説明

椅子

【課題】背凭れ板を、背凭れ支持フレームに、それらの取付部に大きな負荷が加わるのを防止して安定的に、かつ容易に弾性撓曲しうるように支持する。
【解決手段】背凭れ板8の上部に、上下方向を向く長孔21を設けた取付部20を設け、この取付部(20)と対向する背凭れ支持フレーム6の前面に、前面が凸曲面状の受け面をなす受け部材13を設けるとともに、長孔21を貫通するボルト25の前端部に押圧具26を設け、この押圧具26の後面に設けた凸曲面状の押圧面と、受け部材13の前面の受け面とにより、取付部20を上下方向に摺動可能、かつ前後方向に若干傾動可能として、前後より挟んで支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座体の後部より起立する背凭れ支持フレームの前面に、合成樹脂等よりなる背凭れ板を、弾性撓曲可能に取付けてなる椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
本願の出願人は、背凭れ支持フレームの前面に、前面にクッション体を取付け可能な合成樹脂製の背凭れ板を、弾性撓曲可能に、かつ着脱容易に取付けうるようにした椅子を案出し、先に特許出願している(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−128785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献に記載されている椅子においては、背凭れ板の上下の左右両側部に設けた軸状膨出部を、背凭れ支持フレーム(支持枠)の前面に突設した包持片における上方に開口する嵌合溝に上方より回動可能に嵌合するか、もしくは、上下いずれか一方の膨出部を、上下方向を向くだるま孔状の係合孔とし、この係合孔に、背凭れ支持フレームに突設した係合突起の係止頭部を上下に摺動可能に係合させることにより、背凭れ板を背凭れ支持フレームの前面に撓曲可能に取付けている。
【0004】
そのため、背凭れ板の背凭れ支持フレームへの取付けや取外しを極めて容易に行いうるとともに、背凭れ板が後方に弾性変形した際の負荷が、その取付部に過大に加わることがないという効果を有している。
【0005】
しかし、その反面、椅子の運搬時等において、背凭れ板や前面のクッション体に上向きの強い力が加わると、背凭れ板が背凭れ支持フレームより外れる恐れがある。
【0006】
また、背凭れ板の係合孔を、単に背凭れ支持フレームの係合突起に係合させる取付構造では、背凭れ板の取付強度が小さく、かつ前後方向にがたつく恐れもある。
【0007】
さらに、背凭れ板が後方に弾性撓曲した際、係合突部が挿通している部分の背凭れ板の後面が、背凭れ支持フレームの前面に面接触し、かつこの状態で上下に摺動するため、摩擦抵抗が大きくなって背凭れ板が前後に撓みにくくなる恐れがある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、背凭れ板を、背凭れ支持フレームに、それらの取付部に大きな負荷が加わるのを防止して、安定的に支持しうるとともに、背凭れ板が容易に弾性撓曲しうるようにした椅子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)座体の後部より起立する背凭れ支持フレームの前面に、少なくとも中間部を前後方向に弾性撓曲可能とした背凭れ板の上下部を取り付けてなる椅子において、前記背凭れ板の上下いずれかの部分と、それに対向する背凭れ支持フレームとのいずれか一方に、上下方向を向く長孔を設けた板状の取付部を設け、かつ他方に、前記取付部に対向する凸曲面状の受け面を設けるとともに、前記長孔を貫通するようにして、前記受け面に突設したボルトの先端部に押圧具を設け、この押圧具における前記受け面に対向する面に設けた凸曲面状の押圧面と、前記受け面とにより、前記取付部を上下方向に摺動可能、かつ前後方向に若干傾動可能として、前後より挟んで支持する。
【0010】
(2)上記(1)項において、ボルトの先端に設けた頭部と、ボルトの軸部に嵌合した押圧具との間に、弾性部材を挟入する。
【0011】
(3)上記(1)または(2)項において、背凭れ板の一部を、後方に膨出させることにより、前面が開口する縦長ケース状の取付部を形成し、この取付部内に、押圧具とボルトの先端部とを収容する。
