説明

検査群データ管理システム

【課題】印刷物の検査データを管理すると共に、印刷物の検査状況に応じて良否判定基準を設定できる検査群データ管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】印刷物の被検査面画像とマスタ画像とを比較して誤差を検出し、
検出された誤差画像と当該誤差画像の誤差値とを対応させて誤差データと、複数の誤差データを含む検査群データとを構成し、検査群データを識別する検査群識別情報を当該検査群データに対応させて記録し、選択対象の検査群の検査群識別情報に一致する検査群データを、複数の検査群データの中から選択し、良判定として許容される良否基準を設定し、選択された検査群データの各誤差データと良否基準とに基づいて印刷物の良否を判定し、記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の検査を行うと共に、検査したデータを記録し、管理する検査群データ管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、印刷物の検査は、ラインセンサ等の撮像手段によって撮像された印刷物の画像と、当該印刷物の良否基準となるマスタ画像とを比較し、この比較値が予め設定された基準値以上の誤差があった場合には当該印刷物を不良と判定し、基準値に満たないときには良品と判定していた。
【0003】
例えば、連続的に走行する印刷物の紙面状態を光学的に監視して不良を検出する検出部と、検出部が不良検出したときに当該不慮箇所を撮像記録する不良箇所撮像部と、不良箇所撮像部の記録画像を読み出し表示する表示部と、検出部により検出された不良のデータを集計する集計部とを備えた走行印刷物の検査装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−188009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の印刷物の検査装置では、印刷物を撮像手段で撮像して印刷物の良否を判定し、不良と判定した印刷物の不良箇所の画像を記録媒体に記録して管理しているが、不良と判定された印刷物についてのデータを記録しているだけであった。そのため、撮像手段に基づいて良判定でも、目視では不良判定となる印刷物も出荷製品として扱われ、顧客からのクレームが無い限り、検査側は目視検査による不良印刷物を認識することができなかった。仮に、特許文献1記載の印刷物の検査装置を用い、顧客から上記のようなクレームがあった場合、不良品と判定して除去した印刷物に関するデータはあるものの、良品として出荷した印刷物に関するデータがないため、適切な改善策を見つけることは困難であり、良否判定の検査基準を厳しく設定して対処していた。一方、検査基準を厳しくすると不良品が大量に発生し、コスト高となっていた。
【0005】
本発明は、係る問題に鑑み、印刷物の検査におけるデータを管理する検査群データ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検査群データ管理システムは、印刷物の被検査面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された被検査面画像と、前記印刷物のマスタ画像とを比較して誤差を検出する誤差検出手段と、前記誤差検出手段によって検出された誤差画像と当該誤差画像の誤差値とを対応させて誤差データが構成され、前記複数の誤差データを含む検査群データを識別する検査群識別情報を付与する検査群識別情報付与手段と、前記検査群データと、前記検査群識別情報付与手段によって付与した当該検査群データの検査群識別情報とを対応させて記録する検査群データ記録手段と、選択対象の検査群の検査群識別情報を入力する検査群識別情報入力手段と、前記検査群識別情報入力手段によって入力された検査群識別情報に一致する検査群データを、前記検査群データ記録手段に記録された複数の検査群データの中から選択する検査群データ選択手段と、良判定として許容される良否基準を設定する良否基準設定手段と、前記検査群データ選択手段によって選択された検査群データの各誤差データと、前記良否基準設定手段によって設定された良否基準とに基づいて印刷物の良否を判定し、記録する良否判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
したがって、前記誤差画像と前記誤差値とを対応させて記録し、記録された誤差画像と誤差値とに基づいて良否基準を設定しているので、良品と判定した印刷物のデータについても記録する。
また、前記誤差画像と前記誤差値とを対応させて記録し、記録された誤差画像と誤差値とに基づいて良否基準を設定し、判定することができる。つまり、予め設定された基準に基づいて良否判定をするのではなく、個々の誤差の内容に基づいて判定基準を設定できる。
また、検査群と検査群データとを検査群識別情報で対応させているので、検査対象の検査群の検査群データを容易に選択することもできる。
【0007】
前記検査群データは、前記印刷物のロット毎、製品群毎、印刷日毎、印刷時間帯毎のいずれかに基づいて管理してもよい。
【0008】
