説明

板紙製蓋付成型容器とその成型方法及び成型装置

【課題】板紙製ブランクの破断を生じることなく、経済的に成型できる板紙製蓋付成型容器と、該板紙製蓋付成型容器の成型方法及び該板紙製蓋付成型容器の成型装置を提供する。
【解決手段】蓋面板20と、該蓋面板を拡大した形状の本体板10と、前記蓋面板と前記本体板とを連結するヒンジ部とを一体に備える板紙製ブランクを、プレス成型し、本体部分と蓋部分3を具備する紙容器を形成する成型方法において、前記板紙製ブランクを成型ショット毎に、一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型内で順次、重力により下方へスライド移動させ、本体部分と蓋部分をそれぞれ別個にプレス成型する。本発明の成型方法及び成型装置では、紙容器の本体部分と蓋部分が同時にプレス成型されることはないので、成型部分が互いに引き合って板紙製ブランクが破断するという不具合を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚の板紙製ブランクからプレス成型により成型される板紙製蓋付成型容器と、該板紙製蓋付成型容器を成型する方法及び該板紙製蓋付成型容器の成型方法に使用される成型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓋付き容器としては、軽量かつコスト的に有利という理由から、発泡ポリエチレン等の発泡樹脂材を用いて構成されたものが一般的であった。また、発泡樹脂材を用いた容器は、断熱性に富むという長所がある。しかし、発泡樹脂材を用いて構成したプラスチック製容器は、廃棄焼却時の燃焼カロリーが高い等の問題がある。そのため、最近になって、従来のプラスチック製容器の代替品として、燃焼カロリーの低い紙容器が種々提案されている。
【0003】
例えば、蓋付きの紙製の成型容器として、パルモールド製法により、卵パック容器を製造されている。しかし、該パルモールド製法は、特殊な設備を必要としており、紙を溶解する工程に必要なパルパー設備や、完成品を成型するためのプレス成型設備等、製造工程のために多額の投資を行う必要がある。このように、上記製法では、弁当容器等の需要の見込まれる種々の商品を安価に製造することができず、コスト上、不利である。
【0004】
また、実開平5−65817号公報には、使い捨てが可能である紙容器として、身箱と蓋カバーとの前側妻板とこれに連続する底板或いは蓋板との境部に折曲線を設けずに両者を夫々そのまま連続させ、かつ該身箱或いは蓋カバーの妻板の先端部を外方に徐々に拡大させると共に、前側妻板に接する側板の端縁を夫々円弧状に形成した曲面を有する蓋付き紙容器が提案されている。しかし、この蓋付き紙容器においても、板紙製ブランクに成型を補助するために多数の切れ目が入れられており、プレス加工で成型されることを目的としていない。そのため、上記の蓋付き紙容器では、特定の形状の板紙製ブランクを切り出す工程及び特定の形状の容器に成型する工程における、多くの紙容器が有する経済的な問題点が改善されてはいない。
【0005】
【特許文献1】実開平5−65817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、深い成型部を同時に複数成型する目的で板紙製ブランクにプレス加工を施す場合、プレス加工時に成型部間に引張力が作用して、該板紙製ブランクが容易に破断するという問題がある。
【0007】
従って、本願発明は、板紙製ブランクの破断を生じることなく、経済的に成型できる板紙製蓋付成型容器と、該板紙製蓋付成型容器の成型方法及び該板紙製蓋付成型容器の成型装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1記載の発明は板紙製蓋付成型容器であって、蓋面板と、該蓋面板を拡大した形状の本体板と、前記蓋面板と前記本体板とを連結するヒンジ部とを一体に備える板紙製ブランクからプレス成型によって成型される板紙製蓋付成型容器であって、板状若しくは浅底の蓋部分と、高い側壁で形成された深底の本体部分とが折曲可能なヒンジ部で連結されて一体に成型されたものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記蓋部分は、板状の蓋面部と、該蓋面部の周縁から上側に突出した周状膨出部と、該周状膨出部の周縁から外方へ延在するフランジ部とを備えており、前記本体部分は、上方へ窪む上げ底状態に構成された中央底部と、該中央底部の外周縁から外方へ広がっている外側底部と、該外側底部の各辺から外側へ立ち上がる側壁と、該側壁の上端縁から外方に広がっているフランジ部を備えており、前記蓋部分を前記ヒンジ部で折り返し、前記本体部分を閉じた状態において、該蓋部分のフランジ部と該本体部分のフランジ部とが周縁で当接するようにしたものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の板紙製蓋付成型容器の成型方法であって、蓋面板と、該蓋面板を拡大した形状の本体板と、前記蓋面板と前記本体板とを連結するヒンジ部とを一体に備える板紙製ブランクを、前記蓋面板と前記本体板のそれぞれのブランク外径寸法の差異、前記蓋面板の成型後の外径寸法と前記本体板のブランク外径寸法の差異、及び前記蓋面板のブランク外径寸法と前記本体板の成型後の外径寸法との差異のうち、少なくともいずれかの外径寸法の差異を利用することにより、成型ショット毎に一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型内で順次、重力により下方へスライド移動させ、別個の板紙製ブランクについて、本体部分と蓋部分を同時にプレス成型するものである。