検体ラックの搬送装置及び検体処理システム
【課題】検体ラックの搬送長さを変更することができ、検体処理装置の設置レイアウトの自由度や汎用性を高めることができる検体ラックの搬送装置を提供する。
【解決手段】本発明の搬送装置14は、検体ラック15を搬送する搬送ベルト35と、この搬送ベルトを回送可能に、かつ検体ラックの搬送長さLを伸縮可能に支持する支持機構とを備える。支持機構は、搬送ベルトが巻き掛けられる複数のプーリ56,57と、この複数のプーリを回転自在に支持する支持フレーム34とを有し、複数のプーリは、検体ラックの搬送領域の両端位置において搬送ベルトが巻き掛けられる一対の主プーリ56と、その他の副プーリ57とを含み、一対の主プーリを、互いの間隔を拡縮可能に支持フレームに支持し、少なくとも1つの副プーリ57bを、一対の主プーリの間隔の拡縮に応じて搬送ベルトの巻き掛け位置を調整可能に支持フレームに支持することができる。
【解決手段】本発明の搬送装置14は、検体ラック15を搬送する搬送ベルト35と、この搬送ベルトを回送可能に、かつ検体ラックの搬送長さLを伸縮可能に支持する支持機構とを備える。支持機構は、搬送ベルトが巻き掛けられる複数のプーリ56,57と、この複数のプーリを回転自在に支持する支持フレーム34とを有し、複数のプーリは、検体ラックの搬送領域の両端位置において搬送ベルトが巻き掛けられる一対の主プーリ56と、その他の副プーリ57とを含み、一対の主プーリを、互いの間隔を拡縮可能に支持フレームに支持し、少なくとも1つの副プーリ57bを、一対の主プーリの間隔の拡縮に応じて搬送ベルトの巻き掛け位置を調整可能に支持フレームに支持することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送するための搬送装置、及びこの搬送装置を備えた検体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や検査センターにおいては、血液や尿等の検体の様々な性状を測定する検体分析装置や、検体の標本を作製する標本作製装置(以下、これらを総称して「検体処理装置」ともいう)が使用されている。この検体処理装置には、通常、検体容器を保持する検体ラックを搬送するための搬送装置が付設され、この搬送装置によって所望の検体容器が検体処理装置の検体採取位置に位置づけられ、当該検体容器内の検体が検体処理装置によって採取される。
【0003】
また、比較的規模の大きい施設では、複数台の検体処理装置を左右方向に並べて設置するとともに、1つの検体ラックをいずれの検体処理装置にも搬送可能とするべく複数台の検体処理装置にわたる搬送ラインを1又は複数台の搬送装置によって形成した検体処理システムを組む場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−28588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように複数台の検体処理装置を並べて設置する場合、室内の設置スペースの制約から複数台の検体処理装置を所定の間隔で配置することができないことがある。例えば、設置スペースに建物の柱等の障害物が配置されている場合には、その柱の分だけ検体処理装置の間隔を広くあける必要があり、搬送ラインも長くする必要がある。
しかし、搬送ラインを形成する従来の搬送装置は搬送長さ(最大搬送距離)が一定であるので、同じ検体処理システムであっても、施設によって障害物の存在等により搬送ラインの長さが異なると、同じ搬送装置をそのまま適用することができず、施設に応じた搬送装置を設計・製造しなければならない。また、検体処理システムの設置場所を変更する場合等にも、検体処理装置の間隔を変えることはできないので、設置レイアウトの自由度が低くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑み、搬送ラインの長さの変更にも対応可能であり、検体搬送装置の汎用性や検体処理装置の設置レイアウトの自由度を高めることができる検体ラックの搬送装置及び検体処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検体ラックの搬送装置は、検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するための搬送装置であって、前記検体ラックを搬送する無端状の搬送部材と、この搬送部材を回送可能に、かつ当該搬送部材による前記検体ラックの搬送長さを伸縮可能に支持する支持機構とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば複数の検体処理装置を並べて配置する場合に、当該検体処理装置の間隔等に応じて搬送装置における検体ラックの搬送長さを伸縮することができる。したがって、搬送装置の汎用性や検体処理装置の設置レイアウトの自由度を高めることができる。
【0008】
前記支持機構は、前記搬送部材が巻き掛けられる複数の輪体と、この複数の輪体を回転自在に支持する支持フレームとを有し、前記複数の輪体が、前記検体ラックの搬送領域の両端位置において前記搬送部材が巻き掛けられる一対の主輪体と、その他の副輪体とを含み、前記一対の主輪体が、互いの間隔を拡縮可能に前記支持フレームに支持され、少なくとも1つの前記副輪体が、前記一対の主輪体の間隔の拡縮に応じて前記搬送部材の巻き掛け位置を調整可能に前記支持フレームに支持された調整用副輪体とされていてもよい。
この構成によれば、一対の主輪体の間隔を拡縮することにより、この一対の主輪体に巻き掛けられた搬送部材による検体ラックの搬送長さを伸縮し、かつ主輪体及び副輪体に対して適切に搬送部材を巻き掛けることができる。
【0009】
前記支持フレームは、固定フレームと、この固定フレームに対して前記検体ラックの搬送方向に移動可能に設けられた可動フレームとを有し、一方の主輪体が固定フレームに支持され、他方の主輪体が可動フレームに支持されていてもよい。
この構成によれば、固定フレームに対して可動フレームを検体ラックの搬送方向に移動させることにより、一対の主輪体の間隔を拡縮することができ、これにより検体ラックの搬送長さを伸縮することができる。
【0010】
前記支持フレームは、固定フレームと、この固定フレームにおける前記検体ラックの搬送方向の両側において同搬送方向に移動可能に設けられた一対の可動フレームとを有し、前記各主輪体は、各可動フレームに支持されていてもよい。
この構成によれば、固定フレームに対して一対の可動フレームを検体ラックの搬送方向に移動させることで、一対の主輪体の間隔を拡縮することができ、これにより検体ラックの搬送長さを伸縮することができる。また、一対の可動フレームを移動させることで、搬送長さの伸縮量を大きくすることができるとともに、搬送方向のいずれにも搬送長さを伸縮することができるので、検体処理装置等の設置レイアウトの自由度をより高めることができる。
【0011】
前記固定フレーム及び前記可動フレームには、前記検体ラックの搬送を案内するガイド部が設けられていてもよい。この構成によって、固定フレームに対して可動フレームを移動させることによりガイド部も伸縮させることができる。
【0012】
前記調整用副輪体は、前記搬送方向に沿った水平方向に移動可能に前記支持フレームに支持されていてもよいし、前記搬送方向に垂直な上下方向に移動可能に前記支持フレームに支持されていてもよい。
前者の場合、支持フレームの高さに制限があっても支持フレームの搬送方向の幅の範囲内で調整用副輪体の調整範囲を大きくすることが可能であり、逆に、後者の場合、支持フレームの搬送方向の幅に制限があっても支持フレームの高さの範囲内で調整用副輪体の調整範囲を大きくすることが可能である。
【0013】
前記調整用副輪体は、複数備えられていてもよい。この場合、各調整用副輪体の調整範囲は小さくても、全体としての調整範囲を大きくすることができ、搬送長さの伸縮量を大きくすることができる。
【0014】
前記支持フレームは、隣接して配置される他の検体ラックの搬送装置に対する連結部を備えていてもよい。
この構成によれば、本発明の搬送装置が、他の搬送装置に隣接して配置される場合には、連結部を介して連結し、1つの搬送ラインを形成することができる。
【0015】
本発明の検体処理システムは、検体を処理する複数の検体処理装置と、前記各検体処理装置に対応して設けられるとともに、当該各処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する複数の搬送装置と、複数の搬送装置の間に配置されて前記検体ラックを中継して搬送する、上述の本発明の搬送装置と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、中継用の搬送装置の搬送長さを伸縮することによって、各検体処理装置に対応して設けられた複数の搬送装置の間隔に対応することができ、これら搬送装置を適切に接続して複数の検体処理装置にわたる連続した搬送ラインを形成することができる。
【0016】
また、他の観点に係る本発明の検体処理システムは、検体を処理する検体処理装置と、この処理装置に対応して設けられるとともに、当該処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する上述の搬送装置と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば、本発明に係る検体処理装置と、他の検体処理装置とを並べて設置する場合に、本発明に係る搬送装置の搬送長さを伸縮することによって、他の検体処理装置に対応して設けられた他の搬送装置との間隔に対応することができ、これらの搬送装置を適切に接続して複数の検体処理装置にわたる連続した搬送ラインを形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の検体ラックの搬送装置及び検体処理システムによれば、搬送ラインの長さの変更にも対応可能であり、搬送装置の汎用性や検体処理装置の設置レイアウトの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る検体処理システムの全体構成を示す平面説明図である。
【図2】中継搬送装置を示す斜視図である。
【図3】中継搬送装置の機構部分を示す正面説明図である。
