説明

椅子

【課題】背支柱の前面に背もたれをねじで固定している椅子において、ねじが露出することによる外観の悪化を、構造を複雑化することなく防止する。
【解決手段】背フレーム7は左右の背支柱29を有しており、背支柱29の上端部に後ろから挿通したねじ31により、上部背シェル板10が背支柱29に固定されている。背支柱29の上端には、横向き部36と肘当て部37とを有する肘本体38が一体に形成されており、肘本体38には肘カバー39が装着されている。肘カバー39は後ろ壁77を有しており、上部背シェル板10を固定するためのねじ31の頭は後ろ壁77で覆われている。従って、ねじ31の頭が露出して美観を損なうことはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、背もたれと肘掛け装置とを有する椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子は様々の形態があるが、その一例として、背もたれの側部から肘本体(肘当て)が手前に延びているタイプのものがある。
【0003】
その例として特許文献1には、骨組みを金属パイプで構成したパイプ椅子において、左右の脚を上水平部とその前端から下向きに延びる足部とを有する側面視逆L形に形成して、上水平部の後端に背もたれを取り付けた構成において、左右の脚の上水平部を肘本体と成して、これに肘カバーを取り付けることが開示されている。この特許文献1の肘カバーは、脚のうち上水平部の全体と足部の上端部とを覆うように側面視横向きL形に形成されており、肘カバーはビスで脚に固定されている。
【0004】
他方、特許文献2には、ベースに後傾動自在に連結された背フレームに背もたれを取り付けているロッキング椅子において、背フレームにフレーム構造の肘本体を固定することが記載されている。すなわち、この特許文献2の肘本体は、背フレームを構成する背支柱の上端から左右外向きに突出する横向き部と、この横向き部の先端から手前に向けて延びる前後長手の肘当て部と、肘当て部の先端から下向きに延びる支持部とを有しており、支持部の下端は背フレームの前端部に固定されている。そして、肘当て部の上面にはクッションを取り付けている。
【0005】
特許文献3に記載されているように、背もたれと座とを側面視横向きL形の肘本体で連結することも提案されている。更に、例えば特許文献4に記載されているように、背もたれの左右側部から肘本体を前向きに突設したタイプ、すなわち、肘本体の前端が自由端になっているタイプも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−74347号のCD−ROM
【特許文献2】特開2005−73872号公報
【特許文献3】実開平5−34960号のCD−ROM
【特許文献4】特開平11−206510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これら各特許文献ではいずれも肘当て部は背もたれの外側から手前に延びており、このため肘当て部の長さが長くなって使い勝手が良いと言える。特に、会議室や講演会場に設置する椅子の場合、着座者は背もたれに凭れた状態で長時間にわたって肘を当て続けることが多いが、このように使用者が長時間にわたって肘を当て続ける場合は、特許文献1〜4のようなタイプでは肘の支持面積を大きくできるため安楽性保持機能が高いと言える。
【0008】
さて、肘本体は強度を確保せねばならないため金属を材料にしたダイキャスト品や樹脂を材料にした成形品であることが多いが、肘本体に人の腕が直接に当る構成であると、肘当て部の形状を変更したい場合は金型の全体を変更せねばならないためコストが嵩むという問題がある。
【0009】
これに対して特許文献1のように肘カバーを設けると、肘本体には特段の加工を施すことなく肘カバーの形状等を変更することで対処できるため、デザイン変更や形状の微調整等の融通性が高い利点がある。また、肘カバーを当たりが柔らかい材料で製造したり見た目が良い素材で製造したりすることも自由に行えるため、使用感を向上させたり見た目を向上して商品価値をアップできたりする利点もある。
【0010】
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、肘当て部が背もたれの側部から手前に延びている椅子において、改良された形態を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明に係る椅子は、座と背もたれとを有し、前記背もたれはその後ろに配置した縦フレームに固定されており、前記縦フレームの上端に、当該縦フレームの上端から左右外側に突出した横向き部とこの横向き部の先端から手前に延びる肘当て部とを有する肘本体が一体に設けられている、という基本構成になっている。そして、請求項1の発明では、上記基本構成において、前記肘本体に、前記横向き部と肘当て部との上面の全体を覆う樹脂製の肘カバーが装着されている。
