との間に、不活性ガスが充填されているか又は真空の密閉空間を形成している。封止基板3と素子部との間の距離は100nm以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL表示装置は自己発光表示装置であるため、視野角が広く、応答速度が速い。また、バックライトが不要であるため、広視野角及び高速応答を達成し得る。また、有機EL表示装置は、バックライトが不要であるため、薄型軽量に形成可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる表示装置として注目されている。
【0003】
有機EL表示装置の主要部である有機EL素子は、光透過性の前面電極と、これと対向した光反射性又は光透過性の背面電極と、それらの間に介在するとともに発光層を含んだ有機物層とで構成されている。有機EL素子は、有機物層に電気を流すことにより発光する電荷注入型の自発光素子である。
【0004】
ところで、有機EL素子の輝度は、これに流す電流の大きさに応じて増加する。しかしながら、電流密度を高めると、消費電力が大きくなるのに加え、有機EL素子の寿命が著しく短くなる。したがって、高輝度、低消費電力、長寿命を同時に実現するには、有機EL素子が放出する光を有機EL表示装置の外部へとより効率的に取り出すこと,すなわち取り出し効率を向上させること,が重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、有機EL表示装置の取り出し効率を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、上面発光型の有機EL表示装置であって、絶縁基板と、前記絶縁基板の一主面上に配置された複数の有機EL素子と、前記有機EL素子から繰返し反射干渉しながら面内方向に伝播する光を取り出して前記有機EL素子の前方へ進行させる取り出し層とを具備したアレイ基板と、前記複数の有機EL素子と向き合うと共にそれらから離間した封止基板とを具備し、前記表示装置は、前記封止基板と前記アレイ基板の前記有機EL素子に対応した素子部との間に、不活性ガスが充填されているか又は真空の密閉空間を形成し、前記封止基板と前記素子部との間の距離は100nm以上であるものが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
図1は、本発明の第1態様に係る有機EL表示装置を概略的に示す断面図である。図2は、図1の有機EL表示装置を拡大して示す部分断面図である。なお、図1及び図2では、有機EL表示装置1を、その表示面,すなわち前面または光出射面,が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0009】
図1に示す有機EL表示装置1は、アクティブマトリクス型駆動方式を採用した上面発光型の有機EL表示装置である。この有機EL表示装置1は、アレイ基板2と封止基板3とを含んでいる。
【0010】
封止基板3のアレイ基板2との対向面は、例えば、凹形状を有している。アレイ基板2と封止基板3とは、周縁部同士が例えば接着剤やフリットシールなどによって結合しており、これにより、それらの間に密閉空間を形成している。この密閉空間は、気密に形成されており、例えば窒素ガスなどの不活性ガスが充填されているか又は真空である。
【0011】
なお、アレイ基板2及び封止基板3の各対向面が平坦である場合、封止基板3とアレイ基板2との間にスペーサを配置してもよい。或いは、後述する隔壁絶縁層50をスペーサとして使用してもよい。
【0012】
アレイ基板2は、例えば、ガラス基板などの絶縁基板10を含んでいる。絶縁基板10上では、複数の画素がマトリクス状に配列している。
【0013】
各画素は、画素回路と有機EL素子40とを含んでいる。なお、図1では、複数の有機EL素子40を纏めて層40Gとして描いている。
【0014】
画素回路は、例えば、一対の電源端子間で有機EL素子40と直列に接続された駆動制御素子(図示せず)及び出力制御スイッチ20と、画素スイッチ(図示せず)とを含んでいる。駆動制御素子は、その制御端子が画素スイッチを介して映像信号線(図示せず)に接続されており、映像信号線から供給される映像信号に対応した大きさの電流を出力制御スイッチ20を介して有機EL素子40へ出力する。また、画素スイッチの制御端子は走査信号線(図示せず)に接続されており、走査信号線から供給される走査信号によりスイッチング動作が制御される。なお、これら画素には、他の構造を採用することも可能である。
【0015】
基板10上には、アンダーコート層12として、例えば、SiNx層とSiOx層とが順次積層されている。アンダーコート層12上には、例えばチャネル及びソース・ドレインが形成されたポリシリコン層である半導体層13、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)などを用いて形成され得るゲート絶縁膜14、及び例えばMoWなどからなるゲート電極15が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を構成している。この例では、これらTFTは、画素スイッチ、出力制御スイッチ20、駆動制御素子のTFTとして利用している。また、ゲート絶縁膜14上には、ゲート電極15と同一の工程で形成可能な走査信号線(図示せず)がさらに配置されている。
【0016】