【図4】図2のIV矢示図である。
【図5】図4のV−V矢示図である。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図3のVII−VII矢視部に相当する断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】中継搬送装置における搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る中継搬送装置の搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る中継搬送装置の搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る中継搬送装置の搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る検体処理システムに使用される検体ラックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔検体処理システムの全体構成〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検体処理システム10の全体構成を示す概略平面図である。この検体処理システム10は、複数の検体処理装置11と、各検体処理装置11に対応して配置された複数の主搬送装置12と、複数の主搬送装置12を接続する副搬送装置13及び中継搬送装置14と、複数の検体ラック15をセットして検体処理装置11側へ送り出す検体ラック供給装置16と、処理済みの検体ラック15を回収する検体ラック回収装置17と、を備えて構成されている。
なお、検体ラック15は、図13に示すように、試験管等の検体容器18を立てた状態で保持可能な複数の保持部15aを左右方向に並べて備えており、各検体容器18内には血液や尿等の検体を収容可能とされている。
【0020】
図1に示すように、検体処理装置11は、検体に対して所定の処理を施す装置、例えば、検体としての血液の赤血球数やヘモグロビン濃度などの所定の項目を測定する血液分析装置や、スライドガラス上に血液を塗抹し、標本を作製する塗抹標本作製装置等とされている。本実施形態では、同種類又は異種類の3台の検体処理装置11が左右方向に並べて配置されている。
【0021】
図1に示すように、検体ラック供給装置16は、複数の検体ラック15を前後方向に並べて載置可能であるとともに、載置された検体ラック15を矢印a方向および矢印b方向に搬送して、隣接する副搬送装置13に送り出すように構成されている。
検体ラック回収装置17は、複数の検体ラック15を前後方向に並べて載置可能であるとともに、各検体処理装置11において処理済みの検体ラック15を隣接する副搬送装置13から受け取り、受け取った検体ラック15を矢印c方向に搬送することによって検体ラック15を回収するように構成されている。
【0022】
主搬送装置12、副搬送装置13、及び中継搬送装置14は、検体ラック供給装置16と検体ラック回収装置17との間で検体ラック15を左右方向(図1の右側から左側への一方向)に搬送し、その搬送過程で各検体処理装置11における検体採取位置に検体容器18を位置づけるために用いられる。
特に、本実施形態では、各検体処理装置11の検体採取位置に検体ラック15を搬送する検体供給ライン22と、検体処理装置11を通過させる検体通過ライン23との2つの搬送ラインを形成するように各搬送装置12〜14が設置されている。検体供給ライン22及び検体通過ライン23はいずれも左右方向に延び、検体通過ライン23は検体処理装置11に近い側、検体通過ライン23は検体処理装置11から離れた側にそれぞれ設けられている。
【0023】
主搬送装置12は、各検体処理装置11に対応してその前側に付設されており、検体供給ライン22を形成する検体供給搬送部25と、検体通過ライン23を形成する検体通過搬送部26との2つの搬送部を前後に並べて備えている。そして、検体供給搬送部25は、検体ラック15を左右方向に搬送することによって検体処理装置11の検体採取位置に検体容器18を位置づけ、検体通過搬送部26は、検体採取位置に検体ラック15を位置づけることなく左右方向に検体ラック15を搬送する。
【0024】
中継搬送装置14は、主搬送装置12と同様に、検体供給ライン22を形成する検体供給搬送部28と、検体通過ライン23を形成する検体通過搬送部29との2つの搬送部を前後に並べて備えている。この中継搬送装置14は、主として主搬送装置12と副搬送装置13との間に形成された間隔を埋める目的で設けられており、その詳細な構成については後述する。
【0025】
副搬送装置13は、検体ラック供給装置16、主搬送装置12、中継搬送装置14、及び検体ラック回収装置17の各間にそれぞれ配置されており、1つの切換搬送部31を備えている。この切換搬送部31は、検体ラック15を左右方向に搬送可能であるとともに、自身が前後方向(矢印d方向)に移動可能であり、検体ラック15の搬送経路を検体供給ライン22と検体通過ライン23との間で切り替える機能を有している。
【0026】
そして、図1において、最も右端に配置された副搬送装置13は、検体ラック供給装置16から矢印b方向に搬送された検体ラック15を切換搬送部31によって受け取り、さらに、切換搬送部31を前後に移動させることによって、左側に隣接する主搬送装置12のいずれかの搬送部25,26に検体ラック15を受け渡す。また、最も左端に配置された副搬送装置13は、右側に隣接する主搬送装置12のいずれかの搬送部25,26から検体ラック15を切換搬送部31によって受け取り、さらに切換搬送部31を前後に移動させて、検体ラック回収装置17に検体ラック15を受け渡す。また、その他の副搬送装置13は、それぞれ右側に隣接する主搬送装置12のいずれかの搬送部25,26から切換搬送部31によって検体ラック15を受け取り、さらに切換搬送部31を前後に移動させて、左側に隣接する主搬送装置12又は中継搬送装置14のいずれかの搬送部25,26,28,29に検体ラック15を受け渡すように構成されている。
【0027】
〔中継搬送装置の構成〕
前述のように本実施形態の中継搬送装置14は、主搬送装置12と副搬送装置13との間に配置されており、例えば、図1に示すように、隣り合う検体処理装置11の間に柱等の障害物33があることによって、主搬送装置12と副搬送装置13との間隔を広くあけなければならない場合等に用いられる。そして、本実施形態の中継搬送装置14は、主搬送装置12と副搬送装置13との間隔に応じて搬送長さ(最大搬送距離)Lを調整(伸縮)することが可能とされている。
【0028】
図2は中継搬送装置14を示す斜視図、図3は中継搬送装置14の機構部分を示す正面説明図、図4は図2のIV矢示図である。
本実施形態では、前述の検体供給搬送部28と、検体通過搬送部29とを形成するように2台の中継搬送装置14が前後に並べて設けられている。いずれの中継搬送装置14もその主要な構成は同一であるが、前後方向に関して互いに勝手反対の構造とされている。以下、前側に配置された中継搬送装置14を中心に詳細に説明する。
【0029】
図2及び図3に示すように中継搬送装置14は、支持フレーム34と、この支持フレーム34に回転自在に支持された複数のプーリ(輪体)56,57と、このプーリに巻き掛けられた無端状の搬送ベルト(搬送部材)35と、搬送ベルト35を回送駆動する駆動モータ36と、を備えている。
【0030】
支持フレーム34は、固定フレーム38と、この固定フレーム38に対して左右方向に移動可能(位置調整可能)に設けられた可動フレーム39とを備え、固定フレーム38は、架台40上に固定されている。
図4に示すように、固定フレーム38は、前後に対向して配置された一対のフレーム板41と、この一対のフレーム板41の上部を接続する固定ガイド板(ガイド部)42とを備えている。フレーム板41の下端及び上端は前後外側に屈曲されており、下端の屈曲部41aが架台40上に固定され、上端の屈曲部41bには固定ガイド板42が固定されている。前後のフレーム板41の間には、複数のプーリ56,57と搬送ベルト35とが配置されている。
【0031】
固定ガイド板42は、前後両端部がフレーム板41の屈曲部41b上に固定されており、前後中央部が下方へコの字状に凹む凹部42aとされ、当該凹部42aは前後のフレーム板41,41間に配置されている。そして、凹部42a内に検体ラック15を入り込ませることによって、当該検体ラック15が前後に傾かないようにガイドされる。
【0032】
図2及び図3に示すように、可動フレーム39は、固定フレーム38の上部左側に設けられている。
図7は図3のVII−VII矢視部に相当する断面図、図8は、図7のVIII−VIII矢視断面図である。可動フレーム39は、可動ガイド板(ガイド部)45と、ベルトカバー46とを備えている。可動ガイド板45は、その前後両端部が固定ガイド板42の前後両端部の上面に重ね合わされ、前後中途部が下方へコの字状に凹む凹部45aとされ、固定ガイド板42の凹部42aの内側に重ね合わされている。そして、可動ガイド板45は、固定ガイド板42に沿って左右方向にスライド可能とされ、固定部48によって所望のスライド位置で固定される。
【0033】
固定部48は、押さえ板50と、取付ネジ51とを備えている。押さえ板50は、可動ガイド板45の前後両側の上面に沿うように配置された帯板材からなり、取付ネジ51は、押さえ板50の左右両端部において押さえ板50及び可動ガイド板45を貫通し、固定ガイド板42の前後両端部及びフレーム板41の屈曲部41bに螺合されている。可動ガイド板45における取付ネジ51の貫通孔は、左右方向に長いスリット孔52とされており、取付ネジ51を緩めることによって可動ガイド板45をスリット孔52の範囲で左右方向に移動させることができ、取付ネジ51を締め付けることによって所望のスライド位置で可動ガイド板45を押さえ板50と固定ガイド板42との間で挟持し、固定することができる。
【0034】
図3及び図7に示すように、ベルトカバー46は、可動ガイド板45の下方において左右方向に延び、可動ガイド板45とともに左右方向にスライド可能であり、可動ガイド板45の左端部に支持されたプーリ(主プーリ)56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の下部側を前後方向及び下方向から覆っている。そして、ベルトカバー46は、図3に示すように、固定フレーム38に対して可動フレーム39を左方向にスライドさせたときに搬送ベルト35が外部に露出するのを防止し、周囲の物が搬送ベルト35に接触するのを防いでいる。
