説明

望遠鏡システム

【課題】遠くの景色でも立体的に見ることが望遠鏡装置を提供する。
【解決手段】方位及び高度を独立に調節可能な少なくとも2つの望遠鏡鏡筒31,31´を離隔配置し、望遠鏡筒31,31´に対物レンズ32,32´を収容し、対物レンズ32,32´で形成された光学像を撮像する撮像素子5,5´を望遠鏡筒31,31´に取り付け、撮像素子5,5´で取得した画像を表示する液晶ディスプレイ13,13´を望遠鏡筒31,31´に対して離隔配置し、撮像素子5,5´で取得した画像信号を液晶ディスプレイ13,13´に伝送するケーブル17,17´を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は望遠鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基台と支柱と双眼鏡本体とを備える観光用双眼鏡が知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
基台は支柱を垂直軸周りへ回転可能に支持する。支柱は双眼鏡本体を水平軸周りへ回転可能に支持する。
【特許文献1】特開平9−96765号公報(段落0007、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の観光用双眼鏡では、双眼鏡本体の2つの接眼部の間隔は人の両目の間隔に合わせて設定され、双眼鏡本体の2つの対物部の間隔は2つの接眼部の間隔より少し大きい程度である。
【0005】
したがって、遠くの景色を立体的に観察することが困難である。
【0006】
遠方の景色をより立体的に観察する為には、双眼鏡の対物レンズの間隔を距離に応じて十分大きくして離す必要がある。
【0007】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は遠くの観察対象物をも立体的に観察することができる望遠鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため請求項1の発明の望遠鏡システムは、離隔配置され、方位及び高度を独立に調節可能であり、対物光学系が収納された少なくとも2つの望遠鏡鏡筒と、前記望遠鏡筒に取り付けられ、前記対物光学系で形成された光学像を撮像する撮像手段と、前記望遠鏡筒に対して離隔配置され、前記撮像手段で取得した画像を表示する表示手段と、前記撮像手段で取得した画像信号を前記表示手段に伝送する伝送手段と、前記望遠鏡筒の前記方位及び前記高度を調節し、有限距離の観察対象物に対して、前記観察対象物までの距離に応じて同一観察対象物に視準するための前記望遠鏡筒を回転駆動する回転駆動手段と、同一観察対象物に対して前記対物光学系が視準するように前記回転駆動手段に指示する指示手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項6の発明の望遠鏡システムは、離隔配置され、方位及び高度を独立に調節可能な少なくとも2つの望遠鏡鏡筒と、前記望遠鏡筒に収容された対物光学系と、前記対物光学系で形成された光学像を前記望遠鏡筒に対して離隔配置された接眼光学系に伝送する光ファイバとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、遠くの観察対象物をも立体的に観察することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1はこの発明の第1の実施形態に係る望遠鏡システムの平面を示す概念図、図2は図1に示す望遠鏡システムの正面を示す概念図、図3は図1に示す望遠鏡システムの一部を拡大した概念図である。
【0013】
図1〜3に示すように、この望遠鏡システムは、2つの望遠鏡3,3´と2つの撮像素子(撮像手段)5,5´と2つの架台7,7´とレール9と旋回架台10と記憶装置12と表示手段の2つの液晶ディスプレイ(2つの表示装置)13,13´と2つの接眼レンズ(接眼光学系)15,15´とケーブル(伝送手段)17,17´と補正装置(補正手段)19を備えている。
【0014】
望遠鏡3,3´は、筒状の望遠鏡筒31,31´と、望遠鏡筒31,31´内に収容された対物レンズ(対物光学係)32,32´とを有している。
【0015】
撮像素子5,5´は望遠鏡筒31,31´内の対物レンズ32,32´の焦点位置に配置されている。撮像素子5,5´は対物レンズ32,32´で取得した光学像を撮像する。
【0016】
