説明

木質様成形品の製造設備及び木質様成形品の製造方法

【課題】林地残材や建設建築廃材等の木質系原料と樹脂とを備える木質様成形品を製造する木質様成形品の製造設備において、低コスト化を図るとともに設置面積を小さくする。
【解決手段】林地残材や建設廃材等の木質系原料と樹脂とを備える木質様成形品を製造する木質様成形品の製造設備であって、前記木質系原料を乾燥させる乾燥手段2と、乾燥させた前記木質系原料を粗粉砕して木質系粗粉粒を得る第1粉砕手段3と、前記木質系粗粉粒の一部を微粉砕してなる木質系微粉粒と前記樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形する成形プラント5と、この成形プラント5に電力を供給する発電プラント6と、を備え、前記発電プラント6は、前記木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、林地残材や建設建築廃材等の木質系原料と樹脂とを備える木質様成形品を製造する木質様成形品の製造設備と、これを用いた木質様成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木質様成形品の製造設備として、特許文献1に記載されたものが知られている。この製造設備は、木質廃材を粗粉砕する第1粉砕手段と、この木質廃材を再粉砕してセルロース系微粉粒を得る第2粉砕手段と、セルロース系微粉粒と樹脂とを混錬・溶融して混合材料を得る混錬手段と、この混合材料を冷却しかつ攪拌することによってペレットを得る冷却攪拌手段と、このペレットを所要形状に成形する成形手段と、を備えている。また、木質廃材は、第1粉砕手段による粉砕を行う前に乾燥手段によって乾燥されることがある。
【特許文献1】特開平2002−331520号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この製造設備を小型化すると、木質様成形品の製造設備は小型であればあるほどその生産量に対する消費電力量の割合が多くなるため、高コストになるという問題があった。そこで、電力を賄うために発電プラントを設置すると、発電プラントは木質様成形品の製造設備と同様に乾燥手段及び破砕手段を有するため、そのまま設置したのではこれらの手段が重複してしまい、設置スペースが無駄になるという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、林地残材や建設建築廃材等の木質系原料と樹脂とを備える木質様成形品を製造する木質様成形品の製造設備において、低コスト化を図るとともに設置面積を小さくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1に示すように、林地残材や建設廃材等の木質系原料と樹脂とを備える木質様成形品を製造する木質様成形品の製造設備であって、
前記木質系原料を乾燥させる乾燥手段2と、
乾燥させた前記木質系原料を粗粉砕して木質系粗粉粒を得る第1粉砕手段3と、
前記木質系粗粉粒の一部を微粉砕してなる木質系微粉粒と前記樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形する成形プラント5と、
この成形プラント5に電力を供給する発電プラント6と、を備え、
前記発電プラント6は、前記木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させることを特徴としている。
ここで、木質系原料とは、林地残材や建設廃材の他に、剪定枝条、鋸くずや端材等の工場加工廃材、植物性残渣等が挙げられる。
また、樹脂とは、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂等のほか、飲料物を含む食品の容器や包装等に使用される樹脂製品や、その他の樹脂製品、さらには、住宅等の建物を解体した際に排出される樹脂廃材や、家具を解体した際に排出される樹脂廃材等が挙げられる。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、木質系粗粉粒の一部を微粉砕してなる木質系微粉粒と樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形する成形プラント5と、この成形プラント5に電力を供給する発電プラント6と、を備えているため、成形プラント5に必要な電力の一部又は全部を発電プラント6によって賄うことができる。