椅子兼用ベッド
【課題】ベッド形から椅子形への転換を容易に行える簡易構造の椅子兼用ベッドの提供。
【解決手段】背部レスト61、大腿部レスト62、下腿部レスト63、及び足部レスト64を屈曲自在に連結して床板フレーム6を構成する。背部レスト61はその裏面側に固着される作動板66を架台1に回転自在に結合して該架台上で上下方向に旋回可能に支持され、足部レスト64はヒンジ部材69を介して架台1に連結される。大腿部レスト62は連接杆8を介して架台1に連結され、背部レスト61が上方旋回されるとき連接杆8により大腿部レスト62の一端側が押し上げられて該大腿部レスト62と下腿部レスト63との連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がる。背部レスト61が定位置まで起き上がった状態では、大腿部レスト62が架台1上で水平状に支持され、大腿部レスト62の下方位置で足部レスト64が下腿部レスト63の裏側に折り畳まれる。
【解決手段】背部レスト61、大腿部レスト62、下腿部レスト63、及び足部レスト64を屈曲自在に連結して床板フレーム6を構成する。背部レスト61はその裏面側に固着される作動板66を架台1に回転自在に結合して該架台上で上下方向に旋回可能に支持され、足部レスト64はヒンジ部材69を介して架台1に連結される。大腿部レスト62は連接杆8を介して架台1に連結され、背部レスト61が上方旋回されるとき連接杆8により大腿部レスト62の一端側が押し上げられて該大腿部レスト62と下腿部レスト63との連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がる。背部レスト61が定位置まで起き上がった状態では、大腿部レスト62が架台1上で水平状に支持され、大腿部レスト62の下方位置で足部レスト64が下腿部レスト63の裏側に折り畳まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に身障者や病弱な高齢者などの要介護者を対象とするベッドに係わり、特に要介護者が身体機能を回復するために自立歩行することを支援する椅子兼用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、身障者や病弱な高齢者をはじめ、術後の入院患者などは床内での生活を余儀なくされるが、寝たきりの時間が長くなると身体機能の低下が進行するので、筋力の衰えを回復させたり、大脳に刺激を与えたりするためには歩行訓練が極めて有効であるとされている。
【0003】
しかし、身体に大きな機能障害を抱えた者では、自ら起き上がることはできないし、食事や排泄などの際にも身内や専門の介護士による介護を必要とする。
【0004】
従来、そのような要介護者を対象として、マットレスを載せる床板フレームがフラットな状態から椅子形に転換するようにした種々の椅子兼用ベッドが提案されている。
【0005】
例えば、その種のベッドとして、ベッドのサイドフレーム間にその長手方向に沿って往復動する台車を設け、その台車に背床、腰床、及び2分割された足床の一方を屈曲自在に連結して取り付け、前記背床にこれを押し上げる背上げ駆動部を取り付けると共に、前記サイドフレームに前記足床の他方を上下動させる昇降機構を設け、前記腰床に前記台車を定位置に保持する係止機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
又、4つの平板を屈曲自在に連結し、2つの平板をそれぞれ背部および座部とする車椅子の形態に転換するようにしたベッドで、座部となる平板に「く」の字形をした前後一組のアームを左右に一組ずつ取り付け、その各一端にローラを設けるなどしたものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0007】
更に、要介護者が立ち上がる際の負担を軽減する介護用ベッドとして、背部フレームと座部フレームと下腿部フレームとを含む折り曲げ可能な床フレーム体を備え、その床フレーム体がフラットな状態から椅子形に折れ曲がった状態に変化し、椅子形に折れ曲がった状態では下腿部フレームから切り離された独立状態の足部フレームが座部フレームの下方に位置して要介護者の足が着地するようにしたものが知られる(例えば、特許文献3)。
【0008】
【特許文献1】実開平3−63329号公報
【0009】
【特許文献2】実開昭61−136720号公報
【特許文献3】実開平6−64635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
然しながら、特許文献1のベッドでは、背部レスト(背床)を押し上げる背上げ駆動部のほか、足部レスト(他方の足床)を上下動するための昇降機構を有し、それらを別個のアクチュエータで駆動させるようにしているので、操作が煩わしくコスト高になり、しかも椅子形に転換するときには介護者が台車のロックを解除してから背部レストを押し込んでやらねばならないという不便がある。
【0011】
又、特許文献2によれば、車椅子の状態にしたとき、背部レスト(平板4)がその裏面に固着したストッパー杆(50)のみで支持される構成であるから安定性に劣り、しかも車椅子の形態では足部レスト(足載せ板8)が文字通り水平方向に突出するので、立ち上がる際にはその足部レストが障害になるという問題がある。
【0012】
この点、特許文献3によれば、足部レスト(足部フレーム)が大腿部レスト(座部フレーム)の下方に位置するので、立ち上がる際には足部レストが障害とならないが、係る足部レストは平行リンクにより支持される構成であるから、ベッド形の状態では足部レストの支持強度を得難く、椅子形にするときには下腿部レスト(下腿部フレーム)の下方に足部レストを潜り込まれるスペースが必要となるので、座面高さを必然的に高くせざるを得ず、その関係から椅子形にして足が宙吊りになる可能性が高い。
【0013】
又、特許文献3も足部レストと背部レストの動作が個別に行われるのでベッド形から椅子形への転換が困難となる。
【0014】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的はベッド形から椅子形への転換を容易に行え、椅子形に転換したときには足を着地させることのできる簡易構造の椅子兼用ベッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するため、
架台上にフラットな状態から椅子形に屈曲可能な床板フレームを設けた椅子兼用ベッドにおいて、
前記床板フレームは、その長さ方向一端側から順に背部レスト、大腿部レスト、下腿部レスト、及び足部レストに区分されると共に、それら各レストの隣り合うもの同士が屈曲自在に連結され、その床板フレームをフラット状態に展開したときには少なくとも大腿部レストと下腿部レストと足部レストが架台により支持され、
前記背部レストは、その裏面側に固着される作動板の部位を前記架台の部位に回転自在に結合して該架台上で上下方向に旋回可能に支持され、
前記大腿部レストは、前記下腿部レストとの連結側が連接杆を介して前記架台の部位に連結され、
前記足部レストは、前記下腿部レストとは反対側の端部がヒンジ部材を介して前記架台の上端部に連結され、
前記背部レストが上方旋回されるとき、その旋回動作に連動する前記連接杆により前記大腿部レストの一端側が押し上げられて該大腿部レストと下腿部レストとの連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がり、
