説明

枚葉紙状または巻取紙状の被印刷物上に付着させたインクまたはワニス剤に含まれる磁性フレークを配向させるシリンダ体

枚葉紙状または巻取紙状の被印刷物上に付着させたインクまたはワニス剤に含まれる磁性フレークを配向させるシリンダ体(10)であって、シリンダ体(10)の外周上に配置された複数の磁場発生装置(50、60)を有するシリンダ体(10)が記載される。シリンダ体(10)は、共通シャフト部材(20)に沿って軸方向に分配された複数の別個の環状支持リング(40)を備え、環状支持リング(40)はそれぞれ、環状支持リング(40)の外周上において円周方向に分配された一組の磁場発生装置(50、60)を担持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、枚葉紙(sheet)状または巻取紙(web)状の被印刷物上に付着させたインクまたはワニス剤に含まれる磁性フレークを配向させるシリンダ体であって、シリンダ体の外周上に配置された複数の磁場発生装置を備えるシリンダ体に関する。本発明は特に、銀行券(banknote)などの証券(security document)の製造において適用可能である。本発明はさらに、該シリンダ体を備える印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性フレークを配向させるこのようなシリンダ体を備える印刷機は、そのようなものとして当技術分野において知られている。このような印刷機は例えば、本発明の出願人の名義で出願された国際出願第WO2005/000585号に開示されている。
【0003】
国際出願第WO2005/000585号に開示された枚葉印刷機の一実施形態が図1に示されている。この印刷機は、シルクスクリーン版式に従って枚葉紙を印刷するように適合されており、シルクスクリーン印刷群(group)2に連続する枚葉紙を供給する給紙ステーション1を備え、シルクスクリーン印刷群2では、それらの枚葉紙上にシルクスクリーンパターンを付着させる。この例では、印刷群2が、枚葉紙の印刷経路に沿って連続して配置された2つのスクリーンシリンダ2b、2cと協働する圧胴2aを備える。印刷群2において処理された後、新たに印刷された枚葉紙は、コンベヤシステム3によって、複数、この例では3つの排紙パイルユニット(delivery pile unit)を備える排紙ステーション4へ移送される。コンベヤシステム3は一般に、枚葉紙の移送方向に対して直角に延びる間隔を置いて配置された複数のグリッパバー(gripper bar)(図1には示されていない)を備えるエンドレスチェーンコンベヤシステムであり、グリッパバーはそれぞれ、枚葉紙の前縁を保持するクランプ(clamping)手段を備える。
【0004】
図1に示された例では、チェーンコンベヤシステム3によって運ばれる枚葉紙の経路に沿って、複数の磁場発生装置を担持したシリンダ10が位置する。このシリンダ10は、印刷群2において枚葉紙上に新たに付着させたインクまたはワニスのパターンに含まれる磁性フレークを配向させるために、枚葉紙の選択された位置に磁場をかけるように設計されている。シリンダ10の下流には、枚葉紙上に付着させたインク/ワニスを、磁性フレークを配向させた後で乾燥または硬化させる乾燥ユニットまたは硬化ユニット5が提供される。このようなユニット5は一般に、使用されるインクまたはワニスのタイプに応じて、赤外乾燥ユニットまたはUV硬化ユニットである。
【0005】
図1に示されたシルクスクリーン印刷機の関連する詳細を含む、シルクスクリーン印刷機に関する他の詳細は、欧州特許出願第0723864号明細書、第0769376号明細書、ならびに国際出願WO97/29912号明細書、WO97/34767号明細書、WO03/093013号明細書、WO2004/096545号明細書、WO2005/095109号明細書およびWO2005/102699号明細書に記載されている。これらの文献は全て、この趣旨で、参照によって本出願に組み込まれる。
【0006】
シルクスクリーン印刷は特に銀行券などの証券の製造において、いわゆるイリデセント(iridescent)パターンおよびOVI(登録商標)パターンを含む光学的に可変のパターンを証券に印刷するために採用される(OVI(登録商標)はSICPA Holding SA社(スイス)の登録商標である)。このようなパターンは、光学的に可変の効果を生み出す特殊な顔料またはフレークを含むインクまたはワニスを使用して印刷される。
【0007】
当技術分野では、適当にかけられた磁場によって配向ないし整列させることができるという特色を有する、いわゆる「磁性フレーク」も知られている。このような磁性フレークおよびこのような磁性フレークを配向させる方法は特に、米国特許第4838648号明細書、欧州特許出願第0686675号明細書、および国際出願WO02/073250号明細書、WO03/000801号明細書、WO2004/007095号明細書、WO2004/007096号明細書、WO2005/002866号明細書で論じられている。これらの文献は全て、この趣旨で、参照によって本出願に組み込まれる。
【0008】
