説明

柱状電気素子及び柱状トランジスタ、並びにそれらの製造方法

【課題】小型化が可能で狭いところでも装着できるセンサ、太陽電池等の電気素子と、該電気素子を容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】柱状体2に、蒸着、或いは半導体の溶融、溶解又はゲル状態のものを塗布することにより、半導体8をコーティングする。その回りに、4本の絶縁線6、例えば糸を縞状に接合したものを巻き付ける。次に1本の絶縁線6をはがして、その跡に銅を蒸着して銅線9を形成する。最後に銅線9に隣接しない絶縁線をはがして、その跡にアルミニウムを蒸着してアルミニウム線10を形成する。そして銅線9、アルミニウム線10の間の抵抗値を測ることにより、半導体8に照射している光の強度を知ることができる。4本の絶縁線の太さを調整することにより、銅線9、アルミニウム線10のそれぞれの直径、及びその間隔を決めることができ、また絶縁線6として細い糸を用いることにより、小型の光センサを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ、太陽電池等を含む柱状の電気素子と、その製造方法に関する。
特に、性能を落とすことなく小型化が可能で狭いところでも装着できる電気素子と、該電気素子を容易に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガラス基盤上に2個の櫛形状電極を設け、その上に更に2種類の導電性高分子から混合された感応膜を形成することにより、ガス応答特性の異なる種々のガスセンサが得られることが紹介されている。
【0003】
また特許文献2には、電気絶縁性のセラミック基盤上に2個の櫛形電極を形成し、更にこれら2個の櫛形電極をまたがるように層状のアンモニア感応膜が形成されたアンモニアガスセンサが紹介されている。
【0004】
これらの特許文献では、直方体の基盤の一面に2個の金属を櫛形に加工して載せている。このようなセンサは、性能を保ちながら小型化するのには限界があり、ガス配管等認知しやすい部分に取り付けるのは困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−295255号公報
【特許文献2】特開2003−161713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、性能を落とすことなく小型化が可能で狭いところにでも装着できるセンサ、太陽電池等の柱状電気素子、及び柱状電気素子を容易に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1は、少なくとも、導電性の線状体と絶縁性又は半導体の線状体を交互に密着して接合形成した板状体を柱状体の表面に螺旋状に巻き付ける工程を有する柱状電気素子の製造方法である。
【0008】
請求項2は、少なくとも、複数の線状体を互いに密着して接合形成した板状体を柱状体の表面に螺旋状に巻き付ける工程と、前記柱状体の表面から一部の前記線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に導電性物質又は半導体物質をコーティングするコーティング工程とからなる柱状電気素子の製造方法である。
【0009】
請求項3は、コーティング工程の後に、前記柱状体の表面から少なくとも一部の前記線状体を取り除く工程を有する請求項2記載の柱状電気素子の製造方法である。
【0010】
請求項4は、少なくとも、複数の絶縁性の線状体を互いに密着して接合形成した板状体を柱状体の表面に螺旋状に巻き付ける工程と、前記柱状体の表面から一部の線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に導電性物質をコーティングして第一の導電線を形成する工程と、前記柱状体の表面から少なくとも一部の線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に導電性物質をコーティングして第二の導電線を形成する工程とからなる柱状電気素子の製造方法である。
【0011】
請求項5は、前記第二の導電線を形成する工程の後に、前記柱状体の表面から少なくとも一部の前記線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に半導体物質をコーティングして半導体線を形成する工程とからなる請求項4記載の柱状電気素子の製造方法である。
【0012】
請求項6は、前記板状体を巻き付ける工程の前に、前記柱状体の表面に半導体膜又は透明電極と半導体膜の積層膜をコーティングにより形成する工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項記載の柱状電気素子の製造方法である。
【0013】
請求項7は、前記半導体膜又は前記半導体線を形成した後に、複数の前記導電線間に電流を流して電気特性を測定しながら前記半導体膜又は前記半導体線へのドーピングを行う請求項5又は6のいずれか1項記載の柱状電気素子の製造方法である。
【0014】
