説明

板材の処理ライン及び板材の蛇行修正方法

【課題】板材の蛇行をステアリング装置5にて簡単に修正することができる。
【解決手段】複数の支持ロール4により搬送されている板材Rの蛇行を修正可能な複数のステアリング装置5と、板材Rの蛇行を修正すべく、ステアリング装置5を制御する制御装置12とを備えた板材の処理ラインにおいて、制御装置8は、板材Rに仮想的に設定したマーキング部11が、上流側のステアリング装置5から下流側のステアリング装置5へと移動した際の位置ズレ情報に基づいて、上流側のステアリング装置5を制御して板材Rの蛇行を修正する点にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材の処理ライン及び板材の蛇行修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、鋼帯(板材)の連続処理設備においては、板材の板幅や板厚、強度がそれぞれ異なる薄板製品の種類が多岐に渡り、どのような種類の製品であっても高品質および高生産性を維持するための板材を安定して通板させる技術が重要になってきている。特に生産性を向上するために板材の通板速度を高速化した処理ラインにおいて、板材の過大な蛇行は炉壁への板材端部の衝突によるエッジダメージや板材の破断等の原因になる。この板材の蛇行を制御する方法には、ステアリング装置の動作によって板材の位置を修正する方法やクラウンロールを用いて板材の位置を修正する方法がある。しかし、ステアリング装置では蛇行が装置の最大修正量を超える場合には対応できず、また、クラウンロールによる修正効果もロールの温度変化によりサーマルクラウンが生じ形状が変化すると本来の効果とは逆に蛇行を拡大してしまうといった問題がある。
【0003】
このような問題に対し、従来、板材の処理ラインにおいてステアリング装置上に発生する蛇行量を予測して修正する方法として、特許文献1に示すものがある。
この特許文献1では、通板中の板材に形状検出用のロールを押し付け、板材の幅方向張力分布を計算し、ステアリング装置上での蛇行量を予測して蛇行を修正する方法が開示されている。
【0004】
また、板材を複数のロールによって搬送する際の板材の蛇行挙動を計算機を用いて解析するものがある。この特許文献2では、解析用パラメータとして搬送ラインの構成、ロール形状、ロール傾斜角、運転条件、板材サイズ、形状、幅方向張力分布、初期位置等を入力して板材の蛇行速度と蛇行量とを計算する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−239556号公報
【特許文献2】特許第2515643号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
連続処理ラインにて板材の蛇行を修正する際には、各位置で将来に発生する蛇行量を適切に予測し、上流のステアリング装置を用いて予め修正しておくことが重要になる。ところが、特許文献1の技術では、形状検出用ロール下流側直近にあるステアリング装置上で発生する蛇行量を予測しているが、一般的に長大な処理ラインでより下流側における各位置で形状検出用ロールから離れてしまうと、将来に発生する蛇行量を適切に求めることができるものでないため、確実に板材を所定の位置に修正することは困難であった。また、特許文献1の技術では、通板中の板材に形状検出ロールを押し付けることから板表面に疵を生じる可能性もあった。
【0007】
特許文献2の技術では、蛇行挙動を予測するための解析計算に搬送ラインの構成、ロール形状・傾斜角、板形状、運転条件等、極めて多数のパラメータが必要になるという欠点があり、実際の操業に適した蛇行量を求めるのは非常に難しいのが実情であった。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、板材の蛇行をステアリング装置にて簡単に修正することができる板材の処理ライン及び板材の蛇行修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の装置による手段は、複数の支持ロールにより搬送されている板材の蛇行を修正可能な複数のステアリング装置と、前記ステアリング装置を制御する制御装置とを備えた板材の処理ラインにおいて、前記制御装置は、前記板材に仮想的に設定したマーキング部が、上流側のステアリング装置から下流側のステアリング装置へと移動した際の位置ズレ情報に基づいて、上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正する点にある。
【0009】
前記制御装置においては、前記位置ズレ情報をマーキング部が上流側のステアリング装置を通過したときの位置と、マーキング部が下流側のステアリング装置を通過したときの位置との差を蛇行量とし、この蛇行量に蛇行量拡大係数(α)を乗じると共に、ステアリング装置間にある各炉の固有の値である固有発生蛇行量(β)を足すことにより計算される値を、マーキング部が下流側のステアリング装置に到達したときの予測蛇行量とし、前記予測蛇行量を用いて上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することが好ましい。
