木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減方法
本発明は層の少なくとも一つの表面に一級アミン基を含む一種以上のポリマーを塗布することを含む木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減方法に関する。また、本発明は木材をベースとする製品の製造方法、木材をベースとする製品、及び木材をベースとする製品からのアルデヒド放出を低減するための一級アミン基を含む一種以上のポリマーの使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は木材をベースとする製品（特に層状製品）からのアルデヒド、特にホルムアルデヒドの放出の低減方法に関する。また、本発明は木材をベースとする製品の製造方法に関するものであり、木材をベースとする製品、例えば、床材、家具材料、合板、壁パネル及び屋根板に関する。
【背景技術】
【０００２】
ホルムアルデヒドをベースとする樹脂はバインダー及び接着剤組成物中に広く使用されており、これらは、例えば、繊維板及びパーティクルボード並びに接着された製品の製造に使用されており、これらは構造材料、例えば、パネル、デッキ等；家庭用装備品、例えば、家具、床材等であってもよい。これらのバインダー及び接着剤組成物を硬化する際に、ホルムアルデヒドが製品の製造中に、そしてまた或る程度で製品の使用中のその後の時間の期間にわたって放出されるかもしれない。屋内空気中に存在するホルムアルデヒドは健康上の理由のために長年来重大な関心事である。
【０００３】
更に、特に層状材料、例えば、多層寄せ木張りの床、ベニヤ床材又は合板がホルムアルデヒドをベースとする接着剤で接着することにより普通に一緒に結合される異なる木材層の一つ以上を通ってホルムアルデヒドを放出し得る。寄せ木張りの床の場合、上層は通常少なくとも二三mmの厚さの広葉樹からなり、中間層は通常針葉樹又はボード、例えば、MDF又はパーティクルボードであり、裏層は通常ベニヤである。ベニヤ床材では、上層はまた通常裏ベニヤと同様の、ベニヤである。寄せ木張りの床材及びベニヤ床材の両方について、上層は通常ホルムアルデヒドを含まないUVラッカー又は油で処理されて表面を保護する。これはホルムアルデヒドの放出が上層を通って非常に重大ではないことを意味する。これらの型の製品からのホルムアルデヒドの放出は主として裏層を通っての放出を構成する。また、側面（縁部）からの放出が或る程度寄与する。
【０００４】
施行されつつある一層きびしい放出規格を満足する床材及びその他の屋内建築材料に対する需要が増大している。例えば、日本では、あらゆる認可された方法に従ってつくられたホルムアルデヒド放出の分類、例えば、所謂、F*〜F****（F****は今<0.3mg/l（平均）のホルムアルデヒド放出を要求する最もきびしいものである）の範囲の、床に関するJAS MAFF又はJIS A 1460が存する。
【０００５】
幾つかの試みが長年にわたってホルムアルデヒド放出を低減するためになされていたが、全てが重大な機械上、化学上、環境上又は経済上の不利を伴う。
【０００６】
WO 02/072323 A1は無機硫黄含有塩が使用される層状製品からのホルムアルデヒドの放出の低減方法を開示している。WO 02/072324はアンモニウム塩が使用される層状製品からのホルムアルデヒドの放出の低減方法を開示している。両方の従来技術の開示における好ましい塩は亜硫酸アンモニウムである。米国特許第4,376,807号はアンモニウム塩による木材パネルの後処理を開示している。EP 0 812 948 A2は消臭繊維材料を開示している。JP 2002-285125Aはメラミン樹脂がホルムアルデヒド捕捉剤と混合される合板を製造するための接着剤組成物を開示している。
【０００７】
しかしながら、ホルムアルデヒドの極めて低い放出を有する材料についての増大する要求を満足するために放出を更に低減することの要望がある。更に、従来技術開示による塩の溶液の使用は処理される表面上の結晶及び／又は粉末としての固体塩の層をもたらし得る。取扱中に、これは表面からの塩の脱落をもたらし、それにより処理の効果を低下し得る。また、粉末状の表面は美観上魅力的ではない。更に、従来技術の開示に従って使用される塩溶液はしばしば塗布中に不快な臭気を生じ、これは製品の製造中に作業環境にマイナスである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
こうして、技術的解決がホルムアルデヒド放出についての新しい一層きびしい規格を満足する、ホルムアルデヒドをベースとする樹脂を含む木材をベースとする製品からのホルムアルデヒドの放出を更に低減する方法について依然として望まれる。また、ホルムアルデヒドの放出を低減するために表面を処理する場合、臭気による問題だけでなく、長く持続する効果を与える機械耐性かつ美観上魅力的な処理を如何に与えるかという問題が解決される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
それ故、本発明は従来技術の方法と比べてホルムアルデヒドをベースとする樹脂を含む木材をベースとする製品からのホルムアルデヒドの放出を更に低減する方法を提供する。また、従来技術の方法におけるような重大な悪臭がない、木材をベースとする製品、特に層状製品又は層状製品に意図される一つ以上の層の処理方法が提供し得る。また、本発明は無害の材料による処理による木材をベースとする製品のユーザーにやさしい製造の可能性を与える。また、本発明は長時間にわたって、しかも特別に注意しないで、それらの処理の放出低減効果を低下しないで取り扱い得る、木材をベースとする製品、特に接着された製品を提供する。また、美観上一層魅力的である、木材をベースとする製品、特に接着された製品が、提供し得る。
【００１０】
本明細書に使用される“接着剤”という用語は木質材料、例えば、繊維板、パーティクルボード又はチップボードを形成するために繊維、チップ、粒子又は同様の材料を結合するためのバインダーをまた含む。
【００１１】
“前層”は少なくとも二つの層が一緒に接着される場合に、層状製品に意図され、又はその中に既に存在する層を意味し、かつ外面、すなわち“前面”が、接着された製品中に存在する場合に、使用中の場合に目視できることが意図されていることを本明細書中で意味する。
【００１２】
“裏層”は少なくとも二つの層が一緒に接着される場合に、層状製品に意図され、又はその中に既に存在する層を意味し、かつ外面、すなわち“裏面”が、接着された製品中に存在する場合に、使用中の場合に目視できることが意図されていない層を本明細書中で意味する。
【００１３】