前記背部レストが定位置まで起き上がった状態では、前記大腿部レストが架台上で水平状に支持されると共に、該大腿部レストの下方位置で前記足部レストが下腿部レストの裏側に折り畳まれることを特徴とする。
【0016】
加えて、前記架台は、前記床板フレームの長さ方向に往復移動可能な可動フレームと該可動フレームを往復移動させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記作動板と前記可動フレームは、該可動フレームの往復移動動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう伝動リンクで連結されることを特徴とする。
【0017】
又、前記架台は、昇降可能な可動フレームと該可動フレームを昇降させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記可動フレームは、その昇降動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう前記作動板を含むリンク機構を介してベースフレームに昇降可能に保持されることを特徴とする。
【0018】
更に、大腿部レストに開閉自在な開口部が形成されると共に、架台には床板フレームが椅子形に屈曲したとき前記開口部に対応する位置に便器が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、床板フレームを構成する背部レスト、大腿部レスト、下腿部レスト、及び足部レストがフラットな状態から椅子形に屈曲自在に連結されるほか、背部レストがその裏面側に固着される作動板を介して架台に連結されて該架台上で上下方向に旋回自在に支持され、更に大腿部レストが連接杆を介して架台の部位に連結されると共に、足部レストがヒンジ部材を介して架台の上端部に連結されることから、単一の駆動源で床板の屈曲動作を同調的に行うことができる。
【0020】
又、床板フレームがフラット状態に展開したときには少なくとも大腿部レストと下腿部レストと足部レストが架台により支持され、背部レストが定位置まで起き上がった椅子形の状態では、大腿部レストが架台上で水平状に支持されるので、耐荷重性が高く安全であり、しかも椅子形では大腿部レストの下方位置で足部レストが下腿部レストの裏側に折り畳まれることから、着座者が立ち上がる際に足部レストが障害にならない。
【0021】
又、大腿部レストが連接杆を介して架台の部位に連結され、背部レストが上方旋回されるとき、その旋回動作に連動する連接杆により大腿部レストの一端側が押し上げられて該大腿部レストと下腿部レストとの連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がる構成とされることから、椅子形への転換中に横臥者の臀部が足元側に押し出されてしまうことがなく、横臥者は大腿部レストと下腿部レストに沿って下肢を折り曲げて楽な姿勢をとることができる。
【0022】
加えて、架台が床板フレームの長さ方向に移動可能な可動フレームを具備して構成されることから、背部レストの旋回半径を小さくしながら床板フレーム全体を椅子形に屈曲させることができ、しかも可動フレームで足部レストを背部レスト側に引っ張って椅子形への転換中に下腿部レストや足部レストや水平方向に大きく張り出すことを防止できる。
【0023】
一方、架台が背部レストの旋回動作に連動して昇降する可動フレームを具備するものでは、介護者が腰を曲げずに横臥者の介護を行えるようフラット状態に展開された床板フレームの高さを大きくしながら、椅子形への転換時に座部となる大腿部レストを下げて着座者の足を床面に着地させることが可能となる。
【0024】
又、大腿部レストに開閉自在な開口部が形成されると共に、架台には床板フレームが椅子形に屈曲したとき開口部に対応する位置に便器が設けられることから、歩行障害者でもその場で排便を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る椅子兼用ベッドを示した側面図である。図1において、1は架台であり、この架台1はベースフレーム2と可動フレーム3とで構成される。
【0026】
ベースフレーム2は、複数の鋼材を接合するなどして構成される剛体であり、その前後左右には支持脚21が固着され、前後方向に延びる左右一対のサイドビーム22には支柱23が固着される。又、図2および図3から明らかなように、ベースフレーム2には、サイドビーム22の内側で左右一対のガイドレール24が平行に設けられると共に、その両ガイドレール24上には左右一対のブラケット25が形成され、そのブラケット25により後述する旋回アーム4の一端が回転自在に支持されるようになっている。更に、図1に示すように、ベースフレーム2の長さ方向一端部には、可動フレーム3を所定の一軸方向に沿って往復移動させるための駆動源として、モータ駆動式のシリンダ装置5が設置される。尚、シリンダ装置5は油圧シリンダでも空気圧シリンダでもよい。
【0027】
一方、図1および図4〜図5に示すように、可動フレーム3も複数の鋼材を接合するなどして構成される剛体であり、その下部にはベースフレーム2のガイドレール24に係合する移動用のローラ31が装着される。そして、係る可動フレーム3には図1のようにシリンダ装置5の伸縮ロッド部51が接続され、その伸縮動作により可動フレーム3がベースフレーム2内でその長さ方向(ガイドレール24)に沿って往復移動するようになっている。尚、図4および図5において、32は可動フレーム3に固着した結合ピンである。
【0028】
又、図1において、6は架台1上に配置される平板状の床板フレームである。この床板フレーム6は、横臥者の上半身を支持するための背部レスト61、横臥者の臀部乃至は大腿部を支持するための大腿部レスト62、横臥者の下腿部を支持するための下腿部レスト63、及び横臥者の足部を支持するための足部レスト64に区分され、それら各レスト61〜64の隣り合うもの同士が屈曲自在に連結されている。尚、背部レスト61と大腿部レスト62は、その両者61,62の側縁から立ち上がるヒンジ65Aにより連結されて下向きに凸状となる谷折状態に屈曲可能とされる一方、大腿部レスト62と下腿部レスト63、及び下腿部レスト63と足部レスト64は、それぞれヒンジ65B,65Cにより連結されて上向きに凸状となる山折状態に屈曲可能とされている。
【0029】
そして、その各レスト61〜64の表面上には、4分割されたマットレスM1〜M4が個別に取り付けられ、そのマットレスM1〜M4上に横臥者が横臥できるようになっている。
【0030】
ここで、背部レスト61の裏面には、大腿部レスト62の下方位置まで延びる左右一対の作動板66が固着され、その作動板66,66の間には、図6および図7で明らかなように溝形のガイドレール67が固着されている。
【0031】
図1に示されるように、ガイドレール67内にはローラ41が回転自在に嵌め込まれ、そのローラ41が上記旋回アーム4の先端に回転自在に支持されている。又、作動板66の中間部分は、ベースフレーム2を構成する支柱23の上端部に回転自在に結合されている。これにより、背部レスト61は作動板66とベースフレーム2との結合部P1を中心に上下方向に旋回(起伏)可能にして支持される。又、作動板66の先端部66Aは、該作動板66とベースフレーム2との結合部P1より下方にあって、可動フレーム3の前部(横臥者のヘッド側にある上記結合ピン32)と伝動リンク7で連結される。
【0032】