【0010】
前記制御装置においては、ステアリング装置の出側でのマーキング部に、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)を掛けた値を予測蛇行量に加えるように構成されていることが好ましい。
前記制御装置は、前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が許容値を超えたときには、予想誤差が小さくなるように、蛇行量拡大係数(α)、固有発生蛇行量(β)、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)のいずれかを再計算した値を基に上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することが好ましい。
【0011】
前記制御装置は、前記予測蛇行量にて求めたステアリング装置の修正量が、ステアリング装置での最大修正量を超える際には、当該最大修正量を用いて板材の蛇行を修正することが好ましい。
前記制御装置は、前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が増加傾向にある場合には、板材の搬送速度を低下させることが好ましい。
【0012】
本発明の方法による手段は、複数の支持ロールにより搬送されている板材の蛇行をステアリング装置を用いて板材の蛇行を修正する方法において、前記板材に仮想的にマーキング部を設定し、このマーキング部が、上流側のステアリング装置から下流側のステアリング装置へと移動した際の幅方向の位置ズレ情報に基づいて、上流側のステアリング装置を制御することによって、板材の蛇行を修正する点にある。
【0013】
前記位置ズレ情報をマーキング部が上流側のステアリング装置を通過したときの位置と、マーキング部が下流側のステアリング装置を通過したときの位置との差を蛇行量とし、この蛇行量に蛇行量拡大係数(α)を乗ずると共に、ステアリング装置間にある炉の固有の値である固有発生蛇行量(β)を足すことにより計算される値を、マーキング部が下流側のステアリング装置に到達したときの予測蛇行量とし、前記予測蛇行量を用いて上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することが好ましい。
【0014】
前記ステアリング装置の出側におけるマーキング部の位置に、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)を掛けた値を予測蛇行量に加えて制御することが好ましい。
前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が許容値を超えたときには、予想誤差が小さくなるように、蛇行量拡大係数(α)、固有発生蛇行量(β)、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)のいずれかを再計算した値を基に上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することが好ましい。
【0015】
前記予測蛇行量にて求めたステアリング装置の修正量が、ステアリング装置での最大修正量を超える際には、当該最大修正量を用いて板材の蛇行を修正することが好ましい。
前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が増加傾向にある場合には、板材の搬送速度を低下させることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、板材の蛇行をステアリング装置にて簡単に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】連続焼鈍炉の概念図である。
【図2】3つのステアリング装置を並べた平面図である。
【図3】蛇行量y1(x)及び蛇行量y2(x)の実績データをまとめた図である。
【図4】予測蛇行量と、実績蛇行量とをまとめた図である。
【図5】複数のマーキング部を仮想的に設定した場合のステアリング装置の平面図である。
【図6】4つのステアリング装置を並べた平面図である。
【図7】ステアリング装置における修正量を求める方法を示したものである。
【図8】ステアリング装置における修正量を求める他の方法を示したものである。
【図9】予測誤差を用いた制御を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
本発明の板材の処理ライン及び板材の蛇行修正方法は、板材を搬送して処理を行う処理ラインにおいて、板材の蛇行を修正するものである。本発明は、例えば、板材の圧延を行う処理ライン、板材の熱処理を行う処理ライン、板材の表面処理を行う処理ラインなど様々な処理ラインにおいて、板材の搬送中での蛇行を修正するのに適用することができる。
