説明

棚替支援方法、棚替支援プログラム及び記録媒体

【課題】販売店状況に応じて、効率よく棚替を実施することができる棚替支援方法、棚替支援プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】商品の撤去、移動及び追加等の棚替に係わる作業を類型化し、その類型に応じて、作業に要する労力又は作業時間等に基づいて設定した任意の数値を付与する。そして、棚替を完了するために必要な全作業の数値を合計して、棚替作業全体を評価し、更に、その合計値から棚替に要する時間又は費用を予測する。また、これらの評価工程をプログラム化し、このプログラムをコンピュータ上で動作させることにより、各工程を連続的に自動計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売店において、商品、棚段及びフック段等を移動、撤去又追加して商品の陳列状態を変更する棚替作業を支援するための棚替支援方法、この棚替支援方法を実行するための支援プログラム及びこのプログラムを記録した記録媒体に関する。より詳しくは、コンピュータを利用して棚替作業を評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店及びドラッグストア等の商品販売店においては、商品の陳列位置が売上に大きく影響することから、棚の商品陳列状態(棚割)の変更、即ち、棚替が頻繁に行われている。そこで、従来、棚替に関連して、幾つかのシステムが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
特許文献1には、個々の商品の販売実績に基づき、商品の陳列数を自動決定すると共に、商品配置に関する知識を用いて商品の陳列位置を自動決定する棚割管理システムが開示されている。また、特許文献2には、各店舗のPOS(Point Of Sales)端末及び店舗端末とネットワークを介して接続され、POS端末に入力された棚売上実績情報と店舗端末に入力された売上商品別売上予測情報とに基づき、最も効率的な商品と棚との組み合わせをシミュレートし、その結果を各店舗端末に送信する商品陳列シミュレーションサーバー装置が開示されている。
【0004】
更に、特許文献3には、例えば、過去の商品販売実績情報、季節、時刻及び天気情報等に基づいて、時間の経過に従って変化する商品の陳列方法を決定する商品陳列方法決定手段により、その時点の商品の陳列方法を決定し、その結果を、店舗内の所定位置に配置された複数の商品情報表示装置で表示させる電子商品陳列システムが開示されている。
【0005】
更にまた、特許文献4には、商品の属性情報を受信し、商品の状態(棚に陳列されている状態又は取り出された状態)に関する情報とその状態での時間とを検出し、時間から算出されたその商品に対する顧客の興味深度と、予め記憶された商品属性の改善案に関する情報とに基づいて、商品の陳列位置の改善案を出力する陳列商品マーケティングシステムが開示されている。
【特許文献1】特開昭63−261462号公報
【特許文献2】特開2004−151955号公報
【特許文献3】特開2004−199237号公報
【特許文献4】特開2006−301823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1〜4に記載された技術は、いずれも商品の陳列位置を決定する棚割作業を支援するためのシステムであり、これらのシステムにより提案された棚割を実現するための棚替作業については、何ら検討がなされていない。このため、前述した従来の技術は、棚割を決める作業は効率化できても、その後の棚替作業に時間がかかってしまうという問題点がある。
【0007】
また、例えば、棚割作成をサプライヤーに委託する場合、又はフランチャイズチェーン等において本部で一括して棚割を作成する場合等のように、販売店では棚割作成作業を行わず、棚替作業のみを実施することがある。このような場合、各販売店に新たな棚割と併せて、棚替作業に要する時間も知らせる必要がある。特に、店舗数又は売場数が多い販売店の場合、1つの店舗又は売場でのロスは数分であっても、全ての店舗又は売場分を合計すると大きなロスとなってしまうため、販売店の状況を加味し、実際の作業時間に近い値を予測することが望ましい。しかしながら、前述した従来の方法では、棚替作業に要する時間を予測することは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、販売店の状況に応じて、効率よく棚替を実施することができる棚替支援方法、棚替支援プログラム及び記録媒体を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コンピュータを利用して商品の棚替作業を評価する方法であり、棚替に係わる作業を類型化して、その類型に応じて任意の数値を付与し、該数値によって前記作業を評価する。