伝動リンク7は、可動フレーム3の移動方向に対して若干傾斜し、作動板66に結合する一端側が他端側よりも低くなるように設定されており、これによりシリンダ装置5を駆動して可動フレーム3を図1の右方に移動させると、作動板の先端部66Aに伝動リンク7による引張力が作用し、以って作動板66が結合部P1を中心に揺動するために背部レスト61の上方旋回が行われ、逆に可動フレーム3を図1の左方に移動させれば、伝動リンク7による作動板の先端部66Aの押圧により背部レスト61の下方旋回が行われる。
【0033】
尚、背部レスト61が下方旋回して図1のように水平状態に倒伏したときには、その裏面がベースフレーム2の一端部上に配される背受け部26に当って背部レスト61が水平状態に維持されるようになっているが、背受け部26に代えて図示せぬ脚体を背部レスト61の裏面に直角に固着し、背部レスト61の倒伏時にその脚体がベースフレーム2の上面上もしくは床面上に直立して背部レスト61を支持する構成としてもよい。
【0034】
又、シリンダ装置5は、その伸縮ロッド部51を可動フレーム3に接続することに限らず、両端クレビス形のシリンダ装置5にして、これをベースフレーム2と旋回アーム4又は背部レスト61の裏面との間に架設するようにしてもよく、この場合でも背部レスト61を旋回させながら可動フレーム3の移動を行うことができる。
【0035】
一方、床板フレーム6を図1のようにフラットな状態に展開してベッド形にしたとき、大腿部レスト62、下腿部レスト63、及び足部レスト64は架台1を構成する可動フレーム3により支持される。
【0036】
このうち、大腿部レスト62は、下腿部レスト63との連結側(ヒンジ65B側)が連接杆8を介して可動フレーム3の後部(横臥者の足元側)に連結される。尚、図1において、68は大腿部レスト62の裏面に固着したブラケットで、そのブラケット68に連接杆8の一端が回転自在に結合されている。又、下腿部レスト63は、大腿部レスト62と足部レスト64との間でその両者62,64に連結されるのみで架台1とは連結されず、足部レスト64は、下腿部レスト63とは反対側の端部がヒンジ部材69を介して可動フレーム3の上端部に連結されている。
【0037】
しかして、以上のように構成される椅子兼用ベッドでは、シリンダ装置5を駆動して可動フレーム3を図1の右方に移動させることにより、床板フレーム6が図1のようなフラット状に展開したベッド形から椅子形に転換するが、その動作説明は後述する。
【0038】
次に、図8は可動フレームを部分的に拡大して示す。この図で明らかなように、可動フレーム3にはトリガーレバー33が取り付けられている。トリガーレバー33は連接杆8に確定運動を行わせるためのものであり、その一端部は可動フレーム3に回転自在に結合され、他端には直角に切り欠かれた凹部33Aが形成される。そして、そのトリガーレバー33は、可動フレーム3との結合部P2を中心に上下に揺動可能とされており、凹部33Aでは連接杆8と大腿部レスト62との結合部と同心のピンP3が支持される。尚、ピンP3にはローラ9が装着され、そのローラ9は可動フレーム3の内側面に形成される受座34により支持される。又、トリガーレバー33の支点側の一端には突片33Bが形成され、その突片33Bと可動フレーム3との間にはトリガーレバー33に図8の反時計回りの付勢力を与えるためのバネ35が掛けられる。更に、図8から明らかなように、連接杆8は、可動フレーム3との結合側の一端に長孔8Aを有し、その長孔8Aにより長さ方向への移動を許容されている。
【0039】
そして、以上のようなトリガーレバー33によれば、図1に示した背部レスト61の上方旋回が開始されたとき、横臥者による上方からの荷重に抵抗して大腿部レスト62を押し上げ、連接杆8に上方旋回する切掛けを与えることができる。
【0040】
次に、図9は足部レストと可動フレームとの連結部分を拡大して示す。この図で明らかなように、可動フレーム3の一端上部にはブラケット36が取り付けられ、そのブラケット36によりヒンジ部材69の一端部が回転自在に支持されている。ヒンジ部材69は、先端側が折れ曲がった金属板でなり、その先端部は足部レスト64の裏面に固着したブラケット64Aに回転自在に結合されている。これにより、足部レスト64は、ヒンジ部材69との結合部P4を中心に上下に揺動可能とされ、且つヒンジ部材69と可動フレーム3との結合部P5を中心に上下に揺動可能とされるが、図9に示すようなヒンジ部材69に代えて、ブラケット64Aに軸を装着する一方、可動フレーム3に前記軸の移動案内をする長孔を形成するようにしてもよい。
【0041】
ここで、以上のように構成される本願ベッドの動作説明をする。図10は床板フレームが椅子形に転換する状態を順に示したリンク系の動作図で、黒丸は位置固定の回転支点、白丸は移動支点を表している。
【0042】
図10から明らかなように、床板フレーム6が椅子形に転換するとき、背部レスト61は図1に示したベースフレーム2と作動板66との結合部P1(回転支点)を中心に上方旋回し、最終的に直立状態まで起き上がる。尚、背部レスト61が倒伏した状態では図1のように作動板66とベースフレーム2との結合部P1(図10において黒丸で表される回転支点)がヒンジ65Aの位置よりも大腿部レスト62側にあるため、背部レスト61の上方旋回が開始されると、これにヒンジ65Aで連結される大腿部レスト62はヒンジ65A側が背部レスト61により引き上げられ、これに相前後して大腿部レスト62のヒンジ65B側も図8に示したトリガーレバー33の作用で押し上げられる。このため、連接杆8は、可動フレーム3との結合部を中心とする上方旋回の切掛けを得て(つまり思案点を脱し)、背部レスト61から大腿部レスト62を介して上方旋回力を与えられる。しかして、連接杆8の上方旋回により、大腿部レスト62のヒンジ65B側がヒンジ65A側より上方に大きく押し上げられるために、背部レスト61の上方旋回中に大腿部レスト62と下腿部レスト63との連結部分(ヒンジ65B)が図10(a)〜(b)に示されるよう上方に向け凸状に折れ曲がる。このため、床板フレーム6上の横臥者はその大腿部が足元側にずれず、しかも大腿部と下腿部が大腿部レスト62と下腿部レスト63に支持されたまま折れ曲がるので無理な姿勢を強いられない。
【0043】
又、背部レスト61の上方旋回の続行により連接杆8が直立状態から倒伏状態に移行すると、大腿部レスト62が下腿部レスト63側に押し出されつつ徐々に降下される。
【0044】
一方、可動フレーム3が図10の右方に移動することにより、同方向に足部レスト64が引かれ、これに連結する下腿部レスト63を図10の左回りに旋回させる。それ故、下腿部レスト63と足部レスト64は徐々に二つ折りにされ、背部レスト61が定位置(略直立に起立した状態)まで起き上がった状態では、図10(d)のように大腿部レスト62が架台上で水平状に支持されると共に、その大腿部レスト62の下方位置で足部レスト64が下腿部レスト63の裏側に折り畳まれる。尚、床板フレーム6が椅子形に屈曲した状態では、下腿部レスト63が大腿部レスト62に対して直角になるようにしてもよいが、本例によれば図10(d)のように水平となった大腿部レスト62に対し、下腿部レスト63が鋭角状に屈曲して大腿部レスト62上における着座者が下肢(脚部)を鋭角状に折り曲げて大腿部レスト62の下方位置で足を着地させることを許容されるのであり、このため着座者は身体の重心を前方に移して介護人の助けを借りずに自力で立ち上がることが可能となる。
【0045】
特に、大腿部レスト62には、図示せぬ蓋により開閉自在とされる開口部が形成されると共に、架台を構成するベースフレーム2には床板フレーム6が椅子形に屈曲したとき上記開口部に対応する位置に図示せぬ便器が設けられる。このため、椅子形に転換したときには、大腿部レスト62上に配置されるマットレスM2を上記蓋と一緒に排除して排便を行うことができる。