【0012】
(4)上記(3)項において、取付部の下端と長孔の下端とを、押圧具とボルトとが上下方向に挿脱しうるように、下方に開口する。
【0013】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、背凭れ支持フレームにおける押圧具と対向する前面に、合成樹脂よりなり、かつ前面に受け面を有する受け部材を、前向きに、かつ着脱可能に取付ける。
【0014】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、背凭れ板の上下いずれか他方の後面に、左右方向を向く支軸を突設し、かつこの支軸と対向する背凭れ支持フレームの前面に、前記支軸を回動可能に受支する、上方に開口する支持溝を有する支持部材を設ける。
【0015】
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、背凭れ支持フレームが、左右1対の側部フレームの上端同士を、左右方向を向く上部フレームにより結合したものよりなり、前記左右の側部フレームの前面により、背凭れ板の両側部を支持する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、背凭れ板の上下いずれか一方と、それに対向する背凭れ支持フレームとのいずれかに設けた取付部は、他方に設けた、取付部と対向する受け面と、この受け面に突設したボルトの先端部の押圧具とにより挟んで支持されているので、背凭れ板を、背凭れ支持フレームに、前後方向にがたついたり、外れたりすることなく安定的に取付けることができる。
【0017】
また、受け面と押圧具の押圧面は、凸曲面状をなしており、背凭れ板又は背凭れ支持フレームの取付部との接触面積が小さく、かつ摩擦抵抗も小さくなるため、背凭れ板の支持部が上下に摺動し易く、かつ前後に容易に弾性撓曲しうるようになり、座り心地が向上するとともに、取付部に大きな負荷が加わるのが防止される。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、押圧具が、弾性部材を弾性変形させて、前後に傾動し易くなるので、背凭れ板も前後に、より撓み易くなるとともに、取付部に加わる負荷がより小さくなる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、押圧具及びボルトの先端部は、ケース状の取付部内に収容され、背凭れ板の前面より前方に突出しないので、背凭れ板の前面へのクッション体の取付けが容易となるとともに、厚さの薄いクッション体でも座り心地がよくなる。
また、背凭れ板の後面と背凭れ支持フレームの前面との間に、取付部の突出寸法分の隙間が形成されるので、背凭れ板を後方に大きく撓ませることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、ボルトを若干緩めるだけで、背凭れ板の取付部を、その下端の開口と長孔の下端の開口を通して、背凭れ支持フレームの前面に容易に取付けたり、取外したりすることができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、受け面を、背凭れ支持フレームとは別体の受け部材に形成しているので、受け面が摩耗した際などに、受け部材のみを交換すればよく、経済的である。
【0022】
また、背凭れ板の後面と背凭れ支持フレームの前面との間に、受け部材の突出寸法分の隙間が形成されるので、背凭れ板を後方に大きく撓ませることができる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、背凭れ支持フレームの前面に突設された支持部材の支持溝に、背凭れ板の後面の支軸を上方より嵌合するだけで、背凭れ板の上下いずれか一方の端部を、背凭れ支持フレームの前面に、簡単に取付けることができる。
【0024】
