説明

板状の工作物を切断しかつ/又は変形するための工作機械

【課題】板状の工作物のための工作機械であって、工作物支台と工具ポンチ受容部と工具ダイ受容部と工具駆動装置と複数の工具ポンチ及び複数の工具ダイとを有している形式のものを改良して、工作機械にて使用可能な工具構成形態の可能性を拡大すること。
【解決手段】昇降軸線(15)に沿って異なる高さを有する工具ヘッド(23)を有する種々の工具ポンチ(9)と、同様に昇降軸線(15)に沿って異なる高さを有する工具ヘッド(28)を有する種々の工具ダイ(11)とが設けられており、工具ポンチ受容部(8)が工具ポンチ受容部(8)に固定された工具ポンチの工具ヘッド高さに合わせられてかつ工具ダイ受容部(10)が工具ダイ受容部(10)に固定された工具ダイ(11)の工具ヘッド高さに合わせられて工具駆動装置(13,14)によって、昇降軸線(15)に沿って工作物支台(3)に対し調節可能であること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状の工作物、有利には薄板を切断しかつ/又は変形するための工作機械であって、
(イ)工作物支台と、
(ロ)工具ポンチが固定可能である工具ポンチ受容部と、
(ハ)工具ダイが固定可能である工具ダイ受容部と、
(ニ)工作物支台の上に置かれた工作物を加工するために工具ポンチ受容部と工具ダイ受容部とを昇降軸線に沿って互いに相対的に移動させる工具駆動装置と、
(ホ)工具支持台にて工作物を加工するために、選択的に固定可能である複数の工具ポンチ及び複数の工具ダイと
を有している形式のものに関する。
【0002】
この場合、工具ポンチと工具ダイとがそれぞれ1つの工具シャフトを有し、該工具シャフトにて該当する工具ポンチが工具ポンチ受容部にもしくは該当する工具ダイが工具ダイ受容部に固定可能でありかつこの場合、工具ポンチと工具ダイとにそれぞれ1つの工具ヘッドが設けられており、該工具ヘッドが昇降軸線に沿って工具シャフトに工作物側に続きかつ工具シャフトに対し少なくとも部分的に、昇降軸線に対し半径方向に拡大されている。
【背景技術】
【0003】
先に述べた形式の工作機械は有利には打抜き/変形機械の形式でフレキシブルな薄板の加工に用いられる。このような機械は種々の工作物の加工を同一の工作機械にて実施することを可能にする。例えば薄板部分をその輪郭に沿って複合薄板から切出し、加えて薄板部分を変形させることができる。
【0004】
この種の工作機械はTrumpf Werkzeugmaschinen GmbH+Co.KG社により提供された打抜き機TruPunch(R)5000により形成されている。打抜き機TruPunch(R)5000はモノ工具受容部、つまり工具ポンチと工具ダイとを有する個々の工具がそれぞれ固定されるモノ工具受容部を有している。別の工具は工具マガジン内にありかつ工作物の加工のために必要に応じてモノ工具受容部内へ交換挿入されることができる。
【0005】
モノ工具受容部は、液圧式の昇降駆動装置によって昇降可能な工具ポンチ受容部と不動の工具ダイ受容部とを有している。加工しようとする薄板を支持するためには工作物テーブルが用いられる。
【0006】
工作物の加工は、工具ポンチ受容部がこれに固定された工具ポンチと一緒に、工作物テーブルの上に支持された薄板の上へ下降され、その結果、薄板が一方では工具ポンチによりかつ他方では工具ダイにより負荷されて加工されることで行なわれる。
【0007】
打抜き機TruPunch(R)5000はきのこ形の構成形態を有している。工具受容部に固定するために工具ポンチと工具ダイとはそれぞれ1つの工具シャフトを有している。切断縁又は変形条片の形の工作物加工装置は、工具シャフトに対し半径方向に拡大された工具ヘッドを備えている。
【0008】
総じて、前記形式の工作機械のための工具を構成する場合には、工具受容部にて存在するスペース状態による著しい制限が考慮される必要がある。
【0009】
