説明

検体データ送信及びレポート生成のための方法及びシステム

生理学的パラメータセンサによって与えられる医学データが患者の医学的状態の管理のために用いられる患者の携帯型デバイス上に格納される。携帯型デバイスは格納された医学データを、接続及びデータ転送サービスの費用が低い時間帯に、バッチ形式でリモートサーバにアップロードするようにプログラムされる。別の態様において、携帯型デバイスとの相互作用及びバッチ形式でのデータのアップロードを行うためにドッキングステーションが用いられる。別の態様において、携帯型デバイスは、格納された医学データを選択し、まとめて、複数のレポートフォーマットの内の1つにし、選ばれたプリンタドライバをレポートに付加し、処理された医学データを患者の診察時に医療従事者が吟味するためのハードコピーレポートを印刷するために、適切なプリンタに出力するようにプログラムされる。別の態様において、クレードルまたは着脱可能メモリデバイスがこの目的のために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は2009年11月19日に出願された米国仮特許出願第61/262849号の恩典を特許出願する。上記出願の明細書はその全体が本明細書に参照として含まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は全般的には医学データ及び医学データに対するレポート生成に関し、さらに詳しくは、自動化された低費用の医学データ転送を提供するように、また患者の診察中に医療従事者が利用するために医学データからのレポートを一層迅速かつ効率的に提供するように構成されたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
真性糖尿病、または単に「糖尿病」は不治の慢性疾患である。I型糖尿病患者は食物摂取後の血糖値上昇を補償するためにインスリンを取り入れることでそれぞれの糖尿病を管理しなければならない。I型糖尿病管理は、特に過剰であるかまたは誤った量のインスリンの投与によるハイポグリセミアすなわち低血糖症の発現を防ぎながら、ハイパーグリセミアすなわち高血糖症を予防するためにはたらく。劣悪な糖尿病管理は、意識喪失のような、急性症状で、あるいは、心臓血管疾患、網膜症、神経障害及び腎症を含む、慢性状況を通して、現れ得る。有効な糖尿病管理には努力が必要である。
【0004】
人の糖レベルのモニタリング及び管理を補助するための多くの様々な方法が既にある。多くの場合、携帯型デバイスの使用に基づく健康管理維持システムが用いられる。これらのデバイスは、血糖データのような、患者のデータを記録するように構成されている。さらに、大量の医学データの格納及び、医療従事者(HCP)のような、第三者による後のアクセスのため、そのようなデータをリモートサーバにアップロードできることが知られている。例には、グーグルヘルス(Google Health)及びマイクロソフトヘルスボールト(Microsoft Health Vault)(商標)がある。リモートサーバ所在地またはどこかで、血糖検査結果を、投薬、食事または、運動のような、その他の要因に関する定量的情報と整合させることができる。
【0005】
医用センサは患者の1つまたは複数の生理学的パラメータに関して大量の有用な情報を生成することができる。そのような情報は、特定の方法で、処理され、整理され、レポートにされると、患者の診察及び処置の勧告において医療従事者に極めて有益になり得る。そのようなデータの、適切な計算、整理及びレポートは、情報、患者の履歴及び患者の現在の状態及び健康状況の、迅速で、有用であり、一層正確な、評価の形成を補助し得る。
【0006】
例えば、患者の処置には一般に検体モニタリングデバイス及び薬物投与デバイスが用いられる。患者の体組織から1つないしさらに多くの試料または検体が検知され、データが蓄積される。そのデータを取り込み、蓄積して、処理するために、センサ及びプロセッサを備えるモニタを用いることができる。最終的に、患者または患者の医療従事者(HCP)による吟味のため、そのようなデータから1つないしさらに多くのレポートが作成されなければならない。レポートに応じて、1つないしさらに多くの薬物を患者に投与することができ、あるいは別の処置クールを処方することができる。薬物の投与は、自己注射のように患者により、または看護師のような別人により、手作業で行うことができ、あるいは自動投与または連続投与のための、輸液ポンプのような、電動式薬物投与デバイスによって行うことができる。例えば、I型真性糖尿病の処置及び管理には、糖モニタ及びインスリンポンプが普通用いられる。
【0007】
糖尿病の場合、患者の糖レベルに関するデータを得るには、血糖モニタ(BGM)または連続糖モニタ(CGM)を用いることができる。そのようなセンサは、血液滴の実分析によるかまたは結合組織の組成の検知によって、糖レベルを検出する。患者は患者の糖データを受け取って格納するために用いられる電子手帳(PDA)のような、携帯型デジタルデバイスを有することができる。これは多くの方法で行うことができる。BGMで読み取られる検査ストリップ上に患者が血液滴を塗る例では、BGMからのデータを、格納、(日付及びタイムスタンプの付加によるような)処理及びどこかへの転送のため、PDAに送信することができる。一例において、BGMはPDAと一体化される(専用デバイス)。別の例では、糖データは無線態様で、または有線接続を介して、PDAに送信される。BGM及びCGMのいずれの場合においても、測定された患者の糖データをPDA上に取り込むために様々な方式を用いることができる。PDAはそのデータを処理するようにプログラムすることができ、PDAのスクリーン上に有用な糖レベル数値表示を提供することができ、また遠隔にあることができてインターネット(クラウドコンピューティング)を介するかまたは他の手段によってアクセスすることができるサーバにデータをアップロードするように指示することもできる。通常、コンピュータ化レポートを、測定された糖のそのような測定値及び計算値を合わせて表示するために用いることができ、健康管理勧告の生起に用いることができる。例えば、糖モニタは患者のより良い血糖管理のための勧告を与えるようにプログラムされる。
【0008】
I型真性糖尿病のような慢性状態に対し、ある期間にわたり連続動作している糖モニタの使用により患者の糖尿病関係状態に関して生成され得るデータ及び食事、運動及びその他の活動に関して入力され得る患者データの量は、患者または臨床医師が容易に理解できる情報量より大きくなる傾向がある。モニタされたばかりのデータのような、糖尿病データを処理するためのデータ管理アプリケーションが現在利用可能である。そのようなアプリケーションは、糖レベル、時間の経過にともなうレベルの変化、投与されたインスリンに対する応答及び、糖尿病患者及び患者の医療従事者(HCP)に有用であり得る、その他の情報に関するデータの1つまたは複数の分析を含む、レポートを提供する。そのような分析は、傾向、外挿、予測、警告及びその他を含むことが多い。
【0009】
PDAのような携帯型デバイスあるいは専用糖尿病管理デバイスは、メモリが限られ、満杯になるまでにある程度の量のデータしか格納できない。データがアップロードされないか、そうではなくともセーブされなければ、連続使用は格納データの上書きをおこさせ、よって患者の医療履歴のいくらかを失うことになり得る。
【0010】
患者についての糖データの収集における別の問題はそのデータをセーブする費用である。営利サーバサービス(例えば、Google Health, Microsoft Health Vault)の内の1つのようなリモートサーバにデータをアップロードする場合、データは利用できる営利システムを用いて転送されなければならない。セル式電話、インターネットサービスプロバイダ(ISP)への無線接続、電話接続またはその他のサービスの使用には、特に利用集中時間帯(ゴールデンタイム)において、比較的費用がかかり得る。さらに、多くの患者は、コンピュータ、PDA、インターネット接続、等を使用する技量を有していないであろう。そのような患者は、インターネットへの接続、データのアップロード、アップロード済データの携帯型デバイスからの削除及びその他の事柄の意味が分からない。データ転送の費用が低くなれば、またデータ転送及び携帯型デバイスの全プロセスが自動化されれば、患者にとって好都合であろう。
【0011】
有効な糖測定の重要性にもかかわらず、I型糖尿病患者が医師から毎日毎日、直接指導されることは滅多にない。一般に、重要な代謝イベント時、血糖異常時及び大きな糖変動時に医師が居合わせることはない。患者が診察室にいて、医療従事者が患者を実際に診ているときに、そのようなイベントがおこることはおそらく無いであろう。最善でも、そのような来院受診は医療従事者に患者の糖尿病状態の「スナップショット」しか提供しない。
【0012】
残念ながら、データ管理アプリケーション及び検体モニタリングシステムによって生成されるデータは、多くの理由により、望まれるほど広くはHCPによって用いられていない。一例として、糖尿病患者の定期診察中にHCPが前回の来院以来の患者の糖尿病関連履歴を調べることは重要であり得る。特に、HCPは、時間の経過にともなう糖レベルの変動、そのような変動の、食物摂取量、運動及び睡眠との関係、どの薬物の投与がなされたか及び投与のタイミング、及びその他のデータを、患者の糖レベルに関するそれぞれの効果を決定するために知りたいであろう。しかし、そのようなデータ及び処理済データの提供には一般に、プロセッサ、処理を実行するためのプログラム、レポートフォーマット及びHCPがレポートを調べることができるような出力が必要である。これは、患者がモニタからのデータダウンロード、プログラムによるデータ処理及び診察時に患者がHCPに提示できるレポートの印刷を達成することができれば、可能であろう。
【0013】
別のシナリオにおいて、上述のレポート生成は、患者が患者の携帯型モニタの糖データを、HCPもアクセスできる、リモートサーバにアップロードすることによっても達成できる。HCPは、患者のデータをサーバから受け取り、アプリケーションプログラムが実装されたローカルコンピュータ上でそのデータを処理し、患者の診察時にHCPが調べるために結果を印刷することができる。理論的にはこのシステムは有効であるはずであるが、HCPは必要な時間を確保できず、HCPのスタッフにレポートを生成してもらうための補助もないであろう。HCPもスタッフも、データを取り込み、データを処理して、レポートを印刷するに十分なコンピュータ技量を有しているであろう。患者はそのような技量を有していないであろう。普通の技量の人は、インターネットまたはリモートサーバとの接続問題が生じたときに、解決が困難であることが多い。したがって、患者の医療履歴データを、またそのデータから作成された有益なレポートも、HCPが必要とするときに一層容易に入手できることが、患者の糖尿病管理努力にとって重要であろう。
【0014】
さらに、HCPによる患者の来院受診中の診察室においてコンピュータは一般に利用可能ではない。また、医学データの操作及び分析に有用な、様々な医学データデバイス製造業者のそれぞれで独自の、多くのソフトウエアアプリケーションの習得に抵抗するHCPもいる。さらに、来院受診中のソフトウエアアプリケーションの取込み及び医療デバイス(例えば、血糖モニタ、連続糖モニタ、インスリンポンプ、等)からのデータのアップロードに必要な時間をとられたくないHCPもいる。さらに、異なるデバイスプラットフォームにはそれぞれ独自のケーブル及びコネクタの使用が必要になり、診療所環境に擾乱及び混乱をおこさせ得る。
【0015】
そのような場合、診察は蓄積されたデータの恩恵を受けないまま実施されなければならず、代わりに、前回の来院以降のイベント発生に関する患者の記憶あるいは、どのような形式のものであっても、患者のノートに頼らざるを得ない。
【0016】
一例において、製造業者は特別なアップロード機構を備える専用プリンタを提供している。しかし、この特別な装置は、医療施設、特に診察室に擾乱をもたらし、特定の製造業者の糖モニタとの組合せでしかはたらかない。しかし、多くの場合、診察室またはその近辺に市販のコンピュータ装置がいくつか存在することも事実である。さらに、コンピュータはなくとも、市販プリンタはほぼ間違いなく利用可能である。必要時に、患者についての医学レポートの生成にそのような普通の装置を利用できれば有益であろう。
【0017】