架台7は望遠鏡3の方位及び高度を調節可能に望遠鏡3を支持する。架台7は第1、第2の回転駆動装置(回転駆動手段)71,72と走行装置(間隔調節手段)73とを有する。第1の回転駆動装置71はモータ(図示せず)と望遠鏡3の回転量、角度(望遠鏡3の方位)を検出するロータリエンコーダ(図示せず)とを有する。第1の回転駆動装置71は望遠鏡3の方位を調節するために望遠鏡3を垂直軸回りへ回転駆動する。第2の回転駆動装置72はモータ(図示せず)と望遠鏡3の回転量、角度(望遠鏡3の高度)を検出するロータリエンコーダ(図示せず)とを有する。第2の回転駆動装置72は望遠鏡3の高度を調節するために望遠鏡3を水平軸回りへ回転駆動する。走行装置73はモータ(図示せず)と架台7の移動量、位置を検出するリニアポテンショメータ(図示せず)とを有する。走行装置73は望遠鏡3,3´の間隔を調節するために架台7をレール9上で走行させる。
【0017】
架台7´は望遠鏡3´の方位及び高度を調節可能に望遠鏡3´を支持する。架台7´は第1、第2の回転駆動装置(回転駆動手段)71´,72´と走行装置(間隔調節手段)73´とを有する。第1の回転駆動装置71´はモータ(図示せず)と望遠鏡3´の回転量、角度(望遠鏡3´の方位)を検出するロータリエンコーダ(図示せず)とを有する。第1の回転駆動装置71´は望遠鏡3´の方位を調節するために望遠鏡3´を垂直軸回りへ回転駆動する。第2の回転駆動装置72´はモータ(図示せず)と望遠鏡3´の回転量、角度(望遠鏡3´の高度)を検出するロータリエンコーダ(図示せず)とを有する。第2の回転駆動装置72´は望遠鏡3´の高度を調節するために望遠鏡3´を水平軸回りへ回転駆動する。走行装置73´はモータ(図示せず)と架台7´の移動量、位置を検出するリニアポテンショメータ(図示せず)とを有する。走行装置73´は望遠鏡3,3´の間隔を調節するために架台7´をレール9上で走行させる。
【0018】
レール9には、架台7,7´が離隔配置されている。したがって、架台7,7´に支持された望遠鏡3,3´同士もレール9上に離隔配置される。
【0019】
旋回架台10はレール9を垂直軸回りへ回転可能に支持する回転駆動装置101を有する。回転駆動装置101はレール9を垂直軸回りへ回転駆動するモータ(図示せず)とレール9の回転量、角度(方位)を検出するロータリエンコーダとを有する。
【0020】
記憶装置12は撮像素子5,5´からの画像信号を画像情報として記憶し、液晶ディスプレイ13,13´へ出力する。
【0021】
液晶ディスプレイ13は接眼レンズ15の焦点位置に配置され、記憶装置12から入力した画像情報を表示する。
【0022】
液晶ディスプレイ13´は接眼レンズ15´の焦点位置に配置され、記憶装置12から入力した画像情報を表示する。
【0023】
接眼レンズ15,15´は液晶ディスプレイ13,13´に対向配置され、液晶ディスプレイ13,13´に表示された映像を拡大する。
【0024】
液晶ディスプレイ13,13´及び接眼レンズ15,15´は筐体20内に収容されている。筐体20は望遠鏡3,3´に対して離隔配置されている。
【0025】
図2、3に示すように、撮像素子5,5´はケーブル17,17´によって記憶装置12に接続されている。記憶装置12はケーブル17,17´によって補正装置19を介して液晶ディスプレイ13,13´に接続されている。
【0026】
また、架台7の第1、第2の回転駆動装置71,72及び走行装置73は図示しない制御装置を介してケーブル21,22,23によってジョイステック25に接続されている。
【0027】
同様に、架台7´の第1、第2の回転駆動装置71´,72´及び走行装置73´は図示しない制御装置を介してケーブル21´,22´,23´によってジョイステック25´に接続されている。
【0028】
ジョイステック25,25´は筐体20の近傍に配置される。
【0029】
この望遠鏡システムを使用するには、観察目標Sに対して2つの望遠鏡3,3´の対物レンズ32,32´を同一の観察対象物Sに向ける必要がある。
それには、まず、観察者が観察対象物Sまでのおおよその距離を判断又は測定し、その距離に応じて、望遠鏡3,3´の間隔、すなわち望遠鏡3,3´間の距離を適宜決める。望遠鏡3,3´の間隔の調節、すなわち架台7,7´の間隔の調節は左右のジョイステック25,25´を操作することによって行われる。
【0030】
次に、左のジョイステック25を操作して、左の望遠鏡3が観察対象物Sを視準するよう望遠鏡3の方位及び高度を調節するとともに、ピントを合わせる。
【0031】
その後、右のジョイステック25´を操作して、右の望遠鏡3´が観察対象物Sを視準するよう望遠鏡3´の方位及び高度を調節するとともに、ピントを合わせる。
