説明

柱免震装置接合構造、及び該柱免震装置接合構造を備える免震構造物

【課題】免震装置と柱との接合部における鉛直荷重の伝達性能を向上することを目的とする。
【解決手段】柱14が免震装置12によって支持されている。この柱14の少なくとも下部は筒体40で構成されている。筒体40の下端に設けられたベースプレート44は、免震装置12の上部プレート18に接合されており、この状態で筒体40にコンクリート42が充填される。この結果、ベースプレート44に形成された貫通孔44Aにコンクリート42が流れ込み、コンクリート42の充填圧、及びコンクリート42の重量等の押圧力Fによって貫通孔44Aを塞ぐ薄板46が上部プレート18に圧接され、薄板46と上部プレート18とが密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱免震装置接合構造、及び該柱免震装置接合構造を備える免震構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
図14には、特許文献1に開示された免震装置と柱脚との接合構造202が示されている。この接合構造202は、積層ゴム204の上部フランジ206と、鉄骨筒状の連結体208(免震装置連結体本体)の下端に接合されたベースプレート210とをボルト212及びナット214で接合している。連結体208は鉄骨柱216と鉄骨梁218との仕口部220から下方へ延びており、仕口部220から積層ゴム204へ鉛直荷重を伝達する構成となっている。このように、特許文献1の接合構造は、フーチングのような鉄筋コンクリート造の固定部に積層ゴム204を固定する構成でないため、コンクリートの打設作業が不要となり、施工性が向上する。
【0003】
しかしながら、特許文献1の接合構造202は、以下のような問題がある。即ち、連結体208と積層ゴム204との接合部には、連結体208から積層ゴム204へ鉛直荷重を確実に伝達可能な性能が求められるため、ベースプレート210の板厚や、連結体208を補強するリブ222が増加する。また、ベースプレート210と上部フランジ206との密着性が悪い場合、十分な応力伝達を確保することができない。従って、ベースプレート210の上部フランジ206との接触面を機械加工等によって精度良く加工し、ベースプレート210と上部フランジ206との密着性を確保する必要があるため、ベースプレート210の製作コストが増大する。このような問題は、積層ゴム204に限らず、滑り支承についても同様に発生する。特に、図15(A)及び図15(B)に示されるように、一般的な積層ゴム224では、地震時に積層ゴム224がせん断変形(水平変形)すると、積層されたゴム同士の重なり合う部分が減少し、鉛直荷重Nに対して有効に抵抗する有効受圧面S(斜線部)が減少する。この結果、積層ゴム224の上部フランジ228に接合されるベースプレート(不図示)に局所的に大きな応力度が発生したり、偏在応力度が発生したりする。従って、前述したベースプレートの強度や、上部フランジとの密着性の問題が顕著となる。なお、符号230は、積層ゴム224に発生する応力度分布である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−371723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事実を考慮し、免震装置と柱との接合部における鉛直荷重の伝達性能を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の柱免震装置接合構造は、少なくとも柱の下部を構成すると共に、内部に充填材が充填される筒体と、前記筒体の下端に設けられると共に、該筒体の内部に通じる貫通孔が形成されたベースプレートと、前記柱を支持すると共に、前記ベースプレートが接合される上部プレートを有する免震装置と、を備えている。
【0007】
上記の構成によれば、柱が免震装置によって支持されている。この柱の少なくとも下部は筒体で構成されている。筒体の下端に設けられたベースプレートは、免震装置の上部プレートに接合されており、この状態で筒体に充填材が充填される。この結果、ベースプレートに形成された貫通孔に充填材が流れ込み、充填材の充填圧、及び充填材の重量によって上部プレートが押圧される。この充填材を介して、柱の鉛直荷重の一部又は全部が上部プレートへ伝達される。
【0008】
ここで、筒体に充填材を充填したことにより、柱の鉛直荷重が分散されて上部プレートへ伝達されるため、ベースプレートに発生する局所応力度、偏在応力度が低減される。従って、ベースプレートに求められる性能(剛性、耐力)が低減され、ベースプレートの板厚や補強を減らすことができる。
【0009】
また、ベースプレートの貫通孔に流れ込む充填材を介して、柱の鉛直荷重が上部プレートへ伝達される。従って、従来の接合構造202(図14参照)のように、ベースプレート210の上部フランジ206との接触面を機械加工等によって精度良く加工し、ベースプレート210と上部フランジ206との密着性を確保する必要がない。従って、ベースプレートの製作コストを低減することができる。なお、ここで言う柱とは、柱と当該柱に接合される梁との接合部(仕口部)を含む概念である。
