説明

梱包体

【課題】リボンユニットに損傷が与えられることを防止可能な梱包体を提供する。
【解決手段】本発明による梱包体10は、外箱20と、外箱20内に収納され、リボンユニット1を保持する保持体30とを備えている。保持体30は、底板31と、底板31に連結され、繰出ロール3の両端面3aに対向する一対の弾性保持部32とを有している。各弾性保持部32は、互いに折り曲げられて連結された複数の弾性保持パネル33を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボンと、リボンがロール状に巻き付けられた繰出ロールと、リボンを巻き取る巻取ロールとを有するリボンユニットを梱包する梱包体に係り、とりわけ、リボンユニットに損傷が与えられることを防止可能な梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、昇華転写プリンターでは、そのプリンター専用のインクリボンと印画紙(受像紙)が使用される。このため、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロールと、インクリボンがロール状に巻き付けられた繰出ロール、およびインクリボンを巻き取る巻取ロールを有するインクリボンユニットとが、セットとして、一つの梱包体に梱包されて輸送されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−51542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インクリボンの繰出ロールの巻径より印画紙ロールの巻径が大きいため、これらを梱包する梱包体は、印画紙ロールを中心に設計されている。このため、インクリボンの繰出ロールの梱包形態が、必ずしも最適化されているとは言い難かった。また、特許文献1においては、インクリボンの繰出ロールを収納する収納箱が外箱内に嵌合されて、収納箱が外箱に対して相対移動することを防止しているが、例えば、落下した時のように大きな衝撃力が負荷された場合には、インクリボンに損傷が与えられる可能性があった。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、インクリボンユニットに損傷が与えられることを防止可能な梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の解決手段として、リボンと、リボンがロール状に巻き付けられた繰出ロールと、リボンを巻き取る巻取ロールとを有するリボンユニットを梱包する梱包体において、外箱と、外箱内に収納され、リボンユニットを保持する保持体と、を備え、保持体は、底板と、底板に連結され、繰出ロールの両端面に対向する一対の弾性保持部とを有し、各弾性保持部は、互いに折り曲げられて連結された複数の弾性保持パネルを含んでいることを特徴とする梱包体を提供する。
【0007】
なお、上述した第1の解決手段による梱包体において、各弾性保持部は、2つの弾性保持パネルからなり、逆V字状の断面を有していることが好ましい。
【0008】
また、上述した第1の解決手段による梱包体において、保持体は、底板に連結され、各弾性保持部の弾性保持パネルの端縁にそれぞれ当接自在な一対の側板を更に有していることが好ましい。
【0009】
また、上述した第1の解決手段による梱包体において、保持体は、一方の側板に連結され、リボンユニットを覆う上板を更に有していることが好ましい。
【0010】
また、上述した第1の解決手段による梱包体において、保持体の底板は、外箱に連結されていることが好ましい。
【0011】
また、上述した第1の解決手段による梱包体において、保持体の底板と外箱の底板との間に、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロールが収納されることが好ましい。
【0012】
本発明は、第2の解決手段として、リボンと、リボンがロール状に巻き付けられた繰出ロールと、リボンを巻き取る巻取ロールとを有するリボンユニットを梱包する梱包体において、対向する一対の外箱側板を有する外箱と、リボンユニットを保持する保持体と、を備え、保持体は、繰出ロールの両端面に対向する一対の弾性保持部を有し、各弾性保持部は、対向する一対の外箱側板にそれぞれ連結されていることを特徴とする梱包体を提供する。
【0013】