本発明の一つの方法は一つ以上の層を含む木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減を含み、その木材を含む製品がアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面に一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を塗布する。この木材をベースとする製品は二つ以上の層を含む層状製品であることが好適である。外層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布されることが好適である。この層状製品は前層及び裏層を含むことが好適である。この裏層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布されることが好適である。
【００１４】
本発明の更なる方法は一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を層に塗布することを含む一つ以上の層を含む木材をベースとする製品を製造することを含み、その木材をベースとする製品はアルデヒドを放出する接着剤を含む。この木材をベースとする製品は二つ以上の層を含む層状製品であることが好適である。その方法は任意の順序で、一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を層に塗布する工程、及び二つ以上の層を一緒に接着する工程を含むことが好適である。外層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布されることが好適である。一つの実施態様において、外層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布され、その外層が既に別の層に接着されている。別の実施態様において、外層の意図される外面に一種以上のポリマー(P)が塗布され、その後に外層を別の層と接着することが好適である。この層状製品は前層及び裏層を含むことが好適である。一種以上のポリマー(P)が裏層の外面に塗布されることが好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
一種以上のポリマー(P)は溶液(S)の形態で塗布されることが好ましい。
【００１６】
前記層は既知の通常の技術のいずれかを使用することにより、例えば、接着剤の塗布、続いてプレスにより好適に結合されることができる。
【００１７】
前記一種以上のポリマー(P)は好適には約1,000g/モルから約1,000,000g/モルまで、好ましくは約10,000g/モルから約800,000g/モルまで、更に好ましくは約20,000g/モルから約600,000g/モルまで、更に好ましくは約50,000g/モルから約500,000g/モルまで、最も好ましくは約150,000g/モルから400,000g/モルまでの重量平均分子量を有する。前記溶液(S)中の一種以上のポリマー(P)の量は好適には約１重量％から約90重量％まで、好ましくは約３重量％から約50重量％まで、更に好ましくは約５重量％から約30重量％まで、最も好ましくは約７重量％から約20重量％までである。
【００１８】
前記一種以上のポリマー(P)は好適には約0.1g/m2から約20g/m2まで、好ましくは約0.5g/m2から約10g/m2まで、最も好ましくは約2g/m2から約5g/m2までの量で塗布される。
【００１９】
前記溶液(S)は好適には約0.1g/m2から約100g/m2まで、好ましくは約1g/m2から約50g/m2まで、最も好ましくは約5g/m2から約35g/m2までの量で塗布される。好適な上限はどの型の木材にその溶液が塗布されるのかに依存する。
【００２０】
本発明により前記溶液(S)で塗布された層が層状製品の裏層の外面を構成することが好ましい。これが層状製品の裏面からのホルムアルデヒドの放出の有意な低減を生じる。
【００２１】
更にまた、外層の表面の両方が所望により本発明の範囲内の同じ溶液(S)、又は２種の異なる溶液(S)で塗布されてもよい。
【００２２】
前記溶液(S)は水溶液であることが好ましいが、水以外のその他の溶媒が使用されてもよい。溶液(S)はあらゆる通常の被覆技術、例えば、ロールコーティング、カーテンコーティング、又は噴霧被覆を使用することにより塗布されてもよい。
【００２３】
少なくとも二つの層がアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着されたことが好適である。一つより多い接着結合を含む層状製品、例えば、合板について、異なる接着結合のための異なる接着剤型が使用されてもよい。
【００２４】
更に、本発明は一つ以上の層を含む木材をベースとする製品に関するものであり、その木材をベースとする製品はアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面が一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を含む。この木材をベースとする製品の表面は乾燥ポリマーとして計算して、好適には約0.1g/m2から約20g/m2まで、好ましくは約0.5g/m2から約10g/m2まで、最も好ましくは約2g/m2から約5g/m2までの一種以上の塗布されたポリマー(P)を含む。この木材をベースとする製品は二つ以上の層を含む層状製品であることが好適である。一種以上のポリマー(P)を塗布される表面は層状製品の外面であることが好適である。この層状製品は前層及び裏層を含むことが好適であり、これらの層はアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着されており、一種以上のポリマー(P)を塗布される表面は裏層の外面である。
【００２５】
前記木材をベースとする製品中の層の一つ以上がそれ自体でアルデヒドを放出する接着剤を含む材料からつくられてもよく、その木材をベースとする製品は、例えば、繊維板又はパーティクルボードである。このような場合、前記“層”が繊維板又はパーティクルボードそれ自体を構成する。前記木材をベースとする製品が一つの層のみを含む場合、この層の材料それ自体がアルデヒドを放出する接着剤を含むことが好適であり、木材をベースとする製品が、例えば、繊維板又はパーティクルボードである。このような場合、前記“層”が繊維板又はパーティクルボードそれ自体を構成する。
【００２６】