【0010】
請求項2に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1に記載の柱免震装置接合構造において、前記貫通孔に流れ込む前記充填材と前記上部プレートとの界面に、前記充填材と前記上部プレートとの付着を抑制する付着抑制手段が設けられている。
【0011】
上記の構成によれば、付着抑制手段によって、貫通孔に流れ込む充填材と上部プレートとの付着が抑制されるため、免震装置の交換作業が容易となる。
【0012】
請求項3に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1又は請求項2に記載の柱免震装置接合構造において、前記柱には、水平部材が接合された仕口部が設けられ、前記筒体には、少なくとも前記柱の最下端側の前記仕口部まで前記充填材が充填されている。
【0013】
上記の構成によれば、筒体には、少なくとも柱の最下端側の仕口部まで充填材が充填されている。このように応力集中部である仕口部に充填材を充填することにより、当該仕口部の剛性、耐力が増大するため、水平部材から柱へ伝達される応力の伝達効率が向上する。また、仕口部に伝達された水平部材の応力は、充填材を介して免震装置へ分散されて伝達される。従って、水平部材から免震措置へ伝達される応力の伝達効率が向上する。
【0014】
請求項4に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1〜3の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造において、前記付着抑制手段が、前記充填材によって前記上部プレートに密着される薄板又はシート材、若しくは前記上部プレートの表面に塗布される剥離材である。
【0015】
上記の構成によれば、付着抑制手段が、薄板又はシート材、若しくは剥離剤とされている。薄板又はシート材は、充填材の充填圧及び充填材の重量によって上部プレートに密着するため、当該薄板又はシート材と上部プレートとの間の応力伝達を良好に保ちつつ、充填材と上部プレートとの付着を抑制することができる。また、薄板として薄鋼板を用いることにより、溶接等によって簡単にベースプレートに仮止めできるため、施工性が向上する。一方、剥離剤は、上部プレートの上面に塗布するだけで良いため、施工性に優れると共に、単純な構成で上部プレートと充填材との付着を抑制することができる。
【0016】
請求項5に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1〜4の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造において、前記筒体には、該筒体の側壁が、下方へ向かって外側へ傾斜する傾斜部が設けられている。
【0017】
上記の構成によれば、筒体には傾斜部が設けられている。傾斜部では、筒体の側壁が、下方へ向かって外側へ傾斜している。即ち、傾斜部が設けられた筒体の水平断面積は、当該筒体の下端に向かって徐々に大きくなっている。従って、柱の鉛直荷重が分散されて上部プレートへ伝達される。よって、傾斜部を設けない場合と比較して、ベースプレートに発生する応力度が小さくなり、当該ベースプレートに求められる性能が低減されるため、ベースプレートの板厚や補強を減らすことができる。また、柱の水平断面積が大きくなるため、傾斜部を設けない場合と比較して、ベースプレートに形成される貫通孔を大きくすることができる。即ち、筒体に充填されたコンクリートによって上部プレートを押圧する面積を大きくすることができる。更に、筒体に充填される充填材の容量が増えるため、コンクリートによる上部プレートの押圧力が増加する。従って、柱から免震装置へ伝達される鉛直荷重の伝達効率が向上する。
【0018】
請求項6に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1〜5の何れか1項に記載された柱免震装置接合構造において、前記充填材が、コンクリートであり、前記筒体が、前記コンクリートが充填される角形鋼管、又は丸形鋼管である。
【0019】
上記の構成によれば、筒体が角形鋼管又は丸形鋼管とされており、これらの角形鋼管又は丸形鋼管には充填材としてのコンクリートが充填されている。即ち、少なくとも柱の下部が、いわゆるCFT(Concrete Filled Steel Tube)造となっている。一般的にCFT造の柱は、コンクリートによって角形鋼管等のせん断座屈、曲げ座屈が抑制されるため、S造の柱と比較して靭性が向上する。また、角形鋼管等によってコンクリートが拘束されるため、柱の剛性、耐力が向上する。更に、コンクリートによって角形鋼管等の内部の気密性が高まるため、角形鋼管等の内壁の腐食が抑制される。更にまた、コンクリートの熱容量が角形鋼管等に加算されるため、柱の耐火性が向上する。
【0020】
