材料組み合わせ研究のための高スループット物理気相成長システム
無限に変更可能な物理気相成長マトリックスシステムは、多数の材料を同時堆積することによって、又は多数の触媒成分を次々に層状に堆積することによって、或いはその両方によって、多数の組み合わせの触媒サンプルを概ね同時に合成できるようにし、それによって、所定の応用形態のために最適な材料混合物を後の試験において実験的に決定することができるようにする。指定された反応及び装置において利用するための最適な触媒の組み合わせの発見が容易になる。高スループットシステムによって、組み合わせの触媒材料を配合し、試験するために通常必要とされる処理時間が短縮され、その方法が簡単になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、触媒及び材料を発見するための組み合わせ法によって異種の触媒及び材料を合成するためのシステム及び方法に関する。組み合わせ発見工程において通常必要とされる、多数の異なる材料を生成する時間を短縮し、その方法を簡単にする高スループットシステムが提供される。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景及び概要]
概ね無限の材料又は組成の可能性、層構成及び材料特性の中から触媒材料組成を発見するには、通常、指定された基板上にサンプルを1つずつ生成し、その後、適切な試験を実施する必要があるので、通常非常に時間がかかる工程であった。従来技術において、試験用の触媒サンプルを1つずつ合成する際に物理気相成長(PVD)工程を用いるとき、高額で、複雑な装置及び繰り返しの試験プロトコルを伴い、かなりの時間を要する。本発明のシステムでは、後に試験するために、1つのグループの触媒組成物を同時に(すなわち同じバッチにおいて)合成するための高スループットシステムが提供される。
【0003】
PVDシステムを用いて材料をコーティングする場合、多くの場合にプラズマガンのターゲットが頻繁に交換される必要があり、何百又は何千もの別個の、各材料の組み合わせが適しているかを試験されることになるときには、それはかなりの時間を要する手順になる。本明細書に記述される発明のシステムは、多数の種々のサンプルをバッチで生成することができ、指定される潜在的な応用形態において、実際に用いるための候補材料として理論的又は実験的に特定されるサンプル材料の作成及び試験を促進する。たとえば、多チャネル回転円板電極アセンブリと組み合わせて、所定の応用形態のために適した電気触媒を合成し、評価し、その結果として発見することができる。
【0004】
本明細書において参照されるときに、高スループットの触媒発見は、触媒が作用することを目的としている指定された工程環境において用いるための、後に試験及び/又は評価される多数の化学組成物を同時に生成する方法を指している。従来の触媒発見工程では、個々の化合物が個別に生成され、試験される。本出願が対象としている高スループット/組み合わせ研究では、単一の基板に画定される異なるエリア上に、又は多数の個別の基板サンプルを組み合わせて組み立てたものの上に、種々の機能材料又は化学組成物を堆積することによって、種々の堆積された材料を、概ね同時に、一緒に合成できるようになる。こうして、本発明のシステムを用いることにより、平日の勤務時間中に、数百、さらに数千の潜在的な触媒組成サンプルを生成することができる。
【0005】
通常、特定の応用形態に適した触媒(数ある要因の中でも、効率、経済性、大きさ及び合成の容易性により決定される)の発見は多くの場合に試行錯誤による手順であり、PVD手順の例では、触媒が多数の成分から形成される同時堆積又は多層の組成物から成る場合もあるので、さらに複雑である。材料、特性、混合物、層及び他の要因の数多くの組み合わせが実現可能である。成分材料が選択され、それらの成分材料の層内の順序が決定され、妥当な場合には、それらの成分材料の同時堆積成分のパーセンテージが推定され、その後、結果として求められた触媒が合成され、さらにその後、その触媒が特定の応用形態に適しているか否かが評価される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
試験するための種々の触媒組成物から成る多数の変種を効率的に合成するための高スループットシステムが必要とされている。したがって、本発明の目的は、多数の材料を同時堆積することによって、又は多数の触媒成分を次々に層状に堆積することによって、試験用の多数の異なる組み合わせの触媒サンプルを1つのバッチで概ね同時に生成できるようにするための、無限に変更可能且つプログラム可能なPVDプラズマガンクラスタ及びマトリックスシステムを提供することである。後の試験において、生成される多数のバッチサンプルの範囲内で、所定の応用形態のために最適な材料混合物を決定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、連続する所定の作業においてそれぞれ評価するための、複数の異なる組み合わせの触媒材料のためのシステムを提供する。
【0008】
本発明は、図面に照らして考察される以下の好ましい実施形態の詳細な説明において、さらに十分に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[発明の詳細な説明]
簡単に述べると、本発明は、多数の材料を同時堆積することによって、又は多数の触媒成分を次々に層状に堆積することによって、多数の異なる組み合わせの触媒サンプルを生成できるようにするための、無限に変更可能な物理気相成長マトリックスシステムである。本発明のシステムを用いるとき、生成されたサンプルを後に試験し、評価することによって、所定の応用形態のための材料の最適な混合物又は組み合わせを決定することができる。触媒材料を発見するための時間を短縮する高スループット方法が記述される。
【0010】
所定の応用形態、工程又は処理装置に適した触媒材料を、別個の材料から同時堆積してもよく、又は基板上に次々に堆積される多数の成分から形成される多層の組成物として堆積してもよく、或いはそれらの組み合わせによって堆積してもよい。概ね無限の数の候補材料の同時堆積及び/又は層状の組み合わせ並びに順列の中から、そのような触媒組成物を特定又は発見することが、本明細書に記述される方法によって容易になる。一旦、1つのグループの潜在的に有望な触媒成分が特定され、選択されると、別個の材料から成る層の順序が決定され、妥当な場合には、同時堆積成分のパーセンテージの範囲が推定され、本発明のシステムによって、PVD合成のための多数の、それぞれ異なる量で混合又は構成される組成物のアレイが、1つのグループ内で、全て概ね同時に設計される。結果として生成された触媒サンプルのグループ内で合成された材料はそれぞれ、その後、触媒が対象としている特定の応用形態に適しているか否かに関して評価されることができる。
【0011】
図1は、周囲の外部環境から守られるロードロックチャンバ(前処理チャンバ及び後処理チャンバとしても用いられる)23から基板又は基板ホルダを移送するリニアラックピニオン(LRP)基板移送装置21を含む物理気相成長システムの断面図を示す。22に出入口蓋が示される。真空ポンプ23VPによって、チャンバ23内が真空にされる。前処理チャンバでは、PVD工程にかけられることになるサンプル又は基板がプラズマ(RF)によって前洗浄され、真空内、又は規定された雰囲気内のいずれかにおいて600℃まで加熱することによって後処理されることができる。表面プラズマ洗浄によって不純物が除去される。そのサンプル又は基板は、トラックに載ったまま、前処理チャンバ23から、中間の隔離蓋又は弁26を通って、PVDチャンバ24内に移送される。PVDチャンバ24は、真空ポンプ24VPによってもたらされる真空環境であり、他の点では、物理気相成長工程に相応しいように従来通りに構成される。チャンバ24は、基板アセンブリ10に向けられる、プラズマガン15、16及び17から成る2つ以上の多数のグループ、クラスタ又はアレイを含み、基板アセンブリ10の前には、開口部13を有するマスク12がある。明確にするために、図1の側面図には、1つのガンクラスタ14しか示されない。基板アセンブリ10は、チャンバ内の中央に配置されるシャフト25に対して固定される。アセンブリ10は、チャンバの中心軸を中心にして、基板に取り付けられる基板の表面をチャンバ内の各プラズマガンクラスタに対して所定の位置に相対的に位置合わせできるように回転することができる。アセンブリ10は、チャンバ内のx−y平面において、シャフト25及び/又はプラズマガンアレイ14に対して動くことができ、且つ、平坦な単一の大きな基板を含むことができるか、又は複数の別個の基板(又は電極)のためのホルダを含むことができる。基板アセンブリ10がプラズマガンアレイ14に面して位置合わせされるとき、プラズマビーム18がマスク開口部13を通過して、平坦な基板上にある所定の別個のエリア上に、或いは基板表面又はサンプルホルダ11に対して画定される電極サンプル19上に、予めプログラミングされた混合又は割合の材料を堆積する(同時堆積又は一連の層)。基板11のx−y方向への動きは、アセンブリ10内に収容されるx−yテーブル内で場所を適当にプログラミングすることによって制御される。