【0046】
以上、本発明に係る椅子兼用ベッドの一例を説明したが、架台1はベースフレーム2と可動フレーム3とが一体的に固定された構造であってもよく、そのような可動部をもたない架台でも床板フレーム6をフラットな状態から椅子形に屈曲可能に支持することができる。
【0047】
次に、本発明に係る椅子兼用ベッドの変更例について説明する。図11は床板フレームがフラット状態に展開されたベッド形の形態、図12は床板フレームが椅子形に転換された状態を示す。尚、図11及び図12において、上記例と変更なき部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
ここに、10は架台である。この架台10は凹字形の断面を有するベースフレーム20とその内側に配される可動フレーム30とで構成され、その可動フレーム30がリンク機構40を介して所望の位置に配置固定されるベースフレーム20で昇降可能に保持されている。リンク機構40は、背部レスト61の裏面に固着される左右一対の作動板42と、V字形を成す左右一対の揺動リンク43とを有し、その両者42,43が連動リンク44により連結される構成となっている。本例において、作動板42の先端部分はV字形に屈曲されて大腿部レスト62の下方位置まで延ばされており、その作動板42と揺動リンク43の屈曲部分42A,43Aはベースフレーム20に回転自在に結合され、それらの一端部42B,43Bは可動フレーム30の側面下部に回転自在に結合されている。
【0049】
一方、可動フレーム30と大腿部レスト62は、上記例と同じく左右一対の連接杆8を介して連結され、足部レスト64の一端部はヒンジ部材Hを介して可動フレーム30の左右上端部に連結されている。
【0050】
尚、本例において、ヒンジ部材Hは足部レスト64の幅方向に沿って該足部レスト64の裏面側に取り付けた横架軸64Bを備え、その横架軸64Bが可動フレーム30の一端部上方に形成した長孔30Aで支持される構成とされる。
【0051】
又、背部レスト61にはその裏面に直交して脚体61Aが固着され、背部レスト61の倒伏時にその脚体61Aがベースフレーム20から外れた位置で床面上に直立して背部レスト61を水平状に支持する構成とされている。
【0052】
更に、ベースフレーム20には、両端クレビス形とされるシリンダ装置5が揺動自在に取り付けられ、その伸縮ロッド部51が左右一対の作動板42に架設される軸の中央部に接続されている。
【0053】
そして、係る椅子兼用ベッドによれば、シリンダ装置5の伸縮動作により背部レスト61が上下方向に旋回し、その旋回動作に連動して可動フレーム30の昇降動作が行われ、背部レスト61が上方旋回されたときには可動フレーム30が降下されつつ床板フレーム6の屈曲が行われて図12のような椅子形となる。尚、本例でも背部レスト61が定位置まで起き上がって椅子形になった状態では、大腿部レスト62が架台10上で水平状に支持されると共に、該大腿部レスト62の下方位置で下腿部レスト63が鋭角状に折れ曲がり、その下腿部レスト63の裏側に足部レスト64が折り畳まれるが、足部レスト64が図12のように折り畳まれるとき可動フレーム30が足部レスト64に干渉せぬよう、足部レスト64には可動フレーム30の部位を受け入れる図示せぬスリットが形成される。又、本例でも大腿部レスト62に開閉自在な図示せぬ開口部が形成されると共に、架台10を構成するベースフレーム20には、床板フレーム6が椅子形に屈曲したとき上記開口部に対応する位置に便器Sが設けられる。
【0054】
ここに、本例では背部レスト61の旋回動作に連動して可動フレーム30が昇降する構成とされることから、床板フレーム6が図11のようにフラット状に展開されてベッド形とされたときには、床板フレーム6の位置が高くなって介護者が腰を曲げずに横臥者を介護することが可能となり、椅子形では大腿部レスト62が低くなるため着座姿勢の要介護者(着座者)が足を着地させることが可能となる。
【0055】
以上、本発明ついて説明したが、係るベッドは上記のような構成に限らず、例えばシリンダ装置5に代えてモータを用い、当該モータで作動板42,66を旋回させるようにするなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る椅子兼用ベッドを示す側面図(ベッド形の状態)
【図2】架台を構成するベースフレームの側面図
【図3】図2のA−A拡大断面図
【図4】架台を構成する可動フレームの側面図
【図5】図4のB−B拡大断面図
【図6】背部レストの正面図
【図7】背部レストの側面図
【図8】可動フレームの部分拡大図
【図9】足部レストと可動フレームの連結部分を示す拡大図
【図10】本発明に係る椅子兼用ベッドの動作説明図
【図11】本発明に係る椅子兼用ベッドの変更例を示す側面図(ベッド形の状態)
【図12】本発明に係る椅子兼用ベッドの変更例を示す側面図(椅子形の状態)
【符号の説明】
【0057】
1,10 架台
2,20 ベースフレーム
3,30 可動フレーム
40 リンク機構
42 作動板
43 揺動リンク
5 シリンダ装置(駆動源)
51 伸縮ロッド部
6 床板フレーム
61 背部レスト
62 大腿部レスト
63 下腿部レスト
64 足部レスト
66 作動板
69,H ヒンジ部材
7 伝動リンク
8 連接杆
S 便器
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に身障者や病弱な高齢者などの要介護者を対象とするベッドに係わり、特に要介護者が身体機能を回復するために自立歩行することを支援する椅子兼用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、身障者や病弱な高齢者をはじめ、術後の入院患者などは床内での生活を余儀なくされるが、寝たきりの時間が長くなると身体機能の低下が進行するので、筋力の衰えを回復させたり、大脳に刺激を与えたりするためには歩行訓練が極めて有効であるとされている。
【0003】
しかし、身体に大きな機能障害を抱えた者では、自ら起き上がることはできないし、食事や排泄などの際にも身内や専門の介護士による介護を必要とする。
【0004】
従来、そのような要介護者を対象として、マットレスを載せる床板フレームがフラットな状態から椅子形に転換するようにした種々の椅子兼用ベッドが提案されている。
【0005】
例えば、その種のベッドとして、ベッドのサイドフレーム間にその長手方向に沿って往復動する台車を設け、その台車に背床、腰床、及び2分割された足床の一方を屈曲自在に連結して取り付け、前記背床にこれを押し上げる背上げ駆動部を取り付けると共に、前記サイドフレームに前記足床の他方を上下動させる昇降機構を設け、前記腰床に前記台車を定位置に保持する係止機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
又、4つの平板を屈曲自在に連結し、2つの平板をそれぞれ背部および座部とする車椅子の形態に転換するようにしたベッドで、座部となる平板に「く」の字形をした前後一組のアームを左右に一組ずつ取り付け、その各一端にローラを設けるなどしたものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0007】
更に、要介護者が立ち上がる際の負担を軽減する介護用ベッドとして、背部フレームと座部フレームと下腿部フレームとを含む折り曲げ可能な床フレーム体を備え、その床フレーム体がフラットな状態から椅子形に折れ曲がった状態に変化し、椅子形に折れ曲がった状態では下腿部フレームから切り離された独立状態の足部フレームが座部フレームの下方に位置して要介護者の足が着地するようにしたものが知られる(例えば、特許文献3)。