請求項7に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1〜6の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造において、前記柱の上部は、該柱の下部を構成する前記筒体に軸力を伝達する形鋼部材で構成されている。
【0021】
上記の構成によれば、柱の上部が形鋼部材で構成されており、この形鋼部材から柱の下部を構成する筒体に軸力が伝達される。このように、筒体は柱の下部にのみ設けることができる。
【0022】
請求項8に記載の柱免震装置接合構造は、請求項1〜7の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造において、平面視にて、前記貫通孔の中心が、前記柱及び前記免震装置の中心に位置している。
【0023】
上記の構成によれば、貫通孔の中心が、前記柱及び免震装置の中心に位置している。従って、柱の中心から免震装置の中心へ鉛直荷重が伝達されるため、鉛直荷重に対して免震装置が効率的に抵抗可能となり、免震装置に所定の免震性能を発揮させることができる。また、免震装置に発生する偏在応力度が低減されるため、免震装置の長寿命化を図ることができる。
【0024】
請求項9に記載の免震構造物は、免震装置が固定される下部構造体と、前記下部構造体の上方に構築される上部構造体と、前記上部構造体を構成すると共に、前記免震装置によって支持され、該免震装置に前記上部構造体からの鉛直荷重を伝達する柱と、前記免震装置と前記柱とに適用された請求項1〜8の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造と、を備えている。
【0025】
上記の構成によれば、上部構造体からの鉛直荷重が、柱を介して免震装置へ伝達される。これらの柱及び免震装置には、請求項1〜8の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造が適用されている。これにより、柱の鉛直荷重が分散されて上部プレートへ伝達されるため、ベースプレートに発生する局所応力度、偏在応力度が低減される。従って、ベースプレートの板厚や補強を減らすことができる。
【0026】
また、ベースプレートに形成された貫通孔に流れ込む充填材を介して、柱の鉛直荷重が上部プレートに伝達されるため、ベースプレートの上部プレートとの接触面に求められる加工精度(上部プレートとの密着精度)が低減される。従って、ベースプレートの製作コストを削減することができる。よって、経済性に優れた免震構造物を構築することができる。
【0027】
請求項10に記載の免震構造物は、請求項9に記載の免震構造物において、前記免震装置が、前記上部構造体と前記下部構造体との間に設けられた中間免震層又は基礎免震層に配置されている。
【0028】
上記の構成によれば、免震装置が、中間免震層又は基礎免震層に設置されている。即ち、免震構造物の構造に応じて、中間免震層又は基礎免震層に免震装置を設けることができる。従って、設計自由度が向上された免震構造物を構築することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、上記の構成としたので、免震装置と柱との接合部における鉛直荷重の伝達性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る柱免震装置接合構造が適用された柱及び免震装置を示す、立面図である。
【図2】図1の1−1線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る柱と免震装置との接合部を示す、図1の拡大図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る柱免震装置接合構造を示す、立面図である。
【図5】図4の4−4線断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る柱の変形例を示す、立面図である。
【図7】図6の6−6線断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る柱免震装置接合構造の変形例を示す、図3に相当する図である。
【図9】(A)、(B)は、第1実施形態に係るベースプレートと上部プレートとの施工方法を示す、説明図である。
【図10】(A)、(B)は、第1実施形態に係るベースプレートと上部プレートとの施工方法を示す、説明図である。
【図11】(A)、(B)は、第1、第2実施形態に係る筒体の変形例を示す、斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る柱免震装置接合構造の変形例が適用された柱と免震装置を示す、立面図である。
【図13】中間免震層に設けられた免震装置を示す、立面図である。
【図14】従来技術が適用された柱と免震装置を示す、立面図である。
【図15】(A)、(B)は、一般的な積層ゴムの応力状態を示す、説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0032】
