説明

材料混合器及びこのような材料混合器に用いられるバッグ

材料混合器及びこのような材料混合器に用いられるバッグ。この材料混合器は、サンプルに作用する少なくとも1つのパドル(5)と、パドルにより押し潰されるサンプルの支持部材(2)と、を備えている。この材料混合器は、材料混合器の運転中にパドルと支持部材との間の間隔の調整ができるように構成されている。バッグ(30)はこのような機器での使用に適しているが、他の機器で使用することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、材料混合器と、このような混合器に用いられるバッグと、に関するものである。混合(ミックスまたはブレンド)される材料は液体または半液体の物質であってもよく、また、時には固体、粉末、気体でさえあってもよい。また、本発明は、具体的には、微生物検査や化学分析のサンプルの調合に関係している。
【0002】
サンプルバッグを保持するための支持部材として機能する扉と、バッグに作用するための2つの往復式パドルと、を備えた材料混合器がある。バッグは、支持部材の上に配置され、それから、適切な位置にバッグを取り付けると共にバッグを密閉するために、(材料混合器の扉が閉じられることにより)運転位置に移動される。2つのパドルは、バッグの外表面の交互押圧と、バッグの内容物の混練とを行うことで、混合作用を実現するために、往復運動するように構成されている。パドルは、固定された動作範囲において往復運動し、支持部材は、混合中にバッグが載置される場所に常時適切な隙間が設けられるように配置される。混合中のパドルと支持部材との間の最小隙間は、「パドルクリアランス」と呼ばれうる。
【0003】
上述したような型の材料混合器が市場に出回っている間に、微生物検査や化学分析の分野におけるサンプル分析のための技術は進歩した。これらの進歩の結果、今日科学者たちは少量のサンプルを頻繁に使用する。
【0004】
一般的に、より少量のサンプルを使用するとき、より小さいパドルクリアランスが要求される。そうでなければ、パドルは、バッグに接触することに失敗するか、または、バッグの内容物の効果的な混合を達成するためには不十分な接触を行う。その結果、より少量のサンプルは混合されず残ることがある。
【0005】
より少量のサンプルを使用するとき、有効な混合された材料の取得に関する問題もある。例えば、出願人らにより市場に出され材料混合器用に販売された従来のバッグは、5mlから80mlの液体を収容するように設計されている。従来のバッグでは、このような量のサンプル材料を使用した場合に、良い結果が達成可能である。しかしながら、この従来のバッグの中に250μlの液体を入れたとしたら、その結果は単にバッグの内側が湿ることになるだけとなりうる。液体の有効なサンプルを取り出すことは困難、あるいは、不可能となりうる。
【0006】
本発明の目的は、少なくとも上記従来技術に関連するいくつかの問題を多少とも解決することである。
本発明の第1の側面によれば、材料を混合するための材料混合器であり、混合される材料が収容された状態で閉じられたバッグを支持するための支持部材と、伸長位置に配置されると共に、その内容物を均質化するために、支持されたバッグの壁に対する混練動作を行うように構成された少なくとも1つの往復混練パドルと、伸長位置にあるときの往復混練パドルと、支持部材との間の間隔を変更調整可能とするための調整手段と、を備えた材料混合器が提供される。
【0007】
このような構成によれば、サンプルの量が変化しても、サンプル混合を容易にすることができる。それゆえに、例えば、材料混合器が、従来の5ml〜80mlサンプルや、より少ない量のサンプルを混合するために使用され得る。さらに、調整手段によれば、異なる量のサンプルに応じて、ユーザが、容易に、パドルと支持部材との間の間隔を変更する(つまり、パドルクリアランスを変更する)ことが可能である。
【0008】
一般的には、調整手段は、上記間隔を変更するために使用されるユーザが操作可能な調整部を備えている。このユーザが操作可能な調整部は、上記間隔を変更するためにユーザにより回転可能なノブを備えていてもよい。
【0009】