【0012】
図2には、3アレイの多数ガン物理気相成長システム20の上面図が示される。中央に配置され、且つ制御可能であり、基板11を支持する基板アセンブリ10が示されており、堆積チャンバ内のシャフト又は他の回転子機構25上の中央に配置されており、取り付けられているアセンブリ10は、1つの軸を中心にして、チャンバ内の各プラズマガンアレイに対して所定の位置に回転できるようになる。ガンアレイ14A、14B及び14Cを含む、放射状に離隔して配置される3つのそのようなプラズマガンアレイ31、32及び33が示される。出入口弁34によって、直に、又はトラック及びロードロックチャンバ(図2には示されない)と連動して、チャンバに出入りできるようになる。図3は、4つの多数プラズマ堆積ガン30A、30B、30C及び30Dから成る単一のクラスタの正面図であり、それぞれのガンがチャンバの周辺部の周囲に放射状に、位置31、32及び33に配置される。各ガンのプラズマ流は、基板11上の、本発明の一実施形態ではアセンブリ10上の概ね同じエリアに同時に集束する。
【0013】
システムの動作の一例では、ガン位置、すなわち位置14A、14B又は14Cに対する基板11の相対的な径方向の位置が、適当なプログラミング及び制御手段によって制御される。一旦、基板が1つのガンアレイに対して所定の位置に位置合わせされると、回転子上に取り付けられるx−yテーブルによって、基板をx−y軸に対してプログラミングして位置決めすることにより、基板又はホルダ上の所定のエリア又は電極が、マスク12の開口部に対して位置合わせされる。基板上の特定のエリアに対する材料堆積の速度及び量は、個々のガンのシャッタ、電力及び他の動作パラメータを制御することによって決定される。
【0014】
制御可能な基板アセンブリ又は基板ホルダアセンブリ40が、図4Aに詳細な側面図で示される。保持ブロックとの関連で参照すると、基板ホルダ46が代わりに、「基板」を位置決めするための装置を指しており、その「基板」には、1)その上に候補材料が堆積される、46a、46b及び46nのような、1つのブロック又はホルダ内のアレイ内に保持される個々のサンプル素子電極か、或いは2)単一の基板の同じ平面上に画定されるか、又はマトリックス内のホルダに固定される種々の所定のスポットエリアのいずれかを用いることができる。いずれの場合でも、ホルダは、回転するターゲットアセンブリのx−yテーブル44の支持板に固定される。オリフィス42を有するマスク41が、保持ブロック46とイオンガンアレイ45との間に介在する。基板サンプル素子46a、46b及び46nの相対的な位置はブロック内で保持され、マスク41は、x−yテーブルが動いている間は保持ブロックから離れるように動かすことができ、堆積中は保持ブロックの近くに動かすことができる。通常、プラズマガンは、PVDチャンバの周辺部において、放射状の位置に固定される。保持ブロック46及び支持板44は、x−yテーブルに対するそれぞれの位置関係に応じて、互いに対して固定できるか、又は動かすことができ、その垂直方向への動きが矢印X1及びX2並びにY1及びY2によって示される。図4Bは、一例として、開口部42を有するマスク41を平面図で示す。マスク開口部の形状及び大きさは、システム作業者が決定することができ、マスクは2つ以上の開口部を含むこともできる。
【0015】
図4Cは、プログラミングされたプラズマビーム及びその個々の材料成分に曝露されるようになされる基板堆積スポットの8素子×8素子のアレイを上から見た平面図で示す。そのアレイでは、64個の個々の位置が46a、46b、46c、46...46aclとして特定される。各位置は、保持ブロック内に取り付けられる1つの電極に、又は単一の平坦な基板上で特定される1つの指定されたスポットエリアに対応することができる。いずれの場合でも、そのホルダ/基板が取り付けられるx−yテーブル上の場所を適当にプログラミングすることによって、固定されたマスク及びプラズマビーム(複数可)に対して、ホルダの位置を制御するとともに、その結果として、基板上の1つの特定のエリアを制御することにより、アレイ内で特定される基板の複数の位置がそれぞれ、チャンバ内の1つ又は複数のガンからのプラズマに個別に曝露される。
【0016】
図4Dは、本発明のシステムにおける堆積処理後の基板を示す。64個の個別のスポット又は電極、すなわち46a、46b、46c、46...46aclはそれぞれ、本発明のプログラミング及び制御手段によって決定されるように、その上に異なる同時堆積物及び層配列を堆積されている。
【0017】
システムの動作時に、基板の所定のスポット又はコーティングエリアがそれぞれ、3つの方向に、すなわち1)回転して、指定されたスポットがマスク、及びチャンバの周辺部に配置されるクラスタからのプラズマビームと位置合わせされるように、且つ2)基板ターゲットマトリックス内のスポットがマスク及びプラズマビームと位置合わせされるように、x−yテーブルによって垂直方向に、且つ3)水平方向に基板を動かすことによって、指定されたプラズマビームに向けられる。ターゲットスポットの回転位置、垂直位置及び水平位置の座標をプログラミングすることは、位置プログラミング技術の能力によるものであり、通常、作業者の便宜上、グラフィカルユーザインターフェースが用いられるであろう。図5Aは、個々のターゲットスポットが種々のプラズマガンからの同時堆積及び多層堆積にかけられる、8×8マトリックスの64個の位置のためのプログラミングマトリックスである。図5Bは、多層堆積の例における4個の位置のためのプログラミングマトリックスであり、図5Cは、16個の位置のためのプログラミングマトリックスである。図5A、図5B及び図5Cにおいて、指示される欄を特定する見出し項目(legend)は以下のことを表す。
【0018】
表1
基板位置# 基板位置番号、列1〜列8及び行1〜行8、64個の取り得る位置がコーティングスポットのX−Y位置に関連する。
サイクル# 所与の位置における多数堆積サンプルの場合のコーティングサイクルの回数。
ステップ# 1回の処理サイクル内のコーティングステップ。
クラスタ# 堆積ステップ中に用いられるプラズマガンクラスタ1、2又は3の識別番号。基板アセンブリは、指示されるクラスタに面するように自動的に回転するであろう。
ガス圧 ガス圧、PVD堆積圧(mTorr)。
堆積遅延 堆積遅延、1つのクラスタ内の個々のガンのためのターゲットオンとシャッタオープンとの間の時間(秒)。
堆積時間 個々のプラズマガン上のシャッタが開いている時間(秒);基板上の材料堆積の実際の時間。
材料位置M CP 1つのクラスタ内の各ガンに関連付けられるプラズマ材料のための、指定された位置における堆積に関連する入力電力(ワット)。
【0019】
図5Bに示されるプログラミングマトリックスでは、位置11にある基板サンプルは、各層内に単一の金属を有する3つの全層を含み、位置35にある基板サンプルは、交互に同時堆積される三元合金から成る4つの全層を含み、位置87にある基板サンプルは、9サイクルで、81の全層を堆積するようにプログラミングされ、組成物が10層毎に繰り返されており、位置44にある基板サンプルは、4つの全層を2サイクルで堆積するようにプログラミングされ、四元合金が交互に同時堆積される。上記の事柄に照らして、4×4、3×3等、単層及び多層、単一金属及び同時堆積のような、スポットエリアの種々の大きさのマトリックスに合わせた同様のプログラミングマトリックスが明白である。PVD処理後に、1つの基板エリア上の堆積の記録が保持されるが、プラズマ電力、時間及び組成によって決定される、計算された予想堆積値を、堆積された材料の実験結果及び分析と比較することによって、実際にサンプルを製造する前に装置を較正することが好ましい。三元合金の場合の較正テーブルの一例が図6Aに示される。計算された値と実際の値とを比較する、堆積された薄膜のEDX分析が図6Bに示される。図6Aでは、単一ガンの実験堆積速度から、たとえば三元合金PtWVの同時堆積速度が推定された。その後、推定された速度及び実際の速度から較正係数が決定された。この較正係数及び単一ガン較正速度を用いて、且つ全プラズマ電力又は全堆積速度を固定することによって、三元合金の任意の組成物をコーティングするためのプラズマ電力が、その表に示されるように計算された。この方法を用いて、図6Bは、6つの異なる原子比のPtWV合金の理論的な組成と実際の組成とを比較しており、各原子比は2つの異なる全プラズマ電力を用いて繰り返される。予想される値が正確であること(又は正確でないこと)を確かめることは、予想される堆積結果についてのその場限りの推測とは対照的に、特定のマトリックス上に選択された材料グループを堆積するための具体的な試験プロトコルを決定するのを助け、それにより、数百、数千又はそれ以上の材料及び組み合わせから成る特定の試験グループ系列のための全評価時間が短縮される。
