説明

植物抽出物及びその治療的使用

カモミールの花の水性抽出物を含む組成物は、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物抽出物及びその治療的使用、即ち、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療のための、カモミールの花の水性抽出物を含む組成物、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のための前記組成物の使用、並びに、前記組成物の有効量を、それを必要とするヒト又は動物患者に投与することを含む、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療方法に関する。
【0002】
本発明は、特に、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療のための、カモミールの花の水性抽出物を含む組成物であって、カモミールの花がフローレス・テュビフォルミス(Flores tubiformis)である、組成物に関する。本発明は、さらに、疾患が癌、好ましくは膠芽細胞腫又は肺癌又は前立腺癌、であることを特徴とする、前記組成物の使用に関する。また、本発明は、炎症性疾患、より好ましくはクローン病、最も好ましくは多発性硬化症、の治療用薬剤の製造のための、前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
数千年間にわたり、種々の植物の治療的性質が知られている。しかし、一般に医薬品の開発は、性質が比較的予測可能でその合成を制御し得ると考えられる低分子に焦点が置かれるため、今日においても、有効成分又は成分類の本質及びそれらの性質は、研究されてきた植物についてもほとんど理解されていない。
【0004】
ウテシェフ(Uteshev)ら、Eksp. Klin. Farmakol. (1999年11-12月) 62(6)巻52-5頁には、ジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla)から得たヘテロポリサッカライドの、空冷及び浸漬冷却の間の免疫修飾活性が記載されている。ラスコファ(Laskova)及びウテシェフ、Antibiot. Khimioter. (1992年6月) 37(6)巻15-8頁には、カモミールの花から単離したヘテロポリサッカライドの免疫修飾作用が記載されている。水系抽出物は、経口投与又は腹腔内注射により投与された。著者らは、治療的有用性は全く提案しておらず、むしろ刺激効果が投与計画及び、主として被験ラットの冷却の方法及び程度に依存することを報告している。
【0005】
WO2005/070440号は、アレルギー性喘息又は慢性気管支喘息の治療のための薬草処方の使用に関し、茶浸出液として投与される、特定量の乾燥させてすりつぶしたカモミールの花、アニス果、ブラックシーズ等を含む。
【0006】
WO03/101479号には、典型的には筋肉注射によって一緒に投与される、いくつかの成分を含む組成物の有益な治療的性質が記載されている。使用された組成物はカモミール抽出物を含むが、治療活性には関係せず、むしろ、その存在が注射自体の好ましくない効果を軽減し得る、抗刺激剤として記載されている。
【0007】
WO2007/057651号には、カモミールからのエンドトキシンの除去工程が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2005/070440号
【特許文献2】WO03/101479号
【特許文献3】WO2007/057651号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】ウテシェフ(Uteshev)ら、Eksp. Klin. Farmakol. (1999年11-12月) 62(6)巻52-5頁
【非特許文献2】ラスコファ(Laskova)及びウテシェフ、Antibiot. Khimioter. (1992年6月) 37(6)巻15-8頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
驚くべきことに、ここで、好ましくは水蒸気蒸留により、頭状花(flower heads)から得たカモミール抽出物が、有益な治療的性質を有することがわかった。このような水性抽出物は、カモミール頭状花の揮発性成分からなることが知られており、欧州薬局方(Matricariae aetheroleum、PhEur 5, 改訂.5.1)に記載されている。
【0011】
特に、前記抽出物は、ヒトの癌細胞におけるDNA合成を抑制することができ、かつロイコトリエン及びIL-6(インターロイキン6)の産生を阻害することができることが分かった。さらに驚くべきことには、揮発油のロイコトリエン合成の阻害は、ブラッククミン(Nigella sativa)の種子油の存在下で、相乗的に促進されることが分かった。
【0012】
特に、自身で成長因子としてインターロイキン6を産生することが知られている癌細胞、及び、自身でロイコトリエンを産生することが知られている癌細胞は、感受性があることが分かった。例えば炎症、免疫症及び癌の治療において、カモミール単独の揮発油及びブラッククミン種子油との組み合わせが、今日まで予期されない抗炎症及び抗癌性を有することが推測され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明は、
(1) 増殖性及び/又は炎症性疾患の治療のための、カモミールの花の水性抽出物を含む組成物;