上述の磁性フレークを付着させる最も都合のよい方法は、上記の国際出願WO2005/000585号明細書で論じられているシルクスクリーン印刷による方法である。これは主に、磁性フレークが、このようなフレークを含むインクまたはワニスを付着させる使用可能な版式の選択を制限する比較的に重要なサイズを有することによる。具体的には、印刷工程中にフレークが破壊されたり、または損傷を受けたりしないことが保証されなければならず、シルクスクリーン印刷はこの目標を達成する最も都合のよい版式を構成する。さらに、シルクスクリーン印刷は、使用されるインクまたはワニスが、磁性フレークを適切に配向させるのに好都合な比較的に低い粘度を示すという利点を有する。
【0009】
とは言え、磁性フレークを含むインクおよびワニスを付着させる他の版式を予見することもできる。欧州特許出願第1650042号明細書では例えば、インクの粘度を低下させ、それによってフレークをより容易に配向させることを可能にするためにフレークを含むペースト状の凹版インクを加熱する凹版版式で、このような磁性フレークを付着させることが提案されている。従来の凹版印刷機のプレートシリンダは普通、印刷動作中に約80℃の動作温度まで加熱されるため、この提案は従来の凹版印刷機で実行することができる。
【0010】
磁性フレークの配向は、磁性フレークを含む新たに付着させたインクまたはワニスに適切な磁場をかけることによって実施される。例えば上記の特許文献で論じられているように、磁力線を適当に整形することによって、不可能とは言えないが偽造が非常に難しい、対応する光学的に可変の効果を生み出す所望のパターンに磁性フレークを整列させることができる。
【0011】
上で既に述べたとおり、磁性フレークを配向させる適切な解決策は、枚葉紙を、複数の磁場発生装置を担持した回転シリンダと接触させることからなる。
【0012】
再び図1を参照すると、国際出願第WO2005/000585号明細書で論じられているように、あるいはシリンダ10を、圧胴2aとコンベヤシステム3との間の枚葉紙移送位置3aに配置することもできる。国際出願第WO2005/000585号明細書において構想されている他の実施形態によれば、圧胴2a自体を、磁場発生装置を担持するシリンダとして設計することもできる。
【0013】
図1に示された実施形態では、有利には、磁性フレークを配向させるために使用されるシリンダ10が、枚葉紙の新たに印刷された面ではない方の面と協働し、それによってスミアリング(smearing)の問題を防ぎ、磁場は、枚葉紙の裏面から、インクまたはワニスの新たに印刷されたパターンを通してかけられる。磁性フレークを配向させている間、すなわちコンベヤシステム3によって運ばれた枚葉紙がシリンダ10の周囲の上部と接触しているときには、移送された枚葉紙とシリンダの周囲との間に相対変位が生じないように、シリンダ10を、移送された枚葉紙の速度と一致した周囲速度で回転させる。図に示されているように、シリンダ10は、枚葉紙がシリンダ10の外周の接線方向の湾曲した経路をたどるように、チェーンコンベヤシステム3の経路上に配置され、それにより、処理された枚葉紙の表面の一部をシリンダ10の外周と接触させることを可能にする。
【0014】
銀行券の製造では特に、印刷されたそれぞれの枚葉紙(または巻取紙印刷の場合には連続巻取紙の連続するそれぞれの部分)が、行と列のマトリックスとして配置された印影(imprint)のアレイを担持する。印影は最終的に、枚葉紙または巻取紙部分の最後の裁断の後に個々の証券を形成する。したがって、磁性フレークを配向させるために使用されるシリンダは一般に、枚葉紙または巻取紙部分上の印影と同じ数の磁場発生装置を備える。
【0015】
印刷された枚葉紙(または連続する巻取紙部分)のフォーマットおよび/またはレイアウトは、それぞれのケース、特にそれぞれの個々の印影の寸法および印影の数に依存する。このことは、磁気シリンダがそれに応じて構成されなければならないことを意味する。
【0016】
したがって、印刷物の新しいフォーマットおよび/またはレイアウトにシリンダ構成を迅速に適合させることができる適合性のあるシリンダ構成が求められている。
【発明の概要】
【0017】
したがって、本発明の目的は、磁性フレークを配向させるために使用されるシリンダを、印刷された枚葉紙または連続する巻取紙部分の実際のフォーマットおよび/またはレイアウトに合わせて調整することを可能にし、該調整を容易にする解決策を提供することにより、周知の装置を改良することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、印刷機を大幅に変更する必要なしに印刷機に容易に導入することができる解決策を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、シリンダの磁場発生装置と枚葉紙または巻取紙部分上の印影との間の適当な見当(register)を保証する解決策を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、磁性フレークを配向させる間の枚葉紙または巻取紙部分の安定した支持を保証することにある。
【0021】
これらの目的は、特許請求の範囲に定義された解決策によって達成される。
【0022】
本発明によれば、シリンダ体はさらに、共通シャフト部材に沿って軸方向に分配された複数の別個の環状支持リングを備え、環状支持リングはそれぞれ、環状支持リングの外周上において円周方向に分配された一組の磁場発生装置を担持する。
