説明

材料粉砕機のロータ用保護ブロック

本発明は、現行の粉砕機に対する改善であり、特に、粉砕機の保護要素が製造される材料において、実質的に経済効果を高める一方で、粉砕機の動作コストを、大幅に減少させることを可能とする。本発明の主題は、材料粉砕機、特に、金属屑の粉砕機のロータ用の保護ブロックであり、この保護ブロックは、着脱可能または着脱不能に固定される第1の固定手段を内面に有する、第1の部材または外装プレートと、第1の部材から独立し、第2の固定手段を形成する、第2の部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用粉砕機の機械器具の分野に関するものであって、特に、非限定的に金属屑の粉砕機に関する。本発明は、事実上、現行の粉砕機に対する改善であり、特に、ロータの保護要素が作製される材料を実質的に削減可能とすることによって、粉砕機の動作コストを、大幅に減少させることを可能とする。この改善によって、さらに、ロータの保護要素を構成する交換可能な部材を、容易に取り扱うことが可能となる。
【背景技術】
【0002】
一般的に、現行の粉砕機(図1を参照のこと)、特に、金属屑の粉砕機は、内部主ケース(1)によって構成され、該内部主ケース(1)の内部において、ロータ(2)が、電動モータによって駆動されて回転する。このロータは、その周縁上において、ハンマー(3)を有しており、該ハンマー(3)は、ケースに固定されたアンビル(4)の端部と協働するのに適している。ケーシングは、耐性を有する外装プレート(5)によって覆われた内壁を有する。
【0003】
粉砕される材料(7)は、概してロータの近くに配置された開口(6)を通して、ケース内に導入される。一般的に、粉砕される材料は、粉砕機に連続的な方法で供給するコンベアベルトによって、粉砕機まで運ばれる。
【0004】
粉砕される材料は、ロータの回転によって運ばれ、ロータのハンマーと、アンビルとの間で粉砕される。そして、材料の粉砕片は、ケースの壁上を供給開口の反対側部まで、接線方向に引き摺られ、次いでケースの上部に放り込まれる。ここで、ケースの上部は、ロータの上方に配置されたグリッド(8)を有し、該グリッド(8)のメッシュ寸法は、出口における製造物の粒子サイズを決定するように定められる。グリッドのメッシュ寸法によって定められる、所望の粒子サイズに達した材料の粉砕片のみが、放出され得る。
【0005】
上記ロータは、一般的に、1以上のシャフト上に平行に設置された一連のディスク(例えば、13個までの範囲となり得る)によって構成される。材料を粉砕可能なハンマー(ロータおよび粉砕機のサイズに拠って、一般的には12〜26個の間で個数が変動する)は、この組み立て体に固定される。しかしながら、ハンマーは、ロータを構成するディスクの端部全体を覆うものではない。それ故に、ディスクと、特にその端部とを保護するために、外装を設けることが必要となる。これは、一連の保護ブロックを追加することによって、達成される。この保護ブロックは、外装(この語の一般的な意味において)を構成し、該外装は、ロータに固定され、ロータの周縁上に位置決めされる。この外装の存在により、ディスク、およびディスクの端部は、粉砕される材料と接触することはない。したがって、ロータの外装は、組み立て体を構成する複数の部材(保護ブロック、または「キャップ」)によって構成されることがわかる。
【0006】
本発明は、上記した保護ブロックまたは外装ブロックに関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これまで、上記保護ブロックは、機能性と適合する如何なる材料、有利には鉄製の、単体ユニットとして作製された。そして、保護ブロックは、ロータに安定して固定され、保護ブロックの各々は、所定の厚みを有する、長方形の金属プレートの形態としての外装プレートを含む。また、外装プレートは、その長手方向に沿う円弧として形成され、その半径は、保護ブロックが保護すべきロータのディスクの外径に一致する。ロータのディスクに対する外装プレートの固定手段は、外装プレートに対して、着脱不能な方法で固定される。保護ブロック(外装プレートと固定手段)の各々は、単体の鋳造部材、または溶接によって互いに接着された2つの部材であり得る。
【0008】
これらの単体部材は、重量が重く、これにより、これら単体部材を取り扱うのが困難となり、且つ、これら単体部材は、製造のために大量の原材料を伴うことになるので、コストも掛かってしまう。例として、粉砕機に関して、該粉砕機のロータは、1350mmの直径を有し、このような部材は、80〜120kg、または、時にはそれ以上の重量となり得る。