請求項8は、少なくとも、柱状体又は表面に半導体膜を配置した柱状体と、前記柱状体の表面に互いに一定間隔離間して螺旋状に巻き付けた形状を有する第一の導電線及び第二の導電線とから構成され、前記第一の導電線と前記第二の導電線が異なる材料からなるセンサ又は太陽電池である。
【0015】
請求項9は、少なくとも、柱状体又は表面に半導体膜を配置した柱状体と、前記柱状体の表面に互いに密着して螺旋状に巻き付けた形状を有する第一の導電線、半導体線、及び第二の導電線とから構成されるセンサ又は太陽電池である。
【0016】
請求項10は、前記半導体膜及び/又は前記半導体線が、フラーレンをドープした有機半導体からなる請求項8又は9のいずれか1項記載のセンサ又は太陽電池である。
【0017】
請求項11は、少なくとも、表面に絶縁性の膜を配置した導電性の柱状体と、前記柱状体の表面に互いに密着して螺旋状に巻き付けた形状を有する第一の導電線、半導体線、及び第二の導電線とから構成されるトランジスタである。
【0018】
請求項12は、少なくとも、表面に透明電極膜を配置した柱状体と、前記柱状体の表面に螺旋状に等間隔で巻き付けた形状を有する導電線とから構成され、前記透明電極膜がITO又はPVAからなる光センサ又は太陽電池である。
【0019】
請求項13は、前記柱状電気素子がトランジスタであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載の柱状電気素子の製造方法である。
【0020】
請求項14は、請求項1乃至13のいずれか1項記載の方法により製造され、柱状体の外周面に1本又は2本の導電線が螺旋状に巻き付けられていることを特徴とする柱状電気素子である。
【0021】
請求項15は、柱状体と1本又は2本の導電線との間に、1種類以上の物質を介在していることを特徴とする請求項14記載の柱状電気素子である。
【0022】
請求項16は、2本の導電線の間に半導体がコーディングされていることを特徴とする請求項14又は15記載の柱状電気素子である。
【0023】
請求項17は、前記柱状体が繊維体であることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項記載の柱状電気素子である。
【発明の効果】
【0024】
柱状体の外周面に布、糸等のマスク材を螺旋状に巻き付けた後、その隙間に導電性物質をコーティングすることにより導電線を巻き付ける場合は、コーティングとして、蒸着、塗布等を用いることにより導電線が柱状体に密着し特性が安定な柱状電気素子が得られる。
【0025】
導電線の直径、及びそれらの間隔を均一にして配線することができ、設計とシミュレーションの作業が容易になる。
【0026】
導電線と絶縁線との接合、及び柱状体との接合を、例えばエポキシ接着剤を用いることにより、導電線と絶縁線との間の粘着性を高くできる。柔軟性のある柱状体を用いた場合に、曲げ等の応力に対しても容易に追従することが可能になる。
【0027】
糸のように細い線状物質を巻き付けることにより、長手方向について柱状電気素子の小型化が可能である。小型化が可能な柱状電気素子としては、例えば、温度センサ、圧力センサ、イオンセンサ、光センサ、太陽電池、ガスセンサ、湿度センサ、放射線センサ、トランジスタが挙げられる。細い導電線を、間隔を密にして柱状体に巻き付けることにより、例えば体積1mm3以下の超小型の柱状電気素子が製造可能である。
【0028】
柱状体として繊維体を用いることにより、径方向についても柱状電気素子を小型にできる。繊維体として、例えばポリエチレンテフタレート、ポリメチルメタクリエート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等を用いればよい。
【0029】
光センサ、太陽電池、トランジスタなどの電気素子における半導体領域に、フラーレンをドープした有機半導体を用いることにより電気素子の特性が改善する。
【0030】
請求項11によれば、簡単な方法でセンサ、太陽電池等の柱状電気素子を製造することができる。柱状体の外周面に感部としての半導体をコーディングしたり、或いは感部としての導電線を配線したりできる。従って、性能を落とすことなく、小型化することが可能となる。更に請求項9記載のように、柱状体の外周面にも半導体をコーディングしておくようにしてもよい。すなわち、2種類の半導体を用いることができるので、検出できるガスの種類が広がる等、例えばセンサとしての柱状電気素子の用途を広げることができる。
【0031】
請求項12によれば、例えば性能を落とすことなく小型化が可能な、様々な形態の柱状型のセンサ又は太陽電池を製造することができる。
【0032】
請求項13によれば、例えば性能を落とすことなく小型化が可能な、様々な形態の柱状型のトランジスタを製造することができる。
【0033】
請求項14は、性能を落とすことなく小型化が可能な柱状電気素子である。1本の導電線を有する柱状電気素子の例として、温度センサ、圧力センサ、イオンセンサ等が挙げられる。列記した各々のセンサは、導電線としてそれぞれ、白金、ポリ3アルキルチオフェン、ポリアニリンを用いている。
【0034】