前記検査群識別情報付与手段が、文字、バーコード、2次元コード、ICタグのいずれかに前記検査群識別情報を出力し、前記検査群識別情報入力手段は、文字、バーコード、2次元コード、ICタグのいずれかに出力された検査群識別情報を読み取るようにしてもよい。
【0009】
前記検査群データが、印刷に使用した被印刷体情報、インク情報、印刷機情報、印刷機を操作した作業者情報、温度情報、湿度情報、時間情報のいずれかを含んでもよい。
【0010】
前記良否判定手段によって良否判定された検査群データを、不良品を除去する仕上げ機に送信する検査群データ送信手段を検査群データ管理システムに備えてもよい。
【0011】
前記印刷物の個体識別情報を読み取る印刷物個体識別情報読取手段を備え、前記印刷物個体識別情報読取手段によって読み取られた印刷物個体識別情報と前記誤差データとから前記検査データを構成してもよい。
【0012】
前記印刷物個体識別情報読取手段が、前記印刷物の製品の余白領域に印刷された文字、バーコード、2次元コードを読み取ってもよいし、印刷物の製品に印刷された文字、バーコード、2次元コードを読み取ってもよい。
【0013】
前記印刷物が、ロールシートに印刷され、前記印刷物個体識別情報読取手段が、前記ロールシートの印刷開始位置又は印刷終了位置からの長さを計測してもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上にしてなる本発明に係る検査群データ管理システムは、誤差画像とその誤差値とを対応させて記録し、記録された誤差画像と誤差値とに基づいて良否基準を設定することができる。つまり、予め設定された基準に基づいて良否判定をするのではなく、誤差の内容に基づいて適宜判定基準を設定できる。
また、誤差画像と誤差値と対応させた複数の検査データを含む検査群データと、検査群とを検査群識別情報に基づいて対応させ記録しているので、検査群の印刷物を良品と不良品とに分ける工程等において、検査群に付与された検査群識別情報を入力することにより対応する検査群データを選択することができる。
さらに、検査群データを記録手段に記録しているので、製品出荷後にも検査内容を再確認することができる。例えば、顧客から出荷後の印刷物に関する問合せがあったときでも、当該検査群データに基づいて回答することも可能である。
【0015】
また、検査群データを印刷物のロット毎、製品群毎、印刷日毎、印刷時間帯毎等に基づいて管理しているので、ロット毎や製品群毎や印刷日毎や印刷時間帯毎の良品数、不良品数を容易に認識することができる。そして、それらのデータに基づいて、ロット毎による不良原因、製品毎の不良原因、印刷日毎の不良原因、印刷時間帯による不良原因等を解析することができる。したがって、次回以降の印刷においてこれらの解析結果を反映させ、印刷品質を改善することができる。
【0016】
文字、バーコード、2次元コード、ICタグ等に検査群識別情報を記憶させ、これらを検査群に直接貼付等しておくことにより、後に、バーコード、2次元コード、ICタグ等に含まれる検査群識別情報を読み取ることで検査データを正確且つ容易に選択できる。
【0017】
検査群データに、印刷に使用した被印刷体情報、インク情報、印刷機情報、印刷機を操作した作業者情報、温度情報、湿度情報、時間情報のいずれかを含んでいるので、紙や合成樹脂等等の被印刷体の特性、インクの特性、印刷機の特性、作業者毎の特性(クセ)、温度特性、湿度特性、時間特性等を解析することもできる。そして、解析したデータに基づいて印刷品質を改善させることもできる。
【0018】
良否判定手段によって良否判定された検査群データを仕上げ機に送信するので、確実に良品と不良品とを区分けすることができる。
【0019】
印刷物の個体識別情報を読み取る印刷物個体識別情報読取手段を備え、この印刷物個体識別情報を検査データに含めているので、不良品を除去する工程において、印刷物個体識別情報に基づいて不良品を確実に除去することができる。
【0020】
印刷物の製品、印刷物の製品としない余白領域に印刷された文字、バーコード、2次元コード等の印刷物個体識別情報を読み取るので、不良判定された印刷物を特定することができる。
【0021】
前記印刷物はロールシートに印刷され、前記印刷物個体識別情報読取手段が、前記ロールシートの印刷開始位置又は印刷終了位置からの長さを計測するので、計測したデータに基づいて不良判定された印刷物の位置を特定でき、不良品除去作業を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る検査群データ管理システム1は、図1に示すように、印刷機2によって印刷された印刷物を撮像手段4で撮像し、この撮像したデータを基に検査した複数の誤差データを管理するものである。検査群データ管理システム1のコンピュータは、誤差データをロット(印刷群)3毎に検査群データを対応させて記録している。このとき印刷ロット3と、検査群データ17(図4参照)とを対応させるための識別情報5を付与して管理する。
そして、図2に示すように、端末Tを用いて既に記録された検査群データ17(図4参照)の中から、検査対象の印刷ロット3の識別情報5を読み取り、読み取った識別情報5が一致する検査群データ17を選択し、良否判定を行った後に、このデータを仕上げ機16に送信し、良品と不良品とに印刷物を区分けする。
【0023】
