説明

梱包構造体および梱包方法

【課題】支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制しながら、支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれすることを防止する梱包構造体を提供する。
【解決手段】梱包構造体1は、太陽電池モジュール3を水平な状態で積み重ねて梱包する梱包構造体である。梱包構造体1は、垂直方向Zに積み重ねられる基体部111と基体部111から水平方向に突出する支持部112とを有する支持部材11と、支持部材11が隣接する他の支持部材11に対して横ずれするのを防止する横ずれ防止部材12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを梱包する梱包構造体、および梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包する梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュールを水平な状態で積み重ねて梱包する梱包構造体が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、光起電力モジュールの角部が載置される支持異形材が内側に突出するように形成された成形品部材を備えた差込みシステムが開示されている。成形品部材には、上側にほぞ(突部)が形成され、下側に空所が形成されている。この差込みシステムでは、4個の成形品部材が、それぞれ、1枚の光起電力モジュールの4つの角部を支持している。また、成形品部材のほぞは、その成形品部材の上方に配置される成形品部材の空所に差し込まれている。すなわち、この差込みシステムでは、成形品部材のほぞ−空所構造により、隣接する成形品部材が結合されることによって、成形品部材が垂直方向に積み重ねられており、積み重ねられる成形品部材により光起電力モジュールが支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−32978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の差込みシステムでは、ほぞが空所に差し込まれることにより、隣接する成形品部材が横ずれするのを防止することが可能であるが、成形品部材にほぞおよび空所を形成する必要があるので、成形品部材の耐久性が低下しやすいという問題点が考えられる。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制しながら、支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれすることを防止する梱包構造体を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制しながら、支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれすることを防止する梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包する梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る梱包構造体は、太陽電池モジュールを水平な状態で積み重ねて梱包する梱包構造体であって、垂直方向に積み重ねられる基体部と前記基体部から水平方向に突出する支持部とを有する支持部材と、前記支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれするのを防止する横ずれ防止部材とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によって、横ずれ防止部材により、支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれするのを防止しながら、支持部材を垂直方向に積み重ねることができる。そして、垂直方向に積み重ねられた各支持部材により、太陽電池モジュールを支持することができるので、太陽電池モジュールを水平な状態で積み重ねた場合にも、上に積まれた太陽電池モジュールの荷重が下の太陽電池モジュールに伝わるのを防止することができる。また、横ずれ防止部材を設けることにより、隣接する支持部材を結合するためのほぞおよび空所を支持部材に形成する必要がないので、支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制することができる。
【0010】
本発明に係る梱包構造体では、前記基体部は、平面的に見てL字状に形成され、前記支持部は、L字状の前記基体部の内側に設けられており、梱包する太陽電池モジュールを水平な状態で支持するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成により、支持部材が太陽電池モジュールの角部を支持することができる。
【0012】
