説明

有益な薬剤の濃度勾配を有する、移植可能な医療装置

移植可能な本医療装置は、その移植可能な本体に固定されたマトリックスから少なくとも1つの治療剤を放出するような形状であり、該治療剤および処置に対してプログラム可能な放出プロファイルを有する。該マトリックスは、該マトリックス中の該治療剤濃度が、移植可能な該本体表面に対しての勾配として変動するよう形成される。該マトリックス中の該治療剤濃度勾配における変化が、該マトリックスからの該治療剤の溶出速度を、直接コントロールする。該治療剤マトリックスは、治療剤のリザーバーとして、または、該ステント構造体表面全体もしくは一部分上のコーティングとして、該ステントにより定められる内部容積を包含する、開口部、穴、もしくは凹表面のような種々の形状のステントもしくはステント表面において配置され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2003年3月28日に出願された米国特許出願第10/402,893号のCIPであり、これはその全体を、本明細書中において援用される。
【0002】
本発明は、治療剤供給装置に関し、これは、マトリックス内に含有される該治療剤の濃度勾配を持ち、特定の該治療剤、投与期間、および所望の放出速度について特にプログラム可能な、放出速度論を与える。
【背景技術】
【0003】
移植可能な医療装置は時折、薬剤のような治療剤の、体内器官もしくは組織への供給に使用される。これらの装置は、広範な体のシステムへと治療剤を供給し、広範な処置を与えることもある。
【0004】
治療剤の局在的供給に使用されてきた移植可能な医療装置の1つは、冠状動脈ステントである。冠状動脈ステントは典型的に、経皮的に導入され、所望の位置に位置されるまで、血管経由で運ばれる。これらの装置は次いで、該装置の内側に位置される心軸もしくはバルーンの拡張によるように、機械的に拡張されるか、または、体内での作動時に、貯えられたエネルギーを放出することにより、それら自体を拡張させる。一旦血管内において拡張されると、ステントと呼ばれるこれらの装置は、体内組織内において包み込まれるようになり、永久的な移植片を残す。
【0005】
治療剤の、ステント主体の局在的供給を通して処理することがある多くの問題の内、最重要なものの1つが、再狭窄である。再狭窄は、血管形成およびステント移植のような血管介入を伴って生じ得る、主要な合併症である。簡潔に定義すれば、再狭窄は、細胞外マトリックス沈着、新内膜肥厚、および血管平滑筋細胞増殖により血管直径を抑制し、究極的な結果として当該血管の再狭窄もしくは再梗塞にさえ至ることもある、傷癒過程である。向上した外科技術、装置、および薬の導入にも関わらず、再狭窄の全体での割合は今なお、血管形成術後の6〜12ヶ月以内に、25%〜50%の範囲中であると報告されている。この病状を処置するには、更なる再血管形成術が頻繁に必要とされ、これにより、当該患者への外傷およびリスクを増大させてしまう。
【0006】
再狭窄の問題を処理するために開発中の技術の1つが、ステント上での種々の治療剤の表面コーティングの使用である。例えば、米国特許第5,716,981号明細書は、ポリマー担体およびパクリタキセル(癌腫瘍処置において汎用される、よく知られた化合物)を含む組成物により表面コーティングされたステントを開示する。しかしながら、既知の表面コーティングは、治療剤の放出速度論を、実際には僅かしかコントロールできない。これらのコーティングは一般的に非常に薄く、典型的には5〜8ミクロンの厚みである。これに対して、該ステントの表面積は非常に大きく、このため、全容積の該治療剤は、その周囲の組織中へと放出される非常に短い分散経路を持つことになる。このようなシステムからの放出プロファイルを形作る能力は、厳しく限られたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、特定の治療剤、投与期間、および所望の放出速度へと放出速度論をプログラムする能力を有する治療剤供給装置を提供することが、望ましいと思われる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、治療剤のプログラム化された供給用の移植可能な医療装置、移植可能な医療装置を形成する方法、ならびに移植可能な医療装置から治療剤を供給させる方法に関する。
【0009】
本発明の1態様によれば、少なくとも1つの治療剤をここから放出するように設計された移植可能な医療装置が提供され、ここで、本装置は:
移植可能な本体;および
移植可能な該本体に固定されたマトリックス
を包含する。該マトリックスは、その中に少なくとも1つの該治療剤を含有し、該マトリックスは、該マトリックス中の該治療剤濃度が、移植可能な該本体表面に対して連続勾配として変動するように、形成される。
【0010】
本発明のもう1つ別の態様によれば、少なくとも1つの治療剤をここから放出するように設計された移植可能な医療装置を形成する方法が提供される。該治療剤は、移植可能な該医療装置本体に固定されたマトリックス中に配置され、該マトリックス中の少なくとも1つの該治療剤の濃度が、移植可能な該医療装置本体表面に対して連続勾配として変動する。本方法は:
ポリマー・バインダーと混合された少なくとも1つの該治療剤を含む第1均一溶液を形成させること;
第1均一溶液を、移植可能な該医療装置本体に適用すること;
第1均一溶液を固化させ、これにより、マトリックスの第1部分を形成させること;
該ポリマー・バインダーを含む第2均一溶液を形成させること;
第2均一溶液を、該マトリックスの第1部分に適用し、これにより、少なくとも部分的に、該マトリックスの第1部分を液化させること;ならびに
第2均一溶液を固化させ、これにより、該マトリックスの第2部分を形成させること
を含んでおり、ここで、該マトリックス中の少なくとも1つの該治療剤の濃度が、該マトリックスの第1部分および第2部分において異なっている。
【0011】
本発明の更なる態様によれば、少なくとも1つの治療剤をここから放出するように設計された移植可能な医療装置を形成する方法が提供される。該治療剤は、移植可能な該医療装置本体に固定されたマトリックス中に配置され、該マトリックス中の少なくとも1つの該治療剤の濃度が、移植可能な該医療装置本体表面に対して連続勾配として変動する。本方法は:
ポリマー・バインダーおよび溶媒を含む均一溶液を形成させること;
該均一溶液中の該溶媒をエバポレーションし、これにより、マトリックスを形成させること;
該マトリックス中へ部分的に拡散した該治療剤を作り出すのに充分な時間、該治療剤を含む溶液に該マトリックスを晒し、該マトリックス中において該治療剤の濃度を変動させること;ならびに
移植可能な該医療装置本体に該マトリックスを固定させること
を含んでいる。
【0012】
本発明の更なる態様によれば、少なくとも1つの治療剤の局在的供給により、患者を処置する方法が提供される。本方法は、移植可能な医療装置を患者体内に供することを含んでおり、移植可能な該医療装置は、移植可能な該医療装置本体に固定されたマトリックスを持ち、該マトリックス中の少なくとも1つの該治療剤の濃度が、移植可能な該医療装置本体表面に対して連続勾配として変動する。本方法は更に、該マトリックス中の該治療剤の勾配により決定される放出速度および投与期間に亘って、該治療剤を供給することを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、中に治療剤を含有するマトリックスを持つ医療装置もしくはステントに関し、該マトリックス中の該治療剤の濃度が、該マトリックス表面に対しての位置の関数として変動する。該治療剤は、本医療装置の配備および該マトリックスから哺乳類組織中への該治療剤の放出後に有益な効果を与える如何なる治療剤であってもよい。
