格納位置案内システム
【課題】 作業者や利用者による貸出物を棚へ戻す作業での手間を軽減する。
【解決手段】 貸出物である図書3を格納する格納部2aを有する1以上の棚2に、格納部2a毎に第1の報知器11を備え、例えば棚2に設けられた第1アンテナ13aや移動ユニット1dに設けられた第1アンテナ87によって図書3に設けられているRFタグに記憶されている図書番号を読み出した場合には、その図書番号に対応する格納位置情報をサーバ1eの記憶部から読み出して、当該格納位置情報によって特定される格納部2aに対応する第1の報知器11を発光させる。これにより、作業者や利用者は第1アンテナ13a,87に図書3を近づけるだけで、当該図書3の格納部2aが報知器11によって案内されるので、図書3を棚2へ戻す作業での手間が軽減される。
【解決手段】 貸出物である図書3を格納する格納部2aを有する1以上の棚2に、格納部2a毎に第1の報知器11を備え、例えば棚2に設けられた第1アンテナ13aや移動ユニット1dに設けられた第1アンテナ87によって図書3に設けられているRFタグに記憶されている図書番号を読み出した場合には、その図書番号に対応する格納位置情報をサーバ1eの記憶部から読み出して、当該格納位置情報によって特定される格納部2aに対応する第1の報知器11を発光させる。これにより、作業者や利用者は第1アンテナ13a,87に図書3を近づけるだけで、当該図書3の格納部2aが報知器11によって案内されるので、図書3を棚2へ戻す作業での手間が軽減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図書館等で使用される格納位置案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図書館では、貸出物である図書を棚に格納している。館員は、利用者から返却された図書を棚に戻す場合、図書に貼付されたラベルに記載されている当該図書の格納場所を確認し、その格納場所を探して、図書を棚に戻している。
【0003】
利用者は、棚から所望の図書を棚から取り出して、借り出したり、図書館内で閲覧したりする。このとき、借り出しを止める場合や、閲覧が終わった場合には、図書を利用者が棚に戻している。
【0004】
【特許文献1】特開2001−163417公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、館員が返却図書を棚に戻す場合の、図書に貼付されたラベルに記載されている当該図書の格納場所を確認し、その格納場所を探すという作業は、手間がかかる。このとき、棚に戻す図書が多くなると、大変な手間となってしまう。
【0006】
また、利用者が、借り出しを止める場合や閲覧が終わった場合に、図書を棚に戻すときに、戻す場所を忘れた場合には、やはり、図書に貼付されたラベルに記載されている格納場所を確認するが、これも同様に手間がかる作業である。さらには、格納場所の記載方法が館員向けになっている場合には、解読するために手間がかかってしまう。
【0007】
特許文献1には、図書館においてRFID技術を用いて図書類の点検作業での作業者の労力を軽減する技術が記載されているが、これまで述べた本発明が解決しようとする問題を解決するものではない。
【0008】
本発明の目的は、作業者や利用者による貸出物を棚へ戻す作業での手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、前記貸出物に設けられ当該貸出物を識別するための貸出物情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、前記貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を前記貸出物情報に対応付けて記憶する記憶部と、前記第1アンテナを用いて取得した前記貸出物情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、を備えている。
【0010】
本発明は、貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、前記貸出物に設けられ当該貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、前記第1アンテナを用いて取得した前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、
を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業者や利用者による貸出物を棚へ戻す作業での手間を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は、図書館で使用される格納位置案内システムへの適用例を示す。
【0013】
図1は本実施の形態の格納位置案内システム1のシステム構成を示す概略図である。格納位置案内システム1は、格納装置1a、入出力装置1b、第1のRF(Radio Frequency)リーダライタ1c、移動ユニット1d、サーバ1eなどから構成されている。この格納位置案内システム1は、概略的には、RFID(Radio Frequency Identification)の技術を用いて、貸出物である図書3に設けられたRFタグ101(図7参照)に記憶されている情報を読み出し、読み出した情報を基に図書3の格納位置である格納部2aを案内するシステムである。ここで、図書館内には、第1の設置領域Aと第2の設置領域Bとが設定され、格納装置1aは、第1の設置領域Aに配置され、入出力装置1bは、第2の設置領域Bに配置されている。
【0014】
[格納装置1a]
格納装置1aは、複数の棚2を備えている。これらの棚2には、貸出物である図書3を取り出し自在に格納する格納部2aが複数設けられている。詳しくは、棚2は、複数の横板2bによって複数段に仕切られており、これらの横板2bに沿って、図書3を格納する格納部2aが各段毎に複数個設けられている。棚2において各図書3が格納される格納部2a(格納位置)は、予め定められている。なお、格納部2aは、図書3毎に定められていても良いし、グループ単位で定められていてもよい。グループとしては、例えば、機械工学、電気工学などである。図書3の格納部2aがグループ単位で設定されている場合には、その格納部2a内であればどこにでも図書3を格納してよい。ここで、本実施の形態では、棚2を特定する棚情報(例えば、工学棚など)と、棚2に設けられた格納部2aを特定する格納部情報(例えば、番号)との階層構造により格納位置情報が構成され、この格納位置情報によって図書が格納される格納部2aが特定できるようになっている
棚2には、図書3の格納部2a毎に格納部2aに対応させて通電により発光する第1の報知器11が設けられている。これらの第1の報知器11は、図書3が載置される横板2bの正面に設けられている。即ち、第1の報知器11は、図書3の格納部2aの下側に配置されている。また、各棚2には、通電により発光する第2の報知器12が設けられている。第2の報知器12は、各棚2の側板2cに設けられている。これらの第1及び第2の報知器11,12としては、電球やLED(Light Emitting Diode)などを例示することができる。さらに、各棚2の側板2cには、第1アンテナ13aが設けられている。これらの第1アンテナ13aは、第1のRFリーダライタ1cを構成するアンテナであり、無線通信での読み出し領域は、側板2cの外側とされている。即ち、読み出し領域が棚2の格納領域に入らない位置に第1アンテナ13aは、設置されている。
【0015】
[入出力装置1b]
入出力装置1bは、第1の情報処理端末4、第1のRFリーダライタ1cの第2アンテナ13bなどにより構成されている。第1の情報処理端末4には、表示器21、キーボード22などが設けられている。
【0016】
図2は第1の情報処理端末4が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。第1の情報処理端末4には、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30が備えられている。このマイコン30は、各部の駆動制御や各種演算を行なうCPU(Central Processing Unit)31に、バスライン32を介して、起動プログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)33、各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)34、日時を計時するタイマ35とが接続されて構成されている。また、第1の情報処理端末4には、例えばケーブルを介してサーバ1eとの間でデータ通信を実行するための通信インタフェース36、移動ユニット1dとの間で無線通信を実行するための無線通信器37が設けられており、これらの通信インタフェース36と無線通信器37とは、バスライン32を介してマイコン30に接続されている。
【0017】
また、マイコン10には、バスライン32及びI/O機器制御部38を介して、前述した表示器21、キーボード22が接続されている。さらに、マイコン10には、バスライン32を介してHDD(Hard Disk Drive)39が接続されている。HDD39には、マイコン30を動作させるコンピュータプログラムが記憶されている。このHDD39に記憶されたコンピュータプログラム等は、第1の情報処理端末4の起動時にRAM34にコピーされ、これによってマイコン30による各部の駆動制御及び各種演算が可能な状態となる。