したがって、当業者は、患者の診察に用いるための患者の検体データ及びレポートを医療従事者が入手できる、一層有用なシステム及び方法が必要であることを認識している。診察のためにHCPが調べる患者の健康データレポートを入手するために、取得され、習得されて、操作されなければならない、コンピュータハードウエア及びソフトウエアの数を最小限に抑える必要も認識されている。患者データ及び処理済データ並びに、患者の診察時にHCPが調べるための、レポートを生成するために、多くの医療施設に見られる標準的な印刷装置の使用を可能にする、システム及び方法が必要であることも認識されている。さらに、患者の医学データのリモートサーバまたはどこかへの転送にかかる費用をコントロールする必要も認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の課題は、上記及びその他の必要を満たす、システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
簡潔かつ総括的にいえば、本発明は、医学データを格納し、そのデータをリモートサーバまたは医療従事者(HCP)に転送する、携帯型デバイスを含むデータ管理システムに向けられる。一態様において、携帯型デバイスに格納されたデータは処理して、選ばれたレポートフォーマットにし、HCPの診療室におけるプリントアウトのための選ばれたプリンタドライバとともに転送することができる。別の態様において、レポートはプリンタドライバ及びプリンタへの入力のためにセーブされた「プリント」ファイルと合わせて処理することができる。また別の態様において、携帯型デバイスの格納データを処理して選ばれたレポートフォーマットにするためにドッキングステーションが用いられ、ドッキングステーションは適用可能なプリンタドライバを選択するためまたはプリントファイルを作成するために用いられる。別の態様において、ドッキングステーションはドッキングされた携帯型デバイスから格納データをリモートサーバに、選択された時間帯に、バッチ形式で自動的に転送するようにプログラムされ、この時間帯は、選ばれた通信システムを通じるデータ転送コストが低くなるように選ばれる。
【0020】
別の態様において、携帯型検体モニタリングデバイスは血糖レベルを測定するかまたは血糖モニタ(BGM)または連続糖モニタ(CGM)から血糖レベルデータを受け取る。携帯型デバイスは、糖のような、検体の、1つないしさらに多くの、測定レベル、目標レベルまたは予測レベルに関するデータの、測定、格納及び、必要に応じて、分析するための、コンポーネント及び機能を備える。携帯型デバイスはさらに、携帯型中継データ通信器、プリンタ、コンピュータ、等のような、別のデバイスへのデータまたは情報の転送を、またプリンタドライバ及び、データの転送及び/または印刷のための、その他のコンピュータ読取可能命令の転送も、容易にするためのデータ通信インターフェースを備える。携帯型デバイスは、ドッキングステーション、プリンタまたはリモートサーバへの、自動データ転送、半自動データ転送またはユーザ主導データ転送のためのタイミングプログラムも備える。
【0021】
ドッキングステーションは携帯型デバイスへの及び携帯型デバイスからのデータの転送並びにデータの分析のためのコンポーネント及び機能を備え、携帯型デバイスとの通信のための少なくとも1つのデータ通信インターフェースも備える。携帯型デバイスからコンピュータ、リモートサーバ、プリンタ、等へのデータの転送のための複数の通信インターフェースが備えられる。別の態様において、ドッキングステーションは、携帯型デバイス内の蓄電池のような、電源への充電を提供する充電器として構成される。別の態様において、ドッキングステーションは、例えば来院中にユーザ及びHCPを補助するための、簡便なデータ吟味を提供するため、データをプリンタに直接送ることができるように、1つないしさらに多くのプリンタドライバ、プリンタ管理プログラムまたはこれらの組合せを備えることができる。また別の態様において、ドッキングステーション、プリンタまたはリモートサーバへの、自動データ転送、半自動データ転送またはユーザ主導データ転送のためのタイミングプログラムがドッキングステーションに備えられる。
【0022】
本発明に利用されるように、ドッキングステーションは携帯型デバイスから、ユーザまたはHCPによる操作のためのリモートサーバへの、または携帯型デバイスにより収集されたデータを印刷するためのプリンタへの、データ及び情報の転送のためのインターフェースを提供する。別の態様において、ドッキングステーションはドッキングステーションの能力を高めるための、オーディオスピーカーのような、様々な特徴を有し、様々な情報をユーザに提供するためのディスプレイを備える。
【0023】
本発明にしたがう別の態様において、携帯型データ管理デバイスとドッキングステーションの間の接続を確立するための方法が提供され、ここでドッキングステーションは携帯型データ管理デバイスとインターロックするように構成される。本方法は、携帯型デバイスに付随するデータをドッキングステーションに転送するステップを含む。ドッキングステーションとリモートサーバの間に接続が確立され、携帯型デバイスにともなうデータはドッキングステーションによってリモートサーバに自動的にアップロードされる。本方法はさらに、ドッキングステーション上の複数の選択可能なレポートから選ばれたレポートを正確に印刷するためにプリンタを駆動するため、ドッキングステーションに格納されたコンピュータ読取可能命令を実行するステップを含むことができる。さらに、本方法は、ハンドヘルドデータ管理デバイスをドッキングステーションに載せると、自動的に実施することができる。例えば、携帯型デバイスをドッキングステーションに接続すると、携帯型デバイスに収集されて格納されたデータをリモートサーバに自動的にアップロードすることができる。
【0024】
方法にしたがうまた別の態様において、携帯型データ管理デバイスに格納されたデータの自動データアップロードは時限ベースで実施され、タイミングプログラムは携帯型デバイスまたはドッキングステーション上で実行される。タイミングプログラムにおいて発動されるスタートコマンドに応答して、現在時刻が検出され、あらかじめ定められたアップロード時刻と比較されるであろう。同じであれば、無線または有線接続によるかあるいは、USBポート、ファイアワイア(Firewire)ポートまたはその他のデータ転送ポートを介して、携帯型データ管理デバイスにデータリクエストが送られるであろう。携帯型データ管理デバイスからデータを受け取ると、クレードルに常駐する通信プログラム内のあらかじめ定められたアクセス命令にしたがってドッキングステーションとリモートサーバの間にインターネット接続が確立され、データがサーバにアップロードされる。
【0025】
さらに詳細な態様において、タイミングプログラム及び通信プログラムはいずれも携帯型データ管理デバイスに常駐し、ドッキングステーションはリモートサーバへのデータ接続を確立するための通信路としてしかはたらかない。
【0026】
別のさらに詳細な態様において、ドッキングステーションには、さらにリモートサーバへのアップロードリクエストがなされたときに、携帯型データ管理システムから新規データだけがリクエストされてリモートサーバに送信されるように、どのデータが既にアップロードされているかを決定するためのコンピュータ読取可能命令も与えられる。これは、ドッキングステーションまたは携帯型デバイス上のメモリに、最新アップロードデータに関する情報を格納することによって、あるいは送られた最新データレコードについてリモートサーバに問い合わせることによって、達成することができる。最新データレコード情報が携帯型デバイスに格納されていれば、携帯型デバイスは未だ提供されていないデータだけを送信することでドッキングステーションからのデータアップロード照会に応答するであろう。ドッキングステーションのメモリ格納は、以前の警告、エラー及びステータスメッセージを追跡するため、及び新規の警告に対してあるいはデータの送信または受信にエラーがおこった場合に、可聴または可視信号を与えるためにも、提供される。
【0027】
本発明にしたがうまた別のさらに詳細な態様において、携帯型データ管理システムには携帯型デバイスから直接の、または携帯型デバイスに接続されたデータ格納デバイスからの、データの印刷を可能にするに十分な機能が備えられる。別の態様において、そのようなデータ格納デバイスは、フラッシュメモリカードまたはフラッシュドライブのように、着脱可能かつ可搬である。前者の場合、携帯型データ管理デバイスはプリンタへのデータの送信及び、マイクロソフトウインドウズ(登録商標)のような、コンピュータ用標準オペレーティングシステムネイティブのような、普遍プリンタドライバ及び管理プログラムを用いる、そのデータの印刷を可能にするように構成される。
【0028】
本発明の様々な特徴及び利点は、添付図面を参照する、以下の本発明のいくつかの詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は医学状態のモニタリング及びレポート作成のための、医学状態を管理するために用いられ、患者の医学状態が格納される、携帯型デバイスを有する、システムのブロック図であり、携帯型デバイスはリモートサーバに無線接続して示され、リモートサーバは患者の医療従事者(HCP)もアクセスすることができ、HCPの診療室には患者の診察中に患者の医学データから得られるHCPへのレポートを提供するためのコンピュータ及びプリンタが備えられている。
【図2】図2は図1と同様のブロック図であるが、この場合、患者の診察中またはその前のHCPによる吟味のために医学状態レポートを生成させるためのHCPのコンピュータ及び/またはプリンタとの患者の携帯型デバイスの相互無線通信が示されている。
【図3】図3も図1と同様のブロック図であるが、この場合、患者の携帯型デバイスを受け入れるため、ドッキングされた患者の携帯型デバイスから患者の医学データをダウンロードするため、患者の医学データを処理して選ばれたレポートフォーマットにするため、プリンタドライバを選択するため、及び処理された医学データレポートをHCPのコンピュータまたはプリンタに、あるいはいずれにも、送信するための、(クレードルと称されることもある)ドッキングステーションがHCPの診療室に備えられている。
【図4】図4は図1と同様のシステムの別のブロック図であるが、この場合、患者の携帯型デバイスは、HCPのコンピュータまたはHCPのプリンタで、あるいは両者で、用い得るレポートを携帯型デバイスがその上に作成する、サンディスク(商標)のような、着脱可能な可搬メモリデバイスを受入れ、使用するように構成されており、図は、HCPの診療室において携帯型デバイスから取り外され、患者の診察においてHCPが用いるための患者の医学データの所望のレポートを読むため及び印刷するためにコンピュータまたはプリンタに挿入されている、メモリカードを示す。
【図5】図5は、複数のアプリケーションプログラムが存在し、その内の1つが医学データレポートを作成するためのアプリケーションプログラムである、患者の携帯型デバイスのインターフェースが、プリンタ選択の実施を可能にし、レポート選択の実施を可能にし、この場合には、格納された医学データにプロセッサがアクセスし、選択されたレポートにしたがって医学データをフォーマットし、正しいプリンタドライバにアクセスし、それに応じてデータを構成し、HCPのプリンタで印刷するために携帯型デバイスの通信ユニットにレポートを送信する、患者の携帯型デバイスの一実施形態のブロック/流れ図である。
【図6】図6は、患者デバイス、ドッキングステーション、プリンタ、メモリカード及びその他を備える本発明の態様にしたがうシステムのコンポーネントの、ホストサーバを含む、ブロック図である。
【図7】図7はドッキングステーションすなわち「クレードル」を、ドッキングステーションを示す角枠内に示される様々な最上位機能を含むブロック図の形態で示す。
【図8】図8は、一実施形態にしたがう、データの分析及び、モニタリングデバイスからクレードル及び/またはリモートサーバへの、転送の方法を示す流れ図である。
【図9】図9は、いくつかの実施形態にしたがう、医学データレポートの作成のためのプリンタへのデータの直接転送を示す流れ図であり、コンピュータまたは着脱可能メモリデバイスへの、あるいは直接にプリンタへの、データの直接転送を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面をここでさらに詳細に参照する。全図面を通して同様の参照数字は同様の要素を指す。不必要な詳細で説明が曖昧になることを避けるため、既知の機能または構成を詳細に説明することはない。図面において、構造の寸法は必ずしも正しい尺度では示されておらず、さらに明解な理解を可能にするために誇張されている場合があることに注意すべきである。
