説明

植物栽培用循環成長装置

【課題】養殖用池は、魚などを養殖すると同時に、植物を栽培可能になる。
【解決手段】主に、養殖用池内に設置され、養殖用池内の両側には360度回転可能な栽培植物循環組がそれぞれ設けてあり、前記二つの栽培植物循環組には、前記栽培植物循環組を支持する回転枠体が設けてあり、前記回転枠体の水面よりも高い箇所では枢着端が設けてあり、前記枢着端には回転円盤が枢着してあり、前記回転円盤の周面には等距離を置いた連接端が設けてあり、隣接する回転枠体の回転円盤の連接端には植物を栽培可能でありドアを有する栽培用受け槽が設けてあり、前記栽培用受け槽の両側と底面とには入水孔が開設してあり、栽培植物循環組が回転すると前記栽培用受け槽が養殖用池に沈み可能であることを特徴とする植物栽培用循環成長装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養殖用池へ適用可能の植物栽培用循環成長装置に係り、特に、養殖用池は、魚などを養殖すると同時に、植物を栽培可能になる植物栽培用循環成長装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
目下、土地の用途は、建物建築の他に、動物養殖や植物栽培などがあり、一般の植物の栽培方法は、水栽培法と土栽培法とがある。
土栽培法は、植物の種または若苗を土に植えて、土壌が植物の成長に必要な栄養を提供する。
水栽培法は、植物の成長に必要な栄養が水に添加して、植物を水面に保持して、植物が水中の栄養分を吸収して生長するようになり、しかし、これらは単純に植物を栽培可能である。
【0003】
動物養殖については、養殖の水源が動物の糞便に汚染され、そして土地利用の高効率化、節水、環境保全と高付加価値製品の産出などの要求が養殖業者に強力に要請している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、養殖用池は、魚などを養殖すると同時に、植物を栽培可能になる植物栽培用循環成長装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本願の第1発明は、養殖用池内に設置され、養殖用池内の両側には360度回転可能な栽培植物循環組がそれぞれ設けてあり、前記二つの栽培植物循環組には、前記栽培植物循環組を支持する回転枠体が設けてあり、前記回転枠体の水面よりも高い箇所では枢着端が設けてあり、前記枢着端には回転円盤が枢着してあり、前記回転円盤の周面には等距離を置いた連接端が設けてあり、隣接する回転枠体の回転円盤の連接端には植物を栽培可能でありドアを有する栽培用受け槽が設けてあり、前記栽培用受け槽の両側と底面とには入水孔が開設してあり、栽培植物循環組が回転すると前記栽培用受け槽が養殖用池に沈み可能であることを特徴とする植物栽培用循環成長装置であることを要旨としている。
【0006】
本願の第2発明では、前記回転円盤は、動力源とするモータに駆動されて回転するようになり、そして前記モータを制御するためのタイミング制御器も設けてあることを特徴とする第1発明に記載の植物栽培用循環成長装置であることを要旨としている。
【0007】
本願の第3発明では、前記回転枠体には前記回転円盤の高さを調整可能の調整部が設けてあり、前記調整部は、動力源とするモータに駆動され、そして前記モータを制御するためのタイミング制御器も設けてあることを特徴とする第1発明に記載の植物栽培用循環成長装置であることを要旨としている。
【0008】
本願の第4発明では、前記栽培用受け槽には循環用滑車組を環設してもよく、前記循環用滑車組は、前記栽培用受け槽と連接組との枢着箇所の下に設けられた支持ロッドに組み付けられた二つの滑車と、前記二つの滑車に巻き付けられたロープと、を有し、前記ロープが前記二つの滑車から遠ざかった側に引かれ、また、前記栽培用受け槽の前記支持ロッドから遠ざかった側面には別のロープが連接してあることを特徴とする第1発明に記載の植物栽培用循環成長装置であることを要旨としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の植物栽培用循環成長装置によれば、次のような効果がある。
(イ)養殖用池内に栽培植物循環成長装置を組付けることにより、養殖用池は、魚などを養殖すると同時に、植物を栽培可能になる。
【0010】