ゲート絶縁膜14及びゲート電極15は、例えばプラズマCVD法などにより成膜されたSiOxなどからなる層間絶縁膜17で被覆されている。層間絶縁膜17上にはソース・ドレイン電極21が配置されており、それらは、例えばSiNxなどからなるパッシベーション膜18で埋め込まれている。ソース・ドレイン電極21は、例えば、Mo/Al/Moの三層構造を有しており、層間絶縁膜17に設けられたコンタクトホールを介してTFTのソース・ドレインに電気的に接続されている。また、層間絶縁膜17上には、ソース・ドレイン電極21と同一の工程で形成可能な映像信号線(図示せず)がさらに配置されている。
【0017】
パッシベーション膜18上には、平坦化層19が形成されている。平坦化層19上には、反射層70が配置されている。平坦化層19の材料としては、例えば、硬質樹脂を使用することができる。反射層70の材料としては、例えば、Alなどの金属材料を使用することができる。
【0018】
平坦化層19及び反射層70は、取り出し層30で被覆されている。ここでは、一例として、取り出し層30は、第1部分31と、この中で分散した複数の第2部分32とを含んでいる。第1部分31は光透過性であり、第2部分32は第1部分31とは光学特性,例えば屈折率,が異なっている。
【0019】
取り出し層30上には、光透過性の第1電極41が互いから離間して並置されている。各第1電極41は、反射層70と向き合うように配置されている。また、各第1電極41は、パッシベーション膜18と平坦化層19と取り出し層30とに設けた貫通孔を介して、ドレイン電極21に接続されている。
【0020】
第1電極41は、この例では陽極である。第1電極41の材料としては、例えば、ITO(indium tin oxide)のような透明導電性酸化物を使用することができる。
【0021】
取り出し層30上には、さらに、隔壁絶縁層50が配置されている。この隔壁絶縁層50には、第1電極41に対応した位置に貫通孔が設けられている。隔壁絶縁層50は、例えば、有機絶縁層であり、フォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。
【0022】
隔壁絶縁層50の貫通孔内で露出した第1電極41上には、発光層を含んだ有機物層42が配置されている。発光層は、例えば、発光色が赤色、緑色、または青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。この有機物層42は、発光層以外の層をさらに含むことができる。例えば、有機物層42は、第1電極41から発光層への正孔の注入を媒介する役割を果たすバッファ層をさらに含むことができる。また、有機物層42は、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などもさらに含むことができる。
【0023】
隔壁絶縁層50及び有機物層42は、光透過性の第2電極43で被覆されている。第2電極43は、この例では、各画素共通に連続して設けられた陰極である。第2電極43は、パッシベーション膜18と平坦化層19と取り出し層30と隔壁絶縁層50とに設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して、映像信号線と同一の層上に形成された電極配線に電気的に接続されている。それぞれの有機EL素子40は、これら第1電極41、有機物層42、及び第2電極43で構成されている。
【0024】
上記の通り、この有機EL表示装置1では、取り出し層30を、有機EL素子40と隣接するように配置している。このような構造を採用すると、以下に説明するように、有機EL素子40の発光層が放出する光を、有機EL素子40の外部へと、より高い効率で取り出すことができる。
【0025】
発光層が放出する光の一部は、第1電極41と有機物層42との積層体又は第1電極41と有機物層42と第2電極43との積層体(以下、導波層という)内で反射または全反射を繰り返しながら膜面方向に伝播する。この膜面方向に伝播する光は、導波層の主面に対する入射角が大きいと、外部に取り出すことができない。
【0026】
取り出し層30を導波層の近傍に配置すると、発光層が放出する光の進行方向を変えることができる。そのため、発光層が放出する光を、有機EL素子40の外部へと、より高い効率で取り出すことが可能となる。
【0027】
このように、取り出し層30を使用すると、有機EL素子40の取り出し効率を高めることができる。しかしながら、封止基板3を使用した上面発光型の有機EL表示装置では、例え、有機EL素子40から高い効率で光を取り出すことができたとしても、封止基板3の前面側に高い効率で光を取り出すことができない限り、発光層が放出する光を表示に有効利用することができない。
【0028】
そこで、本態様では、有機EL表示装置1を以下のように設計する。すなわち、アレイ基板2の有機EL素子40に対応した各素子部から封止基板3までの距離dを、十分に大きな値とする。これについて、さらに詳しく説明する。
【0029】
発光層が放出した光が有機EL素子40とその上部空間との界面に臨界角よりも大きな入射角で入射すると、先の上部空間内に近接場光であるエバネッセント波が生じる。
【0030】
距離dが短い場合、このエバネッセント波は、有機EL素子40の上部空間と封止基板3との界面で伝搬光へと変換される。すなわち、有機EL素子40から上部空間へ臨界角よりも大きな入射角で入射した光は、この界面で全反射されず、封止基板3に入射する。この光の少なくとも一部は、封止基板3の前面に臨界角よりも大きな入射角で入射するため、封止基板3の前面側に取り出すことができない。このような理由から、距離dが短い場合、例え、有機EL素子40から高い効率で光を取り出すことができたとしても、封止基板3の前面側に高い効率で光を取り出すことができない。
【0031】
