説明

植物由来抽出物の抽出方法及びその抽出装置

【課題】植物由来抽出物の抽出作業の簡易化を図ることができるとともに、抽出装置の構成を簡易化することができる植物由来抽出物の抽出方法及び抽出装置を提供する。
【解決手段】抽出容器12内に収容されたウエスタンレッドシダーを、密閉容器13内で飽和水蒸気により加熱、加圧して揮発性の有効成分を気化させる。第1容器12aと連通された第2容器12b内を常圧よりも高く、第1容器12a内より低い加圧状態に設定することにより、前記気化した有効成分を第2容器12b内に収容されたウエスタンレッドシダーから抽出された液体に直接的に導入する。そして、第2容器12b内の気液混合体中に含まれる有効成分を気化させて気体とし、その気体から抽出油を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物から抽出される有効成分の抽出方法及びその抽出装置に係り、詳しくは、芝生の病害虫防除剤等として使用されるヒノキ科植物の抽出油の抽出方法及びその抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、植物原料としてのヒノキ科植物には、抗菌性、殺菌性等の機能を有するヒノキチオール等の有効成分が含まれている。そして、この有効成分を含んだ抽出油がヒノキ科植物から抽出されて前記抗菌、殺菌目的に利用されている。この抽出油の抽出方法としては特許文献1に開示される方法が知られ、この抽出方法について説明する。まず、ヒノキを細かく切断して爆砕装置に入れる。そして、ゲージ圧力34.323×10Pa、蒸煮温度約240℃の飽和水蒸気圧で10分間処理を行う。この蒸煮処理によりヒノキに含まれる揮発性の有効成分の一部は気化し、その有効成分を含む水蒸気を凝縮器に導き15〜25℃で冷却処理して液体とする。さらに、この凝縮器から得られた液体に、爆砕時にヒノキから抽出された液体を加え、その混合液を水蒸気蒸留装置により水蒸気蒸留する。そして、その水蒸気蒸留により気化し、冷却装置により冷却されて得られた液体を油分と水分とに比重分離し、油分を分取することにより、ヒノキ抽出油を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−132797号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来の抽出方法においては、気化した有効成分を含む水蒸気を凝縮して得られた液体と、爆砕処理により抽出された液体とを混合した後、その混合液を水蒸気蒸留して有効成分を含む抽出油を抽出している。そのため、抽出油に含まれる揮発性の有効成分は一度気化され、液体に凝縮された後、再度気化、液化されてから抽出されている。従って、ヒノキ科植物に含まれる有効成分を抽出油として抽出するまでに複数の作業工程が必要であるとともに、それら複数の作業工程を可能とするために抽出装置の構成が複雑になってしまうという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、植物由来抽出物の抽出作業の簡易化を図ることができるとともに、抽出装置の構成を簡易化することができる植物由来抽出物の抽出方法及びその抽出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の植物由来抽出物の抽出方法の発明は、植物原料が収容された第1容器と、同第1容器内と連通された第2容器とよりなる抽出容器を密閉容器内に装填し、当該密閉容器内に水蒸気を導入することにより前記植物原料を水蒸気で加熱、加圧して当該植物原料に含まれる有効成分を気化させて水蒸気とともに抽出するとともに、有効成分を含んだ液体を抽出してその液体を第2容器内へ導入し、当該第2容器内を、前記水蒸気圧により常圧よりも高く、前記第1容器内の加圧状態よりも低い加圧状態に設定することにより第1容器内より負圧として、気化した有効成分を前記液体中へ導入するとともに、その液体中の有効成分を気化させて、その気化した有効成分を冷却して取得することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の植物由来抽出物の抽出方法の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2容器内で気化した有効成分を凝縮器により冷却、凝縮して液化することを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の植物由来抽出物の抽出方法の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記植物原料はヒノキ科の植物であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の植物由来抽出物の抽出方法の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記第1容器内で植物原料を120℃以下の水蒸