図1に示す検査群データ管理システム1は、3台の印刷機2,…,2によって印刷された印刷物の検査データを管理しているが、一台の印刷機2によって印刷された印刷物の誤差データを管理してもよい。
また、図2では、5台の端末T,…,Tを用いて、検査対象の印刷ロットに対応する検査群データ17を選択し、良否判定を行い、各端末Tに接続された仕上げ機16にデータを送信しているが、一台の端末Tから複数台の仕上げ機16,…,16に検査群データ17を送信してもよい。
【0024】
以下の説明では、印刷機2によって印刷される被印刷体が枚葉紙やロール紙等の紙を例に挙げて説明するが、紙に限定するものではなく、合成樹脂製のシートや、合成樹脂や塗料等でコーティングされたシート、金属製のシート等の被印刷体であってもよい。
【0025】
検査群データ管理システム1は、図3に示すように、撮像手段4、印刷物個体識別情報読取手段6、マスタ画像記録手段7、誤差検出手段8、検査群識別情報入力手段9、良否基準設定手段10、検査群識別情報付与手段11、検査群データ記録手段12、検査群データ選択手段13、良否判定手段14、検査群データ送信手段15を備えている。
なお、図3に示している検査群データ管理システム1の各手段は、コンピュータによって実現される手段だけでなく、印刷機2に備えられた装置や、端末Tに備えられた手段や装置が連携して実現する。
【0026】
前記撮像手段4は、印刷物の被検査面を撮像するものであり、単又は複数のCCDラインセンサ等の撮像カメラである。撮像手段4は、印刷物の片面のみを撮像してもよいが、印刷物の表面側と裏面側にそれぞれ撮像手段4,4を備えさせて両面を撮像してもよい。
いわゆるインライン検査の場合には、撮像手段4は印刷機2の印刷ライン上に備えられ、オフライン検査の場合には、検査装置のライン上に備えられる。
【0027】
前記印刷物個体識別情報読取手段6は、印刷物の個体識別情報を読み取るものである。例えば、図5(a),(b)に示すように、枚葉紙25,33に印刷された唯一無二の識別番号26,34等を読み取る。
なお、印刷物の個体識別情報の詳細については後述する。
【0028】
前記マスタ画像記録手段7は、印刷物の良否判定の基準となるマスタ画像のデータを記録する手段である。被検査面が一面だけの場合には被検査面のマスタ画像を記録し、被検査面が両面の場合には、両面のマスタ画像を記録する。マスタ画像記録手段7は、データの読出速度が高速なメモリ等に記録される。
【0029】
前記誤差検出手段8は、前記撮像手段4によって撮像された被検査面画像と、前記マスタ画像記録手段7に記録されているマスタ画像とを比較し誤差を検出し、検出した誤差領域を含む誤差画像データを作成する。また、誤差領域の大きさや濃淡(明暗)等に基づいて誤差値を演算する。なお、被検査面画像とマスタ画像とを比較するときには、位置補正等の補正処理を行った後に、画素毎又は所定領域毎に比較する。
なお、本願における誤差とは、マスタ画像と被検査面画像とを比較によって相違していることを意味するものであり、印刷物として良品か不良品かを判定したものではない。したがって、誤差の無い良品もあれば、誤差のある良品もある。そして、誤差のある不良品もある。
誤差検出手段8によって検出された誤差画像データ22は、当該誤差画像の誤差値23と対応させて誤差データ32として記録される。
【0030】
前記検査群識別情報付与手段11は、前記複数の誤差データ32を含む検査群データ17を識別する検査群識別情報18を付与する。検査群識別情報付与手段11は、前記検査群データ17を検査群データ記録手段12に記録するときに、検査群識別情報18を作成し、当該検査群識別情報18を検査群データ17に含ませて記録する。
また、前記検査群識別情報付与手段11は、検査群識別情報18を記憶させたバーコード、2次元コード、文字を紙(シール等)に出力したり、ICタグに検査群識別情報18を出力し記憶させる。
【0031】
前記検査群データ記録手段12は、図4に示すように、前記検査群識別情報18、印刷情報19、複数の検査データ20からなる検査群データ17を記録媒体に記録する。
前記検査データ20は、前記誤差検出手段8によって検出された誤差データ32と、当該誤差が検出された印刷物を特定する印刷物個体識別情報21とから構成される。
前記誤差データ32は、前記誤差検出手段8によって検出された誤差画像データ22、当該誤差画像の誤差値23、前記良否判定手段14によって判定された良否結果24とから構成される。
なお、前記検査データ20に含まれる印刷物個体識別情報21の替わって、当該ロットの検査開始からの通し番号を印刷物一枚一枚を識別する情報として検査データ20に含ませてもよい。また、印刷物個体識別情報21と通し番号の双方を記録してもよい。
【0032】
前記検査群識別情報入力手段9は、バーコードリーダ、2次元コードリーダ、ICタグリーダ等の入力部(図示しない)から入力されたデータから検査群識別情報を読み取る。なお、検査群3に管理番号等の文字が付与されているときには、キーボードを操作して当該管理番号を入力してもよい。
【0033】
前記検査群データ選択手段13は、前記検査群データ記録手段12に記録されている検査群データ17の中から、前記検査群識別情報入力手段9に入力された検査群識別情報18に一致する検査群データ17を選択する。
【0034】