【0023】
このシリンダ構成のおかげで、磁場発生装置の位置の軸方向の調整と円周方向の調整の両方を迅速に実行することができる。軸方向の調整は、対応する環状支持リングの位置を共通シャフト部材に沿って調整することによって達成され、円周方向の調整は、対応する環状支持リングの外周に沿って磁場発生装置の位置を調整することによって達成される。
【0024】
環状支持リングはそれぞれ、共通シャフト部材の軸に沿って、他の環状支持リングとは無関係に、自由に調整可能であるように設計されることが好ましい。同様に、磁場発生装置はそれぞれ、環状支持リングの外周に沿って、同じ環状支持リング上に配置された他の磁場発生装置とは無関係に、自由に調整可能であることが好ましい。
【0025】
有利な一実施形態によれば、環状支持リングはそれぞれ、半径方向の開口スリットによって中断された全体に環状の形状を有し、半径方向の開口スリットに作用して、環状支持リングを共通シャフト部材に固定し、または共通シャフト部材から解放する組付け手段を備える。
【0026】
好ましい一実施形態によれば、共通シャフト部材上の共通シャフト部材の周囲の決められた角度位置に取り付けるために、環状支持リングはそれぞれ、シリンダ体の回転軸に対して平行に延びる内側取付け溝を備える。このことは、共通シャフト部材の軸の周囲の正確で共通の基準位置に、それぞれの環状支持リングが配置されることを保証する。
【0027】
さらに、好ましい一実施形態によれば、アルミニウム、非磁性ステンレス鋼など低い透磁率を有する材料から製作されたカバープレートがさらに提供され、このカバープレートは、環状支持リング上に固定され、磁場発生装置を覆う。このことは、シリンダ体が、処理された枚葉紙に対して良好な支持を提供する実質的に均一な外周を示すことを保証する。あるいは、環状支持リング間に中間リングを配置して、環状支持リング間の空隙を塞ぐこともできる。
【0028】
一部の磁場発生装置は、処理されたインク/ワニスパターンの直ぐ近くに配置されることが必要となることがあるため、カバープレートを備える上記の実施形態では、カバープレート内の磁場発生装置の位置に対応する位置に開口を提供することが適当であることもある。
【0029】
カバープレートを備える上記の実施形態ではさらに、環状支持リングの周囲にカバープレートを固定し、カバープレートをぴんと張るクランプ手段をさらに提供し、それによって枚葉紙に対する正確な基準面を確保および保証することが有利である。
【0030】
好ましい他の実施形態によれば、磁場発生装置はそれぞれ、環状支持リング上に取り付けられた、対応する磁場発生要素を受け取る支持部材を備える。このことは、環状支持リング上への磁場発生装置の取付けを標準化することを可能にし、例えばある1つの要素を、異なる光学的効果を生み出すように設計された別の要素、すなわち異なるパターンの磁力線を生成する要素に取り替えたいときに、磁場誘導要素の迅速な取替えを可能にする。この実施形態では、支持部材にそれぞれ、支持部材を環状支持リングに固定するそれ自体のクランプ手段が設けることは有利である。
【0031】
磁場発生装置の取付けは、環状支持リングの外周に設けられた周縁取付け溝によって保証されることが好ましく、周縁取付け溝は逆T字形の形状を示すことが好ましい。この場合、有利には、環状支持リングがそれぞれ、環状取付け溝の両側に延びる一対の周縁支持ショルダをさらに備えることができ、支持ショルダは、磁場発生装置が周縁支持ショルダ間にほぼ完全に囲われるような直径を有する。
【0032】
好ましい他の実施形態によれば、共通シャフト部材は、共通シャフト部材の外周上において軸方向および円周方向に分配された複数の吸引孔を備え、これらの吸引孔は、環状支持リング上に設けられ、環状支持リングの外周に開く、対応する吸引出口と連通する。これにより、処理中に、シリンダ体の外周に対して枚葉紙または巻取紙を適切に吸引することが可能になる。環状支持リングがそれぞれ一対の周縁支持ショルダを備える上記の好ましい実施形態では、吸引出口が、前記周縁支持ショルダの外周まで延び、前記周縁支持ショルダの外周上に開くことが好ましい。
【0033】
有利には、共通シャフト部材上の吸引孔が、前記吸引孔の中に(例えばねじ込むことによって)配置された対応する栓要素によって選択的に閉じられるように設計される。
【0034】
有利には、共通シャフト部材のある長さに沿って軸方向に延び、共通シャフト部材の軸方向に分配された対応する一組の吸引孔と連通した、複数の独立した吸引チャネルを設けることによって、および共通シャフト部材の独立した吸引チャネルの対応する1つの吸引チャネルとそれぞれ連通した複数の独立した内側吸引チャンバを備えるようにそれぞれの環状支持リングを設計することによって、シリンダ体の周囲の選択された位置でだけ、すなわち枚葉紙または巻取紙がシリンダ体の周囲と接触した位置でだけ吸引が実行されることを保証することができる。このことは、必要な位置にだけ吸引を作用させることを保証し、それによって吸引効率を最適化する。
【0035】
このシリンダ体が、枚葉印刷機のチェーングリッパシステムと協働することが意図された可能な一実施態様によれば、環状支持リングの外周の一部に、チェーングリッパシステムのグリッパバーの突出部を受け取る隙間が提供される。代替実施態様では、従来の枚葉紙処理シリンダと本質的に同じように、シリンダ体を、それ自体の枚葉紙クランプ手段を備えるように設計することができる。
