説明

木目模様を有する印刷物の製造方法及び木目模様を有する印刷物

【課題】光の反射角度の違いによって光反射性が変化する木目模様を備えた印刷物を有利に製造する方法と、それによって得られる印刷物を提供する。
【解決手段】互いに異なる濃度域の木目模様を有する複数の模様形成用分版と、同系色で且つ色調が互いに異なる複数種類のカラーインキとを用いて、透明な被印刷シート12の裏面に、互いに色調の異なる複数の木目模様14,16,18を、スクリーン印刷により、色調の濃いものから順に積層形成する一方、一つの模様形成用分版と同一の濃度域の木目模様を有する光反射層形成用分版と光反射性インキとを用いたスクリーン印刷を、該一つの模様形成分版を用いたスクリーン印刷を行う直前に行って、光反射層20を形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木目模様を有する印刷物の製造方法及び木目模様を有する印刷物に係り、特に、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品等の表面材等として好適に利用され得る木目模様を有する印刷物の有利な製造方法と、それによって得られる木目模様を有する印刷物とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、木目模様(木目模様層)が印刷された印刷物からなる化粧シートや化粧板等が、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品等の様々な製品や物品の表面材として、多く利用されている。このような木目模様を有する印刷物を用いることで、木材の風合いや高級感が、手軽に且つ低コストに得られるからである。
【0003】
一方、上記製品のうち、例えば高級家具や高級自動車の内装部品等には、実際に高級木材を用いて製作されると共に、表面が透明な樹脂層にて被覆されてなる木工製品等が、使用されている。このような木工製品からなる家具や自動車内装部品では、光の反射角度の違いで、光輝性が僅かに現れたり、消えたりするように、光反射性により木目の模様が動き、影が変化して、立体感が発現するといった特徴が発揮され、それによって、更に際立った高級感が得られるようになるのである。
【0004】
ところで、木目模様を有する印刷物は、一般に、透明な樹脂シートや樹脂板からなる被印刷体の表面や裏面に、木目模様をグラビア印刷手法により印刷することで、製造されている。そして、かかる印刷物において、木目模様を、よりリアルに立体感をもって表現するための技術が、従来から、種々提案されてきている(例えば、下記特許文献1及び2参照)。
【0005】
しかしながら、従来の木目模様を有する印刷物では、光の反射角度の違いにより光反射性が変化するような特徴を出させることが出来ず、それ故に、高級家具や高級自動車の内装部品等に適用し得る程の高級感のある木目模様を表現することが、出来なかったのである。
【0006】
なお、木目模様を有する印刷物において光反射性を発揮させるには、金属粉体やパール粉体(パール顔料)等の光反射材(光輝材)が混入された不透明なカラーインキを用いて、木目模様を印刷形成したり、或いは透明インキに光反射材が含有された光反射性インキ(光輝性インキ)を用いて、光反射層を、不透明なカラーインキを用いたインキ層からなる木目模様に積層形成したりすることが、容易に考えられる。ところが、本発明者等が、実際に、光反射材が混入された不透明なカラーインキを用いて、木目模様が印刷形成された印刷物や、光反射層と木目模様とを積層形成してなる印刷物を、グラビア印刷手法により製造したところ、何れのものにあっても、光の反射角度とは関係なく、常に光反射性が発揮されるようになってしまい、光の反射角度の違いにより光反射性が変化するような木目模様を表現することは到底不可能であることが、判明したのである。これは、グラビア印刷により印刷形成されるインキ層が極めて薄いものであるため、光反射材が、木目模様を形成するインキ層内や光反射層内において、被印刷体の表面に沿って平行に寝かされた如き状態で存在せしめられるためと考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開平5−64952号公報
【特許文献2】特開平9−123584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、光の反射角度の違いによって光反射性が変化するといった特徴を備えた木目模様を有する印刷物を有利に製造可能な方法と、そのような木目模様を有する印刷物とを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、本発明にあっては、上記せる木目模様を有する印刷物の製造方法に係る課題の解決のために、(a)木目模様を有する原画像データから、該木目模様の色調の濃淡を基準にして、複数の分版データを作成する工程と、(b)該複数の分版データのそれぞれに基づいて、互いに異なる濃度域の木目模様を有する複数の模様形成用分版を作成する工程と、(c)前記複数の分版データのうちから任意に選択された一つの分版データに基づいて、該分版データを基に作成された前記模様形成用分版の一つと同一の濃度域の木目模様を有する光反射層形成用分版を作成する工程と、(d)前記複数の模様形成用分版を、木目模様の濃度域の高いものから順に用いて、シート状乃至は板状の透明な被印刷体の裏面に対して、同系色ではあるものの、色調が互いに異なる複数種類のカラーインキを、スクリーン印刷手法により、色調が濃いものから順に印刷して、互いに色調の異なるインキ層からなる複数種類の木目模様を、該被印刷体の裏面に、色調の濃いものから順に積層形成する工程と、(e)前記光反射層形成用分版と同一濃度域の木目模様を有する前記模様形成用分版を用いたスクリーン印刷を行う直前に、該光反射層形成用分版と、30μm以上の平均粒径を有する光反射材を含み且つその含有量が4重量%以下の範囲内とされた光反射性インキとを用いたスクリーン印刷を行って、光反射層を、該模様形成用分版を用いたスクリーン印刷により形成される木目模様の前記被印刷体側の面に積層されるように形成する工程とを含むことを特徴とする木目模様を有する印刷物の製造方法を、その要旨とするものである。
【0010】
なお、この本発明に従う木目模様を有する印刷物の製造方法の好ましい態様の一つによれば、不透明で且つ前記複数種類のカラーインキの何れよりも色調の薄い不透明インキを用い、前記被印刷体の裏面に積層形成された前記複数種類の木目模様の上に、該被印刷体の裏面の全面にわたって、該不透明インキをスクリーン印刷手法によりべた塗りして、ベース層を形成する工程が、更に含まれることとなる。
【0011】
そして、本発明にあっては、前記せる木目模様を有する印刷物に係る課題の解決のために、上記せる如き木目模様を有する印刷物の製造方法に従って製造されていることを特徴とする木目模様を有する印刷物をも、その要旨とするものである。
【発明の効果】
【0012】
すなわち、本発明に従う木目模様を有する印刷物の製造方法にあっては、シート状乃至は板状の透明な被印刷体の裏面に対して、色調が互いに異なる複数種類の木目模様を、色調の濃いものから順に積層形成することによって、より深みや立体感のある木目模様を得ることが出来る。
【0013】
また、本発明手法では、複数種類の木目模様のうちから選択された一つの木目模様と同一の濃度域の木目模様を有する光反射層形成用分版と、光反射材の含有量が所定の値以下に制限された光反射性インキとを用いて、光反射層を、選択された一つの木目模様における被印刷体側の面に積層されるように印刷形成しているところから、光反射層に含まれる光反射材の量を適度に抑えて、光反射層全体での光の反射量を制限することが可能となり、それによって、複数種類の木目模様のうちの一つだけに、光反射が僅かに惹起されるリアルな光反射性を有利に具備させることが出来る。
【0014】
しかも、本発手法においては、特定の大きさ以上の平均粒径を有する光反射材を含む光反射性インキを用いたスクリーン印刷によって、光反射層を印刷形成しているため、一般的な印刷手法にはない複雑な操作を何等加えることもなく、光反射層の肉厚を、例えば、グラビア印刷により印刷形成された光反射層よりも有利に厚肉化することが出来る。そして、そのような厚肉の光反射層内において、光反射材の全てが、被印刷体の表面に沿って寝かされることなく、適度に起立した状態で存在せしめることが可能となり、その結果として、光の反射角度の違いにより光反射性が変化するように為すことが出来る。
【0015】
従って、かくの如き本発明に従う木目模様を有する印刷物の製造方法によれば、より深みのある立体感を有し、しかも、光の反射角度の違いで、光輝性が僅かに現れたり、消えたりするように、光反射性がリアルに変化する特徴を備え、以て、従来の木目模様を有する印刷物では到底得られない、より際立った高級感を表現可能な木目模様を有する印刷物が、極めて簡便に且つ工業的に有利に製造され得ることとなるのである。
【0016】
また、このような本発明に従う木目模様を有する印刷物の製造方法の好ましい態様の一つによれば、ベース層を、光の透過を可及的に阻止する裏打ち層として有利に機能させることが出来、それによって、木目模様の質感を、より効果的に高めることが可能となる。
【0017】
そして、本発明に従う木目模様を有する印刷物にあっても、上記せる如き特徴的な製造方法に従って製造されているところから、かかる木目模様を有する印刷物の製造方法によって奏される作用・効果と実質的に同一の作用・効果が、有効に享受され得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0019】
先ず、図1には、本発明に従う木目模様を有する印刷物の製造方法に従って製造されたスクリーン印刷物が、その断面形態において概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、スクリーン印刷物10は、被印刷体としての透明な被印刷シート12を有して、構成されている。そして、そのような被印刷シート12の裏面(図1では、被印刷シート12の下面)上には、インキ層からなる第一乃至第三の木目模様層14,16,18が、スクリーン印刷により、積層形成されている。これら第一乃至第三の木目模様層14,16,18は、茶系の同系色で、被印刷シート12に近位のもの程、色調が濃い色を呈している。