(2) 水性抽出物が揮発油であり、揮発油は、好ましくは減圧下で、カモミールの花の水蒸気蒸留を含む抽出工程によって得られる、(1)に記載の組成物;
(3) カモミールの花がフローレス・テュビフォルミス(Flores tubiformis)である、(1)又は(2)に記載の組成物;
(4) (2)又は(3)に記載の組成物であって、水蒸気蒸留が窒素雰囲気下で実施され、工程がさらに、
(i) 組成物を、クマリンと複合体を形成する架橋型ポビドンと接触させる工程;
(ii) 工程(i)で形成された架橋型ポビドンとクマリンとの複合体を除去する工程;
(iii) 工程(ii)から得られた組成物を無水硫酸ナトリウムと接触させることにより水残留分を除去する工程;及び
(iv) 工程(iii)で得られた組成物から硫酸ナトリウムを分離する工程
を含む、組成物;
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の組成物であって、組成物がブラッククミン油をさらに含む、組成物;
(6) (5)に記載の組成物であって、ブラッククミン油が、
(i) ブラッククミン油を、フェノール化合物と複合体を形成する架橋型ポビドンと接触させる工程;
(ii) 工程(i)で形成されたクロスポビドンとフェノール化合物との複合体を除去する工程;
(iii) 工程(ii)から得られたブラッククミン油を無水硫酸ナトリウムと接触させることにより水残留分を除去する工程;及び
(iv) 工程(iii)で得られたブラッククミン油から硫酸ナトリウムを分離する工程
を含む精製工程によって得られる、精製ブラッククミン油である、組成物;
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載の組成物であって、疾患が、好ましくはクローン病及び多発性硬化症からなる群から選択される、炎症性疾患であることを特徴とする組成物;
(8) (1)〜(6)のいずれかに記載の組成物であって、疾患が、好ましくは膠芽細胞腫、肺癌及び前立腺癌からなる群から選択される、癌であることを特徴とする組成物;
(9) (1)〜(7)のいずれかに記載の組成物であって、炎症性疾患が自己免疫症によって引き起こされ、好ましくはインターロイキン6によって誘発され、より好ましくはロイコトリエンによって誘発され、最も好ましくはインターロイキン6及び/又はロイコトリエンの存在に依存する、ことを特徴とする組成物;
(10) (1)〜(6)及び(8)のいずれかに記載の組成物であって、疾患が増殖性疾病によって引き起こされ、好ましくはインターロイキン6によって誘発され、より好ましくはロイコトリエンによって誘発され、最も好ましくはインターロイキン6及び/又はロイコトリエンの存在に依存する、ことを特徴とする組成物;
(11) 増殖性及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のための、(1)〜(6)のいずれかに規定された通りの組成物の使用;
(12) (11)に記載の使用であって、疾患が請求項(7)〜(10)のいずれかに規定された通りである、使用;
(13) (1)〜(6)のいずれかに規定された通りの組成物の有効量を、それを必要とするヒト又は動物患者に投与することを含む、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療方法;並びに、
(14) 疾患が(7)〜(10)のいずれかに規定された通りである、(13)に記載の方法
に関する。
【0014】
発明の説明
本発明は、好ましくは水蒸気蒸留によって得られる、カモミールの頭状花の水性抽出物を使用して得られたデータに基づいている。正確には、水性抽出物は、当業者にはPhEur 5.1に記載されたMatricariae aetheroleumとしても知られる、Matricaria recutita L.の頭状花の揮発成分より構成される。本発明は、さらに、ブラッククミン種子油とカモミールの頭状花の揮発油との組み合わせを使用して得られたデータに基づいている。
【0015】
抽出物は、当業者に知られている方法を含む、あらゆる好適な手段によって入手し得る。抽出物は、水性又は有機性媒体を使用することによって得ることができ、かつ、濾過、クロマトグラフィー、超臨界流体抽出等によって他の成分から分離することができる。例えば、本発明で使用し得る材料は、キク科植物であるマトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita L.)の乾燥した頭状花、又は、揮発油、カマズレン(chamazulene)、ビサボロール及び他の物質を含む、この植物中の1以上の構成要素に由来する。好ましい手段は、最初に得られた揮発油をクロスポビドン(架橋型ポビドン)及び硫酸ナトリウムと接触させることによって精製することである。クロスポビドンは、フェノール化合物及びクマリンと複合体を形成することが当業者に知られている。硫酸ナトリウムは、水の残留分と結合することが知られている。精製剤を分離することにより、クマリン、フェノール、及び水の残留分を含まないか又は殆ど含まない抽出物が得られる。カモミール抽出物の原材料は重要である。それはマトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita L.)(フローレス・テュビフォルミス(Flores tubiformis))の頭状花、好ましくは筒状花(tubular flowers)であるべきである。組成物は、カモミールの揮発油の他に、ブラッククミンの種子油及びアセチルシステイン及びパルミチン酸アスコルビルを活性成分として含有し得る。他の作用物質の存在は不要である。
【0016】