調整手段は、上記間隔を当該材料混合器の運転中に変更可能に構成されていることが望ましい。これは、サンプルを混合する処理が開始され、混合処理中にバッグ及びサンプルに働く圧力が変更されてもよいことを意味している。
【0010】
調整手段は、伸長位置にあるパドルと支持部材との間の間隔を変更するためのカム装置を備えることが望ましい。
材料混合器が使用されているときの連続的なパドルの動作や、パドルと支持部材との間に働く力のために、調整機構は強固であることが必要である。このような理由から、長期の使用により、より容易に摩耗や故障が発生しうる送りねじ、または、他のねじ式の部品を使用するよりもカム装置が好ましい。
【0011】
このカム装置は、相互に作用する一対のカム部を備え、該一対のカム部の各カム面が互いに対向されていてもよい。一対のカム部のうちの第1カム部が、当該材料混合器に回転不能に取り付けられていてもよい。また、一対のカム部のうちの第2カム部が、第1カム部に対して相対的に回転可能になるよう当該材料混合器に取り付けられていてもよい。一対のカム部は、この一対のカム部の相対的な回転により、一対のカム部夫々の取付点間の間隔が変更されるように構成されていてもよい。
【0012】
第2カム部は、ユーザが操作可能な調整部の操作により、回転可能にされていてもよい。
材料混合器は、支持部材が取り付けられる後支持部を備えていてもよい。支持部材は、伸長位置にある往復混練パドルと、支持部材との間の間隔を変更するために、後支持部に対して相対的に移動するように構成されていてもよい。また、一対のカム部の相対的な回転により、支持部材と、後支持部との間隔が変化され、それにより、伸長位置にある往復混練パドルと、支持部材との間の間隔が変更されるように、一対のカム部のうちの1つのカム部が支持部材に取り付けられると共に、一対のカム部のうちの他のカム部が後支持部に取り付けられていてもよい。
【0013】
材料混合器は、後支持部、支持部材、及び、調整手段、を備えることが望ましい。後支持部は、扉の外面を備えていてもよい。また、ユーザが操作可能な調整部は、この扉の外面に設けられていてもよい。
【0014】
ユーザが操作可能な調整部がノブである場合には、ノブは、第2カム部に取り付けられて後支持部を通して突出されるようにしてもよい。従って、後支持部が扉の外面を備えている場合には、パドルクリアランスを調整するためのノブは、扉に設けられていてもよい。
【0015】
本発明の第2の側面によれば、略三角形状のサンプル収容部を備えたサンプルバッグが提供される。
サンプル収容部の略三角形状は、混合後のサンプルを集めやすくしている。混合処理が完了したとき、ユーザはサンプルバッグを掴んで、親指と人差し指(または他の指)を使って、分散したサンプルを三角形の頂部に集めればよい。一度、サンプルが三角形の頂部に集められたら、ユーザは、サンプルを頂部(コーナー)から回収するためにピペットの先端をサンプルバッグに挿入すればよい。この方法によれば、サンプルの無駄が最小限となる。
【0016】
ここで、重要なのは、サンプルを集める場所があることである。それゆえに、略三角形状という表現は、広く解釈されるべきである。例えば、三角形状は、湾曲した側面を含みうる。
【0017】
本発明の他の側面によれば、サンプル集積部を備えたサンプル収容部を有するサンプルバッグが提供される。サンプル集積部はサンプルバッグのサイズと比較して小さいことが好ましい。
【0018】
本発明のさらに他の側面によれば、サンプル収容部と、サンプル収容部を使用するまでサンプル収容部を密閉しておくための密閉手段と、を備えたサンプルバッグが提供される。
【0019】
この密閉手段は、サンプル収容部へのアクセスを可能とするために取り外しうる封止部を備えていてもよい。
サンプルバッグは、略三角形状のサンプル収容部を形成するために一対のシールラインによって互いに密閉された一対の略長方形の板(シート)を備えていてもよい。
【0020】
シールラインをさらに追加しても役に立たないことがよくあるけれども、この一対の板の間にはシールラインをさらに追加してもよい。
シールラインは、サンプル収容部が使用されるまでサンプル収容部を密閉するために設けられていてもよい。さらに、シールラインは、略三角形状のサンプル収容部を形成する一対のシールラインの間に設けられてもよく、このようにすると、材料の進入に対して密閉された三角形状のサンプル受入部が形成される。さらに、シールラインは、封止部に設けられてもよい。