EP0417836B1号明細書には打抜きポンチ受容部と打抜きダイ受容部との両方が昇降軸線に沿って工作物テーブルに対し調節可能で、時と共に必要である打抜き工具の後研磨に基づく、昇降軸線に沿った工具全体の高さの変化が補償可能である打抜き機械が開示されている。摩耗に基づく工具高さのわずかな減少を補償するための前記調節運動にも拘らず、EP0417836B1号明細書によって公知である打抜き機械のための打抜き工具は−この種の打抜き機TruPunch(R)5000の場合と同じく−工具受容部におけるスペース状態に基づく著しい制限を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP0417836B1号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】打抜き機TruPunch(R)5000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の工作機械を改良して工作機械にて使用可能な工具の構成形態の可能性を拡大することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題は請求項1の特徴を有する工作機械において、昇降軸線に沿って異なる高さの工具ヘッドを有する種々の工具ポンチと、同様に昇降軸線に沿って異なる高さの工具ヘッドを有する種々の工具ダイとが工作物を加工するために設けられており、この場合、工具ポンチ受容部が該工具ポンチ受容部に固定された工具ポンチの工具ヘッド高さに合わせてかつ工具ダイ受容部が該工具ダイ受容部に固定された工具ダイの工具ヘッド高さに合わせて昇降軸線に沿って工具駆動装置で工作物支台に対し調節可能であることによって解決された。
【発明の効果】
【0014】
本発明による工作機械では、従来の工作機械の場合に考慮される必要のあった工具形態の制限が著しく減じられた。
【0015】
特に本発明の利点は、本発明の工作機械においては、従来の工作機械のための工具の工具ヘッドに比較して高く構成でき、したがって大きい構成スペースを有する工具ヘッドを備えた工具を使用できるにも拘らず、工具受容部の補償調節運動のおかげで、同時に従来の工作機械のための工具をも使用できることである。
【0016】
有利な形式で工具受容部の補償運動は工具駆動装置を用いて機械的に駆動されて、したがって自動的に行なわれる。
【0017】
請求項1の本発明の特別な実施形態は従属請求項2から8までに記載してある。
【0018】
請求項2に記載されている有利な実施形態では、工具ポンチ受容部は工具ポンチ受容部における工具ヘッド高さに合わせて、工作物の加工にとって重要な位置に昇降軸線に沿って調節可能である。この場合にはきわめて異なる高さの工具ヘッドを使用するにも拘らず、支障のない工作物の加工が保証される。
【0019】
相応する利点を請求項3の実施形態も有している。この実施形態においては、工具ダイ受容部が工作物の加工にとって重要な位置へ昇降軸線に沿って調節可能である。
【0020】
本発明の特に有利な実施形態(請求項4)によれば、工具ダイ受容部は、工具ダイを交換のために挿入するために、工具駆動装置によって昇降軸線に沿って工具交換位置へ調節可能でありかつ工具ダイ受容部は、工具交換位置から、工具ダイ受容部において固定された工具ダイの工具ヘッド高さに合わせられて、工具駆動装置を用いて、昇降軸線に沿って、工作物支台から離れる方向に調節可能である。
【0021】
従来の工作機械に使用するためには工具ダイの工具ヘッドは、工具ダイ受容部の工具交換位置にて工作物支台の下側に配置されるように構成されていなければならない。何故ならば工作物支台の上方に突出する工具ダイは工作物支台に沿った工作物の位置決めを妨げるからである。
【0022】
本発明の工作機械においては前述の大きさの制限は必要ではなくなる。この場合には、工具ダイ受容部の工具交換位置にて工作物支台の上へ昇降軸線に沿って突出する工具ヘッドを有する工具ダイ受容部が使用可能である。このような工具ダイが交換のために挿入された後で、工具ダイ受容部は、工具ダイの工具ヘッドがもはや工作物支台の上方へ突出しなくなるまで、後続の工作物加工のために工具ダイの工具ヘッドの高さに合わせて、昇降軸線に沿って下降可能である。
【0023】
請求項5によれば工具ポンチ受容部の駆動装置と工具ダイ受容部の駆動装置とは互いに連結遮断されている。したがって工具ポンチと工具ダイとの工具ヘッドが大きな範囲内で互いに無関係に構成されていることのできる工作機械が得られる。
【0024】
請求項6の工作機械は、操作性が簡易化された点で優れている。この場合には本発明による補償運動は数値的な制御ユニットに記憶された工具データから求められかつ制御されることができる。
【0025】
請求項7によれば、本発明による工作機械の工作物の加工装置は異なる高さの工具ヘッドに設けられている。このような形式で加工装置を支承するために与えられ得る構成空間は各工具個別に選択され得ることができる。特に構成空間は従来の工作機械のための工具に対し拡大され、これにより付加的に与えられる構成空間は工具安定性を高めるために利用することができる。又、付加的な構成空間は付加的な工具エレメントのために用いられることもできる。加工装置が変形条片又は切断縁の形状に構成されていることは、本発明の工作機械を実地において使用するために特に有利である。