本発明においては、前記数値を、作業に要する労力又は作業時間に基づいた値とすることができる。
また、前記棚替を完了するために必要な全作業の前記数値を合計し、その値により、棚替全体を評価してもよい。その場合、前記数値の合計値から、棚替に要する時間又は費用を予測することもできる。
このとき、前記数値を、その類型の作業を完了させるために要する工数としてもよい。
また、棚替前後の棚割を比較し、各比較対象物に設定された比較要素の変化に基づき、棚替前の比較対象物と棚替後の比較対象物とを対応付けすることもできる。
更に、前記コンピュータを利用して棚割作成作業を行い、引き続き、作成された棚割を実現するための棚替作業を評価してもよい。その際、棚替前及び/又は棚替後の棚割と共に、その棚替に必要な作業を類型毎に色分けして図示してもよい。更に、棚替後の商品の陳列位置及び差替内容から売上予測値を算出すると共に、前記数値から棚替に要する費用予測値を算出し、これらの値に基づいて棚替に伴う収支を予測することもできる。
なお、本発明には、上述した棚替支援方法をコンピュータに実行させる棚替支援プログラムも含まれる。この棚替支援プログラムは、棚割作成を支援するプログラムと併用することもできる。また、本発明には上述した棚替支援プログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体も含まれる。
【0010】
(用語説明)
「棚替」は、販売店において、棚に陳列されている商品の位置を移動したり、現在陳列されている商品を撤去して、新たな商品を追加したり、また、必要に応じて、棚段及び/又はフック段の移動、撤去又は追加する等の各種作業を行うことにより、棚の商品陳列状態を変更することを指す。
【0011】
「棚割」は、棚替のシミュレーションであり、棚に陳列されている(陳列する)商品の種類及びその位置、並びに棚段及びフック段の位置等を検討し、棚替後の商品陳列状態を決定することを指す。
【0012】
「比較対象物」は、棚替前後の棚割で比較する物であり、例えば、商品、棚段及びフック段等が挙げられる。
【0013】
「比較要素」は、棚替前後の棚割で比較対象物を比べる際の指標であり、例えば、所定の位置からの距離及び比較対象物の位置座標等が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、棚替における各作業を数値化して評価しているため、各商品販売店状況に応じて、効率よく棚の商品陳列状態を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0016】
本発明の棚替支援方法は、コンピュータを利用して商品の棚替作業を評価する方法である。図1〜図3は棚替における各種作業を模式的に示す図であり、図1は商品の撤去作業を、図2は商品の移動作業を、図3は商品の追加作業を夫々示す。一般に、棚替を行う際は、図1に示すように棚1から商品2を撤去する作業、図2に示すように棚1に陳列されている商品2を別の位置に移動する作業、及び図3に示すように棚1に新たな商品2を追加する作業等が発生する。なお、図1〜図3には示していないが、棚替においては、上述した商品の移動・撤去・追加以外に、棚段又はフック段を、移動、撤去又は追加する作業が発生することもある。そして、その作業によって、作業者の負担の度合いが異なる。
【0017】
例えば、商品2を水平移動する作業x及び商品2を上下方向に移動(縦移動)する作業yは、商品2の移動距離によって作業者の負担の度合いが変化し、商品2の大きさ及び重さ等にもよるが、移動距離が40mm未満の水平移動及び移動距離が80mm未満の縦移動であれば、作業者の負担は極めて少ないと考えられる。また、商品2を斜め方向に商品を移動する作業zは、水平移動と縦移動の両方を伴う場合があり、例えば、大きさ及び重さが同じである商品で比較した場合、移動距離にもよるが、前述した水平移動作業x及び縦移動作業yよりも作業者の負担が大きくなることがある。更に、棚をフックに変更し、新たに商品を追加する作業(図示せず)は、作業者の負担が大きくなる。
【0018】
そこで、本発明においては、先ず、上述した各種作業を類型化し、その類型に応じて作業毎に任意の数値を付与する。棚替における各作業に付与する数値は、販売店の状況に応じて適宜設定することができるが、その類型の作業を実行するための労力又は時間等のように、作業者の負担の度合いに基づいて設定することが望ましい。なお、各類型の作業に付与する数値の一例として、1フェースあたりの商品を処理するために必要な作業工数(以下、単位作業工数という)を下記表1に示す。
【0019】
【表1】

【0020】
上記表1に示すように、空いている場所に新たに商品を導入(追加)する作業の単位作業工数を「1」とした場合、棚から商品を撤去(カット)する作業の単位作業工数は「1」となる。また、商品を同じ段で水平移動させる作業の場合、移動距離が40mm未満であれば単位作業工数は「0」であるが、40mm以上300mm未満の移動では「0.8」となり、移動距離が長くなるに従い単位作業工数の値は大きくなる。更に、上下方向に段を換えて移動する作業は、移動距離が80mm以上であれば、全て単位作業工数は「1」となる。