使用される組成物は、注射に好適であるべきである。この目的のため、エンドトキシン、ポリフェノール、クマリン及び(当業者に知られている、あらゆる好適な手段によって)高分子量成分、例えば1,000又は10,000を超える分子量を有するものを除去することが望ましい。
【0017】
本発明における使用のための組成物は、当業者に知られている方法によって製剤化し得る。薬学的に許容される成分が使用されるべきである。「薬学的に許容される」という用語は、薬理学的/毒性学的見地から患者に許容され、かつ、処方、安定性、患者の許容及びバイオアベイラビリティ等の要因に関する物理学的/化学的見地から製薬化学者に許容される、性質及び/又は物質を指す。
【0018】
投与は、好ましくは静脈内注射によるか、又は、より好ましくは筋肉内注射によって、さらに最も好ましくは、気道を経由するエアロゾル又はマイクロ/ナノ-エマルジョンとして、吸入器によって行われる。
【0019】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、ドロップ剤、水性又は油性懸濁剤、分散性粉剤又は顆粒剤、エマルジョン、ハード又はソフトカプセル剤、又はシロップ剤又はエリキシル剤として、経口使用に好適な形態であり得る。このような組成物は、薬学的に洗練され、口当たりの良い製剤を提供するため、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存料からなる群から選択される、1以上の作用物質を含有し得る。錠剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;例えばコーンスターチ又はアルギン酸等の増粒及び崩壊剤;例えばスターチ、ゼラチン又はアラビアゴム等の結合剤;及び、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク等の潤滑剤などの、非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合状態で活性成分を含有する。錠剤は、コーティングしなくてもよく、又は、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて、より長期間にわたる持続作用を提供するため、既知の技術によってコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル等の、時間遅延物質を使用し得る。それらもまたコーティングして、放出制御のための浸透性治療用錠剤を形成してもよい。
【0020】
また、経口使用のための処方も、ハードゼラチンカプセル剤として提示され得るが、ここで活性成分は、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン等の不活性固体希釈剤と混合され、又は、ソフトゼラチンカプセル剤として提示され得るが、ここで活性成分は、水、又は、例えばピーナッツ油、流動パラフィン又はオリーブ油等の油媒体と混合される。
【0021】
水性懸濁剤は、好適な賦形剤との混合状態で活性物質を含有し得る。このような賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム等の懸濁剤;例えば、レシチン等の天然リン脂質、又は例えばステアリン酸ポリオキシエチレン等のアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、又は例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール等のエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、又は、ポリオキシエチレンの、脂肪酸とヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物等、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の、エチレンオキシドの、脂肪酸とヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物等の、分散剤又は湿潤剤である。水性懸濁剤は、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチル又はn-プロピル等の1以上の保存料、1以上の着色剤、1以上の香味剤、及びスクロース又はサッカリン等の1以上の甘味剤を含有し得る。
【0022】
油性懸濁剤は、活性成分を、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ごま油又はココナッツ油等の植物油中、又は流動パラフィン等の鉱物油中に懸濁することによって処方し得る。油性懸濁剤は、例えば蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコール等の増粘剤を含有し得る。口当たりの良い経口製剤を提供するため、甘味剤(上述のもの等)及び香味剤を添加し得る。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤の添加によって保存し得る。
【0023】
水を添加して水性懸濁剤を調製するために好適な、分散性粉剤又は顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1以上の保存料との混合状態で活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記に例示される。甘味剤、香味剤及び着色剤も存在し得る。
【0024】