また、支軸は、支持溝内において回動しうるので、背凭れ板の取付部も前後に回動することができ、背凭れ板が着座者の背中により押圧された際に、全体が後方に容易に、かつ比較的自由に弾性撓曲し、座り心地が向上する。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、背凭れ支持フレームの強度が増大するので、背凭れ板を安定して取付けた状態で、これを弾性撓曲させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の椅子の側面図で、キャスタ(1)付きの脚体(2)と、その中央より起立する脚柱(3)と、その上端に取付けられた座体(4)を支持する支基(5)と、この支基(5)の両側部の後方において起立するアルミニウム合金等よりなる背凭れ支持フレーム(6)とを備えている。
【0027】
背凭れ支持フレーム(6)は、左右1対の側部フレーム(6a)(6a)の上端同士を、後向き凸円弧状の上部フレーム(6b)により結合することにより、前面視ほぼ縦長下向コ字状に形成され、両側部フレーム(6a)の下端の前向部には、肘掛け(7)の下端が固着されている。
【0028】
背凭れ支持フレーム(6)の前面には、弾性変形可能な硬質合成樹脂により成形され、周端部を除いた部分がメッシュ状に中抜きされた背凭れ板(8)と、その前面に取付けられたクッション体(9)とからなる背凭れ(10)が取付けられている(詳細は後述する)。
【0029】
図2に示すように、背凭れ支持フレーム(6)における左右の側部フレーム(6a)の上端部前面には、背凭れ板(8)の左右両側部の上端を取付けるための上下方向を向く突部(11)(11)が一体的に突設され、両突部(11)には、側部フレーム(6a)の内部に至る長さの前後方向を向く上下2個のめねじ孔(12)(12)が穿設されている。
【0030】
上記各突部(11)には、図3及び図5に示すように、前面が凸曲面状の受け面をなすとともに、後面が開口された縦長ケース状の合成樹脂よりなる受け部材(13)が、その上部に穿設された奥部が小径をなす段付孔(14)に挿入したボルト(15)と、下部に設けた奥部が小径の段付孔(14)に挿入した後記する背凭れ板取付用の段付ボルト(25)とを、上記めねじ孔(12)(12)に螺合することにより、突部(11)を覆うようにして、側部フレーム(6a)の前面に固着されている。
【0031】
図4及び図5にも示すように、両側部フレーム(6a)の上下方向を向く下端部の前面、すなわち側面視くの字形をなす折曲部の下部の前面には、背凭れ板(8)の左右両側部の下部を取付けるための突部(16)が突設され、この突部(16)には、合成樹脂よりなり、半円を若干超える円弧状で、上方と左右両側方に開口する支持溝(17a)が形成された、後面が開口するケース状の支持部材(17)の上下の端部が、前方より側部フレーム(6a)の2個のめねじ孔(18)(18)に螺合したボルト(19)により、突部(16)を覆うようにして前向きに固着されている。
【0032】
図3及び図5に示すように、背凭れ板(8)の上端部の左右両側部、すなわち側部フレーム(6a)の上端の突部(11)と対向する位置には、その後面より後方に膨出するとともに、前面と下端面が開口された縦長ケース状の取付部(20)(20)が一体成形され、その後端面には、下端が開口する上下方向を向く長孔(21)が形成されている。
なお、取付部(20)の後端面の左右方向の中央部は、上記受け部材(13)の前面とほぼ同じ曲率で、前方に凹曲面状に凹ませてある。
【0033】
図4に示すように、背凭れ板(8)の下部後面の左右両側部(左右同一構造につき、一方のみ図示する)、すなわち側部フレーム(6a)の下部に設けた支持部材(17)における支持溝(17a)と対向する位置には、上下方向を向く方形孔(22)が穿設され、その後面側の左右の開口縁に後向きに突出された左右1対の支持片(23)(23)の対向面は、上記支持溝(17a)に上方より嵌合可能な直径及び左右寸法とされた支軸(24)が、一体的に形成されている。
【0034】
背凭れ支持フレーム(6)に背凭れ板(8)を取付けるには、クッション体(9)を取付ける前に、まず左右の側部フレーム(6a)の下部の支持部材(17)における円弧状の支持溝(17a)に、背凭れ板(8)の下部両側部の支軸(24)を、上方より圧嵌する(図5参照)。この状態においては、支軸(24)の両側の支持片(23)間に支持部材(17)が挟入されているので、背凭れ板(8)の下部は左右方向に移動することはない。また、支軸(24)は、支持溝(17a)により回動可能に保持されるので、背凭れ板(8)の下端部も、支軸(24)を中心として前後に屈曲することができる。