これに対し、距離dが十分に長い場合(距離dがエバネッセント波の染み出し深さよりも長い場合)、伝搬光からエバネッセント波への変換とその逆変換とが同一界面で生じる。換言すれば、有機EL素子40の発光層が放出する光のうち、有機EL素子40とその上部空間との界面に臨界角よりも大きな入射角で入射した光は、先の界面で全反射される。
【0032】
この全反射された光は、取り出し層30によって進行方向が変えられる。そのため、有機EL素子40からその上部空間へと取り出された光は、比較的小さな入射角で封止基板3に入射する。それゆえ、封止基板3に入射した光の殆どは、その前面で全反射されることなく、有機EL表示装置1の外部へと取り出される。したがって、距離dが十分に長くすると、発光層が放出する光を表示に有効利用することが可能となる。
【0033】
ところで、導波層の屈折率をnEL、導波層の上部空間の屈折率を1とし、導波層とその上部空間との界面に臨界角よりも大きな入射角θELで波長λの光を入射させた場合を考えると、先の界面におけるエバネッセント波のエネルギーE(0)、この界面からの距離z(≧0)、界面からの距離がzの位置におけるエバネッセント波のエネルギーE(0)は、下記等式に示す関係を満足する。
【数1】

【0034】
上記等式から明らかなように、或る界面で生じたエバネッセント波のエネルギーE(z)は、その界面からの距離zに応じて指数関数的に小さくなる。
【0035】
図3は、導波層の屈折率とエバネッセント波の染み出し深さとの関係の例を示すグラフである。図中、横軸は、導波層の屈折率nELを示し、縦軸は距離zを示している。
【0036】
図3に示すデータは、何れも上記等式を用いて得られたものである。具体的には、入射角θELは60°、波長λは550nmとした。また、図3には、比E(z)/E(0)が1/e2にまで減少する距離z、比E(z)/E(0)が1/e4にまで減少する距離z、比E(z)/E(0)が1/e6にまで減少する距離zを示している。
【0037】
エバネッセント波の染み出し深さは、一般に、比E(z)/E(0)が1/e2にまで減少する距離zを意味している。図3に示すように、この場合の染み出し深さは100nm未満である。したがって、各素子部から封止基板3までの距離dを約100nm以上とすると、導波層の上部空間と封止基板3との界面においてエバネッセント波が伝搬光へと変換されるのを十分に抑制することができると考えられる。また、図3から明らかなように、この効果は、距離dを約200nm以上とすることにより大きくなり、距離dを約300nm以上とすることによりさらに大きくなる。
【0038】
距離dは、約3μm以上としてもよい。こうすると、干渉ムラが視認され難くなる。また、距離dは約3mm以下としてもよい。距離dを長くすると、有機EL表示装置1の機械的強度が低下することがある。
【0039】
第1態様では、取り出し層30として光散乱層を例示したが、取り出し層30は、回折格子であってもよい。また、取り出し層30と第1電極41との間には、平坦化層として、エバネッセント波の染み出し深さよりも薄い光透過性の層を配置してもよい。
【0040】
次に、本発明の第2態様について説明する。
図4は、本発明の第2態様に係る有機EL表示装置を簡略化して描いた断面図である。なお、図4では、有機EL表示装置1を、その表示面,すなわち前面または光出射面,が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0041】
この有機EL表示装置1は、有機EL素子40が形成している層40G上に取り出し層30を配置していること以外は、図1及び図2の有機EL表示装置1と同様の構造を有している。このような構造を採用した場合も、各素子部から封止基板3までの距離dを上記と同様に設定することにより、第1態様で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、取り出し層30を有機EL素子40の上方に配置することにより、取り出し層30の平坦化やパターニング等の工程を省略することができる。
【0043】
本態様では、取り出し層30には様々な構造を採用することができる。
図5乃至図9は、図4の有機EL表示装置で使用可能な取り出し層の例を概略的に示す断面図である。
【0044】
図5に示す取り出し層30は、その表面に無秩序な凹凸が設けられている光透過性の層である。この取り出し層30は、光散乱効果により、導波層からの光取出しを可能とする。他方、図6に示す取り出し層30は、その表面に秩序的な凹凸が設けられている光透過性の層である。この取り出し層30は、散乱、回折効果により、導波層からの光取出しを可能とする。
【0045】
図5及び図6に示す取り出し層30は、例えば、それ自体を単独で取り扱うことができる樹脂シート又は樹脂フィルムである。この場合、取り出し層30は、例えば、接着剤層33により第2電極43に貼り付ける。接着剤層33の厚さは、通常、20μm以上であるので、第2電極43の表面に凹凸があったとしても、接着剤層33と第2電極41との間などに隙間が生じるのを防止することができる。
【0046】
図7に示す取り出し層30は、第2電極43上に配置された光透過性粒子34からなる。光透過性粒子34は、透明粒子34aを接着剤34bで被覆してなり、この接着剤34bにより、光透過性粒子34同士の結合及び光透過性粒子34と第2電極43との結合が為されている。図7の取り出し層30は、例えば、第2電極43上に光透過性粒子34を湿式又は乾式で散布することにより形成することができる。また、図8に示す取り出し層30は、接着剤層33上に透明粒子34aを湿式又は乾式で散布してなる。図7及び図8に示す取り出し層30は、光散乱効果により、導波層からの光取出しを可能とする。
【0047】