前記一種以上のポリマー(P)はポリビニルアミン、ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）、ポリアミノアミド、ポリアリルアミン及びポリエチレンイミンのグループに属することが好適である。この一種以上のポリマー(P)がポリビニルアミン及びポリエチレンイミンのグループに属することが更に好ましい。このポリマー(P)がポリビニルアミンであることが最も好ましい。
【００２７】
ポリビニルアミンは通常ポリビニルホルムアミドを或る程度加水分解することによりつくられる。“ポリビニルアミン”はアミン基対ホルムアミド基のモル比が5:95から100:0までであるポリビニルアミンを本明細書中で意味する。アミン基対ホルムアミド基のモル比が5:95未満である場合、そのポリマーはポリビニルホルムアミドと定義される。このポリビニルアミン中のアミン基対ホルムアミド基のモル比は好ましくは約10:90から約100:0まで、更に好ましくは約50:50から約100:0まで、最も好ましくは約80:20から約100:0までである。
【００２８】
ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）は通常酢酸ビニル及びビニルホルムアミドを共重合し、続いて加水分解（これはビニルアルコール単位及びビニルアミン単位を有するコポリマーを生じる）することによりつくられる。また、このコポリマー中に残存ホルムアミド基があってもよく、また残存アセテート基があってもよい。前記ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）中のアミン基対ホルムアミド基のモル比は5:95から100:0までである。アミン基対ホルムアミド基の数の比が5:95未満である場合、そのポリマーはポリ（ビニルアルコール共ビニルホルムアミド）と定義される。このポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）又はポリ（ビニルアルコール共ビニルアミド）中のヒドロキシル基対アセテート基のモル比は好適には約25:75から100:0まで、好ましくは約75:25から100:0までである。
【００２９】
付加的な無機又は有機のホルムアミド脱除剤の実質的な量が一種以上の前記ポリマー(P)と組み合わせて表面に塗布されないことが好適である。
【００３０】
アルデヒドを放出する接着剤はホルムアルデヒドをベースとする樹脂、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、又はフェノール-レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂であることが好適である。アルデヒドを放出する接着剤は尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、及びメラミン-ホルムアルデヒド樹脂のグループに属することが好ましい。
【００３１】
本発明の一実施態様において、本発明による層の少なくとも一つが、それ自体でアルデヒドを放出する接着剤を含む材料、例えば、繊維板又はパーティクルボードからつくられる。
【００３２】
前記裏層はベニヤを含むことが好適である。
【００３３】
前記アルデヒドはホルムアルデヒドであることが好適である。
【００３４】
本発明の好ましい実施態様において、約７重量％から約20重量％までのポリビニルアミン含量を有するポリビニルアミン（そのポリビニルアミンは約20,000g/モルから約600,000g/モルの重量平均分子量を有する）の水溶液が、約0.5g/m2から約10g/m2までの量でベニヤ床材の裏ベニヤに塗布される。このベニヤ床材はベニヤをホルムアルデヒドをベースとする樹脂、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂をベースとする接着剤でコアーに一緒に接着することによりつくられる。
【００３５】
本発明の木材をベースとする製品は床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板であることが好適である。それは寄せ木張りの床材又はベニヤ床材であることが好ましい。
【００３６】
本発明はまた本発明の方法により得られる木材をベースとする製品に関する。この木材をベースとする製品は床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板であることが好適である。
【００３７】
本発明が下記の非限定実施例により更に説明される。部数及び％は、特にことわらない限り、夫々重量部、重量％に関する。
【実施例】
【００３８】
実施例１：異なるアミド含有ポリマー又は一級アミン含有ポリマーをホルムアルデヒド脱除剤としてのそれらの効果について試験した。UF樹脂及び硬化剤を含む接着剤を0.1mmの厚さでガラスの片に塗布した。この接着剤を乾燥させ、ポリマーを小さいブラシにより接着剤に塗布した。この試験片を密閉ビーカー中で60分間にわたって40℃で25mlの水（これは放出されたホルムアルデヒドを吸収するために使用された）の上に入れた。水中のホルムアルデヒド含量を分析することによりホルムアルデヒドの放出を測定した。ポリマーを塗布しない参考例を夫々の試験と平行に実験し、その放出値が括弧内にある。
【００３９】
【表１】
【００４０】
実施例２： 両面でUF接着剤で接着された0.6mmのオークベニヤとともにHDFボードのコアーを有するベニヤ床材をつくった。この床材の目視できることが意図される上面をUVラッカーでラッカー塗り、それにより耐磨耗層（これはまた放出のバリヤーとして作用する）を形成した。接着前に、裏面層の表面に25g/m2の12重量％のポリビニルアミンの水溶液を塗布した。アミン基対ホルムアミド基の数の比は90:10より大きかった。このポリビニルアミンの重量平均分子量は340,000g/モルであった。参考例として、未処理層状製品をつくった。この組成物の塗布量は25g/m2であった。
【００４１】
片（15x15mm）を切断し、ホルムアルデヒドの放出をJIS A 1460（2001）に従って測定した。
【００４２】
【表２】
【技術分野】
【０００１】
本発明は木材をベースとする製品（特に層状製品）からのアルデヒド、特にホルムアルデヒドの放出の低減方法に関する。また、本発明は木材をベースとする製品の製造方法に関するものであり、木材をベースとする製品、例えば、床材、家具材料、合板、壁パネル及び屋根板に関する。
【背景技術】
【０００２】
ホルムアルデヒドをベースとする樹脂はバインダー及び接着剤組成物中に広く使用されており、これらは、例えば、繊維板及びパーティクルボード並びに接着された製品の製造に使用されており、これらは構造材料、例えば、パネル、デッキ等；家庭用装備品、例えば、家具、床材等であってもよい。これらのバインダー及び接着剤組成物を硬化する際に、ホルムアルデヒドが製品の製造中に、そしてまた或る程度で製品の使用中のその後の時間の期間にわたって放出されるかもしれない。屋内空気中に存在するホルムアルデヒドは健康上の理由のために長年来重大な関心事である。