【0009】
さらに、これら部材が用いられる粉砕機の動作方法により、外装プレートは、粉砕機内において材料を粉砕する間に、磨耗してしまう。したがって、これら部材の定期的な交換が必要となる。したがって、重量を別として、これら部材の単体構成により、一旦外装部材が磨耗してしまった場合は、単体部材の全体(すなわち、保護ブロック全体)を交換する必要がある。このように、主にロータへの取り付け手段を構成する上記部材の大部分が無傷である一方、保護ブロックの全体が廃棄されてしまうことが、理解されよう。したがって、外装が変更される度に、大量の原材料がこのように不必要に処分されることになる。
【0010】
文献US5,169,077A号公報(Stelk John C(米国))は、ハンマーミルの各アームの端部に設けられた、ハンマー用の着脱可能な端部を開示している。この文献は、外装の機能を担う部分と、固定手段とによって構成された保護キャップを記載している。ここで、上記固定手段は、上記外装に固定される。この構成においては、外装を交換するのに、固定手段が磨耗していないのに、外装に固定された固定手段を交換することを要する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、上記保護ブロックの取り扱いをより経済的且つ容易とすることである。広範な試験の後に、出願人は、2つの独立した部材(外装プレートと、ロータのディスクに対する外装プレートの固定手段)を有する保護ブロックを用いることが可能であることを発見した。そして、これら2つの部材は、使用時においてのみ、互いに連結される。外装プレートは、粉砕される材料と接触する部材であり、これにより、粉砕機の使用の間に損傷を受ける。固定手段は、粉砕される材料と接触しないので、重大な損傷を受けることはなく、損傷を受けた外装プレートから取り外された後に、次いで新しい外装プレートに固定可能であり、再利用することができる。このように、本発明によれば、上記保護ブロックは、単体部材ではない。
【0012】
出願人は、さらに以下のことも発見した。すなわち、該ブロックが単体部材の形態ではなく、使用時に互いに連結される2つの独立した部材から構成されている場合、保護ブロックの強度は、影響を受けない。
【0013】
このように、本発明の主題は、材料粉砕機、特に、金属屑の粉砕機のロータ用の保護ブロックであり、この保護ブロックは、
−着脱可能または着脱不能に固定された第1の固定手段を内面に有する、第1の部材または外装プレートと、
−第1の部材から独立し、第2の固定手段を形成する、第2の部材とを備える。
【0014】
本発明によれば、第1の固定手段は、外装プレートを第2の固定手段に固定するように構成され、該第2の固定手段は、外装プレートを粉砕機のロータに固定するように構成されている。
【0015】
本発明によれば、外装プレートは、その正射影において、その機能性に適合する如何なる形状、例えば長方形、正方形、ダイヤモンド形のような、平行四辺形の形状を有してもよい。有利には、本発明によれば、外装プレートは、正方形の形状を有する。
【0016】
また、本発明によれば、外装プレートは、その側方射影において、その機能性に適合する如何なる形状、特に、自らが保護すべきロータの形状に適合する形状を有してもよい。有利には、外装プレートは、その長手方向に沿って、円弧の形状を有し、その半径は、自らが保護すべきロータのディスクの外径に一致する。
【0017】
また、本発明によれば、外装プレートは、その機能性に適合する如何なる厚みを有してもよい。当業者であれば、厚みを要求に応じて適応させることに困難性はない。有利には、本発明によれば、外装プレートは、10〜100mmの範囲、好ましくは40〜60mmの範囲の厚みを有してもよい。
【0018】
本発明によれば、第1および第2の固定手段は、これらの機能性に適合する全ての形状を採用し得る。
【0019】
したがって、本発明の第1の実施形態によれば、第1の固定手段は、4つの独立した部材からなり、外装プレートに、該外装プレートのそれぞれの端部において、着脱可能または着脱不能な方法で固定されるために、一対となって位置決めされ得る。
【0020】
本発明によれば、外装プレートのそれぞれの端部において、第1の固定手段を形成する2つの部材は、外装プレートの長手方向の軸に沿って互いに平行となるように位置決めされ、これにより、2つの部材の間において、第2の固定手段を受け入れるのに十分なスペースを形成する。