前記良否基準設定手段10は、前記誤差値23に基づいて良否判定を行う基準値を設定する。この設定基準は、予め良否基準を設定してもよいし、検査群データ17毎に前記基準値を入力し設定してもよい。
また、前記誤差画像等の誤差データをディスプレイ等の表示部に表示する表示手段(図示しない)を備え、誤差画像を表示部に表示して当該誤差画像(検査データ)毎に良否を設定してもよい。
【0035】
前記良否判定手段14は、前記検査群データ選択手段13によって選択された検査群データ17の各誤差データ32と、前記良否基準設定手段10によって設定された良否基準とに基づいて印刷物の良否を判定し、その良否結果を誤差データ32に記録する。
【0036】
前記検査群データ送信手段15は、前記良否判定手段14によって判定された検査群データ17を、不良品を除去する仕上げ機16に送信する。
【0037】
前記仕上げ機16は、前記検査群データ送信手段15から送信された検査群データ17に基づいて、不良判定された印刷物と良判定された印刷物とを区分けする。仕上げ機16が前記印刷物個体識別情報21に基づいて不良判定された印刷物を特定するときには、当該仕上げ機16にも前記印刷物個体識別情報読取手段6を備える。印刷物個体識別情報21が文字、バーコード、2次元コードのときには、それらを読み取る読み取り装置で読み取ったデータに基づいて印刷物個体識別情報読取手段6が印刷物個体識別情報21を特定する。また、印刷物個体識別情報21がICタグに記憶されているときには、ICタグリーダが読み取ったデータに基づいて印刷物個体識別情報読取手段6が印刷物個体識別情報21を特定する。
なお、印刷物に印刷物個体識別情報21が備わっていないときには、検査群の検査開始からの枚数(通し番号)等の情報に基づいて不良判定された印刷物を検出する。
【0038】
つぎに、印刷物の個体識別情報について図5(a),(b)に基づいて説明する。
図5(a)に示すように、枚葉紙25に9つの証券A1〜A9が印刷されている場合には、証券Aに付与された識別番号26が唯一無二の番号であるので、この識別番号を識別することにより証券A及び当該証券A1〜A9が印刷された枚葉紙25を特定できる。つまり、証券Aの個体識別情報を「AB 123456」、証券A2の個体識別情報を「CD 123456」とするように、証券Aの識別番号26を当該証券Aの個体識別情報としてもよいし、同一の枚葉紙25に印刷された証券A1〜A9の個体識別情報として証券A1の識別番号26「AB 123456」を個体識別情報としてもよい。
また、図5(b)に示すように、枚葉紙33に包装箱構成体Bを印刷する場合には、包装箱構成体Bに識別番号を印刷しないので、包装箱構成体Bを打ち抜いた後に製品として使用しない領域(以下、余白領域と称す。)に枚葉紙毎に異なった識別番号34を印刷し、枚葉紙(印刷物)33を識別可能にしてもよい。図5(b)の場合、包装箱構成体B1,B2の識別情報は「A 1000A1」である。なお、図5(b)では識別番号34を印刷物33の右下に印刷しているがこれに限定するものではなく、余白領域であれば他の箇所に印刷されてもよく、例えば印刷物33の中央付近の余白領域に印刷されてもよい。なお、図5(b)では包装箱構成体Bを例に挙げて説明しているが、包装箱構成体Bに限定するものでなく、他の印刷であっても同様である。
なお、図5(a),(b)では、枚葉紙25,33に印刷された印刷物の個体識別情報であったが、ロール紙の場合であっても、印刷されたロール紙の余白領域の識別番号を個体識別情報としてもよい。さらに、ロール紙の場合には、ロール紙に設定された印刷開始位置や印刷終了位置からの長さを個体識別情報としてもよい。つまり、印刷開始位置からの長さが特定できればロール紙における印刷物の位置を特定することができるので、誤差を検出した印刷物を特定できる。そして、検出された誤差が不良判定されたときには、印刷開始位置や印刷終了位置からの長さに基づいて不良判定された印刷物の位置で、仕上げ機16がロール紙を停止させて、不良品の除去作業を迅速に行うことができる。
上述の説明では、識別番号26,34を印刷物の個体識別情報としていたが、バーコードや2次元コードに唯一無二のデータを記憶させ、当該バーコードや2次元コードを個体識別情報としてもよいし、ICタグに唯一無二のデータを記録させてもよい。なお、印刷物個体識別情報がバーコードや2次元コードやICタグの場合には、印刷物個体識別情報読取手段6はバーコードリーダや2次元コードリーダやICタグリーダ等の機器や読み取ったデータを解析する解析部から構成される。
【0039】
つぎに検査群データ記録手段12に記録される検査群データ17について図4に基づいて説明する。
検査群データ記録手段12には、複数の検査群データ17,…,17が記録されている。
検査群データ17は、検査群識別情報18、印刷情報19、複数の検査データ20,…,20とによって構成されている。
検査データ20は、印刷物個体識別情報21、誤差データ32とによって構成されている。
さらに、誤差データ32は、誤差画像データ22、誤差値23、良否結果24とによって構成されている。
【0040】
前記検査群識別情報18は、検査群3を識別するためのデータであり、例えば印刷ロット毎、製品群毎、印刷日毎、印刷時間帯毎に異なった識別情報が設定する。ここでいう印刷時間帯とは、9:00〜12:00、12:00〜15:00等のように所定の時刻間を示す。