よって、商用電力の消費量が減るため、製造コストを抑えることができる。また、発電プラント6は、木質様成形品の成形に用いられる木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させるため、成形プラント5と発電プラント6とで共通の原料を用いることができる。よって、材料コストを抑えることができる。さらに、木質様成形品の成形及び発電にそれぞれ必要な乾燥手段2及び第1粉砕手段3を一本化させて共有させるため、木質様成形品の製造設備1の設置面積を小さくすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1に記載の木質様成形品の製造設備において、前記木質系粗粉粒の一部を微粉砕して木質系微粉粒を得る第2粉砕手段5aを備え、
前記発電プラント6は、前記木質系粗粉粒の残部を加熱することにより前記木質系微粉粒の一部を可燃ガスに転換するガス発生手段6aと、前記可燃ガスを駆動源とする電力発生手段6bと、を備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、木質系粗粉粒の一部を微粉砕して木質系微粉粒を得る第2粉砕手段5aを備え、発電プラント6は、木質系粗粉粒の残部を加熱することにより木質系微粉粒の一部を可燃ガスに転換するガス発生手段6aと、可燃ガスを駆動源とする電力発生手段6bと、を備えている。よって、粒径の大きい木質系粗粉粒をガス発生手段6aの加熱手段として用い、粒径の小さい木質系微粉粒をガス発生手段6aによって可燃ガスに転換することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1又は2に記載された木質様成形品の製造設備を利用した木質様成形品の製造方法であって、
前記木質系原料を前記乾燥手段2によって乾燥させ、
次に、乾燥させた前記木質系原料を前記第1粉砕手段3によって破砕して木質系粗粉粒とし、
次に、前記木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させる前記発電プラント6から前記成形プラント5へと電力を供給するとともに、該成形プラント5によって前記木質系粗粉粒を微粉砕して得られる木質系微粉粒と前記樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、木質系原料を乾燥手段2によって乾燥させた後に第1粉砕手段3によって粉砕して木質系粗粉粒とし、次に木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させる発電プラント6から成形プラント5へと電力を供給するとともに、成形プラントによって木質系微粉粒と樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形する。よって、商用電力の消費量が減るため、製造コストを抑えることができる。また、成形プラント5と発電プラント6とで共通の原料を用いることができるため、材料コストを抑えることができる。さらに、木質様成形品の成形及び発電にそれぞれ必要な乾燥手段2及び第1粉砕手段3を一本化させて共有させるため、木質様成形品の製造設備1の設置面積を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、商用電力の消費量が減るため、製造コストを抑えることができる。また、材料コストを抑えることができる。さらに、木質様成形品の製造設備の設置面積を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る木質様成形品の製造設備1の第1の実施形態を示すブロック図である。この木質様成形品の製造設備1は、乾燥手段2と、第1粉砕手段3と、成形プラント5と、発電プラント6と、を備えている。
【0013】
乾燥手段2は、木質系原料を乾燥させるものであり、例えば、マイクロ波を照射するマイクロ波照射器、炉内に熱風を吹き込む乾燥炉、過熱蒸気によって水分を除去する多段乾燥機等が挙げられる。
【0014】
図1に示すように、第1粉砕手段3は、乾燥手段2によって乾燥された木質系原料を粗粉砕して木質系粗粉粒を得るものであり、例えば、ハンマチップで材料を打ち砕くハンマミル、カッターにより細断するカッターミル、ローラーにより圧砕するローラミル等が挙げられる。この木質系粗粉粒は、数ミリメートルの大きさに粉砕されることが望ましい。
【0015】
