検査情報管理サーバ及び検査情報管理方法
【課題】 工事の検査を検査員が現場で行ったかどうかを確認することができる検査情報管理サーバ及び検査情報管理方法を提供する。
【解決手段】 検査情報管理サーバ(1)は、電力会社(2)が指揮監督する土木又は建築工事の検査員(5)が操作する検査用端末(6)からネットワークを介して送信される検査データ(8)を記録管理するサーバである。本サーバ(1)は、検査データ(8)と共に送られる検査員(5)の位置データ(11)を工事現場(4)の位置データと照合し、その結果を出力する。
【解決手段】 検査情報管理サーバ(1)は、電力会社(2)が指揮監督する土木又は建築工事の検査員(5)が操作する検査用端末(6)からネットワークを介して送信される検査データ(8)を記録管理するサーバである。本サーバ(1)は、検査データ(8)と共に送られる検査員(5)の位置データ(11)を工事現場(4)の位置データと照合し、その結果を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事が設計図書等の基準通りに施工されたかどうかを調べる検査に関する。更に詳細には、この検査が、検査員によって現場で行われたことを確認する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発電所や変電所等の電力施設では、電力機器や構造物等の設備の異常の有無及びその内容を調べる点検が定期的又は緊急時に行われており、これらの設備の新規設置又は修繕の際には、工事が所定の基準どおりに施工されたかどうかを調べる検査が行われる。
【0003】
検査は、設計書や指示書の記載等の所定の基準どおりに工事が行われたかどうかを調べるため、検査方法及び判定基準が記載されたチェックシートに従って工事中又は工事完了後に検査員が適宜行う。
【0004】
下記特許文献1には、工事監理者が建築現場に出向かなくても簡単且つ迅速に、設計図書通りに工事が行われているかを検査することができる建築物の施工状況確認方法が記載されている。この技術では、検査員は、検査箇所を表す3次元画像と同じ画像が得られるように現場で検査箇所を撮影し、その画像をネットワークを介して管理サーバへ送信する。管理サーバ側では、オペレータが、建築物が仕様書通りに施工されているか否かを目視により確認するため予め作成した目視用3次元画像に、検査員が撮影した画像を照らし合わせて施工状況を確認する。
【0005】
【特許文献1】特開2004−78987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献の技術は、検査箇所を表す3次元画像及び目視用3次元画像を工事前に予め作成しなければならず、手間とコストが掛かる。また、工事監理者は現場に出向かなくてもよいが、検査箇所を撮影するだけのために検査員が現場へ出向かなければならないうえに、予め作成した3次元画像と同じ画像を撮影するのは困難である。
【0007】
更に、前述の電力施設で行われる検査の場合、同時期に複数の工事が重なることがあるうえに、検査項目の数が多いことを理由に、施工者自身が行った検査の結果を、現場以外の場所で検査員がチェックすることにより検査したものとみなす場合がある。この場合、施工者自身が行った検査の結果を信頼できるのかどうかという問題があるため、検査は、決められた検査員自身が現場へ出向いて行うことが望ましい。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、工事の検査を検査員が現場で行ったかどうかを確認することができる検査情報管理サーバ及び検査情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の検査情報管理サーバは、工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理するサーバであって、前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合し、その結果を出力することを特徴とする。尚、本発明でいうサーバには、ハードウェアとしてのコンピュータから成る装置のほか、コンピュータプログラムそれ自体をも含む。
【0010】
上記サーバの実施形態では、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標である。
【0011】
上記サーバの別の実施形態では、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事である。
【0012】
本発明の検査情報管理方法は、工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理する方法であって、前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合するステップと、その照合した結果を出力するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
上記方法の実施形態では、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標である。
【0014】
上記方法の別の実施形態では、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の検査情報管理サーバによれば、検査員が操作する端末からは、ネットワーク経由で検査結果と検査員の位置を表す位置情報が送信されるため、検査員の位置情報と工事現場の位置情報との照合結果を出力することにより、当該工事の検査が検査員によって現場で行われたかどうかを確認することができる。また、照合の結果、位置の不一致が認められた場合は、当該検査員に事情説明を求めることができる。
【0016】
また、検査員の位置情報としては、GPS受信部で求める座標を用いることができる。
【0017】
更に、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事の検査データを記録管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、実施例の検査情報管理サーバ1を用いて構成される検査情報管理システムを示す。
【0019】
この検査情報管理システムは、
電力会社(本社)2が指揮監督する土木又は建築工事の工事現場4で検査員5が操作する検査用端末(例えば、ノート型パソコン)6と、
電力会社2で保守管理され、検査用端末6からインターネット等の通信回線を介して接続可能な検査情報管理サーバ1
とを含んで構成される。
【0020】
検査員5は、工事が設計図書や仕様書等の基準通りに施工されたかどうかを工事現場4で検査し、検査結果7を検査用端末6に入力して検査データ8として検査情報管理サーバ1へ送信する。検査結果7は、例えば、検査日、検査時刻、異常の有無を表す結果コード、及びコメントで構成される。また、検査用端末6には、複数(例えば、3つ)のGPS(Global Positioning System)衛星9から送信される信号に基づいて、該信号を受信した位置の座標を逐次又は所定の時間間隔(例えば、5分間隔)で求め、それを出力するGPS受信部10が接続されている。このGPS受信部10で求めた座標、即ち検査員5の位置の座標を表す位置データ11も、検査結果7とともに、検査データ8として検査情報管理サーバ1側へ送信される。
【0021】
電力会社2側には、検査情報管理サーバ1のほかに、
検査情報管理サーバ1が検査用端末6から受信した検査データ8、検査員5の位置を工事現場4の位置と照合することにより検査が行われた場所(以下「検査現場」という)が工事現場4と一致するか否かを表すデータ、及びその他所定の事項で構成される管理情報13を提示する手段としてのモニタ14と、
検査情報管理サーバ1が検査用端末6から受信した検査データ8の内容に基づいて、WEBページ(htmlファイル)を作成してネットワーク上に公開するWWWサーバ15
が設けられている。
【0022】
HTML(Hyper Text Markup Language)は、例えば、インターネットで公開されるホームページ(WEBページ)の作成に用いられるプログラミング言語である。
【0023】