【0035】
図2〜図4に示すように、固定フレーム38の右端、及び可動フレーム39の左端には、隣接して配置される他の搬送装置に対する連結部53が設けられている。この連結部53は、板面が左右方向に向けられた板材からなり、連結ボルト等を挿通するための挿通孔54が左右方向に貫通して形成されている。
そして、この連結部53の板面を他の搬送装置に設けられた連結部に当接させ、連結ボルトやナット等を用いて他の搬送装置の連結部に連結することによって、中継搬送装置14と他の搬送装置とを接続し、両搬送装置にわたって検体ラック15を搬送することができる。
【0036】
図3に示すように、プーリ56,57は、左右方向に間隔をあけて配置された一対の主プーリ56a,56bと、その他の副プーリ57a,57bとからなり、一対の主プーリ56a,56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の上部側が検体ラック15を搬送する。したがって、一対の主プーリ56a,56bは、中継搬送装置14における搬送領域の両端位置に配置される。また、これら主プーリ56a,56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の長さ(搬送領域の長さ)が搬送長さLとなる。また、一対の主プーリ56a,56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の上部側は実質的な搬送路58とされ、図7に示すように固定ガイド板42及び可動ガイド板45の凹部42a、45aの底面上に配置されている。
【0037】
図3において、左右一方(右側)の主プーリ56a及び全ての副プーリ57a,57bは固定フレーム38に回転自在に支持され、左右他方(左側)の主プーリ56bは、可動フレーム39の端部(左端部)に支持されている。また、一方の主プーリ56aは、固定フレーム38に取り付けられた駆動モータ36に伝動ベルト59を介して動力伝達可能に接続されている。
【0038】
一対の主プーリ56a,56bの間であって固定フレーム38の上部側には5個の副プーリ57aが左右方向に並べて配置され、固定フレーム38の下部側には4個の副プーリ57bが左右方向に並べて配置されており、これらの副プーリ57a,57bに対して搬送ベルト35がジグザグ状に巻き掛けられている。
上部側の5個の副プーリ57aは支持フレーム34に対して固定の固定副プーリ57aとされ、下部側の4個の副プーリ57bは支持フレーム34に対して上下方向に位置調整自在な調整用副プーリ57bとされている。
【0039】
図5は、図4のV−V矢示断面図、図6は、図5のVI−VI矢視断面図である。
調整用副プーリ57bは、軸部62と、この軸部62にベアリング63を介して回転自在に取り付けられたプーリ部64とを備えている。軸部62は、その両端部が一対のフレーム板41に形成された上下方向に長い調整スリット65に挿通されている。調整用副プーリ57bは、フレーム板41の調整スリット65に沿って上下方向に移動可能とされ、次に説明する調整部66によって上下方向の位置が調整される。なお、軸部62は、軸方向の一端部(前端部)に大径部67を備え、前側のフレーム板41に形成された調整スリット65は、この大径部67に応じて幅広に形成されている。
【0040】
調整部66は、調整板69、調整ノブ70、及び締め付けネジ71を備えている。調整板69は、前側のフレーム板41の前方に間隔をあけて取り付けられ、当該フレーム板41と同様に、上下方向に長いスリット72が形成されている。調整ノブ70は、L字形状に屈曲された板材から構成されている。締め付けネジ71は、調整ノブ70を前側から貫通するとともにスリット72に挿通され、その先端部が調整用副プーリ57bの軸部62の端面(大径部67の端面)に螺合されている。
【0041】
そして、締め付けネジ71を締め付けると、調整ノブ70と軸部62端面との間で調整板69が挟持され、調整用副プーリ57bを固定することができる。また、締め付けネジ71を緩めると、調整ノブ70と軸部62端面との間の調整板69の挟持が解かれ、調整ノブ70を手に持って上下に移動させることにより、調整用副プーリ57bを調整スリット65に沿って上下に位置調整することができる。
【0042】
図9は、中継搬送装置14における搬送長さLの調整(伸縮)の態様を概略的に示す説明図である。図9(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図9(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
すなわち、可動フレーム39を左右方向にスライドさせると、これに支持された他方の主プーリ56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔が拡縮され、これらに巻き掛けられた搬送ベルト35による搬送長さLが伸縮される。
【0043】
一方、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮すると、この間の搬送ベルト35の上部側(搬送路58)を除く他の部分についても長さが変化し、そのままでは副プーリ57a,57bに搬送ベルト35を巻き掛けることができなくなるが、本実施形態では、調整用副プーリ57bが上下方向に位置調整自在に設けられているので、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さの変化に応じて調整用副プーリ57bを上下に移動させることで搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整し、全ての副プーリ57a,57bに対して搬送ベルト35を適切に巻き掛け、搬送ベルト35にテンションを付与することが可能となっている。
【0044】
具体的に、図9(a)の例では、搬送長さLが最も短くされ、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さが最も長くなるので、調整用副プーリ57bは、固定副プーリ57aとの間隔が拡がるように、調整スリット65の下端位置に配置されている。図9(b)の例では、搬送長さLが最も長くされ、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さが最も短くなるので、調整用副プーリ57bは、固定副プーリ57との間隔が最も縮まるように、調整スリット65の上端位置に配置されている。
【0045】
以上のように、中継搬送装置14は、搬送長さLを伸縮可能であるので、図1に示すように、主搬送装置12と副搬送装置13の間隔に合わせて適切に中継搬送装置14の搬送長さLを設定することができる。したがって、本実施形態の中継装置14により検体処理装置11の設置レイアウトの自由度を高めることができる。また、主搬送装置12と副搬送装置13との間隔が異なる他の施設等に対しても同じ構造の中継搬送装置14を適用することが可能であり、当該中継搬送装置14の汎用性を高めることができる。
る。
【0046】
また、本実施形態では、複数個の調整用副プーリ57bが設けられているので、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さの大きな変化にも対応することができる。したがって、一対の主プーリ56a,56bの間隔の拡縮量、すなわち、搬送ベルト35による搬送長さLの伸縮量を大きくすることができる。
なお、中継搬送装置14の搬送長さLの伸縮により、必ずしも全ての調整用副プーリ57bを位置調整する必要はなく、その伸縮量に応じて例えば1又は2,3個の調整用副プーリ57bを位置調整してもよい。
【0047】
図4に示すように、本実施形態では、2つの中継搬送装置14が前後に並べて配置され、これらは前後方向に関して勝手反対に配置されている。そして、前側の中継搬送装置14の前面と後側の中継搬送装置14の後面にそれぞれ調整部66が配置されているので、前後の中継搬送装置14の間に手を挿入することなく調整用副プーリ57bの位置調整を行うことができ、調整の作業性を向上することができる。
【0048】
〔中継搬送装置の他の実施形態〕
図10は、本発明の第2の実施形態に係る中継搬送装置14の搬送長さLの調整の態様を示す説明図である。本実施形態では、合計6個の副プーリ57a,57bが設けられ、このうち最も右側に配置された上下2個の副プーリ57bが調整用副プーリ57bとされ、他の4個の副プーリ57aが固定副プーリ57aとされている。そして、調整用副プーリ57bは、搬送方向に沿った左右方向に位置調整自在に設けられている。
【0049】
図10(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図10(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
【0050】
また、図10(a)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の右端位置に配置され、図10(b)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の左端位置に配置されている。
従って、本実施形態においても、可動フレーム39を左右方向にスライドさせることにより、これに支持された他方の主プーリ56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮することができ、これによって搬送ベルト35による搬送長さLを伸縮することができる。そして、この搬送長さLの伸縮に応じて調整用副プーリ57bによる搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整することができる。
【0051】