【０００３】
更に、特に層状材料、例えば、多層寄せ木張りの床、ベニヤ床材又は合板がホルムアルデヒドをベースとする接着剤で接着することにより普通に一緒に結合される異なる木材層の一つ以上を通ってホルムアルデヒドを放出し得る。寄せ木張りの床の場合、上層は通常少なくとも二三mmの厚さの広葉樹からなり、中間層は通常針葉樹又はボード、例えば、MDF又はパーティクルボードであり、裏層は通常ベニヤである。ベニヤ床材では、上層はまた通常裏ベニヤと同様の、ベニヤである。寄せ木張りの床材及びベニヤ床材の両方について、上層は通常ホルムアルデヒドを含まないUVラッカー又は油で処理されて表面を保護する。これはホルムアルデヒドの放出が上層を通って非常に重大ではないことを意味する。これらの型の製品からのホルムアルデヒドの放出は主として裏層を通っての放出を構成する。また、側面（縁部）からの放出が或る程度寄与する。
【０００４】
施行されつつある一層きびしい放出規格を満足する床材及びその他の屋内建築材料に対する需要が増大している。例えば、日本では、あらゆる認可された方法に従ってつくられたホルムアルデヒド放出の分類、例えば、所謂、F*〜F****（F****は今<0.3mg/l（平均）のホルムアルデヒド放出を要求する最もきびしいものである）の範囲の、床に関するJAS MAFF又はJIS A 1460が存する。
【０００５】
幾つかの試みが長年にわたってホルムアルデヒド放出を低減するためになされていたが、全てが重大な機械上、化学上、環境上又は経済上の不利を伴う。
【０００６】
WO 02/072323 A1は無機硫黄含有塩が使用される層状製品からのホルムアルデヒドの放出の低減方法を開示している。WO 02/072324はアンモニウム塩が使用される層状製品からのホルムアルデヒドの放出の低減方法を開示している。両方の従来技術の開示における好ましい塩は亜硫酸アンモニウムである。米国特許第4,376,807号はアンモニウム塩による木材パネルの後処理を開示している。EP 0 812 948 A2は消臭繊維材料を開示している。JP 2002-285125Aはメラミン樹脂がホルムアルデヒド捕捉剤と混合される合板を製造するための接着剤組成物を開示している。
【０００７】
しかしながら、ホルムアルデヒドの極めて低い放出を有する材料についての増大する要求を満足するために放出を更に低減することの要望がある。更に、従来技術開示による塩の溶液の使用は処理される表面上の結晶及び／又は粉末としての固体塩の層をもたらし得る。取扱中に、これは表面からの塩の脱落をもたらし、それにより処理の効果を低下し得る。また、粉末状の表面は美観上魅力的ではない。更に、従来技術の開示に従って使用される塩溶液はしばしば塗布中に不快な臭気を生じ、これは製品の製造中に作業環境にマイナスである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
こうして、技術的解決がホルムアルデヒド放出についての新しい一層きびしい規格を満足する、ホルムアルデヒドをベースとする樹脂を含む木材をベースとする製品からのホルムアルデヒドの放出を更に低減する方法について依然として望まれる。また、ホルムアルデヒドの放出を低減するために表面を処理する場合、臭気による問題だけでなく、長く持続する効果を与える機械耐性かつ美観上魅力的な処理を如何に与えるかという問題が解決される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
それ故、本発明は従来技術の方法と比べてホルムアルデヒドをベースとする樹脂を含む木材をベースとする製品からのホルムアルデヒドの放出を更に低減する方法を提供する。また、従来技術の方法におけるような重大な悪臭がない、木材をベースとする製品、特に層状製品又は層状製品に意図される一つ以上の層の処理方法が提供し得る。また、本発明は無害の材料による処理による木材をベースとする製品のユーザーにやさしい製造の可能性を与える。また、本発明は長時間にわたって、しかも特別に注意しないで、それらの処理の放出低減効果を低下しないで取り扱い得る、木材をベースとする製品、特に接着された製品を提供する。また、美観上一層魅力的である、木材をベースとする製品、特に接着された製品が、提供し得る。
【００１０】
本明細書に使用される“接着剤”という用語は木質材料、例えば、繊維板、パーティクルボード又はチップボードを形成するために繊維、チップ、粒子又は同様の材料を結合するためのバインダーをまた含む。
【００１１】
“前層”は少なくとも二つの層が一緒に接着される場合に、層状製品に意図され、又はその中に既に存在する層を意味し、かつ外面、すなわち“前面”が、接着された製品中に存在する場合に、使用中の場合に目視できることが意図されていることを本明細書中で意味する。
【００１２】
“裏層”は少なくとも二つの層が一緒に接着される場合に、層状製品に意図され、又はその中に既に存在する層を意味し、かつ外面、すなわち“裏面”が、接着された製品中に存在する場合に、使用中の場合に目視できることが意図されていない層を本明細書中で意味する。
【００１３】
本発明の一つの方法は一つ以上の層を含む木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減を含み、その木材を含む製品がアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面に一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を塗布する。この木材をベースとする製品は二つ以上の層を含む層状製品であることが好適である。外層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布されることが好適である。この層状製品は前層及び裏層を含むことが好適である。この裏層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布されることが好適である。
【００１４】
