説明

柔細胞繊維および合成繊維含有不織布

【課題】従来の不織布に比べて緻密性、吸油性および吸脂性に優れ、肌触りが良く、突刺強度に優れる不織布を提供する。
【解決手段】植物の柔細胞から得られた繊維と合成繊維を含有する不織布。柔細胞がサトウダイコン由来であることが好ましい。柔細胞がサトウキビ由来であることが好ましい。植物の柔細胞より得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されてなることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維と合成繊維を少なくとも含有してなる不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
植物から得られる繊維は、紙、パルプや衣料用途で大量に使われているが、その繊維のほとんどが強固な二次壁からなる細胞壁を有した細長い形状の繊維細胞に由来するものである。一方、二次壁が発達していない柔細胞は、細胞壁が弱く方形の細胞が多いため、従来の繊維細胞と同等の用途に使用することができない。
【0003】
柔細胞が集合した柔組織は、果実や茎の内部に多く存在し、果実からのジュースの搾り粕やサトウキビ、サトウダイコンからのショ糖液の搾り粕に豊富に存在する。しかしながら、これらの搾り粕の多くは農産廃棄物、産業廃棄物として処分されることが多く、有効利用されているケースは少ない。
【0004】
産業廃棄物となる植物の搾り粕を有効利用する方法はいくつか提案されており、ぶどう酒の搾り粕を一定期間発酵後、乾燥、粉砕して家畜の飼料として利用する方法(例えば、特許文献1参照)や、大豆の搾り粕であるおからを焼成炭化させ、粉体または粒体として濾過剤、濾過助剤として利用する方法(例えば、特許文献2参照)、おからに麹菌を接種して乾燥させたものを食品の添加物として利用する方法(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
【0005】
しかしながら、飼料や食品の添加物とする場合には成分の点で原料が制限されるため、ぶどう酒の搾り粕やおからといった特定のものにしか適用できないという問題がある。その点、炭化した濾過剤、濾過助剤は原料の制約は少ないものの、逆に原料となり得るものが豊富であるが、搾汁粕のような含水率の高い材料をあえて炭化するのは効率が悪く、原料として不適当であると考えられる。
【0006】
従来、化粧用の脂取りシートとしては、合成繊維を主体としてなる不織布が出願されているが(例えば、特許文献4)、これらの不織布では皮脂の吸脂性が不十分であり、また、肌触りが悪いという問題があった。
【0007】
近年、電気化学素子に要求される特性の1つとしてリフロー耐熱性などの耐熱性が挙げられる。そのため、電気化学素子に組み込まれるセパレータも耐熱性に優れるものが用いられる。例えば、芳香族ポリアミド繊維からなるセパレータを用いてなる電解コンデンサ(例えば、特許文献5、6参照)、ポリアミド繊維を主体繊維とするセパレータを用いてなる電解コンデンサ(例えば、特許文献7参照)などが挙げられる。これら電気化学素子の容量を増大させるための研究開発が盛んに行われており、電極や電解液の改良が数多くなされている。セパレータの場合は、厚みをできるだけ薄くすれば良いことがわかっている。
【0008】
しかしながら、これらのセパレータは結合力がほとんどない合成繊維からなるため引張強度や突刺強度などの機械的強度が弱く、薄膜化が困難であった。また、これらの合成繊維からなる不織布は電解液との親和性が乏しいため、内部抵抗が高くなる傾向にあった。
【特許文献1】特開平2002−171916号公報(第1〜2頁)
【特許文献2】特開平11−076813号公報(第1〜2頁)
【特許文献3】特開平5−068503号公報(第1〜6頁)
【特許文献4】特開2001−286411号公報
【特許文献5】特開平1−278713号公報
【特許文献6】特開平2−20012号公報
【特許文献7】特開2002−198263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、産業廃棄物として処分されることが多い搾り粕に含まれる柔細胞から得られる繊維を有効利用するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、植物の柔細胞から得られた繊維、特にフィブリル化された該繊維は極めて細く、微小であるため比表面積が非常に大きく、乾燥後も水素結合による強度発現力に優れており、このような柔細胞繊維と合成繊維を併せ含むことにより緻密性、吸油性、吸脂性に優れ、肌触りが良く、突刺強度に優れる不織布を実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0011】
即ち、本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維と合成繊維を少なくとも含有する不織布である。
【0012】
本発明においては、柔細胞が工業的大量生産可能なサトウダイコンやサトウキビ由来であることが好ましい。製糖工業において発生するサトウダイコンやサトウキビの搾汁粕の柔細胞から繊維を得ることにより、一定品質の繊維を大量に安定して製造することが可能である。
【0013】