【0019】
以下、板材の熱処理を行う処理ライン、即ち、連続焼鈍炉の処理ラインを例にとり説明する。図1は、連続焼鈍炉1の概念図である。
連続焼鈍炉1は、その入口側に巻出リール2に配備され、この巻出リール2と連続焼鈍炉1の入口との間に溶接手段3が設けられている。巻出リール2から連続的に払い出される帯板R(板材)は、溶接手段3で溶着され、一連の帯板Rとなって連続的に連続焼鈍炉1に供給される。
【0020】
連続焼鈍炉1は、加熱炉1A、均熱炉1B、過時効炉1C、冷却炉1Dなどの複数の処理炉を有している。各炉1A〜1Dの内部には、炉内を所定の温度とするためのガスバーナが配備されていると共に、上下互い違いに、帯板Rを送り自在に回転支持する支持ロール4や帯板Rの蛇行を防ぐべくロール軸心角度が可変となっているステアリング装置5が複数配設されている。
【0021】
図2に示すように、ステアリング装置5は、帯板Rを送り自在に支持する支持ロール6と、この支持ロール6を回転自在に支持するフレーム7と、フレーム7を帯板Rの幅方向に揺動させる揺動装置9(例えば、油圧シリンダ)とにより構成されてている。このようなステアリング装置5では、支持ロール6の長手方向中央部を揺動中心(回転中心)Oとして、揺動装置9によりフレーム7を帯板Rの幅方向に揺動させることによって、帯板Rの蛇行が修正できるようになっている。なお、ステアリング装置5の入側又は出側には、帯板の位置(帯板位置ということがある)を検出するためのセンサ10が設けられている。
【0022】
図1及び図2に示すように、連続焼鈍炉1に送り込まれた帯板Rは、支持ロール4、ステアリング装置5の支持ロール6に支持されつつ、加熱炉1A〜冷却炉1Dを経て熱処理され、炉の出口側に排出される。処理後の帯板Rは巻取リール8に巻き取られる。また、連続焼鈍炉1には、炉内温度やステアリング装置5の動作を制御する制御装置12が備えられている。この制御装置12はプロセスコンピュータなどで構成されている。
【0023】
以下、板材の処理ラインにおける帯板Rの蛇行の修正方法(板材の蛇行修正方法)を説明する。なお、以下に示す帯板Rの蛇行の修正を行うための様々な処理[蛇行量(予測蛇行量)の計算、板位置の計算、修正量の計算等)]は、制御装置12にて行い、この結果に基づいて、制御装置12は揺動装置9の制御を行うものとする。
図2は、3つのステアリング装置5を平面視したものである。図2では、上流側(左側)から下流側(右側)に向けて順にステアリング装置が配備されているものとする。
【0024】
図2に示す帯板Rの実線は、現在の帯板Rの状態を示し、帯板Rの点線は、所定時間後の帯板Rの状態を示している。ここで、帯板R上における所定の点、即ち、帯板R上おいて仮想的に設定したマーキング部11の位置(マーキング位置ということがある)が、帯板Rの搬送に伴って上流側のステアリング装置5の出側から、t秒後に、上流側のステアリング装置5に隣接する下流側のステアリング装置5の入側に移動した状況を考える。
【0025】
上流側のステアリング装置5と下流側のステアリング装置5との間の長さ(マーキング部11が移動した移動量)と、帯板Rの搬送速度との関係は、式(1)に示すものとなる。
【0026】
【数1】

【0027】
式(1)から分かるように、本発明では、帯板R上に仮想的にマーキング部11があると考え、このマーキング部11の位置変化を用いて帯板Rの蛇行制御を行うものである。詳しくは、1番目のステアリング装置5aの出側にあるマーキング部11が、2番目のステアリング装置5bの入側に達したときの帯板Rの蛇行量は、マーキング部11が1番目のステアリング装置5aの出側に位置しているときのマーキング部11の位置と、当該マーキング部11が2番目のステアリング装置5bの入側に達したマーキング部11の位置との差y1(x)で表すことができる。
【0028】
また、このマーキング部11が、さらに、3番目のステアリング装置5cの入側に達したときの帯板Rの蛇行量は、マーキング部11が2番目のステアリング装置5bの出側に位置したときのマーキング部11の位置と、当該マーキング部11が3番目のステアリング装置5cの入側に達したマーキング部11の位置との差y2(x)で表すことができる。
【0029】
ここで、本発明では、実績データ等を整理することにより、蛇行量y1(x)と、蛇行量y2(x)との関係は、式(2)に示す線形式にて表すことができることを見出し、この考え方を元に、帯板Rの蛇行の制御をすることにしている。
【0030】
【数2】

【0031】
蛇行量拡大係数αは、ステアリング装置5間での蛇行量の倍率(上流側のステアリング装置5の蛇行量と、下流側のステアリング装置5の蛇行量との倍率)を示している。固有発生蛇行量βは、ステアリング装置5の間にある各炉の状態によって蛇行をしてしまう成分、炉の特有の蛇行のし易さを示すもので、例えば、支持ロールの平行度等や支持ロールの摩耗等が考えられる。