また、本実施形態では、調整用副プーリ57bが左右方向に位置調整自在であるので、支持フレーム34の上下高さが低い場合等であっても調整用副プーリ57bの調整量を大きくすることができ、これによって搬送長さLの伸縮量を大きくすることができる。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る中継搬送装置14の搬送長さLの調整の態様を示す説明図である。
本実施形態では、合計5個の副プーリ57a,57bが設けられ、このうち最も下側に配置された2個の副プーリ57a,57bの一方が調整用副プーリ57bとされ、他の4個の副プーリ57aが固定副プーリ57aとされている。調整用副プーリ57bは、支持フレーム34の左右方向の幅の半分以上の広い範囲で左右方向に移動自在に設けられている。
【0053】
図11(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図11(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
【0054】
また、図11(a)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の左端位置に配置され、図11(b)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の右端位置に配置されている。
従って、本実施形態においても、可動フレーム39を左右方向にスライドさせることにより、これに支持された他方の主プーリ56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮することができ、これによって搬送ベルト35による搬送長さLを調整することができる。そして、この搬送長さLの調整に応じて調整用副プーリ57bによる搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整することができる。
【0055】
また、本実施形態においても、上記第2の実施形態と同様に、調整用副プーリ57bが左右方向に位置調整自在であるので、支持フレーム34の上下高さが低い場合であっても調整用副プーリ57bの調整量を大きくすることができ、これによって搬送長さLの伸縮量を大きくすることができる。
【0056】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る中継搬送装置14の搬送長さLの調整の態様を示す説明図である。
本実施形態では、支持フレーム34が、固定フレーム38と、この固定フレーム38の左右両側に設けられた2つの可動フレーム39とからなり、各可動フレーム39は、それぞれ固定フレーム38に対して左右方向にスライド可能に設けられている。また、一対の主プーリ56a,56bは、各可動フレーム39に支持されている。
【0057】
一方、副プーリ57a,57bは、合計10個設けられており、このうち、最下部に並設された3個の副プーリ57bが調整用副プーリ57bとされ、この調整用副プーリ57bは上下方向に位置調整自在に設けられている。他の7個の副プーリ57aは固定副プーリ57aとされ、このうちの1つには駆動モータ36が接続されて回転駆動されるようになっている。
【0058】
図12(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき左側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、右側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図12(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき左側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、右側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
【0059】
また、図12(a)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の下端位置に配置され、図12(b)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の上端位置に配置されている。
従って、本実施形態においても、可動フレーム39を左右方向にスライドさせることにより、これに支持された主プーリ56a,56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮することができ、これによって搬送ベルト35による搬送長さLを調整することができる。そして、この搬送長さLの調整に応じて調整用副プーリ57bによる搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整することができる。
【0060】
また、本実施形態では、2つの可動フレーム39がそれぞれ固定フレーム38に対してスライド可能であるので、搬送長さLの伸縮量をより大きく設定することが可能であり、また、一対の可動フレームを選択的にスライドさせることにより、左右いずれの方向にも搬送長さを伸縮できるので、検体処理装置や搬送装置の設置場所に応じた調整適応性を高め、検体処理装置の設置レイアウトの自由度をより高めることができる。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明の搬送装置を中継搬送装置14に適用した場合を説明したが、本発明の搬送装置を検体処理装置11に付設される主搬送装置12に適用し、この主搬送装置12の搬送長さを伸縮可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、プーリに巻き掛けられた搬送ベルト35自身によって搬送路58を形成しているが、例えば支持フレーム34のガイド板42,45によって検体ラック15の搬送路を形成し、搬送ベルト35には搬送路から突出する係合爪等を設けて検体ラック15に係合させ、この搬送ベルト35の回送により搬送路上で検体ラック15を搬送する構成としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、検体ラックの搬送ラインとして、同じ方向に検体ラックを搬送する検体供給ラインと検体通過ラインの2つの搬送ラインが形成されていたが、これに代えて、検体供給ラインと、その逆方向に検体ラックを搬送するリターンラインとの2つの搬送ラインを形成してもよい。
また、プーリと搬送ベルト35に代えて、スプロケット(輪体)とチェーン(搬送部材)により検体ラック15を搬送してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10: 検体処理システム
11: 検体処理装置
14: 中継搬送装置
15: 検体ラック
18: 検体容器
33: 障害物
34: 支持フレーム(支持機構)
35: 搬送ベルト(搬送部材)
38: 固定フレーム
39: 可動フレーム
42: 固定ガイド板(ガイド部)
45: 可動ガイド板(ガイド部)
56: 主プーリ(主輪体;支持機構)
57: 副プーリ(副輪体;支持機構)
57b: 調整用副プーリ
58: 搬送路
L: 搬送長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送するための搬送装置、及びこの搬送装置を備えた検体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や検査センターにおいては、血液や尿等の検体の様々な性状を測定する検体分析装置や、検体の標本を作製する標本作製装置(以下、これらを総称して「検体処理装置」ともいう)が使用されている。この検体処理装置には、通常、検体容器を保持する検体ラックを搬送するための搬送装置が付設され、この搬送装置によって所望の検体容器が検体処理装置の検体採取位置に位置づけられ、当該検体容器内の検体が検体処理装置によって採取される。
【0003】
また、比較的規模の大きい施設では、複数台の検体処理装置を左右方向に並べて設置するとともに、1つの検体ラックをいずれの検体処理装置にも搬送可能とするべく複数台の検体処理装置にわたる搬送ラインを1又は複数台の搬送装置によって形成した検体処理システムを組む場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−28588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように複数台の検体処理装置を並べて設置する場合、室内の設置スペースの制約から複数台の検体処理装置を所定の間隔で配置することができないことがある。例えば、設置スペースに建物の柱等の障害物が配置されている場合には、その柱の分だけ検体処理装置の間隔を広くあける必要があり、搬送ラインも長くする必要がある。
しかし、搬送ラインを形成する従来の搬送装置は搬送長さ(最大搬送距離)が一定であるので、同じ検体処理システムであっても、施設によって障害物の存在等により搬送ラインの長さが異なると、同じ搬送装置をそのまま適用することができず、施設に応じた搬送装置を設計・製造しなければならない。また、検体処理システムの設置場所を変更する場合等にも、検体処理装置の間隔を変えることはできないので、設置レイアウトの自由度が低くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑み、搬送ラインの長さの変更にも対応可能であり、検体搬送装置の汎用性や検体処理装置の設置レイアウトの自由度を高めることができる検体ラックの搬送装置及び検体処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検体ラックの搬送装置は、検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するための搬送装置であって、前記検体ラックを搬送する無端状の搬送部材と、この搬送部材を回送可能に、かつ当該搬送部材による前記検体ラックの搬送長さを伸縮可能に支持する支持機構とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば複数の検体処理装置を並べて配置する場合に、当該検体処理装置の間隔等に応じて搬送装置における検体ラックの搬送長さを伸縮することができる。したがって、搬送装置の汎用性や検体処理装置の設置レイアウトの自由度を高めることができる。