本発明に係る梱包構造体では、前記基体部は、平面的に見て直線状に形成され、前記支持部は、直線状の前記基体部の一方側に設けられており、梱包する太陽電池モジュールを水平な状態で支持するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成により、支持部材が矩形状の太陽電池モジュールの直線部分を支持することができる。
【0014】
本発明に係る梱包構造体では、前記横ずれ防止部材は、前記支持部材の基体部と前記他の支持部材の基体部との間に配置されることを特徴とする。
【0015】
この構成により、横ずれ防止部材が支持部材の横ずれを容易に防止することができる。
【0016】
本発明に係る梱包構造体では、前記支持部材により支持される太陽電池モジュールの上方に配置される緩衝部材を備えることを特徴とする。
【0017】
この構成により、太陽電池モジュールが垂直方向にばたつくのを防止することができる。
【0018】
本発明に係る梱包構造体では、前記緩衝部材は、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部との間に配置されることを特徴とする。
【0019】
この構成により、隣接する太陽電池モジュールに負荷を与えることなく、太陽電池モジュールが垂直方向にばたつくのを防止することができる。
【0020】
本発明に係る梱包構造体では、前記横ずれ防止部材は、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部との間に配置され、前記支持部材に係合する第1係合部と前記他の支持部材に係合する第2係合部とを有することを特徴とする。
【0021】
この構成により、横ずれ防止部材が支持部材の横ずれを容易に防止することができる。
【0022】
本発明に係る梱包構造体では、前記横ずれ防止部材は、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部との間に配置され、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部とにより付勢されるように構成されていることを特徴とする。
【0023】
この構成により、横ずれ防止部材が支持部材の横ずれを容易に防止することができる。
【0024】
本発明に係る梱包構造体では、前記横ずれ防止部材は、前記支持部材により支持される太陽電池モジュールの上方に配置されることを特徴とする。
【0025】
この構成により、太陽電池モジュールが垂直方向にばたつくのを防止することができる。
【0026】
本発明に係る梱包構造体では、前記支持部材により支持される太陽電池モジュールは、フレームレスであることを特徴とする。
【0027】
この構成により、フレームレスの太陽電池モジュールを梱包することができる。
【0028】
本発明に係る梱包方法は、上記のいずれか一つに記載の梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包することを特徴とする。
【0029】
この構成によって、支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制しながら、支持部材が隣接する支持部材に対して横ずれすることを防止する梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る梱包構造体によれば、支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制しながら、支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれすることを防止することができる。
【0031】
また、本発明に係る梱包方法によれば、支持部材の耐久性が低下しやすくなるのを抑制しながら、支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれすることを防止する梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包する状態を示した斜視図である。
【図2A】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を示した平面図である。
【図2B】図2AのA−A断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体の支持部材を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体の横ずれ防止部材を示した斜視図である。
【図5A】本発明の実施の形態2に係る梱包構造体を示した平面図である。
【図5B】図5AのB−B断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る梱包構造体の支持部材を示した斜視図である。
【図7A】本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を示した平面図である。