WWWサーバ15で作成されるWEBページの内容は、上記管理情報13の内容と同じでもよいが、例えば、検査員5の個人情報及び電力会社2の機密情報を含まない開示情報16として、管理情報13と区別するのが望ましい。このWEBページは、インターネットユーザである情報参照者(例えば、工事現場の地域住民等の当該工事に関心を持っている者など)18が、パソコン19や携帯電話機20等の情報端末からネットワークを介してWWWサーバ15にアクセスして閲覧することができる。
【0024】
また、電力会社2側のモニタ14で提示される管理情報13及びWWWサーバ15が開示する開示情報16には、検査用端末6から送信される検査データ8のほかに、工事名、工事現場名、検査種類、及び検査内容をそれぞれ含んでいる。工事名は、当該検査の対象である工事の名称であり、工事現場名は、当該工事が行われている現場(例えば、発電所など)の名称であり、検査種類は、工程途中に行う各種の中間検査や全工程終了時に行う工事完了時検査など、土木又は建築工事に必要とされうる検査のことであり、検査内容は、一の検査種類を選択した場合に、その検査に含まれる各検査工程の内容である。
【0025】
図2は、検査情報管理サーバ1及び検査用端末6の構成及び検査情報管理システム内での情報の流れを示す。
【0026】
検査情報管理サーバ1は、
ネットワークを介して外部との通信を行う通信部23と、
検査用端末6側へ送信するための検査方法及び判定基準を含む検査の指示情報(例えば、htmlファイル)を生成する指示情報生成部24と、
検査用端末6からネットワークを介して送信される検査データ8、指示情報生成部24で生成される指示情報の書式ファイル、及び後述のマスタファイル等の情報を格納するデータ格納部(例えば、メモリやハードディスクなど)25と、
検査用端末6から送信される検査データ8のうちGPS受信部10で求めたGPS受信部10(即ち検査員5)の位置を工事現場4の位置と照合し、その結果を出力する位置情報照合部27と、
検査データ8及び位置情報照合部27で求めた照合結果等の管理情報13を表すデータに基づいて、モニタ14で提示する管理ページ(例えば、htmlファイル)を生成する管理ページ生成部28と、
上記管理ページをモニタ14に表示させる情報閲覧部30と、
管理情報13のうち、予め決めた開示情報16を表すデータを取り出してWWWサーバ(World Wide Web Server)15へ送信する開示情報抽出部32と
で構成されている。
【0027】
WWWサーバ15は、上記機能を実現するハードウェアとしてのコンピュータ(装置)を表すほか、当該機能をハードウェア(コンピュータ)と協働して実現するためのソフトウェア自体、又はこの装置とソフトウェアの両方を表す。
【0028】
検査情報管理サーバ1は、一般的なWEBサーバソフトウェア(例えば、
「IIS」など)に基づいて動作し、検査用端末6側からの要求に応じて、指示情報生成部24を制御し、適宜の指示情報を生成させて検査用端末6側へ送信させる。
【0029】
検査情報管理サーバ1のデータ格納部25には、検査データ8及び書式ファイルのほかに、次のようなマスタファイル及びログファイルが格納されており、検査情報管理サーバ1内で行われる演算処理に用いられる。
【0030】
図3は、工事コード及び電力会社2が現在指揮管理している又は過去に行った工事の名称から成る工事マスタを示す。工事マスタは、例えば、電力会社2において新たに工事の計画が策定された時点で、それに関するデータを入力することにより更新される。
【0031】
図4は、現場コード、現在及び過去の工事現場の名称、及び各工事現場の範囲を多角形(例えば、四角形)に単純化して求めた角部の座標から成る現場マスタを示す。座標は、例えば、単純化した工事現場の範囲の角部ごとに求めた緯度(例えば、北緯「N」)及び経度(例えば、東経「E」)で表される。
【0032】
図5は、検査の種類及び検種コードから成る検種マスタを示す。検種マスタに格納される検査種類は、電力会社2で従来の検査の際に用いていた検査要領等に従って、決めることができる。
【0033】
図6は、検査員コード及び検査員名から成る検査員マスタを示す。図示の例では、検査員に関する情報は、氏名のみであるが、各検査員の所属部署や専門分野等の個人情報を格納することもできる。
【0034】
図7は、検査コード、検査内容、検査方法、及び判定基準から成る検査マスタを示す。検査マスタは、検査の種類ごとに作成され、具体的には、検種マスタ(図5)内の検種コードに対応付けられている。また、検査方法及び判定基準の欄に記載されたデータに含まれる「<BR>」は、WEBページ上の「改行」を表すhtmlである。
【0035】
図8は、検査用端末6からネットワークを介して送信される検査データ8及びこれに基づいて位置情報照合部27が求める照合結果等のデータを蓄積して構成されるログファイルを示す。ログファイルは、検査日、検査データ8の送信時を示す検査時刻、工事コード、現場コード、検種コード、GPS受信部10で求めた座標(緯度及び経度)、検査員コード、検査コード、検査結果(適合又は不適合のいずれかを表すデータ)、及びコメントで構成されている。検査情報管理サーバ1の管理ページ生成部28は、ログファイルを参照することにより、このログファイル中の任意の情報(レコード)を取り出し、書式ファイルに当て嵌めることにより適宜の管理ページ(htmlファイル)を作成することができる。
【0036】
検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24は、データ格納部25にある書式ファイルと適宜のマスタファイル(例えば、検査マスタ(図7))中のデータとを用いて、指示情報として、例えば、少なくとも検査内容、検査方法、及び判定基準を提示するWEBページ(htmlファイル)を生成する。また、検査マスタ中のデータを用いて指示情報を生成することにより、WEBページ上では「<BR>」が挿入された位置で文章が改行される。
【0037】
検査端末6側へ送信される指示情報(WEBページ)は、指示情報生成部24が、例えば、htmlファイルから成る書式(書式ページ)に、検査マスタ中の適宜のデータを挿入することにより作成することができる。或いは、指示情報生成部24が、適宜のマスタファイルを参照して得たデータに基づいて、指示情報を構成するデータのXML(Extensible Markup Language)ファイルを作成し、書式を指定するXSL(Extensible Stylesheet Language)ファイルに基づいて個別の指示情報(XMLファイル)を作成することもできる。個別の指示情報(XMLファイル)は、検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24がhtmlファイルに変換することもできるし、検査用端末6の情報閲覧部45で変換させるようにしてもよい。
【0038】
再び図2に戻り、WWWサーバ15は、
検査情報管理サーバ1の開示情報抽出部32から送信される開示情報16を表すデータに基づいて、WEBページ(htmlファイル)を生成するWEBページ生成部35と、
生成したWEBページを格納するデータ格納部(例えば、ハードディスク)37と、
ネットワークを介して外部との通信を行う通信部39と
で構成されている。
【0039】
WWWサーバ15は、一般的なWEBサーバソフトウェア(例えば、「IIS」など)に基づいて動作し、ネットワークを介して接続する情報参照者18からの要求に応じて、データ格納部37内の適宜のWEBページ(htmlファイル)を取り出して情報参照者18側へ送信する。
【0040】
検査用端末6は、
ネットワークを介して通信を行う通信部41と、
画像、映像、及び文字等の情報を表示する手段としてのモニタ43と、
検査情報管理サーバ1側から送信される指示情報(htmlファイル)をモニタ43上で閲覧させる情報閲覧部45と、
検査結果7その他任意のデータを入力することができる入力部(例えば、キーボード及びマウスなど)46と、
GPS受信部10から送信される信号を受信する通信部48と、
検査結果7及びGPS受信部10から送信される位置データ11を検査データ8として検査情報管理サーバ1側へ同時に送信するように制御する通信制御部49と
で構成されている。
【0041】
ネットワークを介して通信を行う通信部41は、例えば、工事現場4の通信設備の事情に応じて、無線通信可能なカード型のアンテナやLANケーブル等を装着することにより、ネットワークを介して検査情報管理サーバ1との間で通信を行うことができる。
【0042】
