説明

案内装置、方法、及びプログラム

【課題】商品の注文から商品の受け取りまでの利用者の案内を効率良く行う、案内装置、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を予め記録した商品準備時間情報記憶部112b、注文された商品を表す注文商品情報を受け取り、商品準備時間情報記憶部112bに予め記録された商品準備時間情報を参照して、注文された商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出する準備完了時間導出部111b、準備完了時間導出部111bが導出した準備完了時間に基づいて、商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給する誘導部111cを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を注文した注文者を案内する、案内装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ITS(Intelligent Transport System)技術の発展に伴い、DSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)を利用した決済システム(DSRC決済システム)が普及している。
【0003】
DSRC決済システムは、例えば、下記の特許文献1に開示されているように、車両に搭載されたDSRC通信を行う車載装置(DSRC車載装置)と、出口ゲート手前の通路に設置されたDSRC路側機との間で専用狭域通信(いわゆるスポット通信)を行うシステムである。店舗等が提供するサービスを利用した利用者の車両が出口ゲート手前の通路を走行している間に、そのDSRC路側機は、DSRC車載装置から送信された車載装置IDやクレジットカードID等の情報を含む決済情報を受信したことに応じて出口ゲートを開き、車両をノンストップで通過させる。これにより、サービス利用の料金決済を円滑に行うことができる。
【0004】
このようなDSRC決済システムは、利用者が車両に乗ったままファーストフード等の商品を購入するドライブスルーサービスにも利用されており、今後さらに普及していくことが予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−285157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のドライブスルーサービスでは、利用者の車両が、店舗敷地内の商品注文口の位置に並んだ順に利用者の商品の注文を受け付けており、この順番によって、商品受取口で商品を受け取っている。そのため、例えば、複数の利用者がそれぞれ注文した商品によっては、先に注文した利用者(先に並んだ車両の利用者)よりも後に注文した利用者(後に並んだ車両の利用者)の方が先に商品の準備が完了していたとしても、後の利用者が、先の利用者の商品の準備ができるまで待たなければならなかった。つまり、従来のドライブスルーサービスでは、商品の注文から商品の受け取りまでの利用者を効率良く案内できていないため、上記DSRC決済システムの利用価値が小さいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、商品の注文から商品の受け取りまでの利用者の案内を効率良く行う、案内装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る案内装置は、
商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を予め記録した商品準備時間情報記憶部と、
注文された商品を表す注文商品情報を受け取り、受け取った前記注文商品情報を用いて、前記商品準備時間情報記憶部に予め記録された前記商品準備時間情報を参照して、前記注文された商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出する準備完了時間導出部と、
前記準備完了時間導出部が導出した前記準備完了時間に基づいて、前記商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給する誘導部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の案内装置は、前記準備完了時間導出部は、前記注文商品情報を受け取る度に、それぞれ前記準備完了時間を導出し、前記誘導部は、前記準備完了時間導出部がそれぞれ導出した前記準備完了時間のうち、前記準備完了時間が早く経過するものから順に、前記誘導情報を供給することが好ましい。
【0010】
また、本発明の案内装置は、前記準備完了時間導出部は、前記注文者に前記準備完了時間の経過状況を提示する準備完了時間情報を供給することが好ましい。
【0011】
また、本発明の案内装置は、前記準備完了時間導出部は、前記注文された商品が、互いに異なる複数の商品の場合に、互いに異なる複数の商品それぞれに対応する、複数の前記準備完了時間を導出し、導出した複数の前記準備完了時間のうち時間が長い方を前記準備完了時間として選択し、前記誘導部は、前記準備完了時間導出部が選択した前記準備完了時間に基づいて、前記誘導情報を供給することが好ましい。
【0012】
また、本発明の案内装置は、商品の準備ができない商品準備待ち時間が発生する条件を予め記憶し、前記準備完了時間導出部は、前記注文商品情報により表される前記注文された商品が、前記商品準備待ち時間が発生する条件を満たすか否かに応じて、前記商品準備待ち時間を導出し、導出した前記商品準備待ち時間から経過時間を差し引いた時間と、前記商品について導出された前記商品準備時間とを加算した時間を前記準備完了時間として導出することが好ましい。
【0013】
また、本発明の案内装置は、前記準備完了時間の経過状況に応じて、前記誘導情報を供給することが好ましい。
【0014】
また、本発明の案内装置は、前記注文者が注文した商品を受け取る商品受取口までの経路に設置され、前記注文者が所有する通信装置との間で通信を行う通信部を備え、前記通信部は、前記通信装置との間で行う通信により前記通信装置から前記注文者を特定する情報を取得し、前記誘導部は、前記誘導情報を供給後、前記通信部が取得した前記注文者を特定する情報を用いて、前記誘導情報に従って案内された前記注文者であるか否かを判別し、その判別結果に応じて、前記通信部と前記通信装置との間で通信が行われた順に、前記商品受取口に前記注文者を案内することが好ましい。
【0015】
本発明の第2の観点に係る案内方法は、
注文された商品を表す注文商品情報を受け取る工程と、
前記受け取った前記注文商品情報を用いて、記憶部に予め記録された、商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を参照して、前記注文された商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出する工程と、
前記導出した前記準備完了時間に基づいて、前記商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給する案内工程と、を有する、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
注文された商品を表す注文商品情報を受け取るステップと、
前記受け取った前記注文商品情報を用いて、記憶部に予め記録された、商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を参照して、前記注文された注文商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出するステップと、
前記導出した前記準備完了時間に基づいて、前記商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給するステップと、を実行させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、商品の注文から商品の受け取りまでの利用者の案内を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る案内システムの概略を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るドライブスルー店舗敷地内の配置図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る店舗サーバの構成を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るDSRC車載装置の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る店舗サーバが行う案内処理の手順を示したフローチャート図である。
【図6】図5の案内処理に含まれる準備完了時間導出処理の手順を示したフローチャート図である。
【図7】図5の案内処理に含まれる誘導処理の手順を示したフローチャート図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るDSRC車載装置の表示部の画面に表示される初期情報を示した図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る案内装置が予め記憶した商品準備時間情報の構成を示した図である。