【0032】
その結果、左右の望遠鏡3,3´が同一の観察対象物Sを視準する。
【0033】
対物レンズ32,32´で形成された像は撮像素子5,5´によって撮像され、その画像信号が画像情報としてケーブル17,17´を通じて記憶装置12に記憶される。
【0034】
液晶ディスプレイ13,13´では、記憶装置12からの画像信号に基づいて映像を表示する。液晶ディスプレイ13,13´に表示された画像は接眼レンズ15,15´によって拡大され、観察者に観察される。このとき、左の液晶ディスプレイ15の画像は観察者に左目に入り、右の液晶ディスプレイ15´の画像は観察者の右目に入り、この左右の画像が頭の中で合成され、立体画像として見える。
【0035】
以上の視準方法以外に次のような視準方法も考えられる。
【0036】
レール9の正面9a(図1参照)を観察対象物Sに正対させた状態で、望遠鏡3の方位及び高度を観察対象物Sに合わせるとともに、観察対象物Sにピントを合わせる。このとき、観察対象物Sまでの距離に応じてピント距離が変化するが、このピント距離に応じて撮像素子5は対物レンズ32に対して相対的に移動する。対物レンズ32と撮像素子5との距離が分かれば、観察対象物Sまでの距離が分かる。観察対象物Sまでの距離が分かれば、もう一方の望遠鏡3´の対物レンズ32´の視準すべき方位が分かるので、図示しない制御装置によって望遠鏡3´の方位を自動的に補正することができる。このときの望遠鏡3´の高度を望遠鏡3の高度に等しくする。
【0037】
この視準方向の場合、観察対象物Sまでの距離を測定する測距装置を用いれば、更に高精度に視準を行うことができる。
【0038】
以上の視準方法以外に更に次のような視準方法も考えられる。
【0039】
観光地用の望遠鏡システムでは、見るべき観察対象物Sは限られるので、予め望遠鏡システムから複数の観察対象物Sまでの距離を測定して、架台3,3´の制御装置のメモリに記憶させておく。
【0040】
観察者が望遠鏡3,3´をある観察対象物Sの方へ向けたら、その観察者はそのある観察対象物Sを見るものと判断し、その望遠鏡3,3´の向きから観察対象物Sを特定し、予め制御装置のメモリに記憶しておいた観察対象物Sまでの距離に応じて、望遠鏡3,3´の方位、高度及び望遠鏡3,3´間の距離を自動的に調節することにより、望遠鏡3,3´の視準を自動的に行うことができる。この場合、ジョイスティック1個で2台の望遠鏡を操作することが可能である。
【0041】
以上のように、望遠鏡3,3´を正しく視準しても、架台3、3´のガタツキなどにより、左右の撮像素子5,5´の画像がずれることがある。この場合、次のようにして画像のずれを補正することができる。
【0042】
補正装置19において、左右の撮像素子5,5´の画像の同じ特徴部分の座標情報を解析し、左右の画像の特徴部分のずれを検出する。左右の画像の特徴部分のずれを検出したら、そのずれの量だけ(例えば、画素何個分というように計測される)一方の画像を移動させて他方の画像に合わせる補正をして液晶ディスプレイ13,13´へ出力する。
【0043】
第1、第2の回転駆動装置71,71´,72,72´はロータエンコーダを有し、旋回架台10の回転駆動装置101によってレール9の正面9aを観察対象物Sに対して正対させることができるので、このロータリエンコーダの角度(望遠鏡3,3´の方位)に基づき、三角測量の方法を用いて観察対象物Sまでの距離を測定することができる。また、上述のように、撮像素子5と対物レンズ32との間隔から観察対象物Sまでの距離を測定することもできる。このように、観察対象物Sまでの距離を測定できる場合、観察対象物Sの距離に応じてレール9の長手方向の望遠鏡3,3´間の距離を自動的に調節するようにするとよい。
【0044】
この実施形態によれば、望遠鏡3,3´が離隔配置されているので、遠くの観察対象物Sでも立体的に見ることができる。
【0045】
また、架台7,7´を支持するレール9が旋回架台10に設置されているので、全方位を観察することができる。
【0046】
図4はこの発明の第2の実施形態の係る望遠鏡システムの正面を示す概念図である。
【0047】
第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、主な相違部分についてだけ説明する。
【0048】
望遠鏡3,3´内に配置された撮像素子5,5´(図3参照)はケーブル226,226´を介して立体画像合成装置(立体画像合成手段)227に接続されている。
【0049】
立体画像合成装置227はケーブル228によって情報合成装置(情報合成手段)230を介して立体画像表示装置229に接続されている。