【0020】
また、かかるスクリーン印刷物10においては、光反射層20が、第一の木目模様層14と第二の木目模様層16との間に挟まれるようにして、スクリーン印刷により印刷形成されている。そして、この光反射層20の内部には、例えば、真鍮やアルミニウム等の金属粉体や、パール粉体(パール顔料)等の光反射材22(光輝材)が、多数含有せしめられている。つまり、光反射層20は、光反射性インキ(光輝性インキ)を用いて形成されたインキ層にて、構成されている。また、図には明示されてはいないものの、かかる光反射層20は、それの被印刷シート12側とは反対側に積層される第二の木目模様層16と同じ木目模様の柄を有している。
【0021】
さらに、かかるスクリーン印刷物10の裏面には、ベース層24が、第一乃至第三の木目模様層14〜18と光反射層20の全体を覆いつつ、被印刷シート12の裏面全体を被覆するように、スクリーン印刷により、印刷形成されている。このベース層24は、第一乃至第三の木目模様層14〜18のうち、最も色調の薄い薄茶色を呈する第三の木目模様層18よりも更に色調の薄い色、例えばベージュ色を呈している。
【0022】
ところで、上述の如き構造とされたスクリーン印刷物10は、例えば、以下の手順に従って製造されることとなる。
【0023】
すなわち、先ず、被印刷シート12として、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の樹脂材料やガラス材料等からなる透明な薄肉平板が準備される。なお、この被印刷シート12は、後述するスクリーン印刷作業が何等支障なく円滑に行われ得るように、少なくとも裏面が平滑面とされていることが、望ましい。
【0024】
次いで、被印刷シート12の裏面上にベース層24をスクリーン印刷により形成するのに使用されるベース層形成用刷版が、準備される。また、それとは別に、第一乃至第三の木目模様層14〜16と光反射層20とをそれぞれスクリーン印刷により形成するのに使用される模様形成用分版と光反射層形成用分版とが、例えば、図2に示される如き製版システムを用いてそれぞれ作成されて、準備される。
【0025】
ここで使用される製版システムは、図2から明らかなように、画像データ作成装置26と製版装置28とを備えた公知の構造を有して、構成されている。即ち、それらの装置のうち、画像データ装置26は、画像データに対する所定のデータ処理を行って、後述する模様形成用分版データや光反射層形成用分版データを作成するCPU等からなるデータ処理装置30を主体とするコンピュータにて構成され、かかるデータ処理装置30の他に、画像データを入力するためのスキャナ等からなる入力装置32と、かかる入力装置32から入力された画像データや、データ処理装置30により作成された分版データを出力するディスプレイやプリンタ等からなる出力装置34と、それらの画像データや分版データ、更にはデータ処理装置30にて実行されるデータ処理プログラム等を記憶するメモリやハードディスク等からなる記憶装置36とを有して、構成されている。
【0026】
一方、製版装置28は、画像データ作成装置26のデータ処理装置30により作成された分版データに基づいて、分版フィルムを作成する分版フィルム作成装置38と、この分版フィルム作成装置38にて作成された分版フィルムから、図示しないスクリーン印刷機で使用される分版を作成する分版作成装置40とを有して、構成されている。
【0027】
そして、このような製版システムを用いて、模様形成用分版と光反射層形成用分版とを作成するには、先ず、最終的に得られるスクリーン印刷物10にて表現乃至は再現されるべき木目模様を有する原画像データが、入力装置32により入力される。
【0028】
このとき、原画像データには、例えば、フィルムカメラやデジタルカメラで撮影されて、プリントされた写真や、デジタルカメラ内やCD−ROM等の記録媒体に収められたデジタル画像データ等が、利用される。そして、原画像データが写真である場合には、スキャナ等が、入力装置32として利用される一方、原画像データがデジタル画像データである場合には、デジタルカメラ自体や、データ処理装置30に内蔵のデータ読取り装置等が、入力装置32として利用される。
【0029】
なお、この原画像データの入力時の解像度は、特に限定されるものではないものの、最終的に得られるスクリーン印刷物10において、原画像を、より忠実に再現する上で、かかる入力解像度が200dpi 以上とされていることが、望ましい。また、かくして入力された原画像データは、記憶装置36に記憶される。
【0030】
そして、原画像データが入力されたら、データ処理装置30により、原画像データから、それが有する木目模様の色調の濃淡を基準にして、複数(ここでは、3種類)の分版データが作成される。このような複数の分版データの作成工程は、特開2000−118120号公報に記載される如き手法を始めとした公知の手法に従って、実施される。