【0018】
また、この第1の情報処理端末4とは別体で設けられた格納装置1aの第1の報知器11及び第2の報知器12も、バスライン32及びI/O機器制御部38を介してマイコン30に接続され、マイコン30によって発光/消灯を駆動制御される。
【0019】
[第1のRFリーダライタ1c]
図3は第1のRFリーダライタ1cが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。第1のRFリーダライタ1cには、マイコン50が備えられている。このマイコン50は、CPU51に、バスライン52を介して、ROM53とRAM54とが接続されて構成されている。また、第1のRFリーダライタ1cには、第1の情報処理端末4が接続されて第1の情報処理端末4との間でデータ通信を実行するための通信インタフェース55がバスライン52を介してマイコン50に接続されている。
【0020】
また、第1のRFリーダライタ1cには、複数のアンテナ13(前述した複数の第1アンテナ13aと第2アンテナ13b)が設けられており、これらのアンテナ13は、無線制御部57及びバスライン52を介してマイコン50に接続されている。第1のRFリーダライタ1cでは、第1アンテナ13aや第2アンテナ13bから電磁波を放射して図書3に設けられたRFタグ101に対して情報の読み書き動作を実行する。
【0021】
[移動ユニット1d]
図1に示すように、移動ユニット1dは、第2の情報処理端末61、無線通信装置である第2のRFリーダライタ62、無線通信器63を備え、これらが図書3を運搬する運搬台車64に搭載されて構成されている。第2の情報処理端末61と第2のRFリーダライタ62及び無線通信器63とは通信可能に接続されている。
【0022】
図4は第2の情報処理端末61が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。第2の情報処理端末61には、マイコン70が備えられている。このマイコン70は、CPU71に、バスライン72を介して、ROM73とRAM74とが接続されて構成されている。また、第2の情報処理端末61には、第2のRFリーダライタ62及び無線通信器63が接続されてこれらとの間でデータ通信を実行するための通信インタフェース75が、バスライン72を介してマイコン70に接続されている。第2の情報処理端末61ではマイコン70に接続された無線通信器63によって第1の情報処理端末4やサーバ1eとの間での無線通信が可能となっている。また、マイコン70には、バスライン72やI/O機器制御部76を介して、表示器77、キーボード78、HDD79が接続されている。HDD79には、マイコン70を動作させるコンピュータプログラムが記憶されている。このHDD79に記憶されたコンピュータプログラム等は、第2の情報処理端末61の起動時にRAM74にコピーされ、これによってマイコン70による各部の駆動制御及び各種演算が可能な状態となる。
【0023】
図5は第2のRFリーダライタ62が備える各部の電気的接続を示すブロックである。第2のRFリーダライタ62の基本的な構成は、第1のRFリーダライタ1cと同じであり、アンテナが異なる。第2のRFリーダライタ62には、マイコン80が備えられている。このマイコン10は、CPU81に、バスライン82を介して、ROM83とRAM84とが接続されて構成されている。また、第2のRFリーダライタ62には、第2の情報処理端末61が接続されて第2の情報処理端末61との間でデータ通信を実行するための通信インタフェース85がバスライン82を介してマイコン80に接続されている。また、マイコン80には、バスライン82及び無線制御部86を介してアンテナ87が接続されている。アンテナ87は、可搬性を有するスティック型であり、第1アンテナ及び第2アンテナとして機能する。第2のRFリーダライタ62では、アンテナ87から電磁波を放射して図書3に設けられたRFタグ101に対して情報の読み書き動作を実行する。
【0024】
[サーバ1e]
図6はサーバ1eが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。サーバ1eには、マイコン90が備えられている。このマイコン90は、CPU91に、バスライン92を介して、ROM93とRAM94とが接続されて構成されている。また、サーバ1eには、例えばケーブルを介して第1の情報処理端末4との間でデータ通信を実行するための通信インタフェース95、移動ユニット1dとの間で無線通信を実行するための無線通信器96が設けられており、これらは、バスライン92を介してマイコン90に接続されている。また、マイコン90には、バスライン92やI/O機器制御部97を介して、キーボード98、表示器99、記憶部であるHDD100が接続されている。
【0025】
HDD100には、マイコン90を動作させるコンピュータプログラムの他、貸出物管理ファイルF1が記憶されている。貸出物管理ファイルF1には、図書3毎に、図書3を識別する図書識別情報である図書番号、図書名、当該図書3の格納位置情報、貸出状況などの図書情報が記憶されている。このHDD100に記憶されたコンピュータプログラム等は、サーバ1eの起動時にRAM94にコピーされ、これによってマイコン90による各部の駆動制御及び各種演算が可能な状態となる。
【0026】
[図書3に設けられているRFタグ101]
図7は図書3に取り付けられているRFタグ101を概略的に示すブロック図である。RFタグ101は、CPU102やメモリ部103から構成されるICチップ104とアンテナ105とを備え、第1及び第2のRFリーダライタ1c,62に対して無線でデータ通信可能に構成されている。メモリ部103は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリなどから構成され、RFタグ101が設けられた図書3の図書番号が記憶されている。なお、図書番号は、RFタグ101に割り当てられたRFタグ101のID番号をそのまま用いても良い。RFタグ101は、第1及び第2のRFリーダライタ1c,62から電磁波によって供給される電力によって駆動する無電源型である。これらのRFタグ101と第1及び第2のRFリーダライタ1c,62との間の通信方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式等の各種方式を採用可能である。
【0027】
[処理]
次に、各CPU31,51,71,81,91がコンピュータプログラムに従って実行する処理を各部の動作とともに説明する。
【0028】
格納位置案内システム1では、図書3の格納部2aを案内する格納位置案内処理を実行する。この格納位置案内処理では、RFタグ101から情報を読み出すRFリーダライタ1c,62に応じて処理が異なる。また、第1のRFリーダライタ1cでは、情報を読み出すアンテナ13(第1アンテナ13a,第2アンテナ13b)によっても処理が異なる。
【0029】
まず、第1のRFリーダライタ1cにより図書3のRFタグ101から情報が読み出されるときの格納位置案内処理を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0030】
第1のRFリーダライタ1cでは、第1アンテナ13a又は第2アンテナ13bによって図書3のRFタグ101から図書番号を読み出した場合には(ステップS1aのY)、当該アンテナ13を識別するアンテナ識別情報と、読み出した図書番号とを第1の情報処理端末4に送信する(ステップS1b)。
【0031】
第1の情報処理端末4では、第1のRFリーダライタ1cから図書番号を受信した場合には(ステップS2aのY)、当該図書番号に対応する図書3の格納位置情報をサーバ1eに問い合わせる(ステップS2b)。
【0032】
サーバ1eでは、第1の情報処理端末4から問い合わせを受けた場合には(ステップS3aのY)、問い合わせに応じて応答処理を実行する(ステップS3b)。具体的には、問い合わせを受けた図書番号に対応する図書3の格納位置情報を貸出物管理ファイルF1を検索して取得し、取得した格納位置情報を第1の情報処理端末4に送信する。
【0033】
第1の情報処理端末4では、サーバ1eから問合わせ結果(格納位置情報)を受信したならば(ステップS2cのY)、RFタグ101の情報の読み出しを行ったのが検索机23上の第2アンテナ13bである場合には(ステップS2dのY)、受信した当該図書3の格納位置情報のうち少なくとも棚情報(名称)を表示器21に表示させる(ステップS2e)。ここに、表示手段の機能が実行される。なお、このとき、表示させる格納位置情報としては、棚情報(名称)だけであってもよいし、棚情報を含めた格納位置情報の全体であってもよい。
【0034】
これに対し、RFタグ101の情報の読み出しを行ったのが検索机23上の第2アンテナ13bではなく棚2に設けられた第1アンテナ13aである場合には(ステップS2dのN)、報知処理を実行する(ステップS2f)。報知処理では、ステップS1aで無線通信を実行した第1のRFリーダライタ1cの第1アンテナ13aが、サーバ1eから受信した格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に設けられた第1アンテナ13aである場合に、当該格納位置情報によって特定される格納部2aに対応する第1の報知器11を発光させる。これにより、格納部2aが報知される。このときの発光時間は予め定められており、発光時間が規定時間に達した場合、第1の報知器11を消灯する。一方、ステップS1aで無線通信を実行した第1アンテナ13aが、サーバ1eから受信した格納位置情報に含まれる棚情報よって特定される棚2に設けられた第1アンテナ13aでない場合には、第1の報知器11を発光させない。ここに、報知手段の機能が実行される。