【0021】
本発明のこの実施形態によれば、第1の固定手段を形成する部材の各々は、その機能性に適合する如何なる形状を有してもよい。有利には、側方視において、これら部材は、直角三角形の形状と実質同等である形状を有し、その斜辺が、該斜辺を外装プレートの内面の曲率に適合可能とする曲率を有してもよい。しかしながら、これら部材は、正方形または長方形の形状を随意に有してもよい。この場合、その一方側部は、該一方側部を外装プレートの内面の曲率に適合可能とする曲率を有する。
【0022】
本発明によれば、上記部材の各々は、少なくとも1つの孔を有し、該少なくとも1つの孔は、第2の固定手段に設けられた同様の孔と同じ高さに位置決めされ、且つ、外装プレートと第2の固定手段の組み立て体を固定可能なシャフトを受け入れるように構成される。
【0023】
また、本発明のこの実施形態によれば、外装プレートと第1の固定手段の組み立て体は、ブロックに1つの同じ鋳物部材、または単体部材を構成し、第1の固定手段を形成する部材は、外装プレートの内面上に溶接されてもよい。
【0024】
本発明の変形例によれば、第1の固定手段を形成する部材は、例えばネジ止め、ボルト止め、インターロック、またはスライドでの取り付けといった、如何なる適当な手段によって、着脱可能な方法で外装プレート上に固定されてもよい。
【0025】
本発明の他の変形例によれば、第1の固定手段を形成する部材は、例えば溶接のような着脱不能な方法で、外装プレート上に固定されてもよい。
【0026】
より好ましくは、外装プレートと、第1の固定手段を形成する部材とは、単体部材としての鋳造(鍛造)部材であり、これは、粉砕の間に発生する衝撃に対する、組み立て体のより良好な耐性を保証するという利点を有する。
【0027】
また、この実施形態によれば、第1の固定手段を形成する部材は、その機能性に適合する如何なる材料であってもよく、有利には、これら部材は、外装プレートと同じ材料である。
【0028】
同様に、これら部材は、その機能性に適合する如何なる厚みを有してもよい。しかしながら、一旦、第2の固定手段に固定されるので、第1の固定手段の2つの部材と、第2の固定手段の部材から(外装プレートのそれぞれの端部において)構成された組み立て体は、粉砕機のロータの2つのディスク間に形成されたスペース内に挿入可能である必要がある。当業者であれば、それぞれの部材に関して、組み立て体が提供すべき強度と適合する厚みを維持しつつ、組み立て体が、少なくとも上記スペースの寸法に等しい厚みを有するように、第1の固定手段および第2の固定手段の部材の双方の厚みを調整することが、容易に理解されよう。有利には、本発明によれば、第1の固定手段および第2の固定手段の部材の各々は、同一の厚みを有し、該同一の厚みは、ロータの2つのディスクの間に形成されたスペースの寸法の1/3に相当する。
【0029】
本発明の第1の実施形態によれば、第2の固定手段は、その機能性に適合する全ての形状を採用し得る。この場合、一方では、第2の固定手段は外装プレートに固定され、他方では、第2の固定手段はロータに固定され得る。
【0030】
有利には、第2の固定手段は、側方視において実質ダイヤモンド状であり、その最大幅部において、第1の孔を有する。この第1の孔は、一方側から他方側まで第2の固定手段を直交して貫通し、第2の固定手段を粉砕機のロータのディスクに固定可能なシャフトを受け入れることができる。
【0031】
上記第2の固定手段は、外装プレートに固定可能であるので、その端部の各々において、少なくとも1つの第2の孔をさらに有し得る。この第2の孔は、一方側から他方側まで第2の固定手段を直交して貫通し、第2の固定手段を、第2の固定手段を介して外装プレートに固定可能なシャフトを受け入れることができる。
【0032】
本発明によれば、当業者であれば、それぞれの孔の直径を、使用が求められるシャフトの直径の機能として適応させることに、困難性はない。ここで、シャフトの直径は、適切な強度を提供するのに十分である必要がある。
【0033】
本発明によれば、一方では、第2の固定手段が、粉砕機のロータの2つのディスク間に挿入可能となるように、第2の固定手段の厚みが設けられてもよい。したがって、2つのディスク間における上記固定手段の側方への遊びが最小となるように、その厚みは、少なくとも第2の固定手段の一部に亘って、ロータの2つの分離したディスク間の内部スペースの寸法に適合する必要がある。しかしながら、それと同時に、第2の固定手段は、外装プレートを第2の固定手段に固定するために、その端部において、第1の固定手段を受け入れ可能である必要がある。したがって、本発明のこの実施形態においては、第2の固定手段は、それぞれの端部において、第1の固定手段を形成する2つの部材間に形成されるスペースに少なくとも等しい厚みを有する。