【0014】
まず、以下の用語は、本明細書中で使用される場合、以下の意味を持つ。
用語「薬剤」および「治療剤」は互換的に使用され、生体に供給されて、通常は有益な、所望の効果を生み出す如何なる治療活性物質のことも言う。
【0015】
用語「マトリックス」または「生体相容性マトリックス」は互換的に使用され、媒体または材料のことを言い、これは被験体中での移植時に、該マトリックスの拒絶という結果に至るに充分な障害性応答を惹起しないものである。該マトリックスは典型的には、それ自体では如何なる治療性応答をも与えないが、該マトリックスは、治療剤を含有するかもしくは包んでもよく、および/または、体内への該治療剤の放出を調節してもよい。マトリックスはまた、支持性、構造的統合性、または構造的障壁を単に与えるだけでよい媒体でもある。該マトリックスは、ポリマー性、非ポリマー性、疎水性、親水性、親油性、両親媒性、および同様のものであってもよい。該マトリックスは、生体再吸収性または生体非再吸収性であってもよい。
【0016】
用語「生体再吸収性」とは、本明細書において定義されるようなマトリックス、つまり、生理学的環境との相互作用時に、化学的もしくは物理的プロセスにより分解され得るものを言う。該マトリックスは、生体受食もしくは溶解し得る。生体再吸収性マトリックスは、ドラッグ・デリバリーのような、体内での一時的な機能として働き、次いで数分〜数年、好ましくは1年未満の期間に亘って、代謝可能もしくは排泄可能な成分へと分解され、一方で同期間中、如何なる構造的統合性要件をも維持する。
【0017】
用語「開口部」とは、陥没と完全な開口との両方を包含する。
【0018】
用語「医薬的に許容可能」とは、宿主もしくは被験体に対して毒性のない、治療剤の安定性維持に適している特徴のことを言い、標的細胞もしくは組織への該治療剤の供給を可能にするものである。
【0019】
用語「ポリマー」とは、2つ以上の繰り返し単位、いわゆるモノマー(単量体)の化学的結合から形成される分子を言う。従って、用語「ポリマー」内には、例えば、ダイマー(2量体)、トリマー(3量体)、およびオリゴマーが包含されてよい。該ポリマーは、合成品、天然起源、または半合成品であってもよい。好ましい形態では、用語「ポリマー」は、約3,000より大きい、好ましくは約10,000より大きいMwを典型的に持つ分子のことであり、Mwは約10,000,000未満、好ましくは約1,000,000未満、より好ましくは約200,000未満である。ポリマーの例は、ポリ乳酸(PLLAもしくはDLPLA)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸+グリコール酸(PLGA)、ポリ乳酸+カプロラクトンのようなポリ−α−ヒドロキシ酸エステル;ポリ(ブロック−エチレンオキシド−ブロック−ラクチド+グリコリド)ポリマー(PEO−ブロック−PLGAおよびPEO−ブロック−PLGA−ブロック−PEO);ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシド、ポリ(ブロック−エチレンオキシド−ブロック−プロピレンオキシド−ブロック−エチレンオキシド);ポリビニルピロリドン;ポリオルトエステル;ポリヒアルロン酸、ポリ(グルコース)、ポリアルギン酸、キチン、キトサン、キトサン誘導体、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シクロデキストリン、およびβ−シクロデキストリンスルホブチルエーテルのような置換シクロデキストリンのような多糖類および多糖類誘導体;ポリペプチド、および、ポリリジン、ポリグルタミン酸、アルブミンのようなタンパク質;ポリ無水物;ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシブチレート、および同様のもののようなポリヒドロキシアルコノエートを包含するが、これらに限定されない。
【0020】
方向付けられた供給に関しての用語「まず」とは、血管に与えられる治療剤全量の約50%より多い量のことを言う。
【0021】
用語「再狭窄」とは、ステント移植後の狭窄を包含してもよく、血管新生術後の動脈の再狭窄のことを言う。
【0022】
用語「液化された」は、成分をその融点もしくはガラス転移温度より高い温度まで加熱することにより、または、該成分を溶媒中に溶解させることにより、液体の状態に置かれる成分を定義するように、本明細書において使用される。本発明の典型的な液化材料は、約10,000センチプワズ(センチポイズ)未満、好ましくは約1,000センチプワズ未満、より好ましくは約100センチプワズ未満の粘度を持つ。
【0023】
用語「均一に配置」とは、本願各成分が該マトリックス内において一様に分散されている混合物のことを言う。
【0024】
用語「不均一に配置」とは、本願成分が該マトリックス中へと一様に混合されていない混合物のことを言う。
【0025】
図1は、ステント10の形態をしている移植可能な医療装置の1例を例示する。本発明はステントに言及して記載されるが、本発明は、皮下移植片、塞栓形成装置、および化学療法剤供給用移植片を包含する他のタイプのドラッグ・デリバリー移植片としても有用たり得る。
【0026】
図2は、図1のステントの一部分を拡大した平面図であり、延性ヒンジ20により相互接続された支柱12を包含するステント構造の1例を例示する。支柱12は、前記治療剤とマトリックスとを含有する非変形性開口部であり得る開口部14を包含する。非変形性開口部を持つステント構造の1例が米国特許第6,562,065号明細書に示され、その全体が本明細書において援用される。
【0027】
本発明の移植可能な医療装置は、その移植可能な本体に固定されたマトリックスから、少なくとも1治療剤を放出するよう形状付けられる。該マトリックスは、該マトリックス中の該治療剤の濃度が、移植可能な該本体に固定された該マトリックス表面に対しての勾配として変動するよう形成される。例えば浸含もしくは噴霧による、表面上におけるコーティング沈着が結果的に、ブルーミングとして知られる現象を起こすことがあり、これによって、薬剤が該表面へと移行し、結果的に、該マトリックス表面において濃度上昇する。しかしながら、既知のコーティング方法は、該マトリックス表面隣接領域における濃度が、該マトリックスのもう1つ別の部分における該薬剤の濃度よりも低い状況を達成するものではない。本発明は、前記したブルーミング現象以外によって、均一なポリマーマトリックス中において薬剤濃度勾配を与えることにより、移植可能な医療装置が特定の放出プロファイルを達成するよう設計され得る方法および装置を提供する。
【0028】
1実施形態において、該マトリックスはポリマー材料であり、これは、該治療剤を該ステント中もしくはステント上に保ち、および/または、該治療剤の該ステントからの放出を調節するバインダーもしくは担体として作用する。該ポリマー材料は、生体再吸収性もしくは生体非再吸収性材料たり得る。