【0008】
前記支持機構は、前記搬送部材が巻き掛けられる複数の輪体と、この複数の輪体を回転自在に支持する支持フレームとを有し、前記複数の輪体が、前記検体ラックの搬送領域の両端位置において前記搬送部材が巻き掛けられる一対の主輪体と、その他の副輪体とを含み、前記一対の主輪体が、互いの間隔を拡縮可能に前記支持フレームに支持され、少なくとも1つの前記副輪体が、前記一対の主輪体の間隔の拡縮に応じて前記搬送部材の巻き掛け位置を調整可能に前記支持フレームに支持された調整用副輪体とされていてもよい。
この構成によれば、一対の主輪体の間隔を拡縮することにより、この一対の主輪体に巻き掛けられた搬送部材による検体ラックの搬送長さを伸縮し、かつ主輪体及び副輪体に対して適切に搬送部材を巻き掛けることができる。
【0009】
前記支持フレームは、固定フレームと、この固定フレームに対して前記検体ラックの搬送方向に移動可能に設けられた可動フレームとを有し、一方の主輪体が固定フレームに支持され、他方の主輪体が可動フレームに支持されていてもよい。
この構成によれば、固定フレームに対して可動フレームを検体ラックの搬送方向に移動させることにより、一対の主輪体の間隔を拡縮することができ、これにより検体ラックの搬送長さを伸縮することができる。
【0010】
前記支持フレームは、固定フレームと、この固定フレームにおける前記検体ラックの搬送方向の両側において同搬送方向に移動可能に設けられた一対の可動フレームとを有し、前記各主輪体は、各可動フレームに支持されていてもよい。
この構成によれば、固定フレームに対して一対の可動フレームを検体ラックの搬送方向に移動させることで、一対の主輪体の間隔を拡縮することができ、これにより検体ラックの搬送長さを伸縮することができる。また、一対の可動フレームを移動させることで、搬送長さの伸縮量を大きくすることができるとともに、搬送方向のいずれにも搬送長さを伸縮することができるので、検体処理装置等の設置レイアウトの自由度をより高めることができる。
【0011】
前記固定フレーム及び前記可動フレームには、前記検体ラックの搬送を案内するガイド部が設けられていてもよい。この構成によって、固定フレームに対して可動フレームを移動させることによりガイド部も伸縮させることができる。
【0012】
前記調整用副輪体は、前記搬送方向に沿った水平方向に移動可能に前記支持フレームに支持されていてもよいし、前記搬送方向に垂直な上下方向に移動可能に前記支持フレームに支持されていてもよい。
前者の場合、支持フレームの高さに制限があっても支持フレームの搬送方向の幅の範囲内で調整用副輪体の調整範囲を大きくすることが可能であり、逆に、後者の場合、支持フレームの搬送方向の幅に制限があっても支持フレームの高さの範囲内で調整用副輪体の調整範囲を大きくすることが可能である。
【0013】
前記調整用副輪体は、複数備えられていてもよい。この場合、各調整用副輪体の調整範囲は小さくても、全体としての調整範囲を大きくすることができ、搬送長さの伸縮量を大きくすることができる。
【0014】
前記支持フレームは、隣接して配置される他の検体ラックの搬送装置に対する連結部を備えていてもよい。
この構成によれば、本発明の搬送装置が、他の搬送装置に隣接して配置される場合には、連結部を介して連結し、1つの搬送ラインを形成することができる。
【0015】
本発明の検体処理システムは、検体を処理する複数の検体処理装置と、前記各検体処理装置に対応して設けられるとともに、当該各処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する複数の搬送装置と、複数の搬送装置の間に配置されて前記検体ラックを中継して搬送する、上述の本発明の搬送装置と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、中継用の搬送装置の搬送長さを伸縮することによって、各検体処理装置に対応して設けられた複数の搬送装置の間隔に対応することができ、これら搬送装置を適切に接続して複数の検体処理装置にわたる連続した搬送ラインを形成することができる。
【0016】
また、他の観点に係る本発明の検体処理システムは、検体を処理する検体処理装置と、この処理装置に対応して設けられるとともに、当該処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する上述の搬送装置と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば、本発明に係る検体処理装置と、他の検体処理装置とを並べて設置する場合に、本発明に係る搬送装置の搬送長さを伸縮することによって、他の検体処理装置に対応して設けられた他の搬送装置との間隔に対応することができ、これらの搬送装置を適切に接続して複数の検体処理装置にわたる連続した搬送ラインを形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の検体ラックの搬送装置及び検体処理システムによれば、搬送ラインの長さの変更にも対応可能であり、搬送装置の汎用性や検体処理装置の設置レイアウトの自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る検体処理システムの全体構成を示す平面説明図である。
【図2】中継搬送装置を示す斜視図である。
【図3】中継搬送装置の機構部分を示す正面説明図である。
【図4】図2のIV矢示図である。
【図5】図4のV−V矢示図である。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図3のVII−VII矢視部に相当する断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】中継搬送装置における搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る中継搬送装置の搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る中継搬送装置の搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る中継搬送装置の搬送長さの調整の態様を概略的に示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る検体処理システムに使用される検体ラックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔検体処理システムの全体構成〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検体処理システム10の全体構成を示す概略平面図である。この検体処理システム10は、複数の検体処理装置11と、各検体処理装置11に対応して配置された複数の主搬送装置12と、複数の主搬送装置12を接続する副搬送装置13及び中継搬送装置14と、複数の検体ラック15をセットして検体処理装置11側へ送り出す検体ラック供給装置16と、処理済みの検体ラック15を回収する検体ラック回収装置17と、を備えて構成されている。
なお、検体ラック15は、図13に示すように、試験管等の検体容器18を立てた状態で保持可能な複数の保持部15aを左右方向に並べて備えており、各検体容器18内には血液や尿等の検体を収容可能とされている。
【0020】
図1に示すように、検体処理装置11は、検体に対して所定の処理を施す装置、例えば、検体としての血液の赤血球数やヘモグロビン濃度などの所定の項目を測定する血液分析装置や、スライドガラス上に血液を塗抹し、標本を作製する塗抹標本作製装置等とされている。本実施形態では、同種類又は異種類の3台の検体処理装置11が左右方向に並べて配置されている。
【0021】
図1に示すように、検体ラック供給装置16は、複数の検体ラック15を前後方向に並べて載置可能であるとともに、載置された検体ラック15を矢印a方向および矢印b方向に搬送して、隣接する副搬送装置13に送り出すように構成されている。
検体ラック回収装置17は、複数の検体ラック15を前後方向に並べて載置可能であるとともに、各検体処理装置11において処理済みの検体ラック15を隣接する副搬送装置13から受け取り、受け取った検体ラック15を矢印c方向に搬送することによって検体ラック15を回収するように構成されている。
【0022】
主搬送装置12、副搬送装置13、及び中継搬送装置14は、検体ラック供給装置16と検体ラック回収装置17との間で検体ラック15を左右方向(図1の右側から左側への一方向)に搬送し、その搬送過程で各検体処理装置11における検体採取位置に検体容器18を位置づけるために用いられる。
特に、本実施形態では、各検体処理装置11の検体採取位置に検体ラック15を搬送する検体供給ライン22と、検体処理装置11を通過させる検体通過ライン23との2つの搬送ラインを形成するように各搬送装置12〜14が設置されている。検体供給ライン22及び検体通過ライン23はいずれも左右方向に延び、検体通過ライン23は検体処理装置11に近い側、検体通過ライン23は検体処理装置11から離れた側にそれぞれ設けられている。
【0023】
主搬送装置12は、各検体処理装置11に対応してその前側に付設されており、検体供給ライン22を形成する検体供給搬送部25と、検体通過ライン23を形成する検体通過搬送部26との2つの搬送部を前後に並べて備えている。そして、検体供給搬送部25は、検体ラック15を左右方向に搬送することによって検体処理装置11の検体採取位置に検体容器18を位置づけ、検体通過搬送部26は、検体採取位置に検体ラック15を位置づけることなく左右方向に検体ラック15を搬送する。
【0024】
中継搬送装置14は、主搬送装置12と同様に、検体供給ライン22を形成する検体供給搬送部28と、検体通過ライン23を形成する検体通過搬送部29との2つの搬送部を前後に並べて備えている。この中継搬送装置14は、主として主搬送装置12と副搬送装置13との間に形成された間隔を埋める目的で設けられており、その詳細な構成については後述する。
【0025】