先ず、第1実施形態について説明する。
【0033】
図1〜図3には、第1実施形態に係る柱免震装置接合構造が適用された免震装置12及び柱14を備える免震構造物10が示されている。免震構造物10は、コンクリート造の基礎(下部構造体)22と、当該基礎22の上方に構築された上部構造体24とを備えている。これらの基礎22と上部構造体24との間に形成された基礎免震層には、免震装置12が設けられている。免震装置12は、鋼板と板状の弾性体とが交互に積層された積層ゴム16と、当該積層ゴム16の上部に設けられた上部プレート18と、積層ゴム16の下部に設けられた下部プレート20とを備えている。免震装置12の下部プレート20に形成された貫通孔(不図示)には、基礎22に埋設されたアンカーボルト26が貫通されており、このアンカーボルト26及びナット28により、下部プレート20が基礎22に固定されている。
【0034】
免震装置12の上には、上部構造体24を構成する柱14が立てられている。柱14には、上部構造体24の最下階を構成する梁(水平部材)30が接合される仕口部14Aが設けられている。仕口部14Aには、外ダイア形式のダイアフラム34及びガセットプレート36が設けられており、当該仕口部14Aに梁30の端部が接合されている。梁30はH形鋼からなり、その端部がダイアフラム34に溶接されると共に、ガセットプレート36に高力ボルト38及びナット(不図示)で摩擦接合され、柱14との間で応力(せん断力、曲げモーメント等)を伝達可能に接合されている。なお、柱14と梁30との接合には、従来公知の種々の接合構造を採用することができる。
【0035】
柱14は、角形鋼管からなる筒体40の内部に、コンクリート42を充填して構成されたCFT造とされている。筒体40の下端には、ベースプレート44が設けられている。鋼製のベースプレート44は溶接等で筒体40に接合されており、その中央部に貫通孔44A(図2参照)が形成されている。貫通孔44Aは、平面視にて筒体40内に収まるように形成されており、筒体40の内部に通じている。この貫通孔44Aの大きさを増減することにより、後述する薄板46と上部プレート18との密着面積が調整される。また、ベースプレート44と筒体40とは、ベースプレート44の上面に立設された補強リブ48によって補強されている。なお、補強リブ48は必要に応じて適宜設ければ良い。
【0036】
図3に示されるように、ベースプレート44の下面には薄板(付着抑制手段)46が設けられており、当該薄板46を介してベースプレート44が免震装置12の上部プレート18の上に載置されている。薄板46は、ベースプレート44及び上部プレート18と平面形状、大きさが同一又は略同一とされており、貫通孔44Aに流れ込んだコンクリート42が当該貫通孔44Aから漏れ出し、上部プレート18に付着しないように貫通孔44Aを塞いでいる。また、薄板46はベースプレート44よりも薄く、筒体40にコンクリート42が充填されたときに、貫通孔44Aに流れ込むコンクリート42の充填圧及びコンクリート42の重量によって上部プレート18に密着するように、その板厚、面外剛性等が設計されている。即ち、上部プレート18に密着された薄板46を介して、柱14の鉛直荷重が上部プレート18へ均等に分散して伝達されるように、薄板46が設計されている。
【0037】
なお、貫通孔44Aの中心は、柱14及び免震装置12の中心に位置している。即ち、柱14は、その材軸が免震装置12の中心軸に一致するように配置されており、これらの柱14の材軸及び免震装置の中心軸に貫通孔44Aの中心が一致するように、ベースプレート44が配置されている。これにより、柱14の鉛直荷重が、当該柱14の中心から免震装置12の中心へ伝達されるようになっている。なお、貫通孔44Aの中心が、柱14及び免震装置12の中心に位置していることが望ましいが、これに限定されず、貫通孔44Aの中心が、柱14及び免震装置12の中心から外れていても良い。
【0038】
ベースプレート44と上部プレート18とは、応力伝達手段としてのボルト50及びナット52によって接合されており、柱14と免震装置12との間で応力(せん断力、曲げモーメント)等が伝達可能となっている。なお、応力伝達手段としては、ボルト50、ナット52に替えて、せん断ピン、PC鋼材、シアキー、溶接等を用いることができる。
【0039】
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0040】
上部構造体24を構成する柱14は、基礎22に固定された免震装置12によって支持されている。即ち、柱14から免震装置12へ鉛直荷重が伝達される。柱14を構成する筒体40の下端に設けられたベースプレート44と、免震装置12を構成する上部プレート18との間には薄板46が設けられ、これらのベースプレート44、薄板46、及び上部プレート18は、ボルト50及びナット52で接合されている。この状態で、筒体40の内部にコンクリート42が充填される。この結果、ベースプレート44に形成された貫通孔44Aにコンクリート42に流れ込み、当該コンクリート42の充填圧及びコンクリート42の重量等の押圧力F(図3参照)によって薄板46が上部プレート18に圧接され、薄板46が上部プレート18に密着する。