【図10】ドライブスルー利用者から選択情報を受け取ったことに応じて新規に生成する利用情報の構成を示した図である。
【図11】準備完了時間導出処理後の利用情報の構成を示した図である。
【図12】注文を受けつけた順に、順次、各準備完了時間が導出される様子を時系列的に示した図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るDSRC車載装置の表示部の画面に表示される準備完了時間情報を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る案内装置及び案内システムを説明する。本実施形態では、本発明に係る案内装置及び案内システムを、ドライブスルーで用いる形態を説明する。
【0020】
はじめに、図1を参照して案内システム1の構成を説明する。案内システム1は、案内装置10と、DSRC(Dedicated Short Range Communication:専用狭域通信)機能を有する車載装置(DSRC車載装置)20とを備えたシステムである。案内システム1において、案内装置10は、DSRC車載装置20と各種通信を行うことにより、DSRC車載装置20が搭載された車両C1に乗車している運転者(ドライブスルー利用者)を店舗Sの商品受取口まで案内する。
【0021】
具体的には、案内装置10は、図2に示すように、店舗Sの駐車場Pa入口から入場した車両がDSRC車載装置20を搭載した車両C1の場合に、駐車場Pa内でDSRC車載装置20と各種無線通信(5.8GHZ帯のISM(Industry-Science-Medical)バンドを用いた双方向無線通信)を行って、店舗Sで扱う商品メニューを提供し、ドライブスルー利用者(運転者)から、商品の注文を受け付ける。
【0022】
これにより、ドライブスルー利用者は、駐車スペースPsに車両C1を駐車した状態で、DSRC車載装置20の画面(図4に示す表示部215の画面)に表示される商品メニューを確認し、その商品メニューの中から注文する商品を選択して、商品の注文を行うことができる。これにより、DSRC車載装置20を搭載した車両C1のドライブスルー利用者は、ドライブスルー通路に設置された商品注文口に並んで後続の車両を気にしながら急いで注文する商品の選択を行わなくて済む。また、店舗Sの店員は、DSRC車載装置20を搭載している車両C1のドライブスルー利用者からの商品の注文の受け付けが不要になるので、その他の作業を行うことができ、結果的に店員の作業効率の向上を図ることができる。
【0023】
案内装置10は、駐車場Pa内で、DSRC車載装置20をそれぞれ搭載した複数の車両C1のドライブスルー利用者から、それぞれ商品の注文を受け付ける。案内装置10は、それぞれ受け付けた注文の商品の内容をもとに、注文した商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間をそれぞれ導出する。そして、案内装置10は、それぞれ導出した準備完了時間が早く経過するものから順に、ドライブスルー通路に設置された商品受渡口にドライブスルー利用者の車両C1を案内する。これにより、先に受け付けた注文の商品よりも後に受け付けた注文の商品の方が先に準備できる場合には、後に注文したドライブスルー利用者の車両を先に注文したドライブスルー利用者の車両よりも早く商品受け渡し口へ案内できるので、ドライブスルー利用者が商品を受け取るまでの車両の誘導を効率良く行うことができる。
【0024】
案内装置10は、店舗サーバ11と、第1〜第3のDSRCアンテナ12a〜12cと、第1〜第4のループコイル13a〜13dと、第1〜第3のゲート14a〜14cとを備える。案内装置10の各構成は、図2に示すように、店舗S及びその敷地内にそれぞれ設置されている。
【0025】
店舗サーバ11は、第1〜第3のDSRCアンテナ12a〜12c、第1〜第4のループコイル13a〜13d、及び第1〜第3のゲート14a〜14cの各構成とそれぞれネットワークNを介して接続され、各構成を制御する。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、専用線網、回線交換網、パケット交換網等がある。なお、ネットワークNは、無線、有線の何れでも良い。
【0026】
店舗サーバ11は、第1〜第3のDSRCアンテナ12a〜12cを介してDSRC車載装置20と各種の無線通信(5.8GHZ帯のISM(Industry-Science-Medical)バンドを用いた双方向無線通信)を行う。
【0027】
第1のDSRCアンテナ12aは、店舗S敷地内で、駐車場Paに設置され、駐車場Paにいる車両C1に搭載されたDSRC車載装置20と無線通信を行う通信部である。第2のDSRCアンテナ12bは、店舗S敷地内で、ドライブスルー通路入口付近に設置され、ドライブスルー通路入口手前に案内された車両C1に搭載されたDSRC車載装置20と無線通信を行う通信部である。第3のDSRCアンテナ12cは、店舗S敷地内で、商品受取口(ドライブスルー通路出口付近)に設置され、商品受取口に案内された車両C1に搭載されたDSRC車載装置20と無線通信を行う通信部である。
【0028】
また、第1〜第4のループコイル13a〜13dは、それぞれ、車両の接近により変化するコイルのインダクタンスを基に車両を検知するものであり、車両の検知に応じて車両検知信号を店舗サーバ11に供給する。店舗サーバ11は、第1〜第4のループコイル13a〜13dから車両検知信号を受け取るか否かに応じて、車両の有無を判別する。
【0029】
第1のループコイル13aは、店舗S敷地内で、駐車場Pa入口に埋設され、駐車場Pa入口から入場した車両を検知する。第2のループコイル13bは、店舗S敷地内で、ドライブスルー通路入口手前に埋設され、この位置にいる車両を検知する。第3のループコイル13cは、店舗S敷地内で、商品受取口(ドライブスルー通路出口付近)手前に埋設され、この位置にいる車両を検知する。第4のループコイル13dは、店舗S敷地内で、DSRC車載装置20を搭載していない車両C2が並ぶ注文口付近に設置され、この位置にいる車両を検知する。
【0030】
さらに、第1〜第3のゲート14a〜14cは、車両の入退場を制限する車両止めポール及びそのポールを開閉動作させるモータ等から構成されている。第1〜第3のゲート14a〜14cは、それぞれ、車両の入退場を制限するために、通常は、車両止めポールが閉鎖状態に位置し、店舗サーバ11から供給される駆動信号に応じて、開放状態に位置するように制御される。
【0031】
第1のゲート14aは、店舗S敷地内で、ドライブスルー通路入口手前に設けられている。第2のゲート14bは、店舗S敷地内で、商品受取口(ドライブスルー通路出口付近)手前に設けられている。第3のゲート14cは、店舗S敷地内で、DSRC車載装置20を搭載していない車両C2が並ぶ注文口手前に設けられている。
【0032】
次に、店舗サーバ11の内部構成を説明する。店舗サーバ11は、図3に示すように、制御部111と、記憶部112と、DSRC信号処理部113と、ループコイル信号処理部114と、ゲート駆動部115とを備える。
【0033】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)によって構成される。CPUは、RAMをワークエリアとして用い、店舗サーバ11の各部及び全体の制御を行う。制御部111は、記憶部112に記録された後述の案内プログラムを実行することにより、商品メニュー提供部111a、準備完了時間導出部111b、及び誘導部111cとして機能する。商品メニュー提供部111a、準備完了時間導出部111b、及び誘導部111cは、図5に示す案内処理(図6の準備完了時間導出処理、及び図7の誘導処理を含む)を行う。
【0034】
記憶部112は、ハードディスクやフラッシュメモリ等によって構成される。記憶部112には、OS(Operating System)や、各種アプリケーションプログラム、各種情報が記録されている。また、記憶部112は、制御部111の制御のもと、後述の案内処理で生成される各種情報を記憶する。記憶部112は、特に、案内プログラム記憶部112a、商品準備時間情報記憶部112b、及び利用情報記憶部112cを有する。案内プログラム記憶部112aには、後述の案内処理を実行するために用いられる案内プログラムが予め記録されている。商品準備時間情報記憶部112bには、図9に示すように、店舗Sで扱う商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報が予め記録されている。利用情報記憶部112cは、図10に示すように、後述の案内処理においてドライブスルーの利用を選択したドライブスルー利用者(車載装置ID)毎に生成され、ドライブスルーの利用状況等を表す利用情報が記録される(詳しくは後述する)。
【0035】
DSRC信号処理部113は、増幅回路、変調回路、復調回路等によって構成されるDSRC方式を採用する通信処理部である。DSRC信号処理部113は、第1〜第3のDSRCアンテナ12a〜12cのそれぞれが受信した各種情報を表す信号(無線信号)の増幅及び復調処理等を行う。また、DSRC信号処理部113は、第1〜第3のDSRCアンテナ12a〜12cから送信する各種情報を表す信号の変調処理等を行う。