【0021】
バッグの使用に際し、サンプル収容部の内部へのアクセスが得られるように、ユーザは封止部をバッグの残りの部分から引きちぎるか切断すればよい。
1以上のシールラインが、サンプル収容部を形成するために略長方形のバッグに設けられていてもよく、さらなるシールラインが、サンプル収容部が使用されるまでサンプル収容部を密閉するために設けられていてもよい。
【0022】
本発明の第3の側面によれば、サンプルを準備するための方法として、略三角形状のサンプル収容部を備えたサンプルバッグの中に材料を配置する工程と、材料を混合する工程と、サンプルバッグを絞ることにより略三角形状のサンプル収容部の頂部に少なくとも内容物の一部を集め、サンプル収容部の頂部から集められた内容物を取り出すことにより、サンプルバッグからサンプルを抽出する工程と、を備えた方法が提供される。
【0023】
本発明の第4の側面によれば、本発明の第1の側面による材料混合器と、本発明の第2の側面によるバッグと、を備えた機器であって、バッグの幅が、バッグの内容物を混合するためにバッグに接触するように構成された材料混合器のパドルの幅と略同じである、機器が提供される。
【0024】
全明細書を通して、「備える」、「有する」(「comprise」、または、「comprises」または「comprising」のようなcompriseの変化形)は、前述した構成要素、整数またはステップ、または、一群の構成要素、一群の整数または一群のステップを包含することを示しており、他の構成要素、整数またはステップ、または一群の構成要素、一群の整数または一群のステップを除外するものではない。
【0025】
以下において、本発明を具体化した材料混合器と、材料混合器とともに使用するバッグを、本発明のほんの一例として、図面を参照して説明する。
図1〜図3においては、本実施形態の材料混合器の基本的な構成を概略形状のみにて示しており、機器の詳細については、明確化のために図面から省略している。
【0026】
基本的な材料混合器は、一端に設けられたヒンジ周りに回動可能な扉1と、これから混合されるサンプルが納められたバッグ3を支持するための支持部材2と、を備えている。密閉支持手段4は、材料混合器の運転前及び運転中にバッグ3を支持すると共に、バッグ3を密閉するために設けられている。
【0027】
本実施形態においては、第1パドル5及び第2パドル6により構成される混練手段が設けられている。第1パドル5は、第1パドル5の混練面5aに対して略垂直な方向に第1パドル5を往復運動させるための運転手段8に連結されている。同様に、第2パドル6は、第2パドル6の混練面6aに対して略垂直な方向に第2パドル6を往復運動させるための第2の運転手段9に連結されている。共通モータ10は、夫々、伝達歯車機構が形成された運転手段8,9の両方に電源を供給する。
【0028】
扉1は、サンプルバッグ3を装着可能な開放位置(図1参照)と、サンプルバッグに密閉支持手段4が接触してバック3が密閉される閉鎖位置(図2参照)と、の間でヒンジ周りに回動可能にされている。さらに、閉鎖位置においては、第1パドル5及び第2パドル6の各混練面が、バッグ3及びその中に収容された材料に接触している。
【0029】
図3は、支持部材2から等しい距離を置いた状態で並んで配置された第1パドル5及び第2パドル6を示している。そして、使用中の第1パドル5と第2パドル6とは、位相がずれるように動作する。それゆえ、図3に示す配置から開始された運転においては、第1パドル5が支持部材2に向けて移動され、第2パドル6が支持部材2から離れる方向に移動される。往復運動の端部においては、支持部材2に近い方に位置するパドルは、パドルクリアランスをあけて支持部材2から離れている。
【0030】
第1パドル5及び第2パドル6の往復運動は、バッグ3の中のサンプルを押し潰し、このサンプルが混合されるようにサンプルをバッグ3内のあちこちに押し出す。