【0012】
本願発明は、請求項2以下に記載しているように様々に展開できる。すなわち請求項2の発明は、請求項1において、前記縦フレームは前記背もたれの中間部を挟んだ両側に左右2本配置されており、このため前記左右縦フレームは相対向した内側面を有する一方、前記肘カバーの後端部に、前記縦フレームの後面上部を覆う下向きの後ろ壁と、前記縦フレームの内側面の上部を覆う下向きの後部内側壁とが形成されている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2において、前記背もたれは、強度メンバーとしての背シェル板とその前面に張ったクッションとを有しており、前記背シェル板と前記縦フレームとが、前記縦フレームの上端部に後ろから挿通したねじで締結されており、前記ねじの頭が前記肘カバーの後ろ壁で後ろから覆われている。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2又は3のうちのいずれかにおいて、前記肘カバーは、前記肘本体における肘当て部の先端面を手前から覆う下向きの前壁と、前記肘本体における肘当て部の外側面に重なる下向きの外壁及び内側面に重なる内壁とを有しており、前記前壁又は外壁若しくは内壁に、前記肘カバーを後ろ向きずれ不能及び上向き離反不能に保持する係合部を設けており、前記肘カバーは、前記後ろ壁によって前向きずれ不能に保持されている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の肘本体は、背もたれが固定された強度メンバーとしての縦フレームに一体に設けられているため、高い強度を有する。そして、肘カバーは肘本体の全体を上から覆っているため、肘本体に加工を施すことなく、肘カバーを改良することにより、美観や手触りの良い状態に完成させることができる。
【0016】
すなわち、肘本体が設けられている縦フレームの金型等には手を加えずに、肘カバーを製造する金型を微調整等することで肘掛け装置の完成度を高めることができるのであり、このため、できるだけコストを抑制した状態で高品質の椅子を提供可能になる。特に、肘本体のうち横向き部も肘カバーで上から覆われているため、肘カバーで覆われている面積が大きくて特に美観に優れている。
【0017】
請求項2の発明では、縦フレームは特許文献2のように背もたれの後ろに左右2本配置されており、縦フレームの上部後面と上部内側面とが肘カバーで覆われている。すなわち、縦フレームの上部に肘カバーの後部が嵌まった状態になっている。このため、肘カバーは、爪と係合穴との組み合わせのような係合手段による装着であっても、肘本体に安定よくガタのない状態に取り付けることができる。また、肘カバーの後部は後ろ壁と後部内側壁との存在によって人の手で引き起こし難くなっており(人が指先を当てても引っ掛かりにくい)、このため取り付け強度も高い。
【0018】
背もたれは背シェル板(背板、背インナーシェル)の前面にクッションを張った構造であることが多いが、この場合、背シェル板と縦フレームとの固定手段としてねじを使用すると、少ない締結箇所で強固に固定できる利点である。その場合、ねじを背シェル板に手前から挿入してねじ込む方式であると、クッションを取り外したり表皮材を剥がしたりせねば締結作業を行えないため椅子の組み立て作業が面倒であり、また、クッションが背シェル板に一体化されている場合は適用し難いという問題がある。
【0019】
他方、ねじを縦フレームに後ろから挿入する方式であると、背シェルにクッションが張られた状態のままで締結できるため、換言すると、背もたれを完成させた状態で縦フレームに固定できるため、椅子の組み立ての作業性に優れていると共に適用範囲も広い利点を有するが、ねじの頭やねじ挿入穴が後ろに露出して美観が損なわれるおそれがある。
【0020】
これに対して請求項3の構成を採用すると、縦フレームにねじを後ろから挿入する方式を採用しつつ、ねじの頭(ねじ挿入穴も)は肘カバーの後ろ壁で覆われるため、肘カバーを利用してねじの頭の露出を防止して美観悪化を防止できる。すなわち、美観の悪化を招来することなく、椅子の組み立て作業性を向上できると共に適用範囲も広げることができる利点がある。従って、クッションを背インナーシェルにインサート成形したタイプの椅子には特に好適であると言える。
【0021】
肘カバーを肘本体に装着する手段としては、例えば肘本体に下方から挿入したビスを肘カバーにねじ込むといったことも可能であるが、ねじを使用すると、手間がかかる問題や、ねじを紛失して取り付け不能になってしまう問題がある。
【0022】