【0034】
したがって、本発明によれば、第2の固定手段は、その中央部において、第1の孔の周囲に、ロータの2つの分離したディスク間の距離に実質等しい厚みを有する。2つの分離したディスクの間において、第2の固定手段は挿入され、第2の固定手段は、その端部の位置において、第2の固定手段とロータのディスクとの間にスペースを形成するために、上記中央部の厚みよりも小さな厚みを有する。このスペースによって、第1の固定手段を、ロータの2つのディスクの間に挿入することが十分に可能となる。有利には、本発明によれば、端部における第2の固定手段の厚みは、2つのディスクの間に位置するスペースの寸法の1/3に相当する。
【0035】
さらに有利には、本発明の第1の実施形態によれば、第1の固定手段および第2の固定手段の部材の各々は、同一の厚みを有し、該同一の厚みは、ロータの2つのディスクの間に形成されたスペースの寸法の1/3に相当する。第1の固定手段および第2の固定手段の部材の各々は、ロータの2つのディスクの間に挿入されるべきものである。
【0036】
本発明の第2の実施形態によれば、第1の固定手段および第2の固定手段は、第1の実施形態のものと反対の構成を有し得る。
【0037】
したがって、第1の実施形態においては、外装プレートが、その内面上に、第1の固定手段を形成する一対の部材を2組有し、第2の固定手段が、単体部材であったが、これとは逆に、本発明の第2の実施形態においては、外装プレートは、2つの部材(有利には、本発明の第1の実施形態に記載された第1の固定手段を形成する部材と同じ)から形成された第1の固定手段のみを有してもよい。ここで、それぞれの部材は、外装プレートの内面の一方の端部に位置決めされ、第2の固定手段は、2つの部材(有利には、本発明の第1の実施形態に記載された第2の固定手段を形成する部材と同じ)の組み合わせによって形成される。第2の固定手段の2つの部材は、互いに平行となるように位置決めされ、該2つの部材の間に、第1の固定手段を形成する部材を受け入れるように構成されたスペースを形成する。
【0038】
有利には、必須ではないが、第2の固定手段を形成する2つの部材は、その中央部において、スペーサによって互いに連結される。このスペーサは、上記2つの部材間のスペースの寸法を設定する。このスペーサは、上記2つの部材に、着脱不能に固定されてもよい(または、固定されなくてもよい)。さらに、スペーサは、上記2つの部材のうちの一方のみに、着脱不能に固定されることも考えられる。したがって、第2の固定手段は、1つの単体ユニット、2つの独立した部材、または、または3つの独立した部材として形成されてもよい。
【0039】
この第2の実施形態によれば、スペーサが、上記2つの部材に着脱不能に固定される場合、第2の固定手段は、単体の鋳造体、または溶接部材であってもよい。また、スペーサが、上記2つの部材のうちの一方のみに着脱不能に固定される場合、この組み立て体は、単体の溶接体、または鋳造部材であってもよい。
【0040】
この第2の実施形態においては、第1および第2の固定手段を形成する部材は、本発明の第1の実施形態の第1および第2の固定手段を形成する部材と同じであてもよいことが容易に理解されよう。この場合、第1の実施形態において、2組の部材対が、第1の固定手段を形成するために用いられた一方、第2の実施形態においては、2つの部材のみ設けられており、また、第1の実施形態において、1つの部材のみが、第2の固定手段を形成するために用いられた一方、第2の実施形態においては、2つの部材が設けられていることを理解されたい。
【0041】
この実施形態においては、外装プレートと第2の固定手段の組み立ての間、第1の固定手段を形成する部材が、第2の固定手段を形成する部材の間に嵌め込まれていることを、容易に理解されよう。このため、この第2の実施形態によれば、第1の実施形態を形成する部材の厚みは、第2の固定手段の2つの部材間に形成されたスペースの寸法に少なくとも等しい。
【0042】
引き続き、本発明の第2の実施形態によれば、外装プレートは、第1の固定手段および第2の固定手段とシャフトを介して固定され得る。ここで、このシャフトは、この目的のために上記固定手段に設けられた孔内において、第1および第2の固定手段に直交して配置される。同様に、外装プレートと第2の固定手段の組み立て体は、シャフトによってロータに固定される。このシャフトは、第2の固定手段の中央部にこの目的のために設けられた孔内において、第2の固定手段を形成する部材に直交して貫通する。