このような材料混合器において使用されるパドルの配置は多様であり、また、使用されうる運転パターンも多様である。例えば、パドルは1つでもよい。また、そのパドル、または、夫々のパドルは長方形でもよく、内容物の循環を促すように特別に形作られた形状のものでもよい。パドルは2つを越えた数あってもよく、パドルは同位相で動作してもよい。パドルの間にアイランドバッフルを設けてもよい、等である。
【0031】
本実施形態において重要な特徴は、パドルクリアランスを調整するための調整手段である。本実施形態において、この調整手段は、扉1に設けられた機構により構成されている。なお、この扉1に設けられた機構は、図1〜図3においてはその詳細が省略されているが、図4〜図6において示されている。
【0032】
図4及び図5は、調整機構を見えるようにした扉1の断面図である。この断面図では、調整機構の断面と言うよりも、むしろ正面をみせるように、調整機構の一側面が切断されている。扉1は、内部に支持部材2が取り付けられた外板10を備えている。扉1が閉鎖位置に移動されたとき(図2の位置に相当)、外板10は、材料混合器のケース本体(図示無し)に係合し、支持部材2、バッグ3、第1パドル5、及び、第2パドル6は、内部に収納される。
【0033】
支持部材2は、カム装置11の動作を介して扉の外板10に対して相対的に移動するように配置されている。支持部材2の扉の外板10への接近及び扉の外板10から離間する動きにより、パドルクリアランスAが変化する。図4は、後退位置(パドルクリアランスは最大)にある支持部材2を示す図であり、図5は、伸長位置(パドルクリアランスは最小)にある支持部材2を示す図である。
【0034】
カム装置11は、外部カム111及び内部カム112を備える。外部カム111及び内部カム112は、夫々のカム面が互いに対向し、且つ、接触保持されるように設けられている。
【0035】
内部カム112は、支持部材2における、挿入されたバッグ3を支持するための面とは反対側の面に取り付けられている。内部カム112は、回転不能に固定されている。
外部カム111は、カムハウジング113の内部に取り付けられている。カムハウジング113には、扉1の外板110に形成された開口から突出されるノブ113aが設けられている。このカムハウジング113は、扉1の外板110に対して相対的に回転するように取り付けられており、また、外部カム111は、カムハウジング113と共に回転するように取り付けられている。
【0036】
従って、外部カム111は内部カム112に対して相対的に回転するように構成されている。さらに、2つのカム111,112のカム面は、初期位置からの2つのカム111とカム112との間の相対的な回転が、2つのカム111,112を離間させるように構成されている。
【0037】
それゆえに、ユーザによりノブ113aが回転されると、支持部材2が扉の外板10に対して相対的に移動し、その移動がパドルクリアランスを変化させる。注目すべきは、パドルクリアランスを材料混合器の外部から調整できる、つまり、必要であれば機器の運転中にノブ113aを操作することによりパドルクリアランスを調整できることである。
【0038】
さらに、与えられた調整幅内で、パドルクリアランスは連続的に変化されるようにしてもよい。
図6は、内部カム111のカム面を示す平面図である。本実施形態において、2つのカム111,112のカム面は略同一形状である。
【0039】
しかしながら、カムを調整可能にするためには、相互に作用する面が設けられることが要求される全てであることは明らかである。なお、これらの相互に作用する面とは、互いに連動する運動により部品間の分離状態をユーザが変化できるようにされた面である。それゆえに、この運動は、回転よりもむしろ直線的な運動としてもよい。この運動は、1つのカムと、適切な従属する部材と、により構成してもよい。しかしながら、相互に作用する一対のカムを設けることで、回転運動とすることが好ましい。そのような場合でも、2つのカムが、同一、または類似のカム面を備える必要はない。2つのカムは、単に所望の分離効果を与えるように相互に作用することが必要である。
【0040】
内部カム111は、カムとして作用しない円板部111aと、周縁部111bと、を備えている。周縁部111bは、のこぎりの歯のような側面を形成するために、内部カム111の円周方向上で、内部カム111の5つの頂点111cに向かって高さが変化している(周縁部111bの側面は図4または図5参照)。