【図7B】図7AのC−C断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る梱包構造体の支持部材を示した斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る支持部材を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包する状態を示した斜視図である。図1を参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1の概略について説明する。
【0035】
梱包構造体1は、パレット2の表面に4個取り付けられている。この4個の梱包構造体1は、パレット2に対して位置決めされている。そして、4個の梱包構造体1は、それぞれ、矩形状の太陽電池モジュール3の4つの角部を支持している。
【0036】
また、パレット2の表面に取り付けられた4個の梱包構造体1には、垂直方向Zに複数(図1の例では、8個)の梱包構造体1が積み重ねられている。そして、各段の4個の梱包構造体1により、1枚の太陽電池モジュール3が支持されている。すなわち、図1の例では、パレット2上に、9枚の太陽電池モジュール3が水平な状態で積み重ねられている。
【0037】
なお、パレット2上の太陽電池モジュール3は、段ボールなどにより包まれ、PP(ポリプロピレン)バンドなどによりパレット2に巻き付けられた状態で搬送される。
【0038】
また、梱包構造体1により支持される太陽電池モジュール3は、フレームレスである。すなわち、梱包構造体1によりフレームレスの太陽電池モジュール3を梱包することができる。
【0039】
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を示した平面図である。図2Bは、図2AのA−A断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る梱包構造体の支持部材を示した斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る梱包構造体の横ずれ防止部材を示した斜視図である。図2A、図2B、図3および図4を参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1の構造について説明する。
【0040】
梱包構造体1は、太陽電池モジュール3を水平な状態で積み重ねて梱包するように構成されている。梱包構造体1は、支持部材11と、横ずれ防止部材12と、緩衝部材13とを備えている。
【0041】
支持部材11(図3参照)は、垂直方向Zに積み重ねられる基体部111と、基体部111から水平方向に突出する支持部112とを有する。支持部材11は、たとえば、PPやABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)などの樹脂により一体的に形成されている。
【0042】
基体部111は、平面的に見てL字状に形成されている。すなわち、基体部111は、板状部材が直角に折れ曲がったような形状に形成されている。
【0043】
支持部112は、L字状の基体部111の内側に設けられており、梱包する太陽電池モジュール3を水平な状態で支持するように構成されている。この構成により、支持部材11が太陽電池モジュール3の角部を支持することができる。支持部112は、基体部111の垂直方向Zにおける中央部に設けられている。支持部112は、平面的に見て三角形状に形成されている。なお、支持部112は、平面的に見て、矩形状に形成されていてもよいし、円弧状に形成されていてもよい。
【0044】
横ずれ防止部材12(図4参照)は、支持部材11が隣接する他の支持部材11に対して横ずれするのを防止するために設けられている。なお、隣接する他の支持部材11とは、たとえば、所定の支持部材11に対する1つ上の支持部材11である。横ずれ防止部材12は、支持部材11の基体部111と、隣接する他の支持部材11の基体部111との間に配置されている。横ずれ防止部材12は、たとえば、PPやABSなどの樹脂により形成されている。
【0045】
横ずれ防止部材12は、平面的に見てL字状に形成されている。横ずれ防止部材12には、下面に平面視L字状の凹部(溝部)121が形成され、上面に平面視L字状の凹部122が形成されている。凹部121は、支持部材11の基体部111が配置されるように構成され、凹部122は、隣接する他の支持部材11の基体部111が配置されるように構成されている。この構成により、横ずれ防止部材12が支持部材11および隣接する他の支持部材11と係合するので、横ずれ防止部材12が支持部材11の横ずれを容易に防止することができる。なお、凹部121および凹部122の幅は、支持部材11の基体部111の幅と略同じ大きさである。
【0046】
緩衝部材13は、支持部材11により支持される太陽電池モジュール3の上方に配置されている。緩衝部材13は、たとえば、弾性変形可能である発泡スチロール(発泡ポリスチレン)などの発泡体である。緩衝部材13の一部は、支持部材11の支持部112と、隣接する他の支持部材11の支持部112との間に配置されている。この構成により、隣接する太陽電池モジュール3に負荷を与えることなく、太陽電池モジュール3が垂直方向Zにばたつくのを防止することができる。