【0008】
【特許文献1】実開平3−63329号公報
【0009】
【特許文献2】実開昭61−136720号公報
【特許文献3】実開平6−64635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
然しながら、特許文献1のベッドでは、背部レスト(背床)を押し上げる背上げ駆動部のほか、足部レスト(他方の足床)を上下動するための昇降機構を有し、それらを別個のアクチュエータで駆動させるようにしているので、操作が煩わしくコスト高になり、しかも椅子形に転換するときには介護者が台車のロックを解除してから背部レストを押し込んでやらねばならないという不便がある。
【0011】
又、特許文献2によれば、車椅子の状態にしたとき、背部レスト(平板4)がその裏面に固着したストッパー杆(50)のみで支持される構成であるから安定性に劣り、しかも車椅子の形態では足部レスト(足載せ板8)が文字通り水平方向に突出するので、立ち上がる際にはその足部レストが障害になるという問題がある。
【0012】
この点、特許文献3によれば、足部レスト(足部フレーム)が大腿部レスト(座部フレーム)の下方に位置するので、立ち上がる際には足部レストが障害とならないが、係る足部レストは平行リンクにより支持される構成であるから、ベッド形の状態では足部レストの支持強度を得難く、椅子形にするときには下腿部レスト(下腿部フレーム)の下方に足部レストを潜り込まれるスペースが必要となるので、座面高さを必然的に高くせざるを得ず、その関係から椅子形にして足が宙吊りになる可能性が高い。
【0013】
又、特許文献3も足部レストと背部レストの動作が個別に行われるのでベッド形から椅子形への転換が困難となる。
【0014】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的はベッド形から椅子形への転換を容易に行え、椅子形に転換したときには足を着地させることのできる簡易構造の椅子兼用ベッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記目的を達成するため、
架台上にフラットな状態から椅子形に屈曲可能な床板フレームを設けた椅子兼用ベッドにおいて、
前記床板フレームは、その長さ方向一端側から順に背部レスト、大腿部レスト、下腿部レスト、及び足部レストに区分されると共に、それら各レストの隣り合うもの同士が屈曲自在に連結され、その床板フレームをフラット状態に展開したときには少なくとも大腿部レストと下腿部レストと足部レストが架台により支持され、
前記背部レストは、その裏面側に固着される作動板の部位を前記架台の部位に回転自在に結合して該架台上で上下方向に旋回可能に支持され、
前記大腿部レストは、前記下腿部レストとの連結側が連接杆を介して前記架台の部位に連結され、
前記足部レストは、前記下腿部レストとは反対側の端部がヒンジ部材を介して前記架台の上端部に連結され、
前記背部レストが上方旋回されるとき、その旋回動作に連動する前記連接杆により前記大腿部レストの一端側が押し上げられて該大腿部レストと下腿部レストとの連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がり、
前記背部レストが定位置まで起き上がった状態では、前記大腿部レストが架台上で水平状に支持されると共に、該大腿部レストの下方位置で前記足部レストが下腿部レストの裏側に折り畳まれることを特徴とする。
【0016】
加えて、前記架台は、前記床板フレームの長さ方向に往復移動可能な可動フレームと該可動フレームを往復移動させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記作動板と前記可動フレームは、該可動フレームの往復移動動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう伝動リンクで連結されることを特徴とする。
【0017】
又、前記架台は、昇降可能な可動フレームと該可動フレームを昇降させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記可動フレームは、その昇降動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう前記作動板を含むリンク機構を介してベースフレームに昇降可能に保持されることを特徴とする。
【0018】
更に、大腿部レストに開閉自在な開口部が形成されると共に、架台には床板フレームが椅子形に屈曲したとき前記開口部に対応する位置に便器が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、床板フレームを構成する背部レスト、大腿部レスト、下腿部レスト、及び足部レストがフラットな状態から椅子形に屈曲自在に連結されるほか、背部レストがその裏面側に固着される作動板を介して架台に連結されて該架台上で上下方向に旋回自在に支持され、更に大腿部レストが連接杆を介して架台の部位に連結されると共に、足部レストがヒンジ部材を介して架台の上端部に連結されることから、単一の駆動源で床板の屈曲動作を同調的に行うことができる。
【0020】
又、床板フレームがフラット状態に展開したときには少なくとも大腿部レストと下腿部レストと足部レストが架台により支持され、背部レストが定位置まで起き上がった椅子形の状態では、大腿部レストが架台上で水平状に支持されるので、耐荷重性が高く安全であり、しかも椅子形では大腿部レストの下方位置で足部レストが下腿部レストの裏側に折り畳まれることから、着座者が立ち上がる際に足部レストが障害にならない。
【0021】
又、大腿部レストが連接杆を介して架台の部位に連結され、背部レストが上方旋回されるとき、その旋回動作に連動する連接杆により大腿部レストの一端側が押し上げられて該大腿部レストと下腿部レストとの連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がる構成とされることから、椅子形への転換中に横臥者の臀部が足元側に押し出されてしまうことがなく、横臥者は大腿部レストと下腿部レストに沿って下肢を折り曲げて楽な姿勢をとることができる。
【0022】
加えて、架台が床板フレームの長さ方向に移動可能な可動フレームを具備して構成されることから、背部レストの旋回半径を小さくしながら床板フレーム全体を椅子形に屈曲させることができ、しかも可動フレームで足部レストを背部レスト側に引っ張って椅子形への転換中に下腿部レストや足部レストや水平方向に大きく張り出すことを防止できる。
【0023】
一方、架台が背部レストの旋回動作に連動して昇降する可動フレームを具備するものでは、介護者が腰を曲げずに横臥者の介護を行えるようフラット状態に展開された床板フレームの高さを大きくしながら、椅子形への転換時に座部となる大腿部レストを下げて着座者の足を床面に着地させることが可能となる。
【0024】
又、大腿部レストに開閉自在な開口部が形成されると共に、架台には床板フレームが椅子形に屈曲したとき開口部に対応する位置に便器が設けられることから、歩行障害者でもその場で排便を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る椅子兼用ベッドを示した側面図である。図1において、1は架台であり、この架台1はベースフレーム2と可動フレーム3とで構成される。