なお、上述した第2の解決手段による梱包体において、リボンユニットの下方に、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロールが収納されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、インクリボンがロール状に巻き付けられた繰出ロールの両端面に弾性保持部が対向するように、リボンユニットが梱包される。このことにより、繰出ロールの軸方向に与えられる衝撃を確実に吸収することができ、リボンユニットに損傷が与えられることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における梱包体において、リボンユニットを梱包した状態を示す側方断面図。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態における梱包体において、リボンユニットを梱包した状態を示す上方断面図。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態において、リボンユニットを示す側面図。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態において、外箱用の外箱ブランク板を示す図。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態において、保持体用の保持体ブランク板を示す図。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態において、保持体ブランク板を折り曲げた状態を示す図。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態において、折り曲げられた保持体にリボンユニットを載置した状態を示す図。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態において、保持体上板が閉じられた状態を示す図。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態において、外箱用の外箱ブランク板を示す図。
【図10】図10は、本発明の第3の実施の形態において、外箱用の外箱ブランク板を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における梱包体について説明する。
【0017】
第1の実施の形態
まず、図1乃至図8を用いて、本発明の第1の実施の形態における梱包体10について説明する。ここで、梱包体10は、リボン2と、リボン2がロール状に巻き付けられた繰出ロール3と、リボン2を巻き取る巻取ロール4とを有するリボンユニット(図3参照)1を梱包するためのものである。ここで、リボン2は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンからなる三色のインクリボン、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックからなる四色のインクリボン、または保護フィルムからなる保護リボンからなっている。あるいは、リボン2は、三色のインクに保護フィルムが追加されたタイプのリボン、または四色のインクに保護フィルムが追加されたタイプのリボンからなっていても良い。また、図3に示す本実施の形態においては、繰出ロール3と巻取ロール4との間に緩衝シート5が介在され、リボンユニット1全体が、クッション性を有する包装シート6で覆われて、リボンユニット1は梱包体10に梱包されるようになっている。なお、図3に示すような緩衝シート5を用いることなく、繰出ロール3と巻取ロール4を包装シート6で覆うようにしてもよい。
【0018】
図1および図2に示すように、梱包体10は、外箱20と、外箱20内に収納され、2つのリボンユニット1を保持する保持体30とを備えている。このうち、外箱20は、外箱底板21と、4つの外箱側板22と、外箱上板23とを有し、直方体状に形成されている。
【0019】
保持体30は、矩形状の保持体底板(底板)31と、保持体底板31に連結され、リボンユニット1の繰出ロール3の両端面3aに対向する一対の弾性保持部32とを有している。このうち、各弾性保持部32は、繰出ロール3の端面3aに沿う方向に延びる山折線53(図5参照)に沿って互いに折り曲げられて連結された2つの弾性保持パネル33からなっており、図1において、逆V字状の断面を有している。
【0020】
また、保持体30は、保持体底板31に連結され、各弾性保持部32の弾性保持パネル33の端縁33aにそれぞれ当接自在な一対の保持体側板(側板)33を更に有している。なお、外箱20内に保持体30を収納させた場合、保持体側板34の外面は、対応する外箱側板22の内面に当接するようになっており、繰出ロール3の端面3aに沿う方向において、保持体30が、外箱20内で移動することを防止している。
【0021】
保持体30の一方の保持体側板34には、リボンユニット1の上方を覆う保持体上板35が連結されている。この保持体上板35の保持体側板34とは反対側の縁部に、2つの切欠部36(図5参照)が設けられており、梱包体10の開封時に保持体上板35を開ける場合の作業性を向上させている。
【0022】