【0032】
蛇行量y1(x)及び蛇行量y2(x)の実績データを整理すると、図3に示すようになり、最小二乗法により、蛇行量拡大係数α及び固有発生蛇行量βは求めることができる。なお、蛇行量拡大係数α及び固有発生蛇行量βを求めるにあたって、用いる実績データを、帯板Rの幅、帯板Rの板厚、鋼種などに適切に分類して、それぞれを同定することによって精度良く、蛇行量拡大係数α及び固有発生蛇行量βを求めることができる。
【0033】
なお、蛇行量y1(x)は、マーキング部11が2番目のステアリング装置5bの入側を通過したときにセンサ10により、マーキング部11を計測して計算することができ、式(2)を用いれば、マーキング部11が2番目のステアリング装置5bに達した時点にて、当該マーキング部11が3番目のステアリング装置5cに達した場合の蛇行量y2(x)を予測することができる。
【0034】
このように、マーキング部11が3番目のステアリング装置5cに達した場合の蛇行量y2(x)が予測できれば、この蛇行量y2(x)を基づいて、2番目のステアリング装置5bを制御することにより帯板Rの蛇行を修正することができる。
次に、帯板Rの蛇行量を用いた帯板Rの位置(幅方向の板位置)について説明する。
各ステアリング装置5での入側の板位置を順に、Y1,in、Y2,in、Y3,inとすると、3番目のステアリング装置5cの入側の板位置Y3,inは、式(3)に示すことができる。なお、Y’1,in、Y’2,in、Y’3,inは、各ステアリング装置5での予測板位置である。
【0035】
【数3】

【0036】
2は、2番目のステアリング装置5bにおける板修正量であり、y’2(x)は、式(2)により求めた、2番目のステアリング装置5bにおける蛇行量(予測蛇行量)である。ここで、幅方向の板位置とは、支持ロールの長手方向中央部を基準として、この中央部から帯板Rの幅方向中央部が、板幅方向(支持ロールの長手方向)にどの程度離れているかを示すもので、図2の紙面上側が+方向、紙面下側が−方向となる。例えば、板位置が0ということは、帯板Rの幅方向中央部と、支持ロールの長手方向中央部とが一致しているということである。
【0037】
ここで、3番目のステアリング装置5cにおける帯板Rの中心部を支持ロールの中央部にするには、3番目のステアリング装置5cにおける板位置Y3,in(予測板位置Y’3,in)=0として、2番目のステアリング装置5bにおける板位置の修正量(板修正量)c2を求め、この板位置の修正量c2に応じて2番目のステアリング装置5bを揺動させることによって、帯板Rの蛇行を修正することができる。式(3)により予測した予測蛇行量と、実績蛇行量とをまとめると図4に示す結果となった。
【0038】
以上、帯板Rの蛇行の修正をまとめると、本発明では、マーキング部11が上流側のステアリング装置5を通過したときの位置と、マーキング部11が下流側のステアリング装置5を通過したときの位置との差である蛇行量[y1(x)、y2(x)]を、マーキング部11が幅方向に移動したという情報とし、上流側のステアリング装置5での蛇行量[y1(x)]に、蛇行量拡大係数αを乗じると共に、ステアリング装置5間にある各炉の固有の値である固有発生蛇行量βを足すことにより計算される値を、マーキング部11が下流側のステアリング装置5に到達したときの予測蛇行量[y2 ’(x)]とし、予測蛇行量[y2 ’(x)]を用いて、帯板Rの蛇行が発生する前に上流側のステアリング装置5を制御して帯板Rの蛇行を修正している。
【0039】
よって、上流側のステアリング装置5にあるマーキング部11が、下流側のステアリング装置5に達したときの蛇行量(予測蛇行量)、即ち、マーキング部11における将来に発生する蛇行量を適切に求めることができたため、将来の蛇行量に基づいてステアリング装置5を操作すれば、帯板Rの蛇行をステアリング装置5にて簡単に修正することができる。
【0040】
さて、上記の説明では、仮想的に設定した1つのマーキング部11が、ステアリング装置5に移動したときの蛇行量を求め、この蛇行量を用いて帯板Rの蛇行を制御している。ここで、連続的に帯板Rの蛇行を制御するためには、複数のマーキング部11を用いることが必要である。
図5は、複数のマーキング部11を仮想的に設定した場合を示したものである。
【0041】
図5に示すように、帯板Rには、搬送方向の所定の間隔にて仮想的に複数のマーキング部11の位置(x1,x2、x3・・・xn)が設定されている。これらマーキング部11の位置は、制御装置12に記憶されている。帯板Rの蛇行の修正を行うには、i番目のマーキング部11が1番目のステアリング装置5aから2番目のステアリング装置5bの間を通過する際での予測蛇行量y’1(xi)を制御装置12によって計算すると共に、予測蛇行量y’2(xi)及び2番目のステアリング装置5bの入側の板位置を用いて、3番目のステアリング装置5cの予測板位置を求め、この予測板位置より2番目のステアリング装置5bにおける修正量c2を求める。この修正量c2を用いて2番目のステアリング装置5bを動作させる。そして、i+1番目のマーキング部11が1番目のステアリング装置5aから2番目のステアリング装置5bの間を通過すると、i番目のマーキング部11にて処理を行ったときと同様に、i+1番目のマーキング部11についても処理を行い(修正量c2を更新する)、2番目のステアリング装置5bを動作させる。