成形プラント5は、第1粉砕手段3によって粗粉砕された木質系粗粉粒の一部と、樹脂とを備える木質様成形品を成形するものであり、第2粉砕手段5aと、混錬手段5bと、冷却攪拌手段5cと、成形手段5dと、を備えている。
【0016】
第2粉砕手段5aは、木質系粗粉粒の一部を微粉砕して木質系微粉粒を得るものであり、例えば、円板に取り付けられたピンによって、衝撃、反発の相互作用を受けて微粉砕を行うピンミル、石臼等が挙げられる。この木質系微粉粒は、約500ミクロンメートル程度の大きさに微粉砕されることが望ましい。
【0017】
混錬手段5bは、第2粉砕手段5aによって微粉砕された木質系微粉粒と樹脂とを均質に混合して混合材料を得るものであり、例えば混合ミキサ等が挙げられる。この樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂等のほか、飲料物を含む食品の容器や包装等に使用される樹脂製品や、その他の樹脂製品、さらには、住宅等の建物を解体した際に排出される樹脂廃材や、家具を解体した際に排出される樹脂廃材等が挙げられる。
【0018】
冷却攪拌手段5cは、混錬手段5bによって得た混合材料を80℃に冷却されるまで攪拌してペレットを得るものであり、例えば冷却ミキサ等が挙げられる。この冷却ミキサは鉛直軸回りに回転する第1攪拌翼と水平軸回りに回転する第2攪拌翼とを備えており、混合材料は、これらの第1攪拌翼及び第2攪拌翼によって攪拌されてペレットとなる。
【0019】
成形手段5dは、冷却攪拌手段5cによって得たペレットを溶融して所要の形状に成形するものであり、例えば押出成形機等が挙げられる。この押出成形機はホッパと、このホッパに連結された加熱シリンダと、この加熱シリンダから成形ダイへとペレットを押し出すスクリューと、を備えており、ホッパに投入されて加熱シリンダ内で溶融されたペレットは、スクリューによって成形ダイから押し出されて所要の形状に成形される。
【0020】
発電プラント6は、第1粉砕手段3によって粗粉砕された木質系粗粉粒の残部を利用して、成形プラント5に供給する電力を発生させるものであり、ガス発生手段6aと、電力発生手段6bと、を備えている。
【0021】
ガス発生手段6aは、第1粉砕手段3によって粗粉砕された木質系粗粉粒の残部を加熱燃焼させ、熱ガス化するものであり、例えば、熱ガス発生炉等が挙げられる。この熱ガスは、ダクトによって電力発生手段6bへと連結されている。
【0022】
電力発生手段6bは、ガス発生手段6aによって得た熱ガスを利用して電力を発生させるものであり、例えば、熱ガスや蒸気を吹き付けることによって回転力を得るタービンと、この回転力を電力に変換する発電機との組み合わせ等が挙げられる。
【0023】
次に、以上のように構成される木質様成形品の製造設備1を用いた木質様成形品の製造方法について説明する。
まず、林地残材や建設廃材の他に、剪定枝条、鋸くずや端材等の工場加工廃材、植物性残渣等から得られる数センチメートル大の木質系原料を乾燥手段2によって充分に乾燥する。
【0024】
次に、乾燥した木質系原料を第1粉砕手段3によって数ミリメートル大に粗粉砕して木質系粗粉粒とし、この一部を成形プラント5へ、残部を発電プラント6へ送る。
【0025】
次に、木質系粗粉粒の一部を第2粉砕手段5aによって約500ミクロンメートル程度に微粉砕して木質系微粉粒とした後、この木質系微粉粒と樹脂とを混錬手段5bによって加熱溶融し、冷却攪拌手段5cによって80℃に冷却されるまで攪拌し、ペレットを形成する。なお、混錬手段5bにおける過熱溶融時には、顔料や添加剤等を混ぜてもよい。
【0026】
そして、冷却攪拌手段5cによって形成されたペレットを成形手段5dによって一旦溶融した後に所要の形状に成形し、木質様成形品が成形される。
【0027】
また、木質系粗粉粒の残部をガス発生手段6aによって完全燃焼し、熱ガスを発生させる。そして、この熱ガスをダクトで連結した電力発生手段6bへと送り込み、電力を発生させる。この電力は、成形プラント5の第2粉砕手段5a、混錬手段5b、冷却攪拌手段5c、成形手段5dに供給される。また、乾燥手段2や第1粉砕手段3に供給してもよい。
【0028】