【0036】
本発明の有利な実施形態は従属請求項の内容を形成し、それらは以下で論じられる。具体的には、本発明に基づくシリンダ体を備える印刷機、特にシルクスクリーン印刷機が請求され、シリンダ体は印刷機の排紙区間に位置する。
【0037】
本発明の他の特徴および利点は、単に非限定的な例として提示され、添付図面によって図解された本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことによってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に基づくシリンダ体を含むシルクスクリーン枚葉印刷機の側面図である。
【図2】シリンダ体と図1の印刷機のチェーンコンベヤシステムのグリッパバーとの協働を示す概略側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に基づくシリンダ体の一部分の概略透視図である。
【図4】図3に示された第1の実施形態の部分を形成する環状支持リングの概略透視図である。
【図5】破線によって示されたシリンダ体の回転軸の周りにおける、第1の実施形態のシリンダ体によって担持された磁場発生装置の配置を示す概略透視図である。
【図6】図6a及び6bは図4の環状支持リングがその上に取り付けられる共通シャフト部材のそれぞれ透視図および断面図である。
【図7】図7a及び7bは2つの異なる角度に沿って見た1つの環状支持リングの2つの透視図である。
【図8】図8a〜8cは図7aおよび7bの環状支持リングの断面を示す3つの透視図である。
【図9】環状支持リングの外周への支持部材の取付けをより詳細に示す図である。この支持部材は、磁性フレークを配向させる磁気要素を担持することが意図されている。
【図10】分離して示された図9の支持部材の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
次に、証券、特に銀行券を印刷するシルクスクリーン枚葉印刷機において本発明を説明する。シルクスクリーン印刷機は、図1に示された印刷機、または他のタイプのシルクスクリーン印刷機とすることができる。示された実施形態は、上で既に論じた間隔を置いて配置された複数のグリッパバーを備えるタイプのチェーンコンベヤシステムの経路上に設置されるように特に適合されたシリンダ体を示す。本発明は、シルクスクリーン印刷機の印刷群とシルクスクリーン印刷機の乾燥/硬化ユニットとの間に設置することができる他の任意のシリンダ構成に等しく適用可能である。例えば、本発明の可能な代替実施形態によれば、シリンダ体を、枚葉紙クランプ手段をそれぞれが有する複数の処理シリンダを備える処理ユニットの部分とすることができる。言い換えれば、示された実施形態は、チェーンコンベヤシステムと協働するように適合されたシリンダ体を示すが、この実施形態を、そのようなものとして本発明の範囲を限定する態様とみなしてはならない。
【0040】
さらに、示された実施形態は、枚葉紙を処理するように適合されたシリンダ体を示すが、連続巻取紙の処理も、本発明の可能な実施態様として構想される。
【0041】
図2は、全体が参照符号10によって示された本発明のシリンダ体と、図1の印刷機のコンベヤシステム3のグリッパバー30との協働を示す概略側面図である。図1および2に示されているように、コンベヤシステム3は、それぞれのグリッパバー30が、シリンダ体10の周囲の湾曲した経路Pを(図の右から左へ)たどるように設計され、シリンダ体10は、グリッパバー30の変位と同期して、その回転軸Oの周りを(図2の矢印によって示されているように逆時計回りに)回転するように構成される。より正確には、シリンダ体10は、その外周上に隙間10aを備え、隙間10aは、グリッパバー30の突出部、すなわち枚葉紙の前縁を保持するクランプ要素35が、前記隙間の中に受け取られることを可能にし、グリッパバー30との干渉を防ぐような寸法を有する。
【0042】
この場合、新しい枚葉紙が到着したとき(すなわち図2に示された構成において)、シリンダ体10は、隙間10aがグリッパバー30のクランプ要素35の正面に来るように配置される。次いでシリンダ体10を短時間で加速することにより、シリンダ体10がグリッパバー30に追いついて枚葉紙の前縁に対してできる限り近くに配置されることが可能になる。シリンダ体のこの短時間の加速の主な目的は、クランプ要素35にクランプされた枚葉紙の前縁とシリンダ体10の周囲上の始点との間の距離を最小化すること、すなわち枚葉紙の前縁にできるだけ近い位置で磁性フレークを配向させることを可能にすることである。
【0043】
シリンダ体10がグリッパバー30に追いついた後に、シリンダ体10を、グリッパバー30とシリンダ体10の外周との間に相対的な変位が生じないような速度で回転させる。シリンダ体10のこのような同期回転は、処理中の枚葉紙がシリンダ体10の外周と接触している限り続く。次いで、この同じプロセスが次の枚葉紙に対して繰り返される。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態に基づくシリンダ体10の一部分の透視図である。この図では、共通シャフト部材が省略されている。共通シャフト部材は図6aおよび6bに示されており、以下の説明において別個に論じられる。