【0031】
ここで図1に移れば、患者20の医学データが携帯型デバイス22から、大量の患者医学データの格納のためのメモリ26を有する、リモートサーバ24にアップロードされている、データ管理システム18の全体ブロック図が提示されている。この実施形態において、携帯型デバイス及びサーバはサーバとの直接の無線リンク28を介して相互に通信しているが、これは図の場合に限られる。おそらくは他のデータ受信器/送信器が介在することがあるであろう。加えて、サーバへの及びサーバからのルートに沿う有線接続も存在し得る。
【0032】
いくつかの場合、携帯型デバイス22とリモートサーバ27の間のそのような接続は、患者の医学データの高速で実時間のアップロードを提供するために用いられる。実時間通信を用いるそのようなシステムでは、ゴールデンタイムに通信すれば、比較的高い通信費用が発生し得る。これも本明細書の別の所で論じられる。データ転送料金は一般に、多くの人が眠っている深夜帯よりも、勤務時間帯のような、日中の最大データ転送量時間帯においてかなり高い。そのような料金($/分)は利用契約の条項に応じて若干下げることができる。以下の実施形態で提供されるように、費用低減のため、低利用時間帯における通信が用いられる。
【0033】
図1の参照を続ければ、医療従事者(HCP)30が患者の代わりにリモートサーバ24にアクセスすることもできる。例えば、HCP30は(ディスプレイ34及びキーボード36で示される)ローカルパーソナルコンピュータ(PC)32またはその他の同様に機能するコンピュータデバイスを用いてリモートサーバ24に接続することができる。ローカルPC32は、メモリ、プロセッサ及び、リモートサーバに対するHCPによる患者及び所望のデータの識別を可能にする(特には図示されていない)アプリケーションプログラムを備える。続いて、リモートサーバ24は、要求されたデータのメモリ26内の所在を突き止め、それを取り出してHCPのコンピュータにダウンロードすることができる。リモートサーバは、患者の格納データからレポートを作成するためのプログラムをサーバ上で実行させて、そのようなレポートをHCPのPCにダウンロードできる能力を備えていてもいなくても差し支えない。そのような能力をリモートサーバで利用できなければ、患者のデータの格納、データの処理及び処理されたデータからの所要の印刷済レポートの作成の全てをHCPの診療室38で行うことができる、レポート生成プログラムを、HCPのPCが備えることができる。所望のレポート42を患者の診察中のHCPによる吟味のために印刷することができる市販(OTS)プリンタ40がHCPの診療室38におかれる。
【0034】
「市販(OTS)」プリンタとは、普通の人が市場で広く入手でき、そのための「プリンタドライバ」を容易に入手できる、プリンタである。
【0035】
図2に、医学データの転送のための別の医学データ管理システム50が提供される。患者20は患者固有の医学データを格納する携帯型デバイス52を有する。本システム50は糖尿病管理システムに用いることができ、携帯型デバイス52は患者に関する糖データ及びその他の糖尿病関連データを受け取り、格納することができる。携帯型デバイス52は糖含有量について血液滴を分析するためのストリップ読取器を備えることができる。ストリップ読取器は携帯型デバイスに組み込むことができ、または携帯型デバイスに接続することができる。追加のデータには、インスリン投与時刻及び量、運動時刻、食事時刻、及び炭水化物含有量を含めることができるが、これらには限定されない。図1と同様に、HCP30がいて、コンピュータ装置を備えるHCPの診療室並びにリモートサーバ27及びメモリ26がある。
【0036】
この場合、携帯型デバイス52は組込無線通信システム及び、HCP30が用いるための医学データレポート42の携帯型デバイスのプロセッサによる作成を可能にする、実装プログラムを有する。特に、携帯型デバイスはレポート選択肢及びプリンタドライバ選択肢を提供するであろうが、デフォールトのプリンタドライバが存在し得る。プロセッサは携帯型デバイスのメモリから該当する医学データを取り出し、レポートを作成するためにそのデータを処理して、必要に応じてレポートを無線送信する。図2を再び参照すれば、レポート印刷はHCPの診療室38において行うことができるであろう。一構成において、HCPのコンピュータ32またはLANネットワークが無線能力を有するように構成されていれば、携帯型デバイスから無線でレポートを受け取り、レポートを処理して、プリンタ40にレポート42を印刷させることができる。HCP30は次いで、図2に破線で示されるように、レポートを吟味することができるであろう。別の実施形態において、プリンタは無線アダプタ54を備えることができ、レポート42の印刷のために携帯型デバイス52からレポートを受信することができる。携帯型デバイスのレポート印刷プログラムは無線でプリンタにコンタクトし、プリンタのタイプを識別し、携帯型デバイスに格納されたプリンタドライバのデータベースから正しいプリンタドライバを選択し、プリンタとのネゴシエーションを行い、レポートを印刷させる。
【0037】
図2にはコンピュータ32及び/またはプリンタ40との無線接続が示されているが、HCP32の診療室38で利用できるハードウエア及びソフトウエアに依存して、有線接続、赤外線接続またはその他の接続が使用可能であり得る。この場合、プリンタが無線アダプタ54を備えていればHCPのコンピュータ32は不要であることに注意することが重要である。この構成により、患者の最新の医学データの使用が可能になり、HCP30がリモートサーバ24に接続する必要なしにレポート42の高速でより簡便な生成が可能になり、HCPのコンピュータ32上でアプリケーションプログラムを実行することが可能になり、レポートを印刷することが可能になる。本システム50によって、さらに一層容易で簡便なレポートの作成及び印刷が可能になる。
【0038】
次に図3を参照すれば、ドッキングステーション62及び64が用いられる、別のデータ管理システム60が示される。図の左側に示されるように、患者20は、この場合はリモートサーバ24及びリモートメモリ26との通信のためにドッキングステーション62において用いられる、携帯型デバイス66を有する。ドッキングステーション62はデータ転送費用が最も低い時間帯にリモートサーバ24と自動的にコンタクトするように構成することができる。あるいは、ISPまたはその他のデータ通信企業への加入契約がなされていて、特定の時間帯にそのデータ通信装置を通じてデータが送信された場合には契約により最低料金が課されるならば、その時間帯にデータを送信するようにドッキングステーションをプログラムすることができる。
【0039】
この実施形態においてドッキングステーション62は、ドッキングステーション62に載せられている、患者の携帯型デバイス66から医学データを取り出し、上で論じたように、後になって、または携帯型デバイスからのダウンロード時に、そのデータをリモートサーバ24に自動的に転送するようにプログラムされる。同時に、ドッキングステーション62は。携帯型デバイス66の電池を充電することができ、またドッキングステーション及び/またはリモートサーバへの転送が完了したデータを携帯型デバイスから消去することもできる。ドッキングステーションは、以下で論じられるように、ディスプレイ68上に医学データを表示するように、または印刷のためにレポートを作成するように、プログラムすることもできる。ドッキングステーションは、ドッキングステーションの作業が完了したときまたはエラーがあったときにそのことを患者に表示することもできる。例えば、ドッキングステーションは携帯型デバイスの電池充電が完了したことを緑色光で表示することができる。ドッキングステーションは、充電は未完であるが進行中であることを赤色光で表示することもできる。ドッキングステーションは、例えばリモートサーバへのデータアップロードの進行状況をディスプレイ68の「燃料計」で表示することができる。
【0040】
ドッキングステーションの全てのデータのリモートサーバへのアップロードのための自動送信ルーチンのドッキングステーションプログラミングは様々なデータ転送システムによって行うことができる。例えば、患者は、どの方法でリモートサーバと通信するかの患者の決断を、接続及びアップロードは自動であるから、費用だけに基づいて行うことができる。例えば、患者は、データを転送するためにインターネットサービスプロバイダとの無線または有線のルータを用いることができ、または携帯型デバイスが「スマート」ホンの形態をとっていればセル式電話接続を用いることができ、あるいは有線電話接続を用いることができ、また他の接続を用いることができる。この特徴により、患者による患者の費用のコントロールが可能になり、それでも重要な医学データをリモートサーバに送ることができる。
【0041】
このドッキングステーション62の別の利点は、携帯型デバイス66内にプリンタドライバ及びレポートフォーマットのデータベースが必要ではないことである。これらのデータの全てを、既存の携帯型デバイス及び後継の携帯型デバイスで用いることができる、ドッキングステーション内におくことができる。この特徴の結果、携帯型デバイスにかかるコストが下がるであろう。
【0042】
図3の実施形態において、携帯型デバイス66がドッキングステーション64におかれてしまえば、ドッキングステーションが携帯型デバイスを完全に制御する。データが転送され、電池が充電され、携帯型デバイスのメモリが消去される。
【0043】
図3の構成はHCPの診療室38にさらに一層大きな利点をもたらす。[背景技術]の章で論じたように、診察時に患者に関する医学データを入手するための簡便な方法が必要とされている。HCPの診療室38にあるドッキングステーション64がこの必要を満たす。患者が行う必要があるのは、患者の携帯型医学データ管理デバイス66をHCPの診療室38にもってきてそこにあるドッキングステーション64に載せるだけであり、HCPのスタッフ、HCP30または患者が、HCPが望むレポートの選択、HCPのプリンタ40に対する正しいプリンタドライバの選択、「印刷(PRINT)」の押込みを進めることができ、ドッキングステーションが、携帯型デバイス66内の医学データについてのレポートをまとめ、それをフォーマットし、それにプリンタドライバを付加するであろう。ドッキングステーション64は既に、HCPのコンピュータ32との、またはHCPのプリンタ40との直接の、有線通信または無線通信のために設定されていて、レポート42が印刷されるであろう。この実施形態によれば、HCPのスタッフが、リモートサーバ24との接続を試み、必要なデータを見つけて引き出し、自らレポートを作成する必要はない。
【0044】
この実施形態においては、ドッキングステーション64のプログラムが、携帯型デバイス66内の患者医学データをHCPのコンピュータ32またはプリンタ40への送信を、携帯型デバイス66に行わせる。一実施形態において、HCPのコンピュータは、患者データを処理し、患者の診察中にHCPが吟味するための1つないしさらに多くのレポート42を生成するようにプログラムされる。しかし、HCPが患者医学データを処理するであろう適する態様でプログラムされたコンピュータを有していなければ、あるいはコンピュータ32上のプログラムにエラーがあるかまたはコンピュータが他の仕事にかかっていれば、本発明の態様にしたがうドッキングステーション64が、患者データを処理して所望のレポートにし、直接プリンタと通信してプリンタにそれらのレポート42を印刷させるようにプログラムされる。そのような場合、ドッキングステーションは適切なプリンタドライバを備えるかまたは、HCPがディスプレイ68を見て、必要に応じ、制御ボタンまたはキー70を操作することでHCPのプリンタ40をその中から選択することができる、プリンタドライバのリストを有する。
【0045】
本発明にしたがう別の態様は、分析されるべきデータの携帯型デバイスからのアップロードを自動的に開始する、携帯型デバイス66,ドッキングステーション62または64,リモートサーバ24,またはコンピュータ32に実装されるプログラムである。自動開始のタイミングは実時間、すなわち携帯型デバイスがデータ点(例えば、糖読み値)を取り込んだときとすることができ、あるいはタイミングは、単に例として、毎日午前2時または一週間に一回日曜日午前3時のように、定期とすることができるであろう。すなわち、アップロードは、実時間である必要はなく定期的に、通信費用が高くない時間帯に自動的に行うことができるであろう。この機構は患者にとって費用がかからず、簡便であろう。