【0029】
該治療剤含有マトリックスは、種々の形状の該ステント中もしくは該ステント表面において配置され得、これは、治療剤のリザーバー(reservoir、貯蔵場所)として、もしくは、該ステント構造体表面全面もしくは一部分上のコーティングとしての、開口部、孔、もしくは凹表面のような、該ステントにより定められる内部容積を包含する。該治療剤マトリックスが、該ステントの該支柱構造物中の開口部内に配置されてリザーバーを形成する場合、該開口部は部分的もしくは完全に、該治療剤を含有するマトリックスにより充填されてもよい。
【0030】
該マトリックスの局在的な領域中の治療剤濃度は、該マトリックス中に溶解される治療剤量の合計であり、いわゆる固体溶液形状であり、その量は、該マトリックスのその局在的な領域に分散されたものであり、いわゆる固体エマルション形状である。ある領域において溶解され分散される治療剤の相対量は、該マトリックス材料中での該治療剤の溶解性により、コントロールされる。該マトリックス材料中での該治療剤の溶解性の限界に達した時、如何なる更なる添加剤も、分散された第2相粒子の形状を採るようになる。
【0031】
図3は、ステント10および血管100の断面図であり、該血管壁に隣接して配置された開口部14の1例を例示するものであり、壁表面26は該血管壁に接し、血管表面24は該血管壁に対峙する。図3の開口部14は、該マトリックス中に、「○」により例示される治療剤を有するマトリックス40を含有する。図3の例において判るように、該治療剤(○)の濃度は、マトリックス40の血管側において最も高く、該マトリックスの壁側において最も低い。ステント10の血管側24はまた、障壁層30と共に与えられる。障壁層30は該治療剤を、該ステントのまず血管壁側26へと供給されるようにする。
【0032】
図4は、図3において描かれたものに類似した濃度勾配をグラフ表示するものであり、ここで該マトリックス中の該治療剤濃度は、該ステントの中程において、もしくは、血管沿いに位置する障壁層30近隣において最も高く、該治療剤濃度は、該マトリックスの血管壁側へ向かって減少する。該濃度勾配は、該マトリックス表面に実質的に鉛直な理論線に沿ったマトリックス領域における、該治療剤の局在的な濃度により記述される。連続的な治療剤濃度勾配は、マトリックス容積中の該治療剤濃度が、該マトリックス表面に実質的に鉛直な該(理論)線に沿った連続した位置間で動いている間に、ブレンドされるように変動する場合である。このため、もし該マトリックス表面が該ステント表面と実質的に同一線上にあって、該マトリックスが該ステント表面に対して実質的に平行な複数のスライス片へとスライスされたのであれば、その隣接するスライス片は異なる治療剤濃度を持つことになる。あるいは、該マトリックス表面は形状付けされ、隣接するこれらのスライス片は同様に形状付けられる。
【0033】
図3に例示されるように、障壁層30は治療剤を包含せず、治療剤濃度勾配は、該障壁材料を含有しない開口部14の一部分中のマトリックスにおいて与えられる。あるいは、障壁層30は何らかの治療剤を包含してもよく、その濃度勾配は該障壁層の一部もしくは全部において連続してもよい。
【0034】
図4に示されるように、該マトリックス中の治療剤濃度の変化は、該マトリックス表面に対しての位置の連続関数である。図5に示されるように、図3および図4のシステムの放出速度論は、初期放出後には本質的に直線的(1次関数的、本質的にずっと一定の放出速度)であり得る。このような実質的に1次関数的な放出プロファイルが、2004年2月11日出願の米国特許出願第10/777,881号に更に詳しく記載され、その全体が、本明細書において援用される。
【0035】
図6は、開口部14中のマトリックス50の形状を例示し、ここでは、該マトリックスおよび治療剤濃度勾配が、血管壁への治療剤の初期の急速な放出、次いで引き延ばされた時間の低レベルでの放出のためにデザイン(設計)される。図6の治療剤濃度は、マトリックス50の血管表面24において高く、その濃度勾配は、該マトリックスの内側において、急勾配で減少する。図7は、図6の例の濃度勾配を、グラフにより例示する。図8は、図6および図7の例に関する該治療剤放出をずっと、グラフにより例示するものである。この例における該治療剤濃度勾配の注意した特定により、方向をコントロールされた供給を伴い、実質的に1次関数的な治療剤放出速度論が得られることがある。
【0036】
該マトリックスは段階的な様式で作られるので、下記のように、個々の化学組成物および薬物速度論特性が、該マトリックスの異なる領域に付与され得る。このようなマトリックス領域の数多くの有用な配置が形成され得、これらの幾つかが、本明細書において記載される。該マトリックスの該領域の各々が、1領域から次の領域へと、同一もしくは異なる割合において、1以上の治療剤を包含してもよい。該マトリックスは、固形、有孔性、または他の薬剤もしくは賦形剤により充填されていてもよい。該治療剤は、該マトリックスの異なる領域において、均一に配置もしくは不均一に配置されてもよい。
【0037】
図9は、異なる濃度勾配を有する2つの治療剤を含有するマトリックス60を持つもう1つ別のステント10の例を例示する。図9において、「○」により表示される第1治療剤(DrugA、薬剤A)は、該ステントの血管側24において最大濃度となっている濃度勾配を持つ。「 」により表示される第2治療剤(DrugB、薬剤B)は、該マトリックスの血管壁側において最大濃度となっている濃度勾配を持つ。この形状は結果的に、異なる初期供給方向での2つの薬剤供給を与える。例えば、抗凝固剤(薬剤A)が、相対的に速い初期放出速度においてまず血管へと供給されてもよく、一方、より一定な放出速度とより長い投与期間とを持つ異なる供給プロファイルにより、抗再狭窄剤(薬剤B)が、まず血管壁へと供給される。図10は、該第1治療剤(薬剤A)および該第2治療剤(薬剤B)の治療剤濃度勾配を、グラフにより例示する。図11は、該第1および第2治療剤(薬剤Aおよび薬剤B)の累積放出をずっと、グラフにより例示したものである。
【0038】
上記した連続した治療剤濃度勾配が、所望の投与期間、および、該ステント周辺の組織中への該治療剤の溶出速度、ならびに、該ステントからの血管壁もしくは血管の所望の方向の治療剤溶出に依存して、種々の形態を採るように目論まれる。図3〜11は、該濃度勾配の幾つかの有用な例示に過ぎない。独立した濃度勾配を有する2つ以上の治療剤の更なる組み合わせが、該ステント中もしくは上において、該マトリックスからの該治療剤の、ある範囲のコントロールされた放出速度論プロファイルを提供し得る。
【0039】
治療剤