【0045】
図3に示されているように、シリンダ体10は本質的に円筒形の外形を示し、シリンダ体10のある長さにわたって隙間10aが軸方向に延びる。この好ましい例では、シリンダ体10の外周上にカバープレート101が設けられる。低い透磁率を示す材料から製作されたこのカバープレート101は、有利には、隙間10aの領域において両端がクランプされる。この目的のためにクランプ手段102、103が設けられ、これらのクランプ手段は、シリンダ体10の外周上にカバープレート101を適切なやり方で固定するように設計される。より正確には、カバープレート101は、一端が第1のクランプバー102によって、他端が第2のクランプバー103によってクランプされる。詳細には示されていないが、第2のクランプバー103は、カバープレート101の張りを調整するためにシリンダ体10上で変位可能であるように設計される。
【0046】
図3にさらに示されているように、この例ではカバープレート101が複数の長方形の開口101aを備える。これらの開口101aは、その下に位置する磁場発生装置の位置と一致するように配置される。そのようなものとして開口101aは任意であり、WO2005/002866号明細書に記載された装置など、配向させる磁性フレークを含むインク/ワニスパターンの直ぐ近くに配置されることが好ましい特定のタイプの磁場発生装置が使用される場合に好ましい。他のタイプの磁場発生装置が使用される場合には、開口101aを省略してよいことがある。
【0047】
さらに、図3の上部に見える複数の小さな開口101bが、この例では図3の下部の破線として示された複数の環状線に沿って設けられる。後に明らかになるが、これらの開口101bは、カバープレート101の下に位置する複数の吸引出口と連通し、シリンダ体10の周囲に対して処理された枚葉紙を吸引することを可能にするように設計される。
【0048】
図4は、カバープレート101のない図3に示されたシリンダ体10の一部分を示す図である。図4に示されているとおり、シリンダ体10は、シリンダ体10の回転軸に沿って軸方向に分配された複数の環状支持リング40を備える。示された例では、全く同じ5つの環状支持リング40が設けられている。シリンダ体10の最右側には追加のリング45が設けられる。この追加のリング45は本質的に、図3に示されたカバープレート101の右側を支持する機能を果たし、シリンダ体10全体に対称性を与える。
【0049】
環状支持リング40はそれぞれ、周縁取付け溝40aと、環状取付け溝40aの両側に延びる一対の周縁支持ショルダ(shoulder)40bとを備えることが好ましい。周縁取付け溝40a上には、対応する磁場誘導要素(図示せず)を受けるように設計された複数の支持部材50が取り付けられる。
【0050】
図5は、シリンダ体10の回転軸Oの周りの可能な取付け構成に基づく前記支持部材50の概略図である。図5では、取付け位置にある全ての支持部材50を示すため、シリンダ体10のその他の要素が全て省略されている。示された実施形態では、それぞれの環状支持リング40上に8つ、合計40個の支持部材50が提供されることを理解することができ、40個の支持部材50はそれぞれ、処理中の枚葉紙上の異なる40の位置のうちの対応する1つの位置と協働する対応する1つの磁場発生装置を形成するように設計される。したがって、示された実施形態によれば、結果として得られるシリンダ体が、その表面に5列×8行のマトリックスとして配置された磁性フレークを含む40個のパターンのアレイが印刷された枚葉紙と協働するように適合されることが理解される。このような配置が単に例示目的であることは明らかであり、他の配置が構想されることもある。
【0051】
再び図4を参照すると、支持部材50(したがって磁場発生装置)が支持ショルダ40b間にほぼ完全に囲われるような直径を周縁支持ショルダ40bが有することを理解することができる。言い換えれば、支持ショルダ40bは、シリンダ体10の回転軸に沿って、磁場発生装置の両側を支持するように設計される。
【0052】
やはり図4を見ると明らかなように、周縁取付け溝40aは、支持部材50を挿入するため逆T字形の形状を示すことが好ましい。支持部材50はそれぞれ、周縁取付け溝40aの形状に整合する対応したT字形の形状を示す。後に明らかになるが、支持部材50はそれぞれ、環状支持リング40の周縁取り付溝40aと協働して、周縁取付け溝40aに沿った所望の位置に磁場発生装置を固定するように適合されたそれ自体のクランプ要素51(図5、7a、8b、9および10に示されている)を備えることが好ましい。このようにすると、それぞれの磁場発生装置を、環状支持リング40の周囲に沿って、同じ環状支持リング40上に配置された他の磁場発生装置とは無関係に、自由に調整することができる。
【0053】
図6aおよび6bは、この第1の実施形態に基づくシリンダ体10の残りの部分を構成する共通シャフト部材20を示す2つの図である。この共通シャフト部材20上に、上で論じた環状支持リング40(および追加のリング45)が、図3および4に示されたそれらの中心開口400を通して取り付けられる。
【0054】