次に、図4を用いて、外箱20用の外箱ブランク板40について説明する。外箱ブランク板40は、板紙からなり、4つの外箱側板22と、一の外箱側板22に連結され、組立時に対応する外箱側板22に接着剤等により接合される折返パネル41とを有している。各外箱側板22には、外箱底板21を構成する4つの底板フラップ42と、外箱上板23を構成する4つの上板フラップ43とがそれぞれ連結されている。このようにして、外箱20は、一体に形成された外箱ブランク板40から作製されるようになっている。
【0023】
続いて、図5を用いて、保持体30用の保持体ブランク板50について説明する。保持体ブランク板50は、板紙からなり、保持体底板31と、保持体底板31の対向する端縁に連結され、弾性保持部32を構成する4つの弾性保持パネル33とを有している。また、保持体底板31の他の対向する端縁には、一対の保持体側板34が連結されており、保持体側板34と弾性保持パネル33との間には、切込線51(実線で図示)がそれぞれ設けられている。さらに、一対の保持体側板34のうち一方の保持体側板34に、保持体上板35が連結されている。この保持体上板35には、上述した切欠部36が設けられている。なお、図5に示されている破線は、谷折り状に折り曲げる谷折線52を表しており、一点鎖線は、山折り状に折り曲げる山折線53を表している。ここで、谷折線52および山折線53は、プレス加工により形成されていてもよく、あるいは、ミシン目状もしくはハーフカット状に形成されていても良い。
【0024】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわちリボンユニット1を梱包する方法について説明する。
【0025】
まず、図4に示す外箱ブランク板40、および図5に示す保持体ブランク板50を準備する。
【0026】
続いて、外箱ブランク板40から外箱20が組み立てられる。この場合、まず、外箱側板22と折返パネル41とが互いに折り曲げられ、折返パネル41と対応する一の外箱側板22とが接着剤等により接合される。次に、底板フラップ42が外箱側板22に対して折り曲げられて閉じられ、接着テープ(図示せず)により底板フラップ42同士が貼り付けられ、外箱底板21が形成される。
【0027】
また、図6に示すように、保持体ブランク板50から保持体30が組み立てられる。この場合、保持体底板31に対して、弾性保持パネル33が谷折り状に折り曲げられ、弾性保持パネル33同士が、山折り状に折り曲げられる。また、一対の保持体側板34が、保持体底板31に対して、谷折り状に折り曲げられる。
【0028】
次に、図7に示すように、組み立てられた保持体30に、2つのリボンユニット1が保持される。この場合、リボンユニット1の繰出ロール3の端面3aが弾性保持部32に対向するように、リボンユニット1が保持体底板31上に載置される。
【0029】
続いて、図8に示すように、保持体上板35が、保持体側板34に対して折り曲げられ、保持体上板35により、リボンユニット1の上方が覆われる。
【0030】
次に、リボンユニット1と共に、保持体30が、外箱20内に収納される。
【0031】
その後、外箱20の上板フラップ43が折り曲げられて閉じられ、外箱上板23が形成され、図示しない接着テープにより上板フラップ43同士が貼り付けられる。このようにして、リボンユニット1が梱包体10に梱包される(図1および図2参照)。
【0032】
ところで、梱包体10からリボンユニット1を取り出す場合には、まず、接着テープが剥がされ、上板フラップ43が開けられる。続いて、リボンユニット1と共に保持体30が外箱20から取り出される。その後、保持体上板35を開けることにより、リボンユニット1を取り出すことができる。この場合、保持板上板34に切欠部36が設けられていることにより、保持板上板34を容易に開けることができる。
【0033】
このように本実施の形態によれば、リボンユニット1の繰出ロール3の端面3aに一対の弾性保持部32が対向するように、リボンユニット1が梱包される。このことにより、繰出ロール3の軸方向に与えられる衝撃を確実に吸収することができ、リボンユニット1に損傷が与えられることを防止することができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、弾性保持部32を、互いに折り曲げられた弾性保持パネル33によって構成することにより、リボンユニット1に損傷を与えることを防止可能な梱包体10の構造を簡素化することができると共に、リボンユニット1の梱包作業の効率を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、各弾性保持部32が、互いに折り曲げられて連結された2つの弾性保持パネル33からなり、逆V字状の断面を有していると共に、各弾性保持パネル33の両端縁33aが、対応する保持体側板34の内面に当接している。このことにより、各弾性保持部32が、繰出ロール3の端面3aに沿う方向に負荷される力に対する補強部材として機能し、当該方向における梱包体10の強度を向上させることができる。
【0036】