情報閲覧部45としては、検査情報管理サーバ1側が指示情報をXMLファイルのまま送信する構成になっている場合、当該ファイルをhtmlファイルに変換する機能を備えたものを採用するのがよい。
【0043】
図9は、実施例の検査情報管理方法のフローチャートを示す。更に詳細には、このフローチャートは、検査情報管理サーバ1内で行われる情報処理の流れを示す。
【0044】
まず、検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24は、検査用端末6側からネットワークを介して指示情報の送信要求があるまで待機する(ステップ[以下、STと表記する]1)。指示情報の送信要求は、例えば、工事現場4で検査員5が検査用端末6を操作して、ネットワークを介して検査情報管理サーバ1へアクセスし、予めデータ格納部25に格納しておいた指示情報提示用のWEBページ(htmlファイル)を通じて行うことができる。具体的には、検査情報管理サーバ1へアクセスすると、検査用端末6のモニタ43には、図10に示す指示情報要求画面(トップページ)51が表示される。
【0045】
指示情報要求画面51は、
検査情報管理サーバ1側から送信される指示情報の内容を提示する指示情報表示欄53と、
検査情報管理サーバ1の指示情報生成部23が参照すべき検査マスタ(図7)を特定するキーワードとなる工事現場4で現在施工中の工事名、工事現場4の現場名、及び実施予定の検査の種類に関するデータを入力するための検索情報入力欄54と
で構成されている。
【0046】
指示情報要求画面(トップページ)51が表示されている間は、未だ検査情報管理サーバ1側から指示情報が送信されていないため、指示情報表示欄53には、検査情報管理サーバ1側に対し指示情報を要求すべき旨が提示されている。
【0047】
検索情報入力欄54には、
工事現場4で施工中の工事の名称を特定する工事コードを入力する工事コード入力ボックス56と、
工事現場4の現場名を特定する現場コードを入力する現場コード入力ボックス57と、
実施予定の検査の種類を選択することができる検種リストボックス59と、
実施予定の検査を行う検査員を特定する検査員コード入力ボックス60と、
押下されることにより、上記各ボックス56,57,60及びリストボックス59で入力されたデータとともに、指示情報の送信を要求するメッセージを検査情報管理サーバ1側へ送信する指示情報要求ボタン62と
で構成されている。
【0048】
検査員は、検査端末6の入力部46を操作し、指示情報要求画面51の検索情報入力欄54に上記各データを入力し、指示情報要求ボタン62を押下すると、入力されたデータ及び指示情報の送信を要求するメッセージが検査情報管理サーバ1側へ送信される。検査情報管理サーバ1側では、これを受信すると、指示情報生成部24が、当該指示情報の要求が最初の送信要求であるかどうかを判別し(ST2)、当該判別結果が“YES”、即ち最初の送信要求だった場合、当該要求に応じた指示情報(htmlファイル)を生成して検査端末6へ送信する(ST3)。具体的には、指示情報生成部24は、検査端末6側から送信されたデータが、指示情報要求画面51で入力されたデータである、即ち検査結果8及び位置データ11から成る検査データではない場合、最初の送信要求メッセージとして取り扱うことができる。また、最初又は第二回目以降の区別は、検査の種類ごとになされるものとし、複数種類の検査を連続して行う場合であっても、各種類の検査に関する最初の指示情報の送信要求は、それぞれ「最初」の要求として取り扱うのがよい。
【0049】
そして、検査用端末6側では、最初の指示情報を受信すると、図11に例示する指示情報提示画面65がモニタ43に表示される。指示情報提示画面65は、前述の指示情報表示欄53(図10)のほかに、現在時刻、検査対象の工事名、当該工事現場の名称、当該検査の種類等の実施予定の検査に関する情報を提示するとともに、検査員5が検査結果7を入力するための検査結果入力欄67が設けられている。
【0050】
指示情報提示画面65を構成する指示情報(htmlファイル)の作成方法について説明する。
【0051】
まず、指示情報生成部24は、検査端末6側から送信されたデータのうち、
工事コードを工事マスタ(図3)と照合して検査対象の工事の名称を表すデータを取得し、
現場コードを現場マスタ(図4)と照合して工事現場4の名称を表すデータを取得し、
検査種類を検種マスタ(図5)と照合して実施予定の検査の種類に対応する検種コードを取得するとともに、検種コードに対応する検査マスタ(図7)をデータ格納部25内で選び、最も若い検査コード(例えば、0001など)の行にあるデータ(レコード)を取得し、
検査員コードを検査員マスタ(図6)と照合して検査を行う検査員の氏名を表すデータを取得し、
取得したこれらのデータを、予めデータ格納部25に格納しておいた書式ページ(例えば、htmlファイル)に当て嵌めることにより、検査端末6側へ送信すべき態様の指示情報(htmlファイル)を作成することができる。
【0052】
更に詳細には、上記取得したデータのうち、検査マスタ(図7)から取得したデータは、指示情報提示画面65の指示情報表示欄53に表示される。また、工事名、工事現場、検査種類、及び検査員を表すデータは、検査結果入力欄67に表示される。更に、検査結果入力欄67には、上記データのほかに、検査日及び検査時刻が、検査用端末6に内蔵された時計(図示せず)から読み込まれて表示されるとともに、工事の施工状況が判定基準に適合するか又は不適合だったか(検査の結果)を選択するラジオボタン69a,69b、検査時に気付いた事項等のコメントを記入することができるコメント入力ボックス70、及び押下することにより検査結果7、位置データ11並びに次の指示情報の送信要求メッセージを送信する検査データ送信ボタン72が配置されている。尚、座標(N)及び座標(E)は、「計測中」と表示されているが、検査端末6に接続されたGPS受信部10で求めた座標データを検査員5が勝手に変更する等のトラブルを考慮し、指示情報表示欄53には表示させないこととしたためである。
【0053】
工事現場4では、検査員5は、検査用端末6のモニタ43に指示情報提示画面65(図11)が表示されると、指示情報表示欄53に提示された検査内容、検査方法、及び判定基準に従って検査を行い、当該工事が判定基準を満たすように施工されているかどうかを確認する。そして、検査員5は、指示情報どおりに検査をした後に、検査用端末6の入力部46を操作して、指示情報提示画面65の検査結果入力欄67内にある検査の結果を表す一対のラジオボタン69a,69bのいずれかを選択(例えば、マウスでクリック)し、必要であれば検査中に気付いた点や検査の結果が不適合となった理由等のコメントをコメント入力欄70に入力して検査データ送信ボタン72を押す(例えば、マウスでクリックする)。
【0054】
指示情報提示画面65上で検査データ送信ボタン72が押下されると、検査用端末6の通信制御部49は、GPS受信部10から送信された最新の位置データ11(座標データ)を検査情報管理サーバ1側へ送信する。これにより、検査データ8(図1)を構成する検査結果7及び位置データ11と次の指示情報の送信要求メッセージが同時(又は、ほぼ同時)に検査情報管理サーバ1側へ送信される。具体的には、検査情報管理サーバ1側へ送信される検査データ8は、検査日、検査時刻、検査の判定結果を示す結果コード及びコメントから成る検査結果7と、GPS受信部10で求めた座標(例えば、緯度及び経度)から成る位置データ11で構成されている。
【0055】
検査情報管理サーバ1側では、検査用端末6からネットワークを介して送信される検査データ8及び送信要求メッセージを受信すると、指示情報生成部24は、当該送信要求が何回目の要求であるかを判断し、当該要求(ここでは第2回目の要求)に応じた指示情報(htmlファイル)を生成して検査用端末6側へ送信する(ST3)。第2回目以降の指示情報は、指示情報生成部24が、当該検査に関する検査マスタ(図7)を参照し、直前に送信した指示情報を表すデータ(レコード)に含まれる検査コードの次のコード(例えば、値の1つ大きいコード)を選び、その選んだ検査コードと同じ行のデータ(レコード)に基づいて生成される。
【0056】
指示情報生成部24は、検査用端末6側へ指示情報を送信すると、上記送信要求メッセージが初回のものだったかどうかを判別し(ST2)、当該判別が“NO”、即ち第2回目以降の送信要求だった場合、検査データ8を位置情報照合部27へ送る。
【0057】