【0026】
これに従って本発明による工作機械の工具を打抜き工具又は変形工具として構成すること(請求項8)にも実地において特別な意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】薄板を切断しかつ/又は変形するための工作機械を示した図。
【図2】図1の工作機械の変形工具を示した図。
【図3】図1の工作機械の工具受容部における工作物の加工状態を、第1の構造形式の工具を用いた場合と、第2の構造形式の工具を用いた場合とを比較して示した図。
【図4】図1の工作機械の工具受容部における工作物の加工状態を、第1の構造形式の工具を用いた場合と、第2の構造形式の工具を用いた場合とを比較して示した図。
【図5】図1の工作機械の工具受容部における工作物の加工状態を、第1の構造形式の工具を用いた場合と、第2の構造形式の工具を用いた場合とを比較して示した図。
【図6】図1の工作機械の工具受容部における工作物の加工状態を、第1の構造形式の工具を用いた場合と、第2の構造形式の工具を用いた場合とを比較して示した図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を概略的な図示に基づき詳細に説明する。
【0029】
図1には板状の工作物を切断しかつ/又は変形する工作機械が、薄板を加工するための打抜き/変形機械1の形で示されている。打抜き/変形機械1はC字形の機械フレーム2を有している。この機械フレーム2の空所には工作物テーブル3として構成された工作物支台が配置されている。この工作物支台は加工しようとする薄板4を支持するために役立つ。工作物テーブル3はその上側に加工しようとする薄板4のための水平な支持面5を形成している。この支持面5は図1に示した座標系のX/Y平面に対し平行に延びている。横座標ガイド6によっては緊定トング7によって緊定された薄板4が工作物テーブル3の支持面5にて移動可能である。
【0030】
C字形の機械フレーム2の上側の脚部の前方の端部には工具ポンチ受容部8が配置され、この工具ポンチ受容部8には工具ポンチ9が固定されている。さらにC字形の機械フレーム2の下側の脚部の前方端部には工具ダイ受容部10が設けられている。この工具ダイ受容部10には工具ダイ11が固定されている。工具ポンチ9と工具ダイ11は工具12を形成している。
【0031】
打抜き/変形機械1の工具駆動装置は工具ポンチ駆動装置13と工具ダイ駆動装置14とから形成されている。工具ポンチ駆動装置13によっては工具ポンチ受容部8がそれに固定された工具ポンチ9と一緒に昇降軸線15に沿って工作物テーブル3に対し昇降可能である。比較可能な形式で工具ダイ受容部10はそれに固定された工具ダイ11と一緒に工具ダイ駆動装置14によって昇降軸線15に沿って工作物テーブル3に対して昇降可能である。
【0032】
さらに工具ポンチ受容部8と工具ダイ受容部10とは図示されていない工具回転駆動装置を用いて昇降軸線15と合致する工具回転軸線16を中心として回転調節可能である。
【0033】
横座標ガイド6には別の工具12を有するリニアマガジン17が設けられている。リニアマガジン17内にある工具12はそれぞれ工具カセット18により保持され、それぞれ必要に応じて工作物を加工するために工具ポンチ受容部8と工具ダイ受容部10とに固定可能である。
【0034】
工具受容部8,10に固定された工具12をリニアマガジン17に配置された工具12と交換するためには、工具ポンチ受容部8と工具ダイ受容部10とはまず、昇降軸線15に沿って工具交換位置へ移動させられる。次いでリニアマガジン17の空の工具カセット18が横座標ガイド6によって側方へ工具受容部8,10へ動かされる。この場合、工具カセット18の保持アームは工具ポンチ9と工具ダイ11とを周囲から囲む。工具カセット18の保持アームが工具ポンチ9と工具ダイ11とを不動に掴むと、工具12は工具ポンチ受容部8と工具ダイ受容部10とから解放される。いまや、工具12は横座標ガイド6によって横方向に工具受容部8,10から押出される。次いで交換に際して挿入しようとする工具12が同様に横座標ガイド6によって工具受容部8,10に搬送されかつそこに緊定される。
【0035】