【0050】
立体画像表示装置229は液晶ディスプレイ229aとレンチキラーレンズ229bとで構成されている。レンチキュラーレンズ229bは液晶ディスプレイ229aの画像表示面に配置されている。
【0051】
立体画像合成装置227では撮像素子5,5´で得られた画像が細かくストライプ状に分断され、この分断された数個の画像を連結させ一つの画像集合体が構成される。そして、立体画像合成装置は撮像素子5の画像から得られた画像集合体と撮像素子5´の画像から得られた画像集合体とを交互に並べて立体画像を合成する。この立体画像は液晶ディスプレイ229aに表示される。液晶ディスプレイ229aに表示された立体画像はレンチキュラーレンズ229bを介して観察者に観察されるので、左目では撮像素子5の画像で得られた画像集合体が観察され、右目では撮像素子5´の画像で得られた画像集合体が観察される。その結果、立体画像が立体視される。
【0052】
この実施形態では、情報合成装置230が備えられているので、図示しない入力装置から入力された文字情報や画像情報のデータを立体画像に合成することができる。更に情報合成装置230をパーソナルコンピュータに接続すれば、インターネットから得た文字情報や画像情報のデータを立体画像に合成することもできる。
【0053】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0054】
図5はこの発明の第3の実施形態の係る望遠鏡システムの正面を示す概念図、図6は図5に示す望遠鏡システムの一部の拡大した概念図である。
【0055】
第1の実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、主な相違部分についてだけ説明する。
【0056】
第1の実施形態では、対物レンズ32,32´で得られた光学像を撮像素子5,5´で光電変換してその画像信号をケーブル17,17´等を介して液晶ディスプレイ13,13´に伝送し、液晶ディスプレイ13,13´で表示された画像を接眼レンズ15,15´を介して見ていたが、第3の実施形態では、図5,6に示すように、対物レンズ32,32´で得られた光学像を光ファイバ331,331´を介して筐体320内に配置された接眼レンズ315,315´に伝送し、接眼レンズ315,315´で拡大観察できるようにした。
【0057】
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を奏すると共により装置構成を簡略化できる。
【0058】
図7はこの発明の第4の実施形態の係る望遠鏡システムの概念図である。
【0059】
第4の実施形態の望遠鏡システムは4つの望遠鏡403を有する。望遠鏡403は第1の実施形態の望遠鏡システムの望遠鏡3と同様の構成のものである。望遠鏡403は架台(図示せず)に方位及び高度を調節可能に支持されている。この架台は走行装置を有しておらず、屋上402aの床に固定されている。したがって、第4実施形態の場合、望遠鏡403同士の間隔を調節することができない。しかし、望遠鏡403同士は十分に離隔しているので、望遠鏡403同士の間隔を調節することができなくても、特に問題はない。
【0060】
第4の実施形態は第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0061】
なお、上述の実施形態の場合、望遠鏡3,3´、403は地面から同じ高さの場所に配置されているが、望遠鏡3,3´、403に対して高さの異なる場所に望遠鏡を配置すれば、上下方向にも立体視することができる。
【0062】
また、上述の実施形態では、表示装置として液晶ディスプレイ13,13´が用いられているが、表示装置としては液晶ディスプレイに限られない。
【0063】
なお、立体画像表示装置として、レンチキュラーレンズ229b付きの液晶ディスプレイ229bが用いられているが、立体画像表示装置としてはレンチキュラーレンズ229b付きの液晶ディスプレイ229bに限られない。
【0064】
また、上述の実施形態では、指示装置としてジョイステック25,25´が用いられているが、指示装置はジョイステック25,25´に限られず、例えば、キーボード、マウス等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1はこの発明の第1の実施形態に係る望遠鏡システムの平面を示す概念図である。
【図2】図2は図1に示す望遠鏡システムの正面を示す概念図である。