【0026】
ベースフレーム2は、複数の鋼材を接合するなどして構成される剛体であり、その前後左右には支持脚21が固着され、前後方向に延びる左右一対のサイドビーム22には支柱23が固着される。又、図2および図3から明らかなように、ベースフレーム2には、サイドビーム22の内側で左右一対のガイドレール24が平行に設けられると共に、その両ガイドレール24上には左右一対のブラケット25が形成され、そのブラケット25により後述する旋回アーム4の一端が回転自在に支持されるようになっている。更に、図1に示すように、ベースフレーム2の長さ方向一端部には、可動フレーム3を所定の一軸方向に沿って往復移動させるための駆動源として、モータ駆動式のシリンダ装置5が設置される。尚、シリンダ装置5は油圧シリンダでも空気圧シリンダでもよい。
【0027】
一方、図1および図4〜図5に示すように、可動フレーム3も複数の鋼材を接合するなどして構成される剛体であり、その下部にはベースフレーム2のガイドレール24に係合する移動用のローラ31が装着される。そして、係る可動フレーム3には図1のようにシリンダ装置5の伸縮ロッド部51が接続され、その伸縮動作により可動フレーム3がベースフレーム2内でその長さ方向(ガイドレール24)に沿って往復移動するようになっている。尚、図4および図5において、32は可動フレーム3に固着した結合ピンである。
【0028】
又、図1において、6は架台1上に配置される平板状の床板フレームである。この床板フレーム6は、横臥者の上半身を支持するための背部レスト61、横臥者の臀部乃至は大腿部を支持するための大腿部レスト62、横臥者の下腿部を支持するための下腿部レスト63、及び横臥者の足部を支持するための足部レスト64に区分され、それら各レスト61〜64の隣り合うもの同士が屈曲自在に連結されている。尚、背部レスト61と大腿部レスト62は、その両者61,62の側縁から立ち上がるヒンジ65Aにより連結されて下向きに凸状となる谷折状態に屈曲可能とされる一方、大腿部レスト62と下腿部レスト63、及び下腿部レスト63と足部レスト64は、それぞれヒンジ65B,65Cにより連結されて上向きに凸状となる山折状態に屈曲可能とされている。
【0029】
そして、その各レスト61〜64の表面上には、4分割されたマットレスM1〜M4が個別に取り付けられ、そのマットレスM1〜M4上に横臥者が横臥できるようになっている。
【0030】
ここで、背部レスト61の裏面には、大腿部レスト62の下方位置まで延びる左右一対の作動板66が固着され、その作動板66,66の間には、図6および図7で明らかなように溝形のガイドレール67が固着されている。
【0031】
図1に示されるように、ガイドレール67内にはローラ41が回転自在に嵌め込まれ、そのローラ41が上記旋回アーム4の先端に回転自在に支持されている。又、作動板66の中間部分は、ベースフレーム2を構成する支柱23の上端部に回転自在に結合されている。これにより、背部レスト61は作動板66とベースフレーム2との結合部P1を中心に上下方向に旋回(起伏)可能にして支持される。又、作動板66の先端部66Aは、該作動板66とベースフレーム2との結合部P1より下方にあって、可動フレーム3の前部(横臥者のヘッド側にある上記結合ピン32)と伝動リンク7で連結される。
【0032】
伝動リンク7は、可動フレーム3の移動方向に対して若干傾斜し、作動板66に結合する一端側が他端側よりも低くなるように設定されており、これによりシリンダ装置5を駆動して可動フレーム3を図1の右方に移動させると、作動板の先端部66Aに伝動リンク7による引張力が作用し、以って作動板66が結合部P1を中心に揺動するために背部レスト61の上方旋回が行われ、逆に可動フレーム3を図1の左方に移動させれば、伝動リンク7による作動板の先端部66Aの押圧により背部レスト61の下方旋回が行われる。
【0033】
尚、背部レスト61が下方旋回して図1のように水平状態に倒伏したときには、その裏面がベースフレーム2の一端部上に配される背受け部26に当って背部レスト61が水平状態に維持されるようになっているが、背受け部26に代えて図示せぬ脚体を背部レスト61の裏面に直角に固着し、背部レスト61の倒伏時にその脚体がベースフレーム2の上面上もしくは床面上に直立して背部レスト61を支持する構成としてもよい。
【0034】
又、シリンダ装置5は、その伸縮ロッド部51を可動フレーム3に接続することに限らず、両端クレビス形のシリンダ装置5にして、これをベースフレーム2と旋回アーム4又は背部レスト61の裏面との間に架設するようにしてもよく、この場合でも背部レスト61を旋回させながら可動フレーム3の移動を行うことができる。
【0035】
一方、床板フレーム6を図1のようにフラットな状態に展開してベッド形にしたとき、大腿部レスト62、下腿部レスト63、及び足部レスト64は架台1を構成する可動フレーム3により支持される。
【0036】
このうち、大腿部レスト62は、下腿部レスト63との連結側(ヒンジ65B側)が連接杆8を介して可動フレーム3の後部(横臥者の足元側)に連結される。尚、図1において、68は大腿部レスト62の裏面に固着したブラケットで、そのブラケット68に連接杆8の一端が回転自在に結合されている。又、下腿部レスト63は、大腿部レスト62と足部レスト64との間でその両者62,64に連結されるのみで架台1とは連結されず、足部レスト64は、下腿部レスト63とは反対側の端部がヒンジ部材69を介して可動フレーム3の上端部に連結されている。
【0037】
しかして、以上のように構成される椅子兼用ベッドでは、シリンダ装置5を駆動して可動フレーム3を図1の右方に移動させることにより、床板フレーム6が図1のようなフラット状に展開したベッド形から椅子形に転換するが、その動作説明は後述する。
【0038】
次に、図8は可動フレームを部分的に拡大して示す。この図で明らかなように、可動フレーム3にはトリガーレバー33が取り付けられている。トリガーレバー33は連接杆8に確定運動を行わせるためのものであり、その一端部は可動フレーム3に回転自在に結合され、他端には直角に切り欠かれた凹部33Aが形成される。そして、そのトリガーレバー33は、可動フレーム3との結合部P2を中心に上下に揺動可能とされており、凹部33Aでは連接杆8と大腿部レスト62との結合部と同心のピンP3が支持される。尚、ピンP3にはローラ9が装着され、そのローラ9は可動フレーム3の内側面に形成される受座34により支持される。又、トリガーレバー33の支点側の一端には突片33Bが形成され、その突片33Bと可動フレーム3との間にはトリガーレバー33に図8の反時計回りの付勢力を与えるためのバネ35が掛けられる。更に、図8から明らかなように、連接杆8は、可動フレーム3との結合側の一端に長孔8Aを有し、その長孔8Aにより長さ方向への移動を許容されている。
【0039】
そして、以上のようなトリガーレバー33によれば、図1に示した背部レスト61の上方旋回が開始されたとき、横臥者による上方からの荷重に抵抗して大腿部レスト62を押し上げ、連接杆8に上方旋回する切掛けを与えることができる。
【0040】
次に、図9は足部レストと可動フレームとの連結部分を拡大して示す。この図で明らかなように、可動フレーム3の一端上部にはブラケット36が取り付けられ、そのブラケット36によりヒンジ部材69の一端部が回転自在に支持されている。ヒンジ部材69は、先端側が折れ曲がった金属板でなり、その先端部は足部レスト64の裏面に固着したブラケット64Aに回転自在に結合されている。これにより、足部レスト64は、ヒンジ部材69との結合部P4を中心に上下に揺動可能とされ、且つヒンジ部材69と可動フレーム3との結合部P5を中心に上下に揺動可能とされるが、図9に示すようなヒンジ部材69に代えて、ブラケット64Aに軸を装着する一方、可動フレーム3に前記軸の移動案内をする長孔を形成するようにしてもよい。