気により加熱、加圧して軟化させ、軟化した植物原料をプレス手段によりプレスして所定の形状に変形させた後、150〜195℃に昇温して加熱、加圧して前記所定の形状を記憶させた圧縮材を形成することを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に記載の植物由来抽出物の抽出装置の発明は、前記請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の植物由来抽出物の抽出方法に使用される抽出装置であって、植物原料が収容される第1容器及び同第1容器内と連通され、当該第1容器内で抽出された有効成分を含んだ液体が貯留される第2容器とよりなる抽出容器と、同抽出容器を装填可能な密閉容器と、当該密閉容器内に導入される水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、第2容器内と連通され、同第2容器内を減圧して第1容器内より負圧とする減圧手段と、前記第2容器内で気化された有効成分を冷却する冷却手段とよりなるものである。
【発明の効果】
【0010】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の植物由来抽出物の抽出方法によれば、植物由来抽出物の抽出作業の簡易化を図ることができるとともに、抽出装置の構成を簡易化することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明の植物由来抽出物の抽出方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、気化した有効成分を速やかに凝縮して液化することができ、植物由来抽出物の抽出作業効率を向上することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明の植物由来抽出物の抽出方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、その他の植物原料と比較して抗菌、殺菌、防虫等の機能を有する有効成分を多量に含んだ植物由来抽出物を得ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明の植物由来抽出物の抽出方法によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、形状記憶した圧縮材を、植物由来抽出物の抽出作業と同時に製造することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明の植物由来抽出物の抽出装置によれば、植物由来抽出物の抽出作業の簡易化を図ることができるとともに、抽出装置の構成を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態の抽出装置を模式的に示す概略図。
【図2】実施形態の第1容器と第2容器とを示す断面図。
【図3】実施形態の抽出装置を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明をヒノキ科植物由来抽出物の抽出方法及びその抽出装置に具体化した一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
まず、植物原料としてはヒノキ科植物が挙げられ、このヒノキ科植物としては台湾産ヒノキ、ウエスタンレッドシダー、アスナロ、台湾ヒバ、台湾ヒノキ、ユーカリ及びインセンスシダーから選ばれる少なくとも一種が使用され、これらの葉、枝及び材部の各部位を使用することができる。
【0017】
これらヒノキ科植物から抽出された抽出油には、抗菌性能を発揮するツジアシッド、殺菌性能を発揮するツジャプリシン、病害虫の忌避性能を発揮するメチルツジャータ、殺菌性能、抗菌性能等を発揮するトロポロン化合物等が含有されている。トロポロン化合物としてはβ−ツジャプリシノール、γ−ツジャプリシン、β−ツジャプリシン(ヒノキチオール)、α−ツジャプリシン、β−ドラブリン等が挙げられる。これらツジアシッド、ツジャプリシン、メチルツジャータ、トロポロン化合物は揮発性である。ヒノキ科植物のなかでも、ウエスタンレッドシダーの抽出油中には、ヒノキチオールの含有量はその他の木材と比較して多くなっているため、ヒノキ科植物としてウエスタンレッドシダーを使用するのが好ましい。
【0018】
次いで、前記ヒノキ科植物由来抽出物としての抽出油を抽出する装置(以下、単に抽出装置11と記す)11について説明する。
図1に示すように、抽出装置11はヒノキ科植物が収容される抽出容器12と、同抽出容器12を装填可能な密閉容器13を備えている。さらに、前記密閉容器13内に導入される飽和水蒸気を発生させる水蒸気発生手段としてのボイラー14と、抽出容器12内で加圧蒸煮、加熱、加圧されたヒノキ科植物をプレスするプレス手段としての油圧プレス器15と、気化された有効成分を冷却して液体とする冷却手段及び減圧手段としての凝縮器16とより主に構成されている。