請求項15は、例えば請求項7記載の方法により製造できる柱状電気素子である。柱状体と2本の導電線を有し、その間に半導体を介在している柱状電気素子として、光センサ、ガスセンサ、湿度センサ、温度センサ、放射線センサ、太陽電池等が挙げられる。温度センサは、フラーレンをドーピングした導電性高分子、ポリpフェニレン、ポリチオフェン等の有機半導体を介在している。同様にガスセンサは、ポリpフェニレン、ポリアセチレン、ポリチオフェン等を、湿度センサは、ポリフラン、ポリチオフェン等を、温度センサは、ポリ3アルキルチオフェン等を、放射線センサは、六フッ化硫黄雰囲気中でのポリアセチレン、ポリチオフェン等を介在している。柱状の光センサを曲げることができる場合は、光センサの導電線を巻き付けている部分を、フラーレンのドーパント溶液に浸しながら、例えば一方の導電線に電圧を印加してドーピングするようにしてもよい。また導電性の柱状体と1本の導電線との間に半導体等を介在している光センサ、導電性の柱状体と2本の導電線との間に絶縁物を介在しているトランジスタ等も含まれる。
【0035】
請求項16は、例えば請求項11記載の方法により製造できる柱状電機素子である。その内容は、請求項15のように柱状体と導電線との間に半導体を介在している場合と同じである。更に請求項15ように半導体を介在するものに係る場合、2種類の半導体を用いることができる。すなわち、検出できるガスの種類が広がる等、例えばセンサとしての柱状電気素子の用途を拡げることができる。
【0036】
請求項17によれば、柱状体も小型にできる。繊維体として、例えばポリエチレンテフタレート、ポリメチルメタクリエート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等を用いればよい。同時に細い導電線を、間隔を密にして巻き付けることにより、例えば1mm3以下の超小型の柱状電気素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による「単線から成る柱状電気素子」の一つである温度センサの斜視図である。
【図2】「単線から成る柱状電気素子」の一般的な製造方法を示す概略図である。
【図3】導電線が均一に巻かれた「単線から成る柱状電気素子」の製造方法の一例を示す概略図である。
【図4】導電線が均一に巻かれた「単線から成る柱状電気素子」の製造方法の一例を示す概略図である。
【図5】本発明による「板状の半導体から成る柱状電気素子」の一つである光センサの斜視図である。
【図6】導電線が均一に巻かれた「板状の半導体から成る柱状電気素子」の製造方法の一例を示す概略図である。
【図7】導電線が均一に巻かれた「板状の半導体から成る柱状電気素子」の製造方法の一例を示す概略図である。
【図8】導電線が均一に巻かれた「板状の半導体から成る柱状電気素子」の製造方法の一例を示す概略図である。
【図9】本発明による「半導体線から成る柱状電気素子」の斜視図である。
【図10】本発明による「2種類の半導体を用いた柱状電気素子」の斜視図である。
【図11】小型温度センサの製造方法の一例を示す斜視図である。
【図12】半発明による「導電性の柱状体を有する柱状電気素子」の一実施例である光センサの斜視図である。
【図13】本発明による「導電性の柱状体を有する柱状電気素子」の他の実施例である光センサの斜視図である。
【図14】柱状トランジスタのドーピング方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る各用語の意義について明らかにすると共に、本発明の最良形態について説明する。
【0039】
「柱状電気素子」とは、円柱、多角柱等の柱状形をした電気素子である。一例として、柱状形のセンサ、太陽電池等がある。
【0040】
「柱状体」とは、その外周面に導電線や半導体線等を巻いてセンサ、太陽電池等の柱状電気素子を作るための基体である。本発明では、導電性と絶縁性の両方を使用する。特に絶縁性の材料としては、プラスチック、石英、サファイア等がある。小型の柱状電気素子を製造する場合は、ポリエチレンテフタレート、ポリメチルメタクリエートナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の繊維体を用いればよい。繊維体を用いることにより、柱状体の直径を0.1〜1.0mmにすることができ、超小型のセンサ、太陽電池等を製造することが可能となる。
【0041】
「コーティング」とは、柱状体の外周面に導電線、半導体線等を被覆させることである。一例として、被覆させる物質の蒸着、或いは被覆させる物質の溶融液、溶解液、又はゲル状態のものを塗布することにより行なう。
【0042】
「マスク材」とは、柱状体の外周面に導電線、半導体線等を被覆させるときに、帯域外のところが被覆されないように柱状体の側面の一部を覆っておくものである。一例として、布、糸、アルミ箔、銅箔、紙、或いは柱状体と同じ材料等を用いればよい。
(単線から成る柱状電気素子)
図1に、本発明による「単線から成る柱状電気素子」の一つである温度センサの斜視図を示す。例えばプラスチックから成る絶縁性の柱状体2の外周面に、白金線4が巻き付けられている。白金線4の両端に取出し口3が取り付けられており、これらを測定器1に接続して抵抗値を測ることにより、温度を知ることができる。
【0043】