【0047】
緩衝部材13の厚みは、支持部材11により支持される太陽電池モジュール3の上面と、隣接する他の支持部材11の支持部112の下面との間の距離と略同じ長さである。なお、緩衝部材13の全部が、支持部材11の支持部112と、隣接する他の支持部材11の支持部112との間に配置されていてもよいし、緩衝部材13が、隣接する太陽電池モジュール3の間に配置されていてもよい。
【0048】
次に、実施の形態1に係る梱包構造体1を用いて太陽電池モジュール3を梱包する梱包方法について説明する。なお、以下の梱包方法は、たとえば、自動機などにより行われる。
【0049】
まず、パレット2(図1参照)の表面に、4個の支持部材11(図2B参照)が所定の位置に位置決めされて取り付けられる。なお、所定の位置とは、梱包する太陽電池モジュール3(図2B参照)の4つの角部に対応する位置である。そして、1段目の4個の支持部材11の支持部112上に太陽電池モジュール3が載置される。
【0050】
次に、各支持部材11の基体部111上に横ずれ防止部材12(図2B参照)が配置される。このとき、横ずれ防止部材12の凹部121が支持部材11の基体部111の上端部に嵌め合わされる。そして、支持部材11により支持される太陽電池モジュール3の4つの角部近傍に緩衝部材13(図2A参照)が配置される。これにより、1段目の4個の梱包構造体1により1枚目の太陽電池モジュール3が支持される。
【0051】
次に、1段目の梱包構造体1上に2段目の梱包構造体1が配置される。具体的には、横ずれ防止部材12上に支持部材11が配置される。このとき、支持部材11の基体部111の下端部が横ずれ防止部材12の凹部122に挿入される。これにより、支持部材11の基体部111が垂直方向Zに積み重ねられる。そして、2段目の4個の支持部材11の支持部112上に太陽電池モジュール3が載置される。
【0052】
次に、各支持部材11の基体部111上に横ずれ防止部材12が配置される。このとき、横ずれ防止部材12の凹部121が支持部材11の基体部111の上端部に嵌め合わされる。そして、支持部材11により支持される太陽電池モジュール3の4つの角部近傍に緩衝部材13が配置される。これにより、2段目の4個の梱包構造体1により2枚目の太陽電池モジュール3が支持される。
【0053】
そして、同様の作業が繰り返し行われることにより、複数段の梱包構造体1が積み重ねられ、各段の4個の梱包構造体1により1枚の太陽電池モジュール3が支持される。その後、パレット2上の太陽電池モジュール3が段ボールなどにより包まれ、PPバンドなどにより太陽電池モジュール3がパレット2に巻き付けられる。
【0054】
実施の形態1では、上記のように、梱包構造体1は、垂直方向Zに積み重ねられる基体部111と基体部111から水平方向に突出する支持部112とを有する支持部材11と、支持部材11が隣接する他の支持部材11に対して横ずれするのを防止する横ずれ防止部材12とを備える。
【0055】
このように構成することによって、横ずれ防止部材12により、支持部材11が隣接する他の支持部材11に対して横ずれするのを防止しながら、支持部材11を垂直方向Zに積み重ねることができる。そして、垂直方向Zに積み重ねられた各支持部材11により、太陽電池モジュール3を支持することができるので、太陽電池モジュール3を水平な状態で積み重ねた場合にも、上に積まれた太陽電池モジュール3の荷重が下の太陽電池モジュール3に伝わるのを防止することができる。そして、太陽電池モジュール3を水平な状態で積み重ねることができるので、太陽電池モジュール3を1枚ずつ梱包する場合に比べて、梱包資材の削減によるコストダウンと、輸送効率の向上とを図ることができる。また、横ずれ防止部材12を設けることにより、隣接する支持部材11を結合するためのほぞおよび空所を支持部材11に形成する必要がないので、支持部材11の耐久性が低下しやすくなるのを抑制することができる。
【0056】
また、実施の形態1による梱包方法は、梱包構造体1を用いて太陽電池モジュール3を梱包する。
【0057】
<実施の形態2>
図5Aは、本発明の実施の形態2に係る梱包構造体を示した平面図である。図5Bは、図5AのB−B断面図である。図6は、本発明の実施の形態2に係る梱包構造体の支持部材を示した斜視図である。図5A、図5Bおよび図6を参照して、実施の形態2に係る梱包構造体1aの構造について説明する。
【0058】
梱包構造体1aは、太陽電池モジュール3を水平な状態で積み重ねて梱包するように構成されている。梱包構造体1aは、支持部材11aと、横ずれ防止部材12aとを備えている。
【0059】
支持部材11a(図6参照)は、垂直方向Zに積み重ねられる基体部111aと、基体部111aから水平方向に突出する支持部112aとを有する。支持部材11aは、たとえば、PPやABSなどの樹脂により一体的に形成されている。
【0060】
基体部111aは、平面的に見てL字状に形成されている。すなわち、基体部111aは、板状部材が直角に折れ曲がったような形状に形成されている。
【0061】
