説明

検査対象物の外観を検査する装置

【課題】 検査対象物の外観を高い精度で検査できる検査装置を提供すること。
【解決手段】 検査対象物に光を照射する有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置、光照射された検査対象物の光学像を撮像して、この光学像に対応する画像データを出力する撮像装置、および前記の画像データと参照データとの照合を行なう画像処理装置からなり、上記有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観を検査する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物の外観を検査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボタン電池などの電気製品、注射針や医薬アンプルなどの医療用品、もしくは紙コップなどの日用品に代表される各種の製品や部品の外観の検査(例、形状、寸法、傷や異物、あるいは配置の検査)には、画像処理装置を備えた検査装置が用いられている。このような各種の製品や部品を検査対象物とする検査装置は、検査対象物に光を照射する照明装置、光照射された検査対象物の光学像を撮像して、この光学像に対応する画像データを出力する撮像装置、および撮像装置が出力する画像データと参照データとの照合を行なう画像処理装置などから構成されている。従来より、検査装置の照明装置の光源としては、例えば、発光ダイオードが用いられている。
【0003】
特許文献1には、照明装置の光源として、交流電圧の印加により面発光するエレクトロルミネッセンスシートを用いた画像処理システムが開示されている。この画像処理システムは、例えば、撮像した画像と予め記憶されている画像とのパターンマッチングを行なったり、ウエハのノッチの位置や角度を算出するために用いられる。そして照明装置に上記のようなエレクトロルミネッセンスシートを用いることにより、照明装置の薄型化が可能となるために画像処理システムの設計の自由度を高めることができ、さらに照明装置の輝度が均一化されるために画像処理における擾乱原因を低減できるとされている。
【特許文献1】特開2003−132343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像処理システムを検査装置として用いると、面発光する有機エレクトロルミネッセンスシートにより検査対象物の表面の全体に均一に光を照射することができるので、光照射された検査対象物を撮像した画像を用いて安定した画像処理を行なって、この検査対象物の外観を検査することができるようになる。このような検査装置は、検査対象物の外観をより高い精度で検査できることが望ましい。
【0005】
本発明の課題は、検査対象物の外観を高い精度で検査することができる検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、検査対象物に光を照射する有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置、光照射された検査対象物の光学像を撮像して、この光学像に対応する画像データを出力する撮像装置、および前記の画像データと参照データとの照合を行なう画像処理装置からなり、上記有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観を検査する装置にある。
【0007】
本発明の検査装置の好ましい態様は、下記の通りである。
(1)照明装置と撮像装置とが検査対象物を挟むように対向配置されている。
(2)照明装置が有機エレクトロルミネッセンス素子とハーフミラーとから構成され、このハーフミラーが有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を反射して検査対象物に照射し、かつ検査対象物により反射された光を撮像装置に伝えるように配置されている。
(3)照明装置が、上下方向に伸びる筒体、この筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、この一対の光学レンズの間にレンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筒体の側部に備えられ、ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筒体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子から構成され、そして照明装置がその筒体の上端を撮像装置の側に向け、そして下端を検査対象物の側に向けて配置されている。
(4)照明装置が、上下方向に伸びる筒体、該筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、上記筒体の下側端部に固定された、前記のレンズの軸に沿って上下に開口が形成された筐体、この筐体内に上記レンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筐体に収容され、ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筐体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子から構成され、そして照明装置がその筒体の上端を撮像装置の側に向け、そして下端を検査対象物の側に向けて配置されている。