尚、ここで、「成型ショット」とは、プレス成型時において、特に、板紙製ブランクを加圧している状態をいう。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記板紙製ブランクを、一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型内に順次に搬送し、該板紙製ブランクの蓋面板を位置決めし、紙容器の蓋部分をプレス成型し、該蓋部分のプレス成型後に、前記板紙製ブランクを前記成型用金型内で重力により下方へスライド移動させ、次いで、該板紙製ブランクの本体板を位置決めし、紙容器の本体部分をプレス成型することにより、成型ショット毎に、別個の板紙製ブランクについて、本体部分と蓋部分を同時にプレス成型するものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、蓋部分の成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行うと同時に雌型用金型側からバキュームを行い、該雄型用金型側から蓋部分のみ成型された板紙製ブランクを剥離させる工程と、次いで、前記の成型用金型内で、上記剥離させた板紙製ブランクを該成型用金型の紙容器の本体部分の成型位置まで重力により下方へスライド移動させると同時に、次の板紙製ブランクを前記の成型用金型の蓋部分の成型位置まで重力により落下させる工程と、蓋部分のみ成型された上記ブランクの本体部分と、上記次の板紙製ブランクの蓋部分を同時にプレス成型する工程と、本体部分の成型ショット直後に、成型ショットのストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行うと同時に雌型用金型側からバキュームを行い、完成した板紙製蓋付成型容器を該雄型用金型側から剥離し且つ該雌型用金型側に密着させた後、該雌型用金型側からブロアーを行い、上記の完成した板紙製蓋付成型容器を該雌型用金型側から排出する工程とを備えたものである。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項3乃至5いずれかに記載の板紙製蓋付成型容器の成型方法を実施するための一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型とからなる成型装置であって、該雄型用金型は、板紙製ブランクの蓋面板の位置決め手段を設け、該板紙製ブランクを前記成型用金型内で重力により下方へスライド移動させるスライド手段を設け、該蓋面板の位置決め手段の下方には、前記板紙製ブランクの本体板の位置決め手段とを設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の板紙製蓋付成型容器の成型装置であって、前記板紙製ブランクの蓋面板の位置決め手段が、蓋面部の下端に当接するストッパーガイドと、蓋面板の横寸とほぼ同一且つ本体板の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられ、該ストッパーガイドの高さ寸法より低い高さ寸法を有する左右一対の蓋面サイドガイドから構成され、前記スライド手段が、略L字状の断面形状の枠体であって、縦方向のクリアランスが該蓋面サイドガイドの高さ寸法より大きく、本体板の横寸とほぼ同一の内幅間隔を有するように設けられた左右一対のスライドガイドから構成され、上記左右一対の蓋面サイドガイドは、上記左右一対のスライドガイドの内側に設けられたものであって、前記板紙製ブランクの本体板の位置決め手段が、本体板の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられた左右一対のストッパーピンと、上記左右一対のスライドガイドから構成されることを特徴としている。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7に記載の板紙製蓋付成型容器の成型装置であって、成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内で蓋部分のみ成型されたブランク及び完成した板紙製蓋付成型容器をブロアーする空気圧力手段を前記雄型用金型体に設け、前記成型ショット直後に、蓋部分のみ成型されたブランク及び完成した板紙製蓋付成型容器に対して、前記成型ストロークの範囲内でバキュームを行い、バキューム後に、前記成型ストロークの範囲内でブロアーする空気圧力・吸引手段を前記雌型用金型体に設け、前記成型ショット直後に、前記成型ストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行わせると同時に雌型用金型側から一定時間バキュームを行わせ、次いで、前記成型ストロークの範囲内で雌型用金型側からブロアーさせる時間差稼動手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、高い側壁で形成された深底の本体部分を具備する板紙製蓋付成型容器を、板紙製ブランクをプレス成型することによって、該板紙製ブランクの破断を生じることなく、経済的に成型することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、蓋部分の周縁に突出した周状膨出部を設け、本体部分の底部に上げ底状態の中央底部を設けることにより、板紙製蓋付成型容器は、容器として適度な強度を保持することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、紙容器の本体部分と蓋部分が同時にプレス成型されることはないので、成型部分が互いに引き合って板紙製ブランクが破断するという不具合を防止することができる。