支持部112aは、L字状の基体部111aの内側に設けられており、梱包する太陽電池モジュール3を水平な状態で支持するように構成されている。この構成により、支持部材11aが太陽電池モジュール3の角部を支持することができる。支持部112aは、基体部111aの垂直方向Zにおける中央部に設けられている。支持部112aは、平面的に見て三角形状に形成されている。なお、支持部112aは、平面的に見て、矩形状に形成されていてもよいし、円弧状に形成されていてもよい。
【0062】
支持部112aには、上面に突部113が形成され、下面に突部114が形成されている。突部113および突部114は、L字状の基体部111aの内側面に沿うように、平面的に見てL字状に形成されている。
【0063】
横ずれ防止部材12aは、支持部材11aが隣接する他の支持部材11aに対して横ずれするのを防止するために設けられている。なお、隣接する他の支持部材11aとは、たとえば、所定の支持部材11aに対する1つ上の支持部材11aである。横ずれ防止部材12aは、支持部材11aの支持部112aと、隣接する他の支持部材11aの支持部112aとの間に配置されている。横ずれ防止部材12aは、たとえば、弾性変形可能である発泡スチロール(発泡ポリスチレン)などの発泡体である。
【0064】
横ずれ防止部材12aは、直方体状に形成されている。横ずれ防止部材12aには、下面に第1係合部123が形成され、上面に第2係合部124が形成されている。第1係合部123は、平面的に見てL字状の凹部(溝部)であり、支持部材11aの支持部112aの突部113が配置されるように構成されている。第2係合部124は、平面的に見てL字状の凹部(溝部)であり、隣接する他の支持部材11aの支持部112aの突部114が配置されるように構成されている。この構成により、横ずれ防止部材12aが支持部材11aおよび隣接する他の支持部材11aと係合するので、横ずれ防止部材12aが支持部材11aの横ずれを容易に防止することができる。
【0065】
なお、第1係合部123の幅および深さは、それぞれ、突部113の幅および高さと略同じ大きさであり、第2係合部124の幅および深さは、それぞれ、突部114の幅および高さと略同じ大きさである。
【0066】
また、横ずれ防止部材12aの下面には、直方体状の切欠部125が形成されている。切欠部125は、支持部材11aにより支持される太陽電池モジュール3の角部が配置されるように構成されている。すなわち、横ずれ防止部材12aは、支持部材11aにより支持される太陽電池モジュール3の上方に配置されるように構成されている。具体的には、横ずれ防止部材12aは、支持部材11aにより支持される太陽電池モジュール3の上面と、隣接する他の支持部材11aの支持部112aの下面との間に配置されるように構成されている。この構成により、太陽電池モジュール3が垂直方向Zにばたつくのを防止することができる。なお、横ずれ防止部材12aの切欠部125が形成されている部分の垂直方向Zにおける厚みは、支持部材11aにより支持される太陽電池モジュール3の上面と、隣接する他の支持部材11aの支持部112aの下面との間の距離と略同じ長さである。
【0067】
次に、実施の形態2に係る梱包構造体1aを用いて太陽電池モジュール3を梱包する梱包方法について説明する。なお、以下の梱包方法は、たとえば、自動機などにより行われる。
【0068】
まず、パレット2(図1参照)の表面に、4個の支持部材11a(図5B参照)が所定の位置に位置決めされて取り付けられる。なお、所定の位置とは、梱包する太陽電池モジュール3(図5B参照)の4つの角部に対応する位置である。そして、1段目の4個の支持部材11aの支持部112a上に太陽電池モジュール3が載置される。
【0069】
次に、各支持部材11aの支持部112a上に横ずれ防止部材12a(図5B参照)が配置される。このとき、横ずれ防止部材12aの第1係合部123が支持部112aの突部113に嵌め合わされることにより、横ずれ防止部材12aが支持部材11aに係合される。また、横ずれ防止部材12aの切欠部125には、支持部材11aにより支持される太陽電池モジュール3が配置される。これにより、1段目の4個の梱包構造体1aにより1枚目の太陽電池モジュール3が支持される。
【0070】
次に、1段目の梱包構造体1上に2段目の梱包構造体1が配置される。具体的には、パレット2に取り付けられた支持部材11aの基体部111a上に支持部材11aの基体部111aが直接配置される。これにより、支持部材11aの基体部111aが垂直方向Zに積み重ねられる。このとき、支持部材11aの支持部112aの突部114が横ずれ防止部材12aの第2係合部124に挿入されることにより、支持部材11aが横ずれ防止部材12aに係合される。そして、2段目の4個の支持部材11aの支持部112a上に太陽電池モジュール3が載置される。
【0071】
次に、各支持部材11aの支持部112a上に横ずれ防止部材12aが配置される。このとき、横ずれ防止部材12aの第1係合部123が支持部112aの突部113に嵌め合わされることにより、横ずれ防止部材12aが支持部材11aに係合される。また、横ずれ防止部材12aの切欠部125には、支持部材11aにより支持される太陽電池モジュール3が配置される。これにより、2段目の4個の梱包構造体1aにより2枚目の太陽電池モジュール3が支持される。