リング40(および45)はそれぞれ、シリンダ体10の回転軸Oに対して平行に延びる内側取付け溝400aを備えることが好ましい。この内側取付け溝400aは、共通シャフト部材20上の共通シャフト部材20の周囲の決められた角度位置への取付けを可能にするように設計される。そのために、共通シャフト部材20の縦部分20aに、環状支持リング40の内側取付け溝400aと協働する取付けバー(図示せず)が固定される。このようにすると、それぞれの環状支持リング40は、共通シャフト部材20に対して、同じ共通の角度基準位置に従って、正確に配置される。
【0055】
支持部材50および環状支持リング40は、アルミニウムまたは低い透磁率を示す他の材料から製作されることが好ましい。
【0056】
図6a、6bに示されているように、共通シャフト部材20は、共通シャフト部材20の外周上において軸方向および円周方向に分配された複数の吸引孔200を備えることが好ましい。これらの吸引孔200は、環状支持リング40上に設けられた(後に論じる)対応する吸引出口と連通することが意図される。
【0057】
この例では、有利には、それぞれの吸引孔200が、対応する栓要素、すなわちこの例ではねじ込み可能な要素によって選択的に閉じることができるねじ穴として設計される。これによって、使用されていない孔200、すなわち環状支持リング40の対応する出口と連通していない孔200、すなわち環状支持リング40間に位置する孔200を選択的に閉じることができる。
【0058】
好ましい一変型形態によれば、図示されているように、共通シャフト部材20が、共通シャフト部材20の内側に沿って軸方向に延びる独立した複数の吸引チャネル210を備える。吸引チャネル210はそれぞれ、共通シャフト部材20の軸方向に分配された対応する一組の吸引孔200と連通する。示された例では、対応する一組の孔200とそれぞれ連通した5つの吸引チャネル210が設けられる(共通シャフト部材20の周囲には5列の孔200が設けられている)。
【0059】
図7aおよび7bは、2つの異なる角度から見た1つの環状支持リング40の2つの透視図である。これらの図(ならびに図3および4)に示されているように、環状支持リング40はそれぞれ、半径方向の開口スリット401によって中断された全体に環状の形状を示す。共通シャフト部材20上への支持リング40の取付けおよび共通シャフト部材20上の支持リング40の位置の調整を容易にするため、この半径方向の開口スリット401は、環状支持リング40の円周の方向のわずかな弾性変形を可能にする。環状支持リング40の共通シャフト部材20への固定または共通シャフト部材20からの解放は、半径方向の開口スリット401に作用して半径方向の開口スリット401の閉鎖または拡張を引き起こす、ねじなどの適切な組付け手段(図7aおよび7bには示されておらず、図3に示されている)によって保証される。したがって、環状支持リング40はそれぞれ、共通シャフト部材20の軸に沿って、他の環状支持リング40とは無関係に、自由に調整可能であることが理解される。
【0060】
図7aおよび7bはさらに、それぞれの環状支持リング40が、環状支持リング40の内側開口400内に開く複数の吸引出口420(図3および4にも示されている)を備えることを示す。これらの吸引出口420は、対応する環状支持リング40の外周上に開く吸引出口425(図4にも示されている)と連通する。吸引出口420、425は、共通シャフト部材20上に設けられた吸引孔200と協働するように設計されることが理解される。
【0061】
より正確には、環状支持リング40の内側に、独立した吸引チャンバ41が設けられる。このような独立した吸引チャンバ41は図8a、8b、8cにより分かりやすく示されている。図8a、8b、8cは、環状支持リング40の回転軸に対して垂直な3つの異なる平面に沿って切られた環状支持リングの断面を示す透視図である。図8aおよび8bでは、断面が、周縁取付け溝40aにおいて切り取られ、図8cでは、断面が、一方の周縁支持ショルダ40bにおいて切り取られている。
【0062】
図8a、8b、8cから明らかなように、環状支持リングの内側に、5つの独立した吸引チャンバ41が提供される。独立した吸引チャンバ41にはそれぞれ、図8cに示されているように環状支持リングの外周の吸引出口425と連通した対応する一組の吸引出口420が設けられる。
【0063】
吸引チャンバ41はそれぞれ、図6a、6bに示された共通シャフト部材20の外周に沿って提供された軸方向に分配された5組の吸引孔200のうちの対応する一組の吸引孔200と協働するように設計される。言い換えれば、吸引チャンバ41はそれぞれ、吸引孔200を介して、共通シャフト部材210内に設けられた5つの吸引チャネル210のうちの対応する1つの吸引チャネル210と連通する。この構成は、それぞれの環状支持リング40の周囲の一部分にだけ、したがってシリンダ体10の周囲の対応する一部分にだけ吸引を作用させることを可能にする。
【0064】
示された実施形態では、共通シャフト部材20の吸引チャネル210がそれぞれ、(対応する吸引孔200、吸引チャンバ41および吸引出口420を介して)環状支持リング40の周囲の吸引出口425と連通し、シリンダ体10の周囲の約60度の扇形の部分に吸引を作用させることを可能にする。動作中に、処理中の枚葉紙の表面の対応する部分をシリンダ体10の外周に対して吸引するため、1つまたは2つの吸引チャネル210が同時に有効となることもありうる。
【0065】