また、板紙製ブランクを重力により下方へスライド移動させるので、スムーズに移動させることができ、成型ショット毎に板紙製ブランクを移動させるための特別な動力を要しない。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、板紙製ブランクの蓋面板及び本体板がいずれも位置決めされてからプレス成型されるので、重力による下方への移動という無理に力を加えない自然な移送方法と相俟って、紙容器の蓋部分及び本体部分を正確に成型することができる。従って、成型された板紙製蓋付成型容器をヒンジ部にて折り返すことにより、本体部分の周縁部と蓋部分の周縁部とをぴったりと重ね合わせることができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、板紙製ブランクの蓋面板及び本体板がいずれも位置決めされるだけでなく、蓋部分の成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行うと同時に雌型用金型側からバキュームを行い、該雄型用金型側から蓋部分のみ成型された板紙製ブランクを剥離させてから、前記の成型用金型内で、上記剥離させた板紙製ブランクを該成型用金型の紙容器の本体部分の成型位置まで重力により下方へスライド移動させる。そのため、過剰な力が作用せず、プレス成型時に板紙製ブランクのずれが生じ難くなり、紙容器の蓋部分及び本体部分をより正確に成型することができる。また、本体部分の成型ショット直後に、前記成型ストロークの範囲内で、前記雌型用金型側からブロアーすることによって、蓋部分のみ成型された板紙製ブランク及び完成した直後の板紙製蓋付成型容器をそれぞれ雌型用金型から排出することで、複数の板紙製ブランクを重ねた状態でプレス成型する不具合を防止し、板紙製ブランクを下方へスムーズにスライド移動させることができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、板紙製ブランクの蓋面板の位置決め手段が設けてあるので、板紙製ブランクの蓋面板及び本体板は、いずれも確実に位置決めしてからプレス成型される。また、板紙製ブランクを重力により下方へスライド移動させる手段を備えているので、板紙製ブランクをスムーズに移動させることができ、成型ショット毎に板紙製ブランクを移動させるための特別な動力を要しない。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、前記板紙製ブランクの蓋面板の位置決め手段が、蓋面部の下端に当接するストッパーガイドと、蓋面板の横寸より大きく且つ本体板の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられ、該ストッパーガイドの高さ寸法より低い高さ寸法を有する左右一対の蓋面サイドガイドから構成されているので、板紙製ブランクの蓋面板を所定の位置に位置決めすることができる。
【0023】
すなわち、板紙製ブランクの蓋面部の左右両端がそれぞれ、左右の蓋面サイドガイドの内側面に沿って摺動することにより、該板紙製ブランクの蓋面部は、左右一対の蓋面サイドガイドの内側を下方へスライド移動し、板紙製ブランクの蓋面部の下端がストッパーガイドに当接して、該板紙製ブランクの蓋面部が所定の高さで位置決めされる。また、蓋部分のプレス成型後、上記板紙製ブランクの本体板の左右両側部が、それぞれ左右両側の蓋面サイドガイド上を摺動することにより、該板紙製ブランクは成型用金型内で重力により下方へスライド移動する。尚、上記左右両側の蓋面サイドガイドの高さ寸法は、上記ストッパーガイドの高さ寸法より低く設定してあるので、板紙製ブランクの本体板の縁部が該ストッパーガイドに引っかかることはない。
【0024】
また、請求項7記載の発明によれば、板紙製ブランクを成型用金型内で重力により下方へスライド移動させるスライド手段として、略L字状の断面形状の枠体であって、縦方向のクリアランスが該蓋面サイドガイドの高さ寸法より大きく、本体板の横寸とほぼ同一の内幅間隔を有するように設けられた左右一対のスライドガイドを設けている。従って、上記板紙製ブランクの本体板の左右両側部が、それぞれ左右両側の略L字状の断面形状の枠体内を下方へ摺動するので、上記板紙製ブランクは、左右に揺動することなくほぼ一定の姿勢を保ちつつ成型用金型内で重力により下方へスライド移動する。
【0025】