【0046】
アップロード開始はデバイスの時刻を実時刻と比較する簡単なコードによって行われる。デバイスの時刻が実時刻と一致すると、アップロードが開始される。実時刻はユーザインターフェースを介して手作業で調節することができ、あるいはプログラムコードに含めることができる。
【0047】
アップロードプログラムが携帯型デバイスにおかれていれば、プログラムは単に、プログラムがそのために構成されている、通信を確立して実行しようとするであろう。例えば、プログラムがサーバへの無線3G通信用または電話によるページャー通信用に構成されていれば、これが、アップロードが行われるであろう態様である。プログラムがインターネットIPアドレスへの標準無線ルータを介する無線通信用に構成されていれば、これが、アップロードが行われるであろう態様である。いずれかの理由のためにアップロードに失敗すれば、プログラムは適切な時間帯内に、例えば通信料金が未だ安いときに、再試行を試みるようにスケジュールを立て直し、及び/または次回のあらかじめスケジュールされた時刻に再試行するだけであろう。
【0048】
別の実施形態において、アップロード開始プログラムはドッキングステーションまたは、スマートルータのような、携帯型デバイスと無線で通信できる同様のデバイスにおかれている。プログラムは、1つはあらかじめ設定された時刻に、または定期的に、データを携帯型デバイスに問い合わせるタイミングであり、1つは別のあらかじめ設定された時刻にリモートサーバにデータを送信するタイミング、2つのタイミングレベルを有することができる。これらの時刻は、簡便性、(例えば携帯型デバイスの)電力節約または費用低減をサポートするように決定することができる。例えば、プログラムは4時間毎にいかなる新規データも携帯型デバイスに問い合わせて、データをバッファするように設定することができるであろう。次いでプログラムは別のあらかじめ設定された時刻、例えば週に一度日曜日午前3時に、蓄積されたデータを送信することができる。本発明の別の態様において、携帯型デバイス及びドッキングステーションは、例えば通信が予定されている時刻にだけ高電力モードに移ることで携帯型デバイスの電力が節約されるであろうように、それぞれの通信時刻を同期させることができる。
【0049】
別の実施形態において、開始プログラムはデータの行先であるリモートサーバにおかれている。プログラムはデータアップロードについて携帯型デバイスに直接問い合わせることができるであろうが、これは携帯型デバイスが3G対応デバイスのように常時通信状態にある場合に限り実用可能である。あるいは、プログラムは、例えばあらかじめ設定された時刻に、データをアップロードするようにドッキングステーションに求めることができるであろう。この実施形態はドッキングステーションがバッファされたデータを有することを想定し、上で論じたように、携帯型デバイスのデータアップロードは携帯型デバイスまたはドッキングステーション内におかれたプログラムによって開始される。
【0050】
本明細書に用いられるように、「バッチ処理」は、データがある期間にわたって集められて以降の処理のために一括される、データ処理モードを指す。本明細書に用いられるように、「フラッシュメモリ」は電気的に消去可能でプログラム再書込が可能な、コンピュータ用不揮発性メモリチップである。フラッシュドライブ及びペンドライブはフラッシュメモリに基づくUSBメモリデバイスである。フラッシュメモリは主に、メモリカード、USBフラッシュドライブ、MP3プレイヤー、並びに、汎用メモリ及びコンピュータと他のデジタル製品の間のデータ転送のための、固体ドライブに用いられる。フラッシュメモリは大きなブロックで消去及びプログラム書込が行われる。フラッシュメモリは不揮発性の固体データメモリである。用途の例には、PDA(電子手帳)、ラップトップコンピュータ、デジタルオーディオプレイヤー、デジタルカメラ、及び携帯電話がある。フラッシュメモリは不揮発性であるから、チップ内に格納された情報を維持するための電力は不要であり、(自身が可搬の)電源を必要としないことから可搬である。さらに、フラッシュメモリは高速読出アクセス時間を提供する。既存または将来つくり出される別のタイプのメモリも用いることができる。
【0051】
次に図4に移れば、着脱可能なメモリデバイス84を有する携帯型データ管理デバイス82を備える、別のデータ管理システム80が示されている。このシステムにおいては、携帯型デバイスがプログラム及びデータベースを備え、ユーザがレポートフォームを選択することができ、内部プロセッサが格納データを取り出し、処理し、まとめて、選択されたフォームのフォーマットにするであろう。プロセッサはどのプリンタドライバを適用するかについてのユーザ入力も受け取り、着脱可能メモリデバイス84上に印刷可能なレポートを作成するであろう。次いで、HCPの診療室にいるときに、患者またはHCPまたはスタッフが携帯型デバイスからメモリデバイスを取り外して、着脱可能メモリデバイス84をコンピュータ32またはプリンタ42に挿入することでメモリデバイスを読むことができる。この場合、携帯型デバイス82は、着脱可能メモリデバイスの動作が可能であるように着脱可能メモリデバイスが押し込まれる、着脱可能メモリ挿入スロット86を有する。メモリデバイスが使用されることになると、メモリデバイスはスロットから排出だれるかまたは手で引き出されて、HCPのプリンタ40のメモリカードスロットのような、別の互換デバイス上の同様のスロットに挿入される。この実施形態においてはコンピュータ32もメモリカードスロット90を有する。また実施形態においては、コンピュータ及びプリンタがUSBフラッシュメモリカードを受け入れるためのUSBコネクタも有する。別の実施形態においては、携帯型デバイスもUSBフラッシュメモリデバイスを用いるように構成することができる。
【0052】
図5は、上で論じたような、レポートを作成するためのプロセスのブロック図/フローチャートを示す。携帯型デバイスは破線81で示される。ユーザが特定のレポート83を選択し、これに応答してプロセッサ75が、適切なプログラム85を用いて、レポートデータベース87から選択されたレポートフォーマットを取り出す。プロセッサは次いで選択されたレポートを完成するために必要な医学データ89を取り出す。ユーザはレポートを印刷すべきプリンタに対するプリンタドライバ91も選択する。プロセッサは選択されたプリンタドライバ93をメモリから取り出し、レポートをプリンタドライバ情報と組み合わせる。プロセッサは次いで、プリンタドライバ情報を含む完成されたレポートの、この場合はプリンタ95である、デバイスへの送信94を行う。しかし、このデバイスは、無線アダプタ、フラッシュメモリデバイス、コンピュータ接続またはその他とすることもできるであろう。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態は、検体検出、データ格納及び他のデータ格納または処理デバイスへのデータ転送の機能を有する、(これらの機能を実行する複数の独立デバイスを与える代わりに)単一の可搬または携帯型の電子デバイスをユーザに提供する。本発明のいくつかの実施形態は、検体検出に限定されず、セル式電話または電子手帳の機能のような、他の機能とともに用いることができる、単一の携帯型電子デバイスをユーザが有することも可能にする。携帯型デバイスの使用は増加し続け、益々多くの機能が携帯型電子デバイスに実装される。本発明のいくつかの実施形態は個人の健康及び疾病の管理に用いるための新しい次元または機能を携帯型電子デバイスに付加する。糖管理システムは携帯型電子デバイスによる、ブルートゥース、赤外線、USB及びその他のような無線接続または有線接続を介する、医師及び個人からまたは医師及び個人へのデータの送信または受信を可能にすることによって、データ収集プロセスを改善することができる。糖検知システムは、医学療法管理、コンプライアンス評価並びに保険業者、個人及び医師に対するデータの提供のための時間も改善することができる。
【0054】
さらに詳しくは、携帯型電子デバイスが血糖ストリップを受け入れて読み取るためのポートを有する内蔵糖モニタを備える場合、ストリップが携帯型デバイスの読取器に挿入され、読取器によって分析されて、その読み値からの糖データを表すデータが携帯型デバイスのメモリに格納される。ほとんどの場合、そのデータにタイムスタンプ及びデータスタンプが添付される。携帯型デバイスへの糖検査ストリップ読取器の組込みにより、(複数のデバイスではなく)単一の携帯型電子デバイスで2つの機能が個々の患者に提供される。疾病管理において、I型糖尿病患者の大多数は食事制限及びフィットネスのモニタリングを求められ、いくつかの場合は、糖尿病患者に共通のそれぞれの血糖の検査(血糖測定)と組み合わされた体重減食事療法に励んでいる。本発明の態様にしたがう携帯型デバイスは患者またはユーザに、患者またはユーザの健康をコントロールするための、単一で包括的なツールを提供する。上で示したように、格納された大量データは、診断、フィードバック及び処置、及び医学療法のため、各個人の患者の医療従事者に送ることができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態は、セル式電話製造業者、複数の携帯型電子デバイスを持ち歩きたくない個人(このため、多機能の単一デバイスが求められる)、糖尿病患者(特に食事制限コンプライアンスがモニタされるべきII型糖尿病患者)をかかえている医師、及び食事制限コンプライアンスに役立てるために抜本的体重減処置を実施する医師によって用いられ得る。
【0056】
次に図6を参照すれば、クライアント及びリモートサーバと接続されている生物学的モニタリングシステム100が示される。システム100は、一実施形態にしたがえば、糖モニタリングシステムのような、検体モニタリングシステムとすることができる。しかし、システム100はそのような実施形態に限定されない。例えば、図6に示されるシステム100の検体モニタリングデバイス150は、血糖測定または結合組織内糖測定に関するデータ、炭水化物摂取値及び糖尿病管理に重要なその他のデータを格納するか、そうではなくともそのようなデータに基づいて動作するインスリン輸液ポンプのような、医学的に妥当なデータを格納するか、またはそうではなくともそのデータに基づいて動作する薬物投与デバイスのような、異なる医用デバイスに代えるか、あるいはそのようなデバイスを含むことができる。しかし、参照を容易にするため、本明細書においてデバイス150は検体モニタリングデバイスとされる(しかしこの語句は全般に、薬物投与デバイスのような、別の種類のデバイスに拡張されると理解される)。
【0057】
システム100によってモニタ及び管理することができる検体には、アセチルコリン、アミラーゼ、ビリルビン、コレステロール、絨毛性ゴナドトロピン、クレアチンキナーゼ(例えばCK-MB)、クレアチン、糖、グルタミン、成長ホルモン、ホルモン、ケトン、乳酸塩、酸素、過酸化物、前立腺特異抗原、プロトロンビン、甲状腺刺激ホルモン及びトロポニンがあるが、これらには限定されない。例えば、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン、バンコマイシン、等)、ジギトキシン、ジゴキシン、乱用薬物、テオフィリン、及びワルファリンのような、薬物の濃度もモニタすることができる。本発明は、血糖または結合組織内糖のような、医学的に妥当な検体の自動化された、連続測定またはそうではなくとも定期的測定に関するデータを格納、使用または送信するためのデバイスと合わせての使用に特に良く適している。
【0058】
したがって、図6に示されるように、システム100は、検体センサ101,センサ101に接続された送信器ユニット102及び、通信リンク103を介して送信器ユニット102と通信するように構成された、主受信器ユニット104を有する、検体モニタリングデバイスを備えることができる。
【0059】
携帯型モニタリングシステムはさらに、少なくとも1つのプロセッサ106及びデータの格納のための少なくとも1つのメモリ107を有することができる、独立データ処理端末105を、必要に応じて備えることができる。データ処理端末105は、インスリンを患者に投与するように構成することができる、インスリン輸液ポンプ等のような輸液デバイスを含むことができ、とりわけ、測定された検体レベルを受け取るために受信器ユニット104と通信するように構成することができる。あるいは、受信器ユニット104は、例えば基礎プロファイルの管理及び修正のために、また、とりわけ、送信器ユニット102から受け取られた検体レベル検出値に基づいて投与のための適切なボーラスを決定するためにも、患者へのインスリン治療を管理するように受信器ユニットが構成され得るように、輸液デバイスを内部に組み込むように構成することができる。データ処理端末105は、メモリ107を備えることができ、あるいは、ユーザの検体レベル検出値に対応するデータの格納、検索及び更新のためにデータネットワークまたはデータベース(図示せず)と接続することができる。