また、本発明における使用のための医薬組成物も、水中油型エマルジョンの形態であり得る。油相は、例えばオリーブ油又はラッカセイ油等の植物油、又は例えば流動パラフィン等の鉱物油又はこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、例えばアラビアゴム又はトラガカントゴム等の天然ゴム、例えば大豆、レシチン等の天然リン脂質、及び例えばソルビタンモノオレエート等の脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル、及び例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の、前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物であり得る。エマルジョンもまた、甘味剤及び香味剤を含有し得る。
【0025】
シロップ剤及びエリキシル剤は、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロース等の甘味剤を用いて処方し得る。このような処方もまた、粘滑剤、保存料、香味剤及び着色剤を含有し得る。医薬組成物は、無菌注射可能な水性又は油性懸濁剤の形態であり得る。この懸濁剤は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて処方し得るが、これらの例は上述した。無菌注射製剤もまた、例えば1,3-ブタンジオール中の液剤等、無毒性で非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射可能な液剤又は懸濁剤であり得る。使用し得る、許容される賦形剤及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。また、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒体として、通常使用される。この目的のため、合成モノ-又はジグリセリドを含む、あらゆる無刺激性の(bland)固定油を使用し得る。また、オレイン酸等の脂肪酸が注射用製剤において使用される。
【0026】
また、組成物は、薬剤の直腸投与のため、坐薬の形態でも投与し得る。このような組成物は、常温で固体であるが直腸温度で液体であり、そのため直腸で溶解して薬物を放出する、好適な非刺激賦形剤と、薬剤とを混合することによって調製し得る。このような物質は、ココアバター及びポリエチレングリコールである。
【0027】
局所使用には、好適な組成物は、例えば、クリーム、軟膏、ゼリー、液剤又は懸濁剤の形態である。
【0028】
上記で示した通り、本発明の組成物は注射によって投与し得る。あらゆる非経口投与が好適であるが、筋肉注射が好ましい。
【0029】
また、組成物を経口的に投与することも好ましい。この場合、及び、透過性増加剤を使用する場合、経口製剤にはインスリンが含まれるべきではない。経口投与は獣医薬に特に好ましい。
【0030】
他の活性物質もまた、被験者に投与し得る。さらなる物質が必要であるとは考えられないが、典型的には経口投与される、ある種のステロイド及びビタミンが薬剤の効果を支援又は増強し得る。好適なステロイドホルモンは、ある種のシストロンを脱マスキングすることにより、ビタミン及びアミノ酸等の主要代謝産物の助力を受けて、特定のタンパク質の合成を増加し得る。好適なステロイドの例は、エストラジオール、ナンドロロン及びエストリオールである。ビタミンA、D及び/又はE等のビタミン類も投与し得る。ビタミンAの機能は、上皮組織の完全性を保持し、蛋白合成に関与し、かつ、細胞膜及びオルガネラ膜も安定化することであり得る。
【0031】
ある物質の好適な投与量に関して、いくつかの指示が与えられてきたが、正確な投与量及び投与頻度はいくつかの要因に依存する。これらの要因としては、当業者によく知られているように、使用される特定の成分、治療される特定の疾患、疾患の重篤度、特定の患者の年齢、体重及び全身的な身体状態、並びに個人が受けている他の投薬が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】図1Aは、マトリカリア(Matricaria)精油についての実施例1における、IL-6阻害複製1の結果を示す:VIP_Matr'07_78,IC50 = 5μg/ml (グラフを使って測定),PRISM IC50 = 7.782μg/ml (GraphPad Prismにより計算),95%区間 3.169〜19.11
【図1B】図1Bは、マトリカリア(Matricaria)精油についての実施例1における、IL-6阻害複製2の結果を示す:VIP_Matr'07_78,IC50 = 8μg/ml (グラフを使って測定),PRISM IC50 = 8.78μg/ml (GraphPad Prismにより計算),95%区間 6.248〜12.35μg/ml
【図1C】図1Cは、ニゲラ(Nigella)精油についての実施例1における、IL-6阻害複製1の結果を示す:VIP_Nig'07_8,IC50= 該当なし,PRISM IC50 = 収束せず(GraphPad Prism),95%区間
【図1D】図1Dは、ニゲラ(Nigella)精油についての実施例1における、IL-6阻害複製2の結果を示す:VIP_Nig'07_8,IC50= 該当なし,PRISM IC50 = 収束せず(GraphPad Prism),95%区間