更に、請求項7記載の発明によれば、前記板紙製ブランクの本体板の位置決め手段が、本体板の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられた左右一対のストッパーピンと、上記左右一対のスライドガイドから構成されているので、板紙製ブランクの本体板を所定の位置に位置決めすることができる。すなわち、板紙製ブランクの本体板の左右両端がそれぞれ、左右のスライドガイドの内側面に沿って摺動することにより、該板紙製ブランクの本体部は、左右一対のスライドガイドの内側で下方へスライド移動し、板紙製ブランクの本体部の左右下端がそれぞれ左右のストッパーピンに当接することによって該板紙製ブランクが係止され、該板紙製ブランクの本体部が所定の高さで位置決めされる。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、板紙製ブランクは、成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内で、空気圧力手段により雄型用金型側からブロアーされると同時に、雌型用金型に設けられた空気圧力・吸引手段により一定時間バキュームされるので、該板紙製ブランクは、該雄型用金型から完全に剥離される。
【0027】
また、請求項8記載の発明によれば、上記の空気圧力・吸引手段により、板紙製ブランクは雌型用金型側からブロアーされて、前記雌型用金型体から脱離する。よって、複数の板紙製ブランクを重ねた状態でプレス成型する不具合を防止することができる。更に、蓋部分の成型後、ストッパーガイドに載った状態の板紙製ブランクを該ストッパーガイドから確実に離脱させることができ、それによって、板紙製ブランクを下方へスムーズにスライド移動させることができる。また、更に、本体部分のプレス成型後、空気圧力・吸引手段により雌型用金型側からブロアーすることにより、左右のストッパーピンに係止した状態の板紙製蓋付成型容器を該ストッパーピンから確実に離脱させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態につき説明する。本発明によれば、図8に示す形状の板紙製ブランクAから、一実施形態として、図5に示す形状の板紙製蓋付成型容器1を製造することができる。この板紙製ブランクAは、本体板10と蓋面板20とがヒンジ部13を介して一体の形状を有している。本体板10と蓋面部20の各コーナー部分にはプレス成型の際にしわの形成が偏りなく一様に行われるようにそれぞれの中心部に向けて放射状の押し罫12が形成されている。この板紙製ブランクAは、一枚の大きな原材料紙から切り出された複数の原紙の一枚であり、通常原材料紙の厚さは、150〜450g/m2の範囲から選定される。原紙の厚さがこの範囲以下であると成型後の形状安定性に不安があり、また容器としての強度自体も不足するような場合が多い。逆に原紙の厚さがこの範囲以上に厚くなると成型が困難となり、破断等が生じやすくなる傾向が認められる。
【0029】
図5は、図8の板紙製ブランクAから製造された板紙製蓋付成型容器1を示す斜視図、図6は、図5のA−A線による拡大断面図、図7は図5に示した板紙製蓋付成型容器1を閉じた状態の斜視図である。
【0030】
図5〜図7において、この板紙製蓋付成型容器1は、本体部分2と蓋部分3とを備え、本体部分2と蓋部分3とは、ヒンジ部4にて連結され、一体に形成されている。本体部分2は、上方へ窪む上げ底状態に構成された中央底部8aと、該中央底部8aの外周縁から外方へ広がっている外側底部8bと、該外側底部8bの各辺から外側へ立ち上がる側壁9と、該側壁9の上端縁から外方に略水平状に周設されたフランジ部7bを備えている。また、蓋部分3は、板状の蓋面部5と、該蓋面部5の周縁から上側に突出した周状膨出部6と、該周状膨出部6の周縁から外方へ延在するフランジ部7aとを備えている。
【0031】
本体部分2と蓋部分3は上記ヒンジ部4にて連結されており、前記本体部分2を閉じた状態において、該蓋部分3が前記ヒンジ部4で折り返され、該蓋部分3のフランジ部7aと該本体部分2のフランジ部7bは周縁で当接し、重ね合わせることができる。
【0032】
また、使用される板紙製蓋付成型容器1の用途により、必要に応じて適宜、板紙製ブランクAの外面若しくは内面に印刷が施され、またワックス、樹脂のコーティングが行われる。さらに必要に応じて、片面又は両面に樹脂フィルム等を貼り合せた紙を使用してもよい。
【0033】
このような板紙製ブランクAをプレス成型して板紙製蓋付成型容器1を成型するには、該板紙製ブランクAを一対の雄型用金型と雌型用金型とを対向配置させた成型用金型で圧着させて、板紙製ブランクAを所定形状に成型することが好ましい。
【0034】
図1は、本発明の成型装置の第1実施形態の雄型用金型100を示す正面図であり、図2は、該雄型用金型100と、雌型用金型200とを縦方向に配置した成型装置の断面を示す図である。
【0035】
上記の雄型用金型100は、ベース110と、ベース110に上下に隣接して設けられた摺動穴130及び摺動穴150と、該摺動穴130内で摺動する蓋部プレス台120、上記摺動穴150内で摺動する本体部プレス台140から構成される。該蓋部プレス台120には、板紙製蓋付成型容器1の蓋部分3の内面に当接されるべき部分に、該蓋部分3の形状に適合する蓋型凸部121が形成されている。該蓋型凸部121は、板紙製蓋付成型容器1の蓋部分3の形状に適合するものであって、蓋部分3の蓋面部5に相当する平面部122と、該蓋面部5の四辺周囲の周状膨出部6に相当し、断面が略半円状の山型部123を有している。また、前記本体部プレス台140には、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2の内面に当接されるべき部分に、該本体部分2の形状に適合する容器型凸部141が形成されている。該容器型凸部141は、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2の形状に適合しており、本体部分2の中央底部8aに相当する平面部142と、該本体部分2の四辺周囲の側壁9に相当し、適宜角度で外方へ開く傾斜面143を有している。