本発明においては、植物の柔細胞から得られた繊維の懸濁安定性が、50%以上にフィブリル化されていることが好ましい。
【0014】
本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維と合成繊維を含有する不織布からなる脂取りシートである。
【0015】
本発明は、植物の柔細胞から得られた繊維を含有する不織布からなるセパレータである。
【0016】
本発明のセパレータにおいては、合成繊維の少なくとも一部が、融点又は熱分解温度が250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維であることが好ましい。
【0017】
本発明のセパレータにおいては、合成繊維の少なくとも一部が、繊維径1μm以下にフィブリル化されてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、従来の不織布に比べて緻密性、吸油性、吸脂性に優れ、肌触りが良く、突刺強度に優れる不織布が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明における植物の柔細胞から得られる繊維(以下、柔細胞繊維と表記する。)とは、植物の茎や葉、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な非木材繊維である。柔細胞は、二次壁が発達していない特徴を有する。
【0020】
本発明において、植物の柔細胞を得るためには、茎の内部柔組織や葉の葉肉、果実等を粉砕するなどすればよいが、工業的には食品加工工場や製糖工場等から排出される、果実からのジュースの搾り粕やサトウダイコン、サトウキビ等からの搾汁粕を用いるのが最適である。例えば、サトウダイコンの搾汁粕を利用する際には、粉砕した根を搾汁し、残さの粕をそのまま利用することができる。サトウキビの搾汁粕を利用する際には、搾り粕であるバガスを適当な大きさに粉砕し、目開き1〜2mmのふるいを通過させることにより柔細胞を多く含む部分を得ることができる。
【0021】
本発明において、柔細胞から繊維を得るためには木材からパルプを製造する際のパルプ化処理を適用するのが良い。例えば、苛性ソーダ等のアルカリと混合、加熱してリグニンを分解除去するクラフトパルプ化法やソーダパルプ化法を用いることができる。詳細なパルプ化処理条件は、原料の性状や目的とする繊維の性状、収率等を鑑みて適宜決定すればよい。アルカリを洗浄後、必要に応じて漂白処理を行なう。漂白剤として過酸化水素、二酸化塩素、次亜塩素酸ソーダ、酸素、オゾン等を用いることができる。漂白後、洗浄して繊維の懸濁液を得ることができる。
【0022】
パルプ化処理により得られた繊維は、そのままでも使用可能だが、フィブリル化処理することにより、比表面積が大きくなり、且つ均一性が高くなるため好ましい。フィブリル化処理には、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いることができる。
【0023】
柔細胞繊維の好ましいフィブリル化の目安は、懸濁安定性が50%以上である。ここで、懸濁安定性が50%以上とは、0.1質量%濃度の繊維懸濁液をメスシリンダーなどに入れて24時間静置したときに、繊維の沈降面より下の懸濁液の体積が全体の体積の50%以上になることである。この懸濁安定性は分散性と解釈することもでき、繊維の分散性が高く、懸濁液がより均一である程、懸濁安定性が高いと言える。この懸濁安定性は繊維の大きさと関係しており、フィブリル化が進行しているもの程その懸濁液の安定性は高い。懸濁安定性が50%未満では、不織布中での分布状態にむらができやすく、その結果、フィブリル相互の水素結合形成が弱く、十分な特性が得られない場合がある。
【0024】
懸濁安定性を50%以上にするには、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、回転刃式ホモジナイザー、高速ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて処理条件を適正化することにより達成できる。
【0025】
本発明の湿式不織布に含まれる合成繊維としては、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、炭素、黒鉛、フェノール樹脂、融点又は熱分解温度が250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維、ポリ乳酸などに代表される合成生分解性繊維などからなる単繊維や複合繊維が挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。
【0026】
本発明に用いられる合成繊維の繊維長としては、0.1mm以上、20mm以下が好ましく、1mm以上10mm以下がより好ましい。繊維長が0.1mm未満では脱落しやすく、20mm以上では繊維同士が絡み合ってダマになりやすく、厚みむらが生じる場合がある。平均繊維径は0.0002μm以上30μm以下が好ましく、0.01μm以上20μm以下がより好ましい。繊度は0.0001dtex以上5dtex以下が好ましく、0.005dtex以上3dtex以下がより好ましい。平均繊維径が0.01μm、特に0.0002μm未満、又は繊度が0.005dtex、特に0.0001dtex未満では繊維が細すぎて湿式不織布の基本骨格を形成しにくい傾向がある。平均繊維径が20μm、特に30μmより太いと、又は繊度が3dtex、特に5dtexより太いと、湿式不織布の地合が不均一になりやすい傾向がある。