【0031】
すなわち、概略的に説明すると、例えば、原画像データの全体が、先ず、任意の階調で、グレースケールに変換される。そして、このグレースケールに変換された画像データが、図3に示される如き、0〜100%の濃度域の木目模様、つまり原画像の木目模様全部の柄を有する全濃度分配データ42として、作成される。次いで、この全濃度分版データ42から、例えば50〜100%の中・高濃度域の木目模様部分の画像データが抽出され、この抽出データにより、図4に示される如く、原画像の木目模様のうちで、色調の濃い(80%以上の高濃度域)木目模様部分と、中間の色調(50〜80%の濃度域)の木目模様部分との両方の柄を有する中・高濃度分版データ44が、作成される。その後、かかる中・高濃度分版データ44から、更に、例えば80〜100%の高濃度域の木目模様部分の画像データが抽出され、この抽出データにより、図5に示される如く、原画像の木目模様のうちで、色調の濃い(80%以上の高濃度域)木目模様部分の柄を有する高濃度分版データ46が、作成される。なお、かくして作成された第一乃至第三の分版データ44〜48は、記憶装置36に記憶される。
【0032】
次に、上記のようにして作成された3種類の分版データ42〜46が、画像データ作成装置26から製版装置28にそれぞれ伝送される。そして、製版装置28の分版フィルム作成装置38により、高濃度分版データ46と全濃度分版データ42とに基づいて、高濃度分版フィルムと全濃度分版フィルムとが、それぞれ1枚ずつ作成されると共に、中・高濃度分版データ46に基づいて、中・高濃度分版フィルムが、2枚作成される。
【0033】
なお、これらの分版フィルム作成時に採用されるスクリーニング方式は、何等限定されるものではなく、例えば、FMスクリーニング方式やAMスクリーニング方式が、何れも採用され得る。また、分版フィルム作成時の出力解像度も、特別な値が設定されないものの、原画像データの入力時と同様に、最終的に得られるスクリーン印刷物10において、原画像を、よりリアルに再現するために、かかる出力解像度が2000dpi 以上とされていることが望ましい。
【0034】
その後、製版装置28の分版作成装置40により、高濃度分版データ46に基づいて作成された高濃度分版フィルムが用いられて、例えば80%以上の高濃度域の木目模様を有する、スクリーン印刷に使用される第一の模様形成用分版が作成される一方、中・高濃度分版データ44に基づいて作成された中・高濃度分版フィルムが用いられて、例えば50%以上の中・高濃度域の木目模様を有する、スクリーン印刷に使用される第二の模様形成用分版が作成され、更に、全濃度分版データ42に基づいて作成された全濃度分版フィルムが用いられて、0〜100%の全ての濃度域の木目模様を有する、スクリーン印刷に使用される第三の模様形成用分版が作成される。
【0035】
また、そのような第一乃至第三の模様形成用分版の作成と同時に、或いはその前後において、製版装置28の分版作成装置40により、中・高濃度分版データ44に基づいて作成された中・高濃度分版フィルムの残りの1枚が用いられて、第二の模様形成用分版と同一の濃度域(50〜100%)の木目模様を有する、スクリーン印刷に使用される光反射層形成用分版が、作成される。
【0036】
そして、かくして第一乃至第三の模様形成用分版と光反射層用分版とが作成されたら、第一の模様形成用分版が用いられて、図6(a)に示されるように、「焦げ茶」色のスクリーンインキが、被印刷シート12の裏面に対して、公知の手法によりスクリーン印刷される。これによって、被印刷シート12の裏面上に、原画像の木目模様全体のうちで色調の濃い(80%以上の高濃度域)木目模様部分の柄を有する第一の木目模様層14が、「焦げ茶」色を呈するように形成される。
【0037】
その後、光反射層用分版が用いられて、図6(b)に示されるように、光反射性インキが、被印刷シート12の裏面上において、第一の木目模様層14の被印刷シート12側とは反対側に、公知の手法によりスクリーン印刷される。これにより、第一の木目模様層14の上に、原画像の木目模様全体のうちで、色調の濃い(80%以上の高濃度域)木目模様部分と、中間の色調(50〜80%の中濃度域)を有する木目模様部分の両方の柄を備えた光反射層20が、積層形成される。そうして、そのような柄の光反射層20において、光反射性が発揮されるようになるものの、かかる光反射層20のうち、高濃度域の木目模様部分の柄を有する部分が、第一の木目模様層14における被印刷シート12側とは反対側に積層されるため、実質的には、光反射層20のうちで、中濃度域の木目模様部分の柄を有する部分のみにおいて、光輝性が発揮されるようになる。
【0038】
そして、ここでは、特に、かかる光反射層20を印刷形成するのに使用される光反射性インキとして、透明なスクリーンインキ中に、前記せる光反射材22が、30μm以上の平均粒径を有して、4重量%以下の割合で含有せしめられてなるものが、用いられる。つまり、光反射層20内に、30μm以上の平均粒径を有する光反射材22が、4重量%以下の少ない割合で、含まれるようにされる。
【0039】