【0036】
そして、成型ショット前において、平面部122と平面部142は、高さ位置がほぼ等しくなるように、蓋部プレス台120及び本体部プレス台140が調整される。例えば、該蓋部プレス台120は基盤にスプリング124等を介して左右方向に移動可能に取り付けられ、前記本体部プレス台140は基盤に固定状態で取り付けられる。
【0037】
また、上記雄型用金型100には、前記板紙製ブランクAの蓋面板20の位置決め手段として、蓋面部20の下端に当接するように、凸型状のストッパーガイド160が設けられている。また、上記雄型用金型100の左右両側には、蓋面板20の横寸より大きく且つ本体板10の横寸より小さな内幅間隔を有する蓋面サイドガイド170a、170bが設けられている。そして、図4に示されるように、上記蓋面サイドガイド170a、170bの高さ寸法は、ストッパーガイド160の高さ寸法より低く設けられている。尚、上記の蓋面サイドガイド170a、170bの先端部分には、図2に示すようにテーパー加工を施すのが好ましい。
【0038】
更に、図4に示されるように、上記雄型用金型100の左右両側には、板紙製ブランクAを重力により下方へスライド移動させるためのスライド手段として、略L字状の断面形状の枠体であって、縦方向のクリアランスが該蓋面サイドガイド170a、170bの高さ寸法より大きく、本体板10の横寸とほぼ同一の内幅間隔を有するように設けられた左右一対のスライドガイド180a、180bが設けられている。また、スライドガイド180a及び180bは、板紙製ブランクAの本体板10の左右両側の一部が、スライドガイド180a及び180bの略L字型の枠内に入り込むように設けられており、板紙製ブランクAは、上記スライドガイド180a、180bに案内されて、左右に揺動することなくほぼ一定の姿勢を保ちつつ成型用金型内で重力により下方へスライド移動する。
【0039】
また更に、上記雄型用金型100には、前記板紙製ブランクAの本体板10の位置決め手段として、左右一対のストッパーピン190a、190bが、前記左右一対のスライドガイド180a、180bの内幅間隔よりも大きく且つ本体板10の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられている。上記のスライドガイド180a、180bにより下方へ案内された板紙製ブランクAは、上記ストッパーピン190a、190bにより、本体板10の左右下側のコーナー部分11a及び11bで係止され、本体板10が位置決めされる。また、上記のスライドガイド180a、180bは、上記雄型用金型100の容器型凸部141の左右両側にまで延設されている。
【0040】
このように、上記のスライドガイド180a、180bにより下方へ案内された板紙製ブランクAは、左右一対のストッパーピン190a、190b及び上記左右一対のスライドガイド180a、180bによりその位置を安定に保持された状態となり、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2が精度良くプレス成型される。
【0041】
図2に示す実施形態の成型装置は、上記の雄型用金型100と、雌型用金型200とを縦方向に配置したものである。上記の雄型用金型100のベース110はプレススプリング111を介して基盤に取り付けられている。蓋部プレス台120は、浮かせスプリング124を介して基盤に対して左右方向に相対的に移動可能に取り付けられており、その平面部122と本体部プレス台140の平面部142のそれぞれの高さ位置がほぼ等しくなるように調整される。
【0042】
そして、上記の雄型用金型100に対向して配置された雌型用金型200は、ベース210と、ベース210に上下に隣接して蓋部凹型220及び本体部凹型240とが設けられている。蓋部凹型220は、板紙製蓋付成型容器1の蓋部分3の形状に適合するものであって、蓋部分3の蓋面部5に相当する平面部221と、該蓋面部5の四辺周囲の周状膨出部6に相当し、断面が略半円状の谷型部222を有している。また、本体部凹型240は、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2の形状に適合しており、本体部分2の中央底部8aに相当する平面部241と、該本体部分2の四辺周囲の側壁9に相当し、適宜角度で外方へ開く傾斜面242を有している。
【0043】
また、上記雌型用金型200には、前記板紙製ブランクAの蓋面板20の位置決め手段として雄型用金型100側に設けられたストッパーガイド160の形状に適合するように、ガイド凹部260が設けられている。
【0044】
前記のプレススプリング111及び浮かせスプリング124は、いわゆる緩衝機構であり、スプリング以外に、エアダンパー、油圧ダンパー等で構成することができ、適宜2組乃至4組ずつ取り付けられる。また、前記の摺動機構も、雌型用金型200が取り付けられた基盤に適宜2組乃至4組ずつ取り付けられる。
【0045】