(ロ)養殖用池内の水は植物にとって大量の栄養分があるので、栽培用受け槽内の植物は養殖用池の水中の栄養分を吸収して成長可能であり、そしてその過程中に、養殖用池内の土壌も綺麗になる。
【0011】
(ハ)回転組にはタイミング制御器が設けてあるので、植物の養殖用池に沈む時間と、回転円盤の回転時間とが適当に制御され、これにより、各種類の植物を順調に栽培可能である。
【0012】
(二)回転枠体には回転円盤の高さを調整可能の調整部が設けてあるので、養殖用池の水位に対応して栽培用受け槽の高さを調整可能であり、これにより、栽培している植物を順調に成長可能である。
【0013】
(ホ)栽培植物循環成長装置の回転により、栽培用受け槽内の植物は、水に沈んだり上げられたりするので、成長ホルモンが発生して、栽培用受け槽内の植物の成長は更に快速になる。
【0014】
(へ)前記栽培用受け槽には、循環用滑車組と、ドアとが設けてあるので、収穫作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
まず、図1を参照する。
本発明の植物栽培用循環成長装置は、主に、養殖用池1内に設置され、養殖用池内の両側には360度回転可能な栽培植物循環組2がそれぞれ設けてあり、前記二つの栽培植物循環組2には、前記栽培植物循環組2を支持する回転枠体21が設けてあり、前記回転円盤212の周面には等距離を置いた連接端22が設けてあり、隣接する回転枠体21の回転円盤212の連接端22には植物を栽培可能である栽培用受け槽23が設けてあり、栽培植物循環組2が回転すると前記栽培用受け槽23が養殖用池1に沈み可能である。
【0017】
次に、図2を参照しながら本発明の使用状態を詳細に説明する。
養殖用池1のベース11に植物栽培用循環成長装置を組付け、前記植物栽培用循環成長装置の栽培植物循環組2には養殖用池1のベース11に固定される回転枠体21が設けてある。
前記回転枠体21の水面よりも高い箇所では枢着端211が設けてあり、前記枢着端211には回転円盤212が枢着してある。
前記回転円盤212の周面には等距離を置いた連接端22が設けてあり、隣接する回転枠体21の回転円盤212の連接端22には植物を栽培可能である栽培用受け槽23が設けてある。
前記栽培用受け槽23の両側と底面とには入水孔231が開設してあり、栽培植物循環組2が回転すると前記栽培用受け槽23が養殖用池1に沈んで水が前記栽培用受け槽23に流入するようになる(図3参照)。
【0018】
次に、本発明の運転状態を詳細に説明する。
本発明は、栽培植物循環組2を駆動して回転円盤212を回転するための動力源213(モータでもいい)が設けてあり、そして動力源213のタイミングを制御するためのタイミング制御器24が設けてある。
そうすると、栽培しようとする植物の種類、土壌、水栽培法、天気または水質などの要素によって、栽培用受け槽23内の植物の水に沈む時間を制御可能であり、例えば10分間または20分間ごとに、水に沈む栽培用受け槽23を切替え、すなわち、栽培植物循環組2が間歇に回転すると前記栽培用受け槽23が順次に養殖用池1に沈んで水が入水孔231から前記栽培用受け槽23に流入しするようになり、養殖用池1の水中に含まれる栄養分が植物に吸収される。だから、一つの養殖用池は、魚などを養殖すると同時に、植物を栽培可能になる。
また、図4を参照する。図4は本発明の栽培用受け溝内の栽培植物を収穫する状態の概略図であって、栽培用受け溝23の両端には開け可能なドア232が設けてあり、収穫しようとする場合には、養殖用池1の側で前記ドア232を引き出すと、栽培植物を岸でゆっくり収穫可能であり、だから、収穫作業は極めて容易である。
【0019】
また、図5に示すように、養殖用池1の面積の広さを見て回転枠体21を複数に組付けてもよく、且つ対になる回転枠体21の回転円盤212の連接端22には植物を栽培可能である栽培用受け槽23が設けてあり、栽培植物循環組2が回転すると前記栽培用受け槽23が養殖用池1に沈み可能である。
【0020】
また、図6乃至図8を参照する。
栽培植物循環組2の回転円盤212の中心には回転枠体21と枢着するための枢着端211が設けてあり、前記回転枠体21には回転円盤212の高さを調整可能の調整部25が設けてある。
前記調整部25は、動力源251(モータやシリンダーなど)で駆動され、そして前記動力源251を制御するためのタイミング制御器24も設けてある。そうすると、養殖用池1の水位に応じて回転円盤212の高さを調整することにより、栽培用受け槽23の養殖用池1に沈む深さを調整可能である。