【0043】
本発明の他の実施形態によれば、外装プレートと第2の固定手段とは、簡単なホゾおよびホゾ穴の連結を用いて、互いに固定される。したがって、外装プレートは、その内面上に、可能であるいずれかの形状を有する、少なくとも1つのホゾを有することができる。且つ、第2の固定手段は、外装プレートと接触することになる端部上において、上記ホゾの輪郭に対応する輪郭を有する、少なくとも1つのホゾ穴を有することができる。有利には、ホゾおよびホゾ穴は、例えば部材の鋳造の間のような、部材の製造時に、形成される。この第3の実施形態においては、外装プレートと第2の固定手段の組み立ては、ホゾがホゾ穴の位置に収まるように、一方の部材を他方の部材にスライドさせることによって行われ得る。
【0044】
本発明の実施形態に関わらず、外装プレートと、第1および第2の固定手段は、これら部材の意図する使用に適した、如何なる材料によって作製されてもよい。本発明によれば、これら部材は、同じ材料、または異なる材料によって作製されてもよい。有利には、これら部材は、同じ材料によって作製される。
【0045】
本発明によれば、外装プレートと、第1および第2の固定手段は、鋳造マンガン鋼、クロムバナジウム鋼、または、HARDOX(登録商標、Swedish Steel(スウェーデン国))、CREUSABO(登録商標)、もしくはそれと同等物(ARCELOR(フランス国))の耐磨耗溶接機械鋼から作製される。
【0046】
本発明によれば、ピンを受け入れるように構成された孔は、如何なる公知の形状を採用してもよい。この孔は、円形、正方形、長方形、三角形、または楕円形の形状を有してもよい。好ましくは、この孔は、円形の形状を有する。
【0047】
本発明によれば、上記孔の寸法は、用いられるシャフトまたはピンのサイズによって規定される。当業者であれば、困難を伴うことなく、この寸法を、意図する目的に適応させることができる。
【0048】
また、本発明の主題は、本発明に係る保護ブロックを少なくとも1つ備える、材料粉砕機、好ましくは金属屑の粉砕機のロータの保護外装である。
【0049】
本発明のさらなる主題は、材料粉砕機、好ましくは金属屑の粉砕機のロータ用の保護外装を製造するための、少なくとも1つの、本発明に係る保護ブロックの使用方法である。
【0050】
当然のことながら、本発明は、様々な寸法を有する現行の粉砕機のロータのいずれにも適応され得るものである。したがって、ロータの寸法に従って、保護ブロックの数は、変化させてもよく、該ブロックは、所望の寸法のいずれも採用可能である。当業者であれば、困難を伴うことなく、該ブロックの個数と寸法を、用いられるロータの寸法に適応させることができる。
【0051】
また、本発明の主題は、本発明に係る保護ブロックを少なくとも1つ有する、ロータの保護外装を備える、材料粉砕機、特に、金属屑の粉砕機である。
【0052】
特に、本発明は、内部主ケースと、少なくとも1つのロータと、該ロータ上のハンマーと、少なくとも1つのアンビルと、閉鎖され、且つ耐性を有する外装プレートによって覆われたケースのベース部と、供給開口と、ロータの上方に設けられた放出グリッドと、放出扉とを備え、上記ロータは、上述したような保護ブロックを有する、材料粉砕機、特に、金属屑の粉砕機に関するものである。
【0053】
有利には、本発明に係る材料粉砕機は、欧州特許出願EP2012924号に記載されているような粉砕機である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】金属屑の粉砕機の断面図を示す。
【図2】本発明に係る保護ブロックの第1の実施形態の3次元図を示し、2aは、ブロックを形成する2つの部材の分解図を示す。
【図3】本発明に係る保護ブロックの第2の実施形態の3次元図を示し、3aは、ブロックを形成する2つの部材の分解図を示す。
【図4】本発明に係る保護ブロックの第3の実施形態の輪郭図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照した、非限定的説明として記載された以下の説明から、より明確になるであろう。
【0056】