検査群データ17と当該検査群データ17に対応する検査群3には、同一の検査群識別情報18が付与されており、検査群3に備えられた2次元コード5に含まれる検査群識別情報18を読み取ることにより、該当する検査群データ17を検査群データ記録手段12の中から選択可能となる。
【0041】
前記印刷情報19は、印刷に使用した用紙、インク、印刷機の情報や、印刷担当者の識別情報、温度情報、湿度情報、時間情報等の情報からなる。このような情報を検査群データ17に含ませることで、複数の検査データ20に基づき印刷用紙、インク、印刷機、作業者の特性、温度、湿度、時間特定等を解析することも可能となる。
例えば、複数の検査データ20を印刷機毎に解析することで、印刷機の不良印刷の発生パターンや頻度等の特定を導くことができる。同様に、インクの特性や、インクと印刷機との相性、作業担当者の特性、時間経過による印刷機の特性変化等の解析を行うことができる。
温度計(図示しない)や湿度計(図示しない)から出力された温度情報や湿度情報を、印刷情報19に含ませた場合には、温度や湿度の変化による印刷機毎の特性や不良印刷の発生率等も解析することができる。
また、温度情報、湿度情報、用紙情報、インク情報を、印刷情報19に含ませた場合には、用紙毎の温度、湿度、インクの特性等の様々な解析を行うことが可能となる。
前記温度情報は、印刷機2内部の温度や印刷機2外部の温度である。さらに、印刷機2内部や外部における検査群3の印刷中の最高温度、最低温度、平均温度等が温度情報となる。
前記湿度情報は、印刷機2内部の湿度や印刷機2外部の湿度である。さらに、印刷機2内部や外部における検査群3の印刷中の最高湿度、最低湿度、平均湿度等が湿度情報となる。
【0042】
前記検査データ20は、前記印刷物個体識別情報読取手段6によって読み取られた印刷物個体識別情報21、誤差データ32を含むデータである。
前記検査データ20に含まれる印刷物個体識別情報21は、印刷物に印刷された唯一無二の管理番号、バーコード、2次元コードを読み取った情報であったり、印刷用紙にICタグが備えられているときには、当該ICタグに記憶された唯一無二の識別情報である。なお、上述のように印刷物に印刷物個体識別情報が含まれていないときには、検査開始からの印刷物の枚数を検査データに含ませてもよい。
前述のように印刷物がロール紙に対する印刷の場合、印刷開始位置や印刷終了位置からの長さを印刷物個体識別情報としてもよい。また、ロール紙に対する印刷であってもロール紙に対して識別番号26,34(図5参照)が印刷されている場合には、枚葉紙のときと同様に識別番号を印刷物個体識別情報21としてもよい。
【0043】
前記検査データ20に含まれる誤差データ32は、前記誤差検出手段8によって検出された誤差画像データ22と誤差値23、前記良否判定手段14によって判定された良否結果24とを含むデータである。
前記誤差画像データ22は、図6に示すように、マスタ画像との誤差が検出された領域の画像28(28a,…)である。誤差画像データ22としては、誤差が検出された部分のみの画像だけでなく、図6に示すように、誤差が検出された部分を含む所定の領域の画像を誤差画像とすることにより、誤差が検出された領域を視認し易くなる。
前記誤差値23は、前記誤差領域の大きさや濃淡(明暗)等に基づき、誤差を数値化したものである。
前記良否結果24は、良否判定手段14によって良否判定された結果である。
さらに、マスタ画像との誤差が検出された位置情報(被検査面画像のX座標とY座標)を、誤差データ32に含ませてもよい。これにより、誤差部分を目視検査するときにも、用紙25の広い領域の中から誤差部分を容易に見つけ出すことができる。さらに、誤差が検出された位置情報を解析し、版の不良や印刷機の不良を検出することもできる。
【0044】
図4に示す検査データ20は、誤差検出手段8によって誤差が検出されると1つの検査データが作成される。つまり、マスタ画像と被検査面画像との誤差が検出されると検査データが作成される。したがって、図5に示した1枚の枚葉紙25に複数の誤差が検出されたときには、印刷物個体識別情報21が同一で誤差画像データ22の異なる検査データ20が作成される。
【0045】
検査群3と検査群データ17とは、図4に示すように、検査群識別情報18と2次元コード5とに基づき1対1の対応関係が成立している。つまり、検査群3の2次元コード5を読み取ることにより、該当する検査群データ17を選択できる。そして、検査群データ17の検査データ20に基づき、不良印刷物を特定すると共に、不良内容も確認することが可能となる。
【0046】
つぎに、図9に基づいて前記検査群データ記録手段12に記録されている検査群データ17の別実施例について説明する。
図9に示す検査群データ記録手段12には、図4と同様に複数の検査群データ17,…,17が記録されている。また、検査群データ17は、図4と同様に検査群識別情報18、印刷情報19、複数の検査データ20,…,20によって構成される。
図9に示す検査データ20は、1つの印刷物個体識別情報21と、単又は複数の誤差データ20(,…,20)とから構成される。前述の図4に示した検査データ20では、1つの印刷物個体識別情報21に対し、1つの検査データ20で構成している。
