説明

核酸検査装置

【課題】核酸増幅装置の温調機構において、押付け部材を用いずに、温度サイクルの繰り返し工程において、サンプルを内包する容器と、支持部材との密着をよく保ち、正確かつ再現性の高い定量結果を得る核酸検査装置を提供する。
【解決手段】本発明の核酸検査装置は、サンプル2および試薬を保持する容器1と、容器1を閉栓する蓋6と、容器1の外形に沿って密着する容器の設置穴22を複数有し温度調節可能な支持部材3と、容器1内から発する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する、核酸検査装置であって、支持部材3は伝熱性を有し、蓋6で閉栓された容器1が支持部材3に対して磁力により固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸を含む反応液を内包する容器を保持し、温度を制御し、蛍光検出を行う核酸検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術によると、生体由来のサンプルに含まれる核酸濃度を定量する手法として、ポリメラーゼ連鎖反応(以下、PCR法)やNASBA法などが知られている。これらはサンプルから精製した核酸抽出液に、標的とする塩基配列に特異的な結合を示すプライマーや、核酸を伸長する各種の酵素などを混合し、所定の温度状況下にて、核酸の増幅反応を進行させる。この際に、核酸を定量するためには、増幅された核酸は蛍光色素により標識されており、その蛍光強度を測定することが必要である。ここで、容器に負荷する温度条件が、複数の温度を周期的に遷移させる場合は、温度サイクルと呼び、一定温度である場合には恒温制御と呼ぶものとする。前者の例では、温度サイクルは、95℃の変性反応,59℃のアニーリング反応,74℃の伸長反応とで構成され、必要な回数だけ繰り返される。一方で、NASBAなどの恒温反応では、核酸増幅の間中は、41℃で一定である。
【0003】
核酸増幅の手法として、サンプルとプライマーや酵素等の試薬を混合した反応液に対して、PCR法のようにいくつかの定められた温度状態を周期的に負荷する手法と、NASBA法のように一定の温度状態を負荷する恒温増幅法とに大別される。
【0004】
近年では、臨床検査分野での遺伝子検査が浸透しつつあり、PCR法や恒温増幅法を自動化する装置が開発されている。複数の容器を同一の温調機構に設置し、同一のタイミングで温度サイクルを負荷するバッチ方式の装置では、温調機構は容器を保持するための支持部材と、上方から押さえ付ける押付け部材とで構成されることが多い。
【0005】
一方で、特許文献では、恒温増幅法を実施可能である温調機構が開示されており、押付け部材はなく、支持部材から構成されている。容器は、容器の支持部材に差し込んで設置されている。また、核酸増幅処理に使用される容器は、非特許文献1に開示されるように、一般的に、液を保持する容器形状と、内容物の飛散りや蒸発を防止するための蓋から構成される。また、材質はポリプロピレンのような樹脂であり、底形状は円錐形であることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−318192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
核酸増幅では、検出対象や増幅方法ごとに、負荷すべき温度サイクルが、時間と温度とを規定されている。規定された温度サイクルを、反応液を内包する容器に正確に負荷することが、再現性のよい分析結果を得るには必要不可欠である。
【0008】
これに対し、PCR法では温度サイクルが繰り返し負荷されるため、押付け部材を備えない温調機構では、温度サイクルが正確に負荷されない恐れがある。すなわち、容器の材質である樹脂材と、伝熱性を考慮して通常支持部材に用いられるアルミ等の金属部材とでは、線膨張係数が異なり、また、容器の下部底形状が逆円錐形であるため、温度サイクルが繰り返されるたびに、容器は容器の下部形状と密着するように成形された支持部材から抜け出てしまい、密着が損なわれる。核酸増幅の1手法である恒温増幅手法でも同じ問題が起こりうる。温度制御を行う支持部材は通常、室温よりも高い温度に制御され、室温中で試薬と試料の混合などの前処理をする際の容器は、支持部材の温度よりも低いことが起こりうる。この場合も同様に、支持部材に設置されたあと、容器が制御温度に近づくにつれ、容器の体積膨張が支持部材の体積膨張よりも大きいため、容器と支持部材との密着が損なわれる。これらの現象により、密着が損なわれることで、空気による熱抵抗が大きくなり、規定の温度サイクルが容器に負荷されず、誤ったデータを出力する恐れがある。
【0009】