【0042】
さて、各ステアリング装置5には、1つのステアリング装置5にて板位置を修正する修正量の限界値、即ち、最大修正量が存在する。帯板Rの蛇行の修正を行う際に、予測蛇行量yから求めた修正量が最大修正量を超えて単一のステアリング装置5にて修正が行えない場合には、複数のステアリング装置5にて帯板Rの修正を行うことにしている。
図6は、4つのステアリング装置5を平面視したものである。マーキング部11が1番目のステアリング装置5aの入側に達したときの、2番目のステアリング装置5b〜4番目のステアリング装置5dにおける入側の予測板位置Y’n,in(n=2,3,4)は、式(4)〜式(6)のように計算することができる。
【0043】
【数4】

【0044】
また、マーキング部11が2番目のステアリング装置5bの入側に達したときの、3番目のステアリング装置5c、4番目のステアリング装置5における入側の予測板位置Y’n,in(n=3,4)は、式(7)〜式(8)のように計算することができる。
【0045】
【数5】

【0046】
さらに、マーキング部11が3番目のステアリング装置5cの入側に達したときの、4番目のステアリング装置5における入側の予測板位置Y’n,in(n=4)は、式(9)のように計算することができる。
【0047】
【数6】

【0048】
そして、上述したように、マーキング部11の各ポジションにおける入側の予測板位置Y’n,inを用いて、各ステアリング装置5における修正量cを求める。
図7を用いて各ステアリング装置5における修正量cを求める方法について説明する。図7は、マーキング部11が1番目のステアリング装置5aに到達したときの動作である。
【0049】
マーキング部11が1番目のステアリング装置5aの入側に来たとき(S1)、まず、式(4)にて|Y’2,in|が最小となるように、1番目のステアリング装置5aでの修正量c1を求める(S2)。ここで、1番目のステアリング装置5aでの修正量c1が、1番目のステアリング装置5aにおける最大修正量を超えた場合には、修正量c1を最大修正量とする。
【0050】
1番目のステアリング装置5aにおける修正量c1を最大修正量としても、|Y’2,in|が許容値を超える場合(S3、No)、ライン速度を落とす(帯板Rの搬送速度を低下させる)S4と共に、ステアリング装置5にて蛇行制御を行うことが限界であることを表す警報を作動させる(S5)。
|Y’2,in|が許容値以下の場合(S3、Yes)、1番目のステアリング装置5aにおける修正量c1を式(5)に代入して、|Y’3,in|が最小となるように、2番目のステアリング装置5bでの修正量c2を求める(S6)。|Y’3,in|が許容値を超える場合(S7、No)、|Y’3,in|が最小となるように、2番目のステアリング装置5bにおける修正量c2を最大修正量とした上で1番目のステアリング装置5aにおける修正量c1を再計算する(S8)。1番目及び2番目のステアリング装置5bにおける修正量c1、c2が最大修正量としても、|Y’2,in|が許容値を超える場合(S9、No)、ライン速度を落とすと共に、警報を作動させる。
【0051】
|Y’3,in|が許容値以下の場合(S7、Yes)、1番目のステアリング装置5aにおける修正量c1、2番目のステアリング装置5bにおける修正量c2を式(6)に代入して、|Y’4,in|が最小となるように、3番目のステアリング装置5cでの修正量c3を求める(S10)。|Y’4,in|が許容値を超える場合(S11、No)、|Y’4,in|が最小となるように、3番目のステアリング装置5cにおける修正量c3を最大修正量とした上で2番目のステアリング装置5bにおける修正量c2を再計算する(S12)。2番目、3番目のステアリング装置5cにおける修正量c2、c3を最大修正量としても、|Y’4,in|が許容値を超える場合(S13、No)、|Y’4,in|が最小となるように、2番目及び3番目のステアリング装置5cにおける修正量c2、c3を最大修正量とした上で1番目のステアリング装置5aにおける修正量c1を再計算する(S14)。1番目〜3番目のステアリング装置5cにおける修正量c1、c2、c3が最大修正量としても、|Y’4,in|が許容値を超える場合(S15、No)、ライン速度を落とすと共に、警報を作動させる。
【0052】
|Y’4,in|が許容値以下の場合(S11、yes、S15、Yes)、1番目〜3番目のステアリング装置5cにおける修正量c1、c2、c3を決定する(S16)。