(5)照明装置が備える有機エレクトロルミネッセンス素子の陰電極層が円環状の形状にあり、そして撮像装置が上記の陰電極層の円環の透孔を通して検査対象物の光学像を撮像するように配置されている。
【0008】
本発明はまた、上下方向に伸びる筒体、この筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、この一対の光学レンズの間にレンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筒体の側部に備えられ、ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筒体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子からなり、上記有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観検査装置用の同軸落射照明装置にもある。
【0009】
本発明はまた、上下方向に伸びる筒体、この筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、上記筒体の下側端部に固定された、前記のレンズの軸に沿って上下に開口が形成された筐体、この筐体内に上記レンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筐体に収容され、ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筐体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子からなり、上記有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観検査装置用の同軸落射照明装置にもある。
【0010】
本発明はまた、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層をこの順に積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、該陰電極層が円環状の形状にあることを特徴とする検査対象物の外観検査装置用の環状照明装置にもある。
【0011】
なお、本明細書において「透明」とは、波長が380nmの光の透過率が70%以上であることを意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の検査装置は、その照明装置に、直流電圧の印加によりピーク波長が380nm以下の短波長の光を発生する有機エレクトロルミネッセンス素子が用いられており、この短波長の光を照射して得られる検査対象物の鮮明な光学像をもとにして画像処理を行なうため、検査対象物の外観を高い精度で検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、本発明の検査装置に用いる有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。図1は、本発明の検査装置に用いる有機エレクトロルミネッセンス素子の構成例を示す断面図である。
【0014】
図1の有機エレクトロルミネッセンス素子15は、透明基板31の上に、透明陽電極層32、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層33、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層34、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層35、そして陰電極層37がこの順に積層された構成を有している。
【0015】
有機エレクトロルミネッセンス素子15は、その陽電極層32と陰電極層37との間に直流電圧を印加すると、陽電極層32から正孔が、そして陰電極層37から電子がそれぞれ発光層35の内部に注入され、この正孔と電子との再結合によって生じた励起子により発光層35に含まれる有機発光材料を励起して発光させる発光素子である。正孔注入層33は、陽電極層32からの正孔の注入量を増加させるために設けられ、そして正孔輸送層34は、発光層35の内部に正孔を効率良く注入させるために設けられている。
【0016】
有機エレクトロルミネッセンス素子15は、その発光層35にバンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料が含まれているため、上記の直流電圧の印加により有機発光材料のバンドギャップに対応する短波長の光を発生する。有機エレクトロルミネッセンス素子15の発光は、透明基板31の側から発光素子15の外部に取り出される。
【0017】
基板31としては、ガラス基板やプラスチック基板などの透明な基板が用いられる。なお、本明細書において「透明」とは、波長が380nmの光の透過率が70%以上であることを意味している。基板の光透過率は、80%以上であることが更に好ましい。基板の光透過率は、その厚みを増減することで調節することができる。
【0018】