【0041】
ここで、筒体40にコンクリート42を充填したことにより、当該コンクリート42を介して柱14の鉛直荷重の一部又は全部が、上部プレート18、積層ゴム16へ伝達される。従って、柱14の鉛直荷重が分散されて上部プレート18、積層ゴム16へ伝達されるため、筒体40にコンクリート42を充填しない場合と比較して、ベースプレート44に発生する局所応力度、及び偏在応力度が減少する。よって、ベースプレート44に求められる性能(剛性、耐力等)が低減されるため、ベースプレート44の板厚や、ベースプレート44と筒体40とを補強する補強リブ48を減らすことができる。
【0042】
また、筒体40に充填されるコンクリート42の充填圧、及びコンクリート42の重量等の押圧力Fによって、鉛直荷重の伝達経路である薄板46と上部プレート18の密着性が確保される。従って、薄板46と上部プレート18との間の鉛直荷重の伝達効率が向上する。ここで、従来の接合構造202(図14参照)では、ベースプレート210と上部フランジ206との密着性を確保するために、ベースプレート210の上部フランジ206との接触面を機械加工等によって精度良く加工する必要があるが、本実施形態ではこのような機械加工をベースプレート44に施す必要がない。従って、ベースプレート44の製作コストを削減することができる。更に、貫通孔44Aは薄板46によって塞がれているため、当該貫通孔44Aに流れ込むコンクリート42と上部プレート18との付着が抑制される。従って、免震装置12の交換作業が容易となり、免震装置12のメンテナンス性が向上する。
【0043】
また、貫通孔44Aの中心が、柱14及び免震装置12の中心に位置している。即ち、柱14の材軸と免震装置12の中心軸が一致すると共に、これらの柱14の材軸及び免震装置12の中心軸に貫通孔44Aの中心が一致している。従って、柱14の鉛直荷重が、柱14の中心から免震装置12の中心へ伝達されるため、柱14の鉛直荷重に対して免震装置12が効率的に抵抗する。従って、免震装置12に所定の免震性能を発揮させることができる。また、免震装置12の上部プレート18に発生する偏在応力度が低減されるため、免震装置12の長寿命化を図ることができる。
【0044】
更に、鉛直荷重の伝達経路である薄板46と上部プレート18との密着部(密着面積)は、ベースプレート44に形成する貫通孔44Aの大きさによって調整される。従って、単純な構成で、安定した鉛直荷重の伝達経路を設けることができる。なお、筒体40に発生するせん断力、曲げモーメント等の応力は、ベースプレート44から応力伝達手段としてのボルト50を介して上部プレート18へ伝達される。従って、ベースプレート44は、貫通孔44Aによる薄板46と上部プレート18との密着面積に加えて、筒体40に発生するせん断力、曲げモーメント等の応力を上部プレート18に伝達可能な強度(断面積)を備えるように設計される。
【0045】
なお、本実施形態では、筒体40とベースプレート44との溶接部(溶接代)として、また、筒体40からベースプレート44へ伝達される軸力の伝達経路(筒体40の側壁から45度方向へ広がる伝達経路)を確保するために、筒体40の内側に僅かにベースプレート44を残しているが、これに限定されない。薄板46と上部プレート18との密着面積を大きくする場合には、筒体40の内側に残すベースプレート44を省略し、筒体40の外周に沿って貫通孔44Aを形成することも可能である。また、貫通孔44Aの形状は、四角形に限らず、多角形や、円形、楕円形でも良い。
【0046】
また、筒体40には、当該筒体40の頂部までコンクリート42が充填されており、梁30が接合される柱14の仕口部14Aにも、コンクリート42が充填されている。即ち、少なくとも柱14の最下端側の仕口部14Aまでコンクリート42が充填されている。従って、コンクリート42によって、応力集中部である仕口部14Aの剛性、耐力が増強されるため、梁30から柱14へ伝達される応力(せん断力、曲げモーメント等)の伝達効率が向上する。また、仕口部14Aに伝達された梁30の応力は、コンクリート42を介して、上部プレート18、積層ゴム16へ分散されて伝達される。従って、梁30から免震装置12へ伝達される応力の伝達効率が向上する。
【0047】
なお、筒体40には、前述のように薄板46を上部プレート18に密着させるのに十分なコンクリート42が充填されていれば良い。即ち、筒体40には、必ずしも柱14の最下端側にある仕口部14Aまでコンクリート42を充填する必要はないが、当該仕口部14Aまでコンクリート42を充填するにより、前述したように梁30から免震装置12へ伝達される応力の伝達効率を向上することができる。また、本実施形態では、柱14の仕口部14Aに梁30が接合されているが、梁30に替えて上部構造体24の最下階を構成する床スラブ等を接合しても良い。この場合、柱14と床スラブとの仕口部までコンクリート42を充填するにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、上部構造体24に鉄筋コンクリート造のフーチング等を設けて免震装置12を固定する構成ではないため、免震装置12の上に柱14を直接立てることができ、筒体40にコンクリート42を充填するという単純な施工作業で免震装置12と柱14とを接合することができる。よって、施工性が向上すると共に、工期の短縮化を図ることができる。