位置情報照合部27は、その検査データ8に含まれるGPS受信部10で求めた座標が、工事現場4内にあるか否かを求める(ST4)。具体的には、位置情報照合部27は、現場マスタ(図4)のうち検査対象である工事現場4に関するデータ(レコード)を参照し、当該工事現場4の範囲を四角形に単純化して求めた四隅の座標と、検査データ8に含まれる座標とを照合し、検査データ8に含まれる座標が工事現場4の内側にあるかどうかを求める。この場合、GPS受信部10の演算誤差を考慮し、検査データ8に含まれる座標が、工事現場4の外側の所定幅(例えば、100m)の範囲内にある場合、工事現場4の内側にあるものとして取り扱うことができる。或いは、現場マスタ内の各工事現場の座標を、予め上記所定幅を考慮した値にしておくことも可能である。
【0058】
位置情報照合部27は、検査データ8に含まれる座標と工事現場4の座標との照合結果を求めた後、この照合結果及び検査データ8その他必要な事項で構成されるログデータをデータ格納部25内のログファイル(図8)に書き込んでログファイルを更新するとともに(ST5)、管理情報(htmlファイル)13を表すデータ(例えば、ログデータと同じ内容のもの)を管理ページ生成部28へ送る。
【0059】
また、位置情報照合部27は、管理情報13を作成するためのデータと同じデータを開示情報抽出部32へ送り、開示情報抽出部32が、このデータから検査員5の個人情報及び電力会社2の機密情報等の所定の事項を除いた開示情報16をWWWサーバ15へ送信する(通信部は省略)。WWWサーバ15側では、開示情報16を受信すると、これに基づいて開示情報のWEBページ(htmlファイル)を生成し、データ格納部37に格納する。
【0060】
WWWサーバ1のデータ格納部37に格納されるWEBページには、電力会社2が指揮監督する工事の検査に関する情報が含まれており、特に、GPS受信部10で求めた座標が工事現場4の範囲内にあるかどうかに基づいて、当該工事の検査が当該検査員によって現場で行われたどうかという事項が開示される点が特徴的である。これにより、工事現場4の近隣住民等の情報参照者18は、パソコン19や携帯電話機20で、関心のある工事の施工状況を確認することができる。
【0061】
一方、検査情報管理サーバ1側では、管理ページ生成部28は、位置情報照合部27から送られるデータに基づいて管理情報(htmlファイル)13を生成し(ST7)、情報閲覧部30がこれをモニタ14に表示させる(ST8)。検査情報管理サーバ1のモニタ14においても、検査データ8等から成る管理情報13を確認することができ、当該工事の検査が当該検査員によって現場で行われたどうかを逐次チェックすることができる。
【0062】
次に、指示情報生成部24は、検査が終了したかどうかを判別し(ST9)、当該判別結果が“NO”、即ちまだ検査が終了していない場合、次の指示情報(htmlファイル)を生成し、検査用端末6側へ送信し(ST3)、再びST1へ移る。検査が終了したかどうかの判別は、例えば、指示情報生成部24が直前に生成して送信した指示情報が、検査マスタ(図7)の最後の検査コードを含む列のデータ(レコード)に基づいて生成されたものであるか否かを識別することにより行われる。
【0063】
一方、ST9の判別結果が“YES”、即ち当該検査に関する全工程が終了した場合、検査用端末6側に対し次に送信すべき指示情報がないので、これの代わりに検査が終了した旨のメッセージ(例えば、htmlファイル)を生成し、検査用端末6側へ送信する(ST10)。検査用端末6側では、当該メッセージが表示部43に表示され、検査員5は、検査が終了したことを認識することができる。また、連続して当該工事に関する別の検査を行う場合、再び指示情報要求画面(トップページ、図10参照)51へ移り、検索情報入力欄54内に所定の事項に関するデータを入力し、検査情報管理サーバ1へ送信すればよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限られず、検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24が検査の指示情報としてWEBページ(htmlファイル)を作成する機能を、検査用端末6内に設け、検査用端末6が自ら指示情報(htmlファイル)を生成し、モニタ43に提示することも可能である。
【0065】
また、検査用端末1にアクセス可能な者を、ID情報の下で制限することができる。この場合、例えば、検査情報管理サーバ1に最初にアクセスしたとき、指示情報生成部24が認証情報としてのログインIDとパスワードを入力させる画面(例えば、htmlファイル)を生成して送信し、認証がとれた後に指示情報要求画面51(図10)を送信するような構成にしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施例の検査情報管理サーバを用いて構成される検査情報管理システムを示す図。
【図2】検査情報管理サーバ及び検査用端末の構成及び検査情報管理システム内での情報の流れを示す図。
【図3】工事コード及び電力会社が現在指揮管理している又は過去に行った工事の名称から成る工事マスタ。
【図4】現場コード、現在及び過去の工事の現場の名称、及び各工事現場の範囲を四角形に単純化して求めた角部の座標から成る現場マスタ。
【図5】検査の種類及び検種コードから成る検種マスタ。
【図6】検査員コード及び検査員名から成る検査員マスタ。
【図7】検査コード、検査内容、検査方法、及び判定基準から成る検査マスタ。
【図8】検査データ及びこれに基づいて位置情報照合部が求める照合結果等のデータを蓄積して構成されるログファイル。
【図9】実施例の検査情報管理方法のフローチャート。
【図10】検査用端末のモニタに表示される指示情報要求画面を示す図。
【図11】検査用端末のモニタに表示される指示情報提示画面を示す図。
【符号の説明】
【0067】
1…検査情報管理サーバ、2…電力会社、4…工事現場、5…検査員、6…検査用端末、7…検査結果、8…検査データ、9…GPS衛星、10…GPS受信部、11…位置データ、13…管理情報、14,43…モニタ、15…WWWサーバ、16…開示情報、18…情報参照者、19…パソコン、20…携帯電話機、23,39,41,48…通信部、24…指示情報生成部、25,37…データ格納部、27…位置情報照合部、28…管理ページ生成部、30,45…情報閲覧部、32…開示情報抽出部、35…WEBページ生成部、46…入力部、49…通信制御部、51…指示情報要求画面、53…指示情報表示欄、54…検索情報入力欄、56…工事コード入力ボックス、57…現場コード入力ボックス、59…検種リストボックス、60…検査員コード入力ボックス、62…指示情報要求ボタン、65…指示情報提示画面、67…検査結果入力欄、69a,69b…ラジオボタン、70…コメント入力ボックス、72…検査データ送信ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事が設計図書等の基準通りに施工されたかどうかを調べる検査に関する。更に詳細には、この検査が、検査員によって現場で行われたことを確認する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発電所や変電所等の電力施設では、電力機器や構造物等の設備の異常の有無及びその内容を調べる点検が定期的又は緊急時に行われており、これらの設備の新規設置又は修繕の際には、工事が所定の基準どおりに施工されたかどうかを調べる検査が行われる。
【0003】
検査は、設計書や指示書の記載等の所定の基準どおりに工事が行われたかどうかを調べるため、検査方法及び判定基準が記載されたチェックシートに従って工事中又は工事完了後に検査員が適宜行う。
【0004】
下記特許文献1には、工事監理者が建築現場に出向かなくても簡単且つ迅速に、設計図書通りに工事が行われているかを検査することができる建築物の施工状況確認方法が記載されている。この技術では、検査員は、検査箇所を表す3次元画像と同じ画像が得られるように現場で検査箇所を撮影し、その画像をネットワークを介して管理サーバへ送信する。管理サーバ側では、オペレータが、建築物が仕様書通りに施工されているか否かを目視により確認するため予め作成した目視用3次元画像に、検査員が撮影した画像を照らし合わせて施工状況を確認する。
【0005】