【0021】
また、図9と図10に示すように、栽培用受け槽23には循環用滑車組3を環設してもよい。
栽培用受け槽23の一端に設けられた前記循環用滑車組3は、前記栽培用受け槽23と連接組22との枢着箇所の下に設けられた支持ロッド31に組み付けられた二つの滑車32と、前記二つの滑車32に巻き付けられたロープ33Aと、を有し、前記ロープ33Aが前記二つの滑車32から遠ざかった側に引かれ、また、前記栽培用受け槽23の前記支持ロッド31から遠ざかった側面には別のロープ33Bが連接してある。
そうすると、収穫しようとする場合には、養殖用池1の側で前記ロープ33Bを引くと、栽培用受け槽23が岸まで引かれて栽培植物を容易に収穫可能であり、また、収穫作業を終了した後に前記ロープ33Aを引くと、種を蒔いた栽培用受け槽23が栽培植物循環組2に戻らせ、栽培を継続可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の外観斜視図である。
【図2】本発明の斜視概略図である。
【図3】本発明の栽培用受け溝の概略図である。
【図4】本発明の栽培用受け溝内の栽培植物を収穫する状態の概略図である。
【図5】本発明の使用状態の概略図である。
【図6】本発明の別の実施例の概略図1である。
【図7】本発明の別の実施例の概略図2である。
【図8】本発明の別の実施例の概略図3である。
【図9】本発明の収穫および種蒔の実施例の斜視図である。
【図10】本発明の収穫および種蒔の実施例の側面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 養殖用池 2 栽培植物循環組
3 循環用滑車組 11 ベース
21 回転枠体 22 連接端
23 栽培用受け槽 24 タイミング制御器
25 調整部 31 支持ロッド
32 滑車 33A ロープ
33B ロープ 211 枢着端
212 回転円盤 213 動力源
231 入水孔 232 ドア
251 動力源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
養殖用池内に設置され、
養殖用池内の両側には360度回転可能な栽培植物循環組がそれぞれ設けてあり、
前記二つの栽培植物循環組には、前記栽培植物循環組を支持する回転枠体が設けてあり、
前記回転枠体の水面よりも高い箇所では枢着端が設けてあり、
前記枢着端には回転円盤が枢着してあり、
前記回転円盤の周面には等距離を置いた連接端が設けてあり、
隣接する回転枠体の回転円盤の連接端には植物を栽培可能でありドアを有する栽培用受け槽が設けてあり、
前記栽培用受け槽の両側と底面とには入水孔が開設してあり、
栽培植物循環組が回転すると前記栽培用受け槽が養殖用池に沈み可能であることを特徴とする、
植物栽培用循環成長装置。
【請求項2】
前記回転円盤は、動力源とするモータに駆動されて回転するようになり、そして前記モータを制御するためのタイミング制御器も設けてあることを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培用循環成長装置。
【請求項3】
前記回転枠体には前記回転円盤の高さを調整可能の調整部が設けてあり、前記調整部は、動力源とするモータに駆動され、そして前記モータを制御するためのタイミング制御器も設けてあることを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培用循環成長装置。
【請求項4】
前記栽培用受け槽には循環用滑車組を環設してもよく、前記循環用滑車組は、前記栽培用受け槽と連接組との枢着箇所の下に設けられた支持ロッドに組み付けられた二つの滑車と、前記二つの滑車に巻き付けられたロープと、を有し、前記ロープが前記二つの滑車から遠ざかった側に引かれ、また、前記栽培用受け槽の前記支持ロッドから遠ざかった側面には別のロープが連接してあることを特徴とする、請求項1に記載の植物栽培用循環成長装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−55800(P2009−55800A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223805(P2007−223805)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(507292678)
【Fターム(参考)】