【0027】
本発明に用いられる合成繊維の断面形状は、円形、楕円形、方形、長方形、星形、Y形、その他の異形形状の何れでも良い。
【0028】
本発明のセパレータにおいては、植物の柔細胞繊維と合成繊維とが絡み合うことによって、柔細胞繊維単独又は合成繊維単独の場合よりも強い引張強度や突刺強度が得られる。
【0029】
本発明における融点又は熱分解温度が250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維としては、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメチン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。PBZTはトランス型、シス型の何れでも良い。また、全芳香族ではない芳香族ポリアミドや芳香族ポリエステルの中にもモノマーの種類と組成比によっては、融点又は熱分解温度が250℃以上のものがあり、これらを用いることができる。ここで全芳香族ではない芳香族とは、主鎖の一部に例えば脂肪鎖などを有するものを指す。これらの中でも液晶性のためフィブリル化されやすい全芳香族ポリアミド、特にパラ系全芳香族ポリアミドと全芳香族ポリエステルが好ましい。
【0030】
全芳香族ポリアミドは、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
全芳香族ポリエステルは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸などのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成される。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0032】
本発明における合成生分解性繊維とは、ポリグリコール酸やポリ乳酸のようなポリ(α−ヒドロキシ酸)、またはこれらを主たる繰り返し単位とする共重合体が挙げられる。また、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)や、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシカプロネート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタノエートのようなポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)や、これらの繰り返し単位とポリ−3−ヒドロキシバリレートまたはポリ−4−ヒドロキシブチレートの繰り返し単位との共重合体などが挙げられる。
【0033】
また、グリコールとジカルボン酸の縮重合体からなるポリアルキレンアルカノエートの例として、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリネオペンチルオキサレートまたはこれらを主繰り返し単位とするポリアルキレンアルカノエート共重合体が挙げられる。
【0034】
本発明においては、合成繊維の少なくとも一部が、繊維径1μm以下にフィブリル化されてなる(以下、フィブリル化繊維と表記する。)ことが好ましい。ここで、フィブリルとは、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指し、米国特許第5833807号明細書や米国特許第5026456号明細書に明記されているようなフィブリッドとは製法と形状が異なる。本発明におけるフィブリルは、長さと巾のアスペクト比が20:1〜100000:1の範囲に分布し、カナダ標準形濾水度が0ml〜500mlの範囲にあるものが好ましい。さらに、重量平均繊維長が0.2mm以上、2mm以下の範囲にあるものが好ましい。また、本発明においてはフィブリッドを含有しても良い。
【0035】
本発明におけるフィブリル化繊維は、高圧ホモジナイザー、ホモジナイザー、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置などを用いて製造される。
【0036】
本発明の不織布は、植物の柔細胞繊維、合成繊維以外にも、必要に応じて、溶剤紡糸セルロース、再生セルロース、天然セルロースなどの繊維を含有しても良い。これらの繊維はパルプ化又はフィブリル化されていても良い。また、ガラス、マイクロガラス、ロックウール、アルミナ、アルミナ・シリカ、ジルコニア、チラノ、炭化珪素、チタン酸カリウム、アルミナウィスカ、ホウ酸アルミウィスカ、ステンレス、銅、その他の金属、これらの複合物などからなる無機繊維や無機物を含有していても良い。
【0037】
本発明における不織布は、湿式抄紙法で製造される。原料スラリーの調製には、繊維原料、必要に応じて分散剤、増粘剤などを適宜添加し、1質量%〜0.001質量%程度の固形分濃度に調整する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙機へ送り、湿式抄紙する。抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種または異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いる。