そして、マーキング部11が1番目のステアリング装置5aに到達したときは、ステアリング装置5における修正量c1に応じて、ステアリング装置5aを動作させる(S17)。
【0053】
帯板Rの蛇行制御を終了するか否かを決定し(S18)、蛇行制御を続ける場合は、S1に戻り制御を繰り返す。
図7の説明では、マーキング部11が1番目のステアリング装置5aに到達したときの動作を説明している、マーキング部11が2番目のステアリング装置5bに到達したときの動作も、マーキング部11が3番目のステアリング装置5cに到達したときの動作も同じ計算手順にて制御を行う。つまり、マーキング部11が2番目のステアリング装置5bに到達したときは、式(7)及び式(8)を用いて、ステアリング装置5における修正量c2、c3を決定し、マーキング部11が3番目のステアリング装置5cに到達したときは、式(9)を用いて、ステアリング装置5における修正量c3を決定する。
【0054】
次に、図8を用いて各ステアリング装置5における修正量cを求める他の方法について説明する。この方法においては、式(10)に示すような目的関数が最小となるように、ステアリング装置5の修正量を求め、この修正量に基づいて、ステアリング装置5を制御している。
【0055】
【数7】

【0056】
なお、式(10)に示す目的関数は、ステアリング装置5における帯板Rの位置(板位置)が支持ロールの中央部に来るように定めたものである。ただし、式(10)を計算するに際して、ステアリング装置5の出側において帯板Rが炉壁(ステアリング装置5の両側にある壁)に衝突せず、且つ、ステアリング装置5の最大修正量を超えないように、式(11)及び式(12)に示す制約条件を定めた。
【0057】
式(10)に示すWY,nは、蛇行が発生しやすいステアリング装置5がある場合に、そのステアリング装置5における蛇行の修正を重視することを示す重みである。例えば、3番目のステアリング装置5cの入側における板位置を重視して、出来る限り帯板Rの中心部が支持ロール4の中心部に近づくように蛇行を修正したい場合、WY,1=1、WY,2=1.2、WY,3=1.8、WY,4=1.5になるように指定する。
【0058】
式(10)に示すWc,mは、複数のステアリング装置5の修正量の割り振りを決定するための重みである。例えば、ステアリング装置5の下流側の蛇行を主に重視して修正するためには、下流側のステアリング装置5の修正量c3を小さくし、出来る限り、上流側のステアリング装置5の修正量c1を大きくすることになり、その場合、Wc,1=1、Wc,2=1.2、Wc,3=1.8になるように指定する。
【0059】
マーキング部11がステアリング装置5の入側に達したときの帯板Rの板位置Yn,inを検出する。(S20)そして、蛇行量y(x)を計算する(S21)。また、予測蛇行量y’(x)を計算する(S22)。予測蛇行量Y’(x)及び板位置Yn,inを用いて、ステアリング装置5における修正量cnを求めると共に、帯板Rの予測板位置Y’n,inを求める(S23、S24)。以上の計算結果を基に、式(10)の目的関数を最小とするステアリング装置5の修正量を求める(S25)。修正量に基づいてステアリング装置5を制御し(S26)、帯板Rの蛇行制御を終了するか否かを決定し(S27)、蛇行制御を続ける場合は、S20に戻り制御を繰り返す。
【0060】
上述した方法によって、精度よい帯板Rの蛇行制御を行うことができるが、さらに、精度良く蛇行制御を行う場合には、予測蛇行量の精度を向上させることが好ましい。以下、予測蛇行量の精度を向上させる方法を説明する。
予測蛇行量の計算は、式(2)により求めているが、これに代え、式(13)により予測蛇行量を求め、当該予測蛇行量の精度を向上させることが好ましい。
【0061】
【数8】

【0062】
式(13)に示すように、この蛇行量を求める式では、蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量βの他に、ステアリング装置5の間に支持された支持ロール4でのロールクラウン蛇行修正係数γを用いている。つまり、式(13)に示すように蛇行量を求めるに際しては、ステアリング装置5の出側における板位置(Ynout)にロールクラウン蛇行修正係数γを掛けた値を予測蛇行量(蛇行量)に加えるものとしている。ロールクラウンは、一般的に帯板Rが支持ロールの端側にあったときに、板位置を支持ロールの中央側に修正する効果があるため、ロールクラウン蛇行修正係数γによりその効果を考慮することによって蛇行量の精度がより向上する。蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γは、実績データを最小二乗法により整理することにより求めることができる。なお、蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γを求めるにあたって、用いる実績データを、帯板Rの幅、帯板Rの板厚、鋼種などに適切に分類して、それぞれを同定することによって精度良く、蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γを求めることができる。