【0060】
したがって、検体モニタリングデバイス150は、検体センサ101,プロセッサ106,メモリ107及び送信器ユニット102または、プロセッサ106及びメモリ107を備える、データ処理端末105に動作可能な態様で接続されたデータ通信インターフェース109を備える。一般に、メモリ107は、1つないしさらに多くの、検体レベルの測定値、目標値または予測値に関するデータの格納のために備えられ、データは一般にレポートフォーマットに含められる。データ通信インターフェース109は、クレードル170,プリンタ180,クライアントコンピュータ110,リモートサーバ120及びその他のような、他のデバイスへのデータまたは情報の送信を容易にする。
【0061】
送信器の機能の説明を含む、連続検体モニタリングシステム及びその様々なコンポーネントの詳細な説明は、他に、いずれも本出願の譲受人に譲渡された、2001年1月16日に発行された、名称を「検体モニタリングデバイス及び使用方法(Analyte Monitoring Device and Methods of Use)」とする、米国特許第6175752号の明細書、2003年12月26日に出願された、名称を「連続糖モニタリングシステム及び使用方法(Continuous Glucose Monitoring System and Methods of Use)」とする、米国特許出願第10/745878号の明細書、2008年1月31日に出願された、名称を「検体レベルを決定するための方法及びシステム(Method and System for Determining Analyte Levels)」とする、米国特許出願第12/024101号の明細書、及び2009年6月4日に出願された、名称を「異常動作デバイスまたはソフトウエアダウンロード及びユーザデータ及び製造データの保存中の故障回復方法(Failure Recovery Methods of Corrupted Device or During Software Downloads and Preservation of User and Manufacturing Data)」とする、米国仮特許出願第61/184234号の明細書に与えられている。これらの明細書はそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
【0062】
一例示態様において、システム100はさらに検体モニタリングデバイス150とインターロックするためのクレードル170を備える。クレードル170及び検体モニタリングデバイス150のいずれかは、またはいずれも、データの格納、操作、分析及び転送の機能を果たすように構成することができ、デバイス150はさらに、検体レベルの、1つないしさらに多くの、測定値、目標値または予測値に関するデータを測定するための機能を備える。
【0063】
図6に示されるように、検体モニタリングデバイス150はデータ通信インターフェース接続130aを介してクレードル170と動作可能な態様で通信している。クレードル170は、第2のプロセッサ171,第2のメモリ172及び第2の通信インターフェース173を備え、第2のデータ通信インターフェース173は、動作可能な接続130aを介する検体モニタリングデバイス150からクレードル170へのデータ送信のために第1のデータ通信インターフェース109に動作可能な態様で接続される。
【0064】
クレードル170はさらに、他のコンポーネントとの同時接続を容易にするため、別のデータ通信インターフェースを備えることができる。例えば、クレードル170はクライアントコンピュータ110(例えば、コンピュータまたは電子手帳(PDA))、プリンタ180またはリモートサーバ120との同時動作可能な接続のための、第3のデータ通信インターフェース174を備えることができる。クライアントコンピュータ110,プリンタ180,リモートサーバ120または他のいずれかのデバイスの1つないしさらに多くとの同時動作可能な接続を容易にするに必要な数の、追加のデータ通信インターフェースを備えるクレードル170を構成できることが、当業者には当然であろう。
【0065】
クレードル170が存在する場合、第1のメモリ及び/またはクレードル170の第2のメモリ172は格納された命令をさらに有する。その命令が(タイミングプログラムにより自動的に、またはユーザが入力したコマンドを受け取って)第1のプロセッサ106または第2のプロセッサにより実行されると、命令は第1のプロセッサ106または第2のプロセッサに、検体モニタリングシステム150とクレードル170の間の接続の検出、接続された検体モニタリングデバイス150の認識及び検体モニタリングデバイス150にともなうデータのクレードル170への転送を行わせる。
【0066】
クレードル170の第2のメモリ172には、実行されると、クレードル170に、接続130dを介して直接に、または第2のデータ通信インターフェース174を介し、接続130b及び130cを介し、クライアントコンピュータ110を介して間接的に、リモートサーバ120と接続させ、サーバにデータをアップロードさせる、コンピュータ読取可能命令がさらに格納されている。加えて、一例示態様において、第2のメモリ172は、追加のいずれのデバイスまたはソフトウエアも必要とせずにいずれのプリンタでもレポートが印刷され得るように、第2のメモリ172に格納されたプリンタドライバ及びプリな管理のためのコンピュータ読取可能命令をさらに有する。
【0067】
図6に示されるシステム100には、ただ1つの、センサ101,送信器ユニット、通信リンク103及びデータ処理端末105が示されている。しかし、システム100は複コンピュータ及び複デバイス環境に拡張することができ、それぞれのコンポーネント及びデバイスは、システム100内の様々なコンポーネント及びデバイス間の通信衝突が容易に解決されるように、システム内の他のコンポーネント及びデバイスのそれぞれに一意的に認識される。
【0068】
システム100のコンポーネント間の通信リンクは、イーサネット(登録商標)接続、RF通信プロトコル、赤外線通信プロトコル、ブルートゥース対応通信プロトコル、802.1x無線通信プロトコル、等価無線通信プロトコル、シリアルまたはUSB接続及びその他の内の1つないしさらに多くを含む、データ転送のためのいずれか適する通信プロトコルとすることができる。
【0069】
本発明の動作は、必要に応じてクレードル170を介して、クライアントコンピュータ110またはプリンタ180にリンクされた単一の検体モニタリングデバイス150に関して説明されるが、本発明がそのようなデバイス及びリンクに限定されないことは理解されるであろう。一実施形態において、検体モニタリングデバイス150は、クレードル170を介し、通信リンク130a〜130bを介してクライアントコンポーネント110に接続され、この場合、モニタリングデバイス150によって生成された医学データは、クライアントデータベース118にアップロードされて格納されるか、または接続130aを介してリモートサーバ120に直接に転送される。別の実施形態において、検体モニタリングデバイス150は、クレードル170を介し、通信リンク130aを介してリモートサーバ120に接続され、この場合、医学データはデータベース122にアップロードされた格納されるか、またはそうではなくともサーバ120によって操作される。
【0070】
モニタリングデバイス150によって生成されたデータは、簡便に、プリンタ180への送信のためにクレードル170にアップロードすることができ、あるいは、検体モニタリングデバイス150にプリンタドライバが用意されている場合、そのようなデータをプリンタ180に直接送信することができる。あるいは、必要に応じて、検体モニタリングデバイス150は、着脱可能メモリデバイス152に格納されたデータを直接に印刷するためにプリンタ190の対応するスロットに挿入するための、メモリカードまたはUSBデバイスのような、着脱可能メモリデバイス152を備えることができる。医学データの送信は、連続的に、またはあらかじめ定められた時間間隔で、あるいはあらかじめ定められた時刻に自動的に、あるいは患者または外部ユーザによるコマンドに応じて、行うことができる。
【0071】
データの送信は、検体モニタリングデバイス150及び/またはクレードル170に常駐するタイミングプログラムにしたがって、あらかじめ定められた時間間隔で行われることが好ましい。タイミングプログラムを含むコンピュータ読取可能命令は、モニタリングデバイス150とクレードル170の間の接続の確立時の自動データ転送、あらかじめ定められた時刻または日付における転送、または検体モニタリングデバイス150とクレードル170の間の接続の確立に続くアップロードのためのユーザリクエストの入力に応じる転送を含む、様々な相異なる設定に対して用意される。アップロードステータス情報及びユーザコマンドの入力の表示のため、検体モニタリングシステム150またはクレードル170は、あるいはいずれも、ユーザインターフェース、例えばLEDディスプレイ及びキーパッドを備えることができる。
【0072】
クレードル170内には、システムに対するインターネットアクセス命令、パスワード、等を含めることができるが、これらには限定されない、リモートサーバへのデータアップロードのための通信プロトコルの格納のための、メモリ172も備えられる。
【0073】
クライアントコンピュータ110またはリモートサーバ120のユーザは、例えば医学データに関する様々な計算及び/または説明を入手及び表示するための、レポートソフトウエアアプリケーション112またはリモートサーバ120の同様のアプリケーションによる処理のために医学データにアクセスすることができる。同様に、クレードル170のユーザは、医学データにアクセスして、医学データを処理するために、レポートソフトウエアアプリケーション112またはリモートサーバ120の同様のアプリケーションを用いるか、またはクレードル170または検体モニタリングデバイス上に格納されたソフトウエアアプリケーションを用いることができる。医学データの処理には、薬物投与量の決定、血糖レベルのような患者に関する様々な化学的及び/または生物学的な属性の計算、及び医学データのグラフィカル表示またはその他の表示の作成のような、ただしこれらには限定されない、様々な動作を含めることができる。処理されたデータはクライアントコンピュータ110のデータベース118に、あるいはリモートサーバ120のデータベース122に、格納することができる。
【0074】
図6を再び参照すれば、存在する場合、クライアントコンポーネント110は、ユーザのパーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ及び/または、PDAまたはスマートホンのような、携帯型デバイスのようなコンピュータデバイスに内蔵することができる。クライアントコンポーネント110は一般に、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)116のような、インターフェースを提供するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)レンダリングコンポーネント114を有し、GUI116はホストサーバコンポーネント120あるいはモニタリングデバイス150及び/またはクレードル170から受け取った情報に基づく、GUI116上に表示されるコンポーネントに関連するユーザインタラクション及びGUI116への配置を可能にする。GUIレンダリングコンポーネント114は、データ及び情報の、ユーザによる注視、入力、アップロード、ダウンロード、またはそうではなくとも操作及びアクセスを可能にする、ユーザによる制御が可能な特徴をもつGUI116を提供することができる。ウエッブベースアプリケーションソフトウエア及びその他のクライアントソフトウエアをメモリに格納することができ、クライアントコンポーネント110の1つないしさらに多くのプロセッサで実行することができる。
【0075】