これに対して請求項4のように肘カバーの弾性変形を利用して装着すると、肘カバーの取り付け作業を簡単に行えると共に、取り付け不能になる問題も解消できる。また、肘カバーは、肘当て部と縦フレームとに上から被さっているため前後左右のいずれにも動かないように保持されている。従って、肘カバーはビスの締結でなくても、肘本体にしっかりと取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態に係る椅子の外観を示す図で、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図、(D)は背面図、(E)は部分的な斜視図である。
【図2】(A)は全体の分離斜視図、(B)はベースをひっくり返した状態での分離斜視図である。
【図3】(A)はシェル板及び補強板の分離斜視図、(B)はクッションの分離斜視図である。
【図4】全体の一部破断分離平面図である。
【図5】座を中心にした部分を図4の V-V視方向から見た側断面図である。
【図6】(A)は図5のVIA-VIA 視部分断面図、(B)は図5のVIB-VIB 視部分断面図である。
【図7】図5の VII-VII視部分断面図である。
【図8】(A)は身体受け部を後ろ見た分離斜視図、(B)は下部背シェル板を下方から見た部分斜視図である。
【図9】(A)は上部背シェル板と補強板との分離斜視図、(B)は上部背シェル板の下部を後ろから見た斜視図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図10】上部背シェル板と補強板と背支柱との分離平断面図である。
【図11】図10の箇所で見た組み立て後の断面図である。
【図12】(A)は肘カバーを分離した斜視図、(B)は肘カバーを取り付けた状態での斜視図、(C)は肘カバーの部分斜視図、(D)は背支柱の部分斜視図である。
【図13】(A)は背フレームを後ろから見た要部分離斜視図、(B)は肘カバーを裏返した状態での要部の分離平面図である。
【図14】(A)は肘本体を内側から見た斜視図、(B)は肘本体を外側から見た斜視図、(C)は肘カバーを取り付けた状態を図13(B)の XIVC-XIVC視方向から見た断面図である。
【図15】(A)は図13(A)の XVA-XVA視断面図、(B)は図13(B)の XVB-XVB視断面図、(C)は図14(A)の XVC-XVC視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では方向を特定するため「前後」「左右」の文言を使用するが、この文言は普通に着座した人の向きを基準にしている。但し、正面視は着座した人と対向した方向をいう。「内」「外」の文言も使用するが、椅子の中心を向いた方向を内とし、その逆方向を外向きとしている。
【0025】
(1).椅子の概要
まず、図1〜図5に基づいて椅子の概要を説明する。本実施形態は回転椅子に適用しており、椅子は、図1に示すように、座1と背もたれ2とが一体に連続した身体受け部3と、脚支柱4を有する脚装置5と、脚支柱4の上端に取り付けたベース6と、ベース6に後傾動自在に連結した背フレーム7とを有している。脚装置5は放射方向に延びる枝足を有しており、各枝足の先端にはキャスタを設けている。ベース6と背フレーム7とはアルミダイキャスト品又は樹脂成形品である。
【0026】
図2,3から理解できるように、身体受け部3はシェル板とこれに一体成形したクッションとを有している。シェル板は、座1を構成する座シェル板8と、座シェル板8の後部に一体に繋がった下部背シェル板9と、下部背シェル板9とは別体の上部背シェル板10とを有しており、上部背シェル板10の下端部が下部背シェル板9の上端部に連結されている。従って、上下の背シェル板9,10によって背もたれ2のシェル板が構成されている。各シェル板8,9,10は樹脂の成形品でり、裏面には縦横に延びる多数のリブが形成されている。
【0027】
なお、背シェル板について使用する「下部」「上部」の文言は、上下に分かれている2つの要素を特定するために使用しており、高さ位置を特定するために使用しているのではない。従って、本実施形態のように上部背シェル板10で背もたれ2の大部分(70〜80%程度)が構成されている場合もあれば、下部背シェル板9で背もたれ2の大部分が構成されている場合もあるし、上下背シェル板9,10が同じ程度の上下寸法である場合もある。
【0028】
図3(B)に示すように、クッションは、座シェル板8及び下部背シェル板9に対応した下部クッション11と、上部背シェル板10に対応した上部クッション12とに分離構成されている。これらのクッション11,12はそれぞれシェル板8,9,10にインサート成形されている。詳細は省略するが、下部クッション11は座シェル板8及び下部背シェル板9の表面の全体を覆うと共に、座シェル板8及び下部背シェル板9の終縁部の裏側まで巻き込むように成形されている。他方、上部クッション12は、上部背シェル板10の前面と後面との全体を包むように成形されている。
【0029】
身体受け部3は一体構造の表皮材を有しており、表皮材のうち背もたれ2に位置した部位は、背シェル板9,10及びクッション11,12を上からすっぽり覆う袋状に形成されており、表皮材のうち座1に対応した部位は、座シェル板8の外周から下方内側に巻き込まれている。従って、椅子の外観の大部分は表皮材で構成されている。