何故なら、光反射層20は、スクリーン印刷手法により印刷形成されていることで、例えばグラビア印刷手法により印刷形成される場合に比して、十分に厚くされている。そして、その上で、かかる厚肉の光反射層20内に含まれる光反射材22の平均粒径が30μm以上とされていると、そのような比較的に大きな光反射材22が、光反射層20の内部において適度に起立した状態で存在せしめられ、それにより、光の反射角度の違いによって、光輝性が現れたり、消えたりするように変化する光反射性が、光反射層20において効果的に発揮され得るようになるからである。換言すれば、光反射層20内に含まれる光反射材22の平均粒径が30μm未満であると、光の反射角度によって、光反射層20の光反射性が変化するといった特徴が、得られなくなってしまうのである。
【0040】
なお、この光反射性インキ乃至は光反射層20に含まれる光反射材22の平均粒径の上限値は、特に限定されるものではないものの、例えば、光反射性インキのスクリーン印刷時に使用されるスクリーンのメッシュの大きさよりも小さな範囲内において、光反射層22の厚さ等に応じて、適宜に決定されることとなる。
【0041】
また、光反射性インキ中に含まれる光反射材22の量が4重量%を越えるようになると、反射層20内の光反射材22の含有量が過剰に多くなって、光反射層20の光反射性が、より際立つようになってしまう。そして、そうなった場合には、光の反射角度や照射される光の量によって、光反射性が僅かに発揮される、透明な樹脂層にて表面が被覆された、実際の木目模様を、リアルに表現することが困難となってしまう。つまり、ここでは、透明な樹脂板にて表面が被覆された、実際の木目模様を、よりリアルに表現する上において、光反射性インキ中の光反射材22の含有量が、4重量%以下の範囲内の値とされている必要があるのである。なお、この光反射材22は、光反射性インキ中に含まれておれば、その含有量の下限値が、何等限定されるものではないものの、光反射に関する視認性を考慮すると、例えば1重量%以上とされていることが、望ましい。
【0042】
なお、光反射性インキにおいて、光反射材のマトリックスとなる透明インキの種類は、何等限定されるものではない。
【0043】
そして、光反射層20が形成されたら、第二の模様形成用分版が用いられて、図6(c)に示されるように、第一の木目模様層14の形成に使用されるスクリーンインキと同系色ではあるものの、色調の薄い「茶」色のスクリーンインキが、被印刷シート12の裏面上において、光反射層20における第一の木目模様層14との積層側(被印刷シート12側)とは反対側に、公知の手法によりスクリーン印刷される。
【0044】
これによって、光反射層20の上に、原画像の木目模様全体のうちで、色調の濃い(80%以上の高濃度域)木目模様部分と、中間の色調(50〜80%の中濃度域)を有する木目模様部分の両方の柄を備えた第二の木目模様層16が、「茶」色に着色された状態で積層形成されるが、高濃度域の木目模様部分の柄を有する部分は、光反射層20の一部を介して、第一の木目模様層14上に積層される。そのため、第二の木目模様層16は、被印刷シート12の表面側から、中濃度域の木目模様部分の柄を有する部分のみが視認され得るようになる。そうして、本工程では、第二の木目模様層16が、見かけ上において、光反射層20の上に、「茶」色を呈する中濃度域の木目模様部分の柄を有して、積層形成されることとなる。そして、光反射層20により、かかる第二の木目模様層16における中濃度域の木目模様部分に対して、上述の如き特徴的な光反射性が、実質的に付与されるようになっている。
【0045】
次に、第三の模様形成用分版が用いられて、図6(d)に示されるように、第一及び第二の木目模様層14,16の形成に使用されるスクリーンインキと同系色ではあるものの、第二の木目模様層16よりも更に色調の薄い「薄茶」色のスクリーンインキが、第二の木目模様層16の光反射層20との積層側(被印刷シート12側)とは反対側に、公知の手法によりスクリーン印刷される。
【0046】
これにより、第二の木目模様層16の上に、原画像の木目模様全体が、「薄茶」色に着色された状態で積層形成されるが、高濃度域の木目模様部分と中濃度域の木目模様部分は、第一の木目模様層14と第二の木目模様層16の上に積層される。そのため、第三の木目模様層16は、被印刷シート12の表面側から、50%以下の低濃度域の木目模様部分の柄を有する部分のみが視認され得るようになる。そうして、本工程では、第三の木目模様層18が、見かけ上において、第二の木目模様層16の上に、「薄茶」色を呈する低濃度域の木目模様部分の柄を有して、積層形成されることとなる。
【0047】