本発明を用いた使用のための他の治療剤は、例えば、小分子、ペプチド、リポタンパク質、ポリペプチド、ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチド、脂質、タンパク質薬剤、タンパク質共役薬剤、酵素、オリゴヌクレオチドおよびこの誘導体、リボザイム、他の遺伝子材料、細胞、アンチセンスオリゴヌクレオチド、モノクローナル抗体、血小板、プリオン、ウィルス、バクテリア、内皮細胞、幹細胞、ACE阻害剤、モノサイト(単球)/マクロファージ(巨大食細胞)、および血管平滑筋細胞のような真核細胞の形態を採ってもよい。このような治療剤は、単独、または、互いとの種々の組み合わせにおいて使用され得る。例えば、抗炎症剤は、抗増殖剤と組み合わせて使用されてもよく、該抗増殖剤に対する組織の反応を緩和する。該治療剤はまた、プロドラッグであってもよく、これは宿主へと投与される場合に、所望の薬剤へと代謝していく。加えて、治療剤は、該マトリックス中へと取り込まれる前に、マイクロカプセル、微小球、微小泡、リポゾーム、ニオゾーム、エマルション、分散体、もしくは同様のものとして、予め処方されてもよい。治療剤はまた、光もしくは超音波エネルギーのような何らかの他の形態のエネルギーにより、または、全身投与され得る他の(血液)循環している分子により活性化される、放射性同位元素もしくは物質であってもよい。
【0040】
治療剤の例えばの分類は、抗増殖剤、抗凝固剤(つまり、血栓溶解剤)、免疫抑制剤、抗脂質剤、抗炎症剤、抗代謝剤を包含する抗新生物剤、抗血小板剤、血管新生剤、抗血管新生剤、ビタミン、抗有糸分裂剤、メタロプロテアーゼ阻害剤、NO供与体、酸化窒素放出刺激剤、抗梗塞剤、血管活性剤、内皮成長因子、ベータ・ブロッカー、AZブロッカー、ホルモン、スタチン、インシュリン成長因子、抗酸化剤、膜安定化剤、カルシウム・アンタゴニスト(つまり、カルシウムチャネル・アンタゴニスト)、レチノイド、抗マクロファージ物質、抗リンパ球剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、免疫調節剤、アンジオテンシン(アンギオテンシン)変換酵素(ACE)阻害剤、抗白血球剤、高密度リポタンパク質(HDL)および誘導体、インシュリンに対する細胞感受化剤、プロスタグランジンおよび誘導体、抗TNF化合物、高血圧用薬剤、タンパク質キナーゼ、アンチセンス・オリゴヌクレオチド、心臓保護剤、ペチドース阻害剤(糖代謝を増加させる)、エンドセリン受容体アゴニスト、インターロイキン−6アンタゴニスト、抗再狭窄剤、ならびにその他種々の化合物を包含する。
【0041】
抗増殖剤は、限定することなく、シロリムス、パクリタキセル、アクチノマイシンD、ラパマイシン、およびシクロスポリンを包含する。
【0042】
抗凝固剤は、限定することなく、ヘパリン、プラスミノーゲン、α−抗プラスミン剤、ストレプトキナーゼ、ビバリルディン、および組織プラスミノーゲン活性化剤(t−PA)を包含する。
【0043】
免疫抑制剤は、限定することなく、シクロスポリン、ラパマイシン、タクロリムス(FK−506)、シロルムス、エベロリムス、エトポシド、およびミトキサントロンを包含する。
【0044】
抗脂質剤は、限定することなく、HMG CoA 還元酵素阻害剤、ニコチン酸、プロブコール、ならびにフィブリン酸誘導体(例えば、クロフィブラート、ジェムフィブロジル、フェノフィブラート、シプロフィブラート、およびベザフィブラート)を包含する。
【0045】
抗炎症剤は、限定することなく、サリチル酸誘導体(例えば、アスピリン、インシュリン、サリチル酸ナトリウム、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サルサラート、ディフルニザル、サリチルサリチル酸、スルファサラジン、およびオルサラジン)、パラアミノフェノール誘導体(例えば、アセトアミノフェン)、インドールおよびインデン酢酸類(例えば、インドメタシン、スリンダック、およびエトドラック)、ヘテロアリール酢酸類(例えば、トルメティン、ジクロフェナック、およびケトロラック)、アリールプロピオン酸類(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、およびオキサプロジン)、アントラニル酸類(例えば、メフェナミン酸およびメクロフェナミン酸)、エノール酸類(例えば、ピロキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、およびオキシフェンテトラゾン)、アルカノン類(例えば、ナブメトン)、グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニソロン、およびトリアムシノロン)、ピルフェニドン、ならびにトラニラストを包含する。
【0046】
抗新生物剤は、限定することなく、ナイトロジェン・マスタード類(例えば、メクロレタミン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、およびクロランブシル)、メチルニトロソウレア類(例えば、ストレプトゾシン)、2−クロロエチルニトロソウレア類(例えば、カルムスティン、ロムスティン、セムスティン、およびクロロゾトシン)、アルカンスルホン酸類(例えば、ブスルファン)、エチレンイミン類およびメチルメラミン類(例えば、トリエチレンメラミン、チオテパ、およびアルトレタミン)、トリアジン類(例えば、ダカルバジン)、葉酸類似体(例えば、メトトレキセート)、ピリミジン類似体(5−フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、シトシン・アラビノシド、5−アザシチジン、および2’,2’−ジフルオロデオキシシチジン)、プリン類似体(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、アザチオプリン、アデノシン、ペントスタチン、クラドリビン、およびエリスロヒドロキシノニルアデニン)、抗有糸分裂薬剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンオレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エピポドフィルロトキシン類、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン類、プリカマイシン、およびマイトマイシン)、フェノキソジオール、エトポシド、ならびに白金錯体(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン)を包含する。
【0047】
抗血小板剤は、限定することなく、インシュリン、ジピリダモール、チロフィバン、エプチフィバチド、アブシキシマブ、およびチクロピジンを包含する。
【0048】
抗血管新生剤は、限定することなく、リン脂質、セラミド、セレブロシド、中性脂肪、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、レシチン、スフィンゴシド、アンジオテンシン断片、ニコチン、ピルビン酸チオールエステル、ピルビン酸グリセロールエステル、ピルビン酸ジヒドロキシアセトンエステル、およびモノブチリンを包含する。
【0049】
抗血管新生剤は、限定することなく、エンドスタチン、アンジオスタチン、フマジリン、およびオバリシンを包含する。
【0050】
ビタミンは、限定することなく、水溶性ビタミン(例えば、チアミン、ニコチン酸、ピリドキシン、およびアスコルビン酸)ならびに脂溶性ビタミン(例えば、レチナール、レチノイン酸、レチナールアルデヒド、フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、およびαトコフェロール)を包含する。
【0051】