【0020】
図7A及び図7Bは、ここ以外では図面の46として特定される、基板ホルダを示す。図7Aのアセンブリ46は、ホルダブロック46と、前面71と、背面保持板73とを含む。図7Bの組立図では、ねじ又は留め具72が、ホルダブロック46に固定される前面を保持する。ブロック内のサンプル46...46nの配列に対応するマトリックス内の開口部が、サンプル配列と概ね同心に前面板内に含まれる。通常、それらの開口部の直径の大きさは、サンプルの直径よりも小さく、サンプルをブロック内に固定する。それらの開口部は、サンプルの上面からの挿入物と、表面面取り部分とを含むことができ、それにより、堆積工程においてプラズマビームを誘導する第2のマスクとしての役割を果たす。ブロックの背面保持板73は、ねじ又は留め具74によってホルダブロックに固定される。
【0021】
一般的に、本装置及びシステムによって、潜在的に有望な組み合わせの触媒組成物の多数のサンプルの研究及び試験を促進できるようになる。本装置によって、基板ホルダ内に保持される1つのウェーハ表面上に、又は基板サンプルのアレイ上にある所定の多数のエリア又はスポットをバッチ処理で、高スループットコーティングできるようになる。バッチ合成PVD処理では、二元、三元及び四元系及び材料の同時堆積が達成される。3個のクラスタとなっている12個のガンを用いる場合、装置は、同時堆積によって、層状堆積の12個の材料の任意の組み合わせによって、及び上記の同時堆積の組み合わせによって、3個の四元系、12個の三元系、18個の二元系を堆積することができる。固定マスク内のオリフィスの形状、大きさ及び数のうちの1つ又は複数を変更することにより、装置は、上記の工程によって2つ以上の基板又はスポットエリアをコーティングするように適合することができる。
【0022】
中央回転子及びx−yテーブルによって機械的に適当に構成され、適当にプログラミングされ、さらに各ターゲットグループが基板に同時集束する4つのガンを有する場合、多数のサンプルのPVD処理を完全自動制御して、基板は、3つの交互のプラズマガンクラスタ位置のいずれか1つから、他のいずれか1つに数秒以内に回転することができる。さらに、ターゲット情報、たとえばターゲット11=Pt、ターゲット12=Au、ターゲット13=Ag、ターゲット14=Rh、ターゲット21等を、メニュー入力を通してセーブすることができる。X−Yテーブルの位置をセーブすることにより、たとえば図4Cに示されるような、基板の各位置、すなわち基板コーティングエリアが記録される。GUIメニューインターフェースにおいて、特定されたコーティングスポットの判定基準、X−Yテーブル位置、材料及びクラスタ、基板回転方向、プラズマ電力、真空、及び堆積特性を指定し、記録することができる。一例では、プラズマ堆積メニューは順番に、1)50ワットの電力でターゲットT11....T14を「オン」に指定し、2)10秒間、S11をオープンマスクに動かし、3)125ワットの電力でターゲットT21...T24を「オン」に指定し、そして4)一巡して戻り、ステップ1に進むことができる。
【0023】
こうして、記述される例では、装置は、ローディングロック、プラズマ(RF)による前洗浄、600℃まで加熱することによる後処理、表面処理による不純物の除去、将来に使用するか、又は3個のグループの12個のガンの例以外の異なる構成のプラズマガンクラスタ構成に適合するための十分なビューポートを含む。1つのクラスタ内のガンの数及びクラスタの数は変更することができる。基板内のポストエリアの数も変更することができ、さらに、それらの幾何学的配列も変更可能である。プログラム制御式で正確なX−Yテーブル及び可撓性のマスクが好ましい。触媒合成のための試験シーケンスでは、基板、又はその上に基板を保持するホルダが、前洗浄のためにロードロック内に配置され、プラズマガンチャンバに移送され、さらに温度による後処理又は薄膜保護にかけられる。1つの材料コンセプトで開始するとき、材料の堆積特性が、指定された速度、電力及び圧力値のための較正ファイル内で関連付けられ、コーティングパラメータがバッチ又はグループ試験ファイル内で設定される。市販されている回転子及びx−yテーブルのための制御システムがロードされ、その後、組み合わせの材料が、指定された応用形態に適しているか否かを確認するために、適当な特性試験にかけられる。
【0024】
本発明に従って、複数の構成要素が動作可能に相互に関連付けられるとき、システムは、後に試験するための複数の組み合わせの触媒材料を提供する。こうして、出入口弁を有する封止可能なチャンバを含む物理気相成長装置において、そのチャンバは、種々の材料の複数の別個に制御可能なプラズマ源と、プラズマガンが向けられる1つ又は複数の基板のためのホルダとを含む。基板上に画定される任意のスポット、又はホルダ内のサンプルが、複数のプラズマ源のそれぞれに対して位置合わせされることができるように、基板はチャンバ内で制御可能に位置決めされる。複数のプラズマ源はそれぞれ、ホルダがそれを中心にして回転する固定点によって規定される、周辺部の中心に対して、互いから角度を成して放射状に分離されるようにチャンバ内に配置され、複数のプラズマ源はそれぞれ、プラズマ源が基板上に集束することができるように、チャンバ内に配置される。
【0025】
高スループットを達成する際に、プログラム可能なx−yテーブルを用いて、基板ホルダの位置を制御し、結果として、個々の基板サンプル、又はその上にあるスポットサンプリングエリアの位置を制御するために、サンプルエリアの列及び行は、マトリックスに配列されることが好ましい。行内のサンプルエリアの数は列内のサンプルエリアの数に等しくすることができ、3×3、4×4、6×6、8×8等にすることができる。別法では、列及び行内の電極は、或る順序で、たとえば3−4−3−4、8−7−8−7−8−7−8のように互い違いにすることができ、その場合に、1つの列内のサンプルエリアの数と、隣接する列内のサンプルエリアの数との関係は、行N内のサンプルエリア=X、行N+1内のサンプルエリア=X+1、又は列N内のサンプルエリア=X、列N+1内のサンプルエリア=X+1である。基板表面上のサンプルスポットエリアの位置がプログラム可能である限り、具体的なマトリックス配列は、試験プロトコル設計者が自由に決定することができる。
【0026】
ターゲット基板エリアに対してクラスタ内のプラズマガンの動作を相互に関連付ける制御システムを用いるとき、個別に制御可能なプラズマ源は、プラズマ材料が層状の堆積物として、又は同時堆積の関係で、或いはその両方で堆積されるようにプログラミングすることができる。プラズマ源を制御するための手段は少なくとも、1)クラスタ内のプラズマ源を選択するための手段、及び基板ターゲットエリアの位置に向けられる指定されたプラズマガンの動作に関して、シャッタ、電力制御のようなプラズマ源の動作を制御するための手段のうちの1つ又は複数を含む。
【0027】
本発明を詳細に説明してきたが、本開示が与えられると、本明細書に記述される発明の概念の精神から逸脱することなく、本発明に対して変更を行うことができることは当業者には理解されよう。それゆえ、本発明の範囲は、記述されるような具体的で、好ましい実施形態の例示するものに限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって確定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】前処理チャンバ及び後処理チャンバとしても用いられるロードロックチャンバと、処理チャンバとを含み、簡単にするために、その中に単一のプラズマガンクラスタが示される、物理気相成長装置を示す側断面図である。