【図2】図2は、NICHAによる5-LOX活性の阻害を試験する、実施例2の5-LOX阻害アッセイで得られた結果を示す(ViP_E_Nig'07_8についての3つの独立した5-loxアッセイ、VIP_Matr'07_78についての4つの独立した5-loxアッセイ、及び1:1混合物についての2つの独立した5-loxアッセイの結果より得られる、2〜4の独立したアッセイの平均)。図2A:ViP_Matr'07_78(カモミール油)、複製1,図2B:ViP_Nig'07_8(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)油)複製1,図2C:ViP_Matr'07_78(カモミール油)、複製2,図2D:ViP_Nig'07_8(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)油)複製2,図2E:1:1混合物(VIP_Matr'07_78 : ViP_E_Nig'07_8)
【図3】図3は、実施例2において、NICHAの影響下でのWST-1を用いたHL-60細胞に対する生存能力アッセイから得られた結果を示す。図3A:ViP_Matr'07_78(カモミール油),図3B:ViP_Nig'07_8(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)油)
【図4】図4は、実施例3において、前立腺癌細胞DU145におけるDNA合成に対するNICHAの効果について得られた結果を示す。図4A:24時間インキュベーション、ViP_Matr'07_78(カモミール油),図4B:24時間インキュベーション、ViP_Nig'07_8(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)油),図4C:48時間インキュベーション、ViP_Matr'07_78(カモミール油),図4D:48時間インキュベーション、ViP_Nig'07_8(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)油)
【図5】図5は、実施例3において、48時間のインキュベーションでの、U-87MG細胞におけるDNA合成に対するNICHAの効果について得られた結果を示す。図5A:ViP_Matr'07_78(カモミール油),図5B:ViP_Nig'07_8(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)油) 図5C:1:1混合物(VIP_Matr'07_78 : ViP_E_Nig'07_8)
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0033】
以下の実施例により、本発明をさらに説明する。
【0034】
実施例1−インターロイキン6放出に対するTHP1(マクロファージ)における阻害活性
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

* アッセイは2つの独立した複製において実施した
【0037】
THP-1細胞に対するIL-6阻害アッセイ
サンプルは、PMAで予め分化した細胞(ヒトTHP-1)と共に、37℃で30分間、プレインキュベートした(0.125x106細胞/ウェル)。LPS(1μg/ml)で反応を開始し、37℃で24時間インキュベートした。LPS刺激をしないアッセイ混合物を用いて、陰性対照t(0)を実施した[参照1]。
【0038】
ケイマン(Cayman)の酵素免疫測定(EIA)キットNo: 583361を用いて、IL-6の定量を実施した。吸光度を波長=415 nmで測定した。少なくとも5つの異なる濃度の標準曲線を用いて、量を計算した。
【0039】
各サンプル点は、二重に測定した。阻害値に関連する投与量は、陽性対照値の百分率として表した。IC50値(阻害値50%のサンプル濃度に対応)は、プログラムGraphPad-Prism(バージョン4、グラフパッドソフトウェア(GraphPad Software)社、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて測定した。
【0040】
結果
実施例1の結果を図1に示す。
【0041】
実施例2−ロイコトリエン放出に対するヒト癌細胞株におけるNICHA001の阻害活性
異なる濃度のNICHA下で、ロイコトリエン放出に対する2つのヒト細胞株(顆粒球)の応答を調べた。各試験は、ニゲラ油、カモミール油及び2つの油の組み合わせを用いて実施した。
【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
5-LOX阻害アッセイ
ヒトHL-60細胞(骨髄性白血病、DSMZ No ACC 3)を、5%CO2を含む加湿雰囲気中、37℃で保持し、10%ウシ胎仔血清及び1%(v/v)ペニシリン/ストレプトマイシン溶液を補足した完全RPMI1640培地中で培養した。細胞をDMSO(1.2% v/v)で6〜8日間分化させた。ベネット(Bennet)らによって記載された通り、5-LOX活性のアッセイを実施した[参照2]。簡単に説明すると、分化した細胞を採取し、Ca2+(1mM)及びグルコース(1mM)を含有するPBS中に懸濁させ、96穴マイクロタイタープレートに分配した(1x106細胞/ウェル)。
【0045】
サンプル又は賦形剤と共に室温で15分間プレインキュベートした後、カルシウム・イオノフォアA 23187(5uM)及びアラキドン酸(10uM)を加えて反応を開始した。全ての値は最終濃度である。陰性対照はカルシウム・イオノフォアで刺激せずに実施した。アッセイ混合物を37℃で15分間インキュベートし、HCl(1M、3%v/v)を含有する100μlのメタノールを加えて終了し、マイクロタイタープレートを氷上に置いた。50μl PBSで中和し、10分間遠心分離(340 x g)した後、上澄中のLTB4濃度を測定した。