周知機構のフィーダ装置(図示せず)により、スライドガイド180a、180bに順次搬送された板紙製ブランクAは、ストッパーガイド160に蓋面部20の下端が当接することにより、確実に所定の位置に載置される。そして、前記板紙製ブランクAがストッパーガイド160に載置された後、雌型用金型200が雄型用金型100に圧着され、該雄型用金型100の蓋部プレス台120が前記雌型用金型200の蓋部凹型220に入り、上記蓋面部20を該蓋部凹型220内に押し込み、蓋面部20を折り曲げて板紙製蓋付成型容器1の蓋部分3がプレス成型される。この時、雄型用金型100の下方において、上記のごとく蓋部分3をプレス成型した直後の板紙製ブランクAの本体板10が、ストッパーピン190a、190bに係止され、確実に所定の位置に載置された状態で、本体部分2のプレス成型が行われる。該本体部分2のプレス成型は、雌型用金型200が雄型用金型100に圧着され、該雄型用金型100の本体部プレス台140が前記雌型用金型200の本体部凹型240に入り、上記本体板10を該本体部凹型240内に押し込み、本体板10を折り曲げて板紙製蓋付成型容器1の本体部分2がプレス成型される。
【0046】
また、ストッパーガイド160と、ストッパーピン190a若しくは190bの近傍にリミットスイッチ等を設けることにより、板紙製ブランクAの蓋面部20及び本体板10が、それぞれ所定の位置に載置された状態であることが確認できるので、本体部分2及び蓋部分3の同時成型を確実に行うことができる。
【0047】
また、成型ストロークの範囲内で板紙製ブランクAを成型ショット直後にブロアーする空気圧力手段を雄型用金型100側に設けるとともに、成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内でバキュームを行い、バキューム後に、前記成型ストロークの範囲内で板紙製ブランクAをブロアーする空気圧力・吸引手段を雌型用金型200側に設けることにより、成型ショット後に、蓋部分のみ成型されたブランクは、該雄型用金型100側から剥離し、重力により下方へスライドして定位置に正確に定められる。そのため、プレス成型時に板紙製ブランクAのずれが生じ難くなり、紙容器1の本体部分2及び蓋部分3をより正確に成型することができる等の利点がある。
【0048】
尚、図2に示す実施形態では、雄型用金型100側において、蓋部プレス台120及び本体部プレス台140は、それぞれ空気圧力手段125及び144が設けられている。他方、雌型用金型200側において、蓋部凹型220及び本体部凹型240は、それぞれ空気圧力・吸引手段225及び244が設けられている。そして、該空気圧力手段125及び144、空気圧力・吸引手段225及び244は、図示しない時間差稼動手段によって制御されており、成型ショット直後には、成型ストロークの範囲内で、雄型用金型100側からブロアーさせると同時に、雌型用金型200側からバキュームさせる。また、上記時間差稼動手段は、成型ショット直後に、前記成型ストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行わせると同時に雌型用金型側から一定時間バキュームを行わせ、次いで、前記成型ストロークの範囲内で雌型用金型側からブロアーさせる。このようにして、板紙製ブランクAは、確実にプレス成型され、蓋部分3のプレス成型後の板紙製ブランクA及び完成した板紙製蓋付成型容器1は、雌型用金型体200から確実に脱離される。
【0049】
上記の雄型用金型100と上記の雌型用金型200とを縦方向に配置した成型装置は、油圧シリンダ等の機構を取り付けた構成とすることができる。いずれか一方の型を固定してもよく、又は両者に油圧シリンダ等を取り付けてもよい。尚、本実施形態においては、雌型用金型200を左右方向に移動可能とするために、雌型用金型200は、基盤を介して伸縮可能な油圧シリンダのシリンダロッド(図示せず)等の摺動機構の先端に取り付けられている。
【0050】
図3は、図1に示す上記の雄型用金型100を用いて、前記板紙製ブランクAをプレス成型する様子を示したものである。上記したように蓋部分3がプレス成型された後、板紙製ブランクAは、スライドガイド180a、180bに案内されて、左右に揺動することなくほぼ一定の姿勢を保ちつつ成型用金型内で重力により下方へスライド移動し、左右一対のストッパーピン190a、190bによって、本体板10の左右下側のコーナー部分11a、11bで係止され、本体板10が位置決めされる。このようにして、蓋部分3がプレス成型された板紙製ブランクAは、順次に、スライドガイド180a、180bにより下方へ案内され、ストッパーピン190a、190b及び左右一対のスライドガイド180a、180bによりその位置を安定に保持された状態となり、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2が精度良くプレス成型される。
【0051】
図9は、本発明の成型装置の第2実施形態の雄型用金型100を示す正面図であり、図10は、該第2実施形態の雄型用金型100及び雌型用金型200を縦方向に配置した成型装置の断面を示す図である。
【0052】
上記雄型用金型100の左右両側には、蓋面板20の横寸より大きく且つ本体板10の横寸より小さな内幅間隔を有する蓋面サイドガイド170a、170bが設けられている。そして、図10に示されるように、上記蓋面サイドガイド170a、170bの高さ寸法は、ストッパーガイド160の高さ寸法より低く設けられている。尚、本発明の成型装置の第2実施形態においては、蓋面サイドガイド170a、170bは、略L字状の断面形状の枠体であって、板紙製ブランクAの蓋面板20の左右両側の一部が、蓋面サイドガイド170a、170bの略L字型の枠内に入り込むように設けられており、板紙製ブランクAは、上記スライドガイド180a、180b及び蓋面サイドガイド170a、170bに案内されて、左右に揺動することなくほぼ一定の姿勢を保ちつつ成型用金型内で重力により下方へスライド移動する。