更に、それに引き続いて、ベース層形成用刷版が用いられて、第一乃至第三の木目模様層14〜18の形成に使用されるスクリーンインキの何れよりも更に色調の薄い不透明色、例えばベージュ色のスクリーンインキが、第三の木目模様層18における第二の木目模様層16との積層側(被印刷シート12側)とは反対側に、公知のスクリーン印刷手法によりべた塗りされる。これにより、第三の木目模様層18の上に、被印刷シート12の裏面の全面にわたって、ベージュ色のベース層24が、積層形成される。かくして、被印刷シート12の表面から視認される第一乃至第三の木目模様層14〜18の色調の違いを阻害することなく、それら第一乃至第三の木目模様層14〜18を光が透過するようなことが可及的に阻止されるようになっている。なお、かかるベース層24を、必要に応じて、複数層形成しても良いが、その場合には、被印刷シート12の裏面に対して遠位のもの程、色調が薄くされる。
【0048】
かくして、被印刷シート12の裏面に、第一乃至第三の木目模様層14〜18と光反射層20とベース層24とが、公知のスクリーン印刷手法により積層形成されて、図1に示される如き構造を有する、目的とするスクリーン印刷物10が、得られることとなる。そして、このようなスクリーン印刷物10が、例えば、自動車内装部品や家具、建築材、家電製品等の様々な製品や物品の表面材として、利用されるようになる。その際には、ベース層24の被印刷シート10側とは反対側の面において、各種の物品や製品の表面に、接着材等用いて接着される等して取り付けられて、被印刷シート10の表面(各インキ層が形成される裏面とは反対側の面)が外部に露呈せしめられた状態で、使用されることとなるのである。
【0049】
なお、上述の如くして得られるスクリーン印刷物10における第一乃至第三の木目模様層14〜18と光反射層20とベース層24のそれぞれの厚さは、特に限定されるものではなく、スクリーン印刷手法によって形成される一般的なインキ層と同程度の厚さとされるところではあるが、光反射層20は、その内部に、30μm以上の平均粒径を有する光反射材22が適度に起立した状態で存在せしめられるように為す上で、15μm以上の厚さとされていることが、望ましい。
【0050】
また、スクリーン印刷時に使用するスキージの硬度は、JIS−K−6253−1997に規定される「デュロメータ硬さ試験」に準じて、タイプAデュロメータにより測定した硬さが70〜80度程度であることが好ましい。何故なら、使用されるスキージの硬さが、70度を下回る場合には、各印刷層の厚みが厚くなり過ぎるといった不具合があるからであり、また、使用されるスキージの硬さが80度を超える場合には、各印刷層の厚みが、逆に過度に薄くなってしまうといった問題が生ずるからである。
【0051】
このように、本実施形態においては、被印刷シート12の裏面上に、「焦げ茶」、「茶」、「薄茶」と色調が互いに異なる色を有する第一乃至第三の木目模様層14〜16が、色調の濃いものから順に積層形成されていることで、より深みや立体感のある木目模様が、有利に表現され得る。
【0052】
そして、本実施形態では、特に、第一の木目模様層14と第二の木目模様層16との間に、第二の木目模様層16と同じ木目模様の柄を有する光反射層20がスクリーン印刷されることで、光の反射角度の違いによって、光輝性が僅かに現れたり、消えたりするように変化する光反射性、つまり、透明な樹脂板にて表面が被覆された、実際の木目模様において発揮されるが光反射性が、中間の色調を有する木目模様において効果的に発揮され得るようになっているところから、従来の木目模様を有する印刷物では到底得られない、より際立った高級感を表現可能な木目模様が、極めて簡便に且つ工業的に有利に得られることとなるのである。
【0053】
また、本実施形態においては、被印刷シート12の裏面の全面に、第一乃至第三の木目模様層14〜16の光の透過を可及的に阻止するベース層24が、スクリーン印刷により印刷形成されていることで、上記の如き優れた特徴を発揮する木目模様の全体が、より高い質感をもって表現され得るのである。
【0054】
なお、本実施形態では、被印刷シート12の裏面上に、スクリーン印刷される第一乃至第三の木目模様層14〜18のうち、第二の木目模様層16を印刷する直前、つまり、第一の木目模様層14の印刷後で且つ第二の木目模様層16の印刷前に、光反射層20がスクリーン印刷されるようになっていたが、光反射層20は、光反射性を付与すべき木目模様層の印刷直前に、その木目模様層と同一の濃度域の木目模様層の柄を有する光反射層形成用分版と光反射性インキとを用いたスクリーン印刷が行われることで形成されるものである。それ故、例えば、第一の木目模様層14に対して光反射性を付与する場合には、第一の木目模様層14を印刷する直前に、光反射層20が印刷形成され、また、第三の木目模様層18に対して光反射性を付与する場合には、第三の木目模様層18を印刷する直前に、光反射層20が印刷形成されることとなる。
【0055】
また、木目模様層の数や色、或いはベース層の数や色も、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものではない。
【0056】
さらに、原画像データから必要とされるだけの種類の分版データを作成する手法や、それらの分版データに基づいて、模様形成用分版や光反射層形成用分版を作成する手法も、例示のものに、何等限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
【0057】
