説明

枚葉電子写真印刷機の定着装置

【課題】高速搬送される枚葉紙をシワが発生することなく安定した状態で加熱定着する。
【解決手段】印刷ユニット1a,1bの最下流側の枚葉紙の受け渡し部より下流方向に離隔した位置に、内装した加熱ヒータにて外周面を加熱可能にした定着ドラム9を上記印刷ユニットでの枚葉紙の走行速度と同一の周速度で回転するようにして設け、印刷ユニットの最下流側の枚葉紙の受け渡し部に隣接する位置に第1のスプロケット10を、また上記定着ドラムと同軸位置にこの定着ドラムの周径と略同径のピッチ円径を有すると共に、定着ドラムと一体回転するようにした第2のスプロケット11を設け、上記第1・第2のスプロケットに、咥え爪13を有し、上記最下流側の受け渡し部から走行されている枚葉紙を咥え爪にて咥え替えて定着ドラムの周面に巻回搬送する搬送チェーン12を巻き掛け、上記定着ドラムの周面に、この周面に加圧接触する加圧部材を転接した構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉電子写真印刷機にて枚葉紙を連続的に印刷するようにした枚葉電子写真印刷機の定着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の定着装置としては、加熱ローラの周囲に、それぞれ加熱ローラに転接してニップを形成する複数(第1・第2)のロールを加熱ロールの回転軸よりも重力方向において上方に位置させ設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−330340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の定着装置にあっては、加熱ローラの周面に、これの回転方向に離して2個のローラを転接させた構成であることにより、加熱ローラの回転に従って走行する枚葉紙は、2個のローラの間で加熱ローラから離れて浮き上がる場合があった。
【0005】
このように第1のローラを通過したときに枚葉紙が浮き上がると第2のローラとのニップによってシワが発生したり、枚葉紙の搬送速度が高速になるほど定着のための熱の供給が不十分になる問題があり、その上、第1のニップから第2のニップに搬送される途上では枚葉紙の先端部はフリー状態になって枚葉紙の搬送自体が不安定になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、枚葉紙を高速搬送する場合であってもシワが発生することなく安定して搬送することができ、かつ定着熱を十分に供給することができることにより、均一な安定した印刷品質で画像の熱定着を高速で行うことができる枚葉電子写真印刷機の定着装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項に係る枚葉電子写真印刷機の定着装置は、咥え爪にて咥えられて走行する枚葉紙に電子写真印刷方式を用いた印刷ユニットにて印刷した印刷画像を加熱定着する枚葉電子写真印刷機の定着装置において、印刷ユニットの最下流側の枚葉紙の受け渡し部より下流方向に離隔した位置に、内装した加熱ヒータにて外周面を加熱可能にした定着ドラムを上記印刷ユニットでの枚葉紙の走行速度と同一の周速度で回転するようにして設け、印刷ユニットの最下流側の枚葉紙の受け渡し部に隣接する位置に第1のスプロケットを、また上記定着ドラムと同軸位置にこの定着ドラムの周径と略同径のピッチ円径を有すると共に、定着ドラムと一体回転するようにした第2のスプロケットを設け、上記第1・第2のスプロケットに、咥え爪を有し、上記最下流側の受け渡し部から走行されている枚葉紙を咥え爪にて咥え替えて定着ドラムの周面に巻回搬送する搬送チェーンを巻き掛け、上記定着ドラムの周面に、この周面に加圧接触する加圧部材を転接した構成になっている。
【0008】
上記構成の装置において、定着ドラムを固定軸に回転可能に支持し、この固定軸に加熱ヒータを設けた。
【0009】
また、上記構成の装置において、定着ドラムと一体状に設ける第2のスプロケットを定着ドラムの軸方向両側に位置される一対のスプロケット部材とで構成すると共に、第1のスプロケットをこの第2のスプロケットの両スプロケット部材に対応する一対のスプロケット部材とで構成し、搬送チェーンを上記各対のスプロケット部材に巻き掛けた一対のチェーン部材にて構成し、一対のチェーン部材間に咥え爪を架橋支持し、定着ドラムの周面にこの定着ドラムの回転に従って走行するチェーン部材の咥え爪が没入する凹溝を設けた構成になっている。
【0010】