【0053】
板紙製ブランクAの蓋面部5は、プレス成型することによって、板紙製蓋付成型容器1の蓋部分3の横幅よりも小さくなる。従って、蓋面部5をプレス成型した後、板紙製ブランクAがストッパーガイド160を乗り越えて下方へ円滑にスライド移動するために、蓋面サイドガイド170a、170bの最縁端間の内幅が、板紙製ブランクAの蓋面部5の横幅より小さく、板紙製蓋付成型容器1の蓋部分3の横幅よりも大きく設けられている。
【0054】
同様に、板紙製ブランクAの本体板10は、プレス成型することによって、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2の横幅よりも小さくなる。従って、本体部分2をプレス成型した後、本体部分2の左右両端を雄型用金型100の容器型凸部141の左右両側にまで延設されたスライドガイド180a、180bの外側に露出させて、完成した板紙製蓋付成型容器1を本発明の成型装置から確実に脱離させるために、スライドガイド180a、180bの最縁端間の内幅が、板紙製ブランクAの本体板10の横幅より小さく、板紙製蓋付成型容器1の本体部分2の横幅よりも大きく設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の成型装置の第1実施形態の雄型用金型を示す正面図である。
【図2】図1の雄型用金型から構成される成型装置の断面図である。
【図3】加工中の本発明の成型装置の一姿勢を示す正面図である。
【図4】図3のA−A線による拡大断面図である。
【図5】本発明の板紙製蓋付成型容器の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5のB−B線による拡大断面図である。
【図7】図5に示した板紙製蓋付成型容器を閉じた状態の斜視図である。
【図8】図5に示した板紙製蓋付成型容器の板紙製ブランクを示す平面図である。
【図9】本発明の成型装置の第2実施形態の雄型用金型を示す正面図である。
【図10】図9の雄型用金型から構成される成型装置の断面図である。
【符号の説明】
【0056】
A 板紙製ブランク
1 板紙製蓋付成型容器
2 本体部分
3 蓋部分
4 ヒンジ部
5 蓋面部
6 周状膨出部
7a 蓋側フランジ部
7b 本体側フランジ部
8a 中央底部
8b 外側底部
9 側壁
10 本体板
13 ヒンジ部
20 蓋面板
100 雄型用金型
110 ベース
111 プレススプリング
120 蓋部プレス台
121 蓋型凸部
125 空気圧力手段
130 摺動穴
140 本体部プレス台
141 容器型凸部
144 空気圧力手段
150 摺動穴
160 ストッパーガイド
170a,170b 蓋面サイドガイド
180a,180b スライドガイド
190a,190b ストッパーピン
200 雌型用金型
210 ベース
220 蓋部凹型
225 空気圧力・吸引手段
240 本体部凹型
244 空気圧力・吸引手段
260 ガイド凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋面板と、該蓋面板を拡大した形状の本体板と、前記蓋面板と前記本体板とを連結するヒンジ部とを一体に備える板紙製ブランクからプレス成型によって成型される板紙製蓋付成型容器であって、
板状若しくは浅底の蓋部分と、高い側壁で形成された深底の本体部分とが折曲可能なヒンジ部で連結されて一体に成型されたことを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器。
【請求項2】
請求項1において、前記蓋部分は、板状の蓋面部と、該蓋面部の周縁から上側に突出した周状膨出部と、該周状膨出部の周縁から外方へ延在するフランジ部とを備えており、
前記本体部分は、上方へ窪む上げ底状態に構成された中央底部と、該中央底部の外周縁から外方へ広がっている外側底部と、該外側底部の各辺から外側へ立ち上がる側壁と、該側壁の上端縁から外方に広がっているフランジ部を備えており、
前記蓋部分を前記ヒンジ部で折り返し、前記本体部分を閉じた状態において、該蓋部分のフランジ部と該本体部分のフランジ部とが周縁で当接することを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の板紙製蓋付成型容器の成型方法であって、
蓋面板と、該蓋面板を拡大した形状の本体板と、前記蓋面板と前記本体板とを連結するヒンジ部とを一体に備える板紙製ブランクを、
前記蓋面板と前記本体板のそれぞれのブランク外径寸法の差異、前記蓋面板の成型後の外径寸法と前記本体板のブランク外径寸法の差異、及び前記蓋面板のブランク外径寸法と前記本体板の成型後の外径寸法との差異のうち、少なくともいずれかの外径寸法の差異を利用することにより、
成型ショット毎に一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型内で順次、重力により下方へスライド移動させ、別個の板紙製ブランクについて、本体部分と蓋部分を同時にプレス成型することを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器の成型方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発明において、