GUIレンダリングコンポーネント114は医学データ及び処理済情報を受け取り、いずれかの情報セットを、またはいずれの情報セット(全て「医療情報」)も、GUI116に配置する。ユーザはGUI116上でユーザインタラクションを通じて医療情報を視ることができる。例えば、複数のウインドウ、ボックス、アイコンまたはその他のGUIコンポーネントを、ユーザが所望のリクエストを編成するか、または所望の医療情報を入手するために利用することができる。クライアントコンポーネント110のユーザは、アクセスした医療情報を、後のアクセスのために、クライアントデータベース118にセーブすることができる。あるいは本明細書の別の所で論じたように、クレードル170が医学データの格納及び表示のための同様の機能を備えることができる。
【0076】
一実施形態にしたがえば、検体モニタリングシステムは、またクライアントコンポーネント110及びリモートサーバ120のようなその他の関連コンポーネントも、CoPilot(商標)健康管理システム(Copilot)として知られるコンピュータベースデータ管理システムを実装するために用いることができる。CoPilotシステムは、糖尿病をもつ人たち、保健医療チーム及び介護士による、FreeStyle(商標)血糖モニタリングシステム及びPrecision Xtra(商標)血糖モニタリングシステムからの、またNavigator(商標)CGMから(及び、一般に他のいくつかの市販の血糖計及びインスリンポンプから)の、CoPilotアプリケーションへのデータのアップロードを可能にする、パーソナルコンピュータ(PCあるいは可搬または携帯型の機器)ベースソフトウエアアプリケーションである。
【0077】
CoPilotシステムは、糖尿病をもつ人たち及びその人たちの医療従事者(HCP)の、デバイスからアップロードされたかまたはシステムに手入力された、糖読み値、炭水化物摂取量、インスリン投与量、運動及びその他の糖尿病関連要因のような医療情報の評価及び分析に役立つ、グラフ及びその他のソフトウエアツールを提供する。システムは、例えば、糖尿病をもつ人の糖管理を改善するための教育に役立てることができる。
【0078】
上述した保健医療管理のためのPCベースソフトウエア並びにその様々な特徴及び機能の詳細な説明は、他に、いずれも本出願の譲受人に譲渡された、2005年6月6日に出願された、名称を「糖尿病管理レポート生成アーキテクチャ及びデータ管理システム(Diabetes Care Report Generation Architecture and Data Management System)」とする、米国特許出願第11/146897号(公開第2006/0010098号)の明細書及び2009年5月29日に出願された、名称を「詳細レベルが変化している医学データの可視表示及びレポート生成(Visual Display of, and Report Generation for, Medical Data with Varying Levels of Detail)」とする、米国仮特許出願第61/182611号の明細書に与えられている。これらの明細書はいずれもそれぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
【0079】
図7を参照すれば、クレードル200がさらに詳細に示されている。本明細書で論じられるように、クレードルは一般に、検体モニタリングデバイスとインターロックしてデバイスの動作可能な接続を与えるためのクレードルとして構成される。
【0080】
クレードル200は検体モニタリングデバイスとのインターロックを可能にし、コンピュータ読取可能コードが実装された1つないしさらに多くのメモリ格納デバイス210を備え、コンピュータ読取可能コードは検体モニタリングデバイスからデータを取り出し、取り出されたデータを、例えばリモートサーバに、アップロードするためのコードである。したがって、一例示実施形態において、クレードル200は、プロセッサ220,メモリ210及びデータ通信インターフェース230を備え、データ通信インターフェース230は、検体モニタリングデバイスからクレードル200へのデータ送信及びデータ通信インターフェース230または他のデータ通信インターフェースを介するホストサーバへのアップロードのための、検体モニタリングデバイスのデータ通信インターフェースへの動作可能な接続のためのインターフェースである。
【0081】
メモリ210には、実行されると、検体モニタリングデバイスとクレードル200の間の接続の検出、接続された検体モニタリングデバイスの認識、レポートフォーマットに含まれる検体モニタリングデバイスにともなうデータのクレードル200への転送、リモートサーバとの接続及びデータのサーバへのアップロードをプロセッサ220に行わせる、コンピュータ読取可能命令が格納されている。メモリ210にはさらに、プリンタドライバ、プリンタ管理プログラムまたはこれらの組合せを格納することができる。加えて、メモリ210にはさらに、データをリモートサーバに自動アップロードするため及び接続されているプリンタにデータを印刷するように指示するための、コンピュータ読出可能命令を収めることができる。
【0082】
図7を再び参照すれば、様々な実施形態において、クレードル200はさらに、ユーザまたはHCPにさらなる恩恵を与える、別の特徴及び機能を有することができる。例えば、クレードル200は、検体モニタリングデバイスのような、接続されているデバイスの電池を充電するための電池充電インターフェース240を備えることができる。
【0083】
クレードル200は、GUI251のようなインターフェースを提供するためのGUIレンダリングコンポーネント250のような、ディスプレイを備えることができ、インターフェースは、GUI251上に表示されるコンポーネントに関するユーザインタラクションを可能にし、クライアントコンポーネント、リモートホストサーバ、検体モニタリングデバイス、プリンタまたはその他のデバイスから受け取られた情報に基づくGUI251への配置を可能にする。GUIレンダリングコンポーネント252は、データ及び情報の、ユーザによる注視、入力、アップロード、ダウンロード、またはそうではなくとも操作及びアクセスを可能にする、ユーザによる制御が可能な特徴をもつGUI251を提供することができる。
【0084】
ディスプレイコンポーネントGUI251は、医療情報及び教育情報、あるいは、接続されているデバイス及びリモートサーバのステータス、またはそのようなデバイス間のデータ転送のステータスに関する情報のような、様々なタイプの情報をユーザまたはHCPに提供する、文章、グラフィックまたは記号/シンボルを表示することができる。例えば、GUI251は、リモートサーバとの接続及びそのような接続の失敗、データのアップロード及びそのようなアップロードの失敗、接続されているデバイスの電池の状態、電池の充電及びそのような充電の失敗を確認する情報を提供することができる。
【0085】
モニタリングデバイスからアップロードされたデータをクレードル200から印刷することもできる。例えば、クレードル200はアップロードされたデータの印刷のためにプリンタと動作可能な態様で接続することができ、あるいは、データをさらにリモートサーバにアップロードして、自動的にまたはGUI250を介するユーザ入力に応じてクレードル200から送信された命令により、リモートサーバに接続されたプリンタで印刷することができる。
【0086】
図7を再び参照すれば、様々な実施形態において、クレードル200はさらに、HCPメッセージ、医療情報のような様々な種類の情報に関する警報または警告、システムコンポーネントまたはデータ転送のステータスをユーザに提供するための、1つないしさらに多くのオーディオスピーカーを備えることができる。例えば、オーディオスピーカー260は、クレードル200のプロセッサ220またはメモリ210に格納されたコンピュータ読取可能命令の実行によって生成される可聴情報を提供することができる。可聴情報には、モニタリングデバイス及び/またはリモートサーバへの接続の確認、そのような接続の失敗、データのアップロードまたはダウンロードのステータス、そのようなアップロードまたはダウンロードの失敗、モニタリングデバイスの電池の状態、モニタリングデバイスの電池の充電のステータス、そのような充電の失敗、及び/またはレポートの印刷の成功を含めることができる。
【0087】
本明細書で論じられるように、クレードル200から他のいずれかのデバイスへの通信リンクは、イーサネット(登録商標)接続、RF通信プロトコル、赤外線通信プロトコル、ブルートゥース対応通信プロトコル、802.1x無線通信プロトコル、等価無線通信プロトコル、シリアルまたはUSB接続、等の内の1つないしさらに多くを含む、データ転送のためのいずれか適する通信プロトコルとすることができる。
【0088】
一般に、クレードル200として構成されると、接続されるモニタリングデバイスは、本明細書に説明される検体モニタリングシステムを構成するため、デバイス間に直接の物理的接続がなされ、データ転送に対していずれか適する通信プロトコルが利用され得るように、クレードル200にインターロックされる。クレードル200とリモートサーバの間の接続に関し、接続は、いずれか適するプロトコルを用いる、直接有線接続または無線接続とすることができる。例えば、クレードル200とリモートサーバの間の接続には、電話回線、イーサネット(登録商標)または、クレードル200を用いる個人とリモートサーバに接続された端末を用いる個人の間の双方向通信が容易になるような、その他の通信プロトコルを含めることができる。
【0089】
したがって、本発明はさらに、検体モニタリングデバイスと、リモートサーバへのデータ転送及び生成されたレポートの印刷を容易にするために携帯モニタリングデバイスとインターロックするためのクレードルとして構成された、クレードルとの間の接続を確立するための方法を提供する。本方法の流れ図を示す図8を参照すれば、本方法は、検体モニタリングデバイスにともなうデータを中間クレードルに転送するステップ301を含む。ステップ302においてクレードルとリモートサーバの間に接続が確立され、ステップ303において検体モニタリングデバイスにともなうデータがリモートサーバにアップロードされる。検体モニタリングデバイスとクレードルの間の接続を確立する方法はさらに、接続された検体モニタリングデバイスの接続を検出し、検体モニタリングデバイスを認識するステップ302.1、または転送前に(例えば、高いかまたは低い検体測定レベルに対して警報を起動すべきか否かを判定するために)データを分析するステップ302.2を含むことができる。
【0090】
本方法は、検体モニタリングデバイスがクレードルとインターロックすると自動的に、あるいはユーザまたはHCPのプロンプトによって、実行することができる。例えば、検体モニタリングデバイスがクレードルと接続すると、検体モニタリングデバイスに収集されて格納されたデータをリモートサーバに自動的にアップロードすることができる。
【0091】
あるいは、本方法は、クレードルにデータを格納するステップ301.1及び、ステップ301.1に続く、リモートサーバとつながっているプリンタにデータを印刷するように指示するための、プリンタドライバとともにクレードル上に存在するコンピュータ読出可能命令を実行するステップ301.2を含むことができる。
【0092】
本発明のまた別の実施形態が図9に示されている。ステップ401において、有線、無線、USBまたはその他の普通のデータ接続を介して、検体モニタリングデバイスをプリンタに直接に接続することができる。モニタリングデバイスは、デバイスに格納されたデータに基づくレポートの生成、ほとんどのプリンタが認識するネイティブプリンタフォーマットでのレポートファイルの作成、及びレポートファイルのプリンタへの送信を行う。好ましい実施形態に対して、プリンタへのレポートの物理的移動はUSBを介し、モニタはUSBホスト能力を有する。好ましくは、モニタはUSB OTG(USB機器間直接接続)能力を有し、よってモニタは、例えばUSBホストによるその充電が可能になるであろうUSBデバイスとしてはたらくことができ、あるいは、例えばモニタがプリンタに直接に接続されてレポートを印刷することができるように、USBホストとしてはたらくことができる。生成されるレポートファイルのフォーマットは、ほとんどのプリンタで認識されるPDL(ページ記述言語)であろう。プリンタに送信されるデータパケットのフォーマットはPCP(プリンタ制御プロトコル)、例えば、PJL,WPSまたはIEEE1284.1である。プリンタがPDLファイルを受け取ると、プリンタはレポートを印刷するであろう。プロトコルはモニタからプリンタへの単方向性とすることができ、あるいはモニタがプリンタステータス情報を受け取り、プリンタステータスに作用できる、双方向性とすることができる。