また、上記装置において、定着ドラムに転接する加圧部材に、定着ドラムの周速と同一の周速で回転駆動するようにした加圧ローラか加圧ベルトのいずれかを用いた。
【0011】
また、上記装置において、定着ドラムの周面に離型性ジャケットを着脱可能に装着した。
【0012】
さらに上記構成の装置において、第1のスプロケットから第2のスプロケットにわたって走行される間の搬送チェーンに対向する位置に、搬送チェーンの咥え爪にて搬送される枚葉紙面を加熱する加熱装置を設けた。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、枚葉電子写真印刷機にて印刷された枚葉紙は、チェーンの咥え爪に咥えられた状態で定着ドラムに巻回搬送されて安定した加熱定着搬送ができる。その上、上記定着ドラムの周面に巻回搬送される枚葉紙は、定着ドラムの周面に加圧接触される加圧部材にて加圧されることにより、均質で安定した高速走行による定着を行うことができる。
【0014】
定着装置に搬送される枚葉紙は、搬送チェーンの咥え爪により完全に固定されることにより、枚葉紙は定着作用中にずれることがなく正確な定着を行うことができる。そして定着装置における上記枚葉紙の搬送手段が咥え爪を用いたチェーン搬送方式であることにより、定着搬送時の枚葉紙固定構造を簡素な構成で実施でき、コスト面での経済的効果も得ることができる。
【0015】
上記定着装置の定着ドラムが固定軸に対して回転可能に支持したことにより、定着ドラムの内側に設けられる加熱ヒータをこの固定軸に固定配置できると共に、固定軸内部を介して電源及び制御回線を簡素な構成で容易に設けることができる。
【0016】
また、本発明によれば定着ドラムの周面に離型性ジャケットを装着したことにより、両面印刷の場合であっても印刷トナー画像の定着ドラム表面への転移を防止できて均一、高品質の定着トナー画像を得ることができる。そしてこの離型性ジャケットが着脱可能になっていることにより、良好な保守性を得ることができる。
【0017】
さらに、枚葉電子写真印刷機から搬送チェーンの咥え爪に咥え替えられて定着ドラムに搬送される前の枚葉紙は加熱装置にて加熱されるため、この枚葉紙に印刷されたトナー画像は、この加熱装置にて予備加熱されて軟化溶融されてから定着ドラムにて加熱定着され、この定着ドラムによる加熱定着を良好に行うことができると共に、定着搬送速度の高速化と高速定着化を図ることができる。このように高速定着が可能な装置であっても装置を大型化することなく簡素な構成で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明装置の全体を示す概略的な構成説明図である。
【図2】定着ドラム部を示す概略的な構成説明図である。
【図3】定着ドラム部を示す断面図である。
【図4】定着ドラム部を一部破断して示す概略的な構成説明図である。
【図5】定着ドラム部での咥え爪部を示す断面図である。
【図6】定着装置への枚葉紙の咥え替え部を示す説明図である。
【図7】定着ドラム部の正面図である。
【図8】定着ドラム周面に対する押圧部材の他例を概略的に示す構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1において、1は電子写真印刷手段を用いて枚葉紙に1色あるいは多数色(4色)印刷するようにした枚葉電子写真印刷機であり、1a,1b…は上記各色を印刷する印刷ユニット、2a,2b…は各印刷ユニット1a,1b…の圧胴で、この各圧胴2a,2b…にプリントユニット3a,3b…が対向されている。図中4a,4b…は各印刷ユニットの各圧胴間に枚葉紙を受け渡しする渡し胴であり、5は最下流側の印刷ユニット1aの圧胴2aから枚葉紙を受け取ると共に、枚葉電子写真印刷機1の下流側に設けられた定着装置6へ受け渡しする受け渡し胴である。
【0021】
この枚葉紙電子写真印刷機1における圧胴2a,2b…及び渡し胴4a,4b…、さらに受け渡し胴5の周面には図1では図示しないが枚葉紙の天地方向長さ分の等間隔位置に咥え爪が設けてあり、枚葉電子写真印刷機1の上流側からの枚葉紙はこの各胴の咥え爪に咥え替えられて順次搬送されるようになっている。
【0022】
図1において、定着装置6は上記枚葉電子写真印刷機1の受け渡し胴5の下流側に設けられて、枚葉電子写真印刷機1の各印刷ユニット1a,1b…にて電子写真印刷された各枚葉紙のトナー画像を加熱定着するようになっており、以下図面を参照してこの定着装置の構成を説明する。
【0023】