以上の第1の実施形態によれば、木質系粗粉粒の一部を微粉砕してなる木質系微粉粒と樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形する成形プラント5と、この成形プラント5に電力を供給する発電プラント6と、を備えているため、成形プラント5に必要な電力の一部又は全部を発電プラント6によって賄うことができる。よって、商用電力の消費量が減るため、製造コストを抑えることができる。また、発電プラント6は、木質様成形品の成形に用いられる木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させるため、成形プラント5と発電プラント6とで共通の原料を用いることができる。よって、材料コストを抑えることができる。さらに、木質様成形品の成形及び発電にそれぞれ必要な乾燥手段2及び第1粉砕手段3を一本化させて共有させるため、木質様成形品の製造設備1の設置面積を小さくすることができる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る木質様成形品の製造設備11の第2の実施形態について説明する。
図2は、木質様成形品の製造設備11の第2の実施形態を示すブロック図である。この木質様成形品の製造設備11は、乾燥手段12と、第1粉砕手段13と、第2粉砕手段15aと、成形プラント15と、発電プラント16と、を備えている。
【0030】
第2粉砕手段15aは、第1粉砕手段13によって粗粉砕された木質系粗粉粒の一部を微粉砕して木質系微粉粒を得るものであり、例えば、円板に取り付けられたピンによって、衝撃、反発の相互作用を受けて微粉砕を行うピンミル、石臼等が挙げられる。この木質系微粉粒は、約500ミクロンメートル程度の大きさに微粉砕されることが望ましい。
【0031】
成形プラント15は、第2粉砕手段15aによって微粉砕された木質系微粉粒の一部と、樹脂とを備える木質様成形品を成形するものであり、混錬手段15bと、冷却攪拌手段15cと、成形手段15dと、を備えている。
【0032】
発電プラント16は、第1粉砕手段13によって粗粉砕された木質系粗粉粒の残部と、第2粉砕手段15aによって微粉砕された木質系微粉粒とを利用して、成形プラント15に供給する電力を発生させるものであり、ガス発生手段16aと、電力発生手段16bと、を備えている。
【0033】
ガス発生手段16aは、第1粉砕手段13によって粗粉砕された木質系粗粉粒の残部を加熱燃焼させ、この熱により、第2粉砕手段15aによって微粉砕された木質系微粉粒のうち成形プラント15へ送らなかった残部を可燃ガス化するものである。さらに詳しくは、このガス発生手段16aは、中空のケーシングと、このケーシング内を蛇行して貫通するパイプとを備え、木質系粗粉粒の残部を過熱燃焼させて得た熱ガスをケーシング内に充満させるとともに、ケーシング内のパイプに、木質系微粉粒の一部を浮遊させた水蒸気を送り込み、水素を活性化する金属触媒の存在下で可燃ガス化するものである。このガス発生手段16aとしては、例えば、熱ガス発生炉等が挙げられる。また、ガス発生手段16aによって発生した可燃ガスは、ダクトによって電力発生手段16bへと送られる。
【0034】
電力発生手段16bは、ガス発生手段16aによって得た可燃ガスを利用して電力を発生させるものであり、例えば、可燃ガスをシリンダ内で爆発させることによってピストンの往復動を得て、これを回転力に変換した後に電力に変換するガスエンジン発電機等が挙げられる。
【0035】
なお、乾燥手段12、第1粉砕手段13、混錬手段15b、冷却攪拌手段15c、成形手段15dの構成については、第1の実施形態と同様であるため、それらの説明は省略する。
【0036】
次に、以上のように構成される木質様成形品の製造設備11を用いた木質様成形品の製造方法について説明する。
まず、林地残材や建設廃材の他に、剪定枝条、鋸くずや端材等の工場加工廃材、植物性残渣等から得られる数センチメートル大の木質系原料を乾燥手段12によって充分に乾燥する。
【0037】
次に、乾燥した木質系原料を第1粉砕手段13によって数ミリメートル大に粗粉砕して木質系粗粉粒とし、この一部を第2粉砕手段15aへ、残部を発電プラント16のガス発生手段16aへ送る。
【0038】
次に、木質系粗粉粒の一部を第2粉砕手段15aによって約500ミクロンメートル程度に微粉砕して木質系微粉粒とし、この一部を成形プラント15の混錬手段15bへ、残部を発電プラント16のガス化反応炉16bへ送る。
【0039】
次に、この木質系微粉粒の一部と樹脂とを混錬手段15bによって加熱溶融し、冷却攪拌手段15cによって80℃に冷却されるまで攪拌し、ペレットを形成する。なお、混錬手段15bにおける過熱溶融時には、顔料や添加剤等を混ぜてもよい。
【0040】