例えば、図5(b)に示した枚葉紙33の検査で、1枚の枚葉紙に対して3つの誤差が検出された場合、図9に示した検査群データ17では、「A 1000A1」という識別番号34が印刷物個体識別情報21と、3つの誤差データ32,32,32とから1つの検査データ20が構成される。一方、図4に示した検査群データ17では、1つの印刷物個体識別情報21と、1つの誤差データ32とから1つの検査データ20が構成され、さらに残りの2つの誤差データに対応して2つの検査データが構成される。
つまり、図9に示した検査データ20は、複数の誤差データ32,…,32の印刷物個体識別情報21が同一のときには、1つの検査データ20が構成される。一方、図4に示した検査データ20は、印刷物個体識別情報21が同一であっても、誤差データ毎に検査データ20を構成する。
なお、前記検査群識別情報18、前記印刷情報19、前記印刷物個体識別情報21、前記誤差データ32、誤差画像データ22、誤差値23、良否結果24は、図4に基づき既に説明しているので、ここでの記載は省略する。
検査群データ記録手段12に記録するデータやデータ構造については、図4,9に基づいて説明しているが、これらに限定するものではない。
【0047】
つぎに、図7に示す印刷物検査工程のフロー図、及び図1,3〜6に基づいて、検査群データ管理システム1について説明する。
【0048】
まず、キーボード等の入力部を操作して、印刷物の印刷用紙情報、インク情報、印刷機情報、作業担当者の識別情報、温度情報、湿度情報等からなる印刷情報19を入力する(S1)。この印刷情報の入力と共に、マスタ画像データをマスタ画像記録手段7に記憶させる、又は予め記録媒体に記録されていたマスタ画像データを選択する。
前記印刷情報は、キーボード等の入力部から入力してもよいが、印刷機(印刷制御装置)2から送信されたデータを受信して入力してもよい。特に、インラインで印刷物を撮像する場合には、印刷された直後の印刷物を撮像するので、印刷機2に設定されたデータを印刷情報19として使用できる。
【0049】
そして、印刷機2で印刷された印刷群3の証券Aを撮像手段で撮像する(S2)。撮像された証券Aの枚葉紙25,…,25は排紙ユニットに順次積層される。例えば、1000枚の枚葉紙5によって1ロットを形成しているときには、1000枚の枚葉紙5を撮像し、排紙ユニットに積層する。
【0050】
証券Aの被検査面を撮像すると、撮像した証券Aの画像と、前記マスタ画像とを比較し、誤差の有無を判定する(S3)。誤差があった場合にはステップ4(S4)に移行し、誤差がなかった場合にはステップ8(S8)に移行する。
【0051】
撮像した画像にマスタ画像との誤差があった場合、誤差部分を含む誤差画像データ22(28)を作成し(S4)、当該誤差部分の領域の大きさや濃淡(明暗)に基づいて誤差値23を演算する(S5)。
さらに、撮像した画像の中から、識別番号26が印刷された領域の画像を抽出し、OCR(Optical Character Reader)を用いて識別番号26を読み取り、文字データに変換する(S6)。なお、撮像した画像の中から識別番号26が印刷された領域を抽出するときには、予め識別番号26が印刷される領域のデータを記録させ、当該領域の画像を抽出する。
【0052】
ステップ4〜6(S4〜S6)で作成された誤差画像データ22、誤差値23、印刷物個体識別情報21とを含む検査データ20を記録する(S7)。このとき、1枚の枚葉紙25に対して複数の誤差領域が検出されたときには、検出した誤差領域の数だけ検査データ20を作成して記録する。
【0053】
そして、検査対象の枚葉紙25(印刷物)の全員数に対して検査が終了したか否かを判定し、検査が終了していないときには、ステップ2(S2)に移行しステップ3〜7(S3〜S7)の処理を繰り返し、検査が終了したときにはステップ9(S9)に移行する(S8)。
【0054】
そして、検査対象の検査群3(印刷物群)を識別する検査群識別情報18を付与する(S9)。さらに、付与された検査群識別情報18を検査群データ17に含め、当該検査群データ17を検査群データ記録手段12に記録する(S10)。
また、ステップ9(S9)で付与された検査群識別情報18を含む2次元コード5を出力し(S11)、作業担当者は出力された2次元コード5を対応する検査群3に貼付する(S12)。
以上のようにして検査することにより、印刷物としての検査群3(印刷群)と、当該検査群3に対応させて検査データ20,…,20を記録させることができる。
【0055】
つぎに、図8に示す印刷物の良否判定工程のフロー図、及び図2〜6に基づいて、端末Tを操作して検査群データ管理システム1の検査群データ記録手段12に記録されたデータの中から、検査対象の印刷群3に対応する検査群データ17を選択し、印刷物の良否を判定するときについて説明する。
【0056】
まず、前記仕上げ機16で区分けする検査群3に貼付されている2次元コード5を検査群識別情報入力手段9が読み取り、当該2次元コード5に含まれる検査群識別情報18を取得する(S21)。
前記検査群データ選択手段13は、取得した検査群識別情報18に一致する検査群データ17を選択する(S22)。
【0057】
そして、良判定として許容される良否基準を入力し、設定する(S23)。