【図2】複数のガンが集束する、チャンバ内の中央に配置され、且つ制御可能な基板アセンブリに対して、周辺部の周囲に放射状に配列される3つのプラズマガンクラスタを有するPVDチャンバの上面図である。
【図3】PVDチャンバ内の基板アセンブリに向かって集束する、図2に示されるような多数のプラズマガンクラスタの正面図である。
【図4A】個別の多数の基板サンプル(又は電極)が基板ブロック内に保持され、各サンプルの向きを、プラズマビーム、マスク及び可動x−yテーブルに対して合わせることができる、PVDチャンバにおいて用いることができる基板ブロックアセンブリの詳細な側面図である。
【図4B】プラズマガンと基板又は基板ブロックとの間に介在するマスクの一例を示す平面図である。
【図4C】1)単一の平坦な基板の表面に画定される種々の所定のエリアか、又は2)図4Aに示されるような基板ブロックアセンブリ内に1つのグループとして保持される個別の多数の基板(又は電極)のアレイのいずれかの場合がある、多数のコーティングスポットの平面図である。
【図4D】システムをプログラミングすることによって決定される種々の成分要素を有する、多数のスポットの成分が、本発明によるPVD工程によって形成されるときに、基板の異なる個別のエリアにおいて、又は基板ブロック内の異なる基板(又は電極)においてコーティングされるスポットの平面図である。
【図5A】個々のスポットが種々のプラズマガンからの同時堆積及び多層堆積にかけられる、8×8マトリックスの64個の位置のためのプログラミングマトリックス図である。
【図5B】多層堆積の例の4個の位置のプログラミングマトリックスを示す図である。
【図5C】16個の基板位置のための単層同時堆積のためのマトリックスを示す図である。
【図6A】本発明とともに用いられる較正方法であって、三元合金の場合の単一ガン実験速度に基づく予想堆積物の計算表を示す図である。
【図6B】本発明とともに用いられる較正方法であって、計算された値と実際の値とを比較する、堆積された薄膜のEDX分析を示す図である。
【図7A】システム内に複数の基板サンプルを保持するための基板ブロックホルダの一例を示す正面斜視図である。
【図7B】システム内に複数の基板サンプルを保持するための基板ブロックホルダの一例を示す正面組立図である。
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、触媒及び材料を発見するための組み合わせ法によって異種の触媒及び材料を合成するためのシステム及び方法に関する。組み合わせ発見工程において通常必要とされる、多数の異なる材料を生成する時間を短縮し、その方法を簡単にする高スループットシステムが提供される。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景及び概要]
概ね無限の材料又は組成の可能性、層構成及び材料特性の中から触媒材料組成を発見するには、通常、指定された基板上にサンプルを1つずつ生成し、その後、適切な試験を実施する必要があるので、通常非常に時間がかかる工程であった。従来技術において、試験用の触媒サンプルを1つずつ合成する際に物理気相成長(PVD)工程を用いるとき、高額で、複雑な装置及び繰り返しの試験プロトコルを伴い、かなりの時間を要する。本発明のシステムでは、後に試験するために、1つのグループの触媒組成物を同時に(すなわち同じバッチにおいて)合成するための高スループットシステムが提供される。
【0003】
PVDシステムを用いて材料をコーティングする場合、多くの場合にプラズマガンのターゲットが頻繁に交換される必要があり、何百又は何千もの別個の、各材料の組み合わせが適しているかを試験されることになるときには、それはかなりの時間を要する手順になる。本明細書に記述される発明のシステムは、多数の種々のサンプルをバッチで生成することができ、指定される潜在的な応用形態において、実際に用いるための候補材料として理論的又は実験的に特定されるサンプル材料の作成及び試験を促進する。たとえば、多チャネル回転円板電極アセンブリと組み合わせて、所定の応用形態のために適した電気触媒を合成し、評価し、その結果として発見することができる。
【0004】
本明細書において参照されるときに、高スループットの触媒発見は、触媒が作用することを目的としている指定された工程環境において用いるための、後に試験及び/又は評価される多数の化学組成物を同時に生成する方法を指している。従来の触媒発見工程では、個々の化合物が個別に生成され、試験される。本出願が対象としている高スループット/組み合わせ研究では、単一の基板に画定される異なるエリア上に、又は多数の個別の基板サンプルを組み合わせて組み立てたものの上に、種々の機能材料又は化学組成物を堆積することによって、種々の堆積された材料を、概ね同時に、一緒に合成できるようになる。こうして、本発明のシステムを用いることにより、平日の勤務時間中に、数百、さらに数千の潜在的な触媒組成サンプルを生成することができる。
【0005】
通常、特定の応用形態に適した触媒(数ある要因の中でも、効率、経済性、大きさ及び合成の容易性により決定される)の発見は多くの場合に試行錯誤による手順であり、PVD手順の例では、触媒が多数の成分から形成される同時堆積又は多層の組成物から成る場合もあるので、さらに複雑である。材料、特性、混合物、層及び他の要因の数多くの組み合わせが実現可能である。成分材料が選択され、それらの成分材料の層内の順序が決定され、妥当な場合には、それらの成分材料の同時堆積成分のパーセンテージが推定され、その後、結果として求められた触媒が合成され、さらにその後、その触媒が特定の応用形態に適しているか否かが評価される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
試験するための種々の触媒組成物から成る多数の変種を効率的に合成するための高スループットシステムが必要とされている。したがって、本発明の目的は、多数の材料を同時堆積することによって、又は多数の触媒成分を次々に層状に堆積することによって、試験用の多数の異なる組み合わせの触媒サンプルを1つのバッチで概ね同時に生成できるようにするための、無限に変更可能且つプログラム可能なPVDプラズマガンクラスタ及びマトリックスシステムを提供することである。後の試験において、生成される多数のバッチサンプルの範囲内で、所定の応用形態のために最適な材料混合物を決定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、連続する所定の作業においてそれぞれ評価するための、複数の異なる組み合わせの触媒材料のためのシステムを提供する。
【0008】
本発明は、図面に照らして考察される以下の好ましい実施形態の詳細な説明において、さらに十分に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[発明の詳細な説明]
簡単に述べると、本発明は、多数の材料を同時堆積することによって、又は多数の触媒成分を次々に層状に堆積することによって、多数の異なる組み合わせの触媒サンプルを生成できるようにするための、無限に変更可能な物理気相成長マトリックスシステムである。本発明のシステムを用いるとき、生成されたサンプルを後に試験し、評価することによって、所定の応用形態のための材料の最適な混合物又は組み合わせを決定することができる。触媒材料を発見するための時間を短縮する高スループット方法が記述される。
【0010】
所定の応用形態、工程又は処理装置に適した触媒材料を、別個の材料から同時堆積してもよく、又は基板上に次々に堆積される多数の成分から形成される多層の組成物として堆積してもよく、或いはそれらの組み合わせによって堆積してもよい。概ね無限の数の候補材料の同時堆積及び/又は層状の組み合わせ並びに順列の中から、そのような触媒組成物を特定又は発見することが、本明細書に記述される方法によって容易になる。一旦、1つのグループの潜在的に有望な触媒成分が特定され、選択されると、別個の材料から成る層の順序が決定され、妥当な場合には、同時堆積成分のパーセンテージの範囲が推定され、本発明のシステムによって、PVD合成のための多数の、それぞれ異なる量で混合又は構成される組成物のアレイが、1つのグループ内で、全て概ね同時に設計される。結果として生成された触媒サンプルのグループ内で合成された材料はそれぞれ、その後、触媒が対象としている特定の応用形態に適しているか否かに関して評価されることができる。
【0011】