【0072】
そして、同様の作業が繰り返し行われることにより、複数段の梱包構造体1aが積み重ねられ、各段の4個の梱包構造体1aにより1枚の太陽電池モジュール3が支持される。その後、パレット2上の太陽電池モジュール3が段ボールなどにより包まれ、PPバンドなどにより太陽電池モジュール3がパレット2に巻き付けられる。
【0073】
なお、実施の形態2による梱包構造体1aの効果は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0074】
また、実施の形態2による梱包方法は、梱包構造体1aを用いて太陽電池モジュール3を梱包する。
【0075】
<実施の形態3>
図7Aは、本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を示した平面図である。図7Bは、図7AのC−C断面図である。図8は、本発明の実施の形態3に係る梱包構造体の支持部材を示した斜視図である。図7A、図7Bおよび図8を参照して、実施の形態3に係る梱包構造体1bの構造について説明する。
【0076】
梱包構造体1bは、太陽電池モジュール3を水平な状態で積み重ねて梱包するように構成されている。梱包構造体1bは、支持部材11bと、横ずれ防止部材12bとを備えている。
【0077】
支持部材11b(図8参照)は、垂直方向Zに積み重ねられる基体部111bと、基体部111bから水平方向に突出する支持部112bとを有する。支持部材11bは、たとえば、PPやABSなどの樹脂により一体的に形成されている。
【0078】
基体部111bは、平面的に見てL字状に形成されている。すなわち、基体部111bは、板状部材が直角に折れ曲がったような形状に形成されている。
【0079】
支持部112bは、L字状の基体部111bの内側に設けられており、梱包する太陽電池モジュール3を水平な状態で支持するように構成されている。この構成により、支持部材11bが太陽電池モジュール3の角部を支持することができる。支持部112bは、基体部111bの垂直方向Zにおける中央部に設けられている。支持部112bは、平面的に見て三角形状に形成されている。なお、支持部112bは、平面的に見て、矩形状に形成されていてもよいし、円弧状に形成されていてもよい。
【0080】
横ずれ防止部材12bは、支持部材11bが隣接する他の支持部材11bに対して横ずれするのを防止するために設けられている。なお、隣接する他の支持部材11bとは、たとえば、所定の支持部材11bに対する1つ上の支持部材11bである。横ずれ防止部材12bは、支持部材11bの支持部112bと、隣接する他の支持部材11bの支持部112bとの間に配置されている。横ずれ防止部材12bは、たとえば、弾性変形可能である発泡スチロール(発泡ポリスチレン)などの発泡体である。
【0081】
横ずれ防止部材12bは、直方体状に形成されている。また、横ずれ防止部材12bの下面には、直方体状の切欠部125bが形成されている。切欠部125bは、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3の角部が配置されるように構成されている。すなわち、横ずれ防止部材12bは、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3の上方に配置されるように構成されている。具体的には、横ずれ防止部材12bは、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3の上面と、隣接する他の支持部材11bの支持部112bの下面との間に配置されるように構成されている。この構成により、太陽電池モジュール3が垂直方向Zにばたつくのを防止することができる。
【0082】
そして、横ずれ防止部材12bの切欠部125bが形成されていない部分の垂直方向Zにおける厚みは、支持部材11bの支持部112bの上面と、隣接する他の支持部材11bの支持部112bの下面との間の距離よりも大きい。これにより、横ずれ防止部材12bは、梱包構造体1bが垂直方向Zに積み重ねられた場合に、支持部材11bの支持部112bと、隣接する他の支持部材11bの支持部112bとにより垂直方向Zに付勢されるように構成されている。この構成により、支持部材11bが横ずれしようとする際に大きな摩擦力がかかるので、横ずれ防止部材12bが支持部材11bの横ずれを容易に防止することができる。
【0083】
次に、実施の形態3に係る梱包構造体1bを用いて太陽電池モジュール3を梱包する梱包方法について説明する。なお、以下の梱包方法は、たとえば、自動機などにより行われる。
【0084】
まず、パレット2(図1参照)の表面に、4個の支持部材11b(図7B参照)が所定の位置に位置決めされて取り付けられる。なお、所定の位置とは、梱包する太陽電池モジュール3(図7B参照)の4つの角部に対応する位置である。そして、1段目の4個の支持部材11bの支持部112b上に太陽電池モジュール3が載置される。
【0085】