抗有糸分裂剤は、限定することなく、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンオレルビン、パクリタキセル、ドセタキセル、エピポドフィルロトキシン類、アクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン類、プリカマイシン、およびマイトマイシンを包含する。
【0052】
メタロプロテアーゼ阻害剤は、限定することなく、TIMP−1、TIMP−2、TIMP−3、およびSmaPIを包含する。
【0053】
NO供与体は、限定することなく、L−アルギニン、亜硝酸アミル、グリセリン三硝酸、ニトロプルシドナトリウム、モルシドミン、ジアゼニウムジオレート、S−ニトロソチオール、およびメソイオン性オキサトリアゾール誘導体を包含する。
【0054】
NO放出刺激剤は、限定することなく、アデノシンを包含する。
【0055】
抗梗塞剤は、限定することなく、コラゲナーゼおよびハロフジノンを包含する。
【0056】
血管活性剤は、限定することなく、酸化窒素、アデノシン、ニトログリセリン、ニトロプルシドナトリウム、ヒドララジン、フェントラミン、メトキサミン、メタラミノール、エフェドリン、トラパジル、ジピリダモール、血管活性腸管ポリペプチド(VIP)、アルギニン、およびバソプレッシンを包含する。
【0057】
内皮成長因子は、限定することなく、VEGF−121およびVEG−165を包含するVEGF(血管内皮成長因子)、FGF−1およびFGF−2を包含するFGF(線維芽成長因子)、HGF(肝細胞成長因子)、ならびにAng1(アンジオポエチン1)を包含する。
【0058】
ベータ・ブロッカーは、限定することなく、プロプラノロール、ナドロール、チモロール、ピンドロール、ラベタロール、メトプロロール、アテノロール、エスモロール、およびアセブトロールを包含する。
【0059】
ホルモンは、限定することなく、プロゲスティン、インシュリン、エストロゲン類およびエストラジオール類(例えば、エストラジオール、吉草酸エストラジオール、エストラジオールシピオネート(cypionate)、エチニルエストラジオール、メストラノール、キネストロール、エストロンド、硫酸エストロン、およびエキリン)を包含する。
【0060】
スタチンは、限定することなく、メバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、およびフルバスタチンを包含する。
【0061】
インシュリン成長因子は、限定することなく、IGF−1およびIGF−2を包含する。
【0062】
抗酸化剤は、限定することなく、ビタミンA、カロテノイド、およびビタミンEを包含する。
【0063】
膜安定化剤は、限定することなく、プロプラノロール、アセブトロール、ラベタロール、オキシプレノロール、ピンドロール、およびアルプレノロールのような、ある種のベータ・ブロッカーを包含する。
【0064】
カルシウム・アンタゴニストは、限定することなく、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、およびベラパミルを包含する。
【0065】
レチノイドは、限定することなく、全てトランスのレチノール、全てトランスの14−ヒドロキシレトロレチノール、全てトランスのレチナールアルデヒド、全てトランスのレチノイン酸、全てトランスの3,4−ジデヒドロレチノイン酸、9−シスレチノイン酸、11−シスレチナール、13−シスレチナール、および13−シスレチノイン酸を包含する。
【0066】
抗マクロファージ物質は、限定することなく、NO供与体を包含する。
【0067】
抗白血球剤は、限定することなく、2−CdA、IL−1阻害剤、抗CD116/CD18モノクローナル抗体、VCAMに対するモノクローナル抗体、ICAMに対するモノクローナル抗体、および亜鉛プロトポルフィリンを包含する。
【0068】
シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、限定することなく、Cox−1阻害剤およびCox−2阻害剤(例えば、CELEBREX(登録商標)およびVIOXX(登録商標))を包含する。
【0069】
免疫調節剤は、限定することなく、免疫抑制剤(上記参照)ならびに免疫刺激剤(例えば、レバミゾール、イソプリノジン、インターフェロンα、およびインターロイキン−2)を包含する。
【0070】
ACE阻害剤は、限定することなく、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リジノプリル、キナプリル、ラミプリル、およびスピラプリルを包含する。
【0071】
インシュリンに対する細胞感受性剤は、限定することなく、グリタゾン類、Pparアゴニスト、およびメトフォルミンを包含する。
【0072】
アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、限定することなく、resten−NGを包含する。
【0073】
心臓保護剤は、限定することなく、VIP、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)、アポA−Iミラノ、アムロジピン、ニコランジル、シロスタキソン、およびチエノピリジンを包含する。
【0074】
ペチドース阻害剤は、限定することなく、オムニパトリラトを包含する。
【0075】
抗再狭窄剤は、限定することなく、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アクチノマイシン、エポチロン、パクリタキセル、およびパクリタキセル誘導体(例えば、ドセタキセル)を包含する。
【0076】
その他種々の化合物は、限定することなく、アジポネクチンを包含する。
【0077】
治療剤はまた、拡張可能な医療装置と組み合わせて、遺伝子治療主体のアプローチを使用して供給されてもよい。遺伝子治療とは、細胞もしくは組織への外来遺伝子の供給を言い、これにより、標的細胞が、該外来遺伝子産物を発現するようにする。遺伝子は典型的に、機械的もしくはベクター媒介法により、供給される。
【0078】
本明細書において記載される治療剤の幾つかは、それらの活性を保存する添加物と組み合わされてもよい。例えば、界面活性剤、抗酸剤、抗酸化剤、および洗剤を包含する添加物が使用されてよく、タンパク質薬剤の変性および凝集を最小化してくれる。アニオン性、カチオン性、もしくは非イオン性の洗剤が、使用されてよい。非イオン性添加物の例は、ソルビトール、スクロース、トレハロースを包含する糖類;デキストラン、カルボキシメチル(CM)デキストラン、ジエチルアミノエチル(DEAE)デキストランを包含するデキストラン;D−グルコサミン酸およびD−グルコースジエチルメルカプタールを包含する糖誘導体;ポリエチレングリコール(PEGおよびPEO)およびポリビニルピロリドン(PVP)を包含する合成ポリエーテル;D−乳酸、グリコール酸、およびプロピオン酸を包含するカルボン酸;疎水性界面に親和性を有する、n−ドデシル−β−D−マルトシド、n−オクチル−β−D−グルコシド、PEO−脂肪酸エステル(例えば、ステアレート(myrj59)もしくはオレエート)、PEO−ソルビタン−脂肪酸エステル(例えば、Tween80、PEO−20ソルビタンモノオレエート)、ソルビタン−脂肪酸エステル(例えば、SPAN60、ソルビタンモノステアレート)、PEO−グリセリル−脂肪酸エステル、グリセリル脂肪酸エステル(例えば、グリセリルモノステアレート)、PEO−炭化水素−エーテル(例えば、PEO−10オレイルエーテル)を包含する洗剤;トリトンX−100;ならびにルブロールを包含するが、これらに限定されない。イオン性洗剤の例は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸亜鉛を包含する脂肪酸塩;レシチンおよびホスファチジルコリンを包含するリン脂質;CM−PEG;胆汁酸;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ドキュセート(docusate、AOT);ならびにタウモ胆汁酸を包含するが、これらに限定されない。