図2に蒸着法を用いて温度センサを作成する一つの方法を示す。初めに(a)に示すように、絶縁性の柱状体2の外周面に、コーティングのためのマスク材5を螺旋状に巻き付けて、固定する。そして(b)に示すように、マスク剤5の隙間に白金をコーティング、例えば蒸着して白金線4を形成する。マスク材5として導電性のものを用いた場合は、(c)に示すようにマスク材5を除去する。そして取出し口3を白金線4の両側に付けて完成する。マスク材5として、例えば、布、糸、アルミ箔、銅箔、紙等を用いればよい。
【0044】
図3に蒸着法を用いて白金線を均一に巻き付けるための他の方法を示す。例えば2本の絶縁線6を縞状に接合した板状生成物を準備する。これを(a)に示すように、絶縁性の柱状体2の外周面に巻き付け、接着剤等を用いて固定させる。次に(b)に示すように一方の絶縁線6をはがす。例えば、絶縁線6の一端を手、ピンセット等でつまんで、柱状体2の外周に沿ってはがせばよい。最後に(c)に示すように、その跡に白金を蒸着して白金線4を形成する。そして取出し口3を白金線4の両側に付けて完成する。
【0045】
板状生成物を構成する絶縁線6は、2本に限定されない。例えば3本の絶縁線6を縞状に接合した板状生成物を柱状体2の外周面に巻き付けた後、2本の絶縁線6をはがして、その跡に白金を蒸着するようにしてもよい。
【0046】
絶縁線6の代わりに、他の線状物質で板状生成物を準備してもよい。導電性の線状物質を用いる場合は、(c)の白金の蒸着を終了した後に、柱状体2の外周面に残っている線状物質をはがしておく。
【0047】
図3に示した蒸着法を用いることにより、白金線4の直径とその間隔を調整でき、均一に巻き付けることができる。また絶縁線6として線状物質、例えば糸を用いることにより、白金線4を細くすると同時にその間隔を狭くすることができる。従って小型の温度センサを作成することができる。
【0048】
更に絶縁線6の代わりに、導電線、例えば白金線を縞状に接合した板状生成物を、柱状体2の外周面に巻き付けてもよい。複数本の白金線から成る板状生成物を、柱状体2の外周面に密に巻き付けて、例えば二液混合エポキシ接着剤で固定させる。耐熱性を考慮する場合は、セラミック接着剤、例えば株式会社ニラコ製のザウエライゼンセメントを用いて固定させるのが好ましい。その後、一部の白金線の一端を手又はピンセット等でつまんで、柱状体2の外周面に沿ってはがす。そして柱状体2の外周面に固定されている白金線の両側に、取出し口を付けて完成する。この場合は、蒸着等のコーティングの工程を省くことができる。
【0049】
複数本の白金線から成る板状精製物を柱状体2の外周面に固定させるのは、例えば130℃に加熱することにより固定するようにしてもよい。
【0050】
絶縁性の柱状体としてポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリエート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の繊維体を、白金線として直径0.02mmのものを用いることにより、柱状体と白金線の両方を小さくすることができる。例えば、体積が1mm3以下の温度センサを製造することができる。図11は、この温度センサの製造方法の一例を示す斜視図である。これは繊維体を材料とした柱状体の一部に、直径0.02mmの2本の白金線4を密に巻き付けた後、一方の白金線をはがしたものである。これを例えば台15の上に置いて、白金線を巻き付けた柱状体の両側をカットすることにより、超小型のセンサを製造することができる。この温度センサを用いると、狭い空間にセットしてそこでの温度を測定することができる。
【0051】
柱状体2の外周面に巻き付ける導電線には金属以外のもの、例えば有機導電線も含まれる。この場合(c)の蒸着の代わりに、有機導電体の溶融液、溶解液又はゲル状態のものを塗布することによりコーティングしてもよい。
【0052】
一例として、有機導電体であるポリ3アルキルチオフェンを用いた圧力センサ、ポリアニリンを用いたイオンセンサ等がある。これらの有機導電体をトルエン又はキシレン溶液等の塗料溶剤に溶かしたものを、柱状体2の外周面に塗布すればよい。ただし柱状体2とマスク材は、塗料溶剤に溶けないものを用いる必要がある。前者の圧力センサは、比較的低圧力でも、圧力の変化によって導電率が大きく変化する。後者のイオンセンサは、水溶液中に浸されたポリアニリンのボルタモグラムを測定することによって、その水溶液のpH値を検知するものである。
【0053】
導電線と絶縁線との結合力が高く且つ結合された板状生成物が曲げの応力に対して容易に追従できる場合には、図4の示す方法でセンサを作成してもよい。即ち、絶縁線6と導電線7とを縞状に接合した板状生成物を、柱状体2の外周面に巻き付けて、接着剤等で固定させる。この場合も蒸着等のコーティングの工程を省くことができ、導電線7の両側に取出し口3を付けて完成となる。
(板状の半導体から成る柱状電気素子)
図5に、本発明による「板状の半導体から成る柱状電気素子」の一つである光センサの斜視図を示す。絶縁性の柱状体2の外周面には、半導体8、例えばフラーレンをドーピングした導電性高分子から成る有機半導体が板状にコーティングされている。更にその外側に、銅線9とアルミニウム線10が巻き付けられている。このセンサに照射する光が半導体8で電気に変化する。銅線9とアルミニウム線10との間を流れる電流を測定器1で測定することにより、センサに照射している光の強度を知ることができる。