本発明の更なる方法は一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を層に塗布することを含む一つ以上の層を含む木材をベースとする製品を製造することを含み、その木材をベースとする製品はアルデヒドを放出する接着剤を含む。この木材をベースとする製品は二つ以上の層を含む層状製品であることが好適である。その方法は任意の順序で、一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を層に塗布する工程、及び二つ以上の層を一緒に接着する工程を含むことが好適である。外層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布されることが好適である。一つの実施態様において、外層の外面に一種以上のポリマー(P)が塗布され、その外層が既に別の層に接着されている。別の実施態様において、外層の意図される外面に一種以上のポリマー(P)が塗布され、その後に外層を別の層と接着することが好適である。この層状製品は前層及び裏層を含むことが好適である。一種以上のポリマー(P)が裏層の外面に塗布されることが好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
一種以上のポリマー(P)は溶液(S)の形態で塗布されることが好ましい。
【００１６】
前記層は既知の通常の技術のいずれかを使用することにより、例えば、接着剤の塗布、続いてプレスにより好適に結合されることができる。
【００１７】
前記一種以上のポリマー(P)は好適には約1,000g/モルから約1,000,000g/モルまで、好ましくは約10,000g/モルから約800,000g/モルまで、更に好ましくは約20,000g/モルから約600,000g/モルまで、更に好ましくは約50,000g/モルから約500,000g/モルまで、最も好ましくは約150,000g/モルから400,000g/モルまでの重量平均分子量を有する。前記溶液(S)中の一種以上のポリマー(P)の量は好適には約１重量％から約90重量％まで、好ましくは約３重量％から約50重量％まで、更に好ましくは約５重量％から約30重量％まで、最も好ましくは約７重量％から約20重量％までである。
【００１８】
前記一種以上のポリマー(P)は好適には約0.1g/m2から約20g/m2まで、好ましくは約0.5g/m2から約10g/m2まで、最も好ましくは約2g/m2から約5g/m2までの量で塗布される。
【００１９】
前記溶液(S)は好適には約0.1g/m2から約100g/m2まで、好ましくは約1g/m2から約50g/m2まで、最も好ましくは約5g/m2から約35g/m2までの量で塗布される。好適な上限はどの型の木材にその溶液が塗布されるのかに依存する。
【００２０】
本発明により前記溶液(S)で塗布された層が層状製品の裏層の外面を構成することが好ましい。これが層状製品の裏面からのホルムアルデヒドの放出の有意な低減を生じる。
【００２１】
更にまた、外層の表面の両方が所望により本発明の範囲内の同じ溶液(S)、又は２種の異なる溶液(S)で塗布されてもよい。
【００２２】
前記溶液(S)は水溶液であることが好ましいが、水以外のその他の溶媒が使用されてもよい。溶液(S)はあらゆる通常の被覆技術、例えば、ロールコーティング、カーテンコーティング、又は噴霧被覆を使用することにより塗布されてもよい。
【００２３】
少なくとも二つの層がアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着されたことが好適である。一つより多い接着結合を含む層状製品、例えば、合板について、異なる接着結合のための異なる接着剤型が使用されてもよい。
【００２４】
更に、本発明は一つ以上の層を含む木材をベースとする製品に関するものであり、その木材をベースとする製品はアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面が一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を含む。この木材をベースとする製品の表面は乾燥ポリマーとして計算して、好適には約0.1g/m2から約20g/m2まで、好ましくは約0.5g/m2から約10g/m2まで、最も好ましくは約2g/m2から約5g/m2までの一種以上の塗布されたポリマー(P)を含む。この木材をベースとする製品は二つ以上の層を含む層状製品であることが好適である。一種以上のポリマー(P)を塗布される表面は層状製品の外面であることが好適である。この層状製品は前層及び裏層を含むことが好適であり、これらの層はアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着されており、一種以上のポリマー(P)を塗布される表面は裏層の外面である。
【００２５】
前記木材をベースとする製品中の層の一つ以上がそれ自体でアルデヒドを放出する接着剤を含む材料からつくられてもよく、その木材をベースとする製品は、例えば、繊維板又はパーティクルボードである。このような場合、前記“層”が繊維板又はパーティクルボードそれ自体を構成する。前記木材をベースとする製品が一つの層のみを含む場合、この層の材料それ自体がアルデヒドを放出する接着剤を含むことが好適であり、木材をベースとする製品が、例えば、繊維板又はパーティクルボードである。このような場合、前記“層”が繊維板又はパーティクルボードそれ自体を構成する。
【００２６】
前記一種以上のポリマー(P)はポリビニルアミン、ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）、ポリアミノアミド、ポリアリルアミン及びポリエチレンイミンのグループに属することが好適である。この一種以上のポリマー(P)がポリビニルアミン及びポリエチレンイミンのグループに属することが更に好ましい。このポリマー(P)がポリビニルアミンであることが最も好ましい。
【００２７】
ポリビニルアミンは通常ポリビニルホルムアミドを或る程度加水分解することによりつくられる。“ポリビニルアミン”はアミン基対ホルムアミド基のモル比が5:95から100:0までであるポリビニルアミンを本明細書中で意味する。アミン基対ホルムアミド基のモル比が5:95未満である場合、そのポリマーはポリビニルホルムアミドと定義される。このポリビニルアミン中のアミン基対ホルムアミド基のモル比は好ましくは約10:90から約100:0まで、更に好ましくは約50:50から約100:0まで、最も好ましくは約80:20から約100:0までである。
【００２８】
ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）は通常酢酸ビニル及びビニルホルムアミドを共重合し、続いて加水分解（これはビニルアルコール単位及びビニルアミン単位を有するコポリマーを生じる）することによりつくられる。また、このコポリマー中に残存ホルムアミド基があってもよく、また残存アセテート基があってもよい。前記ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）中のアミン基対ホルムアミド基のモル比は5:95から100:0までである。アミン基対ホルムアミド基の数の比が5:95未満である場合、そのポリマーはポリ（ビニルアルコール共ビニルホルムアミド）と定義される。このポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）又はポリ（ビニルアルコール共ビニルアミド）中のヒドロキシル基対アセテート基のモル比は好適には約25:75から100:0まで、好ましくは約75:25から100:0までである。