【0035】
次に、移動ユニット1dの第2のRFリーダライタ62が備えるアンテナ87が図書3のRFタグ101から情報を読み出したときの格納位置案内処理を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
第2のRFリーダライタ62では、アンテナ87によって図書3のRFタグ101から図書番号を読み出した場合には(ステップS4aのY)、読み出した図書番号を第2の情報処理端末61に送信する(ステップS4b)。
【0037】
第2の情報処理端末61では、第2のRFリーダライタ62から図書番号を受信した場合には(ステップS5aのY)、当該図書番号に対応する図書3の格納位置情報をサーバ1eに問い合わせる(ステップS5b)。
【0038】
問い合わせ受けたサーバ1eが実行する処理は、図8に基づいて説明した処理(ステップS3a,S3b)と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
第2の情報処理端末61では、サーバ1eから問合せ結果(格納位置情報)を受信したならば(ステップS5cのY)、受信した当該図書3の格納位置情報のうち少なくとも棚情報(名称)を表示器77に表示させる(ステップS5d)。ここに、表示手段の機能が実行される。なお、このとき、表示させる情報としては、棚情報(名称)だけであってもよいし、棚情報を含めた格納位置情報の全体であってもよい。そして、第2の情報処理端末61では、受信した当該図書3の格納位置情報によって特定される格納部2aに対応する第1の報知器11及び格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に設けられた第2の報知器12の発光を第1の情報処理端末4に指示する(ステップS5e)。
【0040】
第1の情報処理端末4では、このような第1の報知器11及び第2の報知器12の発光指示を受けた場合には(ステップS6aのY)、指示に応じて、該当する第1の報知器11及び第2の報知器12を発光させる(ステップS6b)。この場合にも発光時間は予め定められており、発光時間が規定時間に達した場合、報知器を消灯する。ここに、報知手段の機能が実行される。
【0041】
このような構成の格納位置案内システム1の利用態様を説明する。利用態様の一例としては、利用者が図書3を棚2に戻す際に図書3の格納部2aを知りたい場合と、利用者から返却された図書3を館員が棚2に戻す作業の際に図書3の格納部2aを知りたい場合とがある。
【0042】
利用者が図書3を棚2に戻す際に図書3の格納部2aがある棚から知りたいときには、利用者は、検索机23上の第2アンテナ13bに格納部2aを知りたい図書3を近づける。これにより、第2アンテナ13bが図書3のRFタグ101の情報を読み取り、上述した処理がなされ、表示器21に当該図書3を格納すべき棚2の棚情報(名称)が表示されるので、利用者は当該図書3を戻す棚2が分かる。このようにして図書3を戻す棚2が分かったならば、利用者は、その棚2に移動して、その棚2に設けられている第1アンテナ13aに図書3を近づける。これにより、アンテナが図書3のRFタグ101の情報を読み取り、上述した処理がなされ、当該図書3の格納部2aに対応した第1の報知器11が発光されて、格納部2aが案内される。これにより、利用者は当該図書3の格納部2aが分かる。よって、利用者による図書3を棚2へ戻す作業での手間が従来に比べて軽減される。ここで、図書3を戻すべき棚2が分かっている利用者は、検索机23での作業をすることなく直接その棚2へ移動して、第1アンテナ13aに図書3を近づければよい。
【0043】
一方、利用者から返却された図書3を館員が棚2に戻す作業を行う場合には、館員は、運搬台車64に載置した図書3の一つにアンテナ87を近づける。これにより、アンテナ87が図書3のRFタグ101の情報を読み取り、上述した処理がなされ、当該図書3の格納部2aに対応した第1の報知器11及び当該図書3が格納される棚2に設けられた第2の報知器12が発光され、棚2及び格納部2aが案内される。これにより、館員は当該図書3を格納すべき棚2及び格納部2aが分かる。よって、館員(作業者)による図書3を棚2へ戻す作業での手間が従来に比べて軽減される。また、このとき、表示器77に当該図書3を格納すべき棚2の情報が表示されるので、館員が発光された第2の報知器12が見えない位置にいる場合でも、図書3を格納すべき棚2を把握することができる。もちろん館員が利用者と同様の方法で、第1アンテナ13aや第2アンテナ13bを利用して図書3を棚2に戻してもよい。
【0044】
また、本実施の形態においては、第1アンテナは、棚に対応する位置に設けられ、第1アンテナの無線通信可能領域は、格納部2aの外側であることにより、異なる棚2毎に図書3の格納部2aの検索作業ができ、複数の利用者による図書3の格納部2aの検索が可能となる。
【0045】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、報知手段は、取得した格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に対応する第1アンテナ13aを用いて無線通信が実行されたことを条件に、格納部2aを第1の報知器11によって報知することにより、例えば利用者が表示器21での表示によって案内された棚2とは違う棚2に設けられた第2アンテナ13bに図書3を近づけた場合にでも第1の報知器11を発光させてしまうと、他の利用者が混乱するおそれがあるが、本実施の形態では、そのようなことが発生するのを防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、表示器21と、RFタグ101と無線通信を行うための第2アンテナ13bとが設けられた入出力装置1bと、第2アンテナ13bを用いてRFタグ101から読み出した貸出物情報である図書番号に対応付けて記憶部であるHDD100に記憶されている格納位置情報を取得する取得手段と、取得した格納位置情報に含まれる棚情報を表示器21に表示させる表示手段と、を備えていることにより、より分かり易い格納位置案内となる。
【0047】
また、本実施の形態においては、第1アンテナであるアンテナ87を有する無線通信装置である第2のRFリーダライタ62と、この第2のRFリーダライタ62とこの第2のRFリーダライタ62が設けられ貸出物である図書3を運搬する運搬台車64とを有する移動ユニット1dを備えていることにより、移動ユニット1dが移動可能であるので、無線通信装置が固定されている場合に比べて、図書3の格納作業が楽になる。
【0048】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2a有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、格納装置1aは、個々の棚2に対応する位置に設けられ貸出物である図書3が格納される棚2を発光によって報知する複数の第2の報知器12を有し、報知手段は、取得した格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に対応する第2の報知器12を発光させて、貸出物である図書3が格納される棚2を報知することにより、館員や利用者に図書3が格納される棚2を把握させることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、移動ユニット1dは、運搬台車64に設けられた表示器77を備え、報知手段は、取得した格納位置情報に含まれる棚情報を表示器77に表示させることにより、より分かり易い格納位置案内となる。
【0050】
また、本実施の形態においては、報知手段は、報知器11,12による報知を規定時間だけ行うことにより、館員や利用者による図書3の格納が終わり、発光が不要となった報知器11や12が発光し続けることがないので、格納位置案内処理を続けて連続して行うことができる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、記憶部としてサーバ1eが備えるHDD100を例に説明したが、これに限るものではない。例えば、記憶部としては、第1の情報処理端末4が備えるHDD39などを用いてもよい。
【0052】
また、本実施の形態では、第1アンテナ13aを棚2に設けた例を説明したが、これに限るものではない。第1アンテナ13aの設置位置は、第1の設置領域A内において個々の棚2に対応して設置されていればよく、例えば、棚2の周囲などに棚2とは独立して設けられていてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、図書3の格納部2aとこの格納部2aを有する棚2とを特定する格納位置情報が、棚情報と格納部情報とによる階層構造で設定されている例を説明したが、これに限るものではない。格納位置情報は、全ての棚2の格納部2aに対して通しで付された通し番号と、この通し番号によって特定される格納部2aを有する棚2を特定する棚情報とで設定されていてもよい。この場合には、通し番号と棚情報とを貸出物管理ファイルF1に記憶させてもよいし、通し番号だけを貸出物管理ファイルF1に記憶させて、通し番号と棚情報との関連付けを例えば別のファイルなどに記憶させてしておいてもよい。なお、棚2が一つのみの場合には、棚情報が不要であることは言うまでもない。
【0054】