【0041】
内部カム111の周縁部111bの周りを時計回りに進むと、周縁部111bは、頂点111cに向けて傾斜しつつ上り、その後急激に下がり、それから次の頂点111cに向けて傾斜しつつ上る。
【0042】
異なる効果を奏させるために、異なる数の頂点や異なるカムの側面形状が選択されてもよい。実際、それぞれ頂点を備えた3つの傾斜部を使用することが特に効果的であることが分かっている。
【0043】
図示はないけれども、本実施形態においては、ユーザがノブを回転することで、カム面が夫々の頂点の端部を越え、それにより、支持部材が扉1の外板に向かって倒落することを阻止するための停止手段が設けられている。停止位置は、対向するカム面の間における所望の最小接触面積を保持するように選択される。
【0044】
図4に示すように、支持部材2が後退位置にある場合においては、外部カム111及び内部カム112の側面は、ほとんど完全に接触するように、実質的には位置合わせされている。このような構成において、支持部材2は、材料混合器の扉1が閉まる範囲で、パドル5,6から離れるように配置されている。
【0045】
図5に示すように、支持部材2が伸長位置にある場合においては、外部カム111及び内部カム112の側面は実質的には一致しておらず、部分的に接触している。このような構成において、支持部材2は、材料混合器の扉1が閉まる範囲で、パドル5,6の近くに配置されている。
【0046】
他の実施形態として、ユーザが希望する限り小さなパドルクリアランスを選択できるように、支持部材2が伸長位置にあるときに、パドルクリアランスが事実上0となるように構成にしてもよい。さらには、もちろんパドルクリアランスは運転中に調整されるようにしてもよい。
【0047】
多くの異なる型のサンプルバッグが、上述した一般的な型の材料混合器に使用されうる。
図7は、少量のサンプルを処理するために好適な型のバッグ3を示している。このバッグ3は、互いに密着される2つの長方形状のプラスチックにて形成されている。長方形のプラスチック板(シート)の短辺を横切るような第1シールライン3aは、バッグ3の密閉された終端をなす。2つのシールライン3b,3cは、材料がセットされる三角状のサンプル収容部30を形成するように、第1シールライン3a上の1点(本実施形態においては−中心)から互いから離れるように傾斜されている。三角状のサンプル収容部30の開放端31は、同じ長さの他の2辺32,33よりも短くされている。サンプル収容部30は、バッグ3の密閉された端部に、シールライン3aと近接して配置され集積部として機能する頂部34を備えている。
【0048】
上述したような型の材料混合器にバッグ3が装着され、扉1が閉じられたとき、密閉支持手段4はサンプル収容部30を密閉する。
サンプルは開放端31を通してバッグ3の中に容易に投入されうる。投入されたサンプルは、その後、上述した材料混合器を使用して混合されうる。混合が終了した後、ユーザはバッグ3を掴んで、親指と人差し指(または他の指)を使って、分散したサンプルをサンプル収容部30の頂部34に集めればよい。一度、サンプルが頂部34に集められたら、ユーザは、サンプルを頂部34から回収するためにピペットの先端をサンプル収容部30に挿入すればよい。この方法によれば、サンプルの無駄が最小限となる。
【0049】
他の略三角状のサンプル収容部を設けた場合、例えば、シールラインが湾曲されている場合にも、同様の効果が得られうる。
上述したシールラインに加え、バッグを形成するプラスチック板(シート)の間に他のシールラインを設けてもよい。所望のサンプル収容部30とするために、1本、または、それ以上のシールラインを従来型の長方形状のバッグに加えてもよい。そのような場合には、1本のシールラインを対角線状に設けることで、当該シールラインが、サンプル収容部の他の端辺とされる既にあるバッグの端辺のうちの1つと共に、三角形状のサンプル収容部を構成しうる。
【0050】
バッグは、材料混合器のパドル5,6のうちの1つの混練面5a,6aの大きさと厳密に一致するような寸法としてもよい。混練面5a,6aが長方形の場合には、この長方形をサンプルバッグと同一の大きさ及び形状としてもよい。
【0051】