【0019】
前記密閉容器13は前記抽出容器12を装填可能な大きさに形成され、内部を密閉可能に形成されている。そして、前記ボイラー14により発生された加熱飽和水蒸気がバルブ29を開放して連通された蒸気導入路17から密閉容器13内に導入される。すると、その飽和水蒸気により抽出容器12内が加圧、加熱される。また、密閉容器13には油圧プレス器15が設置され、その油圧プレス器15によりヒノキ科植物を圧縮変形させることができるように構成されている。
【0020】
図2に示すように、前記抽出容器12は第1容器12aと、同第1容器12a内と連通される第2容器12bとよりなり、まず、第1容器12aについて説明する。第1容器12aはステンレス鋼により上面に開口を有する略有底円筒状に形成されている。第1容器12aの底壁18の中央部には同底壁18を貫通して連通口19が形成され、底壁18は前記連通口19に向かうに従い底壁18の中央部へ傾斜するテーパ状に形成されている。また、底壁18には前記連通口19と連通する第1連通管20が接続されている。
【0021】
第1容器12a内にはステンレス鋼より網目状に形成されたネット21が底壁18との間に空間が形成されるように配置され、そのネット21の上面にはスレンレス鋼板製で細孔が形成されたパンチング22が配置されている。そして、第1容器12a内に収容されたおがくず状のヒノキ科植物は前記パンチング22上に載置されるように構成されている。さらに、第1容器12a内には押さえ蓋23が配置され、前記パンチング22上のヒノキ科植物上に押さえ蓋23が載置されるように構成されている。そして、前記油圧プレス器15により押さえ蓋23をプレスするとともに、ヒノキ科植物をプレスすることができるように構成されている。
【0022】
次に、前記第2容器12bについて説明すると、第2容器12bはステンレス鋼により内部が中空状に形成されている。第2容器12bの上面には第2容器12b内と連通する第1配管24が接続されるように構成され、下面には第2容器12b内と連通する第2配管25が接続されるように構成されている。また、第2容器12bにはその側壁を貫通して第2連通管26が接続され、その第2連通管26の一端側は第2容器12b内部へ延び、他端側は第2容器12bの外部へ延びている。この第2連通管26の一端は、第2容器12bの内底面との間にわずかな隙間が形成されるように配置されている。
【0023】
また、図3に示すように、第2連通管26の他端部と前記第1連通管20とは接続可能に形成されている。そして、接続された第1及び第2連通管20,26を介して第1容器12a内と第2容器12b内とが連通されるとともに、抽出容器12が形成されている。抽出容器12において、第1容器12aの底壁18は第2容器12bの第2連通管26より上側に位置し、第1容器12a内の液体は第1及び第2連通管20,26を通過して第2容器12b内へ流動するようになっている。図1に示すように、この抽出容器12は装填車27上に載置され、その装填車27は密閉容器13方向へ延びる装填レール28上に支持されている。
【0024】
図1に破線に示すように、密閉容器13内に抽出容器12が装填された状態において、前記第1配管24には接続配管24aが接続され、その接続配管24aは密閉容器13内から外部へ延び、バルブ29を介して第1凝縮器16aと接続されている。その第1凝縮器16aには接続配管24aを介して第1貯層31aが接続され、その第1貯層31aにはバルブ29及び下層液取出配管35を介して第1油水分離器36aが接続されている。さらに、第2配管25には接続配管25aが接続され、その接続配管25aは密閉容器13内から外部へ延び、バルブ29を介してドレン管30と接続されている。そのドレン管30には第2凝縮器16bが接続され、第2凝縮器16bには接続配管25aを介して第2貯層31bが接続されている。第2貯層31bにはバルブ29及び下層液取出配管35を介して第2油水分離器36bが接続されている。
【0025】
また、密閉容器13の上部に設けられ、その密閉容器13内と連通する排気管33には真空ポンプ32及びバルブ29を介して第3凝縮器16cが接続され、その第3凝縮器16cには排気管33を介して第3貯層31cが接続されている。その第3貯層31cにはバルブ29及び下層液取出配管35を介して第3油水分離器36cが連結されている。第1〜第3凝縮器16a〜16cには、それぞれ冷却水が供給可能に構成されて内部を冷却可能に構成されている。
【0026】
第1〜第3貯層31a〜31cはそれぞれ対応する第1〜第3凝縮器16a〜16cから供給された液体を一度貯留し、比重の差により油分と水分とに分離するようになっている。各貯層31a〜31cにはそれぞれ上部にバルブ29を備えた上層液取出配管34が設けられ、下部にはバルブ29を備えた下層液取出配管35が設けられている。本実施形態で抽出される抽出油は比重が水より大きいため、各貯層31a〜31cにおいて主に油分が下層液に、水分が上層液に分離されるようになっている。そして、第1〜第3貯層31a〜31cにおいて上層液又は下層液を分取したい場合には、上層液はそれぞれ上層液取出配管34から分取され、下層液はそれぞれ下層液取出配管35から分取される。