【0063】
この場合、修正量は、式(4)〜式(9)に式(13)を代入し、代入した式を用いて計算することになる。例えば、マーキング部11が、図6に示した3番目のステアリング装置5cに到達したときの帯板Rの予測板位置Y’3、inは、式(6)及び式(13)により、式(14)に示すような式により計算することができる。
【0064】
【数9】

【0065】
以上のように、ロールクラウン蛇行修正係数γを用いれば、蛇行量(予測蛇行量)を精度良く求めることができ、精度良い蛇行量(予測蛇行量)を制御に適用することができる。
予測蛇行量y’と実績蛇行量yとの間で、大きさ差が生じる可能性もある。本発明では、予測蛇行量y’と実績蛇行量yとの差を予測誤差eとして計算して、予測誤差eに基づいて帯板Rの制御を行うことにしている。
【0066】
つまり、帯板Rを搬送している状況において、予測蛇行量y’と実績蛇行量yとの差である予測誤差eを逐次計算し、この予測誤差eが許容値を超えた場合は、予測に用いる蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γを再計算する。例えば、過去の実績データを用いて蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γを計算し制御を行っている状況下にて、予測蛇行量y’と実績蛇行量yとの差が大きくなっている場合には、予測誤差eが小さくなるように、直前の実績データ(現在運転中のコイルの実績データ)を用いて、蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γを再計算(再同定)し、再計算した値の蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β及びロールクラウン蛇行修正係数γを、帯板Rの修正に用いる。
【0067】
また、予測誤差eが急激に増加した場合や増加傾向にある場合は、自動的にライン速度を落として警報を作動させ、オペレータに知らせる。なお、予測誤差eが急激に増加したかどうかの判断は、各マーキング部11に対応する予測誤差eの差分が許容値を超えたか否かで判断する。
図9に示すように、マーキング部11がステアリング装置5の入側に達したときの帯板Rの板位置を検出する(S30)。そして、蛇行量y(x)を計算する(S31)。また、予測蛇行量y’(x)を計算すると共に、実績蛇行量を計算する(S32、S33)。予測誤差を計算する(S34)。予測誤差eが許容値以下であれば(S35、Yes)、ステアリング装置5の修正量を求め、この修正量に基づいて帯板Rの修正を行う(S36、S37)。予測誤差eの差分値が許容値以下ない場合(S38、No)、パラメータ修正が追従できないとしてライン速度を低下させると共に、警報を作動させる(S39、S40)。帯板Rの蛇行制御を終了するか否かを決定し(S41)、蛇行制御を続ける場合は、S30に戻り制御を繰り返す。
【0068】
予測測誤差eの差分値が許容値以下である場合(S38、Yes)、誤差(予測誤差)が小さくなるように、蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γの計算を直近のデータを用いてやり直す(S42)。
このように、予測誤差eを用いて、蛇行量拡大係数α、固有発生蛇行量β、ロールクラウン蛇行修正係数γをやり直すことにより、予測蛇行量の信頼性を向上させることができると共に、ステアリング装置5の設備状況の変化(例えば、経年変化)にも対応することができる。
【0069】
以上、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
1 連続焼鈍炉
2 巻出リール
3 溶接手段
4 支持ロール
5 ステアリング装置
6 支持ロール
7 フレーム
8 巻取リール
9 揺動装置
10 センサ
11 マーキング部
12 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支持ロールにより搬送されている板材の蛇行を修正可能な複数のステアリング装置と、前記ステアリング装置を制御する制御装置とを備えた板材の処理ラインにおいて、
前記制御装置は、前記板材に仮想的に設定したマーキング部が、上流側のステアリング装置から下流側のステアリング装置へと移動した際の位置ズレ情報に基づいて、上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することを特徴とする板材の処理ライン。
【請求項2】
前記制御装置においては、前記位置ズレ情報をマーキング部が上流側のステアリング装置を通過したときの位置と、マーキング部が下流側のステアリング装置を通過したときの位置との差を蛇行量とし、