また、本実施の形態においては、図書館で使用される格納位置案内システム1を例に説明したが、これに限るものではない。例えば、格納位置案内システムとしては、貸出物としてCD、DVD、ビデオテープなどを扱うレンタル店で使用されるものであってもよい。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態を図10及び図11に基づいて説明する。なお、前述した実施の形態と同じ部分は同一符号で示し説明も省略する。
【0056】
本実施の形態では、第1の実施の形態に対して、図書3に設けられたRFタグ101のメモリ部103に図書3の格納位置情報が記憶されている点と、格納位置案内処理の一部とが異なる。
【0057】
まず、第1のRFリーダライタ1cにより図書3のRFタグ101から情報が読み出されるときの格納位置案内処理を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0058】
第1のRFリーダライタ1cでは、アンテナ13(第1アンテナ13a又は第2アンテナ13b)によって図書3のRFタグ101から格納位置情報を読み出した場合には(ステップS11aのY)、当該アンテナ13を識別するアンテナ識別情報と、読み出した格納位置情報とを第1の情報処理端末4に送信する(ステップS11b)。
【0059】
第1の情報処理端末4では、第1のRFリーダライタ1cから格納位置情報を受信した場合には(ステップS12aのY)、これにより格納位置情報が取得され、その後、第1の実施の形態と同様に、ステップS2d〜ステップS2fの処理を実行する。ここに、表示手段の機能が実行される。
【0060】
次に、移動ユニット1dの第2のRFリーダライタ62が備えるアンテナ87が図書3のRFタグ101から情報を読み出したときの格納位置案内処理を図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
第2のRFリーダライタ62では、アンテナ87によって図書3のRFタグ101から格納位置情報を読み出した場合には(ステップS14aのY)、読み出した格納位置情報を第2の情報処理端末61に送信する(ステップS14b)。
【0062】
第2の情報処理端末61では、第2のRFリーダライタ62から格納位置情報を受信した場合には(ステップS15aのY)、これにより格納位置情報が取得され、その後、第1の実施の形態と同様に、ステップS5d,S5eの処理を実行する。この処理に伴って、第1の情報処理端末4では、第1の実施の形態と同様に、ステップS6a,S6bの処理を実行する。ここに、報知手段の機能が実行される。
【0063】
これらの処理によって、本実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、RFタグ101から格納位置情報が読み出された図書3の格納部2aに対応する第1の報知器11,当該図書3が格納される棚2に設けられた第2の報知器12、表示器21,表示器77によって図書3が格納される棚2及び格納部2aの案内がなされるので、利用者や館員が図書3を棚2に戻す作業での手間が従来に比べて軽減される。
【0064】
また、本実施の形態では、図書3の格納部2aが各図書3に設けられたRFタグ101に記憶されているので、サーバ1eを用いる必要がない。
【0065】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、表示器21と、RFタグ101と無線通信を行うための第2アンテナ13bとが設けられた入出力装置1bと、第2アンテナ13bを用いてRFタグ101から格納位置情報を取得する取得手段と、取得した格納位置情報に含まれる棚情報を表示器21に表示させる表示手段と、を備えていることにより、より分かり易い案内となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態の格納位置案内システムのシステム構成を示す概略図である。
【図2】第1の情報処理端末が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】第1のRFリーダライタが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】第2の情報処理端末が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図5】第2のRFリーダライタが備える各部の電気的接続を示すブロックである。
【図6】サーバが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図7】RFタグを概略的に示すブロック図である。
【図8】格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】別の格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態の格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】別の格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1…格納位置案内システム、1a…格納装置、1b…入出力装置、2…棚、2a…格納部2a、3…図書(貸出物)、11…第1の報知器、12…第2の報知器、13a…第1アンテナ、13b…第2アンテナ、21…表示器、62…第2のRFリーダライタ(無線通信装置)、64…運搬台車、77…表示器、87…アンテナ(第1アンテナ、第2アンテナ)、100…HDD(記憶部)、101…RFタグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、図書館等で使用される格納位置案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図書館では、貸出物である図書を棚に格納している。館員は、利用者から返却された図書を棚に戻す場合、図書に貼付されたラベルに記載されている当該図書の格納場所を確認し、その格納場所を探して、図書を棚に戻している。
【0003】
利用者は、棚から所望の図書を棚から取り出して、借り出したり、図書館内で閲覧したりする。このとき、借り出しを止める場合や、閲覧が終わった場合には、図書を利用者が棚に戻している。
【0004】
【特許文献1】特開2001−163417公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、館員が返却図書を棚に戻す場合の、図書に貼付されたラベルに記載されている当該図書の格納場所を確認し、その格納場所を探すという作業は、手間がかかる。このとき、棚に戻す図書が多くなると、大変な手間となってしまう。
【0006】
また、利用者が、借り出しを止める場合や閲覧が終わった場合に、図書を棚に戻すときに、戻す場所を忘れた場合には、やはり、図書に貼付されたラベルに記載されている格納場所を確認するが、これも同様に手間がかる作業である。さらには、格納場所の記載方法が館員向けになっている場合には、解読するために手間がかかってしまう。
【0007】
特許文献1には、図書館においてRFID技術を用いて図書類の点検作業での作業者の労力を軽減する技術が記載されているが、これまで述べた本発明が解決しようとする問題を解決するものではない。
【0008】
本発明の目的は、作業者や利用者による貸出物を棚へ戻す作業での手間を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、前記貸出物に設けられ当該貸出物を識別するための貸出物情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、前記貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を前記貸出物情報に対応付けて記憶する記憶部と、前記第1アンテナを用いて取得した前記貸出物情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、を備えている。
【0010】
本発明は、貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、前記貸出物に設けられ当該貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、前記第1アンテナを用いて取得した前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、
を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業者や利用者による貸出物を棚へ戻す作業での手間を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は、図書館で使用される格納位置案内システムへの適用例を示す。
【0013】
図1は本実施の形態の格納位置案内システム1のシステム構成を示す概略図である。格納位置案内システム1は、格納装置1a、入出力装置1b、第1のRF(Radio Frequency)リーダライタ1c、移動ユニット1d、サーバ1eなどから構成されている。この格納位置案内システム1は、概略的には、RFID(Radio Frequency Identification)の技術を用いて、貸出物である図書3に設けられたRFタグ101(図7参照)に記憶されている情報を読み出し、読み出した情報を基に図書3の格納位置である格納部2aを案内するシステムである。ここで、図書館内には、第1の設置領域Aと第2の設置領域Bとが設定され、格納装置1aは、第1の設置領域Aに配置され、入出力装置1bは、第2の設置領域Bに配置されている。