透明陽電極層32の材料の代表例としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及び亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)が挙げられる。
【0019】
透明陽電極層32は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの気相体積法により形成され、その厚みは1μm以下、好ましくは200nm以下に設定される。
【0020】
正孔注入層33は、金属フッ化フタロシアニンを含む材料から形成される。金属フタロシアニンは、電子供与性を示す材料であるが、その水素をフッ素で置換すると電子受容性を示すようになり、そして置換基のフッ素の数が多くなるにつれて、より強い電子受容性を示すようになる。後に説明するが、金属フッ化フタロシアニンが電子受容性を示すことによって、発光層の内部でより多くの量の正孔と電子とを再結合させることができるようになり、上記のような広いバンドギャップ(3.55eV以上)を持つ有機発光材料を電流励起して短波長の光を発生させることができるようになる。
【0021】
金属フッ化フタロシアニンの金属は、銅または亜鉛であることが好ましい。銅フッ化フタロシアニンや亜鉛フッ化フタロシアニンはその合成が容易であるからである。
【0022】
以上の理由から、正孔輸送層は、特に下記の化学式で示されるF16CuPc(銅フタロシアニンの持つ全ての水素がフッ素で置換された化合物)から形成されていることが好ましい。
【0023】
【化1】

【0024】
正孔注入層33は、例えば、真空蒸着法により形成され、その厚みは5乃至30nmの範囲にあることが好ましい。
【0025】
正孔輸送層34は、カルバゾール化合物を含む材料から形成される。カルバゾール化合物は、上記の金属フッ化フタロシアニンの場合とは逆に電子供与性を示す材料である。カルバゾール化合物の代表例としては、4,4’−ジカルバゾリル−1,1’−ビフェニル(以下、CPBと記載する)、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、1,3−ジカルバゾリルベンゼン、4,4’−ジカルバゾリル−2,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジカルバゾリル−2,2’−ジトリフルオロメチル−1,1’−ビフェニル、および9,9−ビス(4−カルバゾリルフェニル)フルオレンが挙げられる。
【0026】
正孔輸送層34は、例えば、真空蒸着法により形成され、その厚みは2乃至200nmの範囲にあることが好ましい。
【0027】
発光層35は、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む材料から形成される。バンドギャップが3.55eVの有機発光材料は、一般に光励起によりピーク波長が380nm以下の短波長の光を発生することが知られているが、このようなバンドギャップの大きい材料を有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用い、そして電流励起よりピーク波長が380nm以下の短波長の光を発生させた報告例はない。
【0028】
発光層35の材料の代表例としては、下記の化学式で示されるOXD−7(バンドギャップ:約3.7eV)が挙げられる。
【0029】
【化2】

【0030】
発光層35は、例えば、真空蒸着法により形成され、そして実用的な発光輝度を得るために、その厚みは通常200nm以下に設定される。
【0031】
陰電極層37の材料の代表例としては、Al、Ti、In、Na、K、Mg、Li、Cs、Rb、CaあるいはBaなどの金属、およびMg−Ag合金あるいはAl−Li合金などの合金組成物が挙げられる。
【0032】
陰電極層37は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの気相体積法で形成され、その厚みは1μm以下、好ましくは400nm以下に設定される。
【0033】
図1に示すように、陰電極層37の発光層35の側の表面には、電子注入層36が備えられていることが好ましい。電子注入層36は、陰電極層37からの電子の注入量を増加させるために設けられている。電子注入層36の材料の代表例としては、LiF、Li2 O、およびCsOが挙げられる。
【0034】
電子注入層36は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法などの気相体積法で形成され、その厚みは、通常1nm以下に設定される。
【0035】
有機エレクトロルミネッセンス素子15を、例えば、ガラス基板(透明基板)の上に、厚みが約150nmのITO薄膜(透明陽電極層)、厚みが約20nmのF16CuPc薄膜(正孔注入層)、厚みが約30nmのCPB薄膜(正孔輸送層)、厚みが約50nmのOXD−7薄膜(発光層)、厚みが約0.5nmのLiF薄膜、そして厚みが約20nmのアルミニウム薄膜を順に積層して作製すると、この有機エレクトロルミネッセンス素子15は、その透明陽電極層32と陰電極層37との間に15Vの直流電圧を印加することによりピーク波長が約372nmの短波長の光を発する。
【0036】