【0093】
あるいは、プリンタへの接続は、ステップ401.1において、印刷されるべきデータが転送されるコンピュータを介して行うことができる。専用プリンタ管理プログラムをクライアントコンポーネントにインストールする必要無しにクライアントコンポーネントに動作可能な態様で接続されたプリンタにモニタリングデバイスからデータの印刷を指示するために、標準的なコンピュータオペレーティングシステムのプリンタ制御能力を用いることができる。この目的のため、代わりに、モニタリングデバイスによる着脱可能なメモリデバイス、メモリカードまたはメモリドライブの模擬を可能にするプログラムをモニタリングデバイスにインストールすることができる。着脱可能メモリデバイスがコンピュータに装着されると、モニタリングデバイス上の自動実行プログラムが開始され、クライアントコンポーネントのオペレーティングシステムのプリント機能が起動される。
【0094】
また別の実施形態において、プリンタへの接続は、ステップ401.2において、印刷されるべきデータが転送されている着脱可能メモリデバイスによってなされる。この実施形態において、検体モニタリングデバイス150は、データをそれにダウンロードするための、着脱可能なメモリデバイス、メモリカードまたはメモリドライブ152の装着のためのポートを有し(図6を見よ)、着脱可能なメモリデバイス、メモリカードまたはメモリドライブ152はクライアントコンポーネントのオペレーティングシステムの印刷機能またはインストールされたプログラムを用いる着脱可能メモリデバイスからのデータの印刷のため、互換クライアントコンポーネント110(コンピュータまたはプリンタ)に挿入される。
【0095】
本明細書で用いられるように、「送信」は有線または無線のいずれの通信フォーマットも包含することができる。「メモリ」は単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスを包含することができる。
【0096】
本発明が、上記説明で述べられたかまたは図面に示された、コンポーネントの構成及び配置の詳細への適用に限定されないことは当然である。本発明には他の実施形態が可能であり、本発明は様々な態様で実施するかまたは実行することができる。また、本明細書に用いられる語句は説明の目的のためであり、限定と見なされるべきではないことも当然である。本明細書における「含む」、「備える」または「有する」及びこれらの異形の使用は、それらの後に挙げられる細目及びそのような細目の等価物の包含を意味し、またさらなる細目の包含も意味する。別途に指定または限定されない限り、「載せられる」、「接続される」、「支持される」及び「結合される」またはこれらの異形は広い意味で用いられ、電気的であるかまたは機械的であるかに関わらず、直接的または間接的のいずれの、搭載、接続、支持及び結合も包含する。さらに、「接続される」及び「結合される」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されない。
【0097】
本発明のシステム及び方法を特定の実施形態と現在見なされる実施形態に関して説明したが、本発明のシステム及び方法が開示された実施形態に限定される必要はない。本発明は特許請求される本発明の精神及び範囲内に含まれる様々な改変及び類似の構成を包含するとされ、本発明の範囲は、そのような改変及び類似の構造の全てを包含するように、最も広く解されることが認められるべきである。本開示は添付される特許請求の範囲のいずれか及び全ての実施形態を含む。
【符号の説明】
【0098】
18,50,60,80 データ管理システム
20 患者
22,52,66,82 携帯型デバイス
24 リモートサーバ
26 メモリ
30 医療従事者(HCP)
32 ローカルパーソナルコンピュータ(PC)
34,68 ディスプレイ
36 キーボード
38 診療室
40 市販(OTS)プリンタ
42 レポート
54 無線アダプタ
62,64 ドッキングステーション
68 ディスプレイ
70 キー
170,200 クレードル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医学データを管理するためのシステムにおいて、
医学データを受け取るように構成された入力、
医学データを格納するように構成されたメモリであって、それぞれが既定の対応フォーマットを有する、複数の選択可能な既定の医学データレポートを有するメモリ、
格納された医学データ及びレポートを印刷のためにリモートデバイスに送信するように構成された出力、
ユーザがそれを用いて選択を行うユーザインターフェース、及び
前記入力において医学データを受け取り、前記受け取られた医学データを前記メモリに格納するようにプログラムされたプロセッサであって、さらに、前記ユーザインターフェースから既定の医学データレポートの選択を受け取り、前記選択されたレポートに該当する医学データを前記メモリから取り出し、仕上げられた医学レポートを得るために前記取り出された医学データを処理し、まとめて、前記既定の対応レポートフォーマットにして、前記仕上げられた医学レポートをプリンタへの送信のために前記出力に与えるようにプログラムされたプロセッサ、
を備える携帯型データ管理デバイス、
を有することを特徴とする医学データ管理のためのシステム。
【請求項2】
前記入力が生物学的パラメータセンサから医学データを受け取るように適合され、
前記生物学的パラメータセンサが、
前記生物学的パラメータセンサが前記携帯型データ管理デバイスに組み込まれている、及び
前記生物学的パラメータセンサが前記携帯型データ管理デバイスから分離しているが、前記携帯型データ管理デバイスに接続されている、
の内の少なくとも一方の態様で前記携帯型データ管理デバイスに付帯することを特徴とする請求項1に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項3】
前記メモリが複数の選択可能なプリンタドライバをさらに有し、
前記プロセッサがさらに、前記ユーザインターフェースからプリンタドライバの選択を受け取り、前記メモリから前記選択されたプリンタドライバを取り出し、前記仕上げられたレポート及び前記取り出されたプリンタドライバのいずれをも前記出力に与えるようにプログラムされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項4】
前記メモリがプリンタ名を対応するプリンタドライバと相互に関係付けるテーブルをさらに有し、
前記ユーザインターフェースが選択され得るプリンタのリストを含み、
前記プロセッサがさらに、前記ユーザインターフェースからプリンタ名の選択を受け取り、前記メモリ内の前記プリンタ名テーブルにアクセスし、前記選択された名前のプリンタに対応する前記プリンタドライバを取り出し、前記仕上げられたレポート及び前記取り出されたプリンタドライバのいずれをも前記出力に与えるようにプログラムされる、
ことを特徴とする請求項3に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項5】
前記携帯型デバイスの前記出力が他のデバイスと無線態様で通信するように構成された無線通信出力を含み、
前記プロセッサが前記仕上げられた医学レポートを前記無線出力に与える、
ことを特徴とする請求項1に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項6】
前記無線出力が前記仕上げられた医学レポートを印刷のために他のデバイスに、赤外線、ブルートゥース、WiFi及びセル式電話の内の少なくとも1つの方式で送信するように構成されることを特徴とする請求項5に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項7】
前記メモリが複数の選択可能なプリンタドライバをさらに有し、
前記プロセッサがさらに、前記ユーザインターフェースからプリンタドライバの選択を受け取り、前記メモリから前記選択されたプリンタドライバを取り出し、前記仕上げられたレポート及び前記選択されたプリンタドライバを前記無線出力に与えるようにプログラムされる、
ことを特徴とする請求項5に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項8】
前記携帯型データ管理デバイスが、医学データ及び仕上げられた医学データレポート及びプリンタドライバを格納するように構成された、可搬の、着脱可能な読出/書込不揮発性メモリデバイスをさらに備え、
前記プロセッサがさらに、前記読出/書込メモリデバイスに前記仕上げられた医学レポート及び取り出された前記プリンタドライバの内の少なくとも1つを書き込むようにプログラムされ、
前記可搬の、着脱可能なメモリデバイスが、前記携帯型データ管理デバイスから取り外されて、前記選択されたレポートを印刷するために別のデバイスによって用いられ得る、
ことを特徴とする請求項1に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項9】
前記携帯型データ管理デバイスを受入れ、動作可能な態様で前記携帯型管理デバイスに接続するように構成されたドッキングステーション、
をさらに備え、前記ドッキングステーションが、
医学データを受け取るように構成されたドッキングステーション入力、
それぞれが既定の対応フォーマットを有する複数の選択可能な既定の医学データレポートを有するドッキングステーションメモリ、
格納された医学データ及びレポートを送信するように構成されたドッキングステーション出力、
ユーザがそれを用いて選択を行うドッキングステーションユーザインターフェース、及び
前記入力において前記携帯型データ管理デバイスから医学データを受け取り、前記受け取られた医学データを前記ドッキングステーションメモリに格納するようにプログラムされたドッキングステーションプロセッサであって、前記ドッキングステーションユーザインターフェースから既定の医学データレポートの選択を受け取り、前記選択されたレポートに該当する医学データを前記ドッキングステーションメモリから取り出し、仕上げられた医学レポートを得るために前記取り出された医学データを処理し、まとめて、対応する既定のレポートフォーマットにし、前記仕上げられた医学レポートを前記ドッキングステーション出力に与えるようにプログラムされたドッキングステーションプロセッサ、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項10】
前記ドッキングステーションメモリが複数の選択可能なプリンタドライバをさらに有し、
前記ドッキングステーションプロセッサがさらに、前記ドッキングステーションユーザインターフェースからプリンタドライバの選択を受け取り、前記ドッキングステーションメモリから前記選択されたプリンタドライバを取り出し、前記仕上げられたレポート及び前記取り出されたプリンタドライバのいずれをも前記ドッキングステーション出力に与えるようにプログラムされる、
ことを特徴とする請求項9に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項11】
前記ドッキングステーションメモリがプリンタ名を対応するプリンタドライバと相互に関係付けるテーブルをさらに有し、
前記ドッキングステーションユーザインターフェースが選択され得るプリンタのリストを含み、
前記ドッキングステーションプロセッサがさらに、前記ドッキングステーションユーザインターフェースからプリンタ名の選択を受け取り、前記メモリ内の前記プリンタ名テーブルにアクセスし、前記選択された名前のプリンタに対応する前記プリンタドライバを取り出し、前記仕上げられたレポート及び前記取り出されたプリンタドライバのいずれをも前記ドッキングステーション出力に与えるようにプログラムされる、
ことを特徴とする請求項10に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項12】
前記ドッキングステーション出力が他のデバイスと無線態様で通信するように構成されたドッキングステーション無線通信出力を含み、
前記ドッキングステーションプロセッサが前記仕上げられた医学レポートを前記ドッキングステーション無線出力に与える、