【0027】
各貯層31a〜31cに貯留された上層液及び下層液を含む液体は、それぞれバルブ29が開放されて下層液取出配管35から第1〜第3油水分離器36a〜36cへと供給されるようになっている。そして、第1〜第3油水分離器36a〜36cにおいて、比重の差により油分を多く含む下層液と上層液とに分離されるようになっている。さらに、第1及び第3油水分離器36a,36cには第4油水分離器36dが連結され、第1及び第3油水分離器36a,36cで下層に分離された下層液が供給されるようになっている。この第4油水分離器36dにより、下層液がさらに比重の差により下層液と上層液とに分離されるようになっている。第4油水分離器36dで下層に分離された下層液の一部はヒノキ科植物由来抽出物としてボトリング器37によりビン詰めされるように構成されている。
【0028】
また、第2油水分離器36bには第5油水分離器36eが連結され、第2油水分離器36bで下層に分離された下層液が供給されるようになっている。この第5油水分離器36eにより、下層液がさらに比重の差により下層液と上層液とに分離されるようになっている。第5油水分離器36eで下層に分離された下層液の一部はヒノキ科植物由来抽出物としてボトリング器37によりビン詰めされ、その他の下層液は一度集合貯層41に貯留された後、ボトリング器37によりビン詰めされように構成されている。
【0029】
一方、第5油水分離器36eで上層に分離された上層液は、第5油水分離器36eに連結されたスラッジ処理槽38に供給され、そのスラッジ処理槽38において上層液中に含まれるウエスタンレッドシダーの木屑等が除去されるようになっている。さらに、スラッジ処理槽38にはホッグフィルミキサー39が連結され、前記スラッジ処理槽38で浄化された上層液がそのホッグフィルミキサー39に供給されるように構成されている。
【0030】
さて、上記抽出装置11を使用した抽出油の抽出方法について説明する。
まず、おがくず状に細断されたウエスタンレッドシダーを第1容器12a内に収容し、パンチング22上に載置した後、そのウエスタンレッドシダー上に押さえ蓋23を載置する。次いで、装填車27を密閉容器13方向へ装填レール28に沿って移動させ、装填車27ごと抽出容器12を密閉容器13内に装填する。
【0031】
その後、第1配管24に接続配管24aを接続して第2容器12bと第1凝縮器16aとを連結し、第2配管25に接続配管25aを接続して第2容器12bと第2凝縮器16bとを接続する。続いて、密閉容器13内を密閉し、排気する。なお、接続配管24a、接続配管25a及び排気管33に設置されたバルブ29はそれぞれ閉鎖され、密閉容器13と第1〜第3凝縮器16a〜16cとは遮断されている。
【0032】
続いて、ボイラー14から高温、高圧の飽和水蒸気を密閉容器13内に導入し、その飽和水蒸気により第1容器12a内のウエスタンレッドシダーを120℃以下で10〜20分間加熱、加圧(一次処理)する。なお、一次処理における加熱温度はウエスタンレッドシダーを軟化させるのに必要な温度に設定され、その温度は処理するウエスタンレッドシダーの量により変化する。例えば、ウエスタンレッドシダーを確実に軟化させるために、加熱温度は100〜120℃に設定されるのが好ましい。
【0033】
そして、一次処理により、ウエスタンレッドシダーは水蒸気を吸収して内部温度が上昇して軟化するとともに、細胞壁が変化した状態になり、セルロースの結晶のひずみが水蒸気圧力により再結晶化される。また、ウエスタンレッドシダーが飽和水蒸気により加熱、加圧されると、ウエスタンレッドシダー中に含まれる揮発性の有効成分の一部は気化し、第1容器12a及び第2容器12b内に水蒸気中に含まれて存在する。それと同時に、ウエスタンレッドシダーは飽和水蒸気圧により圧搾されて、揮発性の有効成分の一部を含む液体がそのウエスタンレッドシダーから排出される。この液体はパンチング22の細孔、ネット21の隙間を通過して底壁18上へ流下し、第1容器12aのテーパ状の底壁18により連通口19へ導かれる。さらに、底壁18より下側に位置する第1及び第2連通管20,26を通過して第2容器12b内へ導入されて第2容器12b内に貯留される。
【0034】
続けて、油圧プレス器15により押さえ蓋23をプレスして軟化されたウエスタンレッドシダーをプレスして所望する所定形状に圧縮変形させる。それと同時に、ウエスタンレッドシダーは圧搾されて、有効成分の一部を含む液体が排出される。この液体も前記と同様に連通口19から第1及び第2連通管20,26を通過して第2容器12b内へ導入される。
【0035】
次に、飽和水蒸気の温度を150〜195℃にまで昇温し、150〜195℃の温度及び1〜1.6MPaの圧力でウエスタンレッドシダーを所定時間加熱、加圧(二次処理)する。すると、ウエスタンレッドシダーの変化した細胞は分子レベルで結合し、変形された所定形状が固定され、形状が記憶された圧縮木材が製造される。