【0054】
導電性高分子としてポリ3アルキルチオフェン、ポリ2,5ジオキチロキシpフェニレンビニレン等を用いることができる。ポリ3アルキルチオフェンの一種であるポリ3ヘキシルチオフェンを用いるときは、フラーレンを20〜30重量%ドーピングしておくことが好ましい。
【0055】
この柱状の光センサを曲げることができる場合は、導電線を巻き付けている部分をドーパント溶液に浸しながら、例えば一方の導電線に電圧を印加してドーピングするようにしてもよい。すなわち、簡単な方法で適切なドーピングを行なうことも可能である。
【0056】
また銅線9−アルミニウム線10の代わりに、仕事関数の差の大きい金線(5.2eV)−アルミニウム線(4.3eV)を用いることにより、光電変換の効率が向上する。そのために、太陽電池としても利用することができる。
【0057】
柱状体2の外周面を半導体8でコーティングすることは、半導体8を蒸着することにより行なう。或いは柱状体2に、半導体8の溶融液、溶解液又はゲル状態のものを塗布することにより行なう。例えば半導体をトルエン又はキシレン溶液等の塗料溶剤に溶かしたものを、柱状体2の外周面に塗布すればよい。ただし柱状体2は、塗料溶剤に溶けないものを用いる必要がある。
【0058】
その外側への銅線9とアルミニウム線10の巻き付けは、図2で説明したのと同じ方法で行なうことができる。コーティングのためのマスク材、例えば第一の布を螺旋状に巻き付けて固定する。この状態で銅をコーティング、例えば蒸着して、第一の布の隙間に銅線9を形成する。銅線9の形成のために巻いた第一の布を除去してから、銅線9を覆うように再び第二の布を螺旋状に巻き付けて固定する。そしてアルミニウムを蒸着して、第二の布の隙間にアルミニウム線10を形成する。アルミニウム線10の形成のために巻いた第二の布を除去してから、最後に銅線9とアルミニウム線10に取出し口3を付けて完成する。
【0059】
銅線9とアルミニウム線10を均一に巻き付けるときは、図6に示す方法を用いればよい。初めに(a)に示すように、例えば4本の絶縁線6を縞状に接合した板状生成物を準備する。柱状体2の外周面に半導体8をコーティングしてから、その外側に板状生成物を巻き付けて、固定する。次に(b)、(c)に示すように4本の絶縁線6のうちの一本をはがして、その跡に銅を蒸着して銅線9を形成する。その後、(d)、(e)に示すように蒸着した銅線9に隣接していない一本の絶縁線6をはがして、その跡にアルミニウムを蒸着してアルミニウム線10を形成する。最後に銅線9及びアルミニウム線10に取出し口3を付けて完成する。
【0060】
板状生成物を構成する絶縁線6は、4本に限定されない。4本以上の絶縁線6を縞状に接合した板状生成物を柱状体2に巻き付けるようにしてもよい。その後、1本以上の絶縁線6をはがして、その跡に銅を蒸着して銅線9を形成する。次に銅線9に隣接していない1本以上の絶縁線6をはがして、その跡にアルミニウムを蒸着して、アルミニウム線10を形成する。これは、以下で説明する「半導体線から成る柱状電気素子」、「2種類の半導体を用いた柱状電気素子」でも同じである。
【0061】
絶縁線6の代わりに、他の線状物質で板状生成物を準備してもよい。導電性の線状物質を用いた場合は、(e)のアルミニウムの蒸着を省略した後に、半導体8の側面に残っている線状物質をはがしておく。
【0062】
図6に示した蒸着法を用いることにより、銅線9及びアルミニウム線10のそれぞれの直径とそれらの間隔を調整でき、均一に巻き付けることができる。また絶縁線6として例えば細い糸を用いることにより、銅線9及びアルミニウム線10を細くすると同時にそれらの間隔を狭くすることができる。従って小型の光センサを作成することができる。
【0063】
同じ材質の2本の導電線で柱状電気素子を製造する場合は、絶縁線6の代わりに複数本の導電線を縞状に接合した板状生成物を、半導体8の外側に巻き付けてもよい。複数本の導電線から成る板状生成物を、半導体8の外面に巻き付けて、固定させる。その後、互いに隣接している導電線を2組はがす。最後に半導体8の外面に接合している2本の導電線に、取り出し口を付けて完成する。この場合は、導電線の蒸着等のコーティングの工程を省略することができる。
【0064】
半導体8をコーティングした柱状体2の外側に巻き付ける2本の導電線には、金属以外のもの、例えば有機導電線も含まれる。この場合、(c)及び(e)の蒸着の変わりに、対応する有機導電体の溶融液、溶解液又はゲル状態ものを塗布することによりコーティングしてもよい。
【0065】
また2本の導電線と絶縁線との結合力が高く、結合された板状生成物が曲げの応力に対して容易に追従できる場合には、図7に示す方法で柱状電気素子を作成してもよい。すなわち、絶縁線6、第一導電線11、絶縁線6、第二導電線12を縞状に接合したものを準備する。これを、半導体8をコーティングした柱状体2の外側に巻き付ける。この場合にも導電線の蒸着等のコーティングの工程を省くことができ、第一導電線11及び第二導電線12に取出し口3を付けて完成となる。
【0066】