【0030】
座シェル板8と下部背シェル板9とは、左右両端のヒンジ部13を除いてスリット14で分断されている。換言すると、座シェル板8と下部背シェル板9とは左右両端のヒンジ部13のみによって連結されている。このため、下部背シェル板9は(背もたれ2)は、ヒンジ部13の変形により、座シェル板8に対して(座1に対して)相対的に後傾動し得る。
【0031】
図2,4に示すように、ベース6は概ね平面視四角形状で上下に開口した枠構造になっており、このため、リアメンバー16と左右サイドメンバー17とフロントメンバー18とを有する。リアメンバー16の左右中間部に脚支柱取り付け穴19が空いていると共に、リアメンバー16の後端部に後ろ向き張り出し部20を形成し、この後ろ向き張り出し部20に背フレーム7が左右横長の支軸21で連結されている。
【0032】
後ろ向き張り出し部20の左右両側には、図1(B)に示すように、ベース6の後面と背フレーム7の下部の前端との間において空間が空いているが、この空間の間隔は、ロッキングによって背フレーム7が傾動した状態であっても一般成人の指よりも大きい寸法が保持されるように設定している。従って、仮に人がベース6と背フレーム7との間の隙間に指先を差し込んでも挟まれることはない。
【0033】
図2,4に示すように、ベース6の左右サイドメンバー17には前後長手のレール部材22が前後スライド自在に装着されており、レール部材22に座シェル板8が装着されている。レール部材22はこれに内蔵したばね23に抗して後退動する。
【0034】
例えば図2(A)に示すように、背フレーム7は、その下端を構成する左右横長の基部24を有しており、この基部24の左右中間部が、軸受けブラケット25を介してベース6の後ろ向き張り出し部20に支軸21で連結されている。また、同じく図2(A)から理解できるように、背フレーム7における基部24の左右両端部には、レール部材22の後端に設けた左右軸受け部26の間に位置する上向きの軸受けリブ27が突設されており、レール部材22の軸受け部26と背フレーム7の軸受けリブ27とが左右横長のピン28で連結されている。
【0035】
背フレーム7における基部24の左右両端部には、やや後ろ向きに後退してから上向きに立ち上がった背支柱29が一体に形成されており、背支柱29の上端部に前向き突設したボス部30に上部背シェル板10がねじ(ビス)31で締結されている。背支柱29は請求項に記載した縦フレームの一例である。なお、背支柱29は肘かけ装置の支柱として機能しており、従って、背支柱29を肘支柱と呼ぶことも可能である。
【0036】
上部背シェル板10の前面の下部には前向きに開口した左右横長の凹所32が形成されており、凹所32に金属製(鋼板製)で横長の補強板33が嵌め込まれており、ねじ31は補強板33に形成したバーリング部34にねじ込まれている。従って、背支柱29と上部背シェル板10と補強板33とがねじ31で共締めされている。
【0037】
背支柱29の上端には、背もたれ2の背面に沿って左右外側に突出した横向き部36が一体に形成されており、横向き部36の先端に前後長手の肘当て部37を一体に形成し、これら横向き部36と肘当て部37とで肘本体38を構成している。換言すると、背支柱29の上端に、平面視で屈曲した形状の肘本体38が一体に形成されている。そして、肘本体38には、その上面の全体を覆う肘カバー36が装着されている。
【0038】
(2).支持機構部の補足説明
次に、図6以下の図面も参照して各部位の詳細を説明する。肘掛け装置の説明に先立って、まず、ベース6を中心にした支持機構部を補足説明する。
【0039】
既述のとおり、背フレーム7はその左右中間部が軸受けブラケット25を介してベース6の後ろ向き張り出し部20に連結されているが、図2(A)や図5に示すように、背フレーム7の基部24には軸受けブラケット25が左右ずれ不能に嵌まる凹所41が形成されており、背フレーム7の基部24に上から挿入したビス42が軸受けブラケット25にねじ込まれている。支軸21はベース6の後ろ向き張り出し部20に設けた側板20aに貫通しており、背フレーム7における基部24の凹所41によって左右抜け不能に保持されている。
【0040】
次に、レール部材22の箇所を説明する。図6〜7に示すように、レール部材22は下向きに開口したチャンネル状(コ字状)の形態であり、座シェル板8にはレール部材22を左右両側から囲う下向き規制リブ43を左右一対ずつ設けている。図6(B)に示すように、下向き規制リブ43にはレール部材22に内外から近接する位置決めリブ44を一体に設けており、かつ、レール部材22に切り起こし形成した前後長手のストッパー45に、下向き規制リブ43に形成した係合爪46を下方から当てている。従って、座シェル板8はレール部材22に対して上向き離脱不能に保持されていると共に、座シェル板8とレール部材22とは若干ながら前後方向に相対動し得る。