【0046】
5-LOX活性に対するサンプル及び対照化合物の効果[参照3]を、アッセイ条件下で産生されたロイコトリエンB4の量を定量することによって測定した。ロイコトリエンB4の定量は、ケイマン(Cayman)の酵素免疫測定(EIA)キットNo:520111(LTB4)を用いて実施した。吸光度を波長=415 nmで測定した。少なくとも5つの異なる濃度の標準曲線を用いて、量を計算した。サンプル点は、二重に測定した。阻害値に関連する投与量は、陽性対照値の百分率として表した。該当する場合、IC50値(阻害値50%のサンプル濃度に対応)は、プログラムGraphPad-Prism(バージョン4、グラフパッドソフトウェア(GraphPad Software)社、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて測定した。
【0047】
WST-1によるHL60の生存率アッセイ
細胞機能/ミトコンドリア:ヒト肝細胞(Hep G2)、ヒト顆粒球(分化型HL60)、ヒト単球(THP-1)及びヒトマクロファージ(分化型THP-1)について、テトラゾリウム塩WST-1キット(バイオビジョン(Biovision)、K301-500、米国カリフォルニア州)を用いて、代謝活性の減少[参照4]を試験した。細胞を抽出物と共に24時間プレインキュベートした。
【0048】
細胞の代謝活性は、生細胞がテトラゾリウム塩WST-1をホルマザンに還元する能力によって測定した。ホルマザンの量は、プレートリーダー(バイオラド(BioRad)、米国)により波長λ= 450nmで吸光度(OD)を決定することによって直接測定した。
【0049】
光学的測定は、3重に実施し、標準偏差を計算した。各試験濃度について、ブランク(サンプルを用いたアッセイ混合物で、細胞を含まない)のOD値を、細胞を含むOD測定値の平均から差し引いた。OD450値は、サンプルを含まない対照の測定値に対応する、100%の生存能力測定値を用いて、百分率値に変換した。
【0050】
結果
実施例2の結果を、図2及び3に示す。
【0051】
【表5】

【0052】
実施例3−ヒト癌細胞株の増殖に対するNICHA 001の影響
異なる濃度のNICHA下で、膠芽腫細胞及び前立腺癌細胞の増殖応答を調べた。各試験は、ニゲラ油、カモミール油及び2つの油の組み合わせを用いて行った。
【0053】
【表6】

【0054】
【表7】

【0055】
DNA合成
3H-チミジン取り込み:トリプシン処理により、DU145及びU-87MG細胞を採取し、96穴プレートに10'000細胞/ウェルで播種した。細胞を所要の濃度のサンプルと共に37℃、5%CO2で24時間及び/又は48時間インキュベートした。細胞を3H-チミジン(1μCi/ml)(パーキン・エルマー(Perkin Elmer))で24時間パルスした。その後、細胞をPBSで洗浄し、メタノールで5分間の固定を2回行った。タンパク質は0.3N TCAで沈殿させた。洗浄工程の後、150μlの0.3N NaOHを15分間で加え、細胞を溶解した。バックグラウンド対照は、細胞を含まないサンプルで測定した。
【0056】
DNA合成のため取り込まれた3H-チミジンを検出するため、シンチレーションカクテルを有するシンチレーション管にサンプルを移した。トリカーブ(Tri-Carb) 1900 TR液体シンチレーションカウンター(パッカード(Packard)、米国)において定量を行った。
【0057】
いくつかの濃度のサンプルの効果を、アッセイ条件下、放射性標識の量(dpm)を決定することによって測定した。投与量に関連する値を陽性対照値の百分率として表した。サンプル点は4重に測定し、誤差は標準偏差として表す。
【0058】
前立腺癌細胞DU145について得られた結果
前立腺癌細胞(DU145)におけるDNA合成に対するNICHAの効果の結果を、図4A〜4Dに示す。
DNA合成に対する対照化合物のIC50値は以下の通りである。
【0059】
【表8】

【0060】
膠芽腫細胞U87MGについて得られた結果
U-87MG細胞におけるDNA合成に対するNICHAの効果(48時間インキュベート)の結果を、図5A〜5Cに示す。
U-87MG細胞を用いたDNA合成に対する対照化合物のIC50値は以下の通りである。
【0061】
【表9】

【0062】
実施例の結果からの結論
分化したヒト顆粒球細胞株HL 60(ヒト急性骨髄性白血病)において、カモミール(マトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita): VIP_Matr07_78)の精油およびブラッククミン(ニゲラ・サティバ(Nigella sativa): VIP_Nig07_8)の種子油の、ロイコトリエン合成を阻害する潜在力を調べた。ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)種子油は、5-Lox活性の優れた阻害を示し、IC 50値は3.02ug/mlであった(実施例2、図2d)。驚くべきことに、HL60顆粒球細胞株において、2つの化合物の混合物がロイコトリエンの合成を相加以上に阻害した。期待されたIC 50は0.76ug/mlであったが、結果はIC50が0.53ug/mlであった(実施例2、図2e)。2つの化合物の組み合わせが単一成分の活性を促進すると結論付けることができる。
【0063】
VIP_Matr07_78は、ロイコトリエン合成の阻害に関して、さらにより高い阻害活性を示し、IC 50値は0.38ug/mlであった(実施例2、図2c)。従って、マトリカリア精油は、非常に強力な5-LOX阻害剤であると思われる。