【0049】
更に、柱14は、筒体40の内部にコンクリート42を充填したCFT造とされている。従って、コンクリート42によって筒体40の座屈、曲げ座屈が抑制されるため、一般的なS造の柱と比較して柱14の靭性が向上する。また、筒体40によってコンクリート42が拘束されるため、柱14の剛性、耐力が向上する。更に、コンクリート42によって筒体40の内部の気密性が高まるため、筒体の内壁の腐食が抑制される。更にまた、コンクリート42の熱容量が筒体40に加算されるため、柱14の耐火性が向上する。
【0050】
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0051】
図4には、第2実施形態に係る柱免震装置接合構造が適用された柱62と免震装置12が示されている。柱62は、筒体64の内部にコンクリート42を充填して構成されたCFT造とされている。筒体64は、その側面が鉛直又は略鉛直とされた角形鋼管からなる鉛直部64A、64Bと、これらの鉛直部64A、64Bの間に設けられた傾斜部64Cと、を接合して構成されている。鉛直部64A、64Bと傾斜部64Cとはダイアフラム66、68を介して接合されている。これらのダイアフラム66、68及び傾斜部64Cの側壁には、H形鋼からなる梁70の端部が溶接接合されている。即ち、柱62の仕口部62Aに、傾斜部64Cが設けられている。なお、ダイアフラム66、68は、いわゆる通しダイア形式とされており、各ダイアフラム66、68の中央部にコンクリート42を通すための貫通孔66A、68Aが形成されている。
【0052】
傾斜部64Cを構成する各側壁は、鉛直部64Aの下端から下方へ向かって外側へ傾斜し、鉛直部64Bの上端まで延びている。即ち、傾斜部64Cでは、柱62の水平断面積が下方へ向かって徐々に大きくなっている。これにより、平面視にて柱62の下部が積層ゴム16をほぼ包含するようになっている(図5参照)。
【0053】
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0054】
柱62を構成する筒体64には、傾斜部64Cが設けられている。この傾斜部64Cによって、柱62の水平断面積が、下方へ向かって徐々に大きくされている。従って、柱62の鉛直荷重が分散されて上部プレート18へ伝達される(図4において矢印X)。よって、傾斜部64Cを設けない場合と比較して、ベースプレート44に発生する応力度が小さくなり、ベースプレート44に求められる性能(剛性、耐力等)が低減されるため、ベースプレート44の板厚や、ベースプレート44と筒体40とを補強する補強リブ48を減らすことができる。また、柱62の水平断面積が大きくなるため、ベースプレート44に形成する貫通孔44Aを大きくすることができる。即ち、薄板46と上部プレート18との密着面積を大きくすることが可能となる。更に、傾斜部64Cを設けたことにより、筒体64の内部に充填可能なコンクリート42の容量が増えるため、薄板46を上部プレート18に圧接するコンクリート42の重量が大きくなる。よって、柱62から上部プレート18へ伝達される鉛直荷重の伝達効率が向上する。
【0055】
なお、本実施形態では、平面視にて傾斜部64Cが積層ゴム16をほぼ包含しているが、これに限定されない。傾斜部64Cを設けて柱62の水平断面積が大きくすることにより、上記の作用及び効果を得ることができる。従って、平面視にて柱62が積層ゴム16を包含していなくても良い。
【0056】
また、本実施形態では、柱62の仕口部62Aに傾斜部64Cを設けているが、傾斜部64Cを設ける位置は適宜変更可能である。また、傾斜部64Cの下に鉛直部64Bを設けているが、鉛直部64Bを省略し、傾斜部64Cの下端にベースプレート44を設けても良いし、柱62の全部を傾斜部64Cで構成しても良い。
【0057】
次に、第2実施形態に係る柱の変形例について説明する。
【0058】
図6及び図7に示されるように、本変形例では、柱74の上部が形鋼部材76で構成されている。柱74の下部は筒体64で構成されており、形鋼部材76の鉛直荷重が筒体64に伝達されるように、形鋼部材76と筒体64とが接合されている。形鋼部材76はH形鋼からなり、ダイアフラム78を介して傾斜部64Cに接合されている。ダイアフラム78には注入孔78A(図7参照)が形成されており、当該注入孔78Aから筒体64の内部にコンクリート42が充填可能となっている。また、筒体64の内部には、形鋼部材76のウェブ76Aに連続するように、立面視にて台形の補強プレート80(図6参照)が設けられている。この補強プレート80は、筒体64内に充填されたコンクリート42に埋設されている。筒体64は、傾斜部64Cと、傾斜部64Cの下端にダイアフラム68を介して接合された鉛直部64Bとから構成されている。