【0041】
図5及び図6(A)に示すように、レール部材22の前端部には左右横長のガイドピン47が前後動不能に挿通されており、図6(A)に示すように、ガイドピン47は、ベース6のサイドメンバー17に固定されたガイド体48に形成しているガイド穴49に挿通している。ガイド穴49は前後長手の長穴になっており(図5参照)、このためレール部材22は座シェル板8と一緒に前後スライドし得る。
【0042】
図5,7に示すように、レール部材22のうち概ね前後中間部には、前部ばね受け50が取り付けられており、ばね(圧縮コイルばね)23を手前側から支持している。ばね23の後端は、ベース6のサイドメンバー17に固定された後部ばね受51で支持されている。従って、レール部材22はばね23の弾性に抗して後退動し得る。そして、レール部材22の後端は背フレーム7に連結されているので、着座した人が背もたれ2にもたれ掛かって背フレーム7が後傾すると、レール部材22は後退して背もたれ2が後傾する。
【0043】
この場合、上部背シェル板10は背支柱29の上端部に固定されているので、上部背シェル板10は支軸21を中心にして回動するのに対して、座シェル板8はレール部材22に載っていて水平動するので、仮にシェル板8,9,10の全体が剛体構造であると、座シェル板8の動きと背シェル板9,10の動きとが規制しあってロッキング不能になるが、本実施形態では、座シェル板8と下部背シェル板9とは弾性変形可能なヒンジ部13を介して連結されているため、支障なくロッキングする。なお、図5に示すように、ベース6におけるリアメンバー16の上面にはベースカバー52を装着している。
【0044】
(3).背もたれの構造
次に、背もたれ2の構造を説明する。例えば図8に示すように、下部背シェル板9と上部背シェル板10との背面には縦横に延びる多数の補強リブ54が形成されており、補強リブ54で囲われた多くの部位に窓穴55が空いている。上下の背シェル板9,10にはその前面と裏面との両方にクッション12,11がインサート成形されているが、インサート成形に際して、樹脂材料は窓穴55を通って背シェル板9,10の裏に回り込む。
【0045】
既述のとおり、上部背シェル板10は背もたれ2の全高のうち相当部分(7割程度)を構成している。上部背シェル板10の下面と下部背シェル板9の上面とにはそれぞれ重合部リブ板56,57が形成されており、上部背シェル板10の下面には、左右中間部に位置したセンター係合突起58と、左右両端部に位置したサイド係合突起59と、センター係合突起58とサイド係合突起59との間に位置した中間位置決め突起60とが下向きに突設されている。
【0046】
一方、下部背シェル板9の上部には、センター係合突起58が嵌まるセンターポケット部61と、サイド係合突起59が嵌まるサイドポケット部62と、中間位置決め突起59が嵌まる中間ポケット部63とが上向きに開口した状態に形成されている。詳細は省略するが、センター係合突起58とサイド係合突起59とは抜け止め機能を担っており、中間位置決め突起59は位置決め機能を担っている。
【0047】
下部背シェル板9の重合部リブ板57は、正面視でその中間部を含んだ相当範囲が下向きに凹んだ形状になっており、他方、上部背シェル板10の重合部リブ板56はその左右中間部を含んだ相当範囲が下向きに突出した形状になっている。すなわち、上下背シェル板9,10の合わせ面は正面視で凹凸状態になっている。そして、下部背シェル板9における重合部リブ板57の凹部の内側面57aは傾斜しており、中間ポケット部63は凹部の底面と傾斜状内側面57aとに跨がった状態に形成されている。他方、上部背シェル板10における重合部リブ板56の凸部の外側面56aも傾斜しており、中間位置決め突起60は凸部の下面と傾斜面とに跨がった状態に形成されている。
【0048】
例えば図9に示すように、上部背シェル板10の下部は平面視で前向き凹状に曲がっており、そこで、上部背シェル板10の下部に配置された補強板33も平面視で前向き凹状に屈曲している。すなわち、補強板33のうちその中間部を含むかなりの範囲は平面視で左右横長の直線状に延びる基部になっているが、左右両端寄りのある程度の範囲は手前側に曲がった傾斜部33aとなっており、更に、傾斜部33aの先端には平面視で左右横長のエンド部33bが形成されている。そして、エンド部33bにバーリング部34が前向き突設されており、図10,図11に示すように、バーリング部34に形成した雌ねじにねじ31が後ろからねじ込まれている。
【0049】
当然ながら、上部背シェル板10にはねじ挿通穴64が空いている。また、上部背シェル板10には、背支柱29のボス部30が嵌まる受け座65が形成されている。図9(B)に示すように、受け座65はリブ66で囲われた状態に形成されている。また、背支柱29のうちボス部30の箇所の背面には、ねじ31の頭が入り込む座ぐり穴67が形成されている。なお、補強板33には、バーリング部34を形成することに代えてナットを溶接してもよい。