また、核酸増幅を用いた臨床検査においては、サンプルの処理はバッチ方式ではなく、サンプルの処理を、分析依頼に従い、サンプル調製が終了した時点で、随時、核酸増幅による分析を開始できることが望ましい。バッチ方式の温調機構で多くみられるような押付け部材を備えた場合、分析依頼のたびに押付け部材を開閉することは、構造が複雑化し、また、温調された内部空間が開放されることで、温度サイクルに好ましくない変化をもたらす恐れがある。
【0010】
そこで、本発明は、核酸増幅装置の温調機構において、押付け部材を用いずに、温度サイクルの繰り返し工程において、サンプルを内包する容器と、支持部材との密着をよく保ち、正確かつ再現性の高い定量結果を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の核酸検査装置は、サンプル試料および試薬を保持する容器と、該容器を閉栓する蓋と、前記容器の外形に沿って密着する容器設置穴を複数有し温度調節可能な容器保持部と、前記容器内から発する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する、核酸検査装置であって、前記容器保持部は伝熱性を有し、前記蓋で閉栓された容器が前記容器保持部に対して磁力により固定される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、核酸増幅の工程において、容器もしくは閉栓された容器を温調機構に、継続して密着させ続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は容器と支持部材の側面断面図であり、(b)は支持部材の側面断面図であり、(c)は(a)とは別の容器と支持部材の側面断面図である。
【図2】核酸検査装置の一部を示す斜視図である。
【図3】容器と支持部材の側面断面図である。
【図4】容器と支持部材の側面断面図である。
【図5】容器と支持部材の側面断面図である。
【図6】容器と支持部材の側面断面図である。
【図7】閉栓の様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1(a)は、容器1を、磁石4を組込んだ支持部材3に設置した状態を示したものである。図1(b)は容器1を設置していない支持部材3を示している。容器1を設置する設置穴22は、容器1が支持部材3に対し密着する形状であり、容器1を上方から差し込んで設置する。特に、容器1の底の円錐部分にサンプル2は位置するため、この円錐部分と密着する形状を備える。
【0016】
容器1はサンプル2を内包し、蓋6で閉栓されている。容器1と蓋6とは嵌合により内部空間が密封される。容器1と蓋6は、サンプル2を内包するため、耐薬品性にすぐれたポリプロピレンを材料とするのが好ましい。
【0017】
蓋6の内部には磁性体7を固定している。磁性体7としては磁力を受けることのできる、強磁性体であればよく、鉄が利用しやすい。このとき、鉄が容器1と蓋6で密閉された内空面に露出するような構造である場合には、耐薬品性をもたせるために鉄に表面処理を行うとよい。さもなければ、容器1内側に露出しないよう、蓋6内部に埋め込むことで核酸増幅などの化学的処理にも使用することができる。また、酸化による経年劣化を防止することができる。容器1もしくは、蓋6への磁性体7,磁石の固定は、一体成型のように樹脂材を溶着させる、もしくは接着剤による接着が考えられる。
【0018】
支持部材3に組込まれる磁石4は、容器1を支持部材3に押し付けるような磁力を発生するように配置する必要がある。図1では、磁石4を蓋6に固定した磁性体よりも下方に置くことで、容器1を支持部材3に引き付けている。ここで、磁石4と磁性体7は入れ替えることができる。つまり、蓋6に磁石を固定し、支持部材3には磁性体を組込んでも同様の効果が得られる。
【0019】
蓋6と容器1は嵌合により固定するが、蓋6に容器1の内径よりも大きい外径のフランジ形状を設けるなどして、固定位置を一定とする。これにより、磁力が連続して負荷されても、蓋6が所望の固定位置をはずれて容器1により深く挿入されることを防止することができる。
【0020】
支持部材3に組込んだ温調機構5により、設置された容器1に所望の一定温度に保持し高温増幅法を実施することができ、また、温度サイクルを負荷することができるためPCR法を実施することができる。
【0021】
恒温増幅法では、例えばNASBA法では41℃であるように、装置が設置される20℃から30℃程度の室温環境下よりも、高い温度に保持するため、ヒータを温調機構5の熱源に使用することができる。
【0022】
PCR法のように温度サイクルを負荷する場合には、温度上昇ならびに温度低下が必要であることから、短時間で実施するためには、ペルチェ素子を用いることができる。空冷でもよい。容器1に均一な温度サイクルを負荷するために、温調機構5を固定する支持部材3は、伝熱性にすぐれ、磁性が低く磁力を妨げないことが必要であるため、アルミなどが望ましい。または、図1(c)に示すように、磁石4を支持部材3の上方で、容器1または蓋6に設けた磁性体7よりも下方に、かつ、磁石4と磁性体7間に支持部材3等が挟まれないように配置してもよい。