定着装置6は、上記枚葉電子写真印刷機1の受け渡し胴5から下流側へ所定の距離、例えば上方へ離隔した位置に、図3で示したところの前後のフレーム7,7に固着された支軸8に回転自在に支持された定着ドラム9と、受け渡し胴5に隣接して設けられた第1のスプロケット10(図1)と、上記定着ドラム9と一体で、かつ同心状に設けられ、さらにピッチ円径を定着ドラム9の外径と略同一にした第2のスプロケット11と、この両スプロケット10,11に巻き掛けられる搬送チェーン12とからなっている。
【0024】
搬送チェーン12は、上記枚葉電子写真印刷機1の用紙搬送路内の咥え爪の間隔の整数倍の長さになっていて、この各間隔位置に上記用紙搬送路に送られてくる枚葉紙を咥える咥え爪13が設けられている。
【0025】
定着ドラム9は上記枚葉紙の幅より広い軸方向長さと、上記咥え爪13の間隔長さの整数倍、例えば3倍の周長を有しており、これの周面に上記搬送チェーン12と一体状に走行する咥え爪13が没入される凹溝14が上記咥え爪間隔位置に設けられる。
【0026】
また、第2のスプロケット11は図3に示すように、定着ドラム9の軸方向両側に位置される一対のスプロケット部材11a,11bにて構成されている。そして第1のスプロケット10も図示していないが、この第2のスプロケット11のスプロケット11a,11bと対応する間隔に回転自在に設けられた一対のスプロケット部材にて構成されていて、搬送チェーン12はこの各一対のスプロケット部材に巻き掛けられる一対のチェーン部材12a,12bにて構成されており、上記咥え爪13はこの両チェーン部材12a,12bに架橋支持されている。
【0027】
咥え爪13は図4、図5に示すようになっていて、一対のチェーン部材12a,12b間に架け渡した連結部材15と、この連結部材15に回転自在に支持された回転軸16と、この回転軸16の軸方向複数箇所に固着された回動爪17と、この回動爪17と対向させて上記連結部材15に固着した固定爪18とからなっている。
【0028】
咥え爪13の固定爪18は搬送チェーン12の走行方向上流側へ向けた姿勢になっており、回動爪17が固定爪18に対して閉じる方向に回動することにより、この両爪17,18にて枚葉紙Aの搬送方向先端部が咥えられるようになっている。
【0029】
なお、このように枚葉紙Aを咥えた状態の咥え爪13の定着ドラム9の周面に対向する位置では、上記したように定着ドラム9の周面に設けた凹溝14内に没入されるが、このときの咥え爪13の先端部は図4に示したように凹溝14内に僅かに入り込む状態となるようにしてある。
【0030】
回転軸16の連結部材15より外側へ突出する一端部、あるいは両端部にレバー部材19が固着されていて、このレバー部材19にカムフォロア20が設けられている。このカムフォロア20は咥え爪13が受け渡し胴5に対向した枚葉紙の受け渡し部で図示しないカムに当接して回動し、これによりこの受け渡し部にて受け渡し胴5の咥え爪にて咥えられて搬送されてきた枚葉紙が搬送チェーン12側に咥え替えられるようになっている。
【0031】
図6は上記受け渡し胴5から定着装置6の搬送チェーン12へ枚葉紙Aを咥え替えする部分を示すもので、この部分には搬送チェーン12を案内するチェーン案内部材21が設けてある。
【0032】
図7は咥え爪13が定着ドラム9の周囲を走行する状態を示すもので、この状態で咥え爪13に加えられた枚葉紙Aは定着ドラム9の周面に巻き付いた状態で走行されるようになっている。
【0033】
上記定着ドラム9の軸方向一端部には従動プーリ22が固着してあり、この従動プーリ22を介して定着ドラム9は上記印刷ユニット1a,1b…における搬送速度と同一周速となるように回転駆動されるようになっている。
【0034】
また、定着ドラム9の周囲にはこの定着ドラム9の周面に転接する加圧ローラ23が複数設けられている。この加圧ローラ23は複数個ずつ支持枠24に回転自在に支持されていて、この各支持枠24は加圧ローラ着脱シリンダ25,25を介して前後のフレーム7,7に支持されている。なお、上記加圧ローラ23は支持枠24ごと定着ドラム9の周面に対して接離可能になっている。
【0035】
加圧ローラ23のそれぞれの軸端には小歯車26が固着してあり、この各歯車26に上記定着ドラム9に同心状に固着して設けた大歯車27に噛合されている。上記小歯車26のピッチ円径は加圧ローラ23と同径に、また大歯車27のピッチ円径が定着ドラム9と同径になっていて、両歯車26,27の噛合により、加圧ローラ23と定着ドラム9は同一周速で回転方向に遊びが生じることなく回転されるようになっている。このとき加圧ローラ23は、加圧ローラ着脱シリンダ25,25により定着ドラム9の周面に対して加圧付勢されるようになっている。なお、この加圧ローラ23の定着ドラム9側への付勢範囲は、図示しないストッパにて規制されるようになっている。