【００２９】
付加的な無機又は有機のホルムアミド脱除剤の実質的な量が一種以上の前記ポリマー(P)と組み合わせて表面に塗布されないことが好適である。
【００３０】
アルデヒドを放出する接着剤はホルムアルデヒドをベースとする樹脂、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、又はフェノール-レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂であることが好適である。アルデヒドを放出する接着剤は尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、及びメラミン-ホルムアルデヒド樹脂のグループに属することが好ましい。
【００３１】
本発明の一実施態様において、本発明による層の少なくとも一つが、それ自体でアルデヒドを放出する接着剤を含む材料、例えば、繊維板又はパーティクルボードからつくられる。
【００３２】
前記裏層はベニヤを含むことが好適である。
【００３３】
前記アルデヒドはホルムアルデヒドであることが好適である。
【００３４】
本発明の好ましい実施態様において、約７重量％から約20重量％までのポリビニルアミン含量を有するポリビニルアミン（そのポリビニルアミンは約20,000g/モルから約600,000g/モルの重量平均分子量を有する）の水溶液が、約0.5g/m2から約10g/m2までの量でベニヤ床材の裏ベニヤに塗布される。このベニヤ床材はベニヤをホルムアルデヒドをベースとする樹脂、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂をベースとする接着剤でコアーに一緒に接着することによりつくられる。
【００３５】
本発明の木材をベースとする製品は床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板であることが好適である。それは寄せ木張りの床材又はベニヤ床材であることが好ましい。
【００３６】
本発明はまた本発明の方法により得られる木材をベースとする製品に関する。この木材をベースとする製品は床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板であることが好適である。
【００３７】
本発明が下記の非限定実施例により更に説明される。部数及び％は、特にことわらない限り、夫々重量部、重量％に関する。
【実施例】
【００３８】
実施例１：異なるアミド含有ポリマー又は一級アミン含有ポリマーをホルムアルデヒド脱除剤としてのそれらの効果について試験した。UF樹脂及び硬化剤を含む接着剤を0.1mmの厚さでガラスの片に塗布した。この接着剤を乾燥させ、ポリマーを小さいブラシにより接着剤に塗布した。この試験片を密閉ビーカー中で60分間にわたって40℃で25mlの水（これは放出されたホルムアルデヒドを吸収するために使用された）の上に入れた。水中のホルムアルデヒド含量を分析することによりホルムアルデヒドの放出を測定した。ポリマーを塗布しない参考例を夫々の試験と平行に実験し、その放出値が括弧内にある。
【００３９】
【表１】
【００４０】
実施例２： 両面でUF接着剤で接着された0.6mmのオークベニヤとともにHDFボードのコアーを有するベニヤ床材をつくった。この床材の目視できることが意図される上面をUVラッカーでラッカー塗り、それにより耐磨耗層（これはまた放出のバリヤーとして作用する）を形成した。接着前に、裏面層の表面に25g/m2の12重量％のポリビニルアミンの水溶液を塗布した。アミン基対ホルムアミド基の数の比は90:10より大きかった。このポリビニルアミンの重量平均分子量は340,000g/モルであった。参考例として、未処理層状製品をつくった。この組成物の塗布量は25g/m2であった。
【００４１】
片（15x15mm）を切断し、ホルムアルデヒドの放出をJIS A 1460（2001）に従って測定した。
【００４２】
【表２】
【特許請求の範囲】
【請求項１】
一つ以上の層を含む木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減方法であって、その木材をベースとする製品がアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面に一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を塗布することを特徴とする上記方法。
【請求項２】
前記木材をベースとする製品が二つ以上の層を含む層状製品であり、外層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布する、請求項１記載の方法。
【請求項３】
前記木材をベースとする製品が前層及び裏層を含み、該裏層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布する、請求項１から２のいずれか１項記載の方法。
【請求項４】
一つ以上の層を含む木材をベースとする製品の製造方法であって、該木材をベースとする製品はアルデヒドを放出する接着剤を含み、一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を層上に塗布することを特徴とする前記方法。
【請求項５】
前記木材をベースとする製品が二つ以上の層を含む層状製品であり、その方法が好適には任意の順序で
−一種以上のポリマー(P)を層上に塗布する工程、及び
−二つ以上の層を一緒に接着する工程
を含む、請求項４記載の方法。
【請求項６】
前記一種以上のポリマー(P)を外層の外面上に塗布する、請求項５記載の方法。
【請求項７】
前記層状製品が前層及び裏層を含む、請求項４から６のいずれか１項記載の方法。
【請求項８】
前記裏層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布し、その後にそれを別の層と接着する、請求項７記載の方法。
【請求項９】
前記裏層を別の層に接着した後に、前記裏層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布する、請求項７記載の方法。