【0023】
PCR法では、温度サイクルの中で、最高95℃以上に制御することが必要であることがあり、磁石4は、熱負荷による磁力の減少である熱減磁が低いもの、また温度サイクル中の最高温度よりも、磁力が回復する温度が十分に高いものを選択する。たとえば磁石4として、アルニコ磁石が利用できる。
【0024】
また、容器1を支持部材3に密着させるための構造として、磁性体7を蓋6ではなく、容器1に固定し、同様の効果が得られる。このとき、磁性体7の位置は支持部材3に固定した磁石4よりも上方であり、容器1が設置穴22に密着するように設置された状態でも、容器1を支持部材3に押付け力が働くような位置関係にする必要がある。
【0025】
通常の核酸増幅装置では、蛍光測定による定量を行う場合に、遮光のため、カバー(不図示)を備える。核酸増幅装置のカバーに覆われた内部温度が、熱源等の機器の発熱により大きく上昇し、または、核酸増幅処理の途中で大きく変化し、データ精度を劣化させないように、庫内温度を一定に保つための、空冷や水冷方式などの放熱機構を設けてもよい(図示せず)。
【0026】
本発明によれば、核酸増幅などの分野で一般に使用される逆円錐の下部形状をもつ容器1と支持部材3との密着をよく保ち、温度制御を精密に実施することができる。
【0027】
核酸増幅装置では、容器1に内包された試料の光学測定により核酸を定量する。核酸増幅装置の光学測定の概要について、図2を用いて説明する。ベース25上に複数の容器1を支持部材3に設置し、駆動機構26やガイドレール27により、検出器23の検出位置24に順次移動する。容器1が検出位置に到達後に停止し、光学測定を行ったのちに、移動を再開し、隣接する容器1を検出位置に移動させ、停止させ光学測定を行う。この動作を各々の容器1について繰り返す。容器1と支持部材3が停止と移動を繰り返すことで、容器1は揺れ、支持部材から抜け出るような動作を繰り返し、密着が損なわれるが、本発明によれば、容器1と支持部材3の密着を保ち、温度制御を精度よく行うことができる。
【実施例2】
【0028】
図3を用いて第2の実施例について説明する。支持部材3に電磁石9を設け、通電状態を切り替えることで、押付け力の有無を制御することができる。核酸増幅の工程中においては、通電し、電磁力を発生させて、容器1に固定した磁性体8を引き付けることで、容器1を支持部材3に押し付けることができる。図では磁性体8を容器1に固定したが、蓋6に設けてもよい。一方で、核酸増幅工程を開始する前と、工程の終了後では、電磁石9を非通電とすることで、押付け力を発生させないことが可能である。これにより、核酸増幅工程の最初に行う容器1の設置と、核酸増幅工程の終了後に行う容器1の抜取りを、より安定に行うことができる。
【0029】
電磁石9を通電することにより、ジュール熱が発生する。ジュール熱が大きければ、温度制御の外乱となり、温度制御の精度を劣化させうることから、電磁石9と支持部材3との間に磁性をもたない断熱部材(図示せず)を挟んで固定してもよい。
【0030】
このとき、図4に示すように、支持部材3に、バネなどの弾性部材12を設置することができる。弾性部材12を、容器1の筒状部分の外径を取り囲むように設置し、設置穴からずれないようにヘリ11を、支持部材3に固定しておく。容器1の外周にはフランジ10を設ける。このため、電磁石9により発生する磁力は弾性部材の反発力よりも十分に大きくする必要がある。
【0031】
本構造を核酸増幅装置として運用する方法について説明する。容器1を支持部材3に設置する際には、弾性部材12により上方に押す力が加わる。核酸増幅工程を開始する前の段階では、容器1は重力と弾性部材12による反発力とでつりあいに位置する。工程の開始前には、電磁石9を通電し、容器1を支持部材3に引き付け、密着させる。ここで、容器1は当初の位置より下降している。工程の終了後には、電磁石9の通電を解除し、弾性部材12の反発力を利用して、容器1をつりあいの高さに押し上げて静置させる。容器1のポリプロピレン等の線膨張係数は、支持部材のアルミ等金属の線膨張係数よりも一般に大きいことから、工程終了後に温度が上昇した容器1は、外径が増大し、支持部材3との摩擦が増えることがある。
【0032】
弾性部材12を設けておくことで、容器1の抜取りを容易にすることができる。また、支持部材3に対し、複数の容器1を処理することができるように加工がなされている場合には、工程途中の容器1と工程外の容器とを、容器の位置高さにより目視にて判断できるため、装置の運用を効率化することができる。また、容器1の露出部分が増えるため、人手によるハンドリングと、自動機によるハンドリングの両方を容易にすることができる。