有機エレクトロルミネッセンス素子15が、その透明陽電極層32と陰電極層37との間に直流電圧を印加することにより、ピーク波長が380nm以下の短波長の光を発生する理由は次のように理解される。
【0037】
有機エレクトロルミネッセンス素子15の透明陽電極層32と陰電極層37との間に直流電圧を印加すると、透明陽電極層32から注入された正孔と陰電極層37から注入された電子とが、それぞれ発光層35に向かって移動していく。
【0038】
一方、上記のように正孔注入層33を形成する金属フッ化フタロシアニンは電子受容性を示し、そして正孔輸送層34を形成するカルバゾール化合物は電子供与性を示す材料である。このような材料から形成された正孔注入層33と正孔輸送層34とが備えられていると、界面における電荷移動相互作用により正孔輸送層34から正孔注入層33に電子が供与されて正孔輸送層34の内部にて正孔を生じ、この正孔が上記の透明陽電極層32から注入された正孔と共に発光層35に注入され、発光層の内部でより多くの量の正孔と電子とを再結合させることができるようになるため、発光層を形成する広いバンドギャップを持つ有機発光材料を電流励起して発光させることが可能になると理解される。
【0039】
なお、有機エレクトロルミネッセンス素子15は、透明陽電極層32、正孔注入層33、正孔輸送層34、そして発光層35までのイオン化エネルギー(最高被占分子軌道のエネルギーレベルに対応する)が次第に大きくなるように設計されている。このような設計により、各々の層の界面に大きなエネルギーの障壁が生じず、より多くの量の正孔を透明陽電極層32から発光層35に移動させ、この正孔と上記の正孔輸送層34の内部で発生した正孔とを発光層の内部にて電子と再結合させることができるようになる。
【0040】
例えば、上記の正孔注入層としてF16CuPcを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の透明陽電極層、正孔注入層、正孔輸送層、そして発光層のイオン化ポテンシャル(測定値)は、それぞれ5.0eV、5.9eV、6.0eV、そして6.5eVである。
【0041】
次に、本発明の検査装置について説明する。図2は、本発明の検査装置の構成例とその使用の態様を示す図であり、そして図3は、図2の検査装置10の照明装置12と検査対象物11との配置を示す平面図である。
【0042】
図2に示す検査装置10は、検査対象物11に光を照射する有機エレクトロルミネッセンス素子15を備える照明装置12、光照射された検査対象物11の光学像を撮像して、この光学像に対応する画像データを出力する撮像装置13、および前記の画像データと参照データとの照合を行なう画像処理装置14などから構成されている。
【0043】
図2及び図3に示すように、検査装置10の照明装置12と撮像装置13とは、検査対象物11を挟むように対向配置されている。図2に示す検査対象物11は、医療用の注射器に用いられる注射針である。検査対象物11は、検査対象物搬送具19に仮固定されている。搬送具19が図2に記入した矢印20の示す方向に移動すると、これに伴い検査対象物11が搬送される。検査装置10は、搬送具19により搬送される検査対象物11の外観を順番に検査する。
【0044】
照明装置12は、図1に示す短波長の光を発生する有機エレクトロルミネッセンス素子15と、発光素子15を収容する、例えば、アルミニウム製のケース16とから構成されている。有機エレクトロルミネッセンス素子15は、その透明基板の側が検査対象物11の側を向くようにしてケース16に収容されている。そして照明装置12は、有機エレクトロルミネッセンス素子15が発する短波長の光を検査対象物11に照射する。
【0045】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光層に空気中に含まれる水分が吸収されると、その発光特性が劣化(発光輝度の低下、あるいは非発光部の生成など)することが知られている。この発光特性の劣化を抑制するため、有機エレクトロルミネッセンス素子15には、防湿処理が施されていることが好ましい。防湿処理方法の例としては、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板に、その発光層を気密的に収容するように金属製あるいはガラス製のキャップを接合する方法、および有機エレクトロルミネッセンス素子を、低い透湿性を示す薄膜(例、窒化シリコン薄膜、酸化シリコン薄膜あるいは窒化酸化シリコン薄膜など)で覆う方法などが挙げられる。
【0046】
撮像装置13は、短波長の光が照射された検査対象物11の光学像を撮像して、この光学像に対応する画像データを出力する。
【0047】
検査装置10においては、照明装置12と撮像装置13とが検査対象物11を挟むように対向配置されているため、撮像装置13が撮像する検査対象物11の光学像は、検査対象物が暗く、そして背景が明るいものとなる。検査装置10は、例えば、この検査対象物11の光学像のエッジの形状(輪郭)をもとにして、検査対象物の外観の検査を行なう。
【0048】
撮像装置13の出力する画像データは、画像処理装置14に送られる。画像処理装置14は、撮像装置13が出力した画像データと参照データとを照合する。この照合により、検査対象物11である注射針の外観、例えば、針の太さや長さ、あるいは針の先端の鋭さ(針の先端の角度)などが検査される。検査装置10に備えられたモニタ18には、例えば、検査対象物の検査結果、あるいは不良と判定された検査対象物の光学像などが表示される。