【0036】
ループコイル信号処理部114は、A/D変換回路等によって構成される。ループコイル信号処理部114は、第1〜第4のループコイル13a〜13dのそれぞれから供給されるアナログの車両検知信号を、デジタルの車両検知信号に変換するA/D変換等の信号処理を行い、信号処理後の車両検知信号を制御部111に供給する。
【0037】
ゲート駆動部115は、制御部111から供給される制御信号に応じて、第1〜第3のゲート14a〜14cの何れかのポールを開/閉動作させる駆動信号を供給する。
【0038】
つづいて、DSRC車載装置20の内部構成を説明する。DSRC車載装置20は、図4に示すように、制御部211と、記憶部212と、DSRC信号処理部213と、入力部214と、表示部215と、発音部216と、読出・書込部217とを備える。
【0039】
制御部211は、CPU及びRAMによって構成される。CPUは、RAMをワークエリアとして用い、DSRC車載装置20の各部及び全体の制御を行う。
【0040】
記憶部212は、ハードディスクやフラッシュメモリ等によって構成される。記憶部212には、OS、各種アプリケーションプログラム、各種処理にそれぞれ用いられる各種情報が記録されている。記憶部212は、後述の案内処理において用いるDSRC車載装置20を一意に識別させる情報である車載装置IDが予め記録されている。また、記憶部212は、制御部211の制御のもと、後述の案内処理で受け取る各種情報を一時記憶等する。
【0041】
DSRC信号処理部213は、第1〜第3のDSRCアンテナ12a〜12cと各種の無線通信(5.8GHZ帯のISMバンドを用いた双方向無線通信)を行う機能を有する。DSRC信号処理部213は、増幅回路、変調回路、復調回路、送受信アンテナ等によって構成されるDSRC方式を採用する通信処理部である。DSRC信号処理部213は、送受信アンテナで受信した各種情報を表す信号(無線信号)の増幅及び復調処理等を行う。また、DSRC信号処理部213は、制御部211から供給され、送受信アンテナから送信する各種情報を表す信号の変調処理等を行う。
【0042】
入力部214は、例えば、メニューキー、決定キー等の各種操作キーによって構成される。入力部214は、DSRC車載装置20を使用する運転者(ドライブスルー利用者)による入力操作を受け付け、入力操作に対応する操作信号を制御部211に供給する。
【0043】
表示部215は、液晶表示装置(LCD:Central Processing Unit)によって構成される。表示部215の表示画面には、制御部211から供給される各種画像データや各種画面データ等に基づいて各種画像や各種画面等が表示される。例えば、案内処理において、表示部215の表示画面には、図8に示すように、ドライブスルー利用の有無を選択するドライブスルー利用選択画面や、図13に示すように、ドライブスルー利用者が注文した商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間の経過状況の画面等が表示される。
【0044】
なお、入力部214と表示部215とは、タッチパネルによって構成されても良い。タッチパネルは、所定の操作を受け付ける操作画面を表示すると共に、操作画面においてドライブスルー利用者が接触操作を行った位置に対応する操作信号を制御部211に供給する。
【0045】
発音部216は、D/A変換回路及びスピーカ等によって構成される。発音部216は、制御部211から供給される発音用のデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換するD/A変換等の信号処理を行って、スピーカから各種音声メッセージを出力する。例えば、発音部216は、制御部211の制御のもと、案内処理において、ドライブスルー利用者の車両を案内するための「商品メニューから注文する商品を選んでください」、「注文商品の準備が完了するまで○○秒です」、「商品の準備ができましたので、第1のゲートに移動してください」等の音声メッセージを出力する。
【0046】
読出・書込部217は、ICカードリーダライタ等によって構成される。読出・書込部217は、ICカード挿入口(カードスロット)を備える。ICカード挿入口には、ドライブスルー利用者のクレジットカードID等が電子的に書き込まれたICカードであるDSRC決済カード30が挿入される。読出・書込部217は、制御部211の制御のもと、ICカード挿入口に挿入されたDSRC決済カード30のドライブスルー利用者のクレジットカードID等の情報を読み出し、これを制御部211に供給する。制御部211は、読出・書込部217から受け取ったクレジットカードID等の情報を用いて、利用者の商品を受け取った後の決済処理を行う。
【0047】
以上のように構成された案内システム1の動作を、以下、図5を参照して説明する。DSRC車載装置20を搭載した車両C1の運転者は、本システム1によって提供されるDSRC対応のドライブスルーサービスが利用できる。DSRC車載装置20を搭載した車両C1の運転者は、車両C1を、店舗Sの駐車場Paの入口から入場させて、このドライブスルーサービスを利用する。なお、DSRC車載装置20を搭載していない車両C2の運転者は、DSRC対応のドライブサービスを利用することはできず、従来のドライブスルーサービスを利用する。また、店舗Sの駐車場Paには、上記DSRC対応のドライブスルーサービスを利用するために入場した車両C1以外に、店舗S内での飲食を目的とした利用者の車両も入場する。
【0048】
店舗Sの敷地内に設置された案内装置10において、駐車場Paの入口に埋設された第1のループコイル13aは、車両の検知に応じて車両検知信号を店舗サーバ11に供給する。店舗サーバ11の制御部111は、第1のループコイル13aが供給した車両検知信号を、ループコイル信号処理部114を介して受け取ると、これに応じて、店舗Sの駐車場Pa入口から車両が入場したと判別する。このとき、制御部111は、案内プログラム記憶部112aに記録された案内プログラムが実行されていなければ、その案内プログラムを実行して以下の案内処理を開始する。例えば、制御部111が案内処理プログラムを実行していない場合において、図2に示すように、駐車場Pa入口から車両が入場したとき、その車両を第1のループコイル13aが検知したことに応じて、制御部111は、案内処理を開始する。また、案内処理開始後は、店舗Sの駐車場Pa入口から入場した最初の車両だけでなく、その後に順次入場する車両も以下に行われる案内処理の対象となる。案内処理において、制御部111は、商品メニュー提供部111a、準備完了時間導出部111b、誘導部111cとして機能し、それぞれが各種処理を実行する。
【0049】
はじめに、商品メニュー提供部111aは、案内処理プログラムで実行される各種処理のうち、待機状態となっている全ての処理がタイムアウトしたか否かを判別する(ステップS101)。商品メニュー提供部111aは、待機状態となっている全ての処理がタイムアウトでないと判別した場合(ステップS101;NO)、ステップS102に進み、待機状態となっている全ての処理がタイムアウトしたと判別した場合(ステップS101;YES)、案内処理を終了する。なお、商品メニュー提供部111aは、案内処理開始直後、待機状態が発生する後述のステップS104の処理が行われるまではステップS101の処理を自動的に省略しても良い。
【0050】
ステップS102において、誘導部111cは、各車両C1の注文者からそれぞれ受け取る注文商品情報をもとに後述のステップS108で順次導出して記録される複数の準備完了時間のうち、何れかの準備完了時間が経過したか否かを判別する。誘導部111cは、何れかの準備完了時間が経過していれば(ステップS102;YES)、ステップS108に進み、それ以外の場合(ステップS102;NO)、ステップS103に進む。なお、案内処理開始直後は、ステップS107の処理は行われていないので、誘導部111bは、ステップS102に進む。誘導部111cは、案内処理開始直後、ステップS107の処理が行われるまでは、ステップS102の処理を自動的に省略しても良い。
【0051】
ステップS103において、準備完了時間導出部111bは、後述のステップS107でドライブスルーの利用を選択した車両C1のドライブスルー利用者(運転者)に商品メニュー情報信号を送信した後、何れかのDSRC車載装置20から注文商品情報を受け取ったか(注文商品情報を含む信号を受信したか)否かを判別する。準備完了時間導出部111bは、何れかのDSRC車載装置20から注文商品情報を受け取ったと判別した場合は(ステップS103;YES)、ステップS108に進み、それ以外の場合(ステップS102;NO)は、ステップS104に進む。なお、案内処理開始直後は、ステップS106の処理は行われていないので、準備完了時間導出部111bは、ステップS104に進む。準備完了時間導出部111bは、案内処理開始直後、ステップS106の処理が行われるまでは、ステップS103の処理を自動的に省略しても良い。
【0052】