ステップ23(S23)では、選択した検査群3に対して同一の良否基準(第1要否基準)を設定する。なお、前記第1要否基準は、図7のステップ1(S1)で印刷情報を入力するときに、検査群データ17に含ませ、検査群データ17に含まれる第1要否基準を読み出して設定してもよい。
前記良否基準は、証券Aの全領域で同一の良否基準を設定してもよいし、証券Aの領域を複数の領域に区分し、各領域毎に良否基準のレベルを設定してもよい。
例えば、精度の高い印刷が求められる場合には、全領域に高レベルの良否基準を設定し、全領域に対して軽度の不良箇所も検出可能とすることもできる。一方、菓子等の包装箱の場合には、商品名が印刷された面の良否基準のレベルを高くし、箱体にするときに糊付けして外方から視認困難な領域については良否基準のレベルを低くし、良品と認定される印刷物を不良品と判定しないようにできる。
【0058】
良否基準が設定されると、前記良否判定手段14によって良否が判定され、判定結果を良否結果24として記録する(S24)。そして、全検査データの判定が終了したか否かを判定し、全検査データに対する良否判定が行われていればステップ26(S26)に移行し、全検査データに対する良否判定が行われていなければステップ24(S24)に移行する(S25)。
【0059】
その後、図6に示すように、誤差画像をディスプレイ等の表示部に表示し、作業者に誤差内容を視認可能にする(S26)。
図6(a)に示す誤差画像画面27には、4つの誤差画像28a,28b,28c,28dを表示している。誤差画像28内には、誤差部分29(29a,29b,29c,29d)を表示している。また、各誤差画像28の左上には、当該誤差を検出した検査開始時からの枚数(通し番号)を表示している。
図6(b)の誤差画像拡大表示画面31には、31枚目に検出された誤差画像28aを拡大して表示している。
つまり、操作者は図6(a),(b)で示された誤差画像28を確認しながら良否基準を設定できる。
表示部に表示する誤差画像は、ステップ24(S24)において良品と判定された誤差画像のみを表示してもよいし、不良品と判定された誤差画像のみを表示してもよいし、全ての誤差画像を表示してもよい。
【0060】
そして、表示部に表示された誤差画像に基づき、作業者は第2良否基準を入力し(S27)、この第2良否基準に基づいて良否判定をし(S28)、この判定結果を検査データ20の良否結果24に記録する(S29)。
つまり、第1良否基準で良否判定をした後に、誤差画像を確認しながら新たな良否基準を設定することができる。
例えば、検査レベルが高い検査の場合には、良品と判定された誤差画像を表示し、目視によって再度良否判定を行うことができ、機械的には良品と判定されたものの中から人間の視覚では誤差箇所が目立つときには不良品と設定できる。
一方、包装箱のような検査レベルが決して高くない場合には、不良品と判定された誤差画像を表示し、機械的には不良品と判定したものの中から、人間の視覚では誤差箇所が目立たないものを良品と設定でき、無駄な不良品が発生することを防止できる。
したがって、検査対象に対応させて、適切な良否判定を行うことができる。
【0061】
ステップ28(S28)における第2良否基準に基づき、全ての誤差データについて良否判定を行ってもよいし、作業者が指定した条件に一致する誤差データについて再度良否判定を行ってもよいし、作業者が指定した誤差データについて再度良否判定を行ってもよい。
【0062】
ステップ29(S29)で良否結果24が記録されると、この検査群データ17を仕上げ機16に送信し(S30)、仕上げ機16は送信された検査群データ17に基づいて、該当する印刷物を良品と不良品とに区分けする。
【0063】
以上のように、印刷物のロット毎に検査群識別情報を記録した2次元コード5を貼付し、当該ロットの印刷物の検査データ群にも当該検査群識別情報を含ませているので、仕上げ機16で仕分けるときに仕分けを行う印刷物に貼付された2次元コード5を読み取るだけで、検査データを選択することができる。
また、検査データ内に誤差画像データが含まれているので、誤差の状態を確認しながら良否判定を行うこともできる。さらに、仕上げ機16での仕分け作業が終了した後でも検査データを記録保存することで、印刷物の出荷後でも検査内容を確認できる。
また、検査群データ17を印刷ロット毎に管理しているので、ロット毎の良品数や不良品数などを容易に確認できる。
【0064】
さらに、良否判定を行った検査群データ17を仕上げ機16に送信するので、当該仕上げ機16によって良品と不良品とに区分けすることができる。特に、印刷物の個体識別情報21を読み取り、当該印刷物の誤差データ32と当該印刷物個体識別情報21とを対応させているので、仕上げ機16に備えられている印刷物個体識別情報読取手段6で印刷物個体識別情報21を読み取り、良否結果24が不良と判定された印刷物を特定することができる。
印刷物が枚葉紙の場合には、不良判定された印刷物を確実に除去でき、良判定された印刷物の中に不良判定された印刷物が混入することがなくなる。
また、印刷物がロール紙の場合には、印刷開始位置や印刷終了位置からの長さの情報に基づいて不良判定された印刷物の位置が確実に分かっているので、不良判定された印刷物の位置でロール紙を停止させることができ、作業者による迅速な不良品除去作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】検査群データ管理システムの検査工程の説明図である。