【0036】
それと同時に、密閉容器13内において、常圧より高い加圧状態にある第2容器12bにおいて、第1配管24のバルブ29を開放し、さらに、第1凝縮器16a内に冷却水を導入する。すると、第2容器12b内は減圧されて第1容器12a内より負圧となり、第2容器12b内の有効成分を含む水蒸気は第1配管24から第1凝縮器16aへと導入される。さらに、第1容器12a内に存在する水蒸気は連通口19から第1及び第2連通管20,26を通って第2容器12b内の液体中へ導入される。
【0037】
有効成分を含む水蒸気が液体中に導入された状態において、第2容器12b内は第1容器12a内よりは減圧状態にあるが、150〜195℃、1〜1.6MPaに設定され、常圧と比較して加圧状態にあるため、液体中に導入された有効成分は常圧における沸点にまで達することなく気化して第1配管24から第1凝縮器16aへと導入される。そして、第1凝縮器16aへ導入された気化した有効成分は冷却されて、有効成分を含む油分と水分とが分散された液体に凝縮される。
【0038】
前記二次処理における飽和水蒸気圧は、液体中の有効成分を確実に気化させるために飽和水蒸気圧が1.2MPaのときは、加熱温度が180℃、加熱時間が120分に設定されるのが好ましく、飽和水蒸気圧が1.6MPaのときは、加熱温度が190〜195℃、加熱時間が90分に設定されるのが好ましい。
【0039】
さらに、第1凝縮器16aで凝縮された液体は第1貯層31aで貯留された後、下層液取出配管35を開放することにより第1油水分離器36aへ供給されて比重の差により下層液と上層液とに分離される。次いで、下層液が第4油水分離器36dに供給される。二次処理終了後、排気管33のバルブ29を開放するとともに、真空ポンプ32を起動させて密閉容器13内を真空脱気して、密閉容器13内の気体を第3凝縮器16cへと導入する。
【0040】
そして、第3凝縮器16cへ導入された気体は冷却されて油分と水分とが分散された液体に凝縮される。さらに、第3貯層31cで貯留された後、下層液取出配管35を開放することにより第3油水分離器36cへ供給されて比重の差により下層液と上層液とに分離される。次いで、下層液が第4油水分離器36dに供給され、前記第1油水分離器36aから供給された下層液と混合されるとともに、比重の差により下層液と上層液とに分離される。そして。第4油水分離器36dで分離された油分を主に含む下層液はヒノキ科植物由来の抽出油としてボトリング器37でビン詰めされる。
【0041】
続いて、液体に導入された有効成分がほとんど気化して抽出された後、第2配管25のバルブ29を開放し、第2容器12b内の液体を第2凝縮器16bへ導入させる。そして、第2凝縮器16bへ導入された有効成分を含む液体は冷却されて油分と水分とが分散された液体に凝縮される。さらに、第2貯層31bで貯留された後、下層液取出配管35を開放することにより第2油水分離器36bへ供給されて比重の差により下層液と上層液とに分離される。
【0042】
次いで、第2油水分離器36bで分離された下層液が第5油水分離器36eに供給され、その第5油水分離器36eにおいて比重の差により油分を主に含む下層液と上層液とに分離される。上層液はスラッジ処理槽38へ供給され、そのスラッジ処理槽38で木屑等が除去された後、ホッグフィルミキサー39に供給されウエスタンレッドシダーのおがくずと混合される。前記上層液にはウエスタンレッドシダーに含まれる有機物が含有されており、この上層液とウエスタンレッドシダーのおがくずとを攪拌混合することにより抗菌性を有する土質改良剤を調製することができる。
【0043】
さらに、第5油水分離器36eで下層に分離された下層液を取り出し、その下層液の一部をヒノキ科植物由来の抽出油としてボトリング器37でビン詰めし、その他を集合貯層41へ供給した後、ヒノキ科植物由来の抽出油としてボトリング器37でビン詰めする。その結果、ビン詰めされた下層液がヒノキ科植物からの抽出油として取得される。その抽出油は油分の質量が原料の全体質量に対して収率1〜4%で取得される。また、ヒノキ科植物に含まれる油分の乾燥質量のうちの約10%が取得される。溶媒抽出法によりヒノキ科植物から抽出油を抽出した場合は、ヒノキ科植物に含まれる油分の乾燥質量に対して6%しか取得することができず、本実施形態の抽出法により抽出した場合は、ヒノキ科植物に含まれる油分の収率が向上する。また、油圧プレス器15により圧縮されたウエスタンレッドシダーを取り出し、圧縮木材として使用する。
【0044】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 気化した有効成分が含まれる水蒸気を、ウエスタンレッドシダーから抽出された液体に直接的に導入し、その気液混合体中に含まれる有効成分を気化させて気体とし、その気体から抽出油を抽出した。そのため、ウエスタンレッドシダーの加熱、加圧により気化した有効成分を一度液体に凝縮した後、再度気化、液化させて抽出油を抽出していた従来と異なり、有効成分の抽出工程を簡易化して抽出作業の効率を向上させることができる。