ステップS104において、商品メニュー提供部111aは、ドライブスルーを利用するか否かを駐車場Paに入場した車両の運転者に問い合わせる初期画面情報を生成し、生成した初期画面情報を含む初期画面情報信号を、DSRC信号処理部113を介して第1のDSRCアンテナ12aから送信する制御を行う(ステップS104)。商品メニュー提供部111aが生成する初期画面情報には、ドライブスルーの利用を段階的に案内するステータス情報が含まれる。初期画面情報に含まれるステータス情報は、最初の案内である旨が示される。これにより、駐車場Paに入場した車両のうち、DSRC車載装置20を搭載した車両C1は、第1のDSRCアンテナ12aから送信された初期画面情報信号をDSRC車載装置20で受信する。DSRC車載装置20は、受信した初期画面情報信号について、初期画面情報に含まれるステータス情報をもとに、DSRCドライブスルーの最初の案内であると判別する。
【0053】
DSRC車載装置20のDSRC信号処理部213は、第1のDSRCアンテナ12aから送信された初期画面情報信号を受信し、受信した初期画面情報信号に含まれる初期画面情報を制御部211に供給する。制御部211は、受け取った初期画面情報を表示部215の画面に表示する制御を行う。表示部215の画面には、例えば、図8に示すように、「いらっしゃいませ、○○○○へようこそ!」というメッセージ等と共にドライブスルーを利用するか否かを運転者に選択させるメッセージ等を表示する。なお、初期画面情報には、音声情報が含まれても良く、表示部215の画面に表示された内容と同じ内容の音声メッセージ等が発音部216から出力されるようにしても良い。なお、初期画面情報信号を既に受信したDSRC車載装置20は、再度、第1のDSRCアンテナ12aから初期画面情報信号を受信しても、その初期画面情報に含まれるステータス情報をもとに、既に初期画面情報を受け取ったと判別し、上記初期画面を表示せず、その初期画面情報は廃棄される。
【0054】
車両C1の運転者は、表示部215の画面に表示された初期画面情報を確認し、入力部214を用いて、ドライブスルーを利用するか否かを選択する操作を行う。これにより、運転者自身がDSRC対応のドライブスルーサービスを利用する旨を通知する。運転者による入力部214の操作に応じて、DSRC車載装置20の制御部211は、ドライブスルーを利用するか否かについて選択された選択情報を生成する。このとき、制御部211は、DSRC車載装置20を一意に識別させる情報である車載装置IDを記憶部212から読み出し、読み出した車載装置ID及び上記のステータス情報(最初の案内を示す情報)を選択情報に含ませる。制御部211は、生成した選択情報を含む選択情報信号を、DSRC信号処理部213から送信する制御を行う。
【0055】
商品メニュー提供部111aは、DSRC車載装置20から送信され、第1のDSRCアンテナ12aで受信した選択情報信号に含まれる選択情報をDSRC信号処理部113から受け取り、受け取った選択情報が、ドライブスルーの利用を選択したものであるか否かを判別する(ステップS105)。商品メニュー提供部111aは、受け取った選択情報が、ドライブスルーの利用を選択したものであると判別した場合にのみ(ステップS105;YES)、ステップS106に進み、それ以外の場合(選択情報を受け取っていない場合も含む)は(ステップS105;NO)、ステップS101に戻って、上記と同様の処理を行う。
【0056】
また、商品メニュー提供部111aは、受け取った選択情報に含まれる車載装置IDを抽出する。商品メニュー提供部111aは、抽出した車載装置IDを、以下の通信において、通信相手先となるDSRC車載装置20を特定する情報として使用する。商品メニュー提供部111aは、抽出した車載装置IDを用いて、ドライブスルーの利用状況等を表す利用情報を新規に生成し、これを利用情報記憶部112cに追加記録する。例えば、商品メニュー提供部111aは、車載装置IDを抽出したことに応じて、図10に示すように、車載装置IDの項目の他、車載装置IDに対応付けられる各種項目として、注文番号、注文商品、ステータス(利用状況)、注文受付時間、準備完了時間、受取順等の項目を有する利用情報を新規に生成し、これを利用情報記憶部112cに追加記録する(ステップS106)。なお、ステップS106において、商品メニュー提供部111aは、利用情報の各項目のうち、車載装置ID及びステータス情報(注文待ち)の項目にのみ各情報を記録する。
【0057】
つづいて、商品メニュー提供部111aは、店舗Sで扱う各種商品のメニューを表す商品メニュー情報を生成する。商品メニュー提供部111aが生成する商品メニュー情報には、上記ステップS105で抽出した車載装置ID及びステータス情報が含まれる。商品メニュー情報に含まれるステータス情報には、注文待ちである旨が示される。商品メニュー提供部111aは、生成した商品メニュー情報を含む商品メニュー情報信号を、DSRC信号処理部113を介して、第1のDSRCアンテナ12aから送信する制御を行う(ステップS107)。その後、商品メニュー提供部111aは、ステップS101に戻って、上記と同様の処理を行う。
【0058】
第1のDSRCアンテナ12aから送信された商品メニュー情報信号は、商品メニュー情報信号により表される商品メニュー情報に含まれた車載装置IDと同じ車載装置IDを有するDSRC車載装置20のみで受信される。つまり、上記選択情報信号を送信したDSRC車載装置20は、その車載装置IDが含まれた商品メニュー情報信号を受信する。DSRC車載装置20の制御部211は、DSRC信号処理部213で受信した商品メニュー情報信号により表される商品メニュー情報を受け取り、受け取った商品メニュー情報を表示部215の画面に表示する制御を行う。表示部215の画面には、店舗Sで扱う商品メニューから注文する商品の選択決定するための画面が表示される。なお、商品メニュー情報には、音声情報が含まれても良く、例えば、商品名や、カロリー情報、アレルギー情報等の商品の説明を行う音声メッセージ等が発音部216から出力されるようにしても良い。
【0059】
ドライブスルー利用者(車両C1の運転者)は、表示部215の画面に表示された商品メニュー情報を確認し、入力部214を用いて、商品メニュー情報から注文する商品の選択及び決定の操作を行う。これにより、ドライブスルー利用者は商品を発注する。ドライブスルー利用者による入力部214の操作に応じて、DSRC車載装置20の制御部211は、ドライブスルー利用者により注文された商品を表す注文商品情報(商品、商品の数等)を生成する。このとき、制御部211は、上記と同様、DSRC車載装置20の車載装置ID及び上記のステータス情報(注文待ちを示す情報)を注文商品情報に含ませる。制御部211は、生成した注文商品情報を含む注文商品情報信号を、DSRC信号処理部213から送信する制御を行う。
【0060】
準備完了時間導出部111bは、DSRC車載装置20から送信され、第1のDSRCアンテナ12aで受信した注文商品情報信号により表される注文商品情報をDSRC信号処理部113から受け取る。これにより、ドライブスルー利用者(注文者)から注文を受け付けたことになる。このとき、準備完了時間導出部111bは、何れかのDSRC車載装置20から注文商品情報を受け取ったと判別し(ステップS103;YES)、ステップS108に進んで、注文商品情報により表される注文商品の準備が完了するまでにかかる時間(準備完了時間)を導出する準備完了時間導出処理を行う。
【0061】
また、準備完了時間導出部111bは、利用情報記憶部112cに記録された各利用情報のうち、受け取った注文商品情報に含まれる車載装置IDと同じ車載装置IDに対応する注文番号、注文商品、及び受付時間の項目に、各情報を記録し、ステータス情報を変更する。例えば、準備完了時間導出部111bは、案内処理を開始して最初の注文商品情報を受け取ったことに応じて、注文商品情報に含まれる車載装置ID「AK0709」と同じ車載装置IDに対応する注文番号、注文商品、注文時間の各項目それぞれに「1」、「商品A1×2、商品B3×2」、「12:00:10」を記録し、ステータス情報を「注文待ち」から「準備中(または準備待ち)」に変更する(例えば、図11のNo.1)。
【0062】
このようにして、案内装置10(商品メニュー提供部111a)は、駐車場Pa入口から入場した各車両C1に搭載されたDSRC車載装置20のドライブスルー利用者から、商品の注文を受け付けるための各種処理を行う。
【0063】
ドライブスルー利用者が行う商品の注文は、駐車場Paに入場した車両C1の入場順に従って行われるものではなく、ドライブスルー利用者は、空いている駐車スペースPsに車両C1を駐車させた状態でドライブスルー利用者自身のペースで商品を選択することができる。これにより、ドライブスルー利用者は、従来提供されているドライブスルーサービスのように、ドライブスルー通路に設置された商品注文口に並んで、後続の車両を気にしながら急いで注文する商品の選択を行わずに済む。また、店舗Sの店員は、DSRC車載装置20を搭載している車両C1のドライブスルー利用者からの商品の注文の受け付けが不要になるので、他の作業を行うことができ、結果的に店員の作業効率の向上を図ることができる。
【0064】
ここで、図6を参照して、準備完了時間導出部111bが行う準備完了時間導出処理を具体的に説明する。
【0065】