【0033】
弾性部材12の変わりに電磁石9の極性を変化することによる、引力と斥力を制御する実施例について図5を用いて説明する。容器1に、極性を一定にして磁石14を固定する。蓋6と容器1の密着を妨げる恐れがあるため、磁石14は容器1に設けることが望ましい。上下方向でN極とS極を配置すればよく、例えばN極を上に、S極を下に配置する。ここで、電磁石13の電流方向を切り替えることで、電磁石9の極性を制御することができるので、核酸増幅の工程途中には、上側にN極、下側にS極とすることで、容器1を支持部材3に密着させることができ、一方で、工程外では電流方向を反転させて、容器1を浮き上らせることができる。なお、本実施例においては、容器1の底形状は円錐でなくともよい。
【実施例3】
【0034】
第3の実施例について、図6を用いて説明する。本実施例では、蓋15を球形とし、内部に鉄などの磁性体16を包含している。蓋15は容器1を密閉するため、ゴムやシリコン等の弾性部材で構成し、容器1の開口部に設置後に、押し込むものである。
【0035】
支持部材3に備えた磁石4により、容器1を支持部材3に密着させることができる。
【0036】
蓋15が球形状であるため、閉栓時に容器1との嵌合の方向はランダムでよい。閉栓方法について、図7を用いて説明する。蓋のストック容器17から、棒材18で蓋を作業台20に設けた容器ホルダ21に静置された容器1の開口部に移動させる。ここで、棒材18の先端に磁石19を設けることで、蓋15を磁力により運搬することができる。複数の蓋15が同時に運搬されないように、ストック容器や運搬途中に蓋15と蓋15の間を切り離す仕切り板を設けてもよい。また、自動機においては、グリップアームにより蓋を把持してもよく、ポンプ等により陰圧を負荷し、吸引力により蓋を保持してもよい。本実施例は、前述の実施例1や2と組み合わせることができる。蓋に鉄が埋め込まれているため、この蓋により閉栓した容器を、温調機構と磁石または電磁石を備えた支持部材に設置することで、容器と支持部材との接触をよく保つことができ、核酸増幅の精度向上が可能になる。蓋と容器とは嵌合により固定するが、固定されていないそれぞれ分離した状態では、球状の蓋の外径は、容器の内径よりも大きくする。挿入時には蓋と容器が変形し嵌合するための挿入力が必要であるが、その力の大きさ、もしくは、押込み位置を一定とすることで、蓋を所望の位置に固定することができる。容器を支持部材に設置し核酸増幅処理を行う間に、蓋が磁力で位置ずれしないように、蓋による耐圧力性能を磁力よりも大きくなるようにする。これにより、核酸増幅に必要な光学測定範囲に蓋が侵入する、または、蓋の容器内部側に試料が付着するなどしてデータ精度が劣化することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0037】
1 容器
2 サンプル
3 支持部材
4,14,19 磁石
5 温調機構
6,15 蓋
7,8,16 磁性体
9,13 電磁石
10 フランジ
11 ヘリ
12 弾性部材
17 ストック容器
18 棒材
20 作業台
21 容器ホルダ
22 設置穴
23 検出器
24 検出位置
25 ベース
26 駆動機構
27 ガイドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル試料及び試薬を保持する容器と、該容器を閉栓する蓋と、前記容器の外形に沿って密着する容器設置穴を複数有し温度調節可能な容器保持部と、前記容器内から発する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する、核酸検査装置であって、
前記容器保持部は伝熱性を有し、前記蓋で閉栓された容器が前記容器保持部に対して磁力により固定されることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記蓋又は容器の少なくともいずれか一方には強磁性体が固定されており、
前記容器保持部に前記容器が設置された状態で前記磁性体よりも下方に位置する永久磁石が前記容器保持部に設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記蓋又は容器の少なくともいずれか一方には永久磁石が固定されており、
前記容器保持部に前記容器が設置された状態で前記磁性体よりも下方に位置する強磁性体が前記容器保持部に設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記蓋又は容器の少なくともいずれか一方には強磁性体が固定されており、
前記容器保持部に前記容器が設置された状態で前記磁性体よりも下方に位置する電磁石が前記容器保持部に設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記蓋又は容器の少なくともいずれか一方には永久磁石が固定されており、