図8は、図7に示されたサンプルバッグと類似した他の形態のサンプルバッグを示している。図8においては、対応する構成を指定するために図7と同じ参照番号が使用されている。この他の形態のサンプルバッグにおいては、追加的なシールライン3dによってサンプル収容部から分離された封止部35が設けられている。この追加的なシールライン3dは、使用されるまで、材料が進入しないようにサンプル収容部30を密閉している。バッグ3を使用したいときには、ユーザは封止部35を切断するかまたは引きちぎる、また、そうでなければ、サンプル収容部30の内部にアクセスできるようにバッグ3を切断すればよい。これにより、使用されるまでバッグ3の内部を無菌の状態に保つことができる。サンプル収容部30は、使用されるまで、バッグ3を製造するための2枚のプラスチック材の間に形成された密閉された三角形状のポケットまたは部屋(チェンバー)となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】装着過程の材料混合器の側面を示す簡略図である。
【図2】装着状態にあるときの図1の材料混合器の側面を示す簡略図である。
【図3】材料混合器のパドル及び運転機構が示された図1及び図2の材料混合器の簡略断面図である。
【図4】支持部材が後退位置にあるときの図1〜図3に示された材料混合器の扉の詳細を示す部分的な断面を示している。
【図5】支持部材が伸長位置にあるときの図4に示された扉を示している。
【図6】図1〜図5に示された材料混合器の調整機構に含まれるカムのうちの1つを示す平面図である。
【図7】図1〜図5に示された材料混合器にて使用されうるサンプルバッグの一例を示している。
【図8】他の形態のサンプルバッグを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を混合するための材料混合器であって、
混合される材料が収容された状態で閉じられたバッグを支持するための支持部材と、
伸長位置に配置されると共に、バッグの内容物を均質化するために、支持されたバッグの壁に対する混練動作を行うように構成された少なくとも1つの往復混練パドルと、
前記伸長位置にあるときの前記往復混練パドルと、前記支持部材との間の間隔を変更調整可能とするための調整手段と、
を備えた材料混合器。
【請求項2】
前記調整手段が、前記間隔を変更するために使用されるユーザが操作可能な調整部を備えた請求項1に記載の材料混合器。
【請求項3】
前記ユーザが操作可能な調整部が、前記間隔を変更するためにユーザにより回転可能なノブを備えた請求項2に記載の材料混合器。
【請求項4】
前記調整手段が、前記間隔を当該材料混合器の運転中に変更可能に構成された請求項1〜請求項3の何れかに記載の材料混合器。
【請求項5】
前記調整手段が、前記伸長位置にあるパドルと前記支持部材との間の間隔を変更するためのカム装置を備えた請求項1〜請求項4の何れかに記載の材料混合器。
【請求項6】
前記カム装置は、相互に作用する一対のカム部を備え、
該一対のカム部の各カム面が、互いに対向された請求項5に記載の材料混合器。
【請求項7】
前記一対のカム部のうちの第1カム部が、当該材料混合器に回転不能に取り付けられており、前記一対のカム部のうちの第2カム部が、前記第1カム部に対して相対的に回転可能になるよう当該材料混合器に取り付けられた請求項6に記載の材料混合器。
【請求項8】
前記一対のカム部が、該一対のカム部の相対的な回転により、該一対のカム部夫々の取付点間の間隔が変更されるように構成された請求項5〜請求項7の何れかに記載の材料混合器。
【請求項9】
前記第2カム部が、前記ユーザが操作可能な調整部の操作により回転可能にされた請求項2または請求項3に従属したときの請求項7に記載の材料混合器。
【請求項10】
前記支持部材が取り付けられる後支持部を備えた請求項1〜請求項9の何れかに記載の材料混合器。
【請求項11】
前記支持部材は、前記伸長位置にある前記往復混練パドルと、前記支持部材との間の間隔を変更するために、前記後支持部に対して相対的に移動するように構成された請求項10に記載の材料混合器。
【請求項12】
前記一対のカム部の相対的な回転により、前記支持部材と、前記後支持部との間隔が変化され、それにより、前記伸長位置にある前記往復混練パドルと、前記支持部材との間の間隔が変更されるように、