【0036】
また、上記した加圧ローラ23は、図8に示すようにローラに替えて加圧ベルト28を用いることができる。この場合もこの加圧ベルト28は、定着ドラム9の周速と同一で同一方向に走行駆動するようにする。
【0037】
定着ドラム9は図3に示すように中空状になっていて、この定着ドラム9の内側にIRヒータ等の加熱ヒータ29がヒータ保持器30を介して支軸8に支持して設けられている。そしてこの加熱ヒータ29は、支軸8の図示しない中空穴部を通して電源部からの電気配線が接続されていて、本機の稼動状況に合わせて定着ドラム9の表面が適正に加熱制御されるようになっている。
【0038】
上記定着ドラム9の周面には図4に示すように、凹溝14,14間にわたる周面に離型性ジャケット31が脱着可能に取り付けられている。この離型性ジャケット31の下流側端部は凹溝14の上流側端部に設けられた溝32に挿し込み係合され、上流側端部は凹溝14の下流側部に設けた締め込み軸33の溝34に挿し込み、締め込み軸32を締め込み方向に回転して係合することにより、この離型性ジャケット31が定着ドラム9の周面に隙間なく沿わされるようになっている。
【0039】
また、上記搬送チェーン12の走行経路で、第1のスプロケット10から第2のスプロケット11に至る間で、受け渡し胴5から搬送チェーン12側への枚葉紙Aの受け渡し位置から上方にわたる位置の外側に、搬送チェーン12の咥え爪13にて咥えられて走行される枚葉紙に対向する位置にIRヒータ等の加熱ヒータ35が設けられている。
【0040】
上記した定着装置6の下流側には、この定着装置6にて定着された枚葉紙Aを受け取って下流側へ搬出する搬出装置36が設けてある。なお、図中37は定着装置6の搬送チェーン12に噛合するテンションスプロケットで、搬送チェーン12にテンションを付与する方向にばね付勢されている。
【0041】
上記構成において、枚葉電子写真印刷機1にて印刷されて搬送されてきた枚葉紙Aは、これの受け渡し胴5から定着装置6の第1スプロケット10部において、この第1のスプロケット10と第2のスプロケット11に巻き掛けられた搬送チェーン12に設けられた咥え爪13に咥え替えられて定着ドラム側に搬送される。このとき受け渡し部直後の走行路にて枚葉紙Aの表面が加熱ヒータ35にて予備加熱されて、枚葉紙Aに印刷されたトナー画像が軟化溶融される。
【0042】
ついで、搬送チェーン12の走行に従って枚葉紙Aを咥えている咥え爪13は、定着ドラム9の凹溝14に没入されて定着ドラム9の周囲を移動し、これに従って枚葉紙Aは定着ドラム9の周囲に巻き付き走行され、その間に加熱ヒータ29にて加熱された定着ドラム9の周面にて加熱されて枚葉紙Aのトナー画像が紙面に定着される。この定着装置6にて定着された枚葉紙Aは、搬出装置36より咥え替えされて下流側へ搬出されていく。
【0043】
このときにおいて、定着ドラム9の表面での枚葉紙Aは搬送チェーン12の咥え爪13により咥えられて固定されているので、ドラム表面に対しての位置ずれを起こさず、また速度的に同期回転する加圧ローラ23または加圧ベルト28によりニップ搬送されることにより、安定した正確な搬送を行うことができてシワ等が発生することなく高速な搬送と安定した定着が行われる。
【0044】
また、内周面近接位置に多数のIRヒータを用いた加熱ヒータの配置が可能である大径の定着ドラム9と多数の加圧ローラ23、あるいは加圧ベルト28により繰り返しての加圧定着が行われることにより、高速でのトナー画像の均質、安定な定着を行うことができる。
【0045】
また、搬送チェーン12による搬送方式であるため、これの直線走行部に設けられる予備加熱用の加熱ヒータ35による加熱距離は搬送チェーン12の長さの設定だけで用途に応じて自由に変更することができる。さらに、この加熱ヒータ35を枚葉紙Aの受け渡し部の上方に設けることにより、予備加熱距離が長い方へ変化しても装置の全長に影響されることがない。
【0046】
さらに定着装置6内での枚葉紙Aの搬送が搬送チェーン12にて行われることにより定着装置6の構成が簡素化される。
【0047】
また、離型性ジャケット31が定着ドラム9の表面に着脱可能になっていることにより、両面印刷の場合などにおいて、定着ドラム9の表面へのトナー画像の転移を防止することができる。
【0048】