工具の交換と工作物の加工とに際しては、打抜き/変形機械1の全駆動装置は数値的な制御ユニット19によって制御される。数値的な制御ユニット19は工具ポンチ受容部8の昇降運動と工具ダイ受容部10の昇降運動とを記憶された工具データをベースとして決定しかつ制御するために、工具データを記憶するための記憶手段20と制御手段21とを有している。
【0036】
図2には例として、いわゆるCardguide−工具の形式の打抜き/変形機械1の工具12が示されている。昇降軸線15に沿った工具ポンチ9と工具ダイ11との図示の相対的な配置は、工具ポンチ9と工具ダイ11とが打抜き/変形機械1の工具受容部8,10に固定されているときの相互配置に相応している。
【0037】
工具ポンチ9は昇降軸線15に沿って延在する工具シャフト22を有している。この工具シャフト22にて工具ポンチ9は工具ポンチ受容部8に固定可能であるか緊定可能である。
【0038】
工具ヘッド23は工具シャフト22に、昇降軸線15に沿って続き、工具シャフト22に対し半径方向で拡大されている。工具ヘッド23の、工作物に向いた側(下側)には、変形条片24の形をした加工装置が設けられている。工具ヘッド23は工作物とは反対側に支持面25を有し、この支持面25に工具ポンチ9は昇降軸線15に沿って工具ポンチ受容部8に支えられる。工具ヘッド23の高さは支持面25と変形条片24の下縁もしくは下面との間の間隔に相応している。
【0039】
工具ダイ11は同様に工具ダイ11を工具ダイ受容部10に固定するための工具シャフト26を有している。工具ダイ11を昇降軸線15に沿って支えるためには工具シャフト26の下面における支持面27が用いられる。
【0040】
工作物側にかつ昇降軸線15に沿って工具シャフト26に続いて、工具ダイ11には皿形の工具ヘッド28が設けられている。この工具ヘッド28は部分的に昇降軸線15に対し半径方向で、工具シャフト26に対し拡大され、工具ヘッド28には加工装置として2つの変形条片29が設けられている。工具ヘッド28の高さは工具ヘッド28の下面30と変形条片29の最上縁もしくは最上面との間の間隔として決定されている。
【0041】
図1の打抜き/変形機械1のリニアマガジン17に配置された他の工具12は、工具ヘッド23,28の構成形態で図2に示された工具12とは異なっている。特に種々異なる高さの工具ヘッド23を有する種々の工具ポンチ9と、種々異なる高さの工具ヘッド28を有する種々の工具ダイ11とが設けられている。工具ポンチ9と工具ダイ11との工具シャフト22,26はそれぞれ構成的に統一的に構成されている。
【0042】
種々の工具12をリニアマガジン17に保持するためには、工具カセット18は2つの異なる構成寸法で設けられている。この構成寸法は工具カセット18内に保持された工具ポンチ9と工具ダイ11とが昇降軸線15に沿って互いに成す間隔によってのみ異なっている。
【0043】
以下、工作物を加工する間の打抜き/変形機械1の工具受容部8,10における関係を図3から6までに基づき説明する。図3から6までの左側には第1の構成形式の工具12を用いて、工作物の加工に際しての関係が示されている。これと比較するため図3から6までの右側には第2の構成形式の工具12′を用いた工作物の加工に際しての関係が示されている。左側の工具は昇降軸線15に沿って、右側の工具12よりもはっきりと低い工具ヘッド23,28を有している。両方の工具12,12′は変形部を形成するため用いられる。
【0044】
図3においては工具12,12′を交換した直後の状態が示されている。工具ポンチ受容部8と工具ダイ受容部10とは昇降軸線15に沿って工具交換位置を占めている。
【0045】
工具ダイ受容部10の工具交換位置は両方の工具12,12′にとって−他の全部の工具にとっても−同じである。何故ならばリニアマガジン17においてはすべての工具ダイ11の下面(支持面27)は昇降軸線15に沿って同じ高さに配置されているからである。この合致する水平位置を工具ダイ11は工具ダイ受容部10へ側方へ交換する場合も維持する。
【0046】
しかし、工具ポンチ受容部8の工具交換位置は互いに異なっている。図3の左側では工具ポンチ受容部8は右側におけるよりも深く昇降軸線15に沿って下降させられている。工具ポンチ受容部8の異なる工具交換位置の理由は左側の工具12がリニアマガジン17にて右側の工具12′よりも低い工具カセット18で保持されていることにある。図3の左側に示された工具ポンチ9はしたがって、昇降軸線15に沿って、図1の右側の工具ポンチよりも昇降軸線15に沿って低く配置されている。昇降軸線15に沿った異なる位置は、工具ポンチ受容部8内に工具ポンチ9を交換する場合に、工具ポンチ受容部8の異なる工具交換位置によって考慮されなければならない。