図9に示す取り出し層30は、光透過性樹脂35とこの中で分散した粒子36とを含んだ光散乱層である。粒子36は、光透過性樹脂35とは光学特性,例えば屈折率,が異なっている。この取り出し層30は、例えば、粒子36と光透過性樹脂35の材料とを含有した塗工液を第2電極43上に塗布し、この塗膜を硬化させることにより得られる。なお、この光透過性樹脂35は、有機物層42のガラス転移温度以下で硬化する材料から選択される。
【0048】
図7及び図9の取り出し層30では、光透過性粒子34aや粒子36の材料として、TiO2やZrO2などのように導波層と比較して屈折率がより高いものを使用してもよい。この場合、屈折率が1.5程度の樹脂などを使用した場合と比較して、より高い取り出し効率を実現することができる。
【0049】
また、図5及び図9の取り出し層30を使用する場合、接着剤や樹脂中の成分が有機物層42中へと拡散するのを防止するために、第2電極43が含む物理的及び化学的に安定な導体層,例えばITO層,の厚さを10nm以上としてもよい。また、この場合、ピンホール等を考慮して、先の導体層の厚さを40nm以上としてもよい。
【0050】
さらなる利益及び変形は、当業者には容易である。それゆえ、本発明は、そのより広い側面において、ここに記載された特定の記載や代表的な態様に限定されるべきではない。したがって、添付の請求の範囲及びその等価物によって規定される本発明の包括的概念の真意又は範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1態様に係る有機EL表示装置を概略的に示す断面図。
【図2】図1の有機EL表示装置を拡大して示す部分断面図。
【図3】導波層の屈折率とエバネッセント波の染み出し深さとの関係の例を示すグラフ。
【図4】本発明の第2態様に係る有機EL表示装置を概略的に示す部分断面図。
【図5】図4の有機EL表示装置で使用可能な取り出し層の例を概略的に示す断面図。
【図6】図4の有機EL表示装置で使用可能な取り出し層の例を概略的に示す断面図。
【図7】図4の有機EL表示装置で使用可能な取り出し層の例を概略的に示す断面図。
【図8】図4の有機EL表示装置で使用可能な取り出し層の例を概略的に示す断面図。
【図9】図4の有機EL表示装置で使用可能な取り出し層の例を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0052】
1…有機EL表示装置、2…アレイ基板、3…封止基板、10…絶縁基板、12…アンダーコート層、13…半導体層、14…ゲート絶縁膜、15…ゲート電極、17…層間絶縁膜、18…パッシベーション膜、19…平坦化層、20…出力制御スイッチ、21…ソース・ドレイン電極、30…光取り出し層、31…第1部分、32…第2部分、33…接着剤層、34…光透過性粒子、34a…透明粒子、34b…接着剤、35…光透過性樹脂、36…粒子、40…有機EL素子、40G…層、41…第1電極、42…有機物層、43…第2電極、50…隔壁絶縁層、70…反射層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、前記絶縁基板の一主面上に配置された複数の有機EL素子と、前記有機EL素子から繰返し反射干渉しながら面内方向に伝播する光を取り出して前記有機EL素子の前方へ進行させる取り出し層とを具備したアレイ基板と、
前記複数の有機EL素子と向き合うと共にそれらから離間した封止基板とを具備し、
前記表示装置は、前記封止基板と前記アレイ基板の前記有機EL素子に対応した素子部との間に、不活性ガスが充填されているか又は真空の密閉空間を形成し、前記封止基板と前記素子部との間の距離は100nm以上である上面発光型の有機EL表示装置。
【請求項2】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は200nm以上である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は300nm以上である請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は3μm以上である請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は3mm以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は3mm以下である請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は3mm以下である請求項3に記載の表示装置。
【請求項8】
前記封止基板と前記素子部との間の距離は3mm以下である請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記取り出し層は前記絶縁基板と前記複数の有機EL素子との間に介在した請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記取り出し層は前記複数の有機EL素子を被覆している請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−515130(P2008−515130A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511128(P2007−511128)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/JP2005/017229
【国際公開番号】WO2006/035625
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】