【0035】
このようにして、背凭れ板(8)の下端部を、背凭れ支持フレーム(6)の下部により保持したのち、左右の側部フレーム(6a)の上端に設けた受け部材(13)の前面の凸曲面状の受け面に、背凭れ板(8)の上端部の左右両側部後面に突設した取付部(20)の後面を当接させ、この状態で、図3及び図5に示すように、段付ボルト(25)に、合成樹脂よりなり、後面が凸曲面状の押圧面をなすやや縦長の押圧具(26)を、硬質ゴム又はエラストマ等よりなる厚肉の弾性ワッシャ(27)を介して嵌合したのち、これらを、背凭れ板(8)の前方より、その後方に突出させた取付部(20)内に挿入し、段付ボルト(25)を、取付部(20)の長孔(21)に上下に摺動可能に挿通して受け部材(13)の下部の段付孔(14)に嵌挿する。
【0036】
ついで、段付孔(14)の奥部の小径孔より突出させた段付ボルト(25)の小径をなす雄ねじ部(25a)を、側部フレーム(6a)上端の突部(11)に設けた下部のめねじ孔(12)に螺合する。
この際、段付ボルト(25)の締付力を、弾性ワッシャ(27)が若干強く圧縮されて弾性変形しうる程度とし、あまり強く締付け過ぎないようにするのがよい。
【0037】
これにより、背凭れ板(8)の上端部は、背凭れ支持フレーム(6)における左右の側部フレーム(6a)の上端に、上下方向にのみ移動可能として安定的に取付けられ、従来のように、背凭れ板(8)に上向きの強い力が加わっても、その少なくとも上部が背凭れ支持フレーム(6)より外れる恐れはない。
【0038】
受け部材(13)の前面の凸曲面と、押圧具(26)の後面の凸曲面状をなす押圧面により、背凭れ板(8)の取付部(20)の前後両面を挟持し、それらの接触面積が小さくなるようにしているため、摩擦抵抗も小さくなり、背凭れ板(8)の上端部が上下に摺動し易くなる。
【0039】
また、押圧具(26)は、弾性ワッシャ(27)を介して締付けられ、段付ボルト(25)を中心として前後に傾動するので、背凭れ板(8)の上端部が撓み易くなる。
【0040】
以上説明したように、背凭れ板(8)の下端部は、背凭れ支持フレーム(6)により前後に回動可能に支持され、かつ同じく上端部は、背凭れ支持フレーム(6)に上下に移動可能に取付けてあるため、背凭れ板(8)が着座者の背中により後方に押圧された際に、それ全体が容易にかつ比較的自由に弾性撓曲するようになり、座り心地がよくなる。
【0041】
また、背凭れ板(8)が弾性撓曲しても、それと背凭れ支持フレーム(6)との取付部に大きな負荷が加わることがないので、それらの取付部材の耐久性が向上する。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、背凭れ板(8)の下端部を、背凭れ支持フレーム(6)の下部前面に設けた支持部材(17)により、回動可能に支持しているが、これとは反対に、背凭れ支持フレーム(6)の上端部に、上記と同一構造の支持部材(17)を設け、その支持溝(17a)に、背凭れ板(8)の上端部に設けた上記と同形の支軸(24)を回動可能に嵌合して支持するとともに、背凭れ板(8)の下端部を、上記上部の取付構造と同じ手段で、上下方向に移動可能に支持するようにしてもよい。
【0043】
また、上記のような支持部材(17)及び支軸(24)を省略して、背凭れ板(8)の上下いずれか一方の端部を、単に背凭れ支持フレーム(6)の前面等に、ブラケット等を介して支持し、その他方の端部のみを、上記と同様の手段により、上下に摺動可能に背凭れ支持フレーム(6)に取付けることもある。
【0044】
上記実施形態では、背凭れ板(8)に、後方に膨出する取付部(20)を設け、この前面が開口する凹部内に、段付ボルト(25)や、それに嵌合した押圧具(26)を収容しているが、このような後方に膨出する取付部(20)を設けないで、フラットな取付部に、上記と同様の上下方向を向く長孔(21)を設け、この長孔(21)に摺動可能に挿通した段付ボルト(25)を、上記と同様、弾性ワッシャ(27)を介して背凭れ支持フレーム(6)に螺合するようにすることもある。
【0045】