【0079】
マトリックス形成方法
前記した治療剤濃度勾配を有する本治療剤マトリックス構造は、幾つかの方法により、形成され得る。1方法によれば、治療剤およびポリマー材料は一緒に、溶媒中のような液体形態のポリマー担体と治療剤との均一溶液をまず作ることにより、治療剤濃度勾配構造を有する治療剤マトリックス・リザーバーへと変換される。溶媒の1例は、全治療剤およびポリマーが、加工に望まれるそれぞれの濃度において充分可溶であるものであり、全成分が該溶媒に分子レベルで溶解される。
【0080】
水溶性治療剤および水溶性ポリマーが本治療剤供給マトリックス成分である場合、溶媒は水主体でもよい。あるいは、溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、エチルラクテート(EL)、ジメチルアセタミド(DMAc)、もしくは単純アルコールのような混和性有機溶媒と、水の混合物でもあり得る。加えて、非水性溶媒、つまり有機溶媒の方が多い溶媒が、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマー(PLGA)のような非水溶性ポリマーには適していることがある。有機溶媒の例は、DMSO、NMP、EL、アニソール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、キシレン、およびメチレンクロリド(塩化メチレン、ジクロロメタン)を包含する。
【0081】
第1の方法では、ステップ(i)および(ii)が実施された後に、ステップ(iii)および(iv)が実施され、所望の濃度勾配構造が得られるまで繰り返される:
i)適切な溶媒およびポリマー材料ならびに任意に治療剤から構成される溶液が、本ステントの開口部中へと導入される;
ii)該溶媒が該溶液からエバポレーションされ、マトリックスの第1部分を形成する;
iii)ステップ(ii)からの先行材料を部分的に溶解さもなくば液化させる第2溶液が導入され、先行材料の該治療剤と第2溶液成分との部分的混合を行わせ、該ステント中の空洞もしくは穴中に、新たなハイブリッド溶液を作り出す;ならびに
iv)該溶媒が、新たに形成された該ハイブリッド溶液からエバポレーションされ、その中において、該治療剤の濃度勾配を持つマトリックスの1部分を与える。
連続した溶液の組成を変化させることにより結果的に、最終的な治療剤含有マトリックスが生じることになり、ここで該治療剤は、該マトリックスの深さに対して連続して変化する濃度で存在しており、「濃度勾配」と言われる。
【0082】
このプロセスは溶媒を用いて記載されてきたが、前記ポリマーが加熱されて液化もしくは流動可能な条件を達成する場合、同様のプロセスは無溶媒溶液を使用してよい。
【0083】
溶液組成の一般的な2つの並べ方が、本発明の濃度勾配構造を与え得る。第1の並べ方では、同一の治療剤とポリマー組成物との1回もしくは数回の繰り返しが、前記したように導入され、次いで、ポリマーのみを含有する溶液が連続して繰り返される。この様式にて、マトリックスの第1部分が治療剤含有溶液により製造され、次いで、治療剤なしのマトリックスの第2部分が導入される。治療剤を含有する第1部分の直後に導入された、該治療剤なしのマトリックスの第2部分が、一部分の治療剤を第1部分からそれ自体の中へと抽出し、該溶媒がエバポレーションされた後、この組み合わされた構造中に、該治療剤の濃度勾配を創出するようになる。ポリマーを有し治療剤を有さない溶液の連続した追加は、直前に形成された部分を溶解することのみが可能であり、これは引き続きより少量の治療剤を持ち、該マトリックスの深さは、連続添加により深くなるので、該治療剤の割合は、連続的に減少して行き、治療剤濃度勾配の形成を続行するようになる。
【0084】
第1の方法は、穴もしくは空洞中での沈着について記載されてきたが、該マトリックスはまた、実質的に同様にして、コーティングもしくは部分コーティングを包含する他の形状の本ステント上もしくは本ステント中において形成されてもよい。コーティングは一般的に、リザーバーよりも好ましくないが、これは、リザーバーの深さがより複雑な形であり得るからである。
【0085】
第2の手順では、一連の第1の繰り返しが、マトリックスと、最初の治療剤濃度の治療剤とを含有する溶液を用いてなされ、次いで、一連の第2の繰り返しが、マトリックスと、第2の治療剤濃度の該治療剤とを有する溶液を用いてなされる。結果として得られるマトリックスは、該マトリックスの片側において、絶対濃度が最初の濃度に近い治療剤濃度勾配を持つようになり、該マトリックスの中央では中間濃度、該マトリックスの反対側では第2の治療剤濃度に近い。
【0086】
第2の方法では、治療剤濃度勾配は、拡散プロセスにより、該マトリックス中で形成される。治療剤を含有しないマトリックスはまず、ポリマー含有溶液から調製される。形成された該マトリックスは次いで、ある時間の期間、治療剤含有溶液中で含浸され、該溶液から該マトリックス中への該治療剤の部分拡散を可能にし、次いで該マトリックスが、該溶液から除去される。この結果として得られるマトリックスは、該溶液に接触した表面(単数もしくは複数)近くでは相対的により高い治療剤濃度、その反対側に向かって、より低い濃度を持つようになり、こうして、該治療剤含有マトリックスの深さに対して横断的な治療剤濃度勾配を形成する。
【0087】
この第2の方法は、ステント上コーティングもしくはステント上部分コーティングの形態のマトリックスを用いて行われ得、マトリックスはステント中の開口部内にあるか、該ステント上もしくはステント中に該マトリックスを配置する前に与えられるものであるか、または、また別のマトリックス形状である。該マトリックスがステント中の開口部内に形成される場合、該開口部の片側に障壁層が置かれてもよく、該開口部のまず片側から該マトリックス中への該治療剤の拡散を可能ならしめる。もし該障壁(層)側からの供給が望まれる場合、該障壁層が引き続き除去されてもよい。もし望まれるならば、該濃度勾配の形成後に、更なる障壁層が加えられてもよい。該障壁層は、生体吸収性もしくは非生体吸収性であり得る。
【実施例】
【0088】
実施例1−治療剤の勾配を含む処方
下記の実施例では、以下の略号は以下の意味を持つ。
PLGA=ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)
DMSO=ジメチルスルホキシド
NMP =N−メチルピロリドン
DMAC=ジメチルアセタミド
【0089】