【特許文献1】特開2004−78987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献の技術は、検査箇所を表す3次元画像及び目視用3次元画像を工事前に予め作成しなければならず、手間とコストが掛かる。また、工事監理者は現場に出向かなくてもよいが、検査箇所を撮影するだけのために検査員が現場へ出向かなければならないうえに、予め作成した3次元画像と同じ画像を撮影するのは困難である。
【0007】
更に、前述の電力施設で行われる検査の場合、同時期に複数の工事が重なることがあるうえに、検査項目の数が多いことを理由に、施工者自身が行った検査の結果を、現場以外の場所で検査員がチェックすることにより検査したものとみなす場合がある。この場合、施工者自身が行った検査の結果を信頼できるのかどうかという問題があるため、検査は、決められた検査員自身が現場へ出向いて行うことが望ましい。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、工事の検査を検査員が現場で行ったかどうかを確認することができる検査情報管理サーバ及び検査情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の検査情報管理サーバは、工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理するサーバであって、前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合し、その結果を出力することを特徴とする。尚、本発明でいうサーバには、ハードウェアとしてのコンピュータから成る装置のほか、コンピュータプログラムそれ自体をも含む。
【0010】
上記サーバの実施形態では、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標である。
【0011】
上記サーバの別の実施形態では、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事である。
【0012】
本発明の検査情報管理方法は、工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理する方法であって、前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合するステップと、その照合した結果を出力するステップとを含むことを特徴とする。
【0013】
上記方法の実施形態では、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標である。
【0014】
上記方法の別の実施形態では、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の検査情報管理サーバによれば、検査員が操作する端末からは、ネットワーク経由で検査結果と検査員の位置を表す位置情報が送信されるため、検査員の位置情報と工事現場の位置情報との照合結果を出力することにより、当該工事の検査が検査員によって現場で行われたかどうかを確認することができる。また、照合の結果、位置の不一致が認められた場合は、当該検査員に事情説明を求めることができる。
【0016】
また、検査員の位置情報としては、GPS受信部で求める座標を用いることができる。
【0017】
更に、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事の検査データを記録管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、実施例の検査情報管理サーバ1を用いて構成される検査情報管理システムを示す。
【0019】
この検査情報管理システムは、
電力会社(本社)2が指揮監督する土木又は建築工事の工事現場4で検査員5が操作する検査用端末(例えば、ノート型パソコン)6と、
電力会社2で保守管理され、検査用端末6からインターネット等の通信回線を介して接続可能な検査情報管理サーバ1
とを含んで構成される。
【0020】
検査員5は、工事が設計図書や仕様書等の基準通りに施工されたかどうかを工事現場4で検査し、検査結果7を検査用端末6に入力して検査データ8として検査情報管理サーバ1へ送信する。検査結果7は、例えば、検査日、検査時刻、異常の有無を表す結果コード、及びコメントで構成される。また、検査用端末6には、複数(例えば、3つ)のGPS(Global Positioning System)衛星9から送信される信号に基づいて、該信号を受信した位置の座標を逐次又は所定の時間間隔(例えば、5分間隔)で求め、それを出力するGPS受信部10が接続されている。このGPS受信部10で求めた座標、即ち検査員5の位置の座標を表す位置データ11も、検査結果7とともに、検査データ8として検査情報管理サーバ1側へ送信される。
【0021】
電力会社2側には、検査情報管理サーバ1のほかに、
検査情報管理サーバ1が検査用端末6から受信した検査データ8、検査員5の位置を工事現場4の位置と照合することにより検査が行われた場所(以下「検査現場」という)が工事現場4と一致するか否かを表すデータ、及びその他所定の事項で構成される管理情報13を提示する手段としてのモニタ14と、
検査情報管理サーバ1が検査用端末6から受信した検査データ8の内容に基づいて、WEBページ(htmlファイル)を作成してネットワーク上に公開するWWWサーバ15
が設けられている。
【0022】
HTML(Hyper Text Markup Language)は、例えば、インターネットで公開されるホームページ(WEBページ)の作成に用いられるプログラミング言語である。
【0023】
WWWサーバ15で作成されるWEBページの内容は、上記管理情報13の内容と同じでもよいが、例えば、検査員5の個人情報及び電力会社2の機密情報を含まない開示情報16として、管理情報13と区別するのが望ましい。このWEBページは、インターネットユーザである情報参照者(例えば、工事現場の地域住民等の当該工事に関心を持っている者など)18が、パソコン19や携帯電話機20等の情報端末からネットワークを介してWWWサーバ15にアクセスして閲覧することができる。
【0024】
また、電力会社2側のモニタ14で提示される管理情報13及びWWWサーバ15が開示する開示情報16には、検査用端末6から送信される検査データ8のほかに、工事名、工事現場名、検査種類、及び検査内容をそれぞれ含んでいる。工事名は、当該検査の対象である工事の名称であり、工事現場名は、当該工事が行われている現場(例えば、発電所など)の名称であり、検査種類は、工程途中に行う各種の中間検査や全工程終了時に行う工事完了時検査など、土木又は建築工事に必要とされうる検査のことであり、検査内容は、一の検査種類を選択した場合に、その検査に含まれる各検査工程の内容である。
【0025】
図2は、検査情報管理サーバ1及び検査用端末6の構成及び検査情報管理システム内での情報の流れを示す。
【0026】
検査情報管理サーバ1は、
ネットワークを介して外部との通信を行う通信部23と、
検査用端末6側へ送信するための検査方法及び判定基準を含む検査の指示情報(例えば、htmlファイル)を生成する指示情報生成部24と、
検査用端末6からネットワークを介して送信される検査データ8、指示情報生成部24で生成される指示情報の書式ファイル、及び後述のマスタファイル等の情報を格納するデータ格納部(例えば、メモリやハードディスクなど)25と、
検査用端末6から送信される検査データ8のうちGPS受信部10で求めたGPS受信部10(即ち検査員5)の位置を工事現場4の位置と照合し、その結果を出力する位置情報照合部27と、
検査データ8及び位置情報照合部27で求めた照合結果等の管理情報13を表すデータに基づいて、モニタ14で提示する管理ページ(例えば、htmlファイル)を生成する管理ページ生成部28と、
上記管理ページをモニタ14に表示させる情報閲覧部30と、
管理情報13のうち、予め決めた開示情報16を表すデータを取り出してWWWサーバ(World Wide Web Server)15へ送信する開示情報抽出部32と
で構成されている。
【0027】
WWWサーバ15は、上記機能を実現するハードウェアとしてのコンピュータ(装置)を表すほか、当該機能をハードウェア(コンピュータ)と協働して実現するためのソフトウェア自体、又はこの装置とソフトウェアの両方を表す。
【0028】
検査情報管理サーバ1は、一般的なWEBサーバソフトウェア(例えば、
