説明

板状材料搬送用ローラー

【課題】シャフト周面とロールの軸装通孔の内面との間に螺子の先端部の締圧による拡がり空間が発生せず、ローラー偏心回転が生じず、また螺子の頭部の飛び出しが無く、回転するローラーの搬送面が安定し、搬送材料のキズや汚れなどの不良品の発生原因を解消することができる板状材料搬送用ローラーを提供する。
【解決手段】回転軸シャフト1と該シャフト1に装通固定されるローラーAとからなり、該ローラーAは、軸装通孔2aを有するドーナツ状のロール部2と、第1テーパー筒部3と、第2テーパー筒部4とから構成され、シャフト1にその両端から装通した第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら第1テーパー筒部3の螺子部3eと第2テーパー筒部4の螺子部4dとを螺着し、ロール部2をその両端面にて挟持して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密部品の製造において使用されるガラス基板等の板状材料を搬送するための板状材料搬送用ローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス基板をベースとする精密部品の製造や、液晶テレビやプラズマテレビのディスプレイ製品の製造等において、それら製品をコンベアにて搬送する生産工程においては、一般的に、図1に示すような搬送コンベアが、その工程間の製品の搬送に使用されている。
【0003】
このような製品の搬送に使用される搬送コンベアとしては、回転軸シャフトにその回転中心を整合させて1個乃至複数個のローラーを取り付けたローラーコンベア方式の搬送ローラーがあり、回転軸にローラーを組み込み固定する方式としては、止め螺子固定方式、圧入固定方式、テーパー固定方式の三通りがある。
【0004】
止め螺子固定方式の搬送ローラーとしては、例えば特許文献1に公開する搬送用ローラーがあり、同文献1の図1〜図3に示すように、ローラー9をシャフト4に固定するためのシャフト固定部位10を基板に接触しない部位に設け、ローラー9とシャフト固定部位10を樹脂材料により一体成形して、シャフト4をローラー9及びシャフト固定部位10に装通し、シャフト固定部位10の螺子孔にボルト11を螺着してシャフト4に固定した搬送ローラーがある。
【0005】
また、他の止め螺子固定方式の搬送ローラーとしては、図6(a)の搬送ローラー正面図及び図6(b)の側断面図に示すように、金属製の回転軸シャフト21と、その回転中心部に軸装通孔21aを備えた金属製のローラー22とからなり、ローラー22は、共通の軸装通孔21aを備えた同心円状のロール部23とそれより小径のブラケット部24(固定部)とにより構成され、ブラケット部24の外周面からシャフト21周面方向に設けた螺子孔に螺着する固定螺子25を備えた搬送ローラーがある。
【0006】
ローラー22の軸装通孔21aの直径よりも小径(クリアランスを保持する)の直径を備えたシャフト部21を、ローラー22の軸装通孔21a内に嵌挿した後、ブラケット部24に備えた固定螺子25を締め付け方向に回転させて、その螺子25内端部25aをシャフト21周面に当接させて固定するものである。
【0007】
圧入固定方式の搬送ローラーは、図7(a)に示すように、ローラー22の軸装通孔21aの直径aよりも僅かに小径の直径b(a>b、圧入クリアランス)を保持するシャフト部21を、図7(b)に示すように、ローラー22の端部から軸装通孔21a内に圧入して固定するものである。
【0008】
図8は、止め螺子固定方式にて回転軸シャフト21に固定した搬送ローラー22を配置した搬送ローラーの側面図であり、上記止め螺子固定方式の場合は、固定螺子25を締め付け固定するための工具を必要とし、締め付けを強く行った場合には、図8(a)、(c)に示すように、螺子25の内端部25aが当接するシャフト21周面とローラー22の軸装通孔21内面との間が拡がり空間が発生して、回転するシャフト21の回転中心に対してローラー22の偏心回転が生じる。
【0009】
そのため回転するローラー22の搬送面が安定せず、搬送ローラーとして水平方向に配
置した回転する複数のローラー22面上を接触して搬送移動する板状材料Aの搬送面が安定せず、キズや汚れなどの不良品の発生原因となり易い。また図8(b)に示すように、搬送ローラー22の回転中に固定螺子25が緩んで、その螺子25の頭部が搬送面の高さまで飛び出して、搬送移動する板状材料Aに傷を付けるなどの問題が発生し易い。
【0010】