高分子量PLGAと、DMSO、NMP、もしくはDMAC93重量%のような適切な有機溶媒との第1混合物が、調製される。該混合物が、ステント中の開口部中へと滴下され、次いで、該溶媒がエバポレーションされて、障壁層の形成が始まる。1層以上の更なる障壁層が、溶媒のエバポレーションを伴って穴中へとポリマー溶液を充填する同じ方法により、第1障壁層上に被される。
【0090】
DMSOのような適切な有機溶媒中、パクリタキセルと低分子量PLGAとの第2混合物が、該障壁層上の該ステント中の開口部中へと導入される。該溶媒がエバポレーションされ、薬剤を充填した治療剤層が形成される。この充填およびエバポレーションの手順が、該穴がその全容積の約50%まで、該障壁層表面上に横たわる治療剤層中の薬剤により満たされるまで、繰り返される。
【0091】
低分子量PLGAと、DMSOのような適切な有機溶媒との第3溶液の多重層が次いで、該治療剤層上に横たえられ、濃度勾配を形成する。第3溶液層の各層が該ステント中へと充填される場合、その直下の層の一部分が、その新たな層中に取り込まれる。こうして、パクリタキセル剤の濃度勾配を含有する該マトリックスが形成される。
【0092】
In vivoにおけるこの充填されたステントの移植後、該ステント内に含有されるパクリタキセルが、約5〜約60日、好ましくは約10〜約30日の期間に亘って、ゆっくりと供給される。
【0093】
本発明がその好ましい実施形態に言及して詳細に記載されてきたが、当業者には、本発明から逸脱することなく、種々の変更および修飾がなされ得、等価なものが用いられることが、明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
本発明が今から、添付図面に例示される好ましい実施形態に言及しながら、より詳細に記載され、ここで、同様な要素は同様な参照番号を持っている。
【図1】図1は、本発明によるステントの1例の俯瞰図である。
【図2】図2は、図1のステントの1部分の側面図である。
【図3】図3は、濃度勾配を持つ1つの治療剤を有するマトリックスを示す、ステント中の開口部の1例の横断側面図である。
【図4】図4は、図3の治療剤濃度勾配のグラフである。
【図5】図5は、図3のステントの放出速度論のグラフである。
【図6】図6は、濃度勾配を持つ1つの治療剤を有するマトリックスを示す、ステント中の開口部のもう1つの例の横断側面図である。
【図7】図7は、図6の治療剤濃度勾配のグラフである。
【図8】図8は、図6のステントの放出速度論のグラフである。
【図9】図9は、濃度勾配を持つ2つの治療剤を有するマトリックスを示す、ステント中の開口部の1例の横断側面図である。
【図10】図10は、図9の治療剤濃度勾配のグラフである。
【図11】図11は、図9のステントの放出速度論のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能な医療装置であって、前記装置から少なくとも1つの治療剤を放出するよう形状付けられ:
移植可能な本体;および
移植可能な前記本体に固定されたマトリックス
を含み、前記マトリックスが、その中に少なくとも1つの前記治療剤を含有し、前記マトリックス中の前記治療剤の濃度が、前記マトリックス表面に対しての勾配として変動するように、前記マトリックスが形成され、前記マトリックス表面から所定の距離をおいた前記治療剤の濃度が高く、前記マトリックス表面における前記治療剤の濃度が低い装置。
【請求項2】
前記マトリックスが、生体再吸収性ポリマーを含む、請求項1の装置。
【請求項3】
移植可能な前記本体が、実質的に円筒状である、請求項1の装置。
【請求項4】
前記マトリックスが、移植可能な前記本体の血管壁側表面の開口部中に配置される、請求項3の装置。
【請求項5】
前記マトリックスが、移植可能な前記本体の血管側表面の開口部中に配置される、請求項3の装置。
【請求項6】
前記マトリックス中の前記治療剤の濃度勾配が、移植可能な前記本体の血管側表面における治療剤の最小濃度から増加して行き、拡張可能な前記本体の中央部分において治療剤の最大濃度に到達し、次いで、移植可能な前記本体の血管壁側表面へと向かって減少して行く、請求項3の装置。
【請求項7】
前記マトリックス中の前記治療剤の濃度が、移植可能な前記本体の血管側表面におけるよりも、移植可能な前記本体の血管壁側表面においてより高い、請求項3の装置。
【請求項8】
前記マトリックス中の前記治療剤の濃度が、移植可能な前記本体の血管壁側表面におけるよりも、移植可能な前記本体の血管側表面においてより高い、請求項3の装置。
【請求項9】
前記マトリックスが、移植可能な前記本体を貫通する開口部中に配置される、請求項1の装置。
【請求項10】
前記マトリックスが、移植可能な前記本体表面上のコーティングとして配置される、請求項1の装置。
【請求項11】
前記治療剤が、固形溶液形態の前記マトリックス中に溶解される、請求項1の装置。
【請求項12】
前記治療剤が、固形エマルション形態の前記マトリックス中に分散される、請求項11の装置。
【請求項13】
前記治療剤が、前記マトリックス中の前記治療剤の濃度勾配により制御される速度において、前記マトリックスから溶出する、請求項1の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの前記治療剤が、複数の治療剤を含む、請求項1の装置。
【請求項15】
前記マトリックス中の前記治療剤の各々の濃度が、移植可能な前記本体表面に対しての異なる連続濃度勾配と共に変動する、請求項1の装置。
【請求項16】
前記治療剤が、抗塞栓剤、抗増殖剤、および抗再狭窄剤からなる群から選択される、請求項1の装置。
【請求項17】
前記マトリックスが、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリビニルピロリドン(PVP)からなる群から選択される、請求項1の装置。
【請求項18】
移植可能な前記本体が、実質的に円筒状であり、前記マトリックスが、移植可能な前記本体を貫通する複数の穴中に配置され、前記マトリックスが、障壁層により、移植可能な前記本体の血管側から分離される、請求項1の装置。
【請求項19】
前記治療剤が、前記障壁層に実質的に隣接して最大濃度を持ち、移植可能な前記本体の血管壁側に実質的に隣接して最小濃度を持つ、請求項18の装置。
【請求項20】
移植可能な前記本体が、実質的に円筒状であり、前記穴が、移植可能な前記本体の複数の支柱中に形成された放射状に向いた穴である、請求項18の装置。
【請求項21】
移植可能な医療装置の形成方法であって、前記装置から少なくとも1つの治療剤を放出するよう形状付けられ、前記治療剤が、移植可能な前記医療装置本体に固定されたマトリックス中に配置され、前記マトリックス中の少なくとも1つの前記治療剤の濃度が、移植可能な前記医療装置本体表面に対しての連続勾配として変動し:
ポリマー・バインダーと混合された少なくとも1つの前記治療剤を含む第1均一溶液を形成すること;
移植可能な前記医療装置本体へと第1均一溶液を適用すること;
第1均一溶液を固化し、これにより、前記マトリックスの第1部分を形成させること;
前記ポリマー・バインダーを含む第2均一溶液を形成させること;
前記マトリックスの第1部分へと第2均一溶液を適用し、これにより、前記マトリックスの第1部分を少なくとも部分的に液化させること;ならびに