【請求項１０】
前記裏層がベニヤを含む、請求項２から３もしくは７から９のいずれか１項記載の方法、又は請求項１８記載の木材をベースとする製品。
【請求項１１】
一種以上のポリマー(P)を約4g/m2から約10g/m2までの量で塗布する、請求項１から１０のいずれか１項記載の方法。
【請求項１２】
一種以上のポリマー(P)を溶液(S)の形態で塗布する、請求項１から１１のいずれか１項記載の方法。
【請求項１３】
前記一種以上のポリマー(P)が約20,000g/モルから約600,000g/モルまでの重量平均分子量を有する、請求項１から１２のいずれか１項記載の方法。
【請求項１４】
前記溶液(S)中の一種以上のポリマー(P)の量が約５重量％から約30重量％までである、請求項１２から１３のいずれか１項記載の方法。
【請求項１５】
前記溶液(S)を約0.5g/m2から約10g/m2までの量で塗布する、請求項１２から１４のいずれか１項記載の方法。
【請求項１６】
少なくとも二つの層をアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着する、請求項１から１５のいずれか１項記載の方法。
【請求項１７】
一つ以上の層を含む木材をベースとする製品であって、該木材をベースとする製品がアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面が一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を含むことを特徴とする木材をベースとする製品。
【請求項１８】
層の表面が乾燥ポリマーとして計算して、約0.5g/m2から約10g/m2までの一種以上の塗布されたポリマー(P)を含む、請求項１７記載の木材をベースとする製品。
【請求項１９】
前層及び裏層を含む二つ以上の層を含む層状製品であり、これらの層がアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着され、塗布された一種以上のポリマー(P)を有する表面が前記裏層の外面である、請求項１７から１８のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２０】
前記裏層がベニヤを含む、請求項１９記載の木材をベースとする製品。
【請求項２１】
一つ以上の層の少なくとも一つがそれ自体でアルデヒドを放出する接着剤を含む材料から構成される、請求項１から１６のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２０のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２２】
前記木材をベースとする製品が床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板である、請求項１から１６もしくは２１のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２１のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２３】
前記一種以上のポリマー(P)がポリビニルアミン、ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）、ポリアミノアミド、ポリアリルアミン及びポリエチレンイミンのグループに属する、請求項１から１６もしくは２１から２２のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２２のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２４】
前記ポリビニルアミン中のアミノ基対ホルムアミド基のモル比が約80:20から約100:0までである、請求項２３記載の方法、又は請求項２３記載の木材をベースとする製品。
【請求項２５】
前記アルデヒドがホルムアルデヒドである、請求項１から１６もしくは２１から２４のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２４のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２６】
前記接着剤が尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、又はフェノール-レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂をベースとする、請求項１から１６もしくは２１から２５のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２５のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２７】
請求項４から１６又は２１から２６のいずれか１項記載の方法により得られる床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板。
【請求項１】
一つ以上の層を含む木材をベースとする製品からのアルデヒドの放出の低減方法であって、その木材をベースとする製品がアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面に一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を塗布することを特徴とする上記方法。
【請求項２】
前記木材をベースとする製品が二つ以上の層を含む層状製品であり、外層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布する、請求項１記載の方法。
【請求項３】
前記木材をベースとする製品が前層及び裏層を含み、該裏層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布する、請求項１から２のいずれか１項記載の方法。
【請求項４】
一つ以上の層を含む木材をベースとする製品の製造方法であって、該木材をベースとする製品はアルデヒドを放出する接着剤を含み、一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を層上に塗布することを特徴とする前記方法。
【請求項５】
前記木材をベースとする製品が二つ以上の層を含む層状製品であり、その方法が好適には任意の順序で
−一種以上のポリマー(P)を層上に塗布する工程、及び
−二つ以上の層を一緒に接着する工程
を含む、請求項４記載の方法。
【請求項６】
前記一種以上のポリマー(P)を外層の外面上に塗布する、請求項５記載の方法。