図1は、周囲の外部環境から守られるロードロックチャンバ(前処理チャンバ及び後処理チャンバとしても用いられる)23から基板又は基板ホルダを移送するリニアラックピニオン(LRP)基板移送装置21を含む物理気相成長システムの断面図を示す。22に出入口蓋が示される。真空ポンプ23VPによって、チャンバ23内が真空にされる。前処理チャンバでは、PVD工程にかけられることになるサンプル又は基板がプラズマ(RF)によって前洗浄され、真空内、又は規定された雰囲気内のいずれかにおいて600℃まで加熱することによって後処理されることができる。表面プラズマ洗浄によって不純物が除去される。そのサンプル又は基板は、トラックに載ったまま、前処理チャンバ23から、中間の隔離蓋又は弁26を通って、PVDチャンバ24内に移送される。PVDチャンバ24は、真空ポンプ24VPによってもたらされる真空環境であり、他の点では、物理気相成長工程に相応しいように従来通りに構成される。チャンバ24は、基板アセンブリ10に向けられる、プラズマガン15、16及び17から成る2つ以上の多数のグループ、クラスタ又はアレイを含み、基板アセンブリ10の前には、開口部13を有するマスク12がある。明確にするために、図1の側面図には、1つのガンクラスタ14しか示されない。基板アセンブリ10は、チャンバ内の中央に配置されるシャフト25に対して固定される。アセンブリ10は、チャンバの中心軸を中心にして、基板に取り付けられる基板の表面をチャンバ内の各プラズマガンクラスタに対して所定の位置に相対的に位置合わせできるように回転することができる。アセンブリ10は、チャンバ内のx−y平面において、シャフト25及び/又はプラズマガンアレイ14に対して動くことができ、且つ、平坦な単一の大きな基板を含むことができるか、又は複数の別個の基板(又は電極)のためのホルダを含むことができる。基板アセンブリ10がプラズマガンアレイ14に面して位置合わせされるとき、プラズマビーム18がマスク開口部13を通過して、平坦な基板上にある所定の別個のエリア上に、或いは基板表面又はサンプルホルダ11に対して画定される電極サンプル19上に、予めプログラミングされた混合又は割合の材料を堆積する(同時堆積又は一連の層)。基板11のx−y方向への動きは、アセンブリ10内に収容されるx−yテーブル内で場所を適当にプログラミングすることによって制御される。
【0012】
図2には、3アレイの多数ガン物理気相成長システム20の上面図が示される。中央に配置され、且つ制御可能であり、基板11を支持する基板アセンブリ10が示されており、堆積チャンバ内のシャフト又は他の回転子機構25上の中央に配置されており、取り付けられているアセンブリ10は、1つの軸を中心にして、チャンバ内の各プラズマガンアレイに対して所定の位置に回転できるようになる。ガンアレイ14A、14B及び14Cを含む、放射状に離隔して配置される3つのそのようなプラズマガンアレイ31、32及び33が示される。出入口弁34によって、直に、又はトラック及びロードロックチャンバ(図2には示されない)と連動して、チャンバに出入りできるようになる。図3は、4つの多数プラズマ堆積ガン30A、30B、30C及び30Dから成る単一のクラスタの正面図であり、それぞれのガンがチャンバの周辺部の周囲に放射状に、位置31、32及び33に配置される。各ガンのプラズマ流は、基板11上の、本発明の一実施形態ではアセンブリ10上の概ね同じエリアに同時に集束する。
【0013】
システムの動作の一例では、ガン位置、すなわち位置14A、14B又は14Cに対する基板11の相対的な径方向の位置が、適当なプログラミング及び制御手段によって制御される。一旦、基板が1つのガンアレイに対して所定の位置に位置合わせされると、回転子上に取り付けられるx−yテーブルによって、基板をx−y軸に対してプログラミングして位置決めすることにより、基板又はホルダ上の所定のエリア又は電極が、マスク12の開口部に対して位置合わせされる。基板上の特定のエリアに対する材料堆積の速度及び量は、個々のガンのシャッタ、電力及び他の動作パラメータを制御することによって決定される。
【0014】
制御可能な基板アセンブリ又は基板ホルダアセンブリ40が、図4Aに詳細な側面図で示される。保持ブロックとの関連で参照すると、基板ホルダ46が代わりに、「基板」を位置決めするための装置を指しており、その「基板」には、1)その上に候補材料が堆積される、46a、46b及び46nのような、1つのブロック又はホルダ内のアレイ内に保持される個々のサンプル素子電極か、或いは2)単一の基板の同じ平面上に画定されるか、又はマトリックス内のホルダに固定される種々の所定のスポットエリアのいずれかを用いることができる。いずれの場合でも、ホルダは、回転するターゲットアセンブリのx−yテーブル44の支持板に固定される。オリフィス42を有するマスク41が、保持ブロック46とイオンガンアレイ45との間に介在する。基板サンプル素子46a、46b及び46nの相対的な位置はブロック内で保持され、マスク41は、x−yテーブルが動いている間は保持ブロックから離れるように動かすことができ、堆積中は保持ブロックの近くに動かすことができる。通常、プラズマガンは、PVDチャンバの周辺部において、放射状の位置に固定される。保持ブロック46及び支持板44は、x−yテーブルに対するそれぞれの位置関係に応じて、互いに対して固定できるか、又は動かすことができ、その垂直方向への動きが矢印X1及びX2並びにY1及びY2によって示される。図4Bは、一例として、開口部42を有するマスク41を平面図で示す。マスク開口部の形状及び大きさは、システム作業者が決定することができ、マスクは2つ以上の開口部を含むこともできる。
【0015】
図4Cは、プログラミングされたプラズマビーム及びその個々の材料成分に曝露されるようになされる基板堆積スポットの8素子×8素子のアレイを上から見た平面図で示す。そのアレイでは、64個の個々の位置が46a、46b、46c、46...46aclとして特定される。各位置は、保持ブロック内に取り付けられる1つの電極に、又は単一の平坦な基板上で特定される1つの指定されたスポットエリアに対応することができる。いずれの場合でも、そのホルダ/基板が取り付けられるx−yテーブル上の場所を適当にプログラミングすることによって、固定されたマスク及びプラズマビーム(複数可)に対して、ホルダの位置を制御するとともに、その結果として、基板上の1つの特定のエリアを制御することにより、アレイ内で特定される基板の複数の位置がそれぞれ、チャンバ内の1つ又は複数のガンからのプラズマに個別に曝露される。
【0016】
図4Dは、本発明のシステムにおける堆積処理後の基板を示す。64個の個別のスポット又は電極、すなわち46a、46b、46c、46...46aclはそれぞれ、本発明のプログラミング及び制御手段によって決定されるように、その上に異なる同時堆積物及び層配列を堆積されている。
【0017】
システムの動作時に、基板の所定のスポット又はコーティングエリアがそれぞれ、3つの方向に、すなわち1)回転して、指定されたスポットがマスク、及びチャンバの周辺部に配置されるクラスタからのプラズマビームと位置合わせされるように、且つ2)基板ターゲットマトリックス内のスポットがマスク及びプラズマビームと位置合わせされるように、x−yテーブルによって垂直方向に、且つ3)水平方向に基板を動かすことによって、指定されたプラズマビームに向けられる。ターゲットスポットの回転位置、垂直位置及び水平位置の座標をプログラミングすることは、位置プログラミング技術の能力によるものであり、通常、作業者の便宜上、グラフィカルユーザインターフェースが用いられるであろう。図5Aは、個々のターゲットスポットが種々のプラズマガンからの同時堆積及び多層堆積にかけられる、8×8マトリックスの64個の位置のためのプログラミングマトリックスである。図5Bは、多層堆積の例における4個の位置のためのプログラミングマトリックスであり、図5Cは、16個の位置のためのプログラミングマトリックスである。図5A、図5B及び図5Cにおいて、指示される欄を特定する見出し項目(legend)は以下のことを表す。
【0018】
表1
基板位置# 基板位置番号、列1〜列8及び行1〜行8、64個の取り得る位置がコーティングスポットのX−Y位置に関連する。
サイクル# 所与の位置における多数堆積サンプルの場合のコーティングサイクルの回数。
ステップ# 1回の処理サイクル内のコーティングステップ。
クラスタ# 堆積ステップ中に用いられるプラズマガンクラスタ1、2又は3の識別番号。基板アセンブリは、指示されるクラスタに面するように自動的に回転するであろう。
ガス圧 ガス圧、PVD堆積圧(mTorr)。