準備完了時間導出部111bは、注文商品情報を受け取ると、受け取った注文商品情報を用いて、商品準備時間情報記憶部112aに予め記録された、図9に示す商品準備時間情報を参照し、商品の準備に必要な商品準備時間を商品毎に導出する(ステップS301)。例えば、商品メニュー提供部111aが受け取った注文商品情報により表される注文された商品が、商品A1×2、商品B3×2であった場合、準備完了時間導出部111bは、商品準備時間情報を参照し、注文された商品A1に対応する準備時間(10秒)に注文された商品A1の数量(ここでは2個)を乗じた商品準備時間(20秒)を算出し、また、注文された商品B3に対応する準備時間(25秒)に注文された商品B3の数量(ここでは2個)を乗じた商品準備時間(50秒)を算出する。
【0066】
つづいて、準備完了時間導出部111bは、注文された商品の準備待ち時間が発生するか否かを判別する(ステップS302)。注文を受け付けた商品の準備は、その注文を受け付けたことに応じて、すぐに行われるのが基本となるが、注文された商品によっては、すぐに商品の準備を行えないことがある。例えば、商品の準備のために用いる処理装置(調理機器等)が、先の商品の準備で使用されているために使用できないことがあり、この場合に、準備待ち時間が発生する。
【0067】
処理装置が使用できなくなる条件として、例えば、同じ種類の商品が先に注文されている場合があり、この条件を満たしたときに発生する準備待ち時間は、先に注文された商品の商品準備時間の経過時間をもとに算出される。また、処理装置が使用できなくなる他の条件としては、同じ種類の商品を処理する処理装置が処理可能な数として設定された閾値を、先に注文された同じ種類の商品が満たした場合もあり、この条件を満たしたときに発生する準備待ち時間は、先に注文された同じ種類の商品の数が所定数を満たさなくなるまでの、先に注文された商品の商品準備待ち時間の合計の経過時間をもとに算出される。実行中の案内プログラムには、予め、処理装置が使用できなくなる条件と、その条件を満たしたときに発生する準備待ち時間の算出方法とが設定されている。なお、ここでは、上記の同じ種類の商品が先に注文されている場合を、処理装置が使用できなくなる条件として設定し、この条件を満たした場合、先に注文された商品の商品準備時間の経過時間をもとに準備待ち時間を算出する。なお、処理装置が使用できなくなる条件と、その条件を満たしたときに発生する準備待ち時間の算出方法とは適宜に設定できるものである。
【0068】
商品準備時間情報記憶部112aに記録された商品準備時間情報は、図9に示すように、同じ種類の商品を準備するために用いる処理装置(調理機器等)を識別する処理装置IDと対応付けられて記録されている。準備完了時間導出部111bは、受け取った注文商品情報により表される注文商品と、利用情報記憶部112cに既に記録された注文商品とを参照し、注文商品情報により表される注文商品毎にそれぞれ、同じ種類の商品を準備するために用いる処理装置が重複するか否かを判別し、これに応じて、使用する処理装置が重複する場合に上記の処理装置が使用できなくなる条件を満たしていると判別し、商品の準備待ち時間が発生すると判別する(ステップS302)。例えば、商品メニュー提供部111aが受け取った注文商品情報が、図12に示すように、案内処理を開始して最初の注文商品情報の場合、利用情報記憶部112cには、まだ注文商品が記録されておらず、同じ種類の商品を準備するために用いる処理装置が重複しない。つまり、この場合は、条件を満たしていないため、準備完了時間導出部111bは、商品の準備待ち時間が発生しないと判別し(ステップS302;NO)、ステップS303に進む。
【0069】
一方、商品メニュー提供部111aが受け取った注文商品情報が、図12に示すように、案内処理を開始して3番目の注文商品情報であり、注文商品情報により表される注文商品が、商品B2×3であった場合、この商品B2と同じ種類の商品を準備するために用いる処理装置は、先に(ここでは最初の注文商品情報に)商品B3が注文されており、同じ種類の商品B3を準備するために用いる処理装置Bが重複する。この場合は、準備完了時間導出部111bは、条件を満たしていると判別し、商品の準備待ち時間が発生すると判別する(ステップS302;YES)。この場合、準備完了時間導出部111bは、先に注文された商品の商品準備時間の経過時間をもとに準備待ち時間を導出する(ステップS304)。具体的には、図12に示すように、3番目の注文商品情報は、最初の注文商品情報が受け取られてから8秒経過した後に受け取られているので、先に注文された同じ種類の商品の商品準備時間が50秒から経過時間の8秒を差し引いた時間の42秒が商品B2の準備待ち時間となる。
【0070】
ステップS303において、準備完了時間導出部111bは、互いに異なる商品毎にそれぞれ導出した商品準備時間及び準備待ち時間を加算した時間を、商品毎の準備完了時間として導出する。例えば、商品メニュー提供部111aが受け取った注文商品情報が、案内処理を開始して4番目の注文商品情報であり、注文商品情報により表される注文商品が、商品A2×2、商品C1×2であった場合において、商品A2の商品準備時間が20秒、準備待ち時間が2秒と算出され、一方、商品C1の商品準備時間が60秒、準備待ち時間が137秒と算出されているときは、商品A2の準備完了時間は、22秒(20秒+2秒)、商品C1の準備完了時間は197秒(60秒+137秒)となる。準備完了時間導出部111bは、導出した商品毎の準備完了時間のうち時間が長い方(この場合は197秒)を選択し、選択した準備完了時間を注文商品情報に対応する準備完了時間として使用する。
【0071】
準備完了時間導出部111bは、利用情報記憶部112cに記録された各利用情報のうち、注文商品情報に含まれる車載装置IDと同じ車載装置IDを含む利用情報を読み出し、読み出した利用情報に含まれる準備完了時間の項目に、上記の注文商品情報をもとに導出された準備完了時間(選択した長い方の準備完了時間)を追加して記録する(ステップS305)。準備完了時間導出部111bは、利用情報記録部112cに記録される準備完了時間と、既に利用情報記録部112cに記録された各準備完了時間とを基に、注文者が商品を受け取る順番(受取順)を決定し、これを利用情報記憶部112cの受取順の項目に記録する。例えば、図11に示すように、準備完了時間導出部111bが導出した、案内処理を開始して5番目の注文商品情報に対応する準備完了時間が40秒であり、既に利用情報記録部112cにおいて各準備完了時間が、30秒、135秒、90秒、195秒の順で記録されていた(注文を受け付けた)場合、各受取順は、それぞれ1番目、4番目、3番目、5番目、2番目と決定され、利用情報記憶部112cの受取順の項目に記録される。この受け取り順は、準備完了時間導出部111bが注文商品情報を受け取ったことに応じて順次導出される準備完了時間に応じて変動する。
【0072】
また、準備完了時間導出部111bは、ステップ305で導出した準備完了時間の経過状況を提示する情報である準備完了時間情報を生成する。このとき、準備完了時間導出部111bが生成する準備完了時間情報には、DSRC車載装置20の車載装置ID及びステータス情報(準備中または準備待ちを示す情報)が含まれる。準備完了時間導出部111bは、生成した準備完了時間情報を含む準備完了時間情報信号を、DSRC信号処理部113を介して、第1のDSRCアンテナ12aから送信する制御を行う(ステップS305)。
【0073】
第1のDSRCアンテナ12aから送信された準備完了時間情報信号は、準備完了時間情報信号により表される準備完了時間情報に含まれた車載装置IDと同じ車載装置IDを有するDSRC車載装置20のみで受信される。つまり、上記注文商品情報信号を送信したDSRC車載装置20は、その車載装置IDが含まれた準備完了時間情報を受け取り、受け取った準備完了時間情報を表示部215の画面に表示する制御を行う。表示部215の画面には、図13に示すように、ドライブスルー利用者(注文者)が注文した商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間がその経過時間とともにカウントダウン表示等され、ドライブスルー利用者は、注文商品を受け取るまでの目安の時間を知ることができる。なお、準備完了時間のカウントダウン等の表示は、例えば、分単位でも秒単位でも良い。分単位で表示する場合、所定の残り時間(例えば1分)から秒単位の表示に変更等しても良い。準備完了時間情報には、準備時間をドライブスルー利用者に知らせる音声情報が含まれても良い。また、表示部215の画面には、ドライブスルー利用者が注文商品の内容を確認できるようにする注文商品画面や、店舗Sの企業CMやキャンペーン情報等の広告画面を併せて表示しても良い。以上により、準備完了時間導出処理は終了する。
【0074】
図5に戻り、その後、誘導部111cは、上記ステップS107で準備完了時間導出部111bが順次導出した各準備完了時間のそれぞれの経過状況を監視し、何れかの準備完了時間が経過した(0(ゼロ)になった)と判別した場合(ステップS102;YES)、車両C1を店舗Sの商品受け取り口まで誘導する誘導情報を生成する。誘導情報には、利用情報記憶部112cに記録された各車載装置IDのうち、上記ステップS102で準備完了時間が経過した車載装置ID及びステータス情報が含まれる。誘導情報に含まれるステータス情報には、誘導案内を行う旨が示される。誘導部111cは、生成した誘導情報を含む誘導情報信号を、DSRC信号処理部113を介して、第1のDSRCアンテナ12aから送信する制御を行い(ステップS108)、誘導処理を行う(ステップS109)。
【0075】
ここで、図7を参照して、誘導部111cが行う誘導処理を具体的に説明する。