【請求項７】
前記層状製品が前層及び裏層を含む、請求項４から６のいずれか１項記載の方法。
【請求項８】
前記裏層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布し、その後にそれを別の層と接着する、請求項７記載の方法。
【請求項９】
前記裏層を別の層に接着した後に、前記裏層の外面に一種以上のポリマー(P)を塗布する、請求項７記載の方法。
【請求項１０】
前記裏層がベニヤを含む、請求項２から３もしくは７から９のいずれか１項記載の方法、又は請求項１８記載の木材をベースとする製品。
【請求項１１】
一種以上のポリマー(P)を約4g/m2から約10g/m2までの量で塗布する、請求項１から１０のいずれか１項記載の方法。
【請求項１２】
一種以上のポリマー(P)を溶液(S)の形態で塗布する、請求項１から１１のいずれか１項記載の方法。
【請求項１３】
前記一種以上のポリマー(P)が約20,000g/モルから約600,000g/モルまでの重量平均分子量を有する、請求項１から１２のいずれか１項記載の方法。
【請求項１４】
前記溶液(S)中の一種以上のポリマー(P)の量が約５重量％から約30重量％までである、請求項１２から１３のいずれか１項記載の方法。
【請求項１５】
前記溶液(S)を約0.5g/m2から約10g/m2までの量で塗布する、請求項１２から１４のいずれか１項記載の方法。
【請求項１６】
少なくとも二つの層をアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着する、請求項１から１５のいずれか１項記載の方法。
【請求項１７】
一つ以上の層を含む木材をベースとする製品であって、該木材をベースとする製品がアルデヒドを放出する接着剤を含み、層の少なくとも一つの表面が一級アミン基を含む一種以上のポリマー(P)を含むことを特徴とする木材をベースとする製品。
【請求項１８】
層の表面が乾燥ポリマーとして計算して、約0.5g/m2から約10g/m2までの一種以上の塗布されたポリマー(P)を含む、請求項１７記載の木材をベースとする製品。
【請求項１９】
前層及び裏層を含む二つ以上の層を含む層状製品であり、これらの層がアルデヒドを放出する接着剤で一緒に接着され、塗布された一種以上のポリマー(P)を有する表面が前記裏層の外面である、請求項１７から１８のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２０】
前記裏層がベニヤを含む、請求項１９記載の木材をベースとする製品。
【請求項２１】
一つ以上の層の少なくとも一つがそれ自体でアルデヒドを放出する接着剤を含む材料から構成される、請求項１から１６のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２０のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２２】
前記木材をベースとする製品が床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板である、請求項１から１６もしくは２１のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２１のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２３】
前記一種以上のポリマー(P)がポリビニルアミン、ポリ（ビニルアルコール共ビニルアミン）、ポリアミノアミド、ポリアリルアミン及びポリエチレンイミンのグループに属する、請求項１から１６もしくは２１から２２のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２２のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２４】
前記ポリビニルアミン中のアミノ基対ホルムアミド基のモル比が約80:20から約100:0までである、請求項２３記載の方法、又は請求項２３記載の木材をベースとする製品。
【請求項２５】
前記アルデヒドがホルムアルデヒドである、請求項１から１６もしくは２１から２４のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２４のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２６】
前記接着剤が尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、又はフェノール-レゾルシノール-ホルムアルデヒド樹脂をベースとする、請求項１から１６もしくは２１から２５のいずれか１項記載の方法、又は請求項１７から２５のいずれか１項記載の木材をベースとする製品。
【請求項２７】
請求項４から１６又は２１から２６のいずれか１項記載の方法により得られる床材、家具材料、合板、壁パネル又は屋根板。
【公表番号】特表２００８−５３４３２５（Ｐ２００８−５３４３２５Ａ）
【公表日】平成２０年８月２８日（２００８．８．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５０３９９４（Ｐ２００８−５０３９９４）
【出願日】平成１８年３月２２日（２００６．３．２２）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＳＥ２００６／０５００３８
【国際公開番号】ＷＯ２００６／１０４４５５
【国際公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【出願人】（５０４２９９６７８）アクゾ ノーベル コーティングス インテルナショナール ベー．ファオ． (8)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２０年８月２８日（２００８．８．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月２２日（２００６．３．２２）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＳＥ２００６／０５００３８
【国際公開番号】ＷＯ２００６／１０４４５５
【国際公開日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【出願人】（５０４２９９６７８）アクゾ ノーベル コーティングス インテルナショナール ベー．ファオ． (8)
【Ｆターム（参考）】
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