有利な一実施態様では、処理中の枚葉紙とシリンダ体10の周囲の対応する部分との間の分離を容易にするために、上に開示した吸引手段を、短時間、空気を吹き出すように動作させることもできる。
【0066】
上で既に論じたとおり、示された好ましい実施形態では、例えば図8aおよび8bに示されているように、環状支持リング40の周縁取付け溝40aに沿って支持部材50が挿入される。支持部材50はそれぞれ、その円周方向の位置を調整するために周縁取付け溝40aに沿ってスライドすることができるように設計される。配置された後、図8bおよび9に示されているように、支持部材50をそれぞれクランプ要素51によってその場に固定することができる。
【0067】
図9により詳細に示されているように、クランプ要素51は、支持部材50の底面に、環状支持リング40の周縁取付け溝40aと協働するように配置された足(foot)要素として形成される。支持部材50の2つの貫通穴50bの中に、クランプ要素51と協働する一対のねじ付き固定要素52が提供され、それぞれのねじ付き固定要素52は、対応する貫通穴50bに挿入された適切な工具を使用して外周からアクセス可能である。したがって、環状支持リング40の周縁取付け溝40aに向かってクランプ要素51が押し付けられるようにねじ付き固定要素52に作用することによって、それぞれの支持要素50をその場に固定することができる。反対に、クランプ要素51に加えられたクランプ圧を解放することによって、それぞれの支持部材50をその位置から解放することができる。
【0068】
有利には、図3に示されているように、カバープレート101を備える好ましい実施形態では、カバープレート101が取り付けられた後で必要に応じてそれぞれの支持要素50の位置を微調整することができるように、長方形の開口101aの隣にさらに、支持要素50の貫通穴50bへのアクセスを可能にする開口101cが提供される。
【0069】
図10は、クランプ要素51およびねじ付き固定要素52を有する支持部材50の分解透視図である。例示目的の図10にはさらに、支持部材50の対応する開口50aの中に配置された磁場誘導要素60が示されている。
【0070】
磁場誘導要素60は、国際出願WO2005/000585号明細書の図4に示されているような単純な永久磁石、または国際出願WO2005/002866号明細書で論じられている、磁場の摂動を生じさせるためにその表面が彫刻された永久磁性材料体を含む装置とすることができる。本発明の範囲内において、磁場発生装置は、処理される被印刷物上に付着させたインク/ワニスパターンに含まれる磁性フレークを配向させる能力を有する磁場を生み出すことが可能な任意のタイプの装置とすることができる。
【0071】
上述の実施形態には、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更および/または改良を加えることができる。例えば、枚葉紙印刷に適合された印刷機において本発明を説明したが、本発明は、連続巻取紙上への印刷にも等しく適用可能である。
【0072】
さらに、図に示されたシリンダ体はカバープレートを備えるが、このようなカバープレートは単に好ましいというだけである。本発明の範囲内において、カバープレートの代わりに、環状支持リング間の空隙に配置された中間支持円板を使用することもできる。
【0073】
最後に、シルクスクリーン印刷は、配向させる磁性フレークを含むインク/ワニスパターンを付着させる好ましい1つの版式だが、欧州特許出願第1650042号明細書で論じられている凹版版式など他の版式が構想されることもある。言い換えれば、シルクスクリーン印刷機以外の印刷機で、本発明のシリンダ体を使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉紙状または巻取紙状の被印刷物上に付着させたインクまたはワニス剤に含まれる磁性フレークを配向させるシリンダ体(10)であって、前記シリンダ体(10)の外周上に配置された複数の磁場発生装置(50、60)を有するシリンダ体(10)において、共通シャフト部材(20)に沿って軸方向に分配された複数の別個の環状支持リング(40)をさらに備え、環状支持リング(40)がそれぞれ、前記環状支持リング(40)の外周上において円周方向に分配された一組の前記磁場発生装置(50、60)を担持したシリンダ体(10)。
【請求項2】
環状支持リング(40)がそれぞれ、前記共通シャフト部材(20)の軸に沿って、他の環状支持リング(40)とは無関係に、自由に調整可能である、請求項1に記載のシリンダ体(10)。
【請求項3】
環状支持リング(40)がそれぞれ、半径方向の開口スリット(401)によって中断された全体に環状の形状を有し、前記半径方向の開口スリット(401)に作用して、前記環状支持リング(40)を前記共通シャフト部材(20)に固定し、または前記共通シャフト部材(20)から解放する組付け手段を備える、請求項2に記載のシリンダ体(10)。
【請求項4】
前記共通シャフト部材(20)上の前記共通シャフト部材(20)の周囲の決められた角度位置に取り付けるために、環状支持リング(40)がそれぞれ、前記シリンダ体(10)の回転軸(O)に対して平行に延びる内側取付け溝(400a)を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)。