【0076】
第1のDSRCアンテナ12aから送信された誘導情報信号は、誘導情報信号により表される誘導情報に含まれた車載装置IDと同じ車載装置IDを有するDSRC車載装置20のみで受信される。つまり、上記注文商品情報信号を送信したDSRC車載装置20は、その車載装置IDが含まれた誘導情報を受け取り、受け取った誘導情報を表示部215の画面に表示する制御を行う。表示部215の画面には、注文者(ドライブスルー利用者)をドライブスルー通路入口手前に案内する情報(例えば、現在位置と誘導先の位置とを示した店舗S敷地内の配置図)が表示等される。この表示画面を確認した注文者は、駐車スペースPsで駐車していた車両C1をドライブスルー通路入口手前に移動させる。
【0077】
誘導部111cは、上記誘導情報信号を送信した後、ドライブスルー通路入口手前に埋設された第2のループコイル13bで車両を検知したか否かを判別する待機状態となる(ステップS401)。車両C1がドライブスルー通路入口手前に移動すると、第2のループコイル13bが、車両の検知に応じて車両検知信号を店舗サーバ11に供給する。これに応じて、誘導部111cは、車載装置IDを問い合わせる車載ID問合せ情報を生成し、生成した車載ID問合せ情報を含む車載ID問合せ情報信号を、DSRC信号処理部113を介して第2のDSRCアンテナ12bから送信する制御を行う(ステップS402)。
【0078】
これにより、ドライブスルー通路入口手前にいる車両C1に搭載されたDSRC車載装置20は、第2のDSRCアンテナ12bから送信された車載ID問合せ情報信号を受信する。DSRC車載装置20は、車載ID問合せ情報信号の受信に応じて、制御部211の制御のもと、DSRC車載装置20の車載装置IDを含む応答情報を生成し、生成した応答情報を含む応答情報信号を、第2のDSRCアンテナ12bに送信する。
【0079】
誘導部111cは、DSRC車載装置20から送信された応答情報信号により表される応答情報を受け取ると、受け取った応答情報に含まれる車載装置IDを抽出し、利用情報記憶部112cに記録された各利用情報のうち、抽出した車載装置IDと同じ車載装置IDに対応付けられた準備完了時間が経過しているか(供給した誘導情報に含まれる車載装置IDと一致するか)否かを判別する(ステップS403)。誘導部111cは、抽出した車載装置IDと同じ車載装置IDに対応付けられた準備完了時間が経過していると判別した場合(ステップS403;YES)、ゲート駆動部115を介して第1のゲート14aを開く制御を行う(ステップS404)。これにより、案内対象の車両C1を、ドライブスルー通路に入場させ、ドライブスルー通路出口手前にある商品受け取り口に移動させる。このとき、誘導部111cは、利用情報記憶部112cに記録された車載装置IDに対応する注文商品情報を商品受け取り口に設置された通信装置(図示しない)の表示画面等に表示し、商品の受け渡しを行う店員に注文者が注文した商品を受け渡すための準備をさせる。
【0080】
一方、誘導部111cは、抽出した車載装置IDと同じ車載装置IDがない、または、対応する準備完了時間が経過していないと判別した場合(ステップS403;NO)、第1のゲート14aを開かない。この場合、誘導部111cは、誘導NGを通知するNG画面情報を生成し、上記応答情報信号を送信したDSRC車載装置20に、第2のDSRCアンテナ12bを介しての表示部215の画面にNG画面を表示する制御を行う。表示部215の画面には、例えば、「準備完了時間が経過したら誘導します。駐車スペースでしばらくお待ちください」というメッセージ等が表示される。
【0081】
誘導部111cは、第1のゲート14aを開いた後、ドライブスルー通路出口手前に埋設された第3のループコイル13cで車両を検知したか否かを判別する待機状態となる(ステップS406)。車両C1がドライブスルー通路出口手前の商品受け取り口の位置に移動すると、第3のループコイル13cが、車両の検知に応じて車両検知信号を店舗サーバ11に供給する。これに応じて、誘導部111cは、車載装置ID及びDSRC決済カード30の決済カードIDを問い合わせる問合せ決済情報を生成し、生成した問合せ決済情報を含む問合せ決済情報信号を、DSRC信号処理部113を介して第3のDSRCアンテナ12cから送信する制御を行う(ステップS407)。
【0082】
これにより、ドライブスルー通路出口手前にいる車両C1に搭載されたDSRC車載装置20は、第3のDSRCアンテナ12cから送信された問合せ決済情報信号を受信する。DSRC車載装置20は、制御部211の制御のもと、問合せ決済情報信号の受信に応じて、DSRC車載装置20の車載装置ID及びDSRC決済カード30の決済カードIDを含む応答決済情報を生成し、生成した応答決済情報を含む応答決済情報信号を、第3のDSRCアンテナ12cに送信する。
【0083】
誘導部111cは、DSRC車載装置20から送信された応答決済情報信号により表される応答決済情報を受け取り、受け取った応答決済情報に含まれる車載装置IDに対応する注文商品の項目を利用情報記憶部112cから読み出し、これを商品受け取り口に設置された通信装置の表示画面等に表示させる。これに応じて、店員は、準備していた商品を車両C1の注文者に手渡す。
【0084】
また、誘導部111cは、受け取った応答決済情報に決済カードIDが含まれているか否かを判別する(ステップS408)。誘導部111cは、応答決済情報に決済カードIDが含まれていると判別した場合(ステップS408;YES)、決済カードIDを用いた注文商品の料金決済処理を行う(ステップS409)。
【0085】
その後、誘導部111cは、ゲート駆動部115を介して第2のゲート14bを自動的に開く制御を行う(ステップS410)。これにより、車両C1を、ドライブスルー通路から円滑に退場させる。
【0086】
一方、誘導部111cは、応答決済情報に決済カードIDが含まれていないと判別した場合(ステップS408;NO)、決済カードIDを用いた注文商品の料金決済処理を行うことができない。この場合、誘導部111cは、決済NGを通知するNG画面情報を生成し、上記応答決済情報信号を送信したDSRC車載装置20に、第2のDSRCアンテナ12bを介しての表示部215の画面にNG画面を表示する制御を行う(ステップS411)。表示部215の画面には、例えば、「カード認証できませんでした」というメッセージ等が表示される。この場合、車両C1の注文者は、店員に現金により注文商品の料金決済を行う。その後、店員は、第2のゲート14bを開閉させる操作部(図示しない)を操作することにより、第2のゲート14bを開き、車両C1を、ドライブスルー通路から退場させる。以上により、誘導処理は終了する。
【0087】
図5に戻り、誘導部111cは、ステップS110の誘導処理を行った後、料金決済に用いられた車載装置IDを有する利用情報を利用情報記憶部112cから消去する(ステップS111)。なお、上記ステップS110の誘導処理で料金決済が自動的に行われなかった場合は、店員による通信装置の操作によって、車載装置IDを有する利用情報を利用情報記憶部112cから消去する。その後、ステップS101において、商品メニュー提供部111aが案内処理プログラムで実行される各種処理のうち、待機状態となっている全ての処理がタイムアウトすると判別するまで、案内装置10は、店舗Sの駐車場にいる複数の車両C1にそれぞれ搭載されたDSRC車載装置20との間で上記ステップS101乃至S111の処理を繰り返し行い、導出される各準備完了時間が経過する順に従って、各車両C1の運転者(ドライブスルー利用者、注文者)を商品受け取り口まで誘導案内する。そして、商品メニュー提供部111aは、全ての処理がタイムアウトしたと判別した場合に(ステップS101;YES)、案内処理を終了する。以上により、店舗サーバ11(案内装置10)が案内プログラムに従って実行する案内処理は終了する。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の案内装置10及び案内システム1によれば、ドライブスルー店舗において、利用者が商品を受け取るまでの利用者の車両の誘導を効率良く行うことができるので、DSRC決済システムの利用価値を高めることができる。
【0089】
なお、上記実施形態の案内システムでは、注文者本人がDSRC車載装置20を用いて、注文する商品の選択及び決定を行っているが、本発明に係る案内システムで用いられる通信装置は、注文者本人が使用する場合に限らず、注文者からの注文を受け付ける者が用いる場合も含まれる。例えば、上記実施形態では、DSRC車載装置20を搭載している車両C1の注文者のみがシステムを利用する例を説明したが、従来のドライブスルーと併用できる。
【0090】
具体的には、図2に示すように、DSRC車載装置20を搭載していない車両C2は、従来のドライブスルーと同様に、店舗Sの敷地内のドライブスルー通路入口に入場する。ドライブスルー通路入口には、注文窓口が配置され、その位置に注文者からの商品の注文を受け付ける店員が使用する通信装置(図示しない)が設置されている。また、注文窓口付近には第4のループコイル13dが埋設されている。第4のループコイル13dは、ドライブスルー通路入口に入場した車両C2を検知すると、車両検知信号を上記実施形態と同様に、店舗サーバ11に供給する。これに応じて、店舗サーバ11は、車両が入場した旨の通知情報を含む信号を、通信装置に送信し、注文受付を行う店員に車両が入場した旨を通信装置の表示画面に表示等して通知する。店員は、車両C2の注文者から注文を受け付け、注文された商品を表す注文商品情報を含む注文商品情報信号を、通信装置を介して店舗サーバ11に送信する。