なお、上記した実施の形態では、咥え爪13を定着ドラム9の周囲に対応する位置に設けた例を示したが、用紙幅や紙質等用紙条件によっては、この咥え爪13は定着ドラム9の軸方向両外側部で各チェーン部材12a,12bに設けるようにしてもよい。この場合、咥え爪13は定着ドラム9の両側に設けたチェーン部材12a,12b間に架橋する必要がなくなり、したがって定着ドラム9の表面の凹溝14を設ける必要がなくなる。
【符号の説明】
【0049】
1…枚葉電子写真印刷機、1a,1b…印刷ユニット、2a,2b…圧胴、3a,3b…プリントユニット,4a,4b…渡し胴、5…受け渡し胴、6…定着装置、7…フレーム、8…支軸、9…定着ドラム、10,11…スプロケット、11a,11b…スプロケット部材、12…搬送チェーン、12a,12b…チェーン部材、13…咥え爪、14…凹溝、15…連結部材、16…回転軸、17…回動爪、18…固定爪、19…レバー部材、20…カムフォロア、21…チェーン案内部材、22…従動プーリ、23…加圧ローラ、24…支持枠、25…加圧ローラ着脱シリンダ、26…小歯車、27…大歯車、28…加圧ベルト、29…加熱ヒータ、30…ヒータ保持器、31…離型性ジャケット、32,34…溝、33…締め込み軸、35…加熱ヒータ、A…枚葉紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
咥え爪にて咥えられて走行する枚葉紙に電子写真印刷方式を用いた印刷ユニットにて印刷した印刷画像を加熱定着する枚葉電子写真印刷機の定着装置において、
印刷ユニットの最下流側の枚葉紙の受け渡し部より下流方向に離隔した位置に、内装した加熱ヒータにて外周面を加熱可能にした定着ドラムを上記印刷ユニットでの枚葉紙の走行速度と同一の周速度で回転するようにして設け、
印刷ユニットの最下流側の枚葉紙の受け渡し部に隣接する位置に第1のスプロケットを、また上記定着ドラムと同軸位置にこの定着ドラムの周径と略同径のピッチ円径を有すると共に、定着ドラムと一体回転するようにした第2のスプロケットを設け、
上記第1・第2のスプロケットに、咥え爪を有し、上記最下流側の受け渡し部から走行されている枚葉紙を咥え爪にて咥え替えて定着ドラムの周面に巻回搬送する搬送チェーンを巻き掛け、
上記定着ドラムの周面に、この周面に加圧接触する加圧部材を転接した
ことを特徴とする枚葉電子写真印刷機の定着装置。
【請求項2】
定着ドラムを固定軸に回転可能に支持し、この固定軸に加熱ヒータを設けたことを特徴とする請求項1記載の枚葉電子写真印刷機の定着装置。
【請求項3】
定着ドラムと一体状に設ける第2のスプロケットを定着ドラムの軸方向両側に位置される一対のスプロケット部材とで構成すると共に、第1のスプロケットをこの第2のスプロケットの両スプロケット部材に対応する一対のスプロケット部材とで構成し、搬送チェーンを上記各対のスプロケット部材に巻き掛けた一対のチェーン部材にて構成し、
一対のチェーン部材間に咥え爪を架橋支持し、
定着ドラムの周面にこの定着ドラムの回転に従って走行するチェーン部材の咥え爪が没入する凹溝を設けた
ことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項記載の枚葉電子写真印刷機の定着装置。
【請求項4】
定着ドラムに転接する加圧部材に、定着ドラムの周速と同一の周速で回転駆動するようにした加圧ローラか加圧ベルトのいずれかを用いたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の枚葉電子写真印刷機の定着装置。
【請求項5】
定着ドラムの周面に離型性ジャケットを着脱可能に装着したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の枚葉電子写真印刷機の定着装置。
【請求項6】
第1のスプロケットから第2のスプロケットにわたって走行される間の搬送チェーンに対向する位置に、搬送チェーンの咥え爪にて搬送される枚葉紙面を加熱する加熱装置を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の枚葉電子写真印刷機の定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88705(P2013−88705A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230628(P2011−230628)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】