【0049】
検査装置10は、照明装置12の有機エレクトロルミネッセンス素子15によって、検査対象物11に波長が380nm以下の短波長の光を照射するので、検査対象物の端部での光の回折による光学像のエッジの滲みが抑制されて、検査対象物の外観を高い精度で検査することができる。
【0050】
なお、上記の画像データと参照データとの照合は、上記の従来の画像処理システムに代表される公知の画像処理システム、あるいは公知の検査装置の場合と同様の方法により行なわれる。データの照合方法の例としては、撮像された検査対象物に対応する画像データと、予め撮像された検査対象物に対応する画像データ(参照データ)とをパターンマッチングする方法、および撮像された検査対象物に対応する画像データから注射針の太さや長さに関する数値データを算出し、この数値データと良品の検査対処物の許容範囲を示す数値データ(参照データ)とを照合する方法などが挙げられる。そして画像処理装置における画像データの取り扱いを容易とするために、撮像装置が出力する画像データに各種の前処理を行なうこともできる。前処理の例としては、二値化処理、ガンマ補正処理、濃度変換処理、およびシェーディング処理などが挙げられる。
【0051】
また、照明装置12が備える有機エレクトロルミネッセンス素子15の個数に特に制限はない。例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子の多数個を用いて照明装置を構成し、その発光素子の各々に直流電圧を個別に印加することにより、発光素子の電極層にて生じる電圧降下が小さくなるために、照明装置の検査対象物側の面内における発光輝度が均一となる。これにより検査対象物に更に均一に光が照射され、検査装置による検査の精度を高くすることができる。
【0052】
さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子15には、その駆動電圧を制御する装置17が備えられていることが好ましい。
【0053】
この制御装置17により駆動電圧を制御して、有機エレクトロルミネッセンス素子15を間欠的に点灯させることが好ましい。有機エレクトロルミネッセンス素子は、その発光層が熱により変質して、その発光特性が劣化(例、輝度の低下)し易いことが知られている。有機エレクトロルミネッセンス素子15を間欠的に点灯させることにより、照明装置12の発熱量が低減され、熱による発光特性の劣化が抑制される。このため検査装置を長時間にわたって使用する場合にも、検査対象物を安定した精度で検査することができる。
【0054】
また制御装置17により撮像装置13の出力する画像データをもとに駆動電圧を制御して、有機エレクトロルミネッセンス素子15の発光輝度を安定化することも好ましい。これにより、例えば、空気中の水分の影響による有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度の低下が原因で生じる検査精度の低下が抑制され、検査対象物を安定した精度検査することができる。
【0055】
図4は、本発明の検査装置の別の構成例とその使用の態様を示す図である。そして図5は、図4の検査装置60の照明装置62と検査対象物61との配置を示す平面図である。図4の検査装置60の構成は、照明装置62が有機エレクトロルミネッセンス素子65とハーフミラー71とから構成され、このハーフミラー71が有機エレクトロルミネッセンス素子65の発光を反射して検査対象物61に照射し、かつ検査対象物61により反射された光を撮像装置13に伝えるように配置されていること以外は図2の検査装置10と同様である。
【0056】
図4及び図5に示す検査対象物61は、ボタン電池である。ボタン電池は、検査対象物搬送具69に付設された容器61aに収容され、保持されている。搬送具69が図4に記入した矢印20の示す方向に移動すると、これと共に容器61aに収容保持された検査対象物61は搬送される。検査装置60は、搬送具69により搬送される検査対象物61の外観を順番に検査する。
【0057】
照明装置62が備える有機エレクトロルミネッセンス素子65の発光は、ハーフミラー71にて反射されて、検査対象物61であるボタン電池の表面に垂直に照射される。電池の表面にて反射された光は、ハーフミラー71を透過して撮像装置13に伝えられる。このように光を照射する照明装置は、一般に、同軸落射照明装置と呼ばれている。
【0058】
図4に示す検査装置60の場合、撮像装置13が撮像する検査対象物61の光学像は、検査対象物が明るく、そして背景が暗いものとなる。
【0059】
撮像装置13は、短波長の光が照射された検査対象物61の光学像を撮像したのち、この光学像に対応する画像データを出力する、そして、この画像データは、画像処理装置14に送られる。画像処理装置14は、撮像装置13が出力した画像データと参照データとを照合する。この照合により、検査対象物61であるボタン電池の外観、例えば、電池の直径あるいは表面の異物や傷などが検査される。
【0060】