【図2】検査群データ管理システムの良否判定工程の説明図である。
【図3】検査群データ管理システムのブロック図である。
【図4】検査群データについての説明図である。
【図5】(a)は枚葉紙に多面印刷された証券の説明図であり、(b)は枚用紙の余白領域に識別番号が印刷された印刷物の説明図である。
【図6】誤差画像を表示した画面図である。
【図7】検査群データ管理システムの検査工程のフロー図である。
【図8】検査群データ管理システムの良否判定工程のフロー図である。
【図9】検査群データの他の実施例についての説明図である。
【符号の説明】
【0066】
1 検査群データ管理システム
2 印刷機
3 検査群,印刷ロット
4 撮像手段
5 2次元コード,識別情報
6 印刷物個体識別情報読取手段
7 マスタ画像記録手段
8 誤差検出手段
9 検査群識別情報入力手段
10 良否基準設定手段
11 検査群識別情報付与手段
12 検査群データ記録手段
13 検査群データ選択手段
14 良否判定手段
15 検査群データ送信手段
16 仕上げ機
17 検査群データ
18 検査群識別情報
19 印刷情報
20 検査データ
21 誤差画像データ
22 誤差値
23 印刷物個体識別情報
24 良否結果
25 枚葉紙
26 識別番号
27 誤差画像画面
28 誤差画像
29 誤差部分
30 誤差検出枚数
31 誤差画像拡大表示画面
32 誤差データ
33 枚用紙
34 識別番号
A 証券
B 包装箱構成体
T 端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の被検査面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された被検査面画像と、前記印刷物のマスタ画像とを比較して誤差を検出する誤差検出手段と、
前記誤差検出手段によって検出された誤差画像と当該誤差画像の誤差値とを対応させて誤差データが構成され、前記複数の誤差データを含む検査群データを識別する検査群識別情報を付与する検査群識別情報付与手段と、
前記検査群データと、前記検査群識別情報付与手段によって付与した当該検査群データの検査群識別情報とを対応させて記録する検査群データ記録手段と、
選択対象の検査群の検査群識別情報を入力する検査群識別情報入力手段と、
前記検査群識別情報入力手段によって入力された検査群識別情報に一致する検査群データを、前記検査群データ記録手段に記録された複数の検査群データの中から選択する検査群データ選択手段と、
良判定として許容される良否基準を設定する良否基準設定手段と、
前記検査群データ選択手段によって選択された検査群データの各誤差データと、前記良否基準設定手段によって設定された良否基準とに基づいて印刷物の良否を判定し、記録する良否判定手段とを備えたことを特徴とする検査群データ管理システム。
【請求項2】
前記検査群データは、前記印刷物のロット毎、製品群毎、印刷日毎、印刷時間帯毎のいずれかに基づいて管理する請求項1記載の検査群データ管理システム。
【請求項3】
前記検査群識別情報付与手段は、文字、バーコード、2次元コード、ICタグのいずれかに前記検査群識別情報を出力し、
前記検査群識別情報入力手段は、文字、バーコード、2次元コード、ICタグのいずれかに出力された検査群識別情報を読み取る請求項1又は2記載の検査群データ管理システム。
【請求項4】
前記検査群データは、印刷に使用した被印刷体情報、インク情報、印刷機情報、印刷機を操作した作業者情報、温度情報、湿度情報、時間情報のいずれかを含む請求項1〜3のいずれかに記載の検査群データ管理システム。
【請求項5】
前記良否判定手段によって良否判定された検査群データを、不良品を除去する仕上げ機に送信する検査群データ送信手段を備える請求項1〜4のいずれかに記載の検査群データ管理システム。
【請求項6】
前記印刷物の個体識別情報を読み取る印刷物個体識別情報読取手段を備え、
前記印刷物個体識別情報読取手段によって読み取られた印刷物個体識別情報と前記誤差データとから前記検査データを構成する請求項1〜5のいずれかに記載の検査群データ管理システム。
【請求項7】
前記印刷物個体識別情報読取手段は、前記印刷物の製品の余白領域に印刷された文字、バーコード、2次元コードを読み取る、又は印刷物の製品に印刷された文字、バーコード、2次元コードを読み取る請求項6記載の検査群データ管理システム。
【請求項8】
前記印刷物は、ロールシートに印刷され、
前記印刷物個体識別情報読取手段は、前記ロールシートの印刷開始位置又は印刷終了位置からの長さを計測する請求項6記載の検査群データ管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−133741(P2009−133741A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310533(P2007−310533)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000109200)ダックエンジニアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】