【0041】
ここで、以上のように構成される本願ベッドの動作説明をする。図10は床板フレームが椅子形に転換する状態を順に示したリンク系の動作図で、黒丸は位置固定の回転支点、白丸は移動支点を表している。
【0042】
図10から明らかなように、床板フレーム6が椅子形に転換するとき、背部レスト61は図1に示したベースフレーム2と作動板66との結合部P1(回転支点)を中心に上方旋回し、最終的に直立状態まで起き上がる。尚、背部レスト61が倒伏した状態では図1のように作動板66とベースフレーム2との結合部P1(図10において黒丸で表される回転支点)がヒンジ65Aの位置よりも大腿部レスト62側にあるため、背部レスト61の上方旋回が開始されると、これにヒンジ65Aで連結される大腿部レスト62はヒンジ65A側が背部レスト61により引き上げられ、これに相前後して大腿部レスト62のヒンジ65B側も図8に示したトリガーレバー33の作用で押し上げられる。このため、連接杆8は、可動フレーム3との結合部を中心とする上方旋回の切掛けを得て(つまり思案点を脱し)、背部レスト61から大腿部レスト62を介して上方旋回力を与えられる。しかして、連接杆8の上方旋回により、大腿部レスト62のヒンジ65B側がヒンジ65A側より上方に大きく押し上げられるために、背部レスト61の上方旋回中に大腿部レスト62と下腿部レスト63との連結部分(ヒンジ65B)が図10(a)〜(b)に示されるよう上方に向け凸状に折れ曲がる。このため、床板フレーム6上の横臥者はその大腿部が足元側にずれず、しかも大腿部と下腿部が大腿部レスト62と下腿部レスト63に支持されたまま折れ曲がるので無理な姿勢を強いられない。
【0043】
又、背部レスト61の上方旋回の続行により連接杆8が直立状態から倒伏状態に移行すると、大腿部レスト62が下腿部レスト63側に押し出されつつ徐々に降下される。
【0044】
一方、可動フレーム3が図10の右方に移動することにより、同方向に足部レスト64が引かれ、これに連結する下腿部レスト63を図10の左回りに旋回させる。それ故、下腿部レスト63と足部レスト64は徐々に二つ折りにされ、背部レスト61が定位置(略直立に起立した状態)まで起き上がった状態では、図10(d)のように大腿部レスト62が架台上で水平状に支持されると共に、その大腿部レスト62の下方位置で足部レスト64が下腿部レスト63の裏側に折り畳まれる。尚、床板フレーム6が椅子形に屈曲した状態では、下腿部レスト63が大腿部レスト62に対して直角になるようにしてもよいが、本例によれば図10(d)のように水平となった大腿部レスト62に対し、下腿部レスト63が鋭角状に屈曲して大腿部レスト62上における着座者が下肢(脚部)を鋭角状に折り曲げて大腿部レスト62の下方位置で足を着地させることを許容されるのであり、このため着座者は身体の重心を前方に移して介護人の助けを借りずに自力で立ち上がることが可能となる。
【0045】
特に、大腿部レスト62には、図示せぬ蓋により開閉自在とされる開口部が形成されると共に、架台を構成するベースフレーム2には床板フレーム6が椅子形に屈曲したとき上記開口部に対応する位置に図示せぬ便器が設けられる。このため、椅子形に転換したときには、大腿部レスト62上に配置されるマットレスM2を上記蓋と一緒に排除して排便を行うことができる。
【0046】
以上、本発明に係る椅子兼用ベッドの一例を説明したが、架台1はベースフレーム2と可動フレーム3とが一体的に固定された構造であってもよく、そのような可動部をもたない架台でも床板フレーム6をフラットな状態から椅子形に屈曲可能に支持することができる。
【0047】
次に、本発明に係る椅子兼用ベッドの変更例について説明する。図11は床板フレームがフラット状態に展開されたベッド形の形態、図12は床板フレームが椅子形に転換された状態を示す。尚、図11及び図12において、上記例と変更なき部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
ここに、10は架台である。この架台10は凹字形の断面を有するベースフレーム20とその内側に配される可動フレーム30とで構成され、その可動フレーム30がリンク機構40を介して所望の位置に配置固定されるベースフレーム20で昇降可能に保持されている。リンク機構40は、背部レスト61の裏面に固着される左右一対の作動板42と、V字形を成す左右一対の揺動リンク43とを有し、その両者42,43が連動リンク44により連結される構成となっている。本例において、作動板42の先端部分はV字形に屈曲されて大腿部レスト62の下方位置まで延ばされており、その作動板42と揺動リンク43の屈曲部分42A,43Aはベースフレーム20に回転自在に結合され、それらの一端部42B,43Bは可動フレーム30の側面下部に回転自在に結合されている。
【0049】
一方、可動フレーム30と大腿部レスト62は、上記例と同じく左右一対の連接杆8を介して連結され、足部レスト64の一端部はヒンジ部材Hを介して可動フレーム30の左右上端部に連結されている。
【0050】
尚、本例において、ヒンジ部材Hは足部レスト64の幅方向に沿って該足部レスト64の裏面側に取り付けた横架軸64Bを備え、その横架軸64Bが可動フレーム30の一端部上方に形成した長孔30Aで支持される構成とされる。
【0051】
又、背部レスト61にはその裏面に直交して脚体61Aが固着され、背部レスト61の倒伏時にその脚体61Aがベースフレーム20から外れた位置で床面上に直立して背部レスト61を水平状に支持する構成とされている。
【0052】
更に、ベースフレーム20には、両端クレビス形とされるシリンダ装置5が揺動自在に取り付けられ、その伸縮ロッド部51が左右一対の作動板42に架設される軸の中央部に接続されている。
【0053】
そして、係る椅子兼用ベッドによれば、シリンダ装置5の伸縮動作により背部レスト61が上下方向に旋回し、その旋回動作に連動して可動フレーム30の昇降動作が行われ、背部レスト61が上方旋回されたときには可動フレーム30が降下されつつ床板フレーム6の屈曲が行われて図12のような椅子形となる。尚、本例でも背部レスト61が定位置まで起き上がって椅子形になった状態では、大腿部レスト62が架台10上で水平状に支持されると共に、該大腿部レスト62の下方位置で下腿部レスト63が鋭角状に折れ曲がり、その下腿部レスト63の裏側に足部レスト64が折り畳まれるが、足部レスト64が図12のように折り畳まれるとき可動フレーム30が足部レスト64に干渉せぬよう、足部レスト64には可動フレーム30の部位を受け入れる図示せぬスリットが形成される。又、本例でも大腿部レスト62に開閉自在な図示せぬ開口部が形成されると共に、架台10を構成するベースフレーム20には、床板フレーム6が椅子形に屈曲したとき上記開口部に対応する位置に便器Sが設けられる。
【0054】
ここに、本例では背部レスト61の旋回動作に連動して可動フレーム30が昇降する構成とされることから、床板フレーム6が図11のようにフラット状に展開されてベッド形とされたときには、床板フレーム6の位置が高くなって介護者が腰を曲げずに横臥者を介護することが可能となり、椅子形では大腿部レスト62が低くなるため着座姿勢の要介護者(着座者)が足を着地させることが可能となる。
【0055】