図1は、従来の金属屑の粉砕機の断面図を示しており、この粉砕機においては、内部主ケース1、ロータ2、ハンマー3、アンビル4、耐性を有する外装プレート5によって覆われている、閉鎖されたケースのベース部、供給開口6、粉砕される材料7、ロータの上方に設けられたグリッド8、および放出扉9が示されている。
【0057】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る保護ブロックの3次元図を示し、図2aには、保護ブロックの分解図を示し、図2bには、組み立てられた保護ブロックを示す。この図においては、保護ブロックは、符号2.1として示されており、それとともに、外装プレートは2.2、第1の固定手段を形成する部材は2.3、第2の固定手段は2.4として、それぞれ示されている。符号2.5は、孔2.6を貫通することによって外装プレートと第2の固定手段とを着脱可能に固定するシャフト(またはピン)を示す。シャフトまたはピン(図示せず)を用いて粉砕機のロータに保護ブロックを固定することを可能とする孔2.7も、図示されている。この実施形態においては、第1の固定手段2.3の部材は、溶接2.8によって、外装プレート2.2に着脱不能に固定される。最後に、第2の固定手段の中心と、その端部との間の厚みの相違が図示されている。
【0058】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る保護ブロックの3次元図を示し、図3aには、保護ブロックの分解図を示し、図3bには、組み立てられた保護ブロックを示す。この図においては、保護ブロックは、符号3.1として示されており、それとともに、外装プレートは3.2、第1の固定手段を形成する部材は3.3、第2の固定手段を形成する部材は3.4として、それぞれ示されている。孔3.6を貫通することによって外装プレートと第2の固定手段とを着脱可能に固定するシャフト(またはピン)は、符号3.5として示されている。シャフトまたはピン(図示せず)を用いて粉砕機のロータに保護ブロックを固定することを可能とする孔3.7も、図示されている。この実施形態においては、第1の固定手段3.3の部材は、溶接3.8によって、外装プレート3.2に着脱不能に固定される。最後に、第2の固定手段を形成する2つの部材3.4の間のスペーサ3.9の存在が、示されている。
【0059】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る保護ブロックの側面図を示し、保護ブロックは4.1、外装プレートは4.2、第2の固定手段は4.4として示されている。この構成においては、外装プレートは、その端部の各々においてホゾ4.10を有し、また、第2の固定手段は、上記ホゾと同じ高さにおいて、上記ホゾの寸法を有するホゾ穴4.11を有する。最後に、シャフトまたはピン(図示せず)を用いて粉砕機のロータに保護ブロックを固定することを可能とする孔4.7の存在も示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料粉砕機のロータ用、特に、金属屑粉砕機のロータ用の保護ブロックであって、
着脱可能または着脱不能に固定された第1の固定手段(2.3)を内面に有する、第1の部材または外装プレート(2.2)と、
前記第1の部材から独立し、第2の固定手段(2.4)を形成する、第2の部材と、を備える、保護ブロック。
【請求項2】
前記外装プレート(2.2)は、その正射影において、例えば長方形、正方形、ダイヤモンド形のような、平行四辺形の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の保護ブロック。
【請求項3】
前記第1の固定手段(2.3)は、4つの独立した部材からなり、前記外装プレート(2.2)に、該外装プレート(2.2)のそれぞれの端部において、着脱可能または着脱不能な方法で固定されるために、一対となって位置決めされることを特徴とする、請求項1または2に記載の保護ブロック。
【請求項4】
前記外装プレート(2.2)のそれぞれの端部において、前記第1の固定手段(2.3)を形成する2つの部材は、前記外装プレート(2.2)の長手方向の軸に沿って互いに平行となるように位置決めされ、前記2つの部材の間において、前記第2の固定手段(2.4)を受け入れるのに十分なスペースを形成することを特徴とする、請求項3に記載の保護ブロック。
【請求項5】
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材の各々は、実質的に、直角三角形、正方形、または長方形の形状を有し、その一方側部が、該一方側部を前記外装プレート(2.2)の内面の曲率に適合可能とする曲率を有することを特徴とする、請求項3または4に記載の保護ブロック。