副搬送装置13は、検体ラック供給装置16、主搬送装置12、中継搬送装置14、及び検体ラック回収装置17の各間にそれぞれ配置されており、1つの切換搬送部31を備えている。この切換搬送部31は、検体ラック15を左右方向に搬送可能であるとともに、自身が前後方向(矢印d方向)に移動可能であり、検体ラック15の搬送経路を検体供給ライン22と検体通過ライン23との間で切り替える機能を有している。
【0026】
そして、図1において、最も右端に配置された副搬送装置13は、検体ラック供給装置16から矢印b方向に搬送された検体ラック15を切換搬送部31によって受け取り、さらに、切換搬送部31を前後に移動させることによって、左側に隣接する主搬送装置12のいずれかの搬送部25,26に検体ラック15を受け渡す。また、最も左端に配置された副搬送装置13は、右側に隣接する主搬送装置12のいずれかの搬送部25,26から検体ラック15を切換搬送部31によって受け取り、さらに切換搬送部31を前後に移動させて、検体ラック回収装置17に検体ラック15を受け渡す。また、その他の副搬送装置13は、それぞれ右側に隣接する主搬送装置12のいずれかの搬送部25,26から切換搬送部31によって検体ラック15を受け取り、さらに切換搬送部31を前後に移動させて、左側に隣接する主搬送装置12又は中継搬送装置14のいずれかの搬送部25,26,28,29に検体ラック15を受け渡すように構成されている。
【0027】
〔中継搬送装置の構成〕
前述のように本実施形態の中継搬送装置14は、主搬送装置12と副搬送装置13との間に配置されており、例えば、図1に示すように、隣り合う検体処理装置11の間に柱等の障害物33があることによって、主搬送装置12と副搬送装置13との間隔を広くあけなければならない場合等に用いられる。そして、本実施形態の中継搬送装置14は、主搬送装置12と副搬送装置13との間隔に応じて搬送長さ(最大搬送距離)Lを調整(伸縮)することが可能とされている。
【0028】
図2は中継搬送装置14を示す斜視図、図3は中継搬送装置14の機構部分を示す正面説明図、図4は図2のIV矢示図である。
本実施形態では、前述の検体供給搬送部28と、検体通過搬送部29とを形成するように2台の中継搬送装置14が前後に並べて設けられている。いずれの中継搬送装置14もその主要な構成は同一であるが、前後方向に関して互いに勝手反対の構造とされている。以下、前側に配置された中継搬送装置14を中心に詳細に説明する。
【0029】
図2及び図3に示すように中継搬送装置14は、支持フレーム34と、この支持フレーム34に回転自在に支持された複数のプーリ(輪体)56,57と、このプーリに巻き掛けられた無端状の搬送ベルト(搬送部材)35と、搬送ベルト35を回送駆動する駆動モータ36と、を備えている。
【0030】
支持フレーム34は、固定フレーム38と、この固定フレーム38に対して左右方向に移動可能(位置調整可能)に設けられた可動フレーム39とを備え、固定フレーム38は、架台40上に固定されている。
図4に示すように、固定フレーム38は、前後に対向して配置された一対のフレーム板41と、この一対のフレーム板41の上部を接続する固定ガイド板(ガイド部)42とを備えている。フレーム板41の下端及び上端は前後外側に屈曲されており、下端の屈曲部41aが架台40上に固定され、上端の屈曲部41bには固定ガイド板42が固定されている。前後のフレーム板41の間には、複数のプーリ56,57と搬送ベルト35とが配置されている。
【0031】
固定ガイド板42は、前後両端部がフレーム板41の屈曲部41b上に固定されており、前後中央部が下方へコの字状に凹む凹部42aとされ、当該凹部42aは前後のフレーム板41,41間に配置されている。そして、凹部42a内に検体ラック15を入り込ませることによって、当該検体ラック15が前後に傾かないようにガイドされる。
【0032】
図2及び図3に示すように、可動フレーム39は、固定フレーム38の上部左側に設けられている。
図7は図3のVII−VII矢視部に相当する断面図、図8は、図7のVIII−VIII矢視断面図である。可動フレーム39は、可動ガイド板(ガイド部)45と、ベルトカバー46とを備えている。可動ガイド板45は、その前後両端部が固定ガイド板42の前後両端部の上面に重ね合わされ、前後中途部が下方へコの字状に凹む凹部45aとされ、固定ガイド板42の凹部42aの内側に重ね合わされている。そして、可動ガイド板45は、固定ガイド板42に沿って左右方向にスライド可能とされ、固定部48によって所望のスライド位置で固定される。
【0033】
固定部48は、押さえ板50と、取付ネジ51とを備えている。押さえ板50は、可動ガイド板45の前後両側の上面に沿うように配置された帯板材からなり、取付ネジ51は、押さえ板50の左右両端部において押さえ板50及び可動ガイド板45を貫通し、固定ガイド板42の前後両端部及びフレーム板41の屈曲部41bに螺合されている。可動ガイド板45における取付ネジ51の貫通孔は、左右方向に長いスリット孔52とされており、取付ネジ51を緩めることによって可動ガイド板45をスリット孔52の範囲で左右方向に移動させることができ、取付ネジ51を締め付けることによって所望のスライド位置で可動ガイド板45を押さえ板50と固定ガイド板42との間で挟持し、固定することができる。
【0034】
図3及び図7に示すように、ベルトカバー46は、可動ガイド板45の下方において左右方向に延び、可動ガイド板45とともに左右方向にスライド可能であり、可動ガイド板45の左端部に支持されたプーリ(主プーリ)56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の下部側を前後方向及び下方向から覆っている。そして、ベルトカバー46は、図3に示すように、固定フレーム38に対して可動フレーム39を左方向にスライドさせたときに搬送ベルト35が外部に露出するのを防止し、周囲の物が搬送ベルト35に接触するのを防いでいる。
【0035】
図2〜図4に示すように、固定フレーム38の右端、及び可動フレーム39の左端には、隣接して配置される他の搬送装置に対する連結部53が設けられている。この連結部53は、板面が左右方向に向けられた板材からなり、連結ボルト等を挿通するための挿通孔54が左右方向に貫通して形成されている。
そして、この連結部53の板面を他の搬送装置に設けられた連結部に当接させ、連結ボルトやナット等を用いて他の搬送装置の連結部に連結することによって、中継搬送装置14と他の搬送装置とを接続し、両搬送装置にわたって検体ラック15を搬送することができる。
【0036】
図3に示すように、プーリ56,57は、左右方向に間隔をあけて配置された一対の主プーリ56a,56bと、その他の副プーリ57a,57bとからなり、一対の主プーリ56a,56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の上部側が検体ラック15を搬送する。したがって、一対の主プーリ56a,56bは、中継搬送装置14における搬送領域の両端位置に配置される。また、これら主プーリ56a,56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の長さ(搬送領域の長さ)が搬送長さLとなる。また、一対の主プーリ56a,56bに巻き掛けられた搬送ベルト35の上部側は実質的な搬送路58とされ、図7に示すように固定ガイド板42及び可動ガイド板45の凹部42a、45aの底面上に配置されている。
【0037】
図3において、左右一方(右側)の主プーリ56a及び全ての副プーリ57a,57bは固定フレーム38に回転自在に支持され、左右他方(左側)の主プーリ56bは、可動フレーム39の端部(左端部)に支持されている。また、一方の主プーリ56aは、固定フレーム38に取り付けられた駆動モータ36に伝動ベルト59を介して動力伝達可能に接続されている。
【0038】
一対の主プーリ56a,56bの間であって固定フレーム38の上部側には5個の副プーリ57aが左右方向に並べて配置され、固定フレーム38の下部側には4個の副プーリ57bが左右方向に並べて配置されており、これらの副プーリ57a,57bに対して搬送ベルト35がジグザグ状に巻き掛けられている。
上部側の5個の副プーリ57aは支持フレーム34に対して固定の固定副プーリ57aとされ、下部側の4個の副プーリ57bは支持フレーム34に対して上下方向に位置調整自在な調整用副プーリ57bとされている。
【0039】
図5は、図4のV−V矢示断面図、図6は、図5のVI−VI矢視断面図である。
調整用副プーリ57bは、軸部62と、この軸部62にベアリング63を介して回転自在に取り付けられたプーリ部64とを備えている。軸部62は、その両端部が一対のフレーム板41に形成された上下方向に長い調整スリット65に挿通されている。調整用副プーリ57bは、フレーム板41の調整スリット65に沿って上下方向に移動可能とされ、次に説明する調整部66によって上下方向の位置が調整される。なお、軸部62は、軸方向の一端部(前端部)に大径部67を備え、前側のフレーム板41に形成された調整スリット65は、この大径部67に応じて幅広に形成されている。
【0040】
調整部66は、調整板69、調整ノブ70、及び締め付けネジ71を備えている。調整板69は、前側のフレーム板41の前方に間隔をあけて取り付けられ、当該フレーム板41と同様に、上下方向に長いスリット72が形成されている。調整ノブ70は、L字形状に屈曲された板材から構成されている。締め付けネジ71は、調整ノブ70を前側から貫通するとともにスリット72に挿通され、その先端部が調整用副プーリ57bの軸部62の端面(大径部67の端面)に螺合されている。
【0041】
そして、締め付けネジ71を締め付けると、調整ノブ70と軸部62端面との間で調整板69が挟持され、調整用副プーリ57bを固定することができる。また、締め付けネジ71を緩めると、調整ノブ70と軸部62端面との間の調整板69の挟持が解かれ、調整ノブ70を手に持って上下に移動させることにより、調整用副プーリ57bを調整スリット65に沿って上下に位置調整することができる。
【0042】
図9は、中継搬送装置14における搬送長さLの調整(伸縮)の態様を概略的に示す説明図である。図9(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図9(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