次に、各支持部材11bの支持部112b上に横ずれ防止部材12b(図7B参照)が配置される。このとき、横ずれ防止部材12bの切欠部125bには、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3が配置される。これにより、1段目の4個の梱包構造体1bにより1枚目の太陽電池モジュール3が支持される。
【0086】
次に、1段目の梱包構造体1b上に2段目の梱包構造体1bが配置される。具体的には、パレット2に取り付けられた支持部材11bの基体部111b上に支持部材11bの基体部111bが直接配置される。これにより、支持部材11bの基体部111bが垂直方向Zに積み重ねられる。このとき、自動機などにより支持部材11bが下方向に付勢された状態で配置される。このため、横ずれ防止部材12bが、支持部材11bの支持部112bと、隣接する他の支持部材11bの支持部112bとにより垂直方向Zに付勢される。そして、2段目の4個の支持部材11bの支持部112b上に太陽電池モジュール3が載置される。
【0087】
次に、各支持部材11bの支持部112b上に横ずれ防止部材12bが配置される。このとき、横ずれ防止部材12bの切欠部125bには、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3が配置される。これにより、2段目の4個の梱包構造体1bにより2枚目の太陽電池モジュール3が支持される。
【0088】
そして、同様の作業が繰り返し行われることにより、複数段の梱包構造体1bが積み重ねられ、各段の4個の梱包構造体1bにより1枚の太陽電池モジュール3が支持される。その後、パレット2上の太陽電池モジュール3が段ボールなどにより包まれ、PPバンドなどにより太陽電池モジュール3がパレット2に巻き付けられる。
【0089】
なお、実施の形態3による梱包構造体1bの効果は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0090】
また、実施の形態3による梱包方法は、梱包構造体1bを用いて太陽電池モジュール3を梱包する。
【0091】
<実施の形態4>
図9は、本発明の実施の形態4に係る支持部材を示した斜視図である。図9を参照して、実施の形態4に係る支持部材11cについて説明する。なお、実施の形態4に係る支持部材11cは、実施の形態1〜実施の形態3に係る梱包構造体に適用することが可能である。すなわち、実施の形態1〜実施の形態3に係る梱包構造体において、L字状の支持部材に代えて、直線状の支持部材11cを用いてもよい。
【0092】
支持部材11cは、垂直方向Zに積み重ねられる基体部111cと、基体部111cから水平方向に突出する支持部112cとを有する。支持部材11cは、たとえば、PPやABSなどの樹脂により一体的に形成されている。
【0093】
基体部111cは、平面的に見て直線状に形成されている。支持部112cは、直線状の基体部111cの一方側に設けられており、梱包する太陽電池モジュール3を水平な状態で支持するように構成されている。この構成により、支持部材11cが矩形状の太陽電池モジュール3の直線部分を支持することができる。支持部112cは、平面的に見て矩形状に形成されている。なお、支持部112cは、平面的に見て、三角形状に形成されていてもよいし、円弧状に形成されていてもよい。
【0094】
なお、直線状の支持部材11cのみで太陽電池モジュール3を支持するようにしてもよいし、L字状の支持部材11bおよび直線状の支持部材11cで太陽電池モジュール3を支持するようにしてもよい。
【0095】
また、実施の形態4による支持部材11cを用いた梱包方法は、実施の形態1〜実施の形態3と同様である。
【0096】
本発明は、上述した実施の形態1〜実施の形態4に限定されるものではない。たとえば、実施の形態1〜実施の形態4では、太陽電池モジュール3がフレームレスである例を示したが、太陽電池モジュールがフレーム付きであってもよい。
【0097】
また、実施の形態1では、梱包構造体1が緩衝部材13を備える例を示したが、これに限らず、梱包構造体1が緩衝部材13を備えていなくてもよい。
【0098】
また、実施の形態2では、支持部112aに突部113および突部114が形成され、横ずれ防止部材12aに溝状の第1係合部123および第2係合部124が形成される例を示したが、これに限らず、支持部材112aに凹部が形成され、横ずれ防止部材12aに突状の第1係合部および第2係合部が形成されるようにしてもよい。
【0099】
また、実施の形態3では、横ずれ防止部材12bの切欠部125bが形成されていない部分の垂直方向Zにおける厚みが、支持部材11bの支持部112bの上面と、隣接する他の支持部材11bの支持部112bの下面との間の距離よりも大きい例を示したが、これに限らず、横ずれ防止部材12bの切欠部125bが形成されている部分の垂直方向Zにおける厚みが、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3の上面と、隣接する他の支持部材11bの支持部112bの下面との間の距離よりも大きくなるようにしてもよい。このように構成すれば、横ずれ防止部材12bは、梱包構造体1bが垂直方向Zに積み重ねられた場合に、支持部材11bにより支持される太陽電池モジュール3と、隣接する他の支持部材11bの支持部112bとにより垂直方向Zに付勢される。