さらに、本実施の形態によれば、梱包体10に梱包されたリボンユニット1の上方が、保持体上板35により覆われている。このことにより、梱包体10にリボンユニット1が梱包された場合、リボンユニット1と外箱上板23との間に保持体上板35が介在され、外箱上板23をカッター等により開封する際に、リボン2が破損することを防止することができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、弾性保持部32が、互いに折り曲げて連結された2つの弾性保持パネル33により構成されている例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、弾性保持部32は、3つ以上の弾性保持パネル33を折り曲げて構成され、蛇腹状に形成されていても良い。この場合、繰出ロール3の軸方向に与えられる衝撃の吸収能力をより一層向上させることができる。
【0038】
また、本実施の形態においては、2つのインクリボンユニット1が梱包される例について説明したが、このことに限られることはなく、梱包されるインクリボンユニットの数は、任意とすることができる。
【0039】
第2の実施の形態
次に、図9により、本発明の第2の実施の形態における梱包体について説明する。
【0040】
図9に示す第2の実施の形態における梱包体において、保持体底板が、外箱に連結されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図9において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
図9に示すように、本実施の形態における外箱ブランク板60においては、4つの外箱側板22のうち対向する一対の外箱側板22の一方の外箱側板22に、外箱上板23を構成する上板フラップ43が連結され、他方の外箱側板22に、保持体30の保持体底板31が、連結板61を介して、連結されている。このようにして、保持体底板31が、外箱20に連結されている。なお、各弾性保持パネル33の端縁33aは、対応する外箱側板22の内面にそれぞれ当接するようになっている。
【0042】
また、本実施の形態における梱包体10は、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロール(図示せず)が収納されるようになっている。すなわち、連結板61は、外箱側板22の高さ寸法より小さい高さ寸法を有し、組み立てられた場合に、保持体30の保持体底板31と外箱20の外箱底板21との間に、印画紙ロールを収納可能な空間を形成するようになっている。
【0043】
図9に示す外箱ブランク板60を組み立てて、リボンユニット1を梱包する場合、まず、外箱側板22と折返パネル41とが互いに折り曲げられ、折返パネル41と対応する一の外箱側板22とが接着剤等により接合される。次に、底板フラップ42が外箱側板22に対して折り曲げられて閉じられ、接着テープ(図示せず)により底板フラップ42同士が貼り付けられ、外箱底板21が形成される。その後、外箱20の外箱底板21に、印画紙ロールが載置される。
【0044】
次に、保持体底板31に対して、弾性保持パネル33が谷折り状に折り曲げられると共に、弾性保持パネル33同士が、山折り状に折り曲げられる。続いて、連結板61が、外箱側板22および保持体底板31に対して折り曲げられる。その後、保持体30に、リボンユニット1が保持される。この場合、リボンユニット1の繰出ロール3の端面3aが弾性保持部32に対向するように、保持体底板31にリボンユニット1が載置される。
【0045】
次に、外箱20の上板フラップ43が折り曲げられて閉じられ、外箱上板23が形成され、図示しない接着テープにより外箱上板23が外箱側板22に貼り付けられる。このようにして、リボンユニット1および印画紙ロールが梱包体10に梱包される。
【0046】
このように本実施の形態によれば、リボンユニット1の繰出ロール3の端面3aに一対の弾性保持部32が対向するように、リボンユニット1が梱包される。このことにより、繰出ロール3の軸方向に与えられる衝撃を確実に吸収することができ、リボンユニット1に損傷が与えられることを防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、各弾性保持部32が、互いに折り曲げられて連結された2つの弾性保持パネル33からなり、逆V字状の断面を有していると共に、各弾性保持パネル33の両端縁33aが、対応する外箱側板22の内面に当接している。このことにより、各弾性保持部32が、繰出ロール3の端面3aに沿う方向に負荷される力に対する補強部材として機能し、当該方向における梱包体10の強度を向上させることができる。
【0048】