【0014】
[格納装置1a]
格納装置1aは、複数の棚2を備えている。これらの棚2には、貸出物である図書3を取り出し自在に格納する格納部2aが複数設けられている。詳しくは、棚2は、複数の横板2bによって複数段に仕切られており、これらの横板2bに沿って、図書3を格納する格納部2aが各段毎に複数個設けられている。棚2において各図書3が格納される格納部2a(格納位置)は、予め定められている。なお、格納部2aは、図書3毎に定められていても良いし、グループ単位で定められていてもよい。グループとしては、例えば、機械工学、電気工学などである。図書3の格納部2aがグループ単位で設定されている場合には、その格納部2a内であればどこにでも図書3を格納してよい。ここで、本実施の形態では、棚2を特定する棚情報(例えば、工学棚など)と、棚2に設けられた格納部2aを特定する格納部情報(例えば、番号)との階層構造により格納位置情報が構成され、この格納位置情報によって図書が格納される格納部2aが特定できるようになっている
棚2には、図書3の格納部2a毎に格納部2aに対応させて通電により発光する第1の報知器11が設けられている。これらの第1の報知器11は、図書3が載置される横板2bの正面に設けられている。即ち、第1の報知器11は、図書3の格納部2aの下側に配置されている。また、各棚2には、通電により発光する第2の報知器12が設けられている。第2の報知器12は、各棚2の側板2cに設けられている。これらの第1及び第2の報知器11,12としては、電球やLED(Light Emitting Diode)などを例示することができる。さらに、各棚2の側板2cには、第1アンテナ13aが設けられている。これらの第1アンテナ13aは、第1のRFリーダライタ1cを構成するアンテナであり、無線通信での読み出し領域は、側板2cの外側とされている。即ち、読み出し領域が棚2の格納領域に入らない位置に第1アンテナ13aは、設置されている。
【0015】
[入出力装置1b]
入出力装置1bは、第1の情報処理端末4、第1のRFリーダライタ1cの第2アンテナ13bなどにより構成されている。第1の情報処理端末4には、表示器21、キーボード22などが設けられている。
【0016】
図2は第1の情報処理端末4が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。第1の情報処理端末4には、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)30が備えられている。このマイコン30は、各部の駆動制御や各種演算を行なうCPU(Central Processing Unit)31に、バスライン32を介して、起動プログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)33、各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)34、日時を計時するタイマ35とが接続されて構成されている。また、第1の情報処理端末4には、例えばケーブルを介してサーバ1eとの間でデータ通信を実行するための通信インタフェース36、移動ユニット1dとの間で無線通信を実行するための無線通信器37が設けられており、これらの通信インタフェース36と無線通信器37とは、バスライン32を介してマイコン30に接続されている。
【0017】
また、マイコン10には、バスライン32及びI/O機器制御部38を介して、前述した表示器21、キーボード22が接続されている。さらに、マイコン10には、バスライン32を介してHDD(Hard Disk Drive)39が接続されている。HDD39には、マイコン30を動作させるコンピュータプログラムが記憶されている。このHDD39に記憶されたコンピュータプログラム等は、第1の情報処理端末4の起動時にRAM34にコピーされ、これによってマイコン30による各部の駆動制御及び各種演算が可能な状態となる。
【0018】
また、この第1の情報処理端末4とは別体で設けられた格納装置1aの第1の報知器11及び第2の報知器12も、バスライン32及びI/O機器制御部38を介してマイコン30に接続され、マイコン30によって発光/消灯を駆動制御される。
【0019】
[第1のRFリーダライタ1c]
図3は第1のRFリーダライタ1cが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。第1のRFリーダライタ1cには、マイコン50が備えられている。このマイコン50は、CPU51に、バスライン52を介して、ROM53とRAM54とが接続されて構成されている。また、第1のRFリーダライタ1cには、第1の情報処理端末4が接続されて第1の情報処理端末4との間でデータ通信を実行するための通信インタフェース55がバスライン52を介してマイコン50に接続されている。
【0020】
また、第1のRFリーダライタ1cには、複数のアンテナ13(前述した複数の第1アンテナ13aと第2アンテナ13b)が設けられており、これらのアンテナ13は、無線制御部57及びバスライン52を介してマイコン50に接続されている。第1のRFリーダライタ1cでは、第1アンテナ13aや第2アンテナ13bから電磁波を放射して図書3に設けられたRFタグ101に対して情報の読み書き動作を実行する。
【0021】
[移動ユニット1d]
図1に示すように、移動ユニット1dは、第2の情報処理端末61、無線通信装置である第2のRFリーダライタ62、無線通信器63を備え、これらが図書3を運搬する運搬台車64に搭載されて構成されている。第2の情報処理端末61と第2のRFリーダライタ62及び無線通信器63とは通信可能に接続されている。
【0022】
図4は第2の情報処理端末61が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。第2の情報処理端末61には、マイコン70が備えられている。このマイコン70は、CPU71に、バスライン72を介して、ROM73とRAM74とが接続されて構成されている。また、第2の情報処理端末61には、第2のRFリーダライタ62及び無線通信器63が接続されてこれらとの間でデータ通信を実行するための通信インタフェース75が、バスライン72を介してマイコン70に接続されている。第2の情報処理端末61ではマイコン70に接続された無線通信器63によって第1の情報処理端末4やサーバ1eとの間での無線通信が可能となっている。また、マイコン70には、バスライン72やI/O機器制御部76を介して、表示器77、キーボード78、HDD79が接続されている。HDD79には、マイコン70を動作させるコンピュータプログラムが記憶されている。このHDD79に記憶されたコンピュータプログラム等は、第2の情報処理端末61の起動時にRAM74にコピーされ、これによってマイコン70による各部の駆動制御及び各種演算が可能な状態となる。
【0023】
図5は第2のRFリーダライタ62が備える各部の電気的接続を示すブロックである。第2のRFリーダライタ62の基本的な構成は、第1のRFリーダライタ1cと同じであり、アンテナが異なる。第2のRFリーダライタ62には、マイコン80が備えられている。このマイコン10は、CPU81に、バスライン82を介して、ROM83とRAM84とが接続されて構成されている。また、第2のRFリーダライタ62には、第2の情報処理端末61が接続されて第2の情報処理端末61との間でデータ通信を実行するための通信インタフェース85がバスライン82を介してマイコン80に接続されている。また、マイコン80には、バスライン82及び無線制御部86を介してアンテナ87が接続されている。アンテナ87は、可搬性を有するスティック型であり、第1アンテナ及び第2アンテナとして機能する。第2のRFリーダライタ62では、アンテナ87から電磁波を放射して図書3に設けられたRFタグ101に対して情報の読み書き動作を実行する。
【0024】
[サーバ1e]
図6はサーバ1eが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。サーバ1eには、マイコン90が備えられている。このマイコン90は、CPU91に、バスライン92を介して、ROM93とRAM94とが接続されて構成されている。また、サーバ1eには、例えばケーブルを介して第1の情報処理端末4との間でデータ通信を実行するための通信インタフェース95、移動ユニット1dとの間で無線通信を実行するための無線通信器96が設けられており、これらは、バスライン92を介してマイコン90に接続されている。また、マイコン90には、バスライン92やI/O機器制御部97を介して、キーボード98、表示器99、記憶部であるHDD100が接続されている。
【0025】
HDD100には、マイコン90を動作させるコンピュータプログラムの他、貸出物管理ファイルF1が記憶されている。貸出物管理ファイルF1には、図書3毎に、図書3を識別する図書識別情報である図書番号、図書名、当該図書3の格納位置情報、貸出状況などの図書情報が記憶されている。このHDD100に記憶されたコンピュータプログラム等は、サーバ1eの起動時にRAM94にコピーされ、これによってマイコン90による各部の駆動制御及び各種演算が可能な状態となる。
【0026】
[図書3に設けられているRFタグ101]