検査装置60は、その照明装置62が備える有機エレクトロルミネッセンス素子65によってピーク波長が380nm以下の短波長の光を発生させ、これを検査対象物61の表面の全体に均一に照射することができる。このような短波長の光は可視光と較べて物体表面で散乱し易い性質を有しており、短波長の光が照射された検査対象物61の光学像にはその表面の微細な凹凸(異物や傷など)が鮮明に現れる。このため検査装置60は、得られた鮮明な光学像をもとにして、検査対象物61の外観を高い精度で検査することができる。
【0061】
検査装置60は、例えば、プリント配線板の表面に備えられた配線パターンの形状や配置などの検査にも用いることができる。例えば、配線パターンのランドの配置は、画像処理装置によりランドの中心位置を示すデータを算出し、このデータとランド中心の正しい位置を示すデータ(参照データ)と照合することにりより検査することができる。
【0062】
図6は、図4の検査装置60の(同軸落射)照明装置の別の構成例を示す断面図である。図6に示す同軸落射照明装置82は、上下方向に伸びる筒体81、筒体81の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ83a、83b、この一対の光学レンズの間にレンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー71、そして筒体81の側部に備えられ、ハーフミラー71の表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筒体81の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子15などから構成されている。
【0063】
同軸落射照明装置82には、図1の有機エレクトロルミネッセンス素子15が備えられている。すなわち有機エレクトロルミネッセンス素子15は、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有しており、ピーク波長が380nm以下の短波長の光を発生する。
【0064】
そして同軸落射照明装置82は、その筒体81の上端を図4の検査装置60の撮像装置13の側に向け、そして下端を検査対象物61の側に向けて配置される。また、同軸落射照明装置82は、例えば、その筒体81の上端に形成されたねじ部を用いて撮像装置13に固定される。
【0065】
同軸落射照明装置82を備える検査装置もまた、有機エレクトロルミネッセンス素子15により発生した短波長の光を検査対象物の全体に均一に照射して、得られた鮮明な光学像をもとにして検査対象物の外観を高い精度で検査することができる。
【0066】
図7は、図4の検査装置60の(同時落射)照明装置のさらに別の構成例を示す断面図である。図7に示す同軸落射照明装置92は、上下方向に伸びる筒体91、筒体91の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ83a、83b、筒体91の下側端部に固定された、前記のレンズの軸に沿って上下に開口が形成された筐体96、筐体96の内部に上記レンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー71、そして筐体96に収容され、ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筐体96の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子15などから構成されている。
【0067】
同軸落射照明装置92には、図1の有機エレクトロルミネッセンス素子15が備えられている。そして同軸落射照明装置92もまた、その筒体91の上端を図4の検査装置60の撮像装置13の側に向け、そして下端を検査対象物61の側に向けて配置される。
【0068】
図7の同軸落射照明装置92の構成は、一対の光学レンズ83a、83bを収容する筒体91の下側端部に、有機エレクトロルミネッセンス素子15及びハーフミラー71を収容する筐体96が固定されていること以外は図6の同軸落射照明装置82と同様である。
【0069】
筒体91と筐体96とは脱着可能とされていることが好ましい。これにより、筐体96、ハーフミラー71、そして有機エレクトロルミネッセンス素子15からなる光源部94を、各種の倍率の光学レンズが収容された筒体と組み合わせて使用することが出来るようになる。
【0070】
このような同軸落射照明装置を備える検査装置もまた、有機エレクトロルミネッセンス素子15により発生した短波長の光を検査対象物の全体に均一に照射して、得られた鮮明な光学像をもとにして検査対象物の外観を高い精度で検査することができる。
【0071】
図8は、本発明の検査装置の更に別の構成例とその使用の態様とを示す図である。そして図9は、図8の検査装置40の照明装置42と検査対象物41との配置を示す平面図である。
【0072】
図8の検査装置40の構成は、照明装置42が備える有機エレクトロルミネッセンス素子45の基板、透明陽電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び陰電極層のそれぞれが円環状の形状とされ、そして撮像装置13が前記の陰電極層の円環の透孔を通して検査対象物41の光学像を撮像するように配置されていること以外は図2の検査装置10と同様である。
【0073】