「IIS」など)に基づいて動作し、検査用端末6側からの要求に応じて、指示情報生成部24を制御し、適宜の指示情報を生成させて検査用端末6側へ送信させる。
【0029】
検査情報管理サーバ1のデータ格納部25には、検査データ8及び書式ファイルのほかに、次のようなマスタファイル及びログファイルが格納されており、検査情報管理サーバ1内で行われる演算処理に用いられる。
【0030】
図3は、工事コード及び電力会社2が現在指揮管理している又は過去に行った工事の名称から成る工事マスタを示す。工事マスタは、例えば、電力会社2において新たに工事の計画が策定された時点で、それに関するデータを入力することにより更新される。
【0031】
図4は、現場コード、現在及び過去の工事現場の名称、及び各工事現場の範囲を多角形(例えば、四角形)に単純化して求めた角部の座標から成る現場マスタを示す。座標は、例えば、単純化した工事現場の範囲の角部ごとに求めた緯度(例えば、北緯「N」)及び経度(例えば、東経「E」)で表される。
【0032】
図5は、検査の種類及び検種コードから成る検種マスタを示す。検種マスタに格納される検査種類は、電力会社2で従来の検査の際に用いていた検査要領等に従って、決めることができる。
【0033】
図6は、検査員コード及び検査員名から成る検査員マスタを示す。図示の例では、検査員に関する情報は、氏名のみであるが、各検査員の所属部署や専門分野等の個人情報を格納することもできる。
【0034】
図7は、検査コード、検査内容、検査方法、及び判定基準から成る検査マスタを示す。検査マスタは、検査の種類ごとに作成され、具体的には、検種マスタ(図5)内の検種コードに対応付けられている。また、検査方法及び判定基準の欄に記載されたデータに含まれる「<BR>」は、WEBページ上の「改行」を表すhtmlである。
【0035】
図8は、検査用端末6からネットワークを介して送信される検査データ8及びこれに基づいて位置情報照合部27が求める照合結果等のデータを蓄積して構成されるログファイルを示す。ログファイルは、検査日、検査データ8の送信時を示す検査時刻、工事コード、現場コード、検種コード、GPS受信部10で求めた座標(緯度及び経度)、検査員コード、検査コード、検査結果(適合又は不適合のいずれかを表すデータ)、及びコメントで構成されている。検査情報管理サーバ1の管理ページ生成部28は、ログファイルを参照することにより、このログファイル中の任意の情報(レコード)を取り出し、書式ファイルに当て嵌めることにより適宜の管理ページ(htmlファイル)を作成することができる。
【0036】
検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24は、データ格納部25にある書式ファイルと適宜のマスタファイル(例えば、検査マスタ(図7))中のデータとを用いて、指示情報として、例えば、少なくとも検査内容、検査方法、及び判定基準を提示するWEBページ(htmlファイル)を生成する。また、検査マスタ中のデータを用いて指示情報を生成することにより、WEBページ上では「<BR>」が挿入された位置で文章が改行される。
【0037】
検査端末6側へ送信される指示情報(WEBページ)は、指示情報生成部24が、例えば、htmlファイルから成る書式(書式ページ)に、検査マスタ中の適宜のデータを挿入することにより作成することができる。或いは、指示情報生成部24が、適宜のマスタファイルを参照して得たデータに基づいて、指示情報を構成するデータのXML(Extensible Markup Language)ファイルを作成し、書式を指定するXSL(Extensible Stylesheet Language)ファイルに基づいて個別の指示情報(XMLファイル)を作成することもできる。個別の指示情報(XMLファイル)は、検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24がhtmlファイルに変換することもできるし、検査用端末6の情報閲覧部45で変換させるようにしてもよい。
【0038】
再び図2に戻り、WWWサーバ15は、
検査情報管理サーバ1の開示情報抽出部32から送信される開示情報16を表すデータに基づいて、WEBページ(htmlファイル)を生成するWEBページ生成部35と、
生成したWEBページを格納するデータ格納部(例えば、ハードディスク)37と、
ネットワークを介して外部との通信を行う通信部39と
で構成されている。
【0039】
WWWサーバ15は、一般的なWEBサーバソフトウェア(例えば、「IIS」など)に基づいて動作し、ネットワークを介して接続する情報参照者18からの要求に応じて、データ格納部37内の適宜のWEBページ(htmlファイル)を取り出して情報参照者18側へ送信する。
【0040】
検査用端末6は、
ネットワークを介して通信を行う通信部41と、
画像、映像、及び文字等の情報を表示する手段としてのモニタ43と、
検査情報管理サーバ1側から送信される指示情報(htmlファイル)をモニタ43上で閲覧させる情報閲覧部45と、
検査結果7その他任意のデータを入力することができる入力部(例えば、キーボード及びマウスなど)46と、
GPS受信部10から送信される信号を受信する通信部48と、
検査結果7及びGPS受信部10から送信される位置データ11を検査データ8として検査情報管理サーバ1側へ同時に送信するように制御する通信制御部49と
で構成されている。
【0041】
ネットワークを介して通信を行う通信部41は、例えば、工事現場4の通信設備の事情に応じて、無線通信可能なカード型のアンテナやLANケーブル等を装着することにより、ネットワークを介して検査情報管理サーバ1との間で通信を行うことができる。
【0042】
情報閲覧部45としては、検査情報管理サーバ1側が指示情報をXMLファイルのまま送信する構成になっている場合、当該ファイルをhtmlファイルに変換する機能を備えたものを採用するのがよい。
【0043】
図9は、実施例の検査情報管理方法のフローチャートを示す。更に詳細には、このフローチャートは、検査情報管理サーバ1内で行われる情報処理の流れを示す。
【0044】
まず、検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24は、検査用端末6側からネットワークを介して指示情報の送信要求があるまで待機する(ステップ[以下、STと表記する]1)。指示情報の送信要求は、例えば、工事現場4で検査員5が検査用端末6を操作して、ネットワークを介して検査情報管理サーバ1へアクセスし、予めデータ格納部25に格納しておいた指示情報提示用のWEBページ(htmlファイル)を通じて行うことができる。具体的には、検査情報管理サーバ1へアクセスすると、検査用端末6のモニタ43には、図10に示す指示情報要求画面(トップページ)51が表示される。
【0045】
指示情報要求画面51は、
検査情報管理サーバ1側から送信される指示情報の内容を提示する指示情報表示欄53と、
検査情報管理サーバ1の指示情報生成部23が参照すべき検査マスタ(図7)を特定するキーワードとなる工事現場4で現在施工中の工事名、工事現場4の現場名、及び実施予定の検査の種類に関するデータを入力するための検索情報入力欄54と
で構成されている。
【0046】
指示情報要求画面(トップページ)51が表示されている間は、未だ検査情報管理サーバ1側から指示情報が送信されていないため、指示情報表示欄53には、検査情報管理サーバ1側に対し指示情報を要求すべき旨が提示されている。
【0047】
検索情報入力欄54には、
工事現場4で施工中の工事の名称を特定する工事コードを入力する工事コード入力ボックス56と、
工事現場4の現場名を特定する現場コードを入力する現場コード入力ボックス57と、
実施予定の検査の種類を選択することができる検種リストボックス59と、
実施予定の検査を行う検査員を特定する検査員コード入力ボックス60と、
押下されることにより、上記各ボックス56,57,60及びリストボックス59で入力されたデータとともに、指示情報の送信を要求するメッセージを検査情報管理サーバ1側へ送信する指示情報要求ボタン62と
で構成されている。
【0048】