堆積遅延 堆積遅延、1つのクラスタ内の個々のガンのためのターゲットオンとシャッタオープンとの間の時間(秒)。
堆積時間 個々のプラズマガン上のシャッタが開いている時間(秒);基板上の材料堆積の実際の時間。
材料位置M CP 1つのクラスタ内の各ガンに関連付けられるプラズマ材料のための、指定された位置における堆積に関連する入力電力(ワット)。
【0019】
図5Bに示されるプログラミングマトリックスでは、位置11にある基板サンプルは、各層内に単一の金属を有する3つの全層を含み、位置35にある基板サンプルは、交互に同時堆積される三元合金から成る4つの全層を含み、位置87にある基板サンプルは、9サイクルで、81の全層を堆積するようにプログラミングされ、組成物が10層毎に繰り返されており、位置44にある基板サンプルは、4つの全層を2サイクルで堆積するようにプログラミングされ、四元合金が交互に同時堆積される。上記の事柄に照らして、4×4、3×3等、単層及び多層、単一金属及び同時堆積のような、スポットエリアの種々の大きさのマトリックスに合わせた同様のプログラミングマトリックスが明白である。PVD処理後に、1つの基板エリア上の堆積の記録が保持されるが、プラズマ電力、時間及び組成によって決定される、計算された予想堆積値を、堆積された材料の実験結果及び分析と比較することによって、実際にサンプルを製造する前に装置を較正することが好ましい。三元合金の場合の較正テーブルの一例が図6Aに示される。計算された値と実際の値とを比較する、堆積された薄膜のEDX分析が図6Bに示される。図6Aでは、単一ガンの実験堆積速度から、たとえば三元合金PtWVの同時堆積速度が推定された。その後、推定された速度及び実際の速度から較正係数が決定された。この較正係数及び単一ガン較正速度を用いて、且つ全プラズマ電力又は全堆積速度を固定することによって、三元合金の任意の組成物をコーティングするためのプラズマ電力が、その表に示されるように計算された。この方法を用いて、図6Bは、6つの異なる原子比のPtWV合金の理論的な組成と実際の組成とを比較しており、各原子比は2つの異なる全プラズマ電力を用いて繰り返される。予想される値が正確であること(又は正確でないこと)を確かめることは、予想される堆積結果についてのその場限りの推測とは対照的に、特定のマトリックス上に選択された材料グループを堆積するための具体的な試験プロトコルを決定するのを助け、それにより、数百、数千又はそれ以上の材料及び組み合わせから成る特定の試験グループ系列のための全評価時間が短縮される。
【0020】
図7A及び図7Bは、ここ以外では図面の46として特定される、基板ホルダを示す。図7Aのアセンブリ46は、ホルダブロック46と、前面71と、背面保持板73とを含む。図7Bの組立図では、ねじ又は留め具72が、ホルダブロック46に固定される前面を保持する。ブロック内のサンプル46...46nの配列に対応するマトリックス内の開口部が、サンプル配列と概ね同心に前面板内に含まれる。通常、それらの開口部の直径の大きさは、サンプルの直径よりも小さく、サンプルをブロック内に固定する。それらの開口部は、サンプルの上面からの挿入物と、表面面取り部分とを含むことができ、それにより、堆積工程においてプラズマビームを誘導する第2のマスクとしての役割を果たす。ブロックの背面保持板73は、ねじ又は留め具74によってホルダブロックに固定される。
【0021】
一般的に、本装置及びシステムによって、潜在的に有望な組み合わせの触媒組成物の多数のサンプルの研究及び試験を促進できるようになる。本装置によって、基板ホルダ内に保持される1つのウェーハ表面上に、又は基板サンプルのアレイ上にある所定の多数のエリア又はスポットをバッチ処理で、高スループットコーティングできるようになる。バッチ合成PVD処理では、二元、三元及び四元系及び材料の同時堆積が達成される。3個のクラスタとなっている12個のガンを用いる場合、装置は、同時堆積によって、層状堆積の12個の材料の任意の組み合わせによって、及び上記の同時堆積の組み合わせによって、3個の四元系、12個の三元系、18個の二元系を堆積することができる。固定マスク内のオリフィスの形状、大きさ及び数のうちの1つ又は複数を変更することにより、装置は、上記の工程によって2つ以上の基板又はスポットエリアをコーティングするように適合することができる。
【0022】
中央回転子及びx−yテーブルによって機械的に適当に構成され、適当にプログラミングされ、さらに各ターゲットグループが基板に同時集束する4つのガンを有する場合、多数のサンプルのPVD処理を完全自動制御して、基板は、3つの交互のプラズマガンクラスタ位置のいずれか1つから、他のいずれか1つに数秒以内に回転することができる。さらに、ターゲット情報、たとえばターゲット11=Pt、ターゲット12=Au、ターゲット13=Ag、ターゲット14=Rh、ターゲット21等を、メニュー入力を通してセーブすることができる。X−Yテーブルの位置をセーブすることにより、たとえば図4Cに示されるような、基板の各位置、すなわち基板コーティングエリアが記録される。GUIメニューインターフェースにおいて、特定されたコーティングスポットの判定基準、X−Yテーブル位置、材料及びクラスタ、基板回転方向、プラズマ電力、真空、及び堆積特性を指定し、記録することができる。一例では、プラズマ堆積メニューは順番に、1)50ワットの電力でターゲットT11....T14を「オン」に指定し、2)10秒間、S11をオープンマスクに動かし、3)125ワットの電力でターゲットT21...T24を「オン」に指定し、そして4)一巡して戻り、ステップ1に進むことができる。
【0023】
こうして、記述される例では、装置は、ローディングロック、プラズマ(RF)による前洗浄、600℃まで加熱することによる後処理、表面処理による不純物の除去、将来に使用するか、又は3個のグループの12個のガンの例以外の異なる構成のプラズマガンクラスタ構成に適合するための十分なビューポートを含む。1つのクラスタ内のガンの数及びクラスタの数は変更することができる。基板内のポストエリアの数も変更することができ、さらに、それらの幾何学的配列も変更可能である。プログラム制御式で正確なX−Yテーブル及び可撓性のマスクが好ましい。触媒合成のための試験シーケンスでは、基板、又はその上に基板を保持するホルダが、前洗浄のためにロードロック内に配置され、プラズマガンチャンバに移送され、さらに温度による後処理又は薄膜保護にかけられる。1つの材料コンセプトで開始するとき、材料の堆積特性が、指定された速度、電力及び圧力値のための較正ファイル内で関連付けられ、コーティングパラメータがバッチ又はグループ試験ファイル内で設定される。市販されている回転子及びx−yテーブルのための制御システムがロードされ、その後、組み合わせの材料が、指定された応用形態に適しているか否かを確認するために、適当な特性試験にかけられる。
【0024】
本発明に従って、複数の構成要素が動作可能に相互に関連付けられるとき、システムは、後に試験するための複数の組み合わせの触媒材料を提供する。こうして、出入口弁を有する封止可能なチャンバを含む物理気相成長装置において、そのチャンバは、種々の材料の複数の別個に制御可能なプラズマ源と、プラズマガンが向けられる1つ又は複数の基板のためのホルダとを含む。基板上に画定される任意のスポット、又はホルダ内のサンプルが、複数のプラズマ源のそれぞれに対して位置合わせされることができるように、基板はチャンバ内で制御可能に位置決めされる。複数のプラズマ源はそれぞれ、ホルダがそれを中心にして回転する固定点によって規定される、周辺部の中心に対して、互いから角度を成して放射状に分離されるようにチャンバ内に配置され、複数のプラズマ源はそれぞれ、プラズマ源が基板上に集束することができるように、チャンバ内に配置される。
【0025】
高スループットを達成する際に、プログラム可能なx−yテーブルを用いて、基板ホルダの位置を制御し、結果として、個々の基板サンプル、又はその上にあるスポットサンプリングエリアの位置を制御するために、サンプルエリアの列及び行は、マトリックスに配列されることが好ましい。行内のサンプルエリアの数は列内のサンプルエリアの数に等しくすることができ、3×3、4×4、6×6、8×8等にすることができる。別法では、列及び行内の電極は、或る順序で、たとえば3−4−3−4、8−7−8−7−8−7−8のように互い違いにすることができ、その場合に、1つの列内のサンプルエリアの数と、隣接する列内のサンプルエリアの数との関係は、行N内のサンプルエリア=X、行N+1内のサンプルエリア=X+1、又は列N内のサンプルエリア=X、列N+1内のサンプルエリア=X+1である。基板表面上のサンプルスポットエリアの位置がプログラム可能である限り、具体的なマトリックス配列は、試験プロトコル設計者が自由に決定することができる。