【0050】
補強板33には、エンド部33bを除いて補強のため左右横長のリブ68が膨出形成されている。また、補強板33のうち基部の左右両端部とエンド部33bとには位置決め穴69が空いており、上部背シェル板10には位置決め穴69に嵌まる位置決めピン部70を突設している。エンド部33bには上下一対の位置決め穴69が空いている。また、図9(A)(C)に示すように、上部背シェル板10のうち補強板33における基部の左右両端に対応した部位には、補強板33を上下から抱持する保持爪71を形成している。補強板33を凹所31に強く押し込むと、保持爪71が弾性変形してから元に戻ることにより、補強板33は脱落不能に保持される。
【0051】
図2(A)に示すように、背支柱29の前面のうち上下略中間高さ位置には、側面視で上向き鉤状の下部係合爪72を突設している。他方、図8に示すように、下部背シェル板9の裏面には、下部係合爪72が上から嵌まり込む上向き開口のポケット状の下部受け部73を形成している。従って、下部背シェル板9も背支柱29に前後離反不能に連結されている。下部背シェル板9と背支柱29とはビスで締結することも可能であるが、本実施形態のように係合爪72と受け部73とからなる係合手段を採用すると、組み立てが簡単であると共に背支柱29の背面がすっきりする利点がある。
【0052】
(4).肘掛け装置
次に、図12以降の図面も参照して肘掛け装置(肘当て部と呼ぶことも可能である)を説明する。既述のとおり、背支柱29の上端には横向き部36と肘当て部37から成る肘本体38が一体に形成されており、この肘本体38と肘カバー39とで肘掛け装置が構成されている。肘カバー39は樹脂の成形品である。
【0053】
例えば図10に示すように、背支柱29は、左右横長の長方形に近い平断面形状になっている。他方、図15(C)に示すように、肘本体38の横向き部36は側断面視で上下に長い形態であり、例えば図12や図13(A)から理解できるように(図1も参照)、横向き部36は正面視で外側に向けて上下高さが低くなる(上下幅が小さくなる)形態になっている。また、肘当て部37は基本的には横幅に対して上下厚さが小さい板状の形態であるが、前端に行くに従って厚さが徐々に薄くなっている。平面視では、横向き部36は肘当て部37より遙かに薄くなっている。
【0054】
肘カバー39は、肘本体38及び背支柱29の上面に重なる基板76と、基板76の後部から下向きに延びて横向き部36及び背支柱29の背面に重なる後ろ壁77とを有しており、基板76には、肘当て部37の先端面を手前から覆う下向きの前壁78と、肘当て部37の外側面に重なる下向きの外壁79と、肘当て部37の内側面に重なる内壁80とが一体に形成されている。基板76の下面には、高さの低いリブが縦横に延びるように形成されている。
【0055】
前壁78と外壁79と内壁80とは肘当て部37の外周を完全には覆っておらず、各壁78,79,80の下端は肘当て部37の外周に形成した段部81に当接又は近接している。従って、肘当て部37の外周の下端縁は外側に露出している。各壁78,79,80の下端は肘当て部37の段部81で下から覆われているため、人の指先が各壁78,79,80の下端に当たることはなくて、各壁78,79,80の引き起こしが防止されている。
【0056】
図14(B)(C)に示すように、肘カバー39における前壁78の下端には後ろ向きの前部係合爪82を形成している一方、肘当て部37の前端面には、段部81に連続した前部係合穴83を形成している。従って、肘カバー39の前端は上向きに起こし不能に保持されている。前部係合爪82と前部係合穴83とは、請求項に記載した係合部の一例である。
【0057】
また、図14及び図15(B)に示すように、肘カバー39における外壁79のうちその前端寄り部位の下端には内向きの外部係合爪84を形成している一方、肘当て部37の外端面には、段部81に連続した外部係合穴85を形成している。この場合、図14(B)に示すように、外部係合穴85の手前において肘当て部37は上向きに切り開かれている(切り開き部を図14(B)において符号86で示す。)。従って、肘カバー39を手前から後ろにスライドさせると、前部係合爪82を前部係合穴83に嵌め込むことができると共に、外部係合爪84を外部係合穴85に嵌め込むことができる。
【0058】
図14及び図15(B)に示すように、肘カバー39における内壁80のうちその前後複数箇所(3カ所)の下端には外向きの内部係合爪87を形成している一方、肘当て部37の内端面には、段部81に連続した内部係合穴88を形成している。内部係合穴88は椅子の内方のみに開口しており、従って、内部係合爪87は、上からの押し込みに伴う肘カバー39の弾性変形により、内部係合穴88に嵌まり込む。肘当て部37の内側面には、内部係合爪87が通るガイド溝89を形成している。内外の係合爪84,87及び係合穴85,88も、請求項に記載した係合部の一環を成している。