【図3】図3は図1に示す望遠鏡システムの一部を拡大した概念図である。
【図4】図4はこの発明の第2の実施形態の係る望遠鏡システムの正面を示す概念図である。
【図5】図5はこの発明の第3の実施形態の係る望遠鏡システムの正面を示す概念図である。
【図6】図6は図5に示す望遠鏡システムの一部の拡大した概念図である。
【図7】図7はこの発明の第4の実施形態の係る望遠鏡システムの概念図である。
【符号の説明】
【0066】
31,31´:望遠鏡筒、32,32´:対物レンズ(対物光学係)5,5´:撮像素子(撮像素子)、71,71´:第1の回転駆動装置(回転駆動装置)、72,72´:第2の回転駆動装置(回転駆動装置)、73,73´:走行装置(間隔調整手段)、13,13´:液晶ディスプレイ(2つの表示装置)、15,15´315,315´:接眼レンズ(接眼光学系)17,17´:ケーブル(伝送手段)、19:補正装置(補正手段)、25,25´:ジョイスティック(指示手段)、227:立体画像合成装置(立体画像合成手段)、229:立体画像表示装置(1つの表示装置)、230:情報合成装置(情報合成手段)、331,331´:光ファイバ(伝送手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離隔配置され、方位及び高度を独立に調節可能であり、対物光学系が収納された少なくとも2つの望遠鏡鏡筒と、
前記望遠鏡筒に取り付けられ、前記対物光学系で形成された光学像を撮像する撮像手段と、
前記望遠鏡筒に対して離隔配置され、前記撮像手段で取得した画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段で取得した画像信号を前記表示手段に伝送する伝送手段と、
前記望遠鏡筒の前記方位及び前記高度を調節し、有限距離の観察対象物に対して、前記観察対象物までの距離に応じて同一観察対象物に視準するための前記望遠鏡筒を回転駆動する回転駆動手段と、
同一観察対象物に対して前記対物光学系が視準するように前記回転駆動手段に指示する指示手段と
を備えていることを特徴とする望遠鏡システム。
【請求項2】
前記表示手段を構成する2つの表示装置に焦点が合い、更に、その間隔が観察者の両眼の間隔に対応して配置された2つの接眼光学系を備えていることを特徴とする請求項1記載の望遠鏡システム。
【請求項3】
前記撮像手段で取得した画像を立体画像に合成し、その立体画像を前記表示手段を構成する1つの表示装置に表示させる立体画像合成手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の望遠鏡システム。
【請求項4】
前記撮像手段で取得した画像に文字情報や画像情報の少なくとも一方を合成して前記表示手段に表示させる情報合成手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載の望遠鏡システム。
【請求項5】
前記2つの望遠鏡筒のそれぞれに取り付けられた前記撮像手段で取得した画像の座標情報を解析し、それらの画像のずれを補正する補正手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の望遠鏡システム。
【請求項6】
離隔配置され、方位及び高度を独立に調節可能な少なくとも2つの望遠鏡鏡筒と、
前記望遠鏡筒に収容された対物光学系と、
前記対物光学系で形成された光学像を前記望遠鏡筒に対して離隔配置された接眼光学系に伝送する光ファイバと
を備えていることを特徴とする望遠鏡システム。
【請求項7】
前記望遠鏡筒の前記方位及び前記高度を調節するために前記望遠鏡筒を回転駆動する回転駆動手段と、
同一対象物に対して前記対物光学系が視準するように前記回転駆動手段に指示する指示手段と
を備えていることを特徴とする請求項6記載の望遠鏡システム。
【請求項8】
前記望遠鏡筒から前記同一対象物までの距離に応じて前記望遠鏡筒同士の間隔を調節する間隔調節手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の望遠鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−63852(P2009−63852A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232137(P2007−232137)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(501439264)株式会社 ニコンビジョン (86)
【Fターム(参考)】