【0064】
観察された阻害活性が、細胞毒性効果のみの結果であるかどうかを評価するために、細胞を5-LOX試験のために選択した濃度でインキュベートし、ミトコンドリア活性(WST)を測定した。図3aおよび3bに示す通り、VIP_Nig07_8またはVIP_Matr07_78を選択した濃度で用いた場合、細胞毒性は発生しなかった(実施例2、図3aおよび3b)。観察されたロイコトリエン合成阻害活性は、5-リポキシゲナーゼとの特異的相互作用の結果であると結論付けることができる。
【0065】
また、ヒトマクロファージ細胞株THP1によるインターロイキン6放出に関して、さらなる結果も得られた。ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)は全く活性を示さなかったが(実施例1、図1cおよび1d)、マトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita)はTHP1細胞からのインターロイキン6の放出を用量依存的に阻害し、IC 50値は5ug/mlであった(実施例1、図1aおよび1b)。再現試験(複製2)は、複製1(実施例1)の結果の再現性を示した。
【0066】
これらの結果は、マトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita)の精油がヒト急性骨髄性白血病細胞HL 60におけるロイコトリエン合成に関して、強力な阻害活性を現すことを示す(実施例2、図2c)。さらに、これらの結果は、インターロイキン6の放出がヒトマクロファージ細胞株THP1において抑制できたことを示す(実施例、図1aおよび1b)。
【0067】
阻害効果を得るために必要な濃度がかなり低いので、特に精油が高親油性であり、容易に吸収されるべきであることから、治療効果のある投与量は、ヒトにおいて容易に達せられると推測される。
【0068】
ヒト顆粒球細胞株HL60において、ナノモルの範囲の濃度でエイコサノイド(ロイコトリエン)の形成を有効に阻害する、精油の特徴を考慮に入れると、マトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita)の精油は、炎症性/自己免疫疾患およびある種の癌の治療のための薬剤開発に、非常に重要な候補であると思われる。
【0069】
3つ目の組の試験において(実施例4)、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)の種子油またはマトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita)の揮発油が、インビトロで、前立腺癌細胞株DU 145および膠芽腫細胞株U87MGにおけるDNA合成を阻害するかどうかを調べた。マトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita)(VIP_Matr07_78)は、48時間後、DNA合成に関して用量依存的に両方の細胞株を阻害したのに対して(実施例4、図4c)、ニゲラ・サティバ(Nigella sativa) (VIP_Nig07_8)は両癌細胞株に対し、阻害効果は示さなかった(実施例4、図4d)。DU145は成長因子としてインターロイキン6を産生することが知られているため、DNA合成の抑制は(少なくとも部分的には)、マトリカリア・レクティカ(Matricaria recutita)の揮発油のインターロイキン6放出に対する阻害活性によって引き起こされると思われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増殖性及び/又は炎症性疾患の治療のための、カモミールの花の水性抽出物を含む組成物。
【請求項2】
カモミールの花がフローレス・テュビフォルミス(Flores tubiformis)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
水性抽出物が、好ましくは減圧下で、カモミールの花の水蒸気蒸留を含む抽出工程によって得られる揮発油である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
水蒸気蒸留が窒素雰囲気下で実施され、かつ工程がさらに、
(i) 組成物を、クマリンと複合体を形成する架橋型ポビドンと接触させる工程;
(ii) 工程(i)で得られた複合体を除去する工程;及び
(iii) 工程(ii)から得られた組成物を無水硫酸ナトリウムと接触させることにより脱水する工程;及び
(iv) 工程(iii)で得られた組成物から硫酸ナトリウムを分離する工程
を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
実質的に水を含有せず、好ましくは0.1%w/w未満の水を含有し、最も好ましくは0.01%w/w未満の水を含有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
実質的にクマリンを含有せず、好ましくは、7-ヒドロキシクマリンとして計算して0.01%w/w未満のクマリンを含有し、最も好ましくは0.005%w/w未満のクマリンを含有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
カマズレンを5〜15%w/w、より好ましくは15〜25%w/w、最も好ましくは20〜30%w/wの量で含有する、請求項5又は請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