【0045】
・ また、気化した有効成分が含まれる水蒸気を、ウエスタンレッドシダーから抽出された液体に直接的に導入し、その気液混合体中に含まれる有効成分を気化させて気体とし、その気体を凝縮して抽出油を抽出した。そのため、気化した有効成分が含まれる水蒸気を凝縮器により液体に凝縮した後、水蒸気蒸留装置により気化させ、冷却装置により再度液化させた従来と異なり、抽出装置11の構成を簡易化することができる。
【0046】
・ 第1容器12a内より第2容器12b内を負圧とすることにより、気化した有効成分が含まれる水蒸気は液化せずに第1容器12a内から第2容器12b内へと導入される。そのため、有効成分が含まれる水蒸気をウエスタンレッドシダーから抽出された液体へ効率良く導入することができる。
【0047】
・ ウエスタンレッドシダーの有効成分を気化させるとき及び液体を抽出させるときは飽和水蒸気を使用し、さらに、油圧プレス器15を使用してウエスタンレッドシダーから液体を抽出した。また、第1〜第5油水分離器36a〜36eを使用して下層液と上層液とを分離し、有機溶媒等の化学物質を一切使用しないため、化学物質を一切含まない天然物由来の抽出油を取得することができる。従って、得られた抽出油を例えば芝生の病害虫防除剤として散布したとき、その散布された場所の環境が化学物質により汚染されるといった不具合を防止することができる。
【0048】
・ 抽出油の抽出工程で排出された上層液とおがくずとを混合することにより、抗菌機能を有する土質改良剤として使用することができ、ウエスタンレッドシダーやサイプレスパインは圧縮木材として使用することができる。従って、抽出油の抽出工程において廃棄物が発生することなく、環境保護に寄与することができる。
【0049】
・ 気化した有効成分を含む水蒸気を第1〜第3凝縮器16a〜16cにより凝縮した。そのため、前記水蒸気を自然冷却して液化させる場合と比較して抽出油の精製作業の効率を向上させることができる。
【0050】
・ 二次処理終了後、第2容器12b内に残留する液体を凝縮してその液体中の油分を分取し、密閉容器13内の気体を凝縮してその気体中の油分を分取したため、加熱、加圧されたウエスタンレッドシダーから抽出された気体及び液体を含む材料を全て使用して抽出油の抽出が行われる。そのため、第1油水分離器36aからのみ下層液を取得する場合と比較して、抽出油の収率を向上させることができる。
【0051】
・ ウエスタンレッドシダーを軟化させ、油圧プレス器15により圧縮して所定形状に変形させた後、加熱温度を上昇させて形状を固定した。そのため、ウエスタンレッドシダーの細胞壁が変形した状態になり、セルロースの結晶のひずみが再結晶化されることにより、形状が記憶されているとともに、抗菌機能を備えた圧縮木材を得ることができる。
【0052】
・ また、ウエスタンレッドシダーの軟化及び固定は飽和水蒸気により行われるため、接着剤等の化学物質を一切使用しない圧縮木材を得ることができる。
・ ウエスタンレッドシダーはその他の木材と比較して抗菌、殺菌、防虫等の機能を有する有効成分を多量に含むため、得られる抽出油による抗菌、殺菌、防虫機能等を効果的に発揮させることができる。
【0053】
・ 抽出容器12を第1容器12aと第2容器12bとに別体形成した。そのため、抽出容器12内にウエスタンレッドシダーを収容する空間と、液体が貯留される空間とを形成する場合と比較して抽出容器12の製造を簡易化することができる。
【0054】
[実施例]
以下、実施例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ウエスタンレッドシダー1000g(含水率100%以上、乾燥質量500g)を抽出容器12の第1容器12a内に収容し、その抽出容器12を密閉容器13に装填してそのウエスタンレッドシダーを120℃以下で10〜20分間加熱、加圧して一次処理を行った。次いで、ウエスタンレッドシダーをプレスした後、1.2MPaの飽和水蒸気圧でそれぞれ1.5〜2時間加圧、加熱して二次処理を行った。そして、第1〜第3貯層31a〜31cから分取された上層液及び下層液を含む液体における油分の質量を測定したところ15.3gであった。その油分の質量の原料の乾燥質量に対する収率は3.06%であり、全体質量に対する収率は1.53%であった。なお、ウエスタンレッドシダー1000gから超臨界抽出法により抽出油を抽出した場合は乾燥質量に対する油分の収率が0.65%であり、超臨界抽出法により抽出油を抽出した場合と比較して収率が向上することが示された。
【0055】
次いで、ウエスタンレッドシダーのおがくず(新しいおがくず)と、前記新しいおがくずを三ヶ月以上放置したおがくず(古いおがくず)とをそれぞれ原料として上記実施例1と同様の方法で下層液を抽出した。そして、各下層液をそれぞれ核磁気共鳴分析法により分析し、5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)、フルフラール、ツジアシッド、ツジャプリシン(α、β、γ型含む)、メチルツジャータの下層液における比率を算出した。その結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