【請求項5】
低い透磁率を有する材料から製作されたカバープレート(101)をさらに備え、前記カバープレート(101)が、前記環状支持リング(40)上に固定され、前記磁場発生装置(50、60)を覆う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)。
【請求項6】
前記カバープレート(101)が、前記磁場発生装置(50、60)の位置に相当する位置に開口(101a)を備える、請求項5に記載のシリンダ体(10)。
【請求項7】
前記環状支持リング(40)の周囲に前記カバープレート(101)を固定し、前記カバープレート(101)をぴんと張る第1および第2のクランプ手段(102、103)をさらに備える、請求項5または6に記載のシリンダ体(10)。
【請求項8】
磁場発生装置(50、60)がそれぞれ、対応する磁場発生要素(60)を受ける、低い透磁率を有する材料から製作された支持部材(50)を備え、前記支持部材(50)が、前記環状支持リング(40)上に取り付けられた、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)。
【請求項9】
支持部材(50)がそれぞれ、前記支持部材(50)を前記環状支持リング(40)に固定するクランプ要素(51)を備える、請求項8に記載のシリンダ体(10)。
【請求項10】
磁場発生装置(50、60)がそれぞれ、前記環状支持リング(40)の外周に沿って、同じ環状支持リング(40)上に配置された他の磁場発生装置(50、60)とは無関係に、自由に調整可能である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)。
【請求項11】
環状支持リング(40)がそれぞれ、前記磁場発生装置(50、60)を取り付ける周縁取付け溝(40a)を備え、前記周縁取付け溝(40a)が好ましくは逆T字形の形状を示す、請求項10に記載のシリンダ体(10)。
【請求項12】
環状支持リング(40)がそれぞれ、前記環状取付け溝(40a)の両側に延びる一対の周縁支持ショルダ(40b)を備え、前記周縁支持ショルダ(40b)が、前記磁場発生装置(50、60)が前記周縁支持ショルダ(40b)間にほぼ完全に囲われるような直径を有する、請求項11に記載のシリンダ体(10)。
【請求項13】
前記共通シャフト部材(20)が、前記共通シャフト部材(20)の外周上において軸方向および円周方向に分配された複数の吸引孔(200)を含み、前記吸引孔が、前記環状支持リング(40)上に設けられ、前記環状支持リング(40)の外周に開く、対応する吸引出口(420、425)と連通した、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)。
【請求項14】
前記共通シャフト部材(20)上の前記吸引孔(200)を、前記吸引孔(200)の中に配置された対応する栓要素によって選択的に閉じることができる、請求項13に記載のシリンダ体(10)。
【請求項15】
前記共通シャフト部材(20)が、前記共通シャフト部材(20)のある長さに沿って軸方向に延びる複数の独立した吸引チャネル(210)を含み、独立した吸引チャネル(210)がそれぞれ、前記共通シャフト部材(20)の軸方向に分配された対応する一組の吸引孔(200)と連通し、
環状支持リング(40)がそれぞれ、前記共通シャフト部材(20)の前記独立した吸引チャネル(210)の対応する1つの吸引チャネルとそれぞれ連通した複数の独立した内側吸引チャンバ(41)を備える、
請求項13または14に記載のシリンダ体(10)。
【請求項16】
前記吸引出口(420、425)が前記周縁支持ショルダ(40b)の外周上に開く、請求項12および請求項13から15のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)。
【請求項17】
枚葉印刷機のチェーングリッパシステム(3)と協働する請求項1乃至16のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)であって、前記環状支持リング(40)の外周の一部に、前記チェーングリッパシステム(3)のグリッパバー(30)の突出部(35)を受ける隙間(10a)が設けられた、シリンダ体(10)。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか一項に記載のシリンダ体(10)を備える印刷機。
【請求項19】
シルクスクリーン印刷機である、請求項18に記載の印刷機。
【請求項20】
前記シリンダ体(10)が前記印刷機の排紙区間に位置する、請求項18または19に記載の印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−519080(P2010−519080A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550353(P2009−550353)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050592
【国際公開番号】WO2008/102303
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】