ブラッククミン油をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
ブラッククミン油が、
(i) ブラッククミン油を、フェノール化合物と複合体を形成する架橋型ポビドンと接触させる工程;
(ii) 工程(i)で得られた複合体を除去する工程;及び
(iii) 工程(ii)から得られたブラッククミン油を無水硫酸ナトリウムと接触させることにより脱水する工程;及び
(iv) 工程(iii)で得られたブラッククミン油から硫酸ナトリウムを分離する工程
を含む精製工程によって得られる、精製ブラッククミン油である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が、好ましくは孔径が0.001〜0.02μm、より好ましくは0.001〜0.01μmのフィルターを用いた、限外濾過によって得られる、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
エンドトキシンを含まないか又は実質的に含まず、好ましくはエンドトキシンを100 EU/ml(欧州薬局方による、ml当りのエンドトキシンユニット)以下、より好ましくは50 EU/ml以下、さらにより好ましくは10 EU/ml以下の量で含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
分子量が10,000を超える物質を含有せず、より好ましくは分子量が1,000を超える物質を含有しない、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
クマリン、フラボノイド、カモミール及び/又はブラッククミンの典型的な不純物である他のフェノール化合物、及び残留水からなる群から選択される化合物を含有しないか又は実質的に含有しない、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
パルミチン酸アスコルビル及び/又はアセチルシステインをさらに含む、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
好ましくは医薬品及び医薬品賦形剤からなる群から選択される、少なくとも1つの製剤助剤をさらに含む、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
治療が組成物の注射又は吸入による、請求項1〜15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
疾患が、好ましくはクローン病及び多発性硬化症からなる群から選択される、炎症性疾患である、請求項1〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
疾患が、好ましくは膠芽細胞腫、肺癌及び前立腺癌からなる群から選択される、癌である、請求項1〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
炎症性疾患が自己免疫症によって引き起こされ、好ましくはインターロイキン6によって誘発され、より好ましくはロイコトリエンによって誘発され、最も好ましくはインターロイキン6及び/又はロイコトリエンの存在に依存する、請求項1〜17のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
疾患が増殖性疾病によって引き起こされ、好ましくはインターロイキン6によって誘発され、より好ましくはロイコトリエンによって誘発され、最も好ましくはインターロイキン6及び/又はロイコトリエンの存在に依存する、請求項1〜16及び18のいずれかに記載の組成物。
【請求項21】
増殖性及び/又は炎症性疾患の治療用薬剤の製造のための、請求項1〜15のいずれかに規定された通りの組成物の使用。
【請求項22】
治療が請求項16に規定された通りである、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
疾患が請求項17〜20のいずれかに規定された通りである、請求項21又は22に記載の使用。
【請求項24】
請求項1〜15のいずれかに規定された通りの組成物の有効量を、それを必要とするヒト又は動物患者に投与することを含む、増殖性及び/又は炎症性疾患の治療方法。
【請求項25】
投与が組成物の注射及び/又は吸入による、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
組成物が注射可能な組成物である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
疾患が請求項17〜20のいずれかに規定された通りである、請求項24〜26のいずれかに記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−529010(P2010−529010A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509896(P2010−509896)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001849
【国際公開番号】WO2008/146009
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(503194819)ベリトロン・リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】VERITRON LIMITED
【Fターム(参考)】