【0038】
不織布の用途は、衣類用(しん地、手袋、帽子など)、防護用(防護服、安全靴など)、医療用(手術着、マスクなど)、建築用(ルーフィング、壁装材など)、土木用(ドレン材、遮水シートなど)、車両用(フロアーマット、天井成型材など)、衛生用(おむつ、おしぼり、脂取りシートなど)、家具・インテリア用(カーペット、壁紙など)、ワイパー用(ワイパー、ウエットワイパーなど)、フィルター用(エアフィルター、液体フィルターなど)、寝装用(ふとん、シーツなど)、農業・園芸用(ビニールハウスシート、苗床用シートなど)、皮革用(人工皮革用基材、合成皮革用基材など)、その他生活資材用(収納袋、化学雑巾、ティーバックなど)、その他工業用資材用(研磨材、電気素子セパレータ、吸油材など)に大別されている。本発明の不織布は、これらの何れの用途にも使用することができる。
【0039】
本発明の不織布は、吸脂性に優れ、肌触りに優れることから、人の皮脂を吸い取るための化粧用脂取りシートとして使用することが特に好ましい。本発明の不織布を脂取りシートとして用いる場合、厚みは特に制限はないが、10〜100μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。厚みが10μm未満では薄すぎて破れる場合があり、100μmより厚いとシート不均一となり、ごわついたり、肌触りが悪くなりやすい。柔細胞繊維の含有率は不織布に対して3質量%以上、90質量%以下が好ましく、20質量%以上、80質量%以下がより好ましい。柔細胞繊維の含有量が不織布に対して3質量%未満では肌触りが悪くなる場合や、吸脂性が不十分になる場合がある。一方、90質量%を超えるとシートの空隙が不十分となり、やはり吸脂性を損なうおそれがある。
【0040】
本発明の不織布は突刺強度、緻密性、電解液親和性に優れることから電気化学素子セパレータに使用するのが好ましい。本発明における電気化学素子とは、マンガン乾電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、リチウム電池、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池、酸化銀−亜鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、各種のゲル電解質電池、亜鉛−空気蓄電池、鉄−空気蓄電池、アルミニウム−空気蓄電池、燃料電池、太陽電池、ナトリウム硫黄電池、ポリアセン電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタなどを指す。電気二重層キャパシタの電極としては、一対の電気二重層型電極、一方が電気二重層型電極でもう片方が酸化還元型電極の組み合わせの何れでも良い。電解液には、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(BL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶液系と有機溶媒系の何れも利用できる電気化学素子の場合は、水溶液系は耐電圧が低いため、有機溶媒系の方が好ましい。電解液の代わりにポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、これらの誘導体などの導電性高分子膜を用いても良い。
【0041】
本発明の不織布をセパレータとして用いる場合、セパレータの厚みは特に制限はないが、10μm〜100μmが好ましく、20μm〜60μmがさらに好ましい。10μm未満では、十分な突刺強度が得られにくく、100μmより厚いと、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子に収納できる電極面積が小さくなり、電気化学素子の容量が小さくなってしまう。柔細胞繊維の含有率は不織布に対して3質量%以上、80質量%以下が好ましく、10質量%以上、60質量%以下がより好ましい。柔細胞繊維の含有量が不織布に対して3質量%未満では電解液との親和性や機械的強度が不十分になりやすく、電気化学素子の不良率が高くなる場合がある。一方、80質量%より多いと不織布の空隙率が低下して電解液保持性が不十分となり、内部抵抗が高くなる場合がある。
【0042】
本発明のセパレータは、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などの加工処理が施される。熱処理の場合は、150℃〜280℃の温度で処理することが好ましい。150℃未満では熱処理が不十分になりやすく、280℃より高いと熱収縮しやすい。
【0043】
<柔細胞繊維1>
サトウダイコンの搾り粕からなる市販のビートパルプを10L容のオートクレーブに投入した。液比4、有効アルカリ添加率11〜14%となるように苛性ソーダを混合し、保持温度120℃、保持時間30分の条件で処理した。ろ過による洗浄後、試料濃度8%とし、試料に対して有効塩素濃度2%となるように次亜塩素酸ソーダを加えて攪拌し、室温で8時間漂白した後、ろ過により洗浄した。これによりサトウダイコン柔細胞由来の柔細胞繊維が得られた。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後の柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は15%であった。以下、これを柔細胞繊維1又はJ1と表記する。