図8及び図9に示す検査対象物41は、圧着端子を製造するために用いられる金属部品(一般に、リードフレームと呼ばれる部品)である。検査対象物41は、検査対象物搬送具49に固定されている。搬送具49が図8に記入した矢印20の示す方向に移動すると、これと共に検査対象物41が搬送される。検査装置40は、搬送具49により搬送される検査対象物41の外観を順番に検査する。
【0074】
照明装置42が備える有機エレクトロルミネッセンス素子45の発光は、検査対象物41である金属部品に照射される。金属部品の表面にて反射された光は、有機エレクトロルミネッセンス素子45の陰電極層の円環の透孔を通って撮像装置13に伝わる。
【0075】
撮像装置13は、有機エレクトロルミネッセンス素子45の陰電極層の透孔を通して、短波長の光が照射された検査対象物41の光学像を撮像したのち、この光学像に対応する画像データを出力する、そして、この画像データは、画像処理装置14に送られる。画像処理装置14は、撮像装置13が出力した画像データと参照データとを照合する。この照合により、検査対象物41である金属部品の外観、例えば、部品の形状、寸法、異物や傷などが検査される。
【0076】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、その透明陽電極層と陰電極層とに挟まれた発光層部分(発光領域)が発光する。そして、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する透明陽電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び陰電極層のうち、少なくとも陰電極層を円環状に形成(すなわち発光領域を円環状に設定)することにより、発光素子が円環状の光を発生するようになる。
【0077】
このように陰電極層が円環状の形状に設定された有機エレクトロルミネッセンス素子45を備える環状の照明装置42は、検査対象物41に短波長の光を十分な量で照射することができる。このため撮像装置13により検査対象物41の鮮明な光学像が撮像されるため、検査の精度を更に向上させることができる。
【0078】
なお、陰電極層(さらには透明陽電極層、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、そして電子注入層)は、例えば、マスク法やフォトリソグラフィ法によるパターニングによって円環状に形成することができる。
【0079】
そして照明装置42は、その構成が簡単であるために小型化(特に、直径を小さくすること)が容易である。このため照明装置42を、例えば、図6に示すような一対の光学レンズを収容する筒体の下側端部に取り付けたり、筒体の内部の一対の光学レンズの間に配置することもできる。
【0080】
また、環状の照明装置42の発光を検査対象物41の表面に集光させるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の透明基板として、湾曲した透明基板、例えば、表面が球面、楕円面、もしくは放物面の一部を含む形状とされた透明基板(環状の形状でなくても良い)を用いることもできる。また、透明基板がその厚みを調節されて光学レンズを形成していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の検査装置に用いる有機エレクトロルミネッセンス素子の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の検査装置の構成例とその使用の態様とを示す図である。
【図3】図2の検査装置10の照明装置12と検査対象物11との配置を示す平面図である。
【図4】本発明の検査装置の別の構成例とその使用の態様とを示す図である。
【図5】図4の検査装置60の照明装置62と検査対象物との配置を示す平面図である。
【図6】図4の検査装置60の照明装置の別の構成例を示す断面図である。
【図7】図4の検査装置60の照明装置のさらに別の構成例を示す断面図である。
【図8】本発明の検査装置の更に別の構成例とその使用の態様とを示す図である。
【図9】図8の検査装置の照明装置と検査対象物との配置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0082】
10 検査装置
11 検査対象物
12 照明装置
13 撮像装置
14 画像処理装置
15 有機エレクトロルミネッセンス素子
16 ケース
17 駆動電圧制御装置
18 モニタ
19 検査対象物の搬送具
20 搬送具の移動方向
31 透明基板
32 透明陽電極層
33 正孔注入層
34 正孔輸送層
35 発光層
36 電子注入層
37 陰電極層
40 検査装置
41 検査対象物
42 照明装置
45 有機エレクトロルミネッセンス素子
46 ケース
49 検査対象物の搬送具
60 検査装置
61 検査対象物
61a 容器
62 照明装置
65 有機エレクトロルミネッセンス素子
66 ケース
69 検査対象物の搬送具
71 ハーフミラー
81 筒体
82 照明装置
83a、83b 光学レンズ
91 筒体
92 照明装置
94 光源部
95a、95b 開口
96 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物に光を照射する有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置、光照射された検査対象物の光学像を撮像して該光学像に対応する画像データを出力する撮像装置、および該画像データと参照データとの照合を行なう画像処理装置からなり、該有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観を検査する装置。