【0021】
なお、上記表1では、1フェースあたりの商品を処理するために必要な作業工数を例に説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1棚段あたりの作業工数を付与してもよい。また、本発明の棚替支援方法においては、工数以外の数値を付与することも可能であり、例えば、作業者の負担の度合い(工数)に、各商品の在庫数を加味した「値」を設定することも可能である。その場合、加味する在庫数は、基本的には実在庫数であるが、実在庫数が陳列可能商品数を上回った場合は、陳列可能最大在庫数を採用することもできる。
【0022】
次に、各作業に付与した数値によって夫々の作業を評価する。各作業を評価するにあたっては、作業毎又は棚段毎に行うことも可能であるが、1つの棚、1ブロック又は1フロアーの棚替作業について評価することもできる。例えば、1つの棚の棚替作業について評価を行いたい場合は、その棚の棚替を完了するために必要な全作業の数値を合計すればよい。
【0023】
以下、本発明の棚替支援方法を実施するための一形態として、棚替をその合計工数で評価する方法を説明する。図4は本実施形態の棚替支援方法をその工程順に示すフローチャート図である。図4に示すように、本実施形態の棚替支援方法においては、予め作成された棚割を実現するための棚替作業について、コンピュータを利用して評価を行う。具体的には、先ず、類型毎に単位作業工数を設定し、併せて、評価項目(棚替に要する時間・費用等)及びその評価項目における1工数あたりに要する値等を設定する(ステップS1)。図5はステップS1を実行するための設定画面の例を示す図である。例えば、図5に示すように、評価項目(算出方法)として「時間」を選択した場合は、1工数あたりの作業時間を設定する。なお、単位作業工数、評価項目及びその評価項目における1工数あたりに要する値等の条件は、商品販売店の状況に応じて適宜設定することができる。
【0024】
次に、現在の棚割と棚替後の棚割とを比較し、その棚割を実現するために必要な作業、及び棚替の全作業を完了するまでに要する合計工数をコンピュータにより自動計算する(ステップS2)。図6はステップS2の概要を示す図である。図6に示すように、ステップS2においては、先ず、変更前の棚割(現在の棚割)及び変更後(棚替後)の棚割の比較対象物(オブジェクト)同士を対応付けする。このとき、比較対象物としては、少なくとも商品が挙げられるが、棚替において棚板の移動・撤去又はフック段の設置・撤去等の作業を伴う場合は、棚板及び/又はフック段等についても対応付けする必要がある。
【0025】
また、比較対象物の対応付けは、各比較対象物に比較要素を設定し、変更前後で比較要素の変化の有無を確認する方法等により行うことができる。この比較要素としては、所定の位置からの距離又は比較対象物の位置座標等が挙げられる。例えば、棚板及びフック段の場合は、床から棚板又はフック段の上部までの距離(棚又はフック段のY座標)を適用することができ、また、商品の場合は、所定の位置から商品までの距離(例えば、棚の左下から商品の左下までの距離等)を適用することができる。
【0026】
次に、対応付けの結果に基づき、各比較対象物に対して行う作業(追加、カット、水平移動、縦移動、変更なし等)を決定し、その作業内容に応じてステップS1で設定した単位作業工数を付与する。例えば、図6に示すオブジェクト1とオブジェクトA、及びオブジェクト3とオブジェクトBのように、対応付けがなされた比較対象物に対する作業は、「移動」又は「変更なし」となる。具体的には、対応付けはされたが、比較要素に変化がない比較対象物は「変更なし」として、工数0を付与する。同様に、変化はあるが僅かである比較対象物(例えば、移動距離が40mm以内の平行移動等)についても工数0を付与する。また、「移動」については、比較要素の変化の内容(方向・距離等)に基づいて作業内容を決定し、対応する工数を付与する。なお、同じ商品が異なる位置に複数存在する等のように、対応付け可能な比較対象物が複数ある場合には、変更前後で比較要素が最も近似するもの同士を結び付けることが望ましい。
【0027】
一方、例えば、図6に示すオブジェクト2及びオブジェクトCのように、対応付けがなされなかった比較対象物に対する作業は、「追加」又は「カット」となる。具体的には、変更前に存在しているが、変更後には存在していない比較対象物(オブジェクト2)には、「削除(商品の場合は撤去又はフェース削減)」として、対応する工数(例えば工数1)を付与する。これに対して、変更後にのみ存在している比較対象物(オブジェクトC)には、「追加(商品の場合は新規導入又はフェース増加)」として、対応する工数(例えば工数1)を付与する。そして、比較対象物毎に付与した工数を合計し、棚替の全作業を完了するまでに要する合計工数を求める。