【0059】
このように、柱74の構成する筒体64は、柱74の下部にのみ設けることができる。この際、柱74の上部は、上部構造体24の構造に応じて適宜変更することができる。本変形例では、H形鋼からなる形鋼部材76を用いたが、T形鋼や、2つのI形鋼を交差させたクロスI形鋼を用いても良い。また、柱74の上部を、鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造とすることも可能である。
【0060】
なお、上記第1、第2実施形態では、ベースプレート44と上部プレート18との間に薄板46を設けたが、これに限定されない。薄板46は、コンクリート42と上部プレート18との付着を抑制できれば良く、例えば、図8に示されるように、ベースプレート44に形成された貫通孔44Aに薄板82を嵌め込むことにより、コンクリート42と上部プレート18との付着を抑制しても良い。この際、この薄板82と貫通孔44Aの内周壁との隙間はシール剤等によって適宜シールすれば良い。また、図8に示す構成において、ベースプレート44に貫通孔44Aを形成するのではなく、ベースプレート44の中央部を切削して凹部を形成し、当該凹部の底壁を薄板として用いても良い。
【0061】
更に、付着抑制手段としての薄板46に替えて、ビニール素材等からなるシート材や、サランラップ(登録商標)を、コンクリート42と上部プレート18との界面に設けて、コンクリート42と上部プレート18との付着を抑制しても良い。シート材等は、上部プレート18の表面に馴染み易く、また、取扱いが容易であるため施工性に優れている。また、上部プレート18の上面に剥離剤を塗布することにより、コンクリート42と上部プレート18との付着を抑制することもできる。剥離剤は、上部プレート18の上面に塗布するだけで良いため、施工性に優れると共に、単純な構成で上部プレート18とコンクリート42との付着を抑制することができる。また、コンクリート42と上部プレート18との付着が問題とならない場合は、薄板46等の付着抑制手段を省略し、コンクリート42で上部プレート18を直接押圧し、柱の鉛直荷重を免震装置へ伝達することも可能である。
【0062】
また、図9(A)及び図9(B)に示されるように、筒体40の下端に、中央部が下方へ向かって凸になるようにベースプレート44を溶接し、当該中央部を支点としてベースプレート44の外周部をボルト50及びナット52で締め付けることにより、ベースプレート44、薄板46、及び上部プレート18の密着性を高めても良い。なお、図9(A)及び図9(B)に示す構成では、筒体40の外側から筒体40とベースプレート44とを溶接することにより、溶接熱によるひずみによって中央部が凸となるようにベースプレート44を変形させている。
【0063】
また、図10(A)及び図10(B)に示されるように、ベースプレート44の外周部、及びベースプレート44の貫通孔46Aの縁が、それぞれ筒体40の下端から下方へ向かって湾曲するように、ベースプレート44を筒体40の下端に溶接しても良い。この場合、ベースプレート44と上部プレート18とが接触しない部位をボルト50及びナット52で締め付けることにより、ベースプレート44の弾性力によってベースプレート44、薄板46、及び上部プレート18の密着性を高めることができる。なお、上記では溶接熱によってベースプレート44を変形させたが、プレス機等によってベースプレート44を変形させることもできる。また、図9(A)、図9(B)、図10(A)及び図10(B)では、理解を容易にするためにベースプレート44の変形を誇張して示している。
【0064】
更に、上記第1、第2実施形態では、角形鋼管で筒体40を構成したが、これに限定されない。筒体40は、その内部にコンクリート42を充填可能であれば良く、丸形鋼管を用いても良いし、図11(A)及び図11(B)に示されるように、H形鋼84のフランジ84A間に板材86を渡し、これらの板材86、フランジ84A、及びウェブ84Bで筒体を構成し、その内部にコンクリートを充填しても良い。
【0065】
また、上記第1、第2実施形態では、免震装置12として積層ゴム16を例に説明したが、滑り支承、弾性滑り支承、転がり支承等の種々の免震装置と柱に適用することができる。例えば、図12には、第1実施形態に係る柱免震装置接合構造が適用された柱14と、免震装置90が示されている。免震装置90は、滑り支承92と、当該滑り支承92の上部に設けられた上部プレート18とを備えている。基礎22の上面には、四フッ化エチレン(PTFE)、ステンレス等の低摩擦材料からなる滑り板94がアンカーボルト26によって固定されている。滑り板94の上には、先端部に、滑り板94と同様の低摩擦材料からなる滑り材96が設けられた滑り支承92が載置されている。滑り支承92の上部には上部プレート18が設けられており、当該上部プレート18に、薄板46を介して柱14のベースプレート44が接合されている。これにより、上記と同様の効果を得ることができる。
【0066】