そして、冷却攪拌手段15cによって形成されたペレットを成形手段15dによって一旦溶融した後に所要の形状に成形し、木質様成形品が成形される。
【0041】
また、木質系粗粉粒の残部を加熱燃焼して熱ガスを発生させ、この熱ガスをガス発生手段16aのケーシング内に充満させて、このケーシング内を蛇行して貫通するパイプに、木質系微粉粒の一部を浮遊させた水蒸気を送り込み、水素を活性化する金属触媒の存在下で可燃ガスを発生させる。そして、この可燃ガスを電力発生手段16bへと送り込み、電力を発生させる。この電力は、成形プラント15の混錬手段15b、冷却攪拌手段15c、成形手段15dに供給される。また、乾燥手段12、第1粉砕手段13や第2粉砕手段15aにも供給してもよい。
【0042】
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる他、木質系粗粉粒の一部を微粉砕して木質系微粉粒を得る第2粉砕手段15aを備え、発電プラント16は、木質系粗粉粒の残部を加熱することにより木質系微粉粒の一部を可燃ガスに転換するガス発生手段16aと、可燃ガスを駆動源とする電力発生手段16bと、を備えている。よって、粒径の大きい木質系粗粉粒をガス発生手段16aの加熱手段として用い、粒径の小さい木質系微粉粒をガス発生手段16aによって可燃ガスに転換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る木質様成形品の製造設備の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る木質様成形品の製造設備の第2の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1,11 木質様成形品の製造設備
2,12 乾燥手段
3,13 第1粉砕手段
5,15 成形プラント
5a,15a 第2粉砕手段
5b,15b 混錬手段
5c,15c 冷却攪拌手段
5d,15d 成形手段
6,16 発電プラント
6a,16a ガス発生手段
6b,16b 電力発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
林地残材や建設廃材等の木質系原料と樹脂とを備える木質様成形品を製造する木質様成形品の製造設備であって、
前記木質系原料を乾燥させる乾燥手段と、
乾燥させた前記木質系原料を粗粉砕して木質系粗粉粒を得る第1粉砕手段と、
前記木質系粗粉粒の一部を微粉砕してなる木質系微粉粒と前記樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形する成形プラントと、
この成形プラントに電力を供給する発電プラントと、を備え、
前記発電プラントは、前記木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させることを特徴とする木質様成形品の製造設備。
【請求項2】
前記木質系粗粉粒の一部を微粉砕して木質系微粉粒を得る第2粉砕手段を備え、
前記発電プラントは、前記木質系粗粉粒の残部を加熱することにより前記木質系微粉粒の一部を可燃ガスに転換するガス発生手段と、前記可燃ガスを駆動源とする電力発生手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の木質様成形品の製造設備。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された木質様成形品の製造設備を利用した木質様成形品の製造方法であって、
前記木質系原料を前記乾燥手段によって乾燥させ、
次に、乾燥させた前記木質系原料を前記第1粉砕手段によって破砕して木質系粗粉粒とし、
次に、前記木質系粗粉粒の残部を利用して電力を発生させる前記発電プラントから前記成形プラントへと電力を供給するとともに、該成形プラントによって前記木質系粗粉粒を微粉砕して得られる木質系微粉粒と前記樹脂とを混合し溶融して木質様成形品を成形することを特徴とする木質様成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−76161(P2007−76161A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266898(P2005−266898)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000114086)ミサワホーム株式会社 (288)
【Fターム(参考)】