第2均一溶液を固化し、これにより、前記マトリックスの第2部分を形成させること
を含み、前記マトリックス中の少なくとも1つの前記治療剤の濃度が、前記マトリックスの第1部分および第2部分において異なる方法。
【請求項22】
第1均一溶液および第2均一溶液が溶媒を含み、第1均一溶液および第2均一溶液が該溶媒のエバポレーションにより固化される、請求項21の方法。
【請求項23】
前記溶媒が、混和性有機溶媒を含む、請求項22の方法。
【請求項24】
前記混和性有機溶媒が、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、乳酸エチル(エチルラクテート)、および単純アルコールからなる群から選択される、請求項23の方法。
【請求項25】
前記溶媒および前記ポリマー・バインダーが両方、非水溶性である、請求項22の方法。
【請求項26】
前記非水溶性溶媒が、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)ポリマー、N−メチルピロリドン、乳酸エチル(エチルラクテート)、アニソール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、キシレン、およびメチレンクロリドからなる群から選択される、請求項25の方法。
【請求項27】
更に:
前記マトリックスへと連続した均一溶液を適用すること;ならびに
連続した前記均一溶液を固化させ、これにより、前記マトリックスの更なる部分を形成させること
を含み、前記マトリックス中の前記治療剤の濃度が、前記マトリックスの前記連続部分において異なる、請求項21の方法。
【請求項28】
移植可能な前記医療装置本体へと第1均一溶液を適用することが:
拡張可能な前記医療装置本体中の陥凹中へと前記均一溶液を導入すること
を含む、請求項21の方法。
【請求項29】
移植可能な前記医療装置本体へと第1均一溶液を適用することが:
移植可能な前記医療装置本体を貫通する開口部中へと前記均一溶液を導入すること
を含む、請求項21の方法。
【請求項30】
移植可能な前記医療装置本体へと第1均一溶液を適用することが:
拡張可能な前記医療装置本体表面を第1均一溶液によりコーティングすること
を含む、請求項21の方法。
【請求項31】
第1均一溶液の前記ポリマー・バインダーが水溶性である、請求項21の方法。
【請求項32】
前記治療剤が、抗塞栓剤、抗増殖剤、および抗再狭窄剤からなる群から選択される、請求項21の方法。
【請求項33】
前記マトリックスが、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリビニルピロリドン(PVP)からなる群から選択される、請求項21の方法。
【請求項34】
更に:
第1均一溶液を適用する前に、障壁材料溶液を適用すること
を含み、前記障壁材料が、第1均一溶液中の前記治療剤の、移植可能な前記医療装置本体の片側への通過に対する障壁を形成する、請求項21の方法。
【請求項35】
第2均一溶液が治療剤を含有しない、請求項21の方法。
【請求項36】
第2均一溶液が、少なくとも1つの前記治療剤を含み、第2均一溶液中の少なくとも1つの前記治療剤の濃度が、第1均一溶液中の少なくとも1つの前記治療剤の濃度とは異なる、請求項21の方法。
【請求項37】
更に:
前記マトリックスへと連続均一溶液を適用すること;および
前記連続均一溶液を固化し、これにより、前記マトリックスの更なる部分を形成させること
を含み、前記マトリックス中の少なくとも1つの前記治療剤の濃度が、前記マトリックスの前記連続部分とは異なる、請求項36の方法。
【請求項38】
移植可能な医療装置の形成方法であって、前記装置から少なくとも1つの治療剤を放出するよう形状付けられ、前記治療剤が、移植可能な前記医療装置本体に固定されたマトリックス中に配置され、前記マトリックス中の少なくとも1つの前記治療剤の濃度が、移植可能な前記医療装置本体表面に対しての連続勾配として変動し:
ポリマー・バインダーおよび溶媒を含む均一溶液を形成すること;
前記均一溶液中の前記溶媒をエバポレーションし、これにより、マトリックスを形成すること;
前記マトリックス中への前記治療剤の部分的拡散を生じさせるに充分な時間、前記治療剤を含む溶液へと前記マトリックスを晒し、前記治療剤の濃度が、前記マトリックスにおいて変動するようにすること;ならびに
移植可能な前記医療装置本体へと前記マトリックスを固定すること
を含む方法。
【請求項39】
前記治療剤を含む前記溶液中に前記マトリックスを含浸させる前に、前記本体中へと前記マトリックスを置くことにより、前記マトリックスが、移植可能な前記医療装置本体へと固定される、請求項38の方法。
【請求項40】
移植可能な前記医療装置本体中の陥凹中へと前記マトリックスを置くことにより、前記マトリックスが、移植可能な前記医療装置本体へと固定される、請求項38の方法。
【請求項41】
移植可能な前記医療装置本体を貫通する開口部中へと前記マトリックスを置くことにより、前記マトリックスが、移植可能な前記医療装置本体へと固定される、請求項38の方法。
【請求項42】
ポリマー・バインダーと溶媒とを含む前記均一溶液を開口部中へと配置し、次いで、前記溶媒をエバポレーションすることにより、前記マトリックスが、移植可能な前記医療装置本体へと固定される、請求項38の方法。
【請求項43】
前記マトリックスにより、移植可能な前記医療装置表面をコーティングすることにより、前記マトリックスが、移植可能な前記医療装置本体へと固定される、請求項38の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの治療剤の局在的供給により、被験体を処置する方法であって:
本体表面に対しての勾配として変動し、マトリックス表面から所定の距離をおいた前記治療剤の濃度が高く、前記マトリックス表面における前記治療剤の濃度が低い、前記マトリックス中における少なくとも1つの前記治療剤の濃度を有する、移植可能な前記医療装置本体へと固定された前記マトリックスを持つ移植可能な前記医療装置を、被験体内へと供給すること;および
前記マトリックス中の前記治療剤の勾配により求められる投与期間に亘り、所定の放出速度において、前記治療剤を供給すること
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−523501(P2006−523501A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509440(P2006−509440)
【出願日】平成16年3月29日(2004.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/009602
【国際公開番号】WO2004/087214
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(500449400)コナー メドシステムズ, インコーポレイテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】CONOR MEDSYSTEMS, INC.
【住所又は居所原語表記】1360 Hamilton Court,Menlo Park,CA 94025 U.S.A.
【Fターム(参考)】