更に、上記第1、第2実施形態は、図13に示されるように、中間免震層に設けられた免震装置102にも適用することができる。免震構造物99は、基礎22の上に構築された下部構造体98と、当該下部構造体98の上方に構築された上部構造体100とを備え、これらの下部構造体98と上部構造体100との間に形成された中間免震層に免震装置102が設けられている。免震装置102は、下部構造体98を構成する柱101の頂部に固定されている。また、免震装置102の上には、上部構造体100を構成する柱104が立てられており、当該柱104と免震装置102とが接合されている。このように、上記第1、第2実施形態は、基礎免震層に設けられた免震装置に限らず、中間免震層に設けられた免震装置にも適用することができる。また、図示を省略するが、地下基礎免震層に設けられた免震装置と、上部構造体を構成する柱にも適用することができる。
【0067】
また、上記第1、第2実施形態では、筒体40、64に充填する充填材としてコンクリート42を用いたが、コンクリート42に替えて、モルタル、グラウトを用いても良い。
【0068】
以上、本発明の第1、第2の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1、第2の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0069】
10 免震構造物
12 免震装置
14 柱
14A 仕口部
18 上部プレート
22 基礎(下部構造体)
24 上部構造体
30 梁(水平部材)
40 筒体
42 コンクリート(充填材)
44 ベースプレート
44A 貫通孔
46 薄板(付着抑制手段)
62 柱
62A 仕口部
64C 傾斜部
64 筒体
70 梁(水平部材)
74 柱
76 形鋼部材
82 薄板(付着抑制手段)
84 H形鋼(筒体)
86 板材(筒体)
90 免震装置
99 免震構造物
98 下部構造体
100 上部構造体
102 免震装置
104 柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも柱の下部を構成すると共に、内部に充填材が充填される筒体と、
前記筒体の下端に設けられると共に、該筒体の内部に通じる貫通孔が形成されたベースプレートと、
前記柱を支持すると共に、前記ベースプレートが接合される上部プレートを有する免震装置と、
を備える柱免震装置接合構造。
【請求項2】
前記貫通孔に流れ込む前記充填材と前記上部プレートとの界面に、前記充填材と前記上部プレートとの付着を抑制する付着抑制手段が設けられている請求項1に記載の柱免震装置接合構造。
【請求項3】
前記柱には、水平部材が接合された仕口部が設けられ、
前記筒体には、少なくとも前記柱の最下端側の前記仕口部まで前記充填材が充填されている請求項1又は請求項2に記載の柱免震装置接合構造。
【請求項4】
前記付着抑制手段が、前記充填材によって前記上部プレートに密着される薄板又はシート材、若しくは前記上部プレートの表面に塗布される剥離材である請求項1〜3の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造。
【請求項5】
前記筒体には、該筒体の側壁が、下方へ向かって外側へ傾斜する傾斜部が設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造。
【請求項6】
前記充填材が、コンクリートであり、
前記筒体が、前記コンクリートが充填される角形鋼管、又は丸形鋼管である請求項1〜5の何れか1項に記載された柱免震装置接合構造。
【請求項7】
前記柱の上部は、該柱の下部を構成する前記筒体に軸力を伝達する形鋼部材で構成されている請求項1〜6の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造。
【請求項8】
平面視にて、前記貫通孔の中心が、前記柱及び前記免震装置の中心に位置している請求項1〜7の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造。
【請求項9】
免震装置が固定される下部構造体と、
前記下部構造体の上方に構築される上部構造体と、
前記上部構造体を構成すると共に、前記免震装置によって支持され、該免震装置に前記上部構造体からの鉛直荷重を伝達する柱と、
前記免震装置と前記柱とに適用された請求項1〜8の何れか1項に記載の柱免震装置接合構造と、
を備える免震構造物。
【請求項10】
前記免震装置が、前記上部構造体と前記下部構造体との間に設けられた中間免震層又は基礎免震層に配置されている請求項9に記載の免震構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−52432(P2011−52432A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201709(P2009−201709)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】