【請求項6】
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材の各々は、少なくとも1つの孔を有し、
前記少なくとも1つの孔は、前記第2の固定手段(2.4)に設けられた同様の孔と同じ高さに位置決めされ、前記外装プレートと前記第2の固定手段の組み立て体を固定可能なシャフトを受け入れることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項7】
前記外装プレートと前記第1の固定手段の組み立て体は、ブロックに1つの同じ鋳物部材、または単体部材を構成し、
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材は、前記外装プレート(2.2)の内面上に溶接されることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項8】
前記第2の固定手段(2.4)は、側方視において実質ダイヤモンド状であり、その最大幅部において、第1の孔を有し、
前記第1の孔は、一方側から他方側まで前記第2の固定手段(2.4)を直交して貫通し、前記第2の固定手段(2.4)を前記粉砕機のロータのディスクに固定可能なシャフトを受け入れることができることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項9】
前記第2の固定手段(2.4)は、その端部の各々において、少なくとも1つの第2の孔を有し、
前記第2の孔は、一方側から他方側まで前記第2の固定手段(2.4)を直交して貫通し、前記第2の固定手段(2.4)を、前記第2の固定手段(2.4)を介して前記外装プレート(2.2)に固定可能なシャフトを受け入れることができることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項10】
前記第2の固定手段(2.4)は、その中央部において、前記第1の孔の周囲に、前記ロータの2つの分離したディスク間の距離に実質等しい厚みを有し、
前記2つの分離したディスクの間において、前記第2の固定手段(2.4)は挿入され、
前記第2の固定手段(2.4)は、その端部の位置において、前記第2の固定手段(2.4)と前記ロータのディスクとの間にスペースを形成するために、前記中央部の厚みよりも小さな厚みを有し、
前記第2の固定手段(2.4)と前記ロータのディスクとの間のスペースによって、前記第1の固定手段(2.3)を、前記ロータの2つのディスクの間に挿入することが可能となることを特徴とする、請求項3〜9のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項11】
端部における前記第2の固定手段(2.4)の厚みは、前記ロータの2つのディスクの間に位置するスペースの寸法の1/3に相当することを特徴とする、請求項10に記載の保護ブロック。
【請求項12】
前記第1の固定手段(2.3)の部材の各々と、前記第2の固定手段(2.4)は、同一の厚みを有し、
前記同一の厚みは、前記ロータの2つのディスクの間に形成されたスペースの寸法の1/3に相当し、
前記第1の固定手段(2.3)の部材の各々と、前記第2の固定手段(2.4)は、前記ロータの2つのディスクの間に挿入されることを特徴とする、請求項3〜11のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項13】
前記外装プレート(2.2)は、2つの部材から形成された第1の固定手段(2.3)を有し、
前記2つの部材の各々は、前記外装プレート(2.2)の内面の一端部に位置決めされることを特徴とする、請求項1または2に記載の保護ブロック。
【請求項14】
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材の各々は、実質的に、直角三角形、正方形、または長方形の形状を有し、前記部材の一方側部が、該一方側部を前記外装プレート(2.2)の内面の曲率に適合可能とする曲率を有することを特徴とする、請求項13に記載の保護ブロック。
【請求項15】
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材の各々は、前記外装プレート(2.2)の内面の一端部に位置決めされることを特徴とする、請求項14に記載の保護ブロック。
【請求項16】