図8に他の作成方法を示す。これは2本の導電線の内、一本は巻き付けることにより、他方は蒸着により作成するものである。初めに(a)に示すように、一本の第一導電線11と3本の絶縁線6を縞状に接合した板状生成物を準備する。柱状体2の外周面に半導体8をコーティングしてから、その外側に板状生成物を巻き付けて、固定する。次に(b)、(c)に示すように第一導電線11に隣接しない絶縁線6の一本をはがしてから、その跡に第二導電物質を蒸着して第二導電線12を形成する。最後に第一導電線11及び第二導電線12に取出し口3を付けて完成する。
【0067】
本発明を適用できる「板状の半導体と2本の導電線からなる柱状電気素子」として、前記の光センサ以外にも以下のセンサがある。
【0068】
半導体8としてポリpフェニレン、ポリアセチレン、ポリチオフェン等を用いたガスセンサがある。これらの半導体は、一酸化窒素(NO)ガス、アンモニア(NH)ガス等と接触することにより導電率が変化する。導電率の変化により、ガスの濃度を測定する。
【0069】
半導体8としてポリフラン、ポリチオフェン等を用いた湿度センサがある。ポリフランは導電率の変化により、ポリチオフェンはこの半導体に接触している2本の導電線間の電位の変化により湿度を測定するものである。
【0070】
半導体8としてポリ3アルキルチオフェン等を用いた温度センサがある。ポリ3アルキルチオフェンは加熱により溶融するが、その前駆現象として導電率、光学スペクトル等が大きく変化する。これを利用したものである。
【0071】
半導体8としてポリpフェニレン、ポリチオフェン等を用いた光センサがある。ポリp−フェニレンは光誘起異性化反応(光によるキノイド−ベンゼノイド構造の間の変化)を利用するものである。ポリチオフェンは、光解離性のトリフェニルヨード二ウムテトラフルオロボレード等の物質を担持させることにより光誘起ドーピングを生じる。ポリチオフェンはこの光誘起ドーピングを利用したセンサを構成できる。
【0072】
六フッ化硫黄(SF)雰囲気中でポリアセチレン、ポリチオフェンを用いた放射線センサもある。これはSF雰囲気中で前記誘起半導体に電子線を照射したときに、導電率が著しく変化することを利用するものである。
【0073】
「板状の半導体から成る柱状電気素子」でも、超小型の柱状電気素子を製造することができる。例えば、柱状体2としてポリエチレンテフタレート等の繊維体を用いる。その外周面に有機化合物から成る半導体8を、50〜500μmコーティングする。その外側に、直径0.05〜1mmの導電線を密に巻き付けることにより、超小型の柱状電気素子がえられる。
(半導体線から成る柱状電気素子)
図9に本発明による「半導体線から成る有機電気素子」の斜視図を示す。これは絶縁性の柱状体2の回りに第一導電線11及び第二導電線12を巻いて、2本の導電線の間に半導体8をコーティングしたものである。
【0074】
2本の導電線の巻き方は、「板状の半導体から成る柱状電気素子」で説明したのと同じ方法を用いることができる。線状物質を用いて2本の導電線を巻き付ける場合は、前記の柱状電気素子と同じ方法で2本の導電線を巻き付ける。その後、残っている線状物質をはがしてその跡に半導体8をコーティングすればよい。半導体8のコーティングも、蒸着、或いは半導体の溶融液、溶解液又はゲル状態のものを塗布する、等様々な方法で行なうことができる。
【0075】
また2本の導電線と半導体の線との間の結合力が高く且つ結合された板上のものが曲げの応力に対して容易に追従できる場合は、次の方法で作成してもよい。半導体の線、第一導電線、半導体の線、第二導電線の順序で4本の線を縞上に接合した板状生成物を準備する。これを柱状体の外周面に巻き付けて固定した後、第一導電線及び第二導電線に取出し口を付けて完成となる。
【0076】
更に、第一導電線と3本の半導体線を縞状に接合した板状生成物を準備してもよい。この板状生成物を柱状体の外周面に巻き付けて固定する。その後、第一導電線に隣接していない半導体線をはがして、その跡に第二導電物質をコーティングして第二導電線を形成する。最後に、第一導電線及び第二導電線に取出し口を付けて完成となる。
【0077】
「板状の半導体から成る柱状電気素子」で説明した様々なセンサ、太陽電池は、ここでも適用することができる。
(2種類の半導体を用いた柱状電気素子)
図10に本発明による「2種類の半導体を用いた柱状電気素子」の斜視図を示す。絶縁製の柱状体2の外周面に第一半導体13をコーティングしてから、その外側に第一導電線11及び第二導電線12を巻き付けている。更に2本の導電線の間に第二半導体14をコーティングしている。導電線11、12の巻き付けや第二半導体14のコーティングは、「板状の半導体から成る柱状電気素子」及び「半導体線から成る柱状電気素子」で説明したのと同じ方法を用いることができる。またここでは2種類の半導体を用いることができるので、検出できるガスの種類が広がる等、本発明によるセンサの用途を拡げることができる。
【0078】
「板状の半導体から成る柱状電気素子」で説明した様々なセンサは、ここでも適用することができる。
(導電性の柱状体を有する柱状電気素子)