さらに、本実施の形態によれば、保持体30の保持体底板31と外箱20の外箱底板21との間に、印画紙ロールが収納される。このことにより、損傷が与えられることを防止可能に収納されたリボンユニット1と共に、印画紙ロールをも収納することができる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、保持体30の保持体底板31と外箱20の外箱底板21との間に、印画紙ロールが収納される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、連結板61が、外箱側板22の高さ寸法と同程度の高さ寸法を有し、組み立てられた場合に、保持体30の保持体底板31が外箱20の外箱底板21に当接するようにし、印画紙ロールを収納することなく、リボンユニット1を収納するようにしてもよい。
【0050】
第3の実施の形態
次に、図10により、本発明の第3の実施の形態における梱包体について説明する。
【0051】
図10に示す第3の実施の形態における梱包体において、保持体が、一対の弾性保持部を有し、各弾性保持部が、対応する外箱側板にそれぞれ連結されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図10において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
図10に示すように、本実施の形態における外箱ブランク板70においては、対向する一対の外箱側板22に、外箱上板23を構成する上板フラップ43が連結されている。さらに、対向する他の一対の外箱側板22に、保持体80を構成する弾性保持部82がそれぞれ連結されている。すなわち、当該外箱側板22に、弾性保持部82が、第1連結板71および第2連結板72を介してそれぞれ連結されている。
【0053】
また、本実施の形態における梱包体10は、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロール(図示せず)が収納されるようになっている。すなわち、第1連結板71は、外箱側板22の高さ寸法より小さい高さ寸法を有し、組み立てられた場合に、第2連結板72と外箱20の外箱底板21との間に空間が形成され、保持体30の弾性保持部82により保持されるリボンユニット1の下方に、印画紙ロールを収納するようになっている。
【0054】
各弾性保持部82は、繰出ロール3の端面3aに沿う方向に延びる山折線85に沿って互いに折り曲げられて連結された2つの弾性保持パネル83からなっており、図1に示すように、逆V字状の断面を有している。各弾性保持パネル83の端縁83aは、対応する外箱側板22の内面にそれぞれ当接するようになっている。なお、図10に示されている破線は、谷折り状に折り曲げる谷折線84を表しており、一点鎖線は、山折り状に折り曲げる山折線85を表している。ここで、谷折線84および山折線85は、プレス加工により形成されていてもよく、あるいは、ミシン目状もしくはハーフカット状に形成されていても良い。
【0055】
図10に示す外箱ブランク板70を組み立てて、リボンユニット1を梱包する場合、まず、外箱側板22と折返パネル41とが互いに折り曲げられ、折返パネル41と対応する一の外箱側板22とが接着剤等により接合される。次に、底板フラップ42が外箱側板22に対して折り曲げられて閉じられ、接着テープ(図示せず)により底板フラップ42同士が貼り付けられ、外箱底板21が形成される。その後、外箱20の外箱底板21に、印画紙ロールが載置される。
【0056】
次に、弾性保持パネル83同士が、山折り状に折り曲げられると共に、第1連結板71および第2連結板72が、外箱側板22および弾性保持パネル83に対して折り曲げられる。その後、保持体80に、リボンユニット1が保持される。この場合、リボンユニット1の繰出ロール3の端面3aが弾性保持部82に対向するように、印画紙ロール上にリボンユニット1が載置される。このことにより、リボンユニット1が、一対の弾性保持部82からなる保持体80により保持される。なお、リボンユニット1は、印画紙ロール上に、例えば板紙からなる介在板を介在させて、載置させるようにしてもよい。
【0057】
その後、外箱20の上板フラップ43が折り曲げられて閉じられ、外箱上板23が形成され、図示しない接着テープにより上板フラップ43同士が貼り付けられる。このようにして、リボンユニット1および印画紙ロールが梱包体10に梱包される。
【0058】
このように本実施の形態によれば、リボンユニット1の繰出ロール3の端面3aに一対の弾性保持部82が対向するように、リボンユニット1が梱包される。このことにより、繰出ロール3の軸方向に与えられる衝撃を確実に吸収することができ、リボンユニット1に衝撃が与えられることを防止することができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、各弾性保持部82が、互いに折り曲げられて連結された2つの弾性保持パネル83からなり、逆V字状の断面を有していると共に、各弾性保持パネル83の両端縁83aが、対応する外箱側板22の内面に当接している。このことにより、各弾性保持部82が、繰出ロール3の端面3aに沿う方向に負荷される力に対する補強部材として機能し、当該方向における梱包体10の強度を向上させることができる。