【0091】
店舗サーバ11(準備完了時間導出部111b)は、通信装置から注文商品情報信号を受信すると、受信した注文商品情報信号により表される注文商品情報をもとに、上記実施形態と同様に、利用情報を生成し、生成した利用情報を利用情報記憶部112cに記録する。なお、車両C2にはDSRC車載装置20が搭載されていないので、このとき生成される利用情報には車載装置IDは含まれない。また、店舗サーバ11(準備完了時間導出部111b)は、利用情報記憶部112cに記録された利用情報を通信装置(図示しない)に送信し、これを受信した通信装置は、利用情報を表示画面に表示等して商品の注文を受け付けた店員に通知する。これに応じて、店員は、通信装置から利用情報(注文番号、注文商品、受付時間、準備完了時間等)が印字された利用情報シートを出力し、利用情報シートを注文者に手渡す。
【0092】
その後、店舗サーバ11(案内部111c)は、利用情報記憶部112cに記録された準備完了時間が経過した利用情報の注文番号を含む信号を通信装置(図示しない)に送信し、これを受信した通信装置は、店舗サーバ11から受け取った注文番号を表示画面等に表示する。これに応じて、商品の注文を受け付けた店員は、注文口付近に設けられ第3のゲート14cを開閉させる操作部(図示しない)を操作し、その注文番号の車両を案内させる。一方、このとき、商品受取口の位置に設置された通信装置にも上記と同様の表示を行う。これに応じて、商品の受け渡しを行う店員に商品の受け渡すための準備をさせる。注文者は、第3のゲート14cが開いたら、受取口まで進み、受取口にいる店員に、注文口で手渡された利用情報シートを手渡す。店員は、通信装置を用いて、利用情報シートに示された注文番号を入力することにより、店舗サーバ11から通知される注文番号に対応する注文商品情報を確認し、注文商品を注文者に手渡し、注文者から現金等を受け取ることにより注文商品の料金決済を行う。その後、店員は、第2のゲート14bを開閉させる操作部(図示しない)を操作することにより、第2のゲート14bを開き、車両C2を、ドライブスルー通路から退場させる。このとき、店員は、上記の通信装置等を操作し、店舗サーバ11の利用情報記憶部112cに記録された各利用情報から料金決済を行った注文番号に対応する利用情報を消去する。このように、本発明に係る案内装置は、従来のドライブスルーにも利用できる。
【0093】
また、上記実施形態では、商品準備時間情報は、商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す情報であり、準備完了時間導出部111bは、この商品準備時間情報を用いて、注文された商品に対応する準備時間に、注文された商品の数を乗じて、商品準備時間を算出しているが、これに限定されない。例えば、商品準備時間情報を、商品の数に応じて、商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す情報としてもよく、注文商品に示される商品の数に応じた商品準備時間を取得するようにしても良い。
【0094】
また、準備完了時間導出部111bが注文商品情報を受け取るたびに導出した、各準備完了時間のうち、ほぼ同じタイミング(例えば5秒ほどの時間差)で経過する準備完了時間がある場合は、その準備完了時間の経過状況に応じて通知される誘導情報の通知タイミングを、その注文順に応じて異なるタイミングとなるようにしても良い。この場合は、注文順が先の注文者と後の注文者との間で、上記の時間差よりも長くしたタイミング(例えば15秒ほどの時間差)により、誘導情報の通知タイミングを変更することにより、注文順を優先した注文者の案内を行っても良い。
【0095】
また、店舗サーバ11は、案内処理を開始した後、第1のループコイル13aから車両検知信号を受け取ったと判別する度に上記初期画面情報信号を第1のDSRCアンテナ110aから送信しても良い。
【0096】
さらに、店舗サーバ11の準備完了時間導出部111bは、商品メニュー提供部111aが注文商品情報を受け取ってから誘導部111cが誘導情報を生成するまでの間に、注文者から新たな追加注文または注文した商品のキャンセルを受け付けることができるようにしても良い。具体的には、注文者が商品を注文した後、DSRC車載装置20の表示部215の画面には、準備完了時間導出部111bにより導出された準備完了時間の経過時間が表示されるが、これと併せて、注文者が注文商品のキャンセル/追加を選択する選択画面(項目)を併せて表示し、これにより、注文者が注文商品のキャンセル/追加ができるようにしても良い。
【0097】
例えば、注文者が入力部214を用いて、注文商品の追加を選択する操作を行った場合、DSRC車載装置20は、自身の車載装置IDを含ませて、第1のDSRCアンテナ12を介して、店舗サーバ11と無線通信を行い、店舗Sで扱う商品メニューの情報である商品メニュー情報と注文者によって注文された商品の内容(注文内容)の情報である注文内容情報とを店舗サーバ11から受け取り、受け取った商品メニュー情報及び注文内容情報を表示部215に表示する。これに応じて、注文者は、商品メニュー情報及び注文内容情報を確認し、入力部214を用いて、商品メニューから追加注文する商品の選択及び決定を行う。DSRC車載装置20は、自身の車載装置IDを含ませて、注文者が追加注文した商品を表す追加注文商品情報を生成し、これを第1のDSRCアンテナ12を介して、店舗サーバ11に送信する制御を行う。
【0098】
店舗サーバ11の準備完了時間導出部111bは、追加注文された商品を表す追加注文情報を受け取り、上記実施形態と同様にして、追加注文された商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出する。このとき、準備完了時間導出部111bは、上記実施形態と同様にして、車載装置ID、注文番号、注文商品、ステータス(利用状況)、注文受付時間、準備完了時間、受取順等の項目を有する利用情報を新規に生成し、これを利用情報記録部12cに追加記録する。
【0099】
準備完了時間導出部111bは、追加注文商品情報に対応する準備完了時間を導出すると、当該追加注文商品情報を受け取る前に受け取った上記注文商品情報に対応する準備完了時間の経過時間(残りの時間)を利用情報記憶部112cから読み出す。つまり、準備完了時間導出部111bは、追加注文商品情報に含まれる車載装置IDと同じ車載装置IDを有する、先に導出、記録された準備完了時間の経過時間(残り時間)と、追加注文によって導出された準備完了時間とを比較する。先に導出及び記録された準備完了時間の経過時間(残り時間)の方が、追加注文によって導出された準備完了時間よりも短い場合(先に注文された商品の準備の方が先に完了する場合)、準備完了時間導出部111bは、準備完了時間の経過状況を提示する情報である準備完了時間情報に上記車載装置IDを含ませ、上記実施形態と同様にして、この準備完了時間情報を、第1のDSRCアンテナ12aを介して上記追加注文を行った注文者のDSRC車載装置20に送信する制御を行う。これにより、DSRC車載装置20の表示部215の画面には、先の注文商品に対応して導出された準備完了時間の経過時間(残り時間)ではなく、追加注文商品に対応して導出された準備完了時間の経過時間(残り時間)が表示される。一方、先に導出及び記録された準備完了時間の経過時間(残り時間)の方が、追加注文によって導出された準備完了時間よりも長い場合(先に注文された商品の準備の方が後に完了する場合)、準備完了時間導出部111bは、上記の送信制御を行わなくて良い。
【0100】
一方、注文者が入力部214を用いて、注文商品のキャンセルを選択する操作を行った場合、DSRC車載装置20は、自身の車載装置IDを含ませて、第1のDSRCアンテナ12を介して、店舗サーバ11と無線通信を行い、注文者によって注文された商品の内容(注文内容)の情報である注文内容情報を店舗サーバ11から受け取り、受け取った注文内容情報を表示部215に表示する。これに応じて、注文者は、注文内容情報を確認し、入力部214を用いて、注文した商品の中からキャンセルする商品の選択及び決定を行う。DSRC車載装置20は、自身の車載装置IDを含ませて、注文者がキャンセルする商品を表すキャンセル商品情報を生成し、これを第1のDSRCアンテナ12を介して、店舗サーバ11に送信する制御を行う。
【0101】
店舗サーバ11の準備完了時間導出部111bは、キャンセル商品情報を受け取ることにより、注文者の注文商品のキャンセルを受け付ける。商品の注文がキャンセルされたことに応じて、準備完了時間導出部111bは、利用情報記憶部112cに記録された利用情報の削除または変更を行う。
【0102】
具体的には、準備完了時間導出部111bは、受け取ったキャンセル商品情報に含まれる車載装置IDと同じ車載装置IDを有する利用情報を利用情報記憶部112cから読み出し、読み出した利用情報が有する注文商品のうち、キャンセル商品に対応する注文商品を消去し、消去後の商品(残った商品)を注文商品の項目に記録する。
【0103】