【0026】
ターゲット基板エリアに対してクラスタ内のプラズマガンの動作を相互に関連付ける制御システムを用いるとき、個別に制御可能なプラズマ源は、プラズマ材料が層状の堆積物として、又は同時堆積の関係で、或いはその両方で堆積されるようにプログラミングすることができる。プラズマ源を制御するための手段は少なくとも、1)クラスタ内のプラズマ源を選択するための手段、及び基板ターゲットエリアの位置に向けられる指定されたプラズマガンの動作に関して、シャッタ、電力制御のようなプラズマ源の動作を制御するための手段のうちの1つ又は複数を含む。
【0027】
本発明を詳細に説明してきたが、本開示が与えられると、本明細書に記述される発明の概念の精神から逸脱することなく、本発明に対して変更を行うことができることは当業者には理解されよう。それゆえ、本発明の範囲は、記述されるような具体的で、好ましい実施形態の例示するものに限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって確定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】前処理チャンバ及び後処理チャンバとしても用いられるロードロックチャンバと、処理チャンバとを含み、簡単にするために、その中に単一のプラズマガンクラスタが示される、物理気相成長装置を示す側断面図である。
【図2】複数のガンが集束する、チャンバ内の中央に配置され、且つ制御可能な基板アセンブリに対して、周辺部の周囲に放射状に配列される3つのプラズマガンクラスタを有するPVDチャンバの上面図である。
【図3】PVDチャンバ内の基板アセンブリに向かって集束する、図2に示されるような多数のプラズマガンクラスタの正面図である。
【図4A】個別の多数の基板サンプル(又は電極)が基板ブロック内に保持され、各サンプルの向きを、プラズマビーム、マスク及び可動x−yテーブルに対して合わせることができる、PVDチャンバにおいて用いることができる基板ブロックアセンブリの詳細な側面図である。
【図4B】プラズマガンと基板又は基板ブロックとの間に介在するマスクの一例を示す平面図である。
【図4C】1)単一の平坦な基板の表面に画定される種々の所定のエリアか、又は2)図4Aに示されるような基板ブロックアセンブリ内に1つのグループとして保持される個別の多数の基板(又は電極)のアレイのいずれかの場合がある、多数のコーティングスポットの平面図である。
【図4D】システムをプログラミングすることによって決定される種々の成分要素を有する、多数のスポットの成分が、本発明によるPVD工程によって形成されるときに、基板の異なる個別のエリアにおいて、又は基板ブロック内の異なる基板(又は電極)においてコーティングされるスポットの平面図である。
【図5A】個々のスポットが種々のプラズマガンからの同時堆積及び多層堆積にかけられる、8×8マトリックスの64個の位置のためのプログラミングマトリックス図である。
【図5B】多層堆積の例の4個の位置のプログラミングマトリックスを示す図である。
【図5C】16個の基板位置のための単層同時堆積のためのマトリックスを示す図である。
【図6A】本発明とともに用いられる較正方法であって、三元合金の場合の単一ガン実験速度に基づく予想堆積物の計算表を示す図である。
【図6B】本発明とともに用いられる較正方法であって、計算された値と実際の値とを比較する、堆積された薄膜のEDX分析を示す図である。
【図7A】システム内に複数の基板サンプルを保持するための基板ブロックホルダの一例を示す正面斜視図である。
【図7B】システム内に複数の基板サンプルを保持するための基板ブロックホルダの一例を示す正面組立図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する所定の作業においてそれぞれ評価するための、複数の異なる組み合わせの触媒材料を提供するためのシステムであって、
出入口手段を有する封止可能なチャンバを含む物理気相成長装置であって、該チャンバは複数の個別に制御可能なプラズマ源と、その上に、1つのプラズマ源からのプラズマが向けられるエリアを有する少なくとも1つの基板とを含み、前記複数の個別に制御可能なプラズマ源のうちの少なくとも1つは、クラスタ内に配列される2つ以上のプラズマガンを含み、該クラスタ内の各ガンは前記基板に向かって集束し、
前記少なくとも1つの基板は、該基板の表面上に画定される個別のエリアが選択的に、前記複数の個別に制御可能なプラズマ源のそれぞれに対して個別に位置合わせされることができるように、前記チャンバ内で制御可能に位置決めすることができる、物理気相成長装置と、
前記制御可能なプラズマ源のうちの1つ又は複数に対する前記エリアの曝露を決定する所定のパラメータに従って、前記基板上に画定される前記個別のエリアがそれぞれ、前記プラズマ源それぞれに対して次々に位置合わせされるように、該プラズマ源及び前記基板を制御するための手段とを備えるシステム。
【請求項2】
前記プラズマ源を制御するための前記手段は、指定された量のプラズマ電力及び時間の場合に、前記基板に前記プラズマ源によって堆積される前記材料の特性を決定する制御表を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基板が前記チャンバ内のプラズマ源の1つ又は複数のクラスタに対して次々に個別に向けられることができるように、前記基板は前記チャンバ内の中心に配置される回転子機構に対して位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プラズマ源はそれぞれ、前記基板が該プラズマ源に向けられるときに、該基板の前記表面に関連付けられる位置に対して集束する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記各プラズマ源の概ね正確な焦点及び前記基板の概ね正確な横方向の中心はそれぞれ、前記チャンバ内の概ね同じ平面内に保持される、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記基板は前記チャンバ内の中央に配置され、プログラム制御式x−yテーブルに対して動くことができ、該x−yテーブルのための制御手段によって、前記基板の前記表面上に画定される前記個別のエリアが、前記プラズマ源のうちの1つ又は複数の焦点と概ね位置合わせされるように位置決めされる、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項7】
前記プラズマ源はそれぞれ、前記チャンバ内に、前記コーティングスポットから同じ距離に配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記基板は、マトリックス内の列及び行に配列される、複数の個別に画定されるエリアを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記行内のエリアの数と前記列内のエリアの数(N)との関係は、行N=列Nである、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
1つの列内のエリアの数と隣接する列内のエリアの数との関係は、列N内のエリア=N及び列N+1内のエリア=N+1である、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
1つの行内のエリアの数と隣接する行内のエリアの数との関係は、行N内のエリア=N及び行N−1内のエリア=N−1である、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記プラズマ源は、該プラズマ源から放出される前記材料が、1)層状堆積及び2)同時堆積関係のうちの少なくとも1つで、前記基板の1つのエリア上に堆積されるように制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
多数の長手方向に延在する基板を有するブロックを備え、前期基板は該ブロック内の列のアレイ内に保持され、該基板の上側表面は前記プラズマ源から向けられる前記イオンに曝露される、請求項1に記載のシステムのための基板ホルダ。
【請求項14】
前記基板が配置される前記ブロック内の前記列の上側表面内にある開口部の断面積が、前記プラズマ源から向けられる前記イオンに曝露される前記基板の前記上側表面の横断面積よりも小さくなるように、前記基板の前記上側表面は前記ブロック内に嵌め込まれる、請求項11に記載のシステムのための基板ホルダ。