検査員は、検査端末6の入力部46を操作し、指示情報要求画面51の検索情報入力欄54に上記各データを入力し、指示情報要求ボタン62を押下すると、入力されたデータ及び指示情報の送信を要求するメッセージが検査情報管理サーバ1側へ送信される。検査情報管理サーバ1側では、これを受信すると、指示情報生成部24が、当該指示情報の要求が最初の送信要求であるかどうかを判別し(ST2)、当該判別結果が“YES”、即ち最初の送信要求だった場合、当該要求に応じた指示情報(htmlファイル)を生成して検査端末6へ送信する(ST3)。具体的には、指示情報生成部24は、検査端末6側から送信されたデータが、指示情報要求画面51で入力されたデータである、即ち検査結果8及び位置データ11から成る検査データではない場合、最初の送信要求メッセージとして取り扱うことができる。また、最初又は第二回目以降の区別は、検査の種類ごとになされるものとし、複数種類の検査を連続して行う場合であっても、各種類の検査に関する最初の指示情報の送信要求は、それぞれ「最初」の要求として取り扱うのがよい。
【0049】
そして、検査用端末6側では、最初の指示情報を受信すると、図11に例示する指示情報提示画面65がモニタ43に表示される。指示情報提示画面65は、前述の指示情報表示欄53(図10)のほかに、現在時刻、検査対象の工事名、当該工事現場の名称、当該検査の種類等の実施予定の検査に関する情報を提示するとともに、検査員5が検査結果7を入力するための検査結果入力欄67が設けられている。
【0050】
指示情報提示画面65を構成する指示情報(htmlファイル)の作成方法について説明する。
【0051】
まず、指示情報生成部24は、検査端末6側から送信されたデータのうち、
工事コードを工事マスタ(図3)と照合して検査対象の工事の名称を表すデータを取得し、
現場コードを現場マスタ(図4)と照合して工事現場4の名称を表すデータを取得し、
検査種類を検種マスタ(図5)と照合して実施予定の検査の種類に対応する検種コードを取得するとともに、検種コードに対応する検査マスタ(図7)をデータ格納部25内で選び、最も若い検査コード(例えば、0001など)の行にあるデータ(レコード)を取得し、
検査員コードを検査員マスタ(図6)と照合して検査を行う検査員の氏名を表すデータを取得し、
取得したこれらのデータを、予めデータ格納部25に格納しておいた書式ページ(例えば、htmlファイル)に当て嵌めることにより、検査端末6側へ送信すべき態様の指示情報(htmlファイル)を作成することができる。
【0052】
更に詳細には、上記取得したデータのうち、検査マスタ(図7)から取得したデータは、指示情報提示画面65の指示情報表示欄53に表示される。また、工事名、工事現場、検査種類、及び検査員を表すデータは、検査結果入力欄67に表示される。更に、検査結果入力欄67には、上記データのほかに、検査日及び検査時刻が、検査用端末6に内蔵された時計(図示せず)から読み込まれて表示されるとともに、工事の施工状況が判定基準に適合するか又は不適合だったか(検査の結果)を選択するラジオボタン69a,69b、検査時に気付いた事項等のコメントを記入することができるコメント入力ボックス70、及び押下することにより検査結果7、位置データ11並びに次の指示情報の送信要求メッセージを送信する検査データ送信ボタン72が配置されている。尚、座標(N)及び座標(E)は、「計測中」と表示されているが、検査端末6に接続されたGPS受信部10で求めた座標データを検査員5が勝手に変更する等のトラブルを考慮し、指示情報表示欄53には表示させないこととしたためである。
【0053】
工事現場4では、検査員5は、検査用端末6のモニタ43に指示情報提示画面65(図11)が表示されると、指示情報表示欄53に提示された検査内容、検査方法、及び判定基準に従って検査を行い、当該工事が判定基準を満たすように施工されているかどうかを確認する。そして、検査員5は、指示情報どおりに検査をした後に、検査用端末6の入力部46を操作して、指示情報提示画面65の検査結果入力欄67内にある検査の結果を表す一対のラジオボタン69a,69bのいずれかを選択(例えば、マウスでクリック)し、必要であれば検査中に気付いた点や検査の結果が不適合となった理由等のコメントをコメント入力欄70に入力して検査データ送信ボタン72を押す(例えば、マウスでクリックする)。
【0054】
指示情報提示画面65上で検査データ送信ボタン72が押下されると、検査用端末6の通信制御部49は、GPS受信部10から送信された最新の位置データ11(座標データ)を検査情報管理サーバ1側へ送信する。これにより、検査データ8(図1)を構成する検査結果7及び位置データ11と次の指示情報の送信要求メッセージが同時(又は、ほぼ同時)に検査情報管理サーバ1側へ送信される。具体的には、検査情報管理サーバ1側へ送信される検査データ8は、検査日、検査時刻、検査の判定結果を示す結果コード及びコメントから成る検査結果7と、GPS受信部10で求めた座標(例えば、緯度及び経度)から成る位置データ11で構成されている。
【0055】
検査情報管理サーバ1側では、検査用端末6からネットワークを介して送信される検査データ8及び送信要求メッセージを受信すると、指示情報生成部24は、当該送信要求が何回目の要求であるかを判断し、当該要求(ここでは第2回目の要求)に応じた指示情報(htmlファイル)を生成して検査用端末6側へ送信する(ST3)。第2回目以降の指示情報は、指示情報生成部24が、当該検査に関する検査マスタ(図7)を参照し、直前に送信した指示情報を表すデータ(レコード)に含まれる検査コードの次のコード(例えば、値の1つ大きいコード)を選び、その選んだ検査コードと同じ行のデータ(レコード)に基づいて生成される。
【0056】
指示情報生成部24は、検査用端末6側へ指示情報を送信すると、上記送信要求メッセージが初回のものだったかどうかを判別し(ST2)、当該判別が“NO”、即ち第2回目以降の送信要求だった場合、検査データ8を位置情報照合部27へ送る。
【0057】
位置情報照合部27は、その検査データ8に含まれるGPS受信部10で求めた座標が、工事現場4内にあるか否かを求める(ST4)。具体的には、位置情報照合部27は、現場マスタ(図4)のうち検査対象である工事現場4に関するデータ(レコード)を参照し、当該工事現場4の範囲を四角形に単純化して求めた四隅の座標と、検査データ8に含まれる座標とを照合し、検査データ8に含まれる座標が工事現場4の内側にあるかどうかを求める。この場合、GPS受信部10の演算誤差を考慮し、検査データ8に含まれる座標が、工事現場4の外側の所定幅(例えば、100m)の範囲内にある場合、工事現場4の内側にあるものとして取り扱うことができる。或いは、現場マスタ内の各工事現場の座標を、予め上記所定幅を考慮した値にしておくことも可能である。
【0058】
位置情報照合部27は、検査データ8に含まれる座標と工事現場4の座標との照合結果を求めた後、この照合結果及び検査データ8その他必要な事項で構成されるログデータをデータ格納部25内のログファイル(図8)に書き込んでログファイルを更新するとともに(ST5)、管理情報(htmlファイル)13を表すデータ(例えば、ログデータと同じ内容のもの)を管理ページ生成部28へ送る。
【0059】
また、位置情報照合部27は、管理情報13を作成するためのデータと同じデータを開示情報抽出部32へ送り、開示情報抽出部32が、このデータから検査員5の個人情報及び電力会社2の機密情報等の所定の事項を除いた開示情報16をWWWサーバ15へ送信する(通信部は省略)。WWWサーバ15側では、開示情報16を受信すると、これに基づいて開示情報のWEBページ(htmlファイル)を生成し、データ格納部37に格納する。
【0060】
WWWサーバ1のデータ格納部37に格納されるWEBページには、電力会社2が指揮監督する工事の検査に関する情報が含まれており、特に、GPS受信部10で求めた座標が工事現場4の範囲内にあるかどうかに基づいて、当該工事の検査が当該検査員によって現場で行われたどうかという事項が開示される点が特徴的である。これにより、工事現場4の近隣住民等の情報参照者18は、パソコン19や携帯電話機20で、関心のある工事の施工状況を確認することができる。
【0061】
一方、検査情報管理サーバ1側では、管理ページ生成部28は、位置情報照合部27から送られるデータに基づいて管理情報(htmlファイル)13を生成し(ST7)、情報閲覧部30がこれをモニタ14に表示させる(ST8)。検査情報管理サーバ1のモニタ14においても、検査データ8等から成る管理情報13を確認することができ、当該工事の検査が当該検査員によって現場で行われたどうかを逐次チェックすることができる。
【0062】