その他、本発明は、各種の形態において実施され得るものであって、当業者の知識に基づいて採用される本発明についての種々なる変更、修正、改良に係る各種の実施の形態が、何れも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の範疇に属するものであることが、理解されるべきである。
【実施例】
【0058】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明の特徴を更に明確にすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
【0059】
<実施例1>
先ず、デジタルカメラで撮影された木目模様の写真と、図2に示される如き構造を有する製版システムとを用い、かかる写真を、製版システムに設けられるスキャナにより、200〜300dpi の入力解像度で読み取って、木目模様を有する原画像データを作成した後、この原画像データから、0〜100%の濃度域の木目模様を有する全濃度分配データと、50〜80%の濃度域の木目模様を有する中・高濃度分版データと、80〜100%の濃度域の木目模様を有する高濃度分版データとを、公知の手法により作成した。
【0060】
次いで、それら3種類の分版データに基づいて、製版システムの製版装置により、互いに色調が異なる第一、第二、及び第三の3種類の模様形成用分版を、公知の手法により作成すると共に、第二の模様形成用分版の作成に使用された中・高濃度分版データに基づいて、製版システムの製版装置により、光反射層形成用分版を、公知の手法により作成した。なお、これら各分版の作成は、2438dpi の出力解像度で実施した。また、各模様形成用分版には、300〜355メッシュのスクリーンを使用し、光反射層形成用分版には、270〜300メッシュのスクリーンを用いた。
【0061】
また、それら各分版とは別に、250〜270メッシュのスクリーンを用いて、ベース層形成用刷版を準備し、更に、被印刷シートとして、ポリカーボネート製で、表面と裏面とが平滑面とされた0.5mmの厚さの透明な平板を準備した。
【0062】
そして、第一の模様形成用分版を用いて、被印刷シートの裏面に、焦げ茶色のスクリーンインキ[商品名:ノリファンHTR(株式会社ミノグループ製)]を、公知のスクリーン印刷手法により印刷して、原画像の木目模様全体のうちで色調の濃い(80%以上の高濃度域)木目模様部分の柄を有する第一の木目模様層を、10〜15μmの厚さで、焦げ茶色を呈するように形成した。
【0063】
次いで、光反射層形成用分版を用いて、被印刷シートの裏面における第一の木目模様層の被印刷シート12側とは反対側に、光反射性インキ[商品名:ノリファンMCFシリーズ Hタイプ(株式会社ミノグループ製)]を、公知のスクリーン印刷手法により印刷して、光反射層を15μm以上の厚さで形成した。なお、ここでは、光反射性インキとして、30μmの平均粒径を有する光反射材(Hタイプ)が、3重量%の割合で含有されてなるものを用いた。
【0064】
その後、第二の模様形成用分版を用いて、被印刷シートの裏面における光反射層の第一の木目模様層側とは反対側に、茶色のスクリーンインキ[商品名:ノリファンHTR(株式会社ミノグループ製)]を、公知のスクリーン印刷手法により印刷して、原画像の木目模様全体のうちで中間の色調(50〜80%の中・高濃度域)を有する木目模様部分の柄を備えた第二の木目模様層を、10〜15μmの厚さで、茶色を呈するように形成した。
【0065】
引き続き、第三の模様形成用分版を用いて、被印刷シートの裏面における第二の木目模様層の光反射層側とは反対側に、薄茶色のスクリーンインキ[商品名:ノリファンHTR(株式会社ミノグループ製)]を、公知のスクリーン印刷手法により印刷して、原画像の木目模様全体のうちで色調の薄い(0〜50%の中・高濃度域)を有する木目模様部分の柄を備えた第三の木目模様層を、10〜15μmの厚さで、薄茶色を呈するように形成した。
【0066】
その後、ベース層形成用分版を用いて、被印刷シートの裏面の全面に対して、ベージュ色のスクリーンインキ[商品名:ノリファンHTR(株式会社ミノグループ製)]を、公知のスクリーン印刷手法により印刷して、ベージュ色のベース層を、第一乃至第三の木目模様層と光反射層の全てを覆うように10〜15μmの厚さで形成した。
【0067】
かくして、被印刷シートの裏面に、第一乃至第三の木目模様層と光反射層とベース層とが積層形成されてなる、図1に示される如き構造を備えた、目的とするスクリーン印刷物を得た。なお、第一乃至第三の木目模様層と光反射層とベース層をスクリーン印刷により形成する際には、タイプAデュロメータにより測定した硬さが70度であるスキージを使用した。
【0068】
そして、この得られたスクリーン印刷物を表面から視認により観察したところ、深みのある立体的な木目模様が認められた。また、かかるスクリーン印刷物を表面から視認する角度を種々変えながら観察したところ、光輝性が僅かに現れたり、消えたりするように、光反射性が変化することが、認められた。
【0069】
<比較例1>