表1に示すように、ツジアシッドとツジャプリシンの揮発性成分は時間の経過に伴い減少することが示された。
【0057】
(実施例2〜4)
実施例2〜4では、実施例1において、二次処理における飽和水蒸気圧を実施例2では1.0MPa、実施例3では1.2MPa及び実施例4では1.6MPaに変更して下層液の抽出を行った。そして、取得された下層液をそれぞれ核磁気共鳴分析法により分析し、5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)、フルフラール、ツジアシッド、ツジャプリシン(α、β、γ型含む)、メチルツジャータの下層液における比率を算出した。その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】

表2に示すように、1.2MPaの飽和水蒸気圧で二次処理を行った場合に、揮発成分であるツジアシッド、ツジャプリシン(α、β、γ型含む)、メチルツジャータの合計量が最も多くなった。また、ヒノキチオールの比率も最も多くなり、揮発成分を主に取得するには1.2MPaで二次処理を行うことが好ましいことが示された。
【0059】
(実施例5〜8)
実施例5〜8では、実施例1において、二次処理における飽和水蒸気圧を実施例5では1.0MPa、実施例6では1.2MPa、実施例7では1.3MPa、実施例8では1.6MPaとし、それぞれ30分、60分、90分、120分及び150分後に第1〜第3貯層31a〜31cから下層液を0.1リットル(l)分取し、その下層液中の油分の質量を測定した。その結果を表3に示す。
【0060】
【表3】

表3に示すように、ウエスタンレッドシダーから抽出油を多量に抽出するには1.6MPaで二次処理を行うことが好ましいことが示された。また、実施例8において、得られた抽出液(下層液及び上層液)の総量50リットル中、下層液は10リットル分取され、その下層液において、下層液全体の8.5〜10.5質量%が油分であるため、実施例8における下層液中の油分は19g(下層液の10.5質量%とした)となった。さらに、上層液中にも油分(9g)が含まれるため、実施例8における油分は28gとなり、原料の乾燥質量500gに対する収率が5.6%となった。従って、1.6MPaで二次処理を行うことが好ましいことが示された。
【0061】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、第5油水分離器36eから分取された上層液をおがくずと混合して土質改良剤を調整したが、上層液を浄化してボイラー14へ供給してもよい。
【0062】
・ 本実施形態において、二次処理終了後に、密閉容器13内の気体を真空ポンプ32により吸引し、その気体を凝縮、油水分離して下層液を抽出したが、この抽出工程を省略してもよい。また、二次処理終了後に、第2容器12b内の排水を凝縮、油水分離して下層液を抽出したが、この抽出工程を省略してもよい。
【0063】
・ 実施形態では抽出容器12を装填車27に支持させ、その装填車27ごと抽出容器12を密閉容器13内へ装填したが、装填車27及び装填レール28を省略して抽出容器12をフォークリフト、台車、手作業等により密閉容器13内へ装填してもよい。
【0064】
・ 実施形態では、プレス手段として油圧プレス器15に具体化したが、空圧プレス器、水圧プレス器等に具体化してもよく、植物原料におもりを直接載せてプレスしてもよい。
【0065】
・ 実施形態では、凝縮器16を使用して気体を凝縮したが、自然冷却により気体を冷却してもよい。
・ 実施形態では、第1〜第3貯層31a〜31cで液体を貯留した後、第1〜第3油水分離器36a〜36cで油水分離し、さらに、第4及び第5油水分離器36d,36eで油水分離したが、第1〜第3貯層31a〜31cで液体を貯留して油水分離して下層液を分取して抽出物を抽出してもよい。又は、第1〜第3貯層31a〜31cで液体を貯留した後、第1〜第3油水分離器36a〜36cで油水分離して下層液を分取して抽出物を抽出してもよい。
【0066】
・ 実施形態では、抽出容器12を第1容器12aと第2容器12bとに分けて構成したが、一体の抽出容器12内を植物原料が収容される空間と、抽出された液体が収容され、気体が導入される空間とに区画して形成してもよい。
【0067】
・ 実施形態では、植物原料としてヒノキ科植物に具体化したが、上記抽出方法により植物由来抽出物を抽出油として取得できるものであればそれに具体化してもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0068】