【0028】
次に、ステップS2で求めた合計工数から、その棚替を完了させるために要する時間(作業予測時間)又は費用(作業予測費用)等を、コンピュータにより自動計算する(ステップS3)。その後、ステップS3で求めた作業予測時間又は作業予測費用等、ステップS2で算出した合計工数及び作業内容等の評価結果を、コンピュータに接続された表示装置等に表示するか又は紙等に出力する(ステップS4)。図7は評価結果の出力例を示す図である。そして、表示又は出力した評価結果で問題ない場合は、表示又は出力内容に従って棚替を実施する(ステップS5)。一方、作業時間等を更に短縮したい場合は、棚割の見直し等を行い、再度、ステップS1又はS2から実施する。
【0029】
また、ステップS5において棚替を実行するにあたっては、表示装置等に表示されている画像又は作業内容等が出力された紙等を見ながら作業してもよいが、これらのデータをPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な端末に移行し、作業内容を手元で確認しながら作業することも可能である。これにより、作業者が不慣れであっても、容易に棚替作業を実施することができる。また、作業内容については、図7に示すように、変更前後の棚割を図示し、作業内容を類型毎に色分けして表示することが好ましい。なお、図7においては、色の違いはハッチングを変えて示している。また、図7では商品に関する作業のみを色分けして示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、棚段及びフック段等、商品以外の比較対象物についても、作業内容を類型毎に色分けして表示することができる。このように、変更前後の棚割と共に具体的な作業内容を示すことにより、作業者に棚替時における作業内容をより明確に伝えることができるため、棚替作業をより効率化することができる。
【0030】
本実施形態の棚替支援方法においては、棚替を行う店舗で、上述したステップS1〜S5の全工程を実施する必要はない。例えば、フランチャイズチェーン等の場合は、ステップS1〜S4の工程は本部で一括して実施し、その結果に基づきステップS5の工程を各店舗で実施してもよい。また、例えば、小売業者がサプライヤーに棚割委託する場合は、ステップS1〜S4の工程をサプライヤーが行い、小売業者はその結果を確認し、各店舗でステップS5の工程を実施することとなる。この場合、各店舗に棚替を指示する時点で、作業予測時間が明確になっているため、各店舗でも実施のための日程調整が容易となる。更に、本実施形態の棚替支援方法は、上述したステップS1〜S4の工程をプログラム化し、コンピュータ上で連続して実行してもよい。更に、コンピュータを利用して棚割を作成した後、そのデータを利用して、ステップS1〜S4の処理を行うこともできる。
【0031】
以上詳述したように、本発明の棚替支援方法においては、棚替に係わる作業を数値化して、その数値によって各作業内容を評価しているため、評価結果に基づいて棚替作業を実行することにより、作業の無駄をなくし、効率よく棚替を行うことができる。また、棚替を完了するまでの全作業について評価し、その作業時間を予測することもできるため、実施前に棚替作業に要する時間を確認することができる。更に、各作業に付与する数値は、販売店の状況に応じて適宜設定することが可能であるため、作業者のレベル及び販売商品等が異なる種々の販売店に適用することが可能である。
【0032】
更に、棚板、フック段及び商品等の比較対象物をオブジェクト化し、位置ベクトル等の比較要素により、変更前後の棚割のオブジェクト同士を対応付けすることで、棚替の合計工数の計算及び作業内容の設定を、容易にかつ短時間で実施することができる。更にまた、本発明の棚替支援方法においては、評価結果を表示又は出力することもできるため、アルバイト等のように棚替作業に不慣れな者でも、効率よく作業することが可能となる。その結果、本発明の棚替支援方法によれば、店舗数及び売り場数が多い販売店においても、作業時間のロスを最小限に抑制することができ、効率的に棚替作業を実施することができる。
【0033】
なお、本発明の棚替支援方法は、上述した各評価工程をプログラム化し、コンピュータ上で連続して実行してもよく、その場合でも、上述した効果が得られる。また、このような棚替支援プログラムは、既存の棚割作成支援プログラムと併せて使用してもよく、又は、既存の棚割作成支援プログラムに付加してもよい。これにより、商品売上実績及び売上予測等の棚割作成支援プログラムで使用・算出した値と、作業予測時間又は作業予測費用等の棚替支援プログラムで求めた値とを、併せて表示又は出力することも可能となる。また、棚割作成支援プログラムで棚替後の陳列位置及び品替えから売上予測値を算出すると共に、棚替支援プログラムで棚替に要する費用予測値を算出し、これらの値に基づいて棚替に伴う収支を予測することもできる。その結果、従来別々に行われることが多かった棚割作成作業と棚替作業とを、連続して行うことが可能となり、棚替に伴う作業をより効率化することができる。