ことを特徴とする請求項9に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項13】
前記ドッキングステーション無線出力が前記仕上げられた医学レポートを印刷のために他のデバイスに、赤外線、ブルートゥース、WiFi及びセル式電話の内の少なくとも1つの方式で送信するように構成されることを特徴とする請求項12に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項14】
前記ドッキングステーションが、医学データ及び仕上げられた医学データレポート及びプリンタドライバを格納するように構成された、可搬の、着脱可能な読出/書込不揮発性メモリデバイスをさらに備え、
前記ドッキングステーションプロセッサがさらに、前記読出/書込メモリデバイスに前記仕上げられた医学レポート及び取り出された前記プリンタドライバを書き込むようにプログラムされ、
前記可搬の、着脱可能なメモリデバイスが、前記ドッキングステーションから取り外されて、前記選択されたレポートを印刷するために別のデバイスによって用いられ得る、
ことを特徴とする請求項9に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項15】
医学データを管理するためのシステムにおいて、前記システムが、
携帯型データ管理デバイス、及び
前記携帯型データ管理デバイスを受け入れ、動作可能な態様で前記携帯型データ管理デバイスと接続するように構成されたドッキングステーション、
を備え、
前記携帯型データ管理デバイスが、
生物医学的センサから医学データを受け取るように構成された入力、
医学データを格納するように構成されたメモリ、
格納された医学データを送信するように構成された出力、
ユーザがそれを用いて選択を行うユーザインターフェース、及び
前記入力において医学データを受け取り、前記受け取られた医学データを前記メモリに格納するようにプログラムされ、さらに、データに対するリクエストを受け取り、前記リクエストされたデータを前記メモリから取り出し、前記携帯型データ管理デバイスからの送信のために前記取り出されたデータを前記出力に与えるようにプログラムされたプロセッサ、
を備え、
前記ドッキングステーションが、
前記携帯型デバイスから医学データを受け取るように構成されたドッキングステーション入力、
それぞれが既定の対応フォーマットを有する複数の選択可能な既定の医学データレポートを有するドッキングステーションメモリ、
格納された医学データ及びレポートを送信するように構成されたドッキングステーション出力、
ユーザがそれを用いて選択を行うドッキングステーションユーザインターフェース、及び
前記入力において前記携帯型データ管理デバイスから医学データを受け取るようにプログラムされたドッキングステーションプロセッサであって、前記ドッキングステーションユーザインターフェースから既定の医学データレポートの選択を受け取り、前記選択されたレポートに該当する医学データを取り出し、仕上げられた医学レポートを得るために前記取り出された医学データを処理し、まとめて、対応する既定のレポートフォーマットにし、前記仕上げられた医学レポートを前記ドッキングステーション出力に与えるようにプログラムされたドッキングステーションプロセッサ、
を備えることを特徴とする医学データ管理のためのシステム。
【請求項16】
前記ドッキングステーションにある間に前記携帯型データ管理デバイスを充電するように構成された充電モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項17】
前記ドッキングステーションメモリが複数の選択可能なプリンタドライバをさらに有し、
前記ドッキングステーションプロセッサがさらに、前記ドッキングステーションユーザインターフェースからプリンタドライバの選択を受け取り、前記選択されたプリンタドライバを前記ドッキングステーションメモリから取り出し、前記仕上げられたレポート及び前記取り出されたプリンタドライバのいずれをも前記ドッキングステーション出力に与えるようにプログラムされる、
ことを特徴とする請求項15に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項18】
前記ドッキングステーション出力が他のデバイスと無線態様で通信するように構成されたドッキングステーション無線通信出力を含み、
前記ドッキングステーションプロセッサが前記仕上げられた医学レポートを前記ドッキングステーション無線出力に与える、
ことを特徴とする請求項15に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項19】
前記ドッキングステーション無線出力が前記仕上げられた医学レポートを印刷のために他のデバイスに、赤外線、ブルートゥース、WiFi及びセル式電話の内の少なくとも1つの方式で送信するように構成されることを特徴とする請求項18に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項20】
前記ドッキングステーションが、医学データ及び仕上げられた医学データレポート及びプリンタドライバを格納するように構成された、可搬の、着脱可能な読出/書込不揮発性メモリデバイスをさらに備え、
前記ドッキングステーションプロセッサがさらに、前記読出/書込メモリデバイスに前記仕上げられた医学レポート及び取り出された前記プリンタドライバの内の少なくとも1つを書き込むようにプログラムされ、
よって、前記可搬の、着脱可能なメモリデバイスが、前記ドッキングステーションから取り外されて、前記選択されたレポートを印刷するために別のデバイスによって用いられ得る、
ことを特徴とする請求項15に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項21】
医学データを管理するためのシステムにおいて、前記システムが、
携帯型データ管理デバイス、及び
前記携帯型データ管理デバイスと動作可能な態様で接続するように構成された中継デバイス、
を備え、
前記携帯型データ管理デバイスが、
生物医学的センサから医学データを受け取るように構成された入力、
医学データを格納するように構成されたメモリ、
格納された医学データを送信するように構成された出力、及び
前記入力において医学データを受け取り、前記受け取られた医学データを前記メモリに格納するようにプログラムされ、さらに、データに対するリクエストを受け取り、前記リクエストされたデータを前記メモリから取り出し、前記取り出されたデータを前記出力に与えるようにプログラムされたプロセッサ、
を備え、
前記中継デバイスが、
前記携帯型デバイスから医学データを受け取るように構成された中継デバイス入力、
医学データを格納するように構成された中継デバイスメモリ、
格納された医学データをリモートサーバに送信するように構成された中継デバイス出力、
ユーザがそれを用いて選択を行う中継デバイスユーザインターフェース、及び
リモートサーバとの接続を自動的に確立し、医学データを自動的に取り出し、前記取り出された医学データをプログラムされた時刻にバッチ形式で前記リモートサーバに自動送信するようにプログラムされた中継デバイスプロセッサ、
を備え、それによって、
前記携帯型デバイスからリモートサーバへの医学データの前記バッチ送信がデータ送信に対する費用が低くなる時刻に実施され得る、
ことを特徴とする医学データ管理のためのシステム。
【請求項22】
前記中継デバイスが前記携帯型デバイスに組み込まれることを特徴とする請求項21に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項23】
前記中継デバイスが前記携帯型データ管理デバイスを受け入れるように構成されたドッキングステーションを含むことを特徴とする請求項21に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項24】
前記ドッキングステーションにある間に前記携帯型データ管理デバイスを充電するように構成された充電モジュールを前記ドッキングステーションが備えることを特徴とする請求項23に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項25】
医学データを管理するためのシステムにおいて、前記システムが、
携帯型データ管理デバイス、
を備え、前記携帯型データ管理デバイスが、
生物医学的センサから医学データを受け取るように構成された入力、
医学データを格納するように構成されたメモリ、
格納された医学データを送信するように構成された出力、及び
前記入力において医学データを受け取り、前記受け取られた医学データを前記メモリに格納するようにプログラムされ、さらに、リモートサーバとの接続を自動的に確立し、医学データを前記メモリから自動的に取り出し、前記取り出された医学データをプログラムされた時刻にバッチ形式で前記リモートサーバに自動送信するようにプログラムされたプロセッサ、
を備え、それによって、
前記携帯型デバイスからリモートサーバへの医学データの前記バッチ送信がデータ送信に対する費用が低くなる時刻に実施され得る、
ことを特徴とする医学データ管理のためのシステム。
【請求項26】
前記リモートサーバへのバッチ形式でのデータの自動アップロードに対する前記プログラムされた時刻がデータ転送プロバイダの利用に対する費用が低くなる時刻であるように選ばれることを特徴とする請求項25に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項27】
コンピュータを用いずに検体モニタリングデバイスからデータレポートを印刷するための方法において、前記方法が、
検体モニタリングデバイスのメモリとプリンタの間の電子データ通信を確立するステップであって、前記メモリは前記検体モニタリングデバイスから取り出された格納データを有し、さらに、格納されたコンピュータ読取可能命令を有するものであるステップ、
及び
前記格納されたコンピュータ読取可能命令を実行し、よって前記データを前記メモリとデータ通信している前記プリンタに送信させ、前記プリンタに印刷させるステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記検体モニタリングデバイスが、前記検体モニタリングデバイスに格納されたデータに基づいてレポートを生成し、前記プリンタへの送信のためにネイティブプリンタフォーマットのレポートファイルで前記レポートを格納することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
医学データを管理するためのシステムにおいて、
生物医学的センサから医学データを受け取るように構成された入力、
医学データを格納するように構成されたメモリ、
格納された医学データを送信するように構成された出力、
ユーザがそれを用いて選択を行うユーザインターフェース、及び
前記入力において医学データを受け取り、前記受け取られた医学データを前記メモリに格納するようにプログラムされ、さらに、あらかじめ設定された時刻または時間帯に前記医学データのアップロードを自動的に開始するようにプログラムされたプロセッサ、
を備える携帯型データ管理システム、
を有することを特徴とする医学データ管理のためのシステム。
【請求項30】
前記プロセッサが無線ウエッブルータ及びインターネットアクセスポイントを介して前記医学データをウエッブサーバにアップロードするようにプログラムされることを特徴とする請求項29に記載の医学データ管理のためのシステム。
【請求項31】
前記プロセッサが電話通信ネットワークを介して前記医学データをリモートサーバにアップロードするようにプログラムされることを特徴とする請求項29に記載の医学データ管理のためのシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−511780(P2013−511780A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540113(P2012−540113)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/057516
【国際公開番号】WO2011/063294
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(500211047)アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT DIABETES CARE INC.
【Fターム(参考)】