前記板紙製ブランクを、一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型内に順次に搬送し、
該板紙製ブランクの蓋面板を位置決めし、紙容器の蓋部分をプレス成型し、該蓋部分のプレス成型後に、前記板紙製ブランクを前記成型用金型内で重力により下方へスライド移動させ、
次いで、該板紙製ブランクの本体板を位置決めし、紙容器の本体部分をプレス成型することにより、
成型ショット毎に、別個の板紙製ブランクについて、本体部分と蓋部分を同時にプレス成型することを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器の成型方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の発明において、
蓋部分の成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行うと同時に雌型用金型側からバキュームを行い、該雄型用金型側から蓋部分のみ成型された板紙製ブランクを剥離させる工程と、
次いで、前記の成型用金型内で、上記剥離させた板紙製ブランクを該成型用金型の紙容器の本体部分の成型位置まで重力により下方へスライド移動させると同時に、次の板紙製ブランクを前記の成型用金型の蓋部分の成型位置まで重力により落下させる工程と、
蓋部分のみ成型された上記板紙製ブランクの本体部分と、上記次の板紙製ブランクの蓋部分を同時にプレス成型する工程と、
本体部分の成型ショット直後に、成型ショットのストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行うと同時に雌型用金型側からバキュームを行い、完成した板紙製蓋付成型容器を該雄型用金型側から剥離し且つ該雌型用金型側に密着させた後、該雌型用金型側からブロアーを行い、上記の完成した板紙製蓋付成型容器を該雌型用金型側から排出する工程とを備えたことを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器の成型方法。
【請求項6】
請求項3乃至5いずれかに記載の板紙製蓋付成型容器の成型方法を実施するための一対の雄型用金型と雌型用金型とを有する成型用金型とからなる成型装置であって、
該雄型用金型は、板紙製ブランクの蓋面板の位置決め手段を設け、該板紙製ブランクを前記成型用金型内で重力により下方へスライド移動させるスライド手段を設け、
該蓋面板の位置決め手段の下方には、前記板紙製ブランクの本体板の位置決め手段とを設けたことを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器の成型装置。
【請求項7】
請求項6に記載の板紙製蓋付成型容器の成型装置であって、
前記板紙製ブランクの蓋面板の位置決め手段が、蓋面部の下端に当接するストッパーガイドと、蓋面板の横寸とほぼ同一且つ本体板の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられ、該ストッパーガイドの高さ寸法より低い高さ寸法を有する左右一対の蓋面サイドガイドから構成され、
前記スライド手段が、略L字状の断面形状の枠体であって、縦方向のクリアランスが該蓋面サイドガイドの高さ寸法より大きく、本体板の横寸とほぼ同一の内幅間隔を有するように設けられた左右一対のスライドガイドから構成され、
上記左右一対の蓋面サイドガイドは、上記左右一対のスライドガイドの内側に設けられたものであって、
前記板紙製ブランクの本体板の位置決め手段が、本体板の横寸より小さな内幅間隔を有するように設けられた左右一対のストッパーピンと、上記左右一対のスライドガイドから構成されることを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器の成型装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の板紙製蓋付成型容器の成型装置であって、
成型ショット直後に、成型ストロークの範囲内で蓋部分のみ成型されたブランク及び完成した板紙製蓋付成型容器をブロアーする空気圧力手段を前記雄型用金型体に設け、
前記成型ショット直後に、蓋部分のみ成型されたブランク及び完成した板紙製蓋付成型容器に対して、前記成型ストロークの範囲内でバキュームを行い、バキューム後に、前記成型ストロークの範囲内でブロアーする空気圧力・吸引手段を前記雌型用金型体に設け、
前記成型ショット直後に、前記成型ストロークの範囲内で、雄型用金型側からブロアーを行わせると同時に雌型用金型側から一定時間バキュームを行わせ、次いで、前記成型ストロークの範囲内で雌型用金型側からブロアーさせる時間差稼動手段を備えたことを特徴とする、
板紙製蓋付成型容器の成型装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−131290(P2006−131290A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324860(P2004−324860)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(504414341)
【Fターム(参考)】