商品の注文がキャンセルされたことにより、消去後の商品(残った商品)がなくなる場合、準備完了時間導出部111bは、当該注文商品の項目を有する利用情報を利用情報記憶部112cから削除する。また、利用情報に含まれる準備完了時間がキャンセルされた商品に対応する商品準備時間を用いて導出されたものであった場合、準備完了時間導出部111bは、消去後の商品(残った商品)に対応する商品準備時間を用いて導出された各準備完了時間のうち時間が長い準備完了時間を選択し、選択した準備完了時間から当該利用情報に含まれる受付時間からの経過時間を差し引いた時間を、利用情報の準備完了時間の項目に更新記録する(利用情報記憶部112cに記録する)。
【0104】
また、商品の注文がキャンセルされたことにより、その商品の準備のために用いる処理装置が使用できるようになり、その商品が注文された後に注文された同じ種類の商品に対応する準備待ち時間が短縮され、各利用情報のそれぞれに含まれる準備完了時間が短縮される場合、準備完了時間導出部111bは、再度、各利用情報のそれぞれに含まれる商品毎の準備完了時間を導出する。そして、準備完了時間導出部111bは、導出した各準備完了時間のうち時間が長い準備完了時間を選択し、選択した準備完了時間から当該利用情報に含まれる受付時間からの経過時間を差し引いた時間を、利用情報の準備完了時間の項目に更新記録する(利用情報記憶部112cに記録する)。
【0105】
そして、準備完了時間導出部111bは、利用情報記憶部112cにおいて準備完了時間の項目を更新記録した利用情報に含まれる車載装置IDを含ませた準備完了時間情報を生成し、上記実施形態と同様にして、この準備完了時間情報を、第1のDSRCアンテナ12aを介して対応するDSRC車載装置20に送信する制御を行う。これにより、DSRC車載装置20の表示部215の画面には、商品がキャンセルされたことに応じて変更された(短縮された)準備完了時間の経過時間(残り時間)が表示される。
【0106】
その他、上記実施形態では、本発明の一実施形態としてドライブスルーの使用例を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、大型スーパーマーケット等のフードコート、高速道路のサービスエリアのレストラン等において、注文者が商品を注文し、その商品の準備が完了した時に注文者を案内するシステム等にも利用可能であり、これにより、商品の注文から商品の受け取りまでの利用者の案内を効率良く行うことができる。
【0107】
なお、上記実施形態の案内プログラムは、持ち運び可能な記録媒体等に記録されたものでもよい。持ち運び可能な記録媒体には、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等がある。また、案内プログラムは、持ち運び可能な記録媒体から各種読取装置を介して案内装置10にインストールされたものでも良い。さらに、案内プログラムは、インターネット等を介して案内装置10にダウンロード及びインストールされたものでもよい。また、案内プログラムは、案内装置10と通信可能なサーバ等の記憶装置に格納されたものでも良く、案内装置10は、この記憶装置と通信を行うことにより、上記の案内処理を行っても良い。
【0108】
その他、本発明は、上記実施形態の説明及び図面によって限定されるものではなく、上記実施形態及び図面に適宜変更等を加えることは可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 案内システム
10 案内装置
11 店舗サーバ
12a 第1のDSRCアンテナ(通信部)
12b 第2のDSRCアンテナ(通信部)
12c 第3のDSRCアンテナ(通信部)
13a 第1のループコイル
13b 第2のループコイル
13c 第3のループコイル
13d 第4のループコイル
14a 第1のゲート
14b 第2のゲート
14c 第3のゲート
20 DSRC車載装置
30 DSRC決済カード
111 制御部
111a 商品メニュー提供部
111b 準備完了時間導出部
111c 誘導部
112 記憶部
112a 案内プログラム記憶部
112b 商品準備時間情報記憶部
112c 利用情報記憶部
113 DSRC信号処理部
114 ループコイル信号処理部
115 ゲート駆動部
211 制御部
212 記憶部
213 DSRC信号処理部(通信処理部)
214 入力部
215 表示部
216 発音部
217 読出・書込部
S 店舗
Pa 駐車場
Ps 駐車スペース
C1 DSRC車載装置が搭載された車両
C2 DSRC車載装置が搭載されていない車両
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を予め記録した商品準備時間情報記憶部と、
注文された商品を表す注文商品情報を受け取り、受け取った前記注文商品情報を用いて、前記商品準備時間情報記憶部に予め記録された前記商品準備時間情報を参照して、前記注文された商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出する準備完了時間導出部と、
前記準備完了時間導出部が導出した前記準備完了時間に基づいて、前記商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給する誘導部と、を備える、
ことを特徴とする案内装置。
【請求項2】
前記準備完了時間導出部は、前記注文商品情報を受け取る度に、それぞれ前記準備完了時間を導出し、
前記誘導部は、前記準備完了時間導出部がそれぞれ導出した前記準備完了時間のうち、前記準備完了時間が早く経過するものから順に、前記誘導情報を供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の案内装置。
【請求項3】
前記準備完了時間導出部は、前記注文者に前記準備完了時間の経過状況を提示する準備完了時間情報を供給する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の案内装置。
【請求項4】
前記準備完了時間導出部は、前記注文された商品が、互いに異なる複数の商品の場合に、互いに異なる複数の商品それぞれに対応する、複数の前記準備完了時間を導出し、
導出した複数の前記準備完了時間のうち時間が長い方を前記準備完了時間として選択し、
前記誘導部は、前記準備完了時間導出部が選択した前記準備完了時間に基づいて、前記誘導情報を供給する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の案内装置。
【請求項5】
商品の準備ができない商品準備待ち時間が発生する条件を予め記憶し、
前記準備完了時間導出部は、前記注文商品情報により表される前記注文された商品が、前記商品準備待ち時間が発生する条件を満たすか否かに応じて、前記商品準備待ち時間を導出し、導出した前記商品準備待ち時間から経過時間を差し引いた時間と、前記商品について導出された前記商品準備時間とを加算した時間を前記準備完了時間として導出する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の案内装置。
【請求項6】
前記誘導部は、前記準備完了時間の経過状況に応じて、前記誘導情報を供給する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の案内装置。
【請求項7】
前記注文者が注文した商品を受け取る商品受取口までの経路に設置され、前記注文者が所有する通信装置との間で通信を行う通信部を備え、
前記通信部は、前記通信装置との間で行う通信により前記通信装置から前記注文者を特定する情報を取得し、
前記誘導部は、前記誘導情報を供給後、前記通信部が取得した前記注文者を特定する情報を用いて、前記誘導情報に従って案内された前記注文者であるか否かを判別し、その判別結果に応じて、前記通信部と前記通信装置との間で通信が行われた順に、前記商品受取口に前記注文者を案内する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の案内装置。
【請求項8】
注文された商品を表す注文商品情報を受け取る工程と、
前記受け取った前記注文商品情報を用いて、記憶部に予め記録された、商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を参照して、前記注文された商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出する工程と、
前記導出した前記準備完了時間に基づいて、前記商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給する案内工程と、を有する、
ことを特徴とする案内方法。
【請求項9】
コンピュータに、
注文された商品を表す注文商品情報を受け取るステップと、
前記受け取った前記注文商品情報を用いて、記憶部に予め記録された、商品とその商品の準備にかかる準備時間との対応関係を表す商品準備時間情報を参照して、前記注文された注文商品の準備が完了するまでにかかる準備完了時間を導出するステップと、
前記導出した前記準備完了時間に基づいて、前記商品を注文した注文者を案内する誘導情報を供給するステップと、を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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