【0044】
<柔細胞繊維2>
サトウキビの搾り粕からなるバガスを粉砕し、目開き1mmのふるいにかけて、ふるいを通過した分を収集した。これを<柔細胞繊維1>の製法と同様にして漂白と洗浄し、サトウキビ柔細胞由来の柔細胞繊維を得た。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後の柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は11%であった。以下、これを柔細胞繊維2又はJ2と表記する。
【0045】
<フィブリル化柔細胞繊維1>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を10000rpmで1分間処理して、フィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は46%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維1又はFBJ1と表記する。
【0046】
<フィブリル化柔細胞繊維2>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で45秒間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は50.5%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維2又はFBJ2と表記する。
【0047】
<フィブリル化柔細胞繊維3>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で5分間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は100%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維3又はFBJ3と表記する。
【0048】
<フィブリル化柔細胞繊維4>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、シングルディスクリファイナーを用いて処理し、フィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は90%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維4又はFBJ4と表記する。
【0049】
<フィブリル化柔細胞繊維5>
柔細胞繊維2を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で10分間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は100%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維5又はFBJ5と表記する。
【0050】
<フィブリル化耐熱繊維1>
パラ系全芳香族ポリアミド(繊度1.7dtex、繊維長3mm、熱分解温度550℃)を初期濃度5質量%になるように水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、15回繰り返し叩解処理し、重量平均繊維長1.25mmのフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維1またはFB1と表記する。
【0051】
<フィブリル化耐熱性繊維2>
フィブリル化耐熱性繊維1を、高圧ホモジナイザーで50MPaの条件で25回繰り返し叩解処理し、重量平均繊維長0.61mmのフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維2またはFB2と表記する。
【0052】
<フィブリル化耐熱性繊維3>
全芳香族ポリエステル(繊度1.7dtex、繊維長3mm、融点320℃)を初期濃度5質量%になるように水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて15回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.35mmのフィブリル化全芳香族ポリエステル繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維3またはFB3と表記する。
【0053】