【請求項2】
照明装置と撮像装置とが検査対象物を挟むように対向配置されている請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
照明装置が有機エレクトロルミネッセンス素子とハーフミラーとから構成され、該ハーフミラーが有機エレクトロルミネッセンス素子の発光を反射して検査対象物に照射し、かつ検査対象物により反射された光を撮像装置に伝えるように配置されている請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
照明装置が、上下方向に伸びる筒体、該筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、該一対の光学レンズの間にレンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筒体の側部に備えられ、該ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筒体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子から構成され、そして該照明装置がその筒体の上端を撮像装置の側に向け、そして下端を検査対象物の側に向けて配置されている請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
照明装置が、上下方向に伸びる筒体、該筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、上記筒体の下側端部に固定された、該レンズの軸に沿って上下に開口が形成された筐体、該筐体内に上記レンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筐体に収容され、該ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筐体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子から構成され、そして該照明装置がその筒体の上端を撮像装置の側に向け、そして下端を検査対象物の側に向けて配置されている請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
照明装置が備える有機エレクトロルミネッセンス素子の陰電極層が円環状の形状にあり、そして撮像装置が該陰電極層の円環の透孔を通して検査対象物の光学像を撮像するように配置されている請求項1に記載の検査装置。
【請求項7】
上下方向に伸びる筒体、該筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、該一対の光学レンズの間にレンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筒体の側部に備えられ、該ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筒体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子からなり、該有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観検査装置用の同軸落射照明装置。
【請求項8】
上下方向に伸びる筒体、該筒体の内部に筒体の長さ方向に沿って互いに同軸に配置された一対の光学レンズ、上記筒体の下側端部に固定された、該レンズの軸に沿って上下に開口が形成された筐体、該筐体内に上記レンズの軸に対して表面を傾斜させて配置されたハーフミラー、そして上記筐体に収容され、該ハーフミラー表面での反射を介してレンズの軸と同軸に且つ筐体の下側方向に伝わる光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子からなり、該有機エレクトロルミネッセンス素子が、透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層がこの順に積層された構成を有していることを特徴とする検査対象物の外観検査装置用の同軸落射照明装置。
【請求項9】
透明基板上に、透明陽電極層、金属フッ化フタロシアニンを含む正孔注入層、カルバゾール化合物を含む正孔輸送層、バンドギャップが3.55eV以上の有機発光材料を含む発光層、そして陰電極層をこの順に積層してなる有機エレクトロルミネッセンス素子を備え、該陰電極層が円環状の形状にあることを特徴とする検査対象物の外観検査装置用の環状照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−275651(P2006−275651A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92817(P2005−92817)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【出願人】(500184626)株式会社アルゴル (5)
【Fターム(参考)】