この蛇行量に蛇行量拡大係数(α)を乗じると共に、ステアリング装置間にある各炉の固有の値である固有発生蛇行量(β)を足すことにより計算される値を、マーキング部が下流側のステアリング装置に到達したときの予測蛇行量とし、
前記予測蛇行量を用いて上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することを特徴とする請求項1に記載の板材の処理ライン。
【請求項3】
前記制御装置においては、ステアリング装置の出側でのマーキング部の位置に、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)を掛けた値を予測蛇行量に加えるように構成していることを特徴とする請求項2に記載の板材の処理ライン。
【請求項4】
前記制御装置は、前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が許容値を超えたときには、予想誤差が小さくなるように、蛇行量拡大係数(α)、固有発生蛇行量(β)、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)のいずれかを再計算した値を基に上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することを特徴とする請求項2又は3に記載の板材の処理ライン。
【請求項5】
前記制御装置は、前記予測蛇行量にて求めたステアリング装置の修正量が、ステアリング装置での最大修正量を超える際には、当該最大修正量を用いて板材の蛇行を修正することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の板材の処理ライン。
【請求項6】
前記制御装置は、前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が増加傾向にある場合には、板材の搬送速度を低下させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の板材の処理ライン。
【請求項7】
複数の支持ロールにより搬送されている板材の蛇行をステアリング装置を用いて板材の蛇行を修正する方法において、
前記板材に仮想的にマーキング部を設定し、このマーキング部が、上流側のステアリング装置から下流側のステアリング装置へと移動した際の位置ズレ情報に基づいて、上流側のステアリング装置を制御することによって、板材の蛇行を修正することを特徴とする板材の蛇行修正方法。
【請求項8】
前記位置ズレ情報をマーキング部が上流側のステアリング装置を通過したときの位置と、マーキング部が下流側のステアリング装置を通過したときの位置との差を蛇行量とし、この蛇行量に蛇行量拡大係数(α)を乗ずると共に、ステアリング装置間にある各炉の固有の値である固有発生蛇行量(β)を足すことにより計算される値を、マーキング部が下流側のステアリング装置に到達したときの予測蛇行量とし、前記予測蛇行量を用いて上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することを特徴とする請求項7に記載の板材の蛇行修正方法。
【請求項9】
前記ステアリング装置の出側でのマーキング部の位置に、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)を掛けた値を予測蛇行量に加えて制御することを特徴とする請求項8に記載の板材の蛇行修正方法。
【請求項10】
前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が許容値を超えたときには、予想誤差が小さくなるように、蛇行量拡大係数(α)、固有発生蛇行量(β)、支持ロールのロールクラウン蛇行修正係数(γ)のいずれかを再計算して、その値を基に上流側のステアリング装置を制御して板材の蛇行を修正することを特徴とする請求項8又は9に記載の板材の蛇行修正方法。
【請求項11】
前記予測蛇行量にて求めたステアリング装置の修正量が、ステアリング装置での最大修正量を超える際には、当該最大修正量を用いて板材の蛇行を修正することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の板材の蛇行修正方法。
【請求項12】
前記予測蛇行量と、ステアリング装置間での実績蛇行量との差を予測誤差として計算して、予測誤差が増加傾向にある場合には、板材の搬送速度を低下させることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の板材の蛇行修正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−32505(P2011−32505A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177778(P2009−177778)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】