すなわち、可動フレーム39を左右方向にスライドさせると、これに支持された他方の主プーリ56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔が拡縮され、これらに巻き掛けられた搬送ベルト35による搬送長さLが伸縮される。
【0043】
一方、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮すると、この間の搬送ベルト35の上部側(搬送路58)を除く他の部分についても長さが変化し、そのままでは副プーリ57a,57bに搬送ベルト35を巻き掛けることができなくなるが、本実施形態では、調整用副プーリ57bが上下方向に位置調整自在に設けられているので、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さの変化に応じて調整用副プーリ57bを上下に移動させることで搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整し、全ての副プーリ57a,57bに対して搬送ベルト35を適切に巻き掛け、搬送ベルト35にテンションを付与することが可能となっている。
【0044】
具体的に、図9(a)の例では、搬送長さLが最も短くされ、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さが最も長くなるので、調整用副プーリ57bは、固定副プーリ57aとの間隔が拡がるように、調整スリット65の下端位置に配置されている。図9(b)の例では、搬送長さLが最も長くされ、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さが最も短くなるので、調整用副プーリ57bは、固定副プーリ57との間隔が最も縮まるように、調整スリット65の上端位置に配置されている。
【0045】
以上のように、中継搬送装置14は、搬送長さLを伸縮可能であるので、図1に示すように、主搬送装置12と副搬送装置13の間隔に合わせて適切に中継搬送装置14の搬送長さLを設定することができる。したがって、本実施形態の中継装置14により検体処理装置11の設置レイアウトの自由度を高めることができる。また、主搬送装置12と副搬送装置13との間隔が異なる他の施設等に対しても同じ構造の中継搬送装置14を適用することが可能であり、当該中継搬送装置14の汎用性を高めることができる。
る。
【0046】
また、本実施形態では、複数個の調整用副プーリ57bが設けられているので、搬送路58を除く搬送ベルト35の一部の長さの大きな変化にも対応することができる。したがって、一対の主プーリ56a,56bの間隔の拡縮量、すなわち、搬送ベルト35による搬送長さLの伸縮量を大きくすることができる。
なお、中継搬送装置14の搬送長さLの伸縮により、必ずしも全ての調整用副プーリ57bを位置調整する必要はなく、その伸縮量に応じて例えば1又は2,3個の調整用副プーリ57bを位置調整してもよい。
【0047】
図4に示すように、本実施形態では、2つの中継搬送装置14が前後に並べて配置され、これらは前後方向に関して勝手反対に配置されている。そして、前側の中継搬送装置14の前面と後側の中継搬送装置14の後面にそれぞれ調整部66が配置されているので、前後の中継搬送装置14の間に手を挿入することなく調整用副プーリ57bの位置調整を行うことができ、調整の作業性を向上することができる。
【0048】
〔中継搬送装置の他の実施形態〕
図10は、本発明の第2の実施形態に係る中継搬送装置14の搬送長さLの調整の態様を示す説明図である。本実施形態では、合計6個の副プーリ57a,57bが設けられ、このうち最も右側に配置された上下2個の副プーリ57bが調整用副プーリ57bとされ、他の4個の副プーリ57aが固定副プーリ57aとされている。そして、調整用副プーリ57bは、搬送方向に沿った左右方向に位置調整自在に設けられている。
【0049】
図10(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図10(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
【0050】
また、図10(a)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の右端位置に配置され、図10(b)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の左端位置に配置されている。
従って、本実施形態においても、可動フレーム39を左右方向にスライドさせることにより、これに支持された他方の主プーリ56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮することができ、これによって搬送ベルト35による搬送長さLを伸縮することができる。そして、この搬送長さLの伸縮に応じて調整用副プーリ57bによる搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整することができる。
【0051】
また、本実施形態では、調整用副プーリ57bが左右方向に位置調整自在であるので、支持フレーム34の上下高さが低い場合等であっても調整用副プーリ57bの調整量を大きくすることができ、これによって搬送長さLの伸縮量を大きくすることができる。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る中継搬送装置14の搬送長さLの調整の態様を示す説明図である。
本実施形態では、合計5個の副プーリ57a,57bが設けられ、このうち最も下側に配置された2個の副プーリ57a,57bの一方が調整用副プーリ57bとされ、他の4個の副プーリ57aが固定副プーリ57aとされている。調整用副プーリ57bは、支持フレーム34の左右方向の幅の半分以上の広い範囲で左右方向に移動自在に設けられている。
【0053】
図11(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図11(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
【0054】
また、図11(a)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の左端位置に配置され、図11(b)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の右端位置に配置されている。
従って、本実施形態においても、可動フレーム39を左右方向にスライドさせることにより、これに支持された他方の主プーリ56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮することができ、これによって搬送ベルト35による搬送長さLを調整することができる。そして、この搬送長さLの調整に応じて調整用副プーリ57bによる搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整することができる。
【0055】
また、本実施形態においても、上記第2の実施形態と同様に、調整用副プーリ57bが左右方向に位置調整自在であるので、支持フレーム34の上下高さが低い場合であっても調整用副プーリ57bの調整量を大きくすることができ、これによって搬送長さLの伸縮量を大きくすることができる。
【0056】
図12は、本発明の第4の実施形態に係る中継搬送装置14の搬送長さLの調整の態様を示す説明図である。
本実施形態では、支持フレーム34が、固定フレーム38と、この固定フレーム38の左右両側に設けられた2つの可動フレーム39とからなり、各可動フレーム39は、それぞれ固定フレーム38に対して左右方向にスライド可能に設けられている。また、一対の主プーリ56a,56bは、各可動フレーム39に支持されている。
【0057】
一方、副プーリ57a,57bは、合計10個設けられており、このうち、最下部に並設された3個の副プーリ57bが調整用副プーリ57bとされ、この調整用副プーリ57bは上下方向に位置調整自在に設けられている。他の7個の副プーリ57aは固定副プーリ57aとされ、このうちの1つには駆動モータ36が接続されて回転駆動されるようになっている。
【0058】
図12(a)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も短くした状態を示しており、このとき左側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、右側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔は最も縮小されている。図12(b)は中継搬送装置14の搬送長さLを最も長くした状態を示しており、このとき左側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して左方向にスライドされ、右側の可動フレーム39は固定フレーム38に対して右方向にスライドされ、一対の主プーリ56a,56bの間隔が最も拡大されている。
【0059】
また、図12(a)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の下端位置に配置され、図12(b)においては、調整用副プーリ57bが調整スリット65の上端位置に配置されている。
従って、本実施形態においても、可動フレーム39を左右方向にスライドさせることにより、これに支持された主プーリ56a,56bもともに左右方向に移動し、一対の主プーリ56a,56bの間隔を拡縮することができ、これによって搬送ベルト35による搬送長さLを調整することができる。そして、この搬送長さLの調整に応じて調整用副プーリ57bによる搬送ベルト35の巻き掛け位置を調整することができる。
【0060】