・ 前記第1容器と第2容器とを別体形成し、連通管により連結して形成したことを特徴とする請求項5に記載の植物由来抽出物の抽出装置。このように構成した場合、抽出容器を第1容器と第2容器とを一体形成して形成した場合と比較して抽出容器の製造を簡易化することができる。
【0069】
・ 前記第2容器内を、前記水蒸気圧により常圧よりも高く、前記第1容器内の加圧状態よりも低い加圧状態に設定することにより第1容器内より負圧として、気化した有効成分を前記液体中へ導入するとともに、その液体中の有効成分を気化させて、その気化した有効成分を冷却して取得した後、密閉容器内に存在する気体中に含まれる有効成分を冷却して取得し、第2容器内に存在する液体に含まれる有効成分を分離して取得することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の植物由来抽出物の抽出方法。このように構成した場合、加熱、加圧された植物原料から抽出された気体及び液体を含む材料を全て使用して植物由来抽出物の抽出が行われる。そのため、液体中の有効成分を気化させて取得するだけの場合と比較して、抽出物の収率を向上させることができる。
【0070】
・ 前記冷却手段により液化された液体を有効成分を含む液体とその他の液体とに分離する分離器を備えた請求項5に記載の植物由来抽出物の抽出装置。このように構成した場合、冷却手段により冷却されて液化された液体から有効成分を含む液体を分取するとき、有機溶媒等の化学物質を一切使用せずに取得することができる。従って、得られた抽出物を使用したとき、その使用された場所の環境が化学物質により汚染されるといった不具合を防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
11…植物由来抽出物の抽出装置、12…抽出容器、12a…第1容器、12b…第2容器、13…密閉容器、14…水蒸気発生手段としてのボイラー、15…プレス手段としての油圧プレス器、16a〜16c…冷却手段及び減圧手段としての凝縮器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物原料が収容された第1容器と、同第1容器内と連通された第2容器とよりなる抽出容器を密閉容器内に装填し、当該密閉容器内に水蒸気を導入することにより前記植物原料を水蒸気で加熱、加圧して当該植物原料に含まれる有効成分を気化させて水蒸気とともに抽出するとともに、有効成分を含んだ液体を抽出してその液体を第2容器内へ導入し、当該第2容器内を、前記水蒸気圧により常圧よりも高く、前記第1容器内の加圧状態よりも低い加圧状態に設定することにより第1容器内より負圧として、気化した有効成分を前記液体中へ導入するとともに、その液体中の有効成分を気化させて、その気化した有効成分を冷却して取得することを特徴とする植物由来抽出物の抽出方法。
【請求項2】
前記第2容器内で気化した有効成分を凝縮器により冷却、凝縮して液化することを特徴とする請求項1に記載の植物由来抽出物の抽出方法。
【請求項3】
前記植物原料はヒノキ科の植物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植物由来抽出物の抽出方法。
【請求項4】
前記第1容器内で植物原料を120℃以下の水蒸気により加熱、加圧して軟化させ、軟化した植物原料をプレス手段によりプレスして所定の形状に変形させた後、150〜195℃に昇温して加熱、加圧して前記所定の形状を記憶させた圧縮材を形成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の植物由来抽出物の抽出方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の植物由来抽出物の抽出方法に使用される抽出装置であって、植物原料が収容される第1容器及び同第1容器内と連通され、当該第1容器内で抽出された有効成分を含んだ液体が貯留される第2容器とよりなる抽出容器と、同抽出容器を装填可能な密閉容器と、当該密閉容器内に導入される水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、第2容器内と連通され、同第2容器内を減圧して第1容器内より負圧とする減圧手段と、前記第2容器内で気化された有効成分を冷却する冷却手段とよりなる植物由来抽出物の抽出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−506(P2010−506A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180029(P2009−180029)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【分割の表示】特願2001−143535(P2001−143535)の分割
【原出願日】平成13年5月14日(2001.5.14)
【出願人】(500138250)
【出願人】(399052589)
【出願人】(301026099)株式会社藤澤鐵工所 (3)
【Fターム(参考)】