次に、指示情報生成部24は、検査が終了したかどうかを判別し(ST9)、当該判別結果が“NO”、即ちまだ検査が終了していない場合、次の指示情報(htmlファイル)を生成し、検査用端末6側へ送信し(ST3)、再びST1へ移る。検査が終了したかどうかの判別は、例えば、指示情報生成部24が直前に生成して送信した指示情報が、検査マスタ(図7)の最後の検査コードを含む列のデータ(レコード)に基づいて生成されたものであるか否かを識別することにより行われる。
【0063】
一方、ST9の判別結果が“YES”、即ち当該検査に関する全工程が終了した場合、検査用端末6側に対し次に送信すべき指示情報がないので、これの代わりに検査が終了した旨のメッセージ(例えば、htmlファイル)を生成し、検査用端末6側へ送信する(ST10)。検査用端末6側では、当該メッセージが表示部43に表示され、検査員5は、検査が終了したことを認識することができる。また、連続して当該工事に関する別の検査を行う場合、再び指示情報要求画面(トップページ、図10参照)51へ移り、検索情報入力欄54内に所定の事項に関するデータを入力し、検査情報管理サーバ1へ送信すればよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限られず、検査情報管理サーバ1の指示情報生成部24が検査の指示情報としてWEBページ(htmlファイル)を作成する機能を、検査用端末6内に設け、検査用端末6が自ら指示情報(htmlファイル)を生成し、モニタ43に提示することも可能である。
【0065】
また、検査用端末1にアクセス可能な者を、ID情報の下で制限することができる。この場合、例えば、検査情報管理サーバ1に最初にアクセスしたとき、指示情報生成部24が認証情報としてのログインIDとパスワードを入力させる画面(例えば、htmlファイル)を生成して送信し、認証がとれた後に指示情報要求画面51(図10)を送信するような構成にしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施例の検査情報管理サーバを用いて構成される検査情報管理システムを示す図。
【図2】検査情報管理サーバ及び検査用端末の構成及び検査情報管理システム内での情報の流れを示す図。
【図3】工事コード及び電力会社が現在指揮管理している又は過去に行った工事の名称から成る工事マスタ。
【図4】現場コード、現在及び過去の工事の現場の名称、及び各工事現場の範囲を四角形に単純化して求めた角部の座標から成る現場マスタ。
【図5】検査の種類及び検種コードから成る検種マスタ。
【図6】検査員コード及び検査員名から成る検査員マスタ。
【図7】検査コード、検査内容、検査方法、及び判定基準から成る検査マスタ。
【図8】検査データ及びこれに基づいて位置情報照合部が求める照合結果等のデータを蓄積して構成されるログファイル。
【図9】実施例の検査情報管理方法のフローチャート。
【図10】検査用端末のモニタに表示される指示情報要求画面を示す図。
【図11】検査用端末のモニタに表示される指示情報提示画面を示す図。
【符号の説明】
【0067】
1…検査情報管理サーバ、2…電力会社、4…工事現場、5…検査員、6…検査用端末、7…検査結果、8…検査データ、9…GPS衛星、10…GPS受信部、11…位置データ、13…管理情報、14,43…モニタ、15…WWWサーバ、16…開示情報、18…情報参照者、19…パソコン、20…携帯電話機、23,39,41,48…通信部、24…指示情報生成部、25,37…データ格納部、27…位置情報照合部、28…管理ページ生成部、30,45…情報閲覧部、32…開示情報抽出部、35…WEBページ生成部、46…入力部、49…通信制御部、51…指示情報要求画面、53…指示情報表示欄、54…検索情報入力欄、56…工事コード入力ボックス、57…現場コード入力ボックス、59…検種リストボックス、60…検査員コード入力ボックス、62…指示情報要求ボタン、65…指示情報提示画面、67…検査結果入力欄、69a,69b…ラジオボタン、70…コメント入力ボックス、72…検査データ送信ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理する検査情報管理サーバにおいて、前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合し、その結果を出力することを特徴とする検査情報管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の検査情報管理サーバにおいて、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標であることを特徴とする検査情報管理サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の検査情報管理サーバにおいて、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事であることを特徴とする検査情報管理サーバ。
【請求項4】
工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理する検査情報管理方法において、
前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合するステップと、
その照合した結果を出力するステップと
を含むことを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項5】
請求項4記載の検査情報管理方法において、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標であることを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項6】
請求項4又は5記載の検査情報管理方法において、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事であることを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項1】
工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理する検査情報管理サーバにおいて、前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合し、その結果を出力することを特徴とする検査情報管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の検査情報管理サーバにおいて、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標であることを特徴とする検査情報管理サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の検査情報管理サーバにおいて、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事であることを特徴とする検査情報管理サーバ。
【請求項4】
工事の検査員が操作する端末からネットワークを介して送信される前記工事の検査結果を記録管理する検査情報管理方法において、
前記検査結果と共に送られる前記検査員の位置情報を前記工事の現場の位置情報と照合するステップと、
その照合した結果を出力するステップと
を含むことを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項5】
請求項4記載の検査情報管理方法において、前記検査員の位置情報は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいてGPS受信部で求めた座標であることを特徴とする検査情報管理方法。
【請求項6】
請求項4又は5記載の検査情報管理方法において、前記工事は、電力会社が指揮監督する土木又は建築工事であることを特徴とする検査情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−178584(P2006−178584A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368935(P2004−368935)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]