また、本実施形態では、2つの可動フレーム39がそれぞれ固定フレーム38に対してスライド可能であるので、搬送長さLの伸縮量をより大きく設定することが可能であり、また、一対の可動フレームを選択的にスライドさせることにより、左右いずれの方向にも搬送長さを伸縮できるので、検体処理装置や搬送装置の設置場所に応じた調整適応性を高め、検体処理装置の設置レイアウトの自由度をより高めることができる。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明の搬送装置を中継搬送装置14に適用した場合を説明したが、本発明の搬送装置を検体処理装置11に付設される主搬送装置12に適用し、この主搬送装置12の搬送長さを伸縮可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、プーリに巻き掛けられた搬送ベルト35自身によって搬送路58を形成しているが、例えば支持フレーム34のガイド板42,45によって検体ラック15の搬送路を形成し、搬送ベルト35には搬送路から突出する係合爪等を設けて検体ラック15に係合させ、この搬送ベルト35の回送により搬送路上で検体ラック15を搬送する構成としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、検体ラックの搬送ラインとして、同じ方向に検体ラックを搬送する検体供給ラインと検体通過ラインの2つの搬送ラインが形成されていたが、これに代えて、検体供給ラインと、その逆方向に検体ラックを搬送するリターンラインとの2つの搬送ラインを形成してもよい。
また、プーリと搬送ベルト35に代えて、スプロケット(輪体)とチェーン(搬送部材)により検体ラック15を搬送してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10: 検体処理システム
11: 検体処理装置
14: 中継搬送装置
15: 検体ラック
18: 検体容器
33: 障害物
34: 支持フレーム(支持機構)
35: 搬送ベルト(搬送部材)
38: 固定フレーム
39: 可動フレーム
42: 固定ガイド板(ガイド部)
45: 可動ガイド板(ガイド部)
56: 主プーリ(主輪体;支持機構)
57: 副プーリ(副輪体;支持機構)
57b: 調整用副プーリ
58: 搬送路
L: 搬送長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するための搬送装置であって、
前記検体ラックを搬送する無端状の搬送部材と、
この搬送部材を回送可能に、かつ当該搬送部材による前記検体ラックの搬送長さを伸縮可能に支持する支持機構と、を備えていることを特徴とする検体ラックの搬送装置。
【請求項2】
前記支持機構は、
前記搬送部材が巻き掛けられる複数の輪体と、
この複数の輪体を回転自在に支持する支持フレームと、を有しており、
前記複数の輪体が、前記検体ラックの搬送領域の両端位置において前記搬送部材が巻き掛けられる一対の主輪体と、その他の副輪体とを含み、
前記一対の主輪体が、互いの間隔を拡縮可能に前記支持フレームに支持され、
少なくとも1つの前記副輪体が、前記一対の主輪体の間隔の拡縮に応じて前記搬送部材の巻き掛け位置を調整可能に前記支持フレームに支持された調整用副輪体とされていることを特徴とする請求項1に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項3】
前記支持フレームが、固定フレームと、この固定フレームに対して前記検体ラックの搬送方向に移動可能に設けられた可動フレームと、を有し、
一方の主輪体が固定フレームに支持され、他方の主輪体が可動フレームに支持されている請求項2に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項4】
前記支持フレームが、固定フレームと、この固定フレームにおける前記検体ラックの搬送方向の両側において同搬送方向に移動可能に設けられた一対の可動フレームと、を有し、
前記各主輪体が、各可動フレームに支持されている請求項2に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項5】
前記固定フレーム及び前記可動フレームが、前記検体ラックの搬送を案内するガイド部を備えている請求項3又は4に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項6】
前記調整用副輪体が、前記搬送方向に沿った水平方向に移動可能に前記支持フレームに支持されている請求項2〜5のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項7】
前記調整用副輪体が、前記搬送方向に垂直な上下方向に移動可能に前記支持フレームに支持されている請求項2〜5のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項8】
前記調整用副輪体が、複数備えられている請求項2〜7のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項9】
前記支持フレームが、隣接して配置される他の検体ラックの搬送装置に対する連結部を備えている請求項2〜8のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項10】
検体を処理する複数の検体処理装置と、
前記各検体処理装置に対応して設けられるとともに、当該各処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する複数の搬送装置と、
複数の搬送装置の間に配置されて前記検体ラックを中継して搬送する請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置と、を備えていることを特徴とする検体処理システム。
【請求項11】
検体を処理する検体処理装置と、
この処理装置に対応して設けられるとともに、当該処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置と、を備えていることを特徴とする検体処理システム。
【請求項1】
検体容器を保持可能な検体ラックを搬送するための搬送装置であって、
前記検体ラックを搬送する無端状の搬送部材と、
この搬送部材を回送可能に、かつ当該搬送部材による前記検体ラックの搬送長さを伸縮可能に支持する支持機構と、を備えていることを特徴とする検体ラックの搬送装置。
【請求項2】
前記支持機構は、
前記搬送部材が巻き掛けられる複数の輪体と、
この複数の輪体を回転自在に支持する支持フレームと、を有しており、
前記複数の輪体が、前記検体ラックの搬送領域の両端位置において前記搬送部材が巻き掛けられる一対の主輪体と、その他の副輪体とを含み、
前記一対の主輪体が、互いの間隔を拡縮可能に前記支持フレームに支持され、
少なくとも1つの前記副輪体が、前記一対の主輪体の間隔の拡縮に応じて前記搬送部材の巻き掛け位置を調整可能に前記支持フレームに支持された調整用副輪体とされていることを特徴とする請求項1に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項3】
前記支持フレームが、固定フレームと、この固定フレームに対して前記検体ラックの搬送方向に移動可能に設けられた可動フレームと、を有し、
一方の主輪体が固定フレームに支持され、他方の主輪体が可動フレームに支持されている請求項2に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項4】
前記支持フレームが、固定フレームと、この固定フレームにおける前記検体ラックの搬送方向の両側において同搬送方向に移動可能に設けられた一対の可動フレームと、を有し、
前記各主輪体が、各可動フレームに支持されている請求項2に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項5】
前記固定フレーム及び前記可動フレームが、前記検体ラックの搬送を案内するガイド部を備えている請求項3又は4に記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項6】
前記調整用副輪体が、前記搬送方向に沿った水平方向に移動可能に前記支持フレームに支持されている請求項2〜5のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項7】
前記調整用副輪体が、前記搬送方向に垂直な上下方向に移動可能に前記支持フレームに支持されている請求項2〜5のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項8】
前記調整用副輪体が、複数備えられている請求項2〜7のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項9】
前記支持フレームが、隣接して配置される他の検体ラックの搬送装置に対する連結部を備えている請求項2〜8のいずれか1つに記載の検体ラックの搬送装置。
【請求項10】
検体を処理する複数の検体処理装置と、
前記各検体処理装置に対応して設けられるとともに、当該各処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する複数の搬送装置と、
複数の搬送装置の間に配置されて前記検体ラックを中継して搬送する請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置と、を備えていることを特徴とする検体処理システム。
【請求項11】
検体を処理する検体処理装置と、
この処理装置に対応して設けられるとともに、当該処理装置に対して前記検体を収容した検体容器を保持する検体ラックを搬送する請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置と、を備えていることを特徴とする検体処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−69729(P2011−69729A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221149(P2009−221149)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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