以上、本発明ついて説明したが、係るベッドは上記のような構成に限らず、例えばシリンダ装置5に代えてモータを用い、当該モータで作動板42,66を旋回させるようにするなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る椅子兼用ベッドを示す側面図(ベッド形の状態)
【図2】架台を構成するベースフレームの側面図
【図3】図2のA−A拡大断面図
【図4】架台を構成する可動フレームの側面図
【図5】図4のB−B拡大断面図
【図6】背部レストの正面図
【図7】背部レストの側面図
【図8】可動フレームの部分拡大図
【図9】足部レストと可動フレームの連結部分を示す拡大図
【図10】本発明に係る椅子兼用ベッドの動作説明図
【図11】本発明に係る椅子兼用ベッドの変更例を示す側面図(ベッド形の状態)
【図12】本発明に係る椅子兼用ベッドの変更例を示す側面図(椅子形の状態)
【符号の説明】
【0057】
1,10 架台
2,20 ベースフレーム
3,30 可動フレーム
40 リンク機構
42 作動板
43 揺動リンク
5 シリンダ装置(駆動源)
51 伸縮ロッド部
6 床板フレーム
61 背部レスト
62 大腿部レスト
63 下腿部レスト
64 足部レスト
66 作動板
69,H ヒンジ部材
7 伝動リンク
8 連接杆
S 便器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架台上にフラットな状態から椅子形に屈曲可能な床板フレームを設けた椅子兼用ベッドにおいて、
前記床板フレームは、その長さ方向一端側から順に背部レスト、大腿部レスト、下腿部レスト、及び足部レストに区分されると共に、それら各レストの隣り合うもの同士が屈曲自在に連結され、その床板フレームをフラット状態に展開したときには少なくとも大腿部レストと下腿部レストと足部レストが架台により支持され、
前記背部レストは、その裏面側に固着される作動板の部位を前記架台の部位に回転自在に結合して該架台上で上下方向に旋回可能に支持され、
前記大腿部レストは、前記下腿部レストとの連結側が連接杆を介して前記架台の部位に連結され、
前記足部レストは、前記下腿部レストとは反対側の端部がヒンジ部材を介して前記架台の上端部に連結され、
前記背部レストが上方旋回されるとき、その旋回動作に連動する前記連接杆により前記大腿部レストの一端側が押し上げられて該大腿部レストと下腿部レストとの連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がり、
前記背部レストが定位置まで起き上がった状態では、前記大腿部レストが架台上で水平状に支持されると共に、該大腿部レストの下方位置で前記足部レストが下腿部レストの裏側に折り畳まれることを特徴とする椅子兼用ベッド。
【請求項2】
前記架台は、前記床板フレームの長さ方向に往復移動可能な可動フレームと該可動フレームを往復移動させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記作動板と前記可動フレームは、該可動フレームの往復移動動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう伝動リンクで連結されることを特徴とする請求項1記載の椅子兼用ベッド。
【請求項3】
前記架台は、昇降可能な可動フレームと該可動フレームを昇降させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記可動フレームは、その昇降動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう前記作動板を含むリンク機構を介してベースフレームに昇降可能に保持されることを特徴とする請求項1記載の椅子兼用ベッド。
【請求項4】
大腿部レストに開閉自在な開口部が形成されると共に、架台には床板フレームが椅子形に屈曲したとき前記開口部に対応する位置に便器が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子兼用ベッド。
【請求項1】
架台上にフラットな状態から椅子形に屈曲可能な床板フレームを設けた椅子兼用ベッドにおいて、
前記床板フレームは、その長さ方向一端側から順に背部レスト、大腿部レスト、下腿部レスト、及び足部レストに区分されると共に、それら各レストの隣り合うもの同士が屈曲自在に連結され、その床板フレームをフラット状態に展開したときには少なくとも大腿部レストと下腿部レストと足部レストが架台により支持され、
前記背部レストは、その裏面側に固着される作動板の部位を前記架台の部位に回転自在に結合して該架台上で上下方向に旋回可能に支持され、
前記大腿部レストは、前記下腿部レストとの連結側が連接杆を介して前記架台の部位に連結され、
前記足部レストは、前記下腿部レストとは反対側の端部がヒンジ部材を介して前記架台の上端部に連結され、
前記背部レストが上方旋回されるとき、その旋回動作に連動する前記連接杆により前記大腿部レストの一端側が押し上げられて該大腿部レストと下腿部レストとの連結部分が上方に向け凸状に折れ曲がり、
前記背部レストが定位置まで起き上がった状態では、前記大腿部レストが架台上で水平状に支持されると共に、該大腿部レストの下方位置で前記足部レストが下腿部レストの裏側に折り畳まれることを特徴とする椅子兼用ベッド。
【請求項2】
前記架台は、前記床板フレームの長さ方向に往復移動可能な可動フレームと該可動フレームを往復移動させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記作動板と前記可動フレームは、該可動フレームの往復移動動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう伝動リンクで連結されることを特徴とする請求項1記載の椅子兼用ベッド。
【請求項3】
前記架台は、昇降可能な可動フレームと該可動フレームを昇降させるための駆動源を装備したベースフレームとを有し、そのベースフレームに前記作動板の部位が結合されると共に、前記可動フレームに前記連接杆および前記ヒンジ部材の部位がそれぞれ結合され、
前記可動フレームは、その昇降動作と前記背部レストの旋回動作が連動するよう前記作動板を含むリンク機構を介してベースフレームに昇降可能に保持されることを特徴とする請求項1記載の椅子兼用ベッド。
【請求項4】
大腿部レストに開閉自在な開口部が形成されると共に、架台には床板フレームが椅子形に屈曲したとき前記開口部に対応する位置に便器が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の椅子兼用ベッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−73420(P2008−73420A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258719(P2006−258719)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(506322732)Road Wide株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(506322732)Road Wide株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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