また図7に示す圧入固定方式の搬送ローラーの場合は、搬送ローラー22に貫設した軸装通孔22aの内径bが、回転軸シャフト21の外径aに対して小径(a>b)であるために、ローラー22(ロール23、ブラケット24)の加熱を行い、その軸装通孔22aの内径bを一時的に拡げて、回転軸シャフト21を、装通孔21a内に圧入できるようにして圧入して冷却固定するために、1個乃至複数個のローラー22を回転軸シャフト21に固定するための作業には、かなりの時間と労力を必要とするものである。
【0011】
さらに、搬送ローラー(回転軸シャフト21又は/及びローラー22)が合成樹脂製の場合には、実使用環境に対して高温の雰囲気に放置することにより、そのローラー22の内径aが拡張して、回転軸シャフト21との締結力が弱まり、結果としてローラー22が空転したりして、搬送される板状材料に蛇行や割れなどの搬送不良が発生する。
【0012】
そこで、図9に示すように、テーパーを用いて回転軸シャフト21にローラー22を固定するテーパー固定方式による搬送ローラーがあり、テーパー固定方式の搬送ローラーのローラー22は、軸装通孔23aと切欠部23bとを有するロール部23と、軸装通孔27aと鍔部27b(フランジ部)とテーパー外周面27cとを備える第1テーパー部27と、筒部28aと突起部28bとテーパー内周面28cとを備える第2テーパー部28とから構成されている。
【0013】
テーパー固定方式の場合は、図9に示すように、回転軸シャフト21に第1テーパー部27のロール部23をスラスト方向を保持するための広幅に張り出す鍔部27bを有する軸装通孔27aを、図面右側方向から装通し、続いてロール部23の軸装通孔23aを左側方向から装通してロール部23の側面を鍔部27bに当接させる。続いて、第2テーパー部28のテーパー内周面28cを回転軸シャフト21に左側方向から装通して、前記第1テーパー部27のテーパー外周面と第2テーパー部28のテーパー内周面28cとを摺接させながら、第2テーパー部28の突起部28bをロール部23の切欠部23b内に整合して嵌合するとともに、ロール部23の軸装通孔23a内周面と第1テーパー部27のテーパー外周面との間に第2テーパー部28の筒部28aの内端部を挿入し、回転軸シャフト21周面に第1テーパー部27の軸装通孔27a内周面を締圧することにより、ローラー22を回転軸シャフト21に固定するものである。
【0014】
このようなテーパー固定方式による搬送ローラーの場合には、切欠部23bに突起部28bを整合させて固定する必要があるため、切欠部23bと突起部28bとを整合させずにロール部23の軸装通孔23a内周面と第1テーパー部27のテーパー外周面との間に第2テーパー部28の筒部28aの内端部を挿入して固定した場合には、回転軸シャフト21周面に第1テーパー部27の軸装通孔27a内周面が十分に締圧されず、そのため正確に固定されない不具合が発生する場合がある。
【0015】
また、ローラー22と搬送ローラーシャフト21の固定部位10を樹脂材料による一体成形とし、搬送ローラーシャフト固定部位10を分割式とすることで、交換作業を容易に、且つ、安定した基板搬送が実現可能。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2006−89148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、搬送ローラーをシャフトに螺子止めにて固定する際に、シャフト周面とロールの軸装通孔の内面との間に螺子の先端部の締圧による拡がり空間が発生せず、ローラー偏心回転が生じず、また螺子の頭部の飛び出しが無く、回転するローラーの搬送面が安定し、搬送材料のキズや汚れなどの不良品の発生原因を解消することができる板状材料搬送用ローラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、回転軸シャフト1と該シャフト1に装通固定されるローラーAとからなり、該ローラーAは、軸装通孔2aを有するドーナツ状のロール部2と、第1テーパー筒部3と、第2テーパー筒部4とから構成され、第1テーパー筒部3は、両端が開口し軸装通孔3bを有する筒部3aと、該筒部3aの一端から他端に向けてその外周が小径となるテーパー状外周面3cと、該筒部3aの一端に設けた前記ロール部2の一端面に当接するL字型鍔部3dと、該L字型鍔部3d内面と対向する筒部3aの一端外周面に螺設した螺子部3eとを備え、第2テーパー筒部4は、両端が開口する筒部4aと、該筒部4aの一端から他端に向けてその内周が大径となるテーパー状内周面4bと、該筒部4aの一端に張り出して設けた前記ロール部2の他端面に当接するフランジ部4cと、該筒部4aの他端に螺設され前記筒部3aの螺子部3eに螺着する螺子部4dとを備え、前記シャフト1にその両端から装通した第