図7は図書3に取り付けられているRFタグ101を概略的に示すブロック図である。RFタグ101は、CPU102やメモリ部103から構成されるICチップ104とアンテナ105とを備え、第1及び第2のRFリーダライタ1c,62に対して無線でデータ通信可能に構成されている。メモリ部103は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリなどから構成され、RFタグ101が設けられた図書3の図書番号が記憶されている。なお、図書番号は、RFタグ101に割り当てられたRFタグ101のID番号をそのまま用いても良い。RFタグ101は、第1及び第2のRFリーダライタ1c,62から電磁波によって供給される電力によって駆動する無電源型である。これらのRFタグ101と第1及び第2のRFリーダライタ1c,62との間の通信方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式等の各種方式を採用可能である。
【0027】
[処理]
次に、各CPU31,51,71,81,91がコンピュータプログラムに従って実行する処理を各部の動作とともに説明する。
【0028】
格納位置案内システム1では、図書3の格納部2aを案内する格納位置案内処理を実行する。この格納位置案内処理では、RFタグ101から情報を読み出すRFリーダライタ1c,62に応じて処理が異なる。また、第1のRFリーダライタ1cでは、情報を読み出すアンテナ13(第1アンテナ13a,第2アンテナ13b)によっても処理が異なる。
【0029】
まず、第1のRFリーダライタ1cにより図書3のRFタグ101から情報が読み出されるときの格納位置案内処理を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0030】
第1のRFリーダライタ1cでは、第1アンテナ13a又は第2アンテナ13bによって図書3のRFタグ101から図書番号を読み出した場合には(ステップS1aのY)、当該アンテナ13を識別するアンテナ識別情報と、読み出した図書番号とを第1の情報処理端末4に送信する(ステップS1b)。
【0031】
第1の情報処理端末4では、第1のRFリーダライタ1cから図書番号を受信した場合には(ステップS2aのY)、当該図書番号に対応する図書3の格納位置情報をサーバ1eに問い合わせる(ステップS2b)。
【0032】
サーバ1eでは、第1の情報処理端末4から問い合わせを受けた場合には(ステップS3aのY)、問い合わせに応じて応答処理を実行する(ステップS3b)。具体的には、問い合わせを受けた図書番号に対応する図書3の格納位置情報を貸出物管理ファイルF1を検索して取得し、取得した格納位置情報を第1の情報処理端末4に送信する。
【0033】
第1の情報処理端末4では、サーバ1eから問合わせ結果(格納位置情報)を受信したならば(ステップS2cのY)、RFタグ101の情報の読み出しを行ったのが検索机23上の第2アンテナ13bである場合には(ステップS2dのY)、受信した当該図書3の格納位置情報のうち少なくとも棚情報(名称)を表示器21に表示させる(ステップS2e)。ここに、表示手段の機能が実行される。なお、このとき、表示させる格納位置情報としては、棚情報(名称)だけであってもよいし、棚情報を含めた格納位置情報の全体であってもよい。
【0034】
これに対し、RFタグ101の情報の読み出しを行ったのが検索机23上の第2アンテナ13bではなく棚2に設けられた第1アンテナ13aである場合には(ステップS2dのN)、報知処理を実行する(ステップS2f)。報知処理では、ステップS1aで無線通信を実行した第1のRFリーダライタ1cの第1アンテナ13aが、サーバ1eから受信した格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に設けられた第1アンテナ13aである場合に、当該格納位置情報によって特定される格納部2aに対応する第1の報知器11を発光させる。これにより、格納部2aが報知される。このときの発光時間は予め定められており、発光時間が規定時間に達した場合、第1の報知器11を消灯する。一方、ステップS1aで無線通信を実行した第1アンテナ13aが、サーバ1eから受信した格納位置情報に含まれる棚情報よって特定される棚2に設けられた第1アンテナ13aでない場合には、第1の報知器11を発光させない。ここに、報知手段の機能が実行される。
【0035】
次に、移動ユニット1dの第2のRFリーダライタ62が備えるアンテナ87が図書3のRFタグ101から情報を読み出したときの格納位置案内処理を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
第2のRFリーダライタ62では、アンテナ87によって図書3のRFタグ101から図書番号を読み出した場合には(ステップS4aのY)、読み出した図書番号を第2の情報処理端末61に送信する(ステップS4b)。
【0037】
第2の情報処理端末61では、第2のRFリーダライタ62から図書番号を受信した場合には(ステップS5aのY)、当該図書番号に対応する図書3の格納位置情報をサーバ1eに問い合わせる(ステップS5b)。
【0038】
問い合わせ受けたサーバ1eが実行する処理は、図8に基づいて説明した処理(ステップS3a,S3b)と同様であるので、説明を省略する。
【0039】
第2の情報処理端末61では、サーバ1eから問合せ結果(格納位置情報)を受信したならば(ステップS5cのY)、受信した当該図書3の格納位置情報のうち少なくとも棚情報(名称)を表示器77に表示させる(ステップS5d)。ここに、表示手段の機能が実行される。なお、このとき、表示させる情報としては、棚情報(名称)だけであってもよいし、棚情報を含めた格納位置情報の全体であってもよい。そして、第2の情報処理端末61では、受信した当該図書3の格納位置情報によって特定される格納部2aに対応する第1の報知器11及び格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に設けられた第2の報知器12の発光を第1の情報処理端末4に指示する(ステップS5e)。
【0040】
第1の情報処理端末4では、このような第1の報知器11及び第2の報知器12の発光指示を受けた場合には(ステップS6aのY)、指示に応じて、該当する第1の報知器11及び第2の報知器12を発光させる(ステップS6b)。この場合にも発光時間は予め定められており、発光時間が規定時間に達した場合、報知器を消灯する。ここに、報知手段の機能が実行される。
【0041】
このような構成の格納位置案内システム1の利用態様を説明する。利用態様の一例としては、利用者が図書3を棚2に戻す際に図書3の格納部2aを知りたい場合と、利用者から返却された図書3を館員が棚2に戻す作業の際に図書3の格納部2aを知りたい場合とがある。
【0042】
利用者が図書3を棚2に戻す際に図書3の格納部2aがある棚から知りたいときには、利用者は、検索机23上の第2アンテナ13bに格納部2aを知りたい図書3を近づける。これにより、第2アンテナ13bが図書3のRFタグ101の情報を読み取り、上述した処理がなされ、表示器21に当該図書3を格納すべき棚2の棚情報(名称)が表示されるので、利用者は当該図書3を戻す棚2が分かる。このようにして図書3を戻す棚2が分かったならば、利用者は、その棚2に移動して、その棚2に設けられている第1アンテナ13aに図書3を近づける。これにより、アンテナが図書3のRFタグ101の情報を読み取り、上述した処理がなされ、当該図書3の格納部2aに対応した第1の報知器11が発光されて、格納部2aが案内される。これにより、利用者は当該図書3の格納部2aが分かる。よって、利用者による図書3を棚2へ戻す作業での手間が従来に比べて軽減される。ここで、図書3を戻すべき棚2が分かっている利用者は、検索机23での作業をすることなく直接その棚2へ移動して、第1アンテナ13aに図書3を近づければよい。
【0043】
一方、利用者から返却された図書3を館員が棚2に戻す作業を行う場合には、館員は、運搬台車64に載置した図書3の一つにアンテナ87を近づける。これにより、アンテナ87が図書3のRFタグ101の情報を読み取り、上述した処理がなされ、当該図書3の格納部2aに対応した第1の報知器11及び当該図書3が格納される棚2に設けられた第2の報知器12が発光され、棚2及び格納部2aが案内される。これにより、館員は当該図書3を格納すべき棚2及び格納部2aが分かる。よって、館員(作業者)による図書3を棚2へ戻す作業での手間が従来に比べて軽減される。また、このとき、表示器77に当該図書3を格納すべき棚2の情報が表示されるので、館員が発光された第2の報知器12が見えない位置にいる場合でも、図書3を格納すべき棚2を把握することができる。もちろん館員が利用者と同様の方法で、第1アンテナ13aや第2アンテナ13bを利用して図書3を棚2に戻してもよい。
【0044】
また、本実施の形態においては、第1アンテナは、棚に対応する位置に設けられ、第1アンテナの無線通信可能領域は、格納部2aの外側であることにより、異なる棚2毎に図書3の格納部2aの検索作業ができ、複数の利用者による図書3の格納部2aの検索が可能となる。