前記容器保持部に前記容器が設置された状態で前記磁性体よりも下方に位置する電磁石が前記容器保持部に設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項6】
請求項2において、
前記強磁性体の一部が外部に露出しており、この露出部分には耐薬品性を持つ表面処理がなされていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項7】
請求項2において、
前記強磁性体が前記蓋の内部に埋め込まれていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項8】
請求項7において、
蓋は弾性部材で形成される球体であることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項9】
請求項5において、
前記永久磁石が棒磁石であり、前記容器保持部に前記容器が設置された状態でN極とS極が垂直方向に並ぶことを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記電磁石は、前記電磁石に流す電流の方向を切り替えることにより、容器と容器保持部との間に、引力及び斥力が働くことを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項11】
請求項2において、
先端に磁石が配置され、蓋を運搬する蓋運搬部を備えたことを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項12】
請求項11において、
蓋運搬部は垂直方向へ駆動可能であり、蓋を容器内へ押し込むことが可能であることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項13】
請求項1において、
容器保持部は容器設置穴を直線状に有しており、容器保持部及び/又は蛍光検出部を直線移動させる駆動部を備えていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項14】
請求項13において、
蛍光検出部は、複数設けられており、それぞれが独立して蛍光検出可能であることを特徴とする核酸検査装置。
【請求項15】
請求項1において、
容器保持部は回転可能な円盤状であり、外周に沿って容器保持部が設けられており、さらに、容器保持部の周囲には、独立して蛍光検出可能な蛍光検出器が複数設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項16】
請求項4において、
電磁石の周囲には、磁性を持たない断熱部材を備えていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項17】
請求項4において、
容器を容器保持部から抜き取る方向へ作用する弾性体を設けたことを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項18】
請求項1において、
前処理が終わったサンプル試料から順に前記容器保持部へ設置し、核酸増幅工程が終了したものから順次容器を前記容器保持部から取り出すことを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項19】
請求項8において、
球体の外径は、容器内の内径よりも大きいことを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項20】
請求項1において、
容器保持部内部には、ヒータ又はペルチェ素子が設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項21】
請求項2において、
蓋を保管する蓋保管箱を有し、
それぞれの蓋は仕切りにて仕切られた状態で配置されていることを特徴とする、核酸検査装置。
【請求項22】
サンプル試料及び試薬を保持する容器の外形に沿って密着する容器設置穴を複数有し温度調節可能な容器保持部と、前記容器内から発する蛍光を検出する蛍光検出部とを有する、核酸検査装置であって、
前記容器保持部は伝熱性を有し、かつ、容器保持部には永久磁石,電磁石、または強磁性体が設けられていることを特徴とする、核酸検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−24042(P2012−24042A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167685(P2010−167685)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】