【0060】
さらに、本実施の形態によれば、保持体80により保持されるリボンユニット1の下方に、印画紙ロールが収納される。このことにより、損傷が与えられることを防止可能に収納されたリボンユニット1と共に、印画紙ロールをも収納することができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、リボンユニット1の下方に、印画紙ロールが収納される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1連結板71が、外箱側板22の高さ寸法と同程度の高さ寸法を有し、組み立てられた場合に、第2連結板72が外箱20の外箱底板21に当接するようにし、印画紙ロールを収納することなく、リボンユニット1を収納するようにしてもよい。
【0062】
以上、本発明による実施の形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に、適宜組み合わせることも可能である。また、これらの本実施の形態においては、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形も可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 リボンユニット
2 リボン
3 繰出ロール
3a 端面
4 巻取ロール
5 緩衝シート
6 包装シート
10 梱包体
20 外箱
21 外箱底板
22 外箱側板
23 外箱上板
30 保持体
31 保持体底板
32 弾性保持部
33 弾性保持パネル
33a 端縁
34 保持体側板
35 保持体上板
36 切欠部
40 外箱ブランク板
41 折返パネル
42 底板フラップ
43 上板フラップ
50 保持体ブランク板
51 切込線
52 谷折線
53 山折線
60 外箱ブランク板
61 連結板
70 外箱ブランク板
71 第1連結板
72 第2連結板
80 保持体
82 弾性保持部
83 弾性保持パネル
83a 端縁
84 谷折線
85 山折線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボンと、リボンがロール状に巻き付けられた繰出ロールと、リボンを巻き取る巻取ロールとを有するリボンユニットを梱包する梱包体において、
外箱と、
外箱内に収納され、リボンユニットを保持する保持体と、を備え、
保持体は、底板と、底板に連結され、繰出ロールの両端面に対向する一対の弾性保持部とを有し、
各弾性保持部は、互いに折り曲げられて連結された複数の弾性保持パネルを含んでいることを特徴とする梱包体。
【請求項2】
各弾性保持部は、2つの弾性保持パネルからなり、逆V字状の断面を有していることを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
保持体は、底板に連結され、各弾性保持部の弾性保持パネルの端縁にそれぞれ当接自在な一対の側板を更に有していることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包体。
【請求項4】
保持体は、一方の側板に連結され、リボンユニットを覆う上板を更に有していることを特徴とする請求項3に記載の梱包体。
【請求項5】
保持体の底板は、外箱に連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包体。
【請求項6】
保持体の底板と外箱の底板との間に、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロールが収納されることを特徴とする請求項5に記載の梱包体。
【請求項7】
リボンと、リボンがロール状に巻き付けられた繰出ロールと、リボンを巻き取る巻取ロールとを有するリボンユニットを梱包する梱包体において、
対向する一対の外箱側板を有する外箱と、
リボンユニットを保持する保持体と、を備え、
保持体は、繰出ロールの両端面に対向する一対の弾性保持部を有し、
各弾性保持部は、対向する一対の外箱側板にそれぞれ連結されていることを特徴とする梱包体。
【請求項8】
リボンユニットの下方に、印画紙がロール状に巻き付けられた印画紙ロールが収納されることを特徴とする請求項7に記載の梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−51601(P2012−51601A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194360(P2010−194360)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】