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら第1テーパー筒部3の螺子部3eと第2テーパー筒部4の螺子部4dとを螺着し、前記第1テーパー筒部3の軸装通孔3b内周面をシャフト1外周面に締圧すると共に前記ロール部2をその両端面にて鍔部3dとフランジ部4cとにより挟持して固定することを特徴とする板状材料搬送用ローラーである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の板状材料搬送用ローラーは、回転軸シャフトに装通固定されるローラーが、ドーナツ状のロール部2と第1テーパー筒部3と第2テーパー筒部4とから構成され、ドーナツ状のロール部2を装通したシャフト1の両端から第1テーパー筒部3と第2テーパー筒部4とを装通し、第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら、第2テーパー筒部4をそのフランジ部4cにて回転させながら第1テーパー筒部3の螺子部3eに第2テーパー筒部4の螺子部4dを螺着することにより、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bは、大径の第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3c方向に徐々に摺動移動して、第2テーパー筒部4の外周面がロール部2の軸装通孔2a内周面をその外径方向に押圧し、該第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bが第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cをその内径方向に押圧して、ロール部2は、前記シャフト1及びその回転中心に対して位置決め固定される。
【0020】
一方、前記第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら、第1テーパー筒部3の螺子部3eに第2テーパー筒部4の螺子部4dを螺着した際には、第1テーパー筒部3のL字型鍔部3dと、第2テーパー筒部4のフランジ部4cが、ドーナツ状のロール部2の相対する両端面に接近移動して当接し、該ロール部2の両端面を挟持押圧して、ロール部2は、前記シャフト1及びそのスラスト方向(シャフト1長手方向)に対して位置決め固定される。
【0021】
本発明の搬送ローラーは、回転軸シャフト1に対してロール部2を直交する方向に螺子止めにて固定する方式ではなく、回転軸シャフト1の軸中心に対して平行方向に設けた第1テーパー筒部3と第2テーパー筒部4のそれぞれ螺子部を螺着して、第1テーパー筒部3と第2テーパー筒部4のそれぞれテーパー状の外周面と内周面とを摺動移動させること
によりロール部2をシャフト1及びその回転中心に対して位置決め固定することができ、さらに、ロール部2の両端面には、前記第1テーパー筒部3の鍔部3dと第2テーパー筒部4のフランジ部4cが当接し、該ロール部2を該鍔部3dとフランジ部4cとにより挟持してシャフト1及びそのスラスト方向(軸長手方向)に対して位置決め固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は本発明の板状材料搬送用ローラーを説明する板状材料搬送用ローラーの側断面図、(b)はその左正面図、(c)はその右正面図。
【図2】(a)は本発明の板状材料搬送ローラーのロール部の側断面図、(b)は、その第1テーパー筒部の側断面図、(c)は第2テーパー筒部の側断面図。
【図3】(a)は本発明の板状材料搬送ローラーの第2テーパー筒部から第1テーパー筒部と、回転軸シャフトへの締圧(作用)力、(b)は本発明の板状材料搬送ローラーの回転軸シャフトと、第1テーパー筒部から第2テーパー筒部への締圧(反作用)力を説明する側断面図。
【図4】(a)〜(b)は本発明の板状材料搬送ローラーの組立固定順序を説明する側面図。
【図5】(a)は本発明の板状材料搬送ローラーの第2テーパー筒部のテーパー角度、(b)はその第1テーパー筒部のテーパー角度を説明する側断面図。
【図6】従来の螺子止め固定方式による搬送ローラーであり、(a)は正面図、(b)はその側断面図。
【図7】(a)は従来の圧入固定方式による搬送ローラーであり、(a)は正面図、(b)はその斜視図。
【図8】従来の螺子止め固定方式による搬送ローラーによる板状材料の水平搬送状態を説明する側面図。
【図9】従来のテーパー固定方式による搬送ローラーの側断面図。
【図10】従来のテーパー固定方式による搬送ローラーにおける(a)はロール部の正面図、(b)はその側断面図。