【0034】
また、このような棚替支援プログラムは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、磁気テープ及び磁気ディスク等の各種記録媒体に記録して提供することができる。又は、ネットワーク等の通信網を介して、サーバコンピュータの記憶装置に格納されたプログラムを実行してもよい。その場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、1店舗で独立した商品販売店でも利用可能であるが、特に、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店及びドラッグストア等のように、店舗数又は売場数が多い商品販売店の棚替作業に好適な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】棚替における撤去作業を模式的に示す図である。
【図2】棚替における移動作業を模式的に示す図である。
【図3】棚替における追加作業を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る棚替支援方法をその工程順に示すフローチャート図である。
【図5】ステップS1を実行するための設定画面の例を示す図である。
【図6】図4に示すステップS2の概要を示す図である。
【図7】評価結果の出力例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 棚
2 商品
x 商品を水平移動する作業
y 商品を縦移動する作業
z 商品を斜め移動する作業


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを利用して商品の棚替作業を評価する方法であって、
棚替に係わる作業を類型化して、その類型に応じて任意の数値を付与し、該数値によって前記作業を評価する棚替支援方法。
【請求項2】
前記数値を、作業に要する労力又は作業時間に基づいた値とすることを特徴とする請求項1に記載の棚替支援方法。
【請求項3】
更に、前記棚替を完了するために必要な全作業の前記数値を合計し、その値により、棚替全体を評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の棚替支援方法。
【請求項4】
前記数値の合計値から、棚替に要する時間又は費用を予測することを特徴とする請求項3に記載の棚替支援方法。
【請求項5】
前記数値が、その類型の作業を完了させるために要する工数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の棚替支援方法。
【請求項6】
棚替前後の棚割を比較し、各比較対象物に設定された比較要素の変化に基づき、棚替前の比較対象物と棚替後の比較対象物とを対応付けすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の棚替支援方法。
【請求項7】
前記コンピュータを利用して棚割作成作業を行い、引き続き、作成された棚割を実現するための棚替作業を評価することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の棚替支援方法。
【請求項8】
棚替前及び/又は棚替後の棚割と共に、その棚替に必要な作業を類型毎に色分けして図示することを特徴とする請求項7に記載の棚替支援方法。
【請求項9】
更に、棚替後の商品の陳列位置及び差替内容から売上予測値を算出すると共に、前記数値から棚替に要する費用予測値を算出し、これらの値に基づいて棚替に伴う収支を予測することを特徴とする請求項7又は8に記載の棚替支援方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の棚替支援方法をコンピュータに実行させる棚替支援プログラム。
【請求項11】
棚割作成を支援するプログラムと併用されることを特徴とする請求項10に記載の棚替支援プログラム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の棚替支援プログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−269418(P2008−269418A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113367(P2007−113367)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(399051504)日本総合システム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】