また、弾性ワッシャ(27)を省略して、押圧具(26)のみとしたり、弾性ワッシャ(27)の代わりに、スプリングワッシャや皿ばね、圧縮コイルばね等の弾性部材を用いたりすることもある。
【0046】
上記実施形態とは反対に、背凭れ支持フレーム(6)側に長孔を有する取付部を設け、それと対向する背凭れ板(8)側に、取付部の前面に摺接可能な凸曲面状の受け面を有する受け部材を設け、かつ背凭れ支持フレーム(6)側より長孔に挿通したボルトにより、押圧具を、その前面の押圧面が取付部の後面に摺接するように固定することもある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の椅子の一実施形態を示す側面図である。
【図2】同じく、背凭れ支持フレームの要部の斜視図である。
【図3】同じく、背凭れ支持フレームと背凭れ板の上部と、それらの取付手段を示す分解斜視図である。
【図4】同じく、背凭れ支持フレームと背凭れ板の下部の支持構造を示す要部の斜視図である。
【図5】背凭れ板を取付けた状態を、要部を縦断して示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0048】
(1)キャスタ
(2)脚体
(3)脚柱
(4)座体
(5)支基
(6)背凭れ支持フレーム
(6a)側部フレーム
(6b)上部フレーム
(7)肘掛け
(8)背凭れ板
(9)クッション体
(10)背凭れ
(11)突部
(12)めねじ孔
(13)受け部材
(14)段付孔
(15)ボルト
(16)突部
(17)支持部材
(17a)支持溝
(18)めねじ孔
(19)ボルト
(20)取付部
(21)長孔
(22)方形孔
(23)支持片
(24)支軸
(25)段付ボルト
(26)押圧具
(27)弾性ワッシャ(弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座体の後部より起立する背凭れ支持フレームの前面に、少なくとも中間部を前後方向に弾性撓曲可能とした背凭れ板の上下部を取り付けてなる椅子において、
前記背凭れ板の上下いずれかの部分と、それに対向する背凭れ支持フレームとのいずれか一方に、上下方向を向く長孔を設けた板状の取付部を設け、かつ他方に、前記取付部に対向する凸曲面状の受け面を設けるとともに、前記長孔を貫通するようにして、前記受け面に突設したボルトの先端部に押圧具を設け、この押圧具における前記受け面に対向する面に設けた凸曲面状の押圧面と、前記受け面とにより、前記取付部を上下方向に摺動可能、かつ前後方向に若干傾動可能として、前後より挟んで支持したことを特徴とする椅子。
【請求項2】
ボルトの先端に設けた頭部と、ボルトの軸部に嵌合した押圧具との間に、弾性部材を挟入してなる請求項1記載の椅子。
【請求項3】
背凭れ板の一部を、後方に膨出させることにより、前面が開口する縦長ケース状の取付部を形成し、この取付部内に、押圧具とボルトの先端部とを収容してなる請求項1または2記載の椅子。
【請求項4】
取付部の下端と長孔の下端とを、押圧具とボルトとが上下方向に挿脱しうるように、下方に開口してなる請求項3記載の椅子。
【請求項5】
背凭れ支持フレームにおける押圧具と対向する前面に、合成樹脂よりなり、かつ前面に受け面を有する受け部材を、前向きに、かつ着脱可能に取付けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
【請求項6】
背凭れ板の上下いずれか他方の後面に、左右方向を向く支軸を突設し、かつこの支軸と対向する背凭れ支持フレームの前面に、前記支軸を回動可能に受支する、上方に開口する支持溝を有する支持部材を設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の椅子。
【請求項7】
背凭れ支持フレームが、左右1対の側部フレームの上端同士を、左右方向を向く上部フレームにより結合したものよりなり、前記左右の側部フレームの前面により、背凭れ板の両側部を支持してなる請求項1〜6のいずれかに記載の椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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