表1に示した原料と配合量に従って、湿式不織布用原料スラリーを調製した。ここで、表1中の「A1」は、繊度0.08dtex、繊維長3mmのアクリル繊維、「PET1」は、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維、「PET2」は、繊度0.6dtex、繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート繊維、「PET3」は、繊度1.1dtex、繊維長5mmのポリエステル系芯鞘複合繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート、鞘部:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体)、「PA1」は、繊度0.05dtex、繊維長3mmの芳香族ポリアミド繊維(融点260℃)、「PA2」は、繊度1.7dtex、繊維長5mmのパラ系全芳香族ポリアミド繊維、「PP1」は、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリプロピレン繊維、「PPE1」は、繊度2.1dtex、繊維長5mmのオレフィン系芯鞘複合繊維(芯部:ポリプロピレン、鞘部:ポリエチレン)を意味する。
【0054】
【表1】

【実施例】
【0055】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0056】
実施例1〜28
表2に示した抄紙機を用いて、スラリー1〜28を湿式抄紙し、必要に応じてスーパーカレンダー処理して厚みを調整して、表2に示した坪量と厚みの不織布1〜28を作製した。表2中の「円/円」は、円網抄紙機と円網抄紙機からなるコンビネーション抄紙機、「円/傾」は、円網抄紙機と傾斜型抄紙機からなるコンビネーション抄紙機を意味する。
【0057】
(比較例1〜6)
表2に示した抄紙機を用いて、スラリー29〜34を湿式抄紙し、必要に応じてスーパーカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した坪量と厚みの不織布29〜34を作製した。
【0058】
不織布1〜34について、下記の試験方法により測定し、その結果を表2〜表4に示した。
【0059】
<坪量>
不織布1〜34の坪量をJIS C2301に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
【0060】
<厚み>
不織布1〜34の厚みをJIS C2301に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
【0061】
<引張強度>
セパレータ1〜34を50mm巾、200mm長の短冊状に5本以上切りそろえた。卓上型材料試験機((株)オリエンテック製、STA−1150)の試料ツカミで試料の両端を100mm間隔をあけて挟み、上端を100mm/minの一定速度で切断するまで引き上げていき、最大荷重を計測し、平均値を引張強度とし表2に示した。
【0062】
<突刺強度>
セパレータ1〜34を50mm巾の短冊状に切りそろえた。先端に丸み(曲率1.6)をつけた直径1mmの金属針((株)オリエンテック製)を卓上型材料試験機((株)オリエンテック製、STA−1150)に装着し、試料面に対して直角に1mm/sの一定速度で貫通するまで降ろした。このときの最大荷重(g)を計測し、これを突刺強度とした。1試料について5箇所以上突刺強度を測定し、全測定値の中で最も小さい突刺強度を表2に示した。金属針の先端に丸みがついていない場合は、試料に当たる角度がずれたり、金属針にバリがあった場合に測定値のばらつきが大きくなるため、測定には使用できない。
【0063】
<不良率>
不織布1〜23、29〜34をセパレータとして用いた。正極及び負極として、充電によって体積が約5%膨張する活性炭電極を用い、セパレータを負極と正極の間に介して積層し、巻回機を用いて渦巻き型に巻回して渦巻き型素子を作製した。この渦巻き型素子をアルミニウム製ケースに収納し、ケースに取り付けられた正極端子及び負極端子に正極リード及び負極リードを溶接した後、電解液注液口を残してケースを封口した。このケースごと200℃に15時間加熱し、電極及びセパレータに含まれる水分を除去した。これを真空中で室温まで放冷した後、ケース内に電解液を注入し、注入口を密栓して電気二重層キャパシタをそれぞれ100個作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。これらの電気二重層キャパシタを、20Aの定電流にて2.7Vまで充電した後、20Aで定電流放電した。この充放電を10回繰り返し、電極の体積膨張によるセパレータの破損によって内部短絡した割合を調べ不良率とし、その結果を表3に示した。
【0064】
<内部抵抗>
不織布1〜23、29〜34をセパレータとして用い、<不良率>と同様の方法で電気二重層キャパシタをそれぞれ100個作製した。これら電気二重層キャパシタを、20Aの定電流にて2.7Vまで充電した後、20Aで定電流放電したきの、放電直後の電圧降下より内部抵抗を算出し、その結果を表3に示した。尚、電極の体積膨張によってセパレータが破損し、内部短絡した電気二重層キャパシタについては、内部抵抗測定から除外した。
【0065】
<耐熱性>
不織布1〜23、29〜34を用い、<不良率>と同様の方法で電気二重層キャパシタをそれぞれ100個作製した。これら電気二重層キャパシタを、電気二重層キャパシタの表面温度が最高250℃になるように設定したリフロー炉内に入れ、200℃以上の温度に60秒間さらした後、電気二重層キャパシタの異常の有無を調べた。電気二重層キャパシタの破裂や液漏れが生じた割合が30%以上の場合を×、30%未満10%以上である場合を△、10%未満だが発生した場合を○、全く生じなかった場合を◎とし、その結果を表3に示した。