【請求項15】
種々のイオンのプラズマ源を制御するための前記手段は、少なくとも、1)1つのクラスタ内の1つのプラズマ源を選択するための手段と、2)該プラズマ源の動作の電力及び持続時間を制御するための手段と、3)前記基板の選択されたエリアが、決定された操作の持続時間にわたって前記プラズマ源に曝露されるように、前記基板を位置決めするための手段のうちの1つ又は複数の、選択するためのプログラミングされる手段を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
プラズマ源を選択するための前記手段及び該プラズマ源の動作の電力及び持続時間を制御するための前記手段は、該プラズマ源からのプラズマ材料が前記基板の前記表面上の1つのエリアに対して同時堆積されるように、概ね同じ動作において前記プラズマ源を制御するための手段を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
プラズマ源を選択するための前記手段及び該プラズマ源の動作の電力及び持続時間を制御するための前記手段は、該プラズマ源からのプラズマ材料が前記基板の前記表面上の1つのエリアに対して層状堆積されるように、概ね同じ動作において前記プラズマ源を制御するための手段を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項1】
連続する所定の作業においてそれぞれ評価するための、複数の異なる組み合わせの触媒材料を提供するためのシステムであって、
出入口手段を有する封止可能なチャンバを含む物理気相成長装置であって、該チャンバは複数の個別に制御可能なプラズマ源と、その上に、1つのプラズマ源からのプラズマが向けられるエリアを有する少なくとも1つの基板とを含み、前記複数の個別に制御可能なプラズマ源のうちの少なくとも1つは、クラスタ内に配列される2つ以上のプラズマガンを含み、該クラスタ内の各ガンは前記基板に向かって集束し、
前記少なくとも1つの基板は、該基板の表面上に画定される個別のエリアが選択的に、前記複数の個別に制御可能なプラズマ源のそれぞれに対して個別に位置合わせされることができるように、前記チャンバ内で制御可能に位置決めすることができる、物理気相成長装置と、
前記制御可能なプラズマ源のうちの1つ又は複数に対する前記エリアの曝露を決定する所定のパラメータに従って、前記基板上に画定される前記個別のエリアがそれぞれ、前記プラズマ源それぞれに対して次々に位置合わせされるように、該プラズマ源及び前記基板を制御するための手段とを備えるシステム。
【請求項2】
前記プラズマ源を制御するための前記手段は、指定された量のプラズマ電力及び時間の場合に、前記基板に前記プラズマ源によって堆積される前記材料の特性を決定する制御表を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基板が前記チャンバ内のプラズマ源の1つ又は複数のクラスタに対して次々に個別に向けられることができるように、前記基板は前記チャンバ内の中心に配置される回転子機構に対して位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プラズマ源はそれぞれ、前記基板が該プラズマ源に向けられるときに、該基板の前記表面に関連付けられる位置に対して集束する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記各プラズマ源の概ね正確な焦点及び前記基板の概ね正確な横方向の中心はそれぞれ、前記チャンバ内の概ね同じ平面内に保持される、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記基板は前記チャンバ内の中央に配置され、プログラム制御式x−yテーブルに対して動くことができ、該x−yテーブルのための制御手段によって、前記基板の前記表面上に画定される前記個別のエリアが、前記プラズマ源のうちの1つ又は複数の焦点と概ね位置合わせされるように位置決めされる、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項7】
前記プラズマ源はそれぞれ、前記チャンバ内に、前記コーティングスポットから同じ距離に配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記基板は、マトリックス内の列及び行に配列される、複数の個別に画定されるエリアを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記行内のエリアの数と前記列内のエリアの数(N)との関係は、行N=列Nである、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
1つの列内のエリアの数と隣接する列内のエリアの数との関係は、列N内のエリア=N及び列N+1内のエリア=N+1である、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
1つの行内のエリアの数と隣接する行内のエリアの数との関係は、行N内のエリア=N及び行N−1内のエリア=N−1である、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記プラズマ源は、該プラズマ源から放出される前記材料が、1)層状堆積及び2)同時堆積関係のうちの少なくとも1つで、前記基板の1つのエリア上に堆積されるように制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
多数の長手方向に延在する基板を有するブロックを備え、前期基板は該ブロック内の列のアレイ内に保持され、該基板の上側表面は前記プラズマ源から向けられる前記イオンに曝露される、請求項1に記載のシステムのための基板ホルダ。
【請求項14】
前記基板が配置される前記ブロック内の前記列の上側表面内にある開口部の断面積が、前記プラズマ源から向けられる前記イオンに曝露される前記基板の前記上側表面の横断面積よりも小さくなるように、前記基板の前記上側表面は前記ブロック内に嵌め込まれる、請求項11に記載のシステムのための基板ホルダ。
【請求項15】
種々のイオンのプラズマ源を制御するための前記手段は、少なくとも、1)1つのクラスタ内の1つのプラズマ源を選択するための手段と、2)該プラズマ源の動作の電力及び持続時間を制御するための手段と、3)前記基板の選択されたエリアが、決定された操作の持続時間にわたって前記プラズマ源に曝露されるように、前記基板を位置決めするための手段のうちの1つ又は複数の、選択するためのプログラミングされる手段を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
プラズマ源を選択するための前記手段及び該プラズマ源の動作の電力及び持続時間を制御するための前記手段は、該プラズマ源からのプラズマ材料が前記基板の前記表面上の1つのエリアに対して同時堆積されるように、概ね同じ動作において前記プラズマ源を制御するための手段を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
プラズマ源を選択するための前記手段及び該プラズマ源の動作の電力及び持続時間を制御するための前記手段は、該プラズマ源からのプラズマ材料が前記基板の前記表面上の1つのエリアに対して層状堆積されるように、概ね同じ動作において前記プラズマ源を制御するための手段を備える、請求項15に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2007−522340(P2007−522340A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549456(P2006−549456)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/000609
【国際公開番号】WO2005/070107
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/000609
【国際公開番号】WO2005/070107
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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