前記一対のカム部のうちの1つのカム部は前記支持部材に取り付けられると共に、前記一対のカム部のうちの他のカム部は前記後支持部に取り付けられた、請求項5〜請求項9の何れかに従属したときの請求項11に記載の材料混合器。
【請求項13】
前記後支持部、前記支持部材、及び、前記調整手段、を備えた扉を備えた請求項10〜請求項12に記載の材料混合器。
【請求項14】
前記後支持部が、前記扉の外面を備えた請求項13に記載の材料混合器。
【請求項15】
前記ユーザが操作可能な調整部が、前記扉の外面に設けられた請求項2に従属したときの請求項13または請求項14に記載の材料混合器。
【請求項16】
前記ユーザが操作可能な調整部は、前記第2カム部に取り付けられたノブを備え、
該ノブが、前記後支持部を通して突出された、請求項2に従属したときの請求項10〜請求項14の何れかに記載の材料混合器。
【請求項17】
前記ユーザが操作可能な調整部は、パドルクリアランスを調整するためのノブを備え、
該ノブが、前記扉に設けられた請求項15または請求項16に記載の材料混合器。
【請求項18】
略三角形状のサンプル収容部を備えたサンプルバッグ。
【請求項19】
前記三角形状のサンプル収容部が、湾曲した側面を備える請求項18に記載のサンプルバッグ。
【請求項20】
サンプル集積部を備えたサンプル収容部を有するサンプルバッグ。
【請求項21】
サンプル収容部と、
該サンプル収容部を使用するまで該サンプル収容部を密閉しておくための密閉手段と、
を備えたサンプルバッグ。
【請求項22】
前記密閉手段は、前記サンプル収容部へのアクセスを可能とするために取り外し可能にされた封止部を備えた請求項21に記載のサンプルバッグ。
【請求項23】
前記サンプル収容部を形成するために一対のシールラインによって互いに密閉された一対の略長方形のシートを備えた請求項18〜請求項22の何れかに記載のサンプルバッグ。
【請求項24】
前記サンプル収容部が使用されるまで前記サンプル収容部を密閉するために密閉用シールラインが設けられた請求項18〜請求項23の何れかに記載のサンプルバッグ。
【請求項25】
前記密閉用シールラインが、前記サンプル収容部を形成する一対のシールラインの間に設けられることにより、材料の進入に対して密閉されたサンプル受入部が形成された請求項23に従属するときの請求項24に記載のサンプルバッグ。
【請求項26】
1以上のシールラインが、前記サンプル収容部を形成するために略長方形のバッグに設けられていると共に、さらなるシールラインが、前記サンプル収容部が使用されるまで前記サンプル収容部を密閉するために設けられた請求項18〜請求項25の何れかに記載のサンプルバッグ。
【請求項27】
サンプルを準備するための方法であって、
略三角形状のサンプル収容部を備えたサンプルバッグの中に材料を配置する工程と、
材料を混合する工程と、
前記サンプルバッグを絞ることにより略三角形状のサンプル収容部の頂部に少なくとも内容物の一部を集め、前記サンプル収容部の頂部から集められた内容物を取り出すことにより、前記サンプルバッグからサンプルを抽出する工程と、
を備えた方法。
【請求項28】
請求項1〜請求項17の何れかに記載の材料混合器と、
請求項18〜請求項26の何れかに記載のバッグと、
を備えた機器であって、
前記バッグの幅が、前記バッグの内容物を混合するために前記バッグに接触するように構成された前記材料混合器のパドルの幅と略同じである、機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−527796(P2007−527796A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502385(P2007−502385)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000867
【国際公開番号】WO2005/084787
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506305300)セワード リミテッド (1)
【Fターム(参考)】