【0059】
例えば図15(C)に示すように、肘カバー39の基板76のうち横向き部36及び背支柱29の重なる後部には、横向き部36及び背支柱29に前から重なる後部前壁90を形成している。後部前壁90の下向き突出寸法は僅かであり、横向き部36及び背支柱29に形成した後ろ側前段部91に嵌まっている。後ろ側前段部91は、肘当て部37の内側面に形成した段部81と滑らかに連続している。従って、肘カバー39の内壁80の下端と後部前壁90とも、高さを変えながら(後ろに行くに従って上下幅が小さくなりながら)滑らかに連続している。
【0060】
例えば図15(C)に示すように、肘カバー39の後ろ壁77のうち横向き部36に重なっている部位は、横向き部36の後面のうち下端縁を除いた部位を覆っている。そして、横向き部36の後面の下端には後ろ側背面段部93が形成されており、後ろ側背面段部93で後ろ壁77が下方から覆われている。例えば図15(A)に示すように、背支柱29にも段部93が形成されている。段部93の存在により、背支柱29の外周面と肘カバー39と略同一面を成している(肘本体38と肘カバー39とも、段部81,91の存在によって外周は同一面になっている。)。
【0061】
後ろ壁77のうち横向き部36と重なっている部位の下端部の前面に、側面視で斜め下向きのストッパー片94を一体に設けている一方、横向き部36の背面には、ストッパー片94を後ろ向き不能に保持する上向きのストッパー突起95を形成している。このため、後ろ壁77は横向き部36の背面に重なった状態に保持されていて体裁がよい。後ろ壁77と外壁79とは滑らかに連続している。
【0062】
肘本体38を構成する横向き部36には、ストッパー突起95の手前に開口した逃がし穴96が空いている。逃がし穴96は成形に際しての型抜きを容易ならしめるためのものである。すなわち、背フレーム7は前後方向に相対動する金型によって製造されるが、図15(C)に示すように逃がし穴96を設けることにより、スライド型を設けることなくストッパー突起95を成形できるのである。図15(A)に示すように、肘カバー39の後ろ壁77のうち背支柱29に重なった部位にもストッパー片94を形成し、背支柱29にはストッパー突起95を形成している。
【0063】
例えば図12に示すように、背支柱29は左右2本あるので、背支柱29は相対向した内側面29aを有している。そして、肘カバー39には、背支柱29の内側面29aの上部を覆う後部内側壁97が一体に形成されており、基板76と後ろ壁77と後部内側壁97とが一体に連続しており、更に、基板76と後部前壁90と後部内側壁97とも一体に連続している。このため、肘カバー39の後部(或いは全体)は下向きに開口した溝型になっており、その結果、背支柱29及び横向き部36に対して前後左右にずれ不能に保持されている。
【0064】
更に、図12(C)に明示するように、後部内側壁97の下端部に前向きのエンド係合突起98を設けている一方、図12(D)に示すように、背支柱29の上端部に前向き開口のエンド係合穴99を形成しており、両者を嵌め合わせている。このため、肘カバー39はその後端部においても抜け不能に保持されている。エンド係合突起98とエンド係合穴99と、肘カバー39の弾性変形によって係合する係合手段の一例である。
【0065】
例えば図14(A)に示すように、背支柱29の上部前にはボス部30を囲う枠状リブ30aを形成しており、枠状リブ30aで上部背シェル板10のリブ66(図9参照)が囲われている。なお、図15(B)に一点鎖線で示すように、肘カバー39のうち少なくとも基板76の上面に、エラストマー等のクッション材76aを設けてもよい。クッション材76aは接着してもよいし、インサート成形してもよい。
【0066】
(5).まとめ
肘カバー39の取り付けは、セット状態よりも手前にずらした状態で、外側部が下になるように正面視でやや傾けた状態で肘当て部37に重ねてから後ろにスライドさせることにより、まず、前部係合爪82を前部係合穴82に嵌め込むと共に外部係合爪84を外部係合穴85に嵌め込み、次いで、肘カバー39の全体を下向きに押し付けることにより、内部係合爪87を内部係合穴88に嵌め込むことと、ストッパー片94をストッパー突起95に係合させることと、エンド係合突起98をエンド係合穴99に嵌め込むこととを行う。従って、取り付けを迅速かつ簡単に行える。取り外しは、まず、エンド係合突起98をエンド係合穴99から離脱させ、次いで、肘カバー39の後部を後ろに持ち上げてから手前にずらす、という手順を採ったらよい。
【0067】
そして、肘カバー39は、肘当て部37に対して前と左右との3カ所において上向き離反不能に保持されていると共に、前壁78,90及び後ろ壁77によって前後ずれ不能に保持されており、更に、エンド係合突起98によっても上向き離反不能に保持されており、このため、簡単に取り付けできるものでありながら、剥がれ難い状態に保持される。