【0047】
いずれにしても図3からは、図3の左側の工具ダイ11は交換直後に完全に工作物テーブル3の支持面5の下に配置されているのに対し、図3の右側の工具12′の場合には工具ダイ11の工具ヘッド28は昇降軸線15に沿って工作物テーブル3の支持面5の上へ突出していることが明らかである。
【0048】
図3に示された状態から出発して工具ダイ受容部10は緊定された工具ヘッド28の高さに合わせられて種々異なる出発状態に下降させられる。さらに工具ポンチ受容部8は緊定された工具ヘッド23の高さに合わせられて種々異なる作業位置に下降させられる。この作業位置にて工具ヘッド23は、加工しようとする薄板4の上面に配置される(図5)。
【0049】
図6には工具ダイ受容部10が行程出発状態から発して実施された作業行程が終了した後の状態が示されている。工具ダイ受容部10は工具ヘッド28の高さに応じて異なる行程終端状態を占める。
【0050】
工作物を変形する図示の工具12,12′とは選択的に又はこれを補完して、打抜き/変形機械1では打抜き工具を使用することができる。同様に、作業行程が工具ポンチ受容部8によって実施されかつ工具ダイ受容部10が工作物の加工に際して作業基本位置を占めるように構成された工具が設けられていることもできる。
【0051】
打抜き/変形機械1の数値的な制御ユニット19の記憶手段20内には、リニアマガジン内に装備された工具12に関する工具データが記憶されている。該工具データは工具ポンチ受容部8と工具ダイ受容部10との必要な位置を求めることを可能にする。例えば記憶手段20には種々異なる工具ポンチ9と種々異なる工具ダイ11の工具ヘッド又は少なくとも工具ヘッドに関連した工具データが記憶される。
【符号の説明】
【0052】
1 打抜き/変形機械、 2 機械フレーム、 3 工作物テーブル、 4 薄板、 5 支持面、 6 横座標ガイド、 7 緊定トング、 8 工具ポンチ受容部、 9 工具ポンチ、 10 工具ダイ受容部、 11 工具ダイ、 12 工具、 13 工具ポンチ駆動装置、 14 工具ダイ駆動装置、 15 昇降軸線、 16 工具回転軸線、 17 リニアマガジン、 18 工具カセット、 19 制御ユニット、 20 記憶手段、 21 制御手段、 22 工具シャフト、 23 工具ヘッド、 24 変形条片、 25 支持面、 26 工具シャフト、 27 支持面、 28 工具ヘッド、 29 変形条片、 30 下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の工作物、有利には薄板を切断しかつ/又は変形するための工作機械であって、
(イ)工作物支台(3)と、
(ロ)工具ポンチ(9)が固定可能である工具ポンチ受容部(8)と、
(ハ)工具ダイ(11)が固定可能である工具ダイ受容部(10)と、
(ニ)工作物支台(3)の上に置かれた工作物(4)を加工するために工具ポンチ受容部(8)と工具ダイ受容部(10)とを昇降軸線(15)に沿って互いに相対的に移動させる工具駆動装置(13,14)と、
(ホ)工具支持台(3)にて工作物(4)を加工するために、選択的に固定可能である複数の工具ポンチ(9)及び複数の工具ダイ(11)と
を有しており、この場合、工具ポンチ(9)と工具ダイ(11)とがそれぞれ1つの工具シャフト(22)を有し、該工具シャフト(22)にて該当する工具ポンチ(9)が工具ポンチ受容部(8)にもしくは該当する工具ダイ(11)が工具ダイ受容部(10)に固定可能でありかつ、工具ポンチ(9)と工具ダイ(11)とにそれぞれ1つの工具ヘッド(23,28)が設けられており、該工具ヘッド(23,28)が昇降軸線(15)に沿って工具シャフト(22)に工作物側に続きかつ工具シャフト(22)に対し少なくとも部分的に、昇降軸線(15)に対し半径方向に拡大されている形式のものにおいて、
昇降軸線(15)に沿って異なる高さを有する工具ヘッド(23)を有する種々の工具ポンチ(9)と、同様に昇降軸線(15)に沿って異なる高さを有する工具ヘッド(28)を有する種々の工具ダイ(11)とが設けられており、工具ポンチ受容部(8)が工具ポンチ受容部(8)に固定された工具ポンチの工具ヘッド高さに合わせられてかつ工具ダイ受容部(10)が工具ダイ受容部(10)に固定された工具ダイ(11)の工具ヘッド高さに合わせられて工具駆動装置(13,14)によって、昇降軸線(15)に沿って工作物支台(3)に対し調節可能であることを特徴とする、