【図11】従来のテーパー固定方式による搬送ローラーにおける(a)は、第1テーパー筒部の側断面図、(b)はその正面図、(c)は第2テーパー筒部の側断面図、(d)は、その正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の板状材料搬送用ローラーをその実施の形態に沿って以下に詳細に説明すれば、図1は、本発明の板状材料搬送ローラー及び搬送ローラー組立固定方法を説明する側断面図であり、回転軸シャフト1と、該シャフト1に装通固定されるローラーAとから構成される。
【0024】
前記ローラーAは、図1(a)、(b)、(c)及び図2(a)に示すように、軸装通孔2aを有するドーナツ状のロール部2と、同図1及び図2(b)、(c)に示すように
第1テーパー筒部3と、第2テーパー筒部4とから構成されている。
【0025】
前記第1テーパー筒部3は、図2(b)に示すように、両端が開口し、軸装通孔3bを有する筒部3aと、該筒部3aの一端から他端に向けてその外周が小径となるテーパー状外周面3cと、該筒部3aの一端に前記ロール部2の一端面に当接する垂直部位と水平部位とにより設けたL字型鍔部3dと、該L字型鍔部3d内面と対向する筒部3aの一端外周面に螺設した螺子部3eとを備えている。L字型鍔部3dと、それと対向する螺子部3eとの間には空間部5を備えている。なお、L字型鍔部3dの正面形状は、図1(c)の右正面図に示すように円環状であってもよいが、第1テーパー筒部3の回転用工具を係合可能にするために、一般的な螺子の頭部のような正六角形環状が適当である。あるいは、1乃至複数の個所に間隙部3fを有する断続円環状(放射状)であってもよい。
【0026】
前記第2テーパー筒部4は、図2(c)に示すように、両端が開口する筒部4aと、該筒部4aの一端から他端に向けてその内周が大径となるテーパー状内周面4bと、該筒部4aの一端に張り出して設けた前記ロール部2の他端面に当接するフランジ部4cと、該筒部4aの他端に螺設され前記筒部3aの螺子部3eに螺着する螺子部4dとを備えている。なお、フランジ部4cの正面形状は、図1(b)に示すように円環状であってもよいが、第2テーパー筒部4の回転用工具を係合可能にするために、一般的な螺子の頭部のような正六角形状が適当である。又は円環状フランジ部4cの外周に突起部4eあるいは凹部4fを備えるようにしてもよい。
【0027】
図1(a)、(b)、(c)に示すように前記ロール部2を嵌装したシャフト1の両端からは、第1テーパー筒部3(図1右側から)と、第2テーパー筒部4(図1左側から)とを装通し、第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら、第1テーパー筒部3の螺子部3eと、第2テーパー筒部4の螺子部4dとを螺着する。螺着した(螺着を終了した)際には、第1テーパー筒部3のL字型鍔部3dの垂直部位と、第2テーパー筒部4の螺子部4d側の先端部との間に、僅かな空間部5が余裕として残留することが適当である。
【0028】
ドーナツ状のロール部2を装通したシャフト1の両端から第1テーパー筒部3と第2テーパー筒部4とを装通し、第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら、第2テーパー筒部4を、そのフランジ部4cにて回転させながら、第1テーパー筒部3の螺子部3eに、第2テーパー筒部4の螺子部4dを螺着することにより、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bは、大径の第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3c方向に徐々に摺動移動する。
【0029】
前記第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bが、大径の第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3c方向に徐々に摺動移動することにより、前記第2テーパー筒部4の外周面は、ドーナツ状のロール部2の軸装通孔2a内周面を、その外径方向に押圧し、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bは、第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cをその内径方向に押圧する。これにより、図1に示すようにドーナツ状のロール部2は、前記シャフト1及びその回転中心に対して位置決め固定されるものである。
【0030】