【0100】
また、実施の形態3では、横ずれ防止部材12bに切欠部125bが形成される例を示したが、これに限らず、横ずれ防止部材12bに切欠部125bが形成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1、1a、1b 梱包構造体
3 太陽電池モジュール
11、11a、11b、11c 支持部材
12、12a、12b 横ずれ防止部材
13 緩衝部材
111、111a、111b、111c 基体部
112、112a、112b、112c 支持部
123 第1係合部
124 第2係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールを水平な状態で積み重ねて梱包する梱包構造体であって、
垂直方向に積み重ねられる基体部と前記基体部から水平方向に突出する支持部とを有する支持部材と、
前記支持部材が隣接する他の支持部材に対して横ずれするのを防止する横ずれ防止部材とを備えること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包構造体であって、
前記基体部は、平面的に見てL字状に形成され、
前記支持部は、L字状の前記基体部の内側に設けられており、梱包する太陽電池モジュールを水平な状態で支持するように構成されていること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項3】
請求項1に記載の梱包構造体であって、
前記基体部は、平面的に見て直線状に形成され、
前記支持部は、直線状の前記基体部の一方側に設けられており、梱包する太陽電池モジュールを水平な状態で支持するように構成されていること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の梱包構造体であって、
前記横ずれ防止部材は、前記支持部材の基体部と前記他の支持部材の基体部との間に配置されること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項5】
請求項4に記載の梱包構造体であって、
前記支持部材により支持される太陽電池モジュールの上方に配置される緩衝部材を備えること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の梱包構造体であって、
前記緩衝部材は、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部との間に配置されること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項7】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の梱包構造体であって、
前記横ずれ防止部材は、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部との間に配置され、前記支持部材に係合する第1係合部と前記他の支持部材に係合する第2係合部とを有すること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項8】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の梱包構造体であって、
前記横ずれ防止部材は、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部との間に配置され、前記支持部材の支持部と前記他の支持部材の支持部とにより付勢されるように構成されていること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の梱包構造体であって、
前記横ずれ防止部材は、前記支持部材により支持される太陽電池モジュールの上方に配置されること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一つに記載の梱包構造体であって、
前記支持部材により支持される太陽電池モジュールは、フレームレスであること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一つに記載の梱包構造体を用いて太陽電池モジュールを梱包すること
を特徴とする梱包方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−229041(P2012−229041A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98294(P2011−98294)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【特許番号】特許第5063796号(P5063796)
【特許公報発行日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】