図12に、本発明による「導電性の柱状体を有する柱状電気素子」の一実施例である光センサの斜視図を示す。導電性の柱状体16の外周面には、半導体17がコーティングされている。その外側には導電線19が巻き付けられている。
【0079】
導電性の柱状体16は、例えばアルミニウムから作られている。
【0080】
導電性の柱状体16の外周面に半導体17をコーティングする。半導体17は、例えばフラーレンをドーピングした導電性高分子から作られる。導電性高分子としてポリ3アルキルチオフェン、ポリ2,5ジオキチロキシpフェニレンビニレン等を用いることができる。ポリ3アルキルチオフェンの一種であるポリ3ヘキシルチオフェンを用いるときは、フラーレンを20〜30重量%ドーピングしておくことが好ましい。半導体17のコーティングは、蒸着、或いは半導体の溶融液、溶解液又はゲル状態のものを塗布することにより行なう。
【0081】
半導体17の外側に、導体線19、例えば銅線を巻き付ける。導電線19の巻き付けは、「単線から成る柱状電気素子」で説明した白金線の巻き付けと同じ方法で行なえばよい。導電線19を巻き付けた後、導電線19に取り出し口3を付けて完成する。
【0082】
以上のように製造することにより、光センサが構成される。アルミニウムから成る導電性の柱状体16と銅線から成る導電線19の仕事関数が異なるので、半導体17に光を照射したときに柱状体16と導電線19との間で電位差が発生する。その電位差を測定器で測ることにより、導電線19の隙間等を通じて半導体17に照射している光の強度をすることができる。
【0083】
図12に示した光センサは、太陽電池としても利用することができる。導電線19として、銅線の代わりに金線を用いることにより、光電変換の効率を向上させることができる。
【0084】
半導体17として、前記で説明した導電性高分子等の有機化合物を用いることにより、導電性の柱状体16の外周面に50〜500μmコーティングすればよい。更に図11で説明したように、細い銅線を巻き付けることにより、超小型の光センサ又は太陽電池が得られる。
【0085】
図13に、本発明による「導電性の柱状体を有する柱状電気素子」の他の実施例である光センサの斜視図を示す。図12と同じものは、同一符号で示す。これは半導体17の外側に、透明電極18がコーティングされている。導電性の柱状体16、半導体17、透明電極18で光センサが構成されている。すなわち、半導体17の露出部や、透明電極18を通じて照射する光の強度に応じて、柱状体16と透明電極18との間に電位差が発生し、接続することによって電流が流れる。しかし透明電極18はもろく、曲げるとひびが入って断線するという問題がある。そこで本発明では、透明電極18の更に外側に導電線19を巻き付けることにより、透明電極18と電気的に接触しながら固定するようにしたものである。
【0086】
透明電極18のコーティングも、蒸着、或いは透明電極の材料の溶融液、溶解液或いはゲル状態のものを塗布することにより行なう。透明電極18として、例えばインジウム錫オキサイド(ITO)、ポリビニルアルコール(PVA)等を用いる。ポリビニルアルコール(PVA)を用いるときは、三塩化鉄FeCl3を2重量%だけ含ませておくことが好ましい。このとき、導電率と透過率の良好な透明電極18が得られる。
【0087】
透明電極18の更に外側に導電線19、例えば銅線を巻き付ける。導電線19の巻き付けは、「単線から成る柱状電気素子」で説明した白金線の巻き付けと同じ方法で行なえばよい。導電線19を巻き付けた後、導電線19に取り出し口3を付けて完成する。
【0088】
アルミニウムから成る柱状体16と透明電極18の仕事関数が異なるので、半導体17に光を照射したときに柱状体16と透明電極18との間で電位差を発生する。その電位差を測定器1で測ることにより、半導体17に照射している光の強度を知ることができる。
【0089】
図13に示した光センサは、太陽電池としても利用することができる。
【0090】
この場合も、半導体17、透明電極18として有機化合物を用い、細い導電線19を用いることにより、超小型の光センサ又は太陽電池が得られる。
(柱状トランジスタ)
本発明によれば、柱状のトランジスタも製造することができる。例えば導電性の柱状体に絶縁物をコーティングする。コーティングは、蒸着、或いは絶縁物の溶融液、溶解液又はゲル状のものを塗布することにより行なう。その外側に2本の導電線を巻き付けることにより、完成する。2本の導電線の巻き付けは、請求項2乃至4のいずれか1項に記載された方法を用いればよい。
【0091】
この方法により製造された柱状トランジスタを曲げることができる場合は、ドーピングを行なってその性能を向上させることもできる。図14にその概略図を示す。導電性の柱状体(ゲート電極)20に絶縁物21をコーティングして2本の導電線(ソース電極、ドレイン電極)22を巻き付けた柱状トランジスタを、導電線を巻き付けている部分が浸るようにまげて、ドーパント溶液23に入れる。そしてゲート電極に電圧を印加することにより、コーティングされている絶縁物21のドーピングを行なう。またドーピングの様子は、2本の導電線間に電流を流して測定するようにしてもよい。すなわち、ドーピングの様子を確認しながら、絶縁物21に適量のドーピングを行なうことができる。
【0092】