また、比較のために、本発明において特定される範囲よりも小さな値である10μmとされた光反射材が、本発明において特定される範囲よりも大きな値である10重量%の割合で含有されてなる光反射性インキを用いる以外、実施例1と全く同一の条件と手法により、被印刷シートの裏面に、第一乃至第三の木目模様層と光反射層とベース層とが積層形成されてなる、図1に示される如き構造を備えた、目的とするスクリーン印刷物を得た。
【0070】
そして、この得られたスクリーン印刷物を表面から視認により観察したところ、深みのある立体的な木目模様が認められたものの、スクリーン印刷物を表面をどのような角度から見ても光輝性が生じており、そのため、光の反射角度の違いによって光反射性が変化するといった特徴は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明手法に従って製造されたスクリーン印刷物の一例を示す部分断面拡大説明図である。
【図2】図1に示されたスクリーン印刷物の製造に用いられる製版システムの構成を概略的に示すブロック説明図である。
【図3】図1に示されたスクリーン印刷物の製造に用いられる全濃度分配データを示す説明図である。
【図4】図1に示されたスクリーン印刷物の製造に用いられる中、高濃度分配データを示す説明図である。
【図5】図1に示されたスクリーン印刷物の製造に用いられる高濃度分配データを示す説明図である。
【図6】図1に示されたスクリーン印刷物の製造工程の一例を示す説明図であって、(a)は、被印刷シート12の裏面上に、第一の木目模様層を印刷形成した状態を示し、(b)は、第一の木目模様層の上に、光反射層を印刷形成した状態を示し、(c)は、光反射層の上に、第二の木目模様層を印刷形成した状態を示し、(d)は、第二の木目模様層の上に、第三の木目模様層を印刷形成した状態を示している。
【符号の説明】
【0072】
10 スクリーン印刷物 12 被印刷シート
14 第一の木目模様層 16 第二の木目模様層
18 第三の木目模様層 20 光反射層
22 光反射材 24 ベース層
26 画像データ作成装置 28 製版装置
42 全濃度分版データ 44 中・高濃度分版データ
46 高濃度分版データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
木目模様を有する原画像データから、該木目模様の色調の濃淡を基準にして、複数の分版データを作成する工程と、
該複数の分版データのそれぞれに基づいて、互いに異なる濃度域の木目模様を有する複数の模様形成用分版を作成する工程と、
前記複数の分版データのうちから任意に選択された一つの分版データに基づいて、該分版データを基に作成された前記模様形成用分版の一つと同一の濃度域の木目模様を有する光反射層形成用分版を作成する工程と、
前記複数の模様形成用分版を、木目模様の濃度域の高いものから順に用いて、シート状乃至は板状の透明な被印刷体の裏面に対して、同系色ではあるものの、色調が互いに異なる複数種類のカラーインキを、スクリーン印刷手法により、色調が濃いものから順に印刷して、互いに色調の異なるインキ層からなる複数種類の木目模様を、該被印刷体の裏面に、色調の濃いものから順に積層形成する工程と、
前記光反射層形成用分版と同一濃度域の木目模様を有する前記模様形成用分版を用いたスクリーン印刷を行う直前に、該光反射層形成用分版と、30μm以上の平均粒径を有する光反射材を含み且つその含有量が4重量%以下の範囲内とされた光反射性インキとを用いたスクリーン印刷を行って、光反射層を、該模様形成用分版を用いたスクリーン印刷により形成される木目模様の前記被印刷体側の面に積層されるように形成する工程と、
を含むことを特徴とする木目模様を有する印刷物の製造方法。
【請求項2】
不透明で且つ前記複数種類のカラーインキの何れよりも色調の薄い不透明インキを用い、前記被印刷体の裏面に積層形成された前記複数種類の木目模様の上に、該被印刷体の裏面の全面にわたって、該不透明インキをスクリーン印刷手法によりべた塗りして、ベース層を形成する工程を、更に含んでいる請求項1に記載の、木目模様を有する印刷物の製造方法。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の木目模様を有する印刷物の製造方法に従って製造されていることを特徴とする木目模様を有する印刷物。


【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−183751(P2008−183751A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17341(P2007−17341)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(503363909)大和グランド株式会社 (12)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000005979)三菱商事株式会社 (56)
【出願人】(592162564)株式会社ミノグループ (11)
【Fターム(参考)】