【0068】
そして、上部背シェル板10に補強板33を設けているため、左右の背支柱29が独立した構造であっても全体として頑丈な構造を確保できるが、背支柱29と上部背シェル板10と補強板33とを共締めするねじ31の頭は肘カバー39の後ろ壁77で隠れているため、ねじ31の頭が露出することによる外観の悪化は生じない。更に述べると、下部背シェル板9が座シェル板8に対して後傾動することにより、上部背シェル板10を補強板33で補強する必要があるが、本実施形態では、別途カバーを使用しなくても、肘カバー39を利用して、ねじ31を露出させることなく補強板33を固定できるのである。
【0069】
さて、既述のとおり、背もたれ2を構成するシェル板9,10は前後から上部クッョシン12で覆われており、更に、袋状の表皮材100(図11参照)ですっぽり覆われている。また、本実施形態では座1と背もたれ2とは一体方式であり、背もたれ2のみを分離して背支柱29に固定することはできない。従って、ねじ31は背支柱29に後ろから挿入せざるを得ないが、ねじ31の頭は肘カバー39の後ろ壁77で隠れているため、美観の悪化の問題はない。よって、本願発明は、座1と背もたれ2とが一体化した方式の椅子に特に好適であると言える。
【0070】
(6).その他
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば適用対象たる椅子は回転椅子や背座一体方式には限らず、各種の形態の椅子に適用できる。縦フレームは左右2本方式に限らず1本方式であってもよい。肘本体の具体的な形態はデザイン等の要請に応じて任意に変更できる。肘本体はその前端を自由端と成す必然性はないのであり、特許文献2のように肘本体の前端に下向きの支持部を一体に設けた構成も採用できる。
【0071】
座と背もたれとが一体化した方式の椅子に適用する場合、座シェル板と背シェル板との全体を一体物に構成することも可能である。また、2パーツ構造とする場合、座シェル板と背シェル板とに分離することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本願発明は椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0073】
1 座(座部)
2 背もたれ(背部)
3 身体受け部
6 ベース
7 背フレーム
8 座シェル板
9,10 背シェル板
29 縦フレームの一例としての背支柱
29a 内側面
30 ボス
36 肘本体の横向き部
37 肘本体の肘当て部
38 肘本体
39 肘カバー
77 肘カバーの後ろ壁
78 肘カバーの前壁
79 肘カバーの外壁
80 肘カバーの内壁
82,84,87 係合部を構成する係合爪
83,85,88 係合部を構成する係合穴
97 後部内側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と背もたれとを有し、前記背もたれはその後ろに配置した縦フレームに固定されており、前記縦フレームの上端に、当該縦フレームの上端から左右外側に突出した横向き部とこの横向き部の先端から手前に延びる肘当て部とを有する肘本体が一体に設けられている構成であって、
前記肘本体に、前記横向き部と肘当て部との上面の全体を覆う樹脂製の肘カバーが装着されている、
椅子。
【請求項2】
前記縦フレームは前記背もたれの中間部を挟んだ両側に左右2本配置されており、このため前記左右縦フレームは相対向した内側面を有する一方、
前記肘カバーの後端部に、前記縦フレームの後面上部を覆う下向きの後ろ壁と、前記縦フレームの内側面の上部を覆う下向きの後部内側壁とが形成されている、
請求項1に記載した椅子。
【請求項3】
前記背もたれは、強度メンバーとしての背シェル板とその前面に張ったクッションとを有しており、前記背シェル板と前記縦フレームとが、前記縦フレームの上端部に後ろから挿通したねじで締結されており、前記ねじの頭が前記肘カバーの後ろ壁で後ろから覆われている、
請求項2に記載した椅子。
【請求項4】
前記肘カバーは、前記肘本体における肘当て部の先端面を手前から覆う下向きの前壁と、前記肘本体における肘当て部の外側面に重なる下向きの外壁及び内側面に重なる内壁とを有しており、前記前壁又は外壁若しくは内壁に、前記肘カバーを後ろ向きずれ不能及び上向き離反不能に保持する係合部を設けており、前記肘カバーは、前記後ろ壁によって前向きずれ不能に保持されている、
請求項2又は3に記載した椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−63174(P2013−63174A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203605(P2011−203605)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】