なお各図面で柱状体2、導電性の柱状体16の縦断面形状は円形で表現したが、これに制限されるものではない。例えば四角形、多角形その他の形状でもよい。
産業上の利用可能性
【0093】
本発明による柱状電気素子は超小型化が可能である。従って、機械の隙間等の狭い空間に設置して局部の温度、ガス濃度等を測定するセンサ等として利用することができる。また柱状体の外周面全体に半導体等による検出部をコーティングできるので、小型で感度の高いセンサや、変換効率の高い太陽電池が得られる。
【符号の説明】
【0094】
1 測定器
2 絶縁性の柱状体
3 取出し口
4 白金線
5 マスク材
6 絶縁線
7 導電線
8 半導体
9 銅線
10 アルミニウム線
11 第一導電線
12 第二導電線
13 第一半導体
14 第二半導体
15 台
16 導電性の柱状体
17 半導体
18 透明電極
19 導電線
20 導電性の柱状体(ゲート電極)
21 絶縁物
22 導電線(ソース電極、ドレイン電極)
23 ドーパント溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、導電性の線状体と絶縁性又は半導体の線状体を交互に密着して接合形成した板状体を柱状体の表面に螺旋状に巻き付ける工程を有する柱状電気素子の製造方法。
【請求項2】
少なくとも、複数の線状体を互いに密着して接合形成した板状体を柱状体の表面に螺旋状に巻き付ける工程と、前記柱状体の表面から一部の前記線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に導電性物質又は半導体物質をコーティングするコーティング工程とからなる柱状電気素子の製造方法。
【請求項3】
前記コーティング工程の後に、前記柱状体の表面から少なくとも一部の前記線状体を取り除く工程を有する請求項2記載の柱状電気素子の製造方法。
【請求項4】
少なくとも、複数の絶縁性の線状体を互いに密着して接合形成した板状体を柱状体の表面に螺旋状に巻き付ける工程と、前記柱状体の表面から一部の線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に導電性物質をコーティングして第一の導電線を形成する工程と、前記柱状体の表面から少なくとも一部の線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に導電性物質をコーティングして第二の導電線を形成する工程とからなる柱状電気素子の製造方法。
【請求項5】
前記第二の導電線を形成する工程の後に、前記柱状体の表面から少なくとも一部の前記線状体を取り除く工程と、露出した前記柱状体表面に半導体物質をコーティングして半導体線を形成する工程とからなる請求項4記載の柱状電気素子の製造方法。
【請求項6】
前記板状体を巻き付ける工程の前に、前記柱状体の表面に半導体膜又は透明電極と半導体膜の積層膜をコーティングにより形成する工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項記載の柱状電気素子の製造方法。
【請求項7】
前記半導体膜又は前記半導体線を形成した後に、複数の前記導電線間に電流を流して電気特性を測定しながら前記半導体膜又は前記半導体線へのドーピングを行う請求項5又は6のいずれか1項記載の柱状電気素子の製造方法。
【請求項8】
少なくとも、柱状体又は表面に半導体膜を配置した柱状体と、前記柱状体の表面に互いに一定間隔離間して螺旋状に巻き付けた形状を有する第一の導電線及び第二の導電線とから構成され、前記第一の導電線と前記第二の導電線が異なる材料からなるセンサ又は太陽電池。
【請求項9】
(少なくとも、柱状体又は表面に半導体膜を配置した柱状体と、前記柱状体の表面に互いに密着して螺旋状に巻き付けた形状を有する第一の導電線、半導体線、及び第二の導電線とから構成されるセンサ又は太陽電池。
【請求項10】
前記半導体膜及び/又は前記半導体線が、フラーレンをドープした有機半導体からなる請求項8又は9のいずれか1項記載のセンサ又は太陽電池。
【請求項11】
少なくとも、表面に絶縁性の膜を配置した導電性の柱状体と、前記柱状体の表面に互いに密着して螺旋状に巻き付けた形状を有する第一の導電線、半導体線、及び第二の導電線とから構成されるトランジスタ。
【請求項12】
少なくとも、表面に透明電極膜を配置した柱状体と、前記柱状体の表面に螺旋状に等間隔で巻き付けた形状を有する導電線とから構成され、前記透明電極膜がITO又はPVAからなる光センサ又は太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−16394(P2010−16394A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200749(P2009−200749)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【分割の表示】特願2005−515683(P2005−515683)の分割
【原出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(502344178)株式会社イデアルスター (59)
【Fターム(参考)】