【0066】
<吸脂量>
擬似皮脂として、ひまし油80%、ベンジルアルコール20%の混合油液を調製した。該油液0.5mlを印刷適性試験機(石川島産業機械株式会社製、RIテスター)の印刷ロール上に取り、ロールを回転させて油膜を均一に形成させた後、ロールニップ圧4.2MPa、回転速度30rpmで回転させて、不織布24〜34を2本の印刷ロール間に通して油膜を転写させた。油膜を転写させる前後の不織布の重量変化、すなわち不織布に転写した油液の量を吸脂量とし、転写前の紙重量に対する割合(%)を表4に示した。この数値が大きい程、吸脂性に優れることを意味する。
【0067】
<肌触り性評価>
パネラーの頬に不織布24〜34を当てて貰い、肌触り性を以下の基準に従い、4段階に官能評価した。その結果を表4に示した。
◎ …肌触りが非常によい。
○ …肌触りが良い。
△ …普通の肌触り。
× …肌割りが悪い。
本発明では、○以上の評価を合格とした。
【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
表2に示した通り、実施例1〜28で作製した不織布1〜28は、植物の柔細胞繊維と合成繊維を含有してなるため、厚みが薄くても引張強度や突刺強度などの機械的強度に優れていた。
【0072】
また、表2に示すとおり、実施例2、4〜6、8、10、11を比較した場合、フィブリル化した柔細胞繊維を含有してなる不織布5、6、8、10、11は、フィブリル化していない柔細胞を含有してなる不織布2、4に比べ引張強度や突刺強度が優れていた。
【0073】
表3に示した通り、柔細胞繊維と合成繊維を含有してなる不織布1〜23は厚みが薄くても突刺強度に優れ、また、電解液親和性にも優れるため、本実施例で作製したセパレータを具備してなる電気素子の不良率、内部抵抗はともに低く、極めて優れていた。これらの結果から本発明の不織布はセパレータとして好適である。
【0074】
不織布1〜21は、融点または熱分解温度が250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維を含有してなるため耐熱性にも優れており、更には、不織布12〜15、17、19、20は、少なくとも一部が繊維径1μm以下にフィブリル化された、融点または熱分解温度が250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維を含有してなるため、より耐熱性に優れ、セパレータとしてより好適である。
【0075】
表4に示した通り、実施例22〜28で作製した不織布は植物の柔細胞繊維と合成繊維を含有してなるため、吸脂性、肌触り性ともに優れていることから、化粧用脂取りシートとして好適である。
【0076】
一方、比較例1〜6で作製した、植物の柔細胞を含まない不織布29〜34は、突刺強度が弱く、電解液親和性が低いため、これらの不織布を具備した電気素子は不良率、内部抵抗の何れも高い値を示した。この結果から不織布29〜34はセパレータとして不適であった。
【0077】
また、比較例1〜6で作製した不織布29〜34は、植物の柔細胞繊維を含まないため、吸脂性、肌触り性とも悪く、化粧用脂取りシートとして不適であった。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の活用例としては、化粧用脂取りシート、低い内部抵抗が求められる電気化学素子用途、例えば、電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、リチウム系二次電池などのセパレータが挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の柔細胞から得られた繊維と合成繊維を少なくとも含有する不織布。
【請求項2】
柔細胞がサトウダイコン由来である請求項1記載の不織布。
【請求項3】
柔細胞がサトウキビ由来である請求項1記載の不織布。
【請求項4】
植物の柔細胞から得られた繊維の懸濁安定性が、50%以上にフィブリル化されている請求項1〜3の何れかに記載の不織布。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の不織布からなる脂取りシート。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかに記載の不織布からなるセパレータ。
【請求項7】
合成繊維の少なくとも一部が、融点又は熱分解温度が250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維であることを特徴とする請求項6記載のセパレータ。
【請求項8】
合成繊維の少なくとも一部が、繊維径1μm以下にフィブリル化されてなることを特徴とする請求項6又は7記載のセパレータ。

【公開番号】特開2006−45758(P2006−45758A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197980(P2005−197980)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】