【0045】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、報知手段は、取得した格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に対応する第1アンテナ13aを用いて無線通信が実行されたことを条件に、格納部2aを第1の報知器11によって報知することにより、例えば利用者が表示器21での表示によって案内された棚2とは違う棚2に設けられた第2アンテナ13bに図書3を近づけた場合にでも第1の報知器11を発光させてしまうと、他の利用者が混乱するおそれがあるが、本実施の形態では、そのようなことが発生するのを防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、表示器21と、RFタグ101と無線通信を行うための第2アンテナ13bとが設けられた入出力装置1bと、第2アンテナ13bを用いてRFタグ101から読み出した貸出物情報である図書番号に対応付けて記憶部であるHDD100に記憶されている格納位置情報を取得する取得手段と、取得した格納位置情報に含まれる棚情報を表示器21に表示させる表示手段と、を備えていることにより、より分かり易い格納位置案内となる。
【0047】
また、本実施の形態においては、第1アンテナであるアンテナ87を有する無線通信装置である第2のRFリーダライタ62と、この第2のRFリーダライタ62とこの第2のRFリーダライタ62が設けられ貸出物である図書3を運搬する運搬台車64とを有する移動ユニット1dを備えていることにより、移動ユニット1dが移動可能であるので、無線通信装置が固定されている場合に比べて、図書3の格納作業が楽になる。
【0048】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2a有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、格納装置1aは、個々の棚2に対応する位置に設けられ貸出物である図書3が格納される棚2を発光によって報知する複数の第2の報知器12を有し、報知手段は、取得した格納位置情報に含まれる棚情報によって特定される棚2に対応する第2の報知器12を発光させて、貸出物である図書3が格納される棚2を報知することにより、館員や利用者に図書3が格納される棚2を把握させることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、移動ユニット1dは、運搬台車64に設けられた表示器77を備え、報知手段は、取得した格納位置情報に含まれる棚情報を表示器77に表示させることにより、より分かり易い格納位置案内となる。
【0050】
また、本実施の形態においては、報知手段は、報知器11,12による報知を規定時間だけ行うことにより、館員や利用者による図書3の格納が終わり、発光が不要となった報知器11や12が発光し続けることがないので、格納位置案内処理を続けて連続して行うことができる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、記憶部としてサーバ1eが備えるHDD100を例に説明したが、これに限るものではない。例えば、記憶部としては、第1の情報処理端末4が備えるHDD39などを用いてもよい。
【0052】
また、本実施の形態では、第1アンテナ13aを棚2に設けた例を説明したが、これに限るものではない。第1アンテナ13aの設置位置は、第1の設置領域A内において個々の棚2に対応して設置されていればよく、例えば、棚2の周囲などに棚2とは独立して設けられていてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、図書3の格納部2aとこの格納部2aを有する棚2とを特定する格納位置情報が、棚情報と格納部情報とによる階層構造で設定されている例を説明したが、これに限るものではない。格納位置情報は、全ての棚2の格納部2aに対して通しで付された通し番号と、この通し番号によって特定される格納部2aを有する棚2を特定する棚情報とで設定されていてもよい。この場合には、通し番号と棚情報とを貸出物管理ファイルF1に記憶させてもよいし、通し番号だけを貸出物管理ファイルF1に記憶させて、通し番号と棚情報との関連付けを例えば別のファイルなどに記憶させてしておいてもよい。なお、棚2が一つのみの場合には、棚情報が不要であることは言うまでもない。
【0054】
また、本実施の形態においては、図書館で使用される格納位置案内システム1を例に説明したが、これに限るものではない。例えば、格納位置案内システムとしては、貸出物としてCD、DVD、ビデオテープなどを扱うレンタル店で使用されるものであってもよい。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態を図10及び図11に基づいて説明する。なお、前述した実施の形態と同じ部分は同一符号で示し説明も省略する。
【0056】
本実施の形態では、第1の実施の形態に対して、図書3に設けられたRFタグ101のメモリ部103に図書3の格納位置情報が記憶されている点と、格納位置案内処理の一部とが異なる。
【0057】
まず、第1のRFリーダライタ1cにより図書3のRFタグ101から情報が読み出されるときの格納位置案内処理を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0058】
第1のRFリーダライタ1cでは、アンテナ13(第1アンテナ13a又は第2アンテナ13b)によって図書3のRFタグ101から格納位置情報を読み出した場合には(ステップS11aのY)、当該アンテナ13を識別するアンテナ識別情報と、読み出した格納位置情報とを第1の情報処理端末4に送信する(ステップS11b)。
【0059】
第1の情報処理端末4では、第1のRFリーダライタ1cから格納位置情報を受信した場合には(ステップS12aのY)、これにより格納位置情報が取得され、その後、第1の実施の形態と同様に、ステップS2d〜ステップS2fの処理を実行する。ここに、表示手段の機能が実行される。
【0060】
次に、移動ユニット1dの第2のRFリーダライタ62が備えるアンテナ87が図書3のRFタグ101から情報を読み出したときの格納位置案内処理を図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0061】
第2のRFリーダライタ62では、アンテナ87によって図書3のRFタグ101から格納位置情報を読み出した場合には(ステップS14aのY)、読み出した格納位置情報を第2の情報処理端末61に送信する(ステップS14b)。
【0062】
第2の情報処理端末61では、第2のRFリーダライタ62から格納位置情報を受信した場合には(ステップS15aのY)、これにより格納位置情報が取得され、その後、第1の実施の形態と同様に、ステップS5d,S5eの処理を実行する。この処理に伴って、第1の情報処理端末4では、第1の実施の形態と同様に、ステップS6a,S6bの処理を実行する。ここに、報知手段の機能が実行される。
【0063】
これらの処理によって、本実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、RFタグ101から格納位置情報が読み出された図書3の格納部2aに対応する第1の報知器11,当該図書3が格納される棚2に設けられた第2の報知器12、表示器21,表示器77によって図書3が格納される棚2及び格納部2aの案内がなされるので、利用者や館員が図書3を棚2に戻す作業での手間が従来に比べて軽減される。
【0064】
また、本実施の形態では、図書3の格納部2aが各図書3に設けられたRFタグ101に記憶されているので、サーバ1eを用いる必要がない。
【0065】
また、本実施の形態においては、格納位置情報には、格納部2aを有する棚2を特定する棚情報が含まれ、表示器21と、RFタグ101と無線通信を行うための第2アンテナ13bとが設けられた入出力装置1bと、第2アンテナ13bを用いてRFタグ101から格納位置情報を取得する取得手段と、取得した格納位置情報に含まれる棚情報を表示器21に表示させる表示手段と、を備えていることにより、より分かり易い案内となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態の格納位置案内システムのシステム構成を示す概略図である。
【図2】第1の情報処理端末が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】第1のRFリーダライタが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】第2の情報処理端末が備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図5】第2のRFリーダライタが備える各部の電気的接続を示すブロックである。
【図6】サーバが備える各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図7】RFタグを概略的に示すブロック図である。
【図8】格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】別の格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態の格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】別の格納位置案内処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1…格納位置案内システム、1a…格納装置、1b…入出力装置、2…棚、2a…格納部2a、3…図書(貸出物)、11…第1の報知器、12…第2の報知器、13a…第1アンテナ、13b…第2アンテナ、21…表示器、62…第2のRFリーダライタ(無線通信装置)、64…運搬台車、77…表示器、87…アンテナ(第1アンテナ、第2アンテナ)、100…HDD(記憶部)、101…RFタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、