一方、前記第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら、第1テーパー筒部3の螺子部3eに第2テーパー筒部4の螺子部4dを螺着した際には、第1テーパー筒部3のL字型鍔部3d(その水平部位の先端部)と、第2テーパー筒部4のフランジ部4cは、ドーナツ状のロール部2の相対する両端面に接近移動して当接し、該ロール部2の両端面を相対する方向から挟持押圧する。これによりロール部2は、前記シャフト1及びそのスラスト方向(シャフト1長手方向)に対して位置決め固定されるものである。
【0031】
本発明の板状材料搬送ローラーは、テーパー状の外周面3cとテーパー状の内周面4bの摺動により、図3(a)に示すように、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bから、第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと、該テーパー状外周面3cから回転軸シャフト1の外周面への締圧(作用)力Fが得られ、これによりロール部2及び第1テーパー筒部3及び第2テーパー筒部4が、シャフト1、及びその回転中心位置とスラスト方向位置に固定される。
【0032】
また、本発明の板状材料搬送ローラーは、図3(b)に示すように、回転軸シャフト1と第1テーパー筒部3から、第2テーパー筒部4への締圧(反作用)力Fが得られ、これによりロール部2及び第1テーパー筒部3及び第2テーパー筒部4が、シャフト1、及びその回転中心位置とスラスト方向位置に固定される。
【0033】
図4は本発明の板状材料搬送用ローラーを組立固定する順序を説明する側面図であり、(a)に示すように、まず回転軸シャフト1の右端から、ロール部2を装通し、続いて第1テーパー筒部3を装通し、次に回転軸シャフト1の左端から第2テーパー筒部4を装通して、互いのテーパー状外周面3cと内周面4bとを摺接させ、回転用工具を用いて、第1テーパー筒部3の螺子部3eに、第2テーパー筒部4の螺子部4dを螺着して、螺子部3eと螺子部4dとを締め付けることにより、(b)に示すように、回転軸シャフト1にロール部2が取り付け固定された本発明の板状材料搬送用ローラーAが得られる。
【0034】
図5(a)は、本発明の板状材料搬送用ローラーにおける第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bのテーパー角度aを示し、図5(b)は、その第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cのテーパー角度bを説明する側断面図であり、テーパー角度a、bは、互いに等しい角度、あるいは近似する角度値(a≦b、a≧b)であって、本発明においては特に限定されるものではないが、例えばa、bは、1〜3°、3°〜10°程度が適当である。
【符号の説明】
【0035】
A…板状材料搬送用ローラー
1…回転軸シャフト
2…ロール部
3…第1テーパー筒部
4…第2テーパー筒部
5…螺子付け空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸シャフト1と該シャフト1に装通固定されるローラーAとからなり、該ローラーAは、軸装通孔2aを有するドーナツ状のロール部2と、第1テーパー筒部3と、第2テーパー筒部4とから構成され、第1テーパー筒部3は、両端が開口し軸装通孔3bを有する筒部3aと、該筒部3aの一端から他端に向けてその外周が小径となるテーパー状外周面3cと、該筒部3aの一端に設けた前記ロール部2の一端面に当接するL字型鍔部3dと、該L字型鍔部3d内面と対向する筒部3aの一端外周面に螺設した螺子部3eとを備え、第2テーパー筒部4は、両端が開口する筒部4aと、該筒部4aの一端から他端に向けてその内周が大径となるテーパー状内周面4bと、該筒部4aの一端に張り出して設けた前記ロール部2の他端面に当接するフランジ部4cと、該筒部4aの他端に螺設され前記筒部3aの螺子部3eに螺着する螺子部4dとを備え、前記シャフト1にその両端から装通した第1テーパー筒部3のテーパー状外周面3cと、第2テーパー筒部4のテーパー状内周面4bとを摺接させながら第1テーパー筒部3の螺子部3eと第2テーパー筒部4の螺子部4dとを螺着し、前記第1テーパー筒部3の軸装通孔3b内周面をシャフト1外周面に締圧すると共に前記ロール部2をその両端面にて鍔部3dとフランジ部4cとにより挟持して固定することを特徴とする板状材料搬送用ローラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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