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材の各々は、少なくとも1つの孔を有し、
前記少なくとも1つの孔は、前記第2の固定手段(2.4)に設けられた同様の孔と同じ高さに位置決めされ、前記外装プレートと前記第2の固定手段の組み立て体を固定可能なシャフトを受け入れることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項17】
前記外装プレートと前記第1の固定手段の組み立て体は、ブロックに1つの同じ鋳物部材、または単体部材を構成し、
前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材は、前記外装プレート(2.2)の内面上に溶接されることを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項18】
前記第2の固定手段(2.4)は、側方視において実質ダイヤモンド状である2つの部材の組み合わせによって形成され、その最大幅部において、第1の孔を有し、
前記第1の孔は、一方側から他方側まで前記第2の固定手段(2.4)を直交して貫通し、前記第2の固定手段(2.4)を前記粉砕機のロータのディスクに固定可能なシャフトを受け入れることができることを特徴とする、請求項13〜17のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項19】
前記第2の固定手段(2.4)を形成する2つの部材は、互いに平行となるように位置決めされ、該2つの部材の間に、前記第1の固定手段(2.3)を形成する部材を受け入れるスペースを形成することを特徴とする、請求項18に記載の保護ブロック。
【請求項20】
前記第2の固定手段(2.4)を形成する2つの部材は、その中央部において、スペーサによって互いに連結されることを特徴とする、請求項19に記載の保護ブロック。
【請求項21】
前記第2の固定手段(2.4)は、単体部材、2つの独立した部材、または3つの独立した部材として形成されることを特徴とする、請求項20に記載の保護ブロック。
【請求項22】
前記外装プレート(2.2)と、前記第2の固定手段(2.4)とは、簡単なホゾおよびホゾ穴の連結を用いて、互いに固定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の保護ブロック。
【請求項23】
前記外装プレート(2.2)、前記第1の固定手段(2.3)、および前記第2の固定手段(2.4)は、同じ材料、または異なる材料から製造され、好ましくは同じ材料から製造されることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の保護ブロック。
【請求項24】
前記材料は、鋳造マンガン鋼、クロムバナジウム鋼、または、HARDOX(登録商標、Swedish Steel(スウェーデン国))、CREUSABO(登録商標)、もしくはそれと同等物(ARCELOR(フランス国))の耐磨耗溶接機械鋼から選択されることを特徴とする、請求項23に記載の保護ブロック。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の保護ブロックを少なくとも1つ備える、材料粉砕機、好ましくは金属屑の粉砕機のロータの保護外装。
【請求項26】
材料粉砕機、好ましくは金属屑の粉砕機のロータ用の保護外装を製造するための、少なくとも1つの、請求項1〜24のいずれか1項に記載の保護ブロックの使用方法。
【請求項27】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の保護ブロックを少なくとも1つ有する、ロータの保護外装を備える、材料粉砕機、特に、金属屑の粉砕機。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−518709(P2013−518709A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551661(P2012−551661)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/FR2011/000068
【国際公開番号】WO2011/095710
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(508319440)
【Fターム(参考)】