前記貸出物に設けられ当該貸出物を識別するための貸出物情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、
前記貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を前記貸出物情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記第1アンテナを用いて取得した前記貸出物情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、
を備えている格納位置案内システム。
【請求項2】
貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、
前記貸出物に設けられ当該貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、
前記第1アンテナを用いて取得した前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、
を備えている格納位置案内システム。
【請求項3】
前記第1アンテナは、前記棚に対応する位置に設けられ、
前記第1アンテナの無線通信可能領域は、前記格納部の外側である請求項1又は2記載の格納位置案内システム。
【請求項4】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
前記報知手段は、取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報によって特定される前記棚に対応する前記第1アンテナを用いて無線通信が実行されたことを条件に、前記格納部を前記第1の報知器によって報知する請求項3記載の格納位置案内システム。
【請求項5】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
表示器と、前記RFタグと無線通信を行うための第2アンテナとが設けられた入出力装置と、
前記第2アンテナを用いて前記RFタグから読み出した前記貸出物情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記格納位置情報を取得する取得手段と、
取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報を前記表示器に表示させる表示手段と、
を備えている請求項1記載の格納位置案内システム。
【請求項6】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
表示器と、前記RFタグと無線通信を行うための第2アンテナとが設けられた入出力装置と、
前記第2アンテナを用いて前記RFタグから前記格納位置情報を取得する取得手段と、
取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報を前記表示器に表示させる表示手段と、
を備えている請求項2記載の格納位置案内システム。
【請求項7】
前記第1アンテナを有する無線通信装置と、
この無線通信装置と、この無線通信装置が設けられ前記貸出物を運搬する運搬台車と、を有する移動ユニットを備えている請求項1又は2記載の格納位置案内システム。
【請求項8】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
前記格納装置は、個々の棚に対応する位置に設けられ前記貸出物が格納される前記棚を発光によって報知する複数の第2の報知器を有し、
前記報知手段は、取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報によって特定される前記棚に対応する前記第2の報知器を発光させて、前記貸出物が格納される前記棚を報知する請求項7記載の格納位置案内システム。
【請求項9】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
前記移動ユニットは、前記運搬台車に設けられた表示器を備え、
前記報知手段は、取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報を前記表示器に表示させる、請求項7記載の格納位置案内システム。
【請求項10】
前記報知手段は、前記報知器による報知を規定時間だけ行う請求項1ないし9の何れか一記載の格納位置案内システム。
【請求項1】
貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、
前記貸出物に設けられ当該貸出物を識別するための貸出物情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、
前記貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を前記貸出物情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記第1アンテナを用いて取得した前記貸出物情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、
を備えている格納位置案内システム。
【請求項2】
貸出物を格納する格納部を有する1以上の棚と、前記貸出物が格納される前記格納部を発光によって報知する複数の第1の報知器と、を有する格納装置と、
前記貸出物に設けられ当該貸出物の前記格納部を特定する格納位置情報を記憶したRFタグと無線通信を行うための1以上の第1アンテナと、
前記第1アンテナを用いて取得した前記格納位置情報により特定される前記格納部を前記第1の報知器によって報知する報知手段と、
を備えている格納位置案内システム。
【請求項3】
前記第1アンテナは、前記棚に対応する位置に設けられ、
前記第1アンテナの無線通信可能領域は、前記格納部の外側である請求項1又は2記載の格納位置案内システム。
【請求項4】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
前記報知手段は、取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報によって特定される前記棚に対応する前記第1アンテナを用いて無線通信が実行されたことを条件に、前記格納部を前記第1の報知器によって報知する請求項3記載の格納位置案内システム。
【請求項5】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
表示器と、前記RFタグと無線通信を行うための第2アンテナとが設けられた入出力装置と、
前記第2アンテナを用いて前記RFタグから読み出した前記貸出物情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記格納位置情報を取得する取得手段と、
取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報を前記表示器に表示させる表示手段と、
を備えている請求項1記載の格納位置案内システム。
【請求項6】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
表示器と、前記RFタグと無線通信を行うための第2アンテナとが設けられた入出力装置と、
前記第2アンテナを用いて前記RFタグから前記格納位置情報を取得する取得手段と、
取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報を前記表示器に表示させる表示手段と、
を備えている請求項2記載の格納位置案内システム。
【請求項7】
前記第1アンテナを有する無線通信装置と、
この無線通信装置と、この無線通信装置が設けられ前記貸出物を運搬する運搬台車と、を有する移動ユニットを備えている請求項1又は2記載の格納位置案内システム。
【請求項8】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
前記格納装置は、個々の棚に対応する位置に設けられ前記貸出物が格納される前記棚を発光によって報知する複数の第2の報知器を有し、
前記報知手段は、取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報によって特定される前記棚に対応する前記第2の報知器を発光させて、前記貸出物が格納される前記棚を報知する請求項7記載の格納位置案内システム。
【請求項9】
前記格納位置情報には、前記格納部を有する前記棚を特定する棚情報が含まれ、
前記移動ユニットは、前記運搬台車に設けられた表示器を備え、
前記報知手段は、取得した前記格納位置情報に含まれる前記棚情報を前記表示器に表示させる、請求項7記載の格納位置案内システム。
【請求項10】
前記報知手段は、前記報知器による報知を規定時間だけ行う請求項1ないし9の何れか一記載の格納位置案内システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−27767(P2006−27767A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205976(P2004−205976)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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