板状の工作物を切断しかつ/又は変形するための工作機械。
【請求項2】
工具ポンチ受容部(8)が工具駆動装置(13,14)によって、工具ポンチ受容部(8)に固定された工具ヘッド(23)の高さに合わせて昇降軸線(15)に沿って工作物支台(3)に対し、工具ポンチ受容部(8)が工作物を加工するための作業行程を開始する行程出発状態にかつ/又は工具ポンチ受容部(8)が作業行程を終了する行程終了状態にかつ/又は工作物を加工する間、工具ポンチ受容部(8)が留まる作業基本位置へ調節可能である、請求項1記載の工作機械。
【請求項3】
工具ダイ受容部(10)が工具駆動装置(13,14)で、工具ダイ受容部(10)に固定された工具ダイ(11)の工具ヘッド(28)の高さに合わせられて、昇降軸線(15)に沿って工作物支台(3)に対し、工具ダイ受容部(10)が工作物を加工するための作業行程を開始する行程出発状態にかつ/又は工具ダイ受容部(10)の作業行程が終了する行程終了状態にかつ/又は工作物を加工する間工具ポンチ受容部(8)が留まる作業位置に調節可能である、請求項1又は2記載の工作機械。
【請求項4】
工具ダイ受容部(10)が工具ダイ(11)を交換に際して挿入するために、工具駆動装置(13,14)を用いて昇降軸線(15)に沿って工具交換位置へ調節可能であり、工具ダイ受容部(10)が工具交換位置から工具ダイ受容部(10)に固定された工具ダイ(11)の工具ヘッドに合わせられて工具駆動装置(13,14)で昇降軸線(15)に沿って工作物支台(3)から離れるように調節可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載の工作機械。
【請求項5】
工具駆動装置(13,14)が工具ポンチ受容部(8)に対応配置された工具ポンチ駆動装置と、工具ダイ受容部(10)に対応配置された工具ダイ駆動装置とを有しており、該工具ポンチ駆動装置と工具ダイ駆動装置とにより、工具ポンチ受容部(8)と工具ダイ受容部(10)とが互いに遮断されて、昇降軸線(15)に沿って工作物支台(3)に対し調節可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の工作機械。
【請求項6】
数値的な制御ユニット(19)が設けられており、該制御ユニット(19)が数値的な制御ユニットに記憶された、工具ポンチ受容部(8)に固定された工具ポンチの工具データに基づき工具ポンチ受容部(8)の調節運動を制御するための制御手段(21)を有し、かつ数値的な制御ユニット(19)が制御ユニットに記憶された、工具ダイ受容部(10)に固定された工具ダイ(11)の工具データに基づき工具ダイ受容部(10)の調節運動を制御する制御手段(21)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の工作機械。
【請求項7】
工具ポンチ(9)と工具ダイ(11)との高さの異なる工具ヘッド(23,28)の工作物側に加工装置、特に変形条片(24,29)又は切断縁が設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の工作機械。
【請求項8】
工具ポンチ(9)と工具ダイ(11)とが互いに対を成して工具(12)として対応配置されており、少なくとも1つの工具(12)が打抜き工具及び/又は変形工具として構成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の工作機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−195985(P2009−195985A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36514(P2009−36514)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(502300646)トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (76)
【氏名又は名称原語表記】Trumpf Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
【住所又は居所原語表記】Johann−Maus−Strasse 2,D−71254 Ditzingen,Germany
【Fターム(参考)】