検査装置および設置判定方法
【課題】設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定すること。
【解決手段】入力部102は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定し、判定部106は、被検査物体における操作部及び可動部の設置状況と、入力部102における設定結果とを比較することにより、被検査物体を構成する多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた場合に、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【解決手段】入力部102は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定し、判定部106は、被検査物体における操作部及び可動部の設置状況と、入力部102における設定結果とを比較することにより、被検査物体を構成する多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた場合に、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置および設置判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家電製品又は家具等を購入する際、家電製品又は家具等の物体のサイズ、及び、それらを設置する設置スペースのサイズを簡単に測定し、かつ、設置スペースに上記物体が収容可能か否かを判定することで、商品購入を支援する検査装置が検討されている。
【0003】
例えば、物体のサイズを測定する従来方法として、加速度センサを利用することで、物体の任意の位置間のサイズを測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、設置スペースに物体が収容可能か否かを判定する従来方法として、或る測定手段によって得られた物体のサイズを示すサイズ情報と、データベースに蓄積している設置スペースのサイズ基準値とを比較することにより、物体がサイズ基準値に収容できるか否かを判定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−114439号公報
【特許文献2】特開平9−269218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、特許文献1及び特許文献2にそれぞれ開示された方法を組み合わせることが考えられる。具体的には、検査装置は、家電製品等、検査対象である被検査物体のサイズ、及び、設置スペースのサイズを測定する。そして、検査装置は、測定した被検査物体のサイズと、測定した設置スペースのサイズとを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0006】
しかしながら、上記検査装置は、設置スペースに被検査物体が収容可能か否かのみしか判定できない。そのため、例えば、設置スペースに被検査物体(例えば、家電製品又は家具)が設置可能ではあるが、設置後の家電製品の操作部(例えば、操作パネル)にユーザの手が届かない状況、又は、設置スペースに家具(被検査物体)が設置可能ではあるが、設置後の家具の可動部(例えば、引き出し)を引き出せない状況が発生し得る。すなわち、上記検査装置では、設置後の被検査物体の使用状況が考慮されていないという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定することができる検査装置及び設置判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検査装置は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定手段と、前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定手段における設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定手段と、を具備する構成を採る。
【0009】
本発明の設置判定方法は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定ステップと、前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定ステップにおける設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定ステップと、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る設置スペースのサイズの測定手順を示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る被検査物体のサイズの測定手順を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る記憶部で記憶される設置スペースのサイズ及び許可情報の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の流れを示す図
【図6】本発明の実施の形態1に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図7】本発明の実施の形態1に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図8】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図10】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図11】本発明の実施の形態2に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図12】本発明の実施の形態2に係る検査装置における検査モード時の処理(可動部検査処理)の流れを示す図
【図13】本発明の実施の形態2に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図14】本発明の実施の形態3に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態3に係る設置スペース及び被検査物体の測定手順を示す図
【図16】本発明の実施の形態3に係る設置スペース及び被検査物体の測定手順を示す図
【図17A】本発明の実施の形態3に係る記憶部で記憶される位置情報、ベクトル情報及び距離情報の一例を示す図
【図17B】本発明の実施の形態3に係る記憶部で記憶される設置スペースのサイズ及び許可情報の一例を示す図
【図18A】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図18B】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図19A】本発明の実施の形態3に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図19B】本発明の実施の形態3に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図19C】本発明の実施の形態3に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図20】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図21】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図22】本発明の実施の形態4に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図23A】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図23B】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図24】本発明の実施の形態4に係る記憶部で記憶される座標情報、平面情報及び禁止情報の一例を示す図
【図25】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図26】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図27】本発明の実施の形態5に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図28】本発明の実施の形態5に係る検査装置における設置判定処理の流れを示す図
【図29】本発明の実施の形態5に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図30】本発明の実施の形態5に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。本発明の各実施の形態に係る検査装置は、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。ここで、被検査物体は多面で構成され、被検査物体の設置を想定している設置スペースは多面で規定される。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す検査装置100において、モード切替部101は、被検査物体の設置を想定している設置スペースのサイズを測定する測定モード、及び、被検査物体のサイズを測定し、設置スペースに被検査物体が設置可能であるか否かを判定する検査モードのいずれか一方に動作モードを切り替える。そして、モード切替部101は、切り替えた動作モードを示す情報を入力部102及び計算部104に出力する。例えば、モード切替部101は、3段ディップスイッチを備え、検査装置100の電源オフ、測定モード及び検査モードの3つの状態を切り替える。なお、検査装置100がアプリケーションとして携帯端末に具備される場合、モード切替部101は、アプリケーションを利用したGUI画面であって、電源オフとは、アプリケーションが起動されていない状態であってもよい。
【0015】
入力部102は、モード切替部101から入力される動作モードが測定モードの場合、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部(例えば、家電製品の操作パネル)及び可動部(例えば、家具の引き出し等)の設置を許可するか否か(許可又は禁止)を設定する。そして、入力部102は、各面における許可又は禁止の設定結果を示す許可情報を記憶部105に出力する。例えば、設置スペースを規定する多面のうち、壁又は天井等に接する面に、被検査物体の操作部及び可動部が設置された面を向けても、設置後の被検査物体においてユーザは操作部及び可動部を利用することができない可能性がある。そこで、入力部102では、例えば、設置スペースを規定する多面のうち壁又は天井等に接する面に対して、操作部及び可動部の設置が禁止される。
【0016】
また、入力部102は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定する。ここで、被検査物体を構成する多面のうち正面は、通常、ユーザが被検査物体を使用する際に対向する面である。そのため、入力部102では、設置スペースを規定する多面のうち、被検査物体の正面として設定された面は、操作部及び可動部の設置を許可される。ただし、検査装置100では、測定モード(図2)及び検査モード(図3)においてサイズ(高さ、幅、奥行き)を測定する順序が予め設定されている。測定モードでは、例えば、図2に示すように、正面の4つの頂点のうち底面に属する2つの頂点のいずれか1つを測定開始位置とする。そして、検査装置100は、図2に示すように、奥行き、幅、高さの順に設置スペースを規定する多面のサイズを測定する。一方、検査モードでは、例えば、図3に示すように、測定モードと同様、正面の4つの頂点のうち底面に属する2つの頂点のいずれか1つを測定開始位置とする。そして、検査装置100は、図3に示すように、高さ、幅、奥行きの順に被検査物体を構成する多面のサイズを測定する。これより、入力部102では、ユーザが操作入力により上記正面を指定することなく、上記正面を設定することができる。例えば、図2では、幅及び奥行きが測定された辺を含む面に対向する面が正面に設定され、図3では、高さ及び幅が測定された辺を含む面が正面に設定される。
【0017】
また、入力部102は、操作入力によって検査装置100の位置を確定するための確定ボタンを備える。そして、入力部102は、操作入力により確定ボタンが押下された場合、確定ボタンが押下された旨を示す確定情報を計算部104に出力する。なお、入力部102は、GUI部品のボタンであってもよい。
【0018】
一方、入力部102は、検査モードの場合、被検査物体を構成する各面において、操作部(例えば、家電製品の操作パネル)及び可動部(例えば、家具の引き出し等)が設置された面の有無を設定する。そして、入力部102は、被検査物体を構成する各面における操作部及び可動部の設置状況(操作部及び可動部の設置の有無)を示す設置情報を判定部106に出力する。
【0019】
例えば、設置スペース及び被検査物体が直方体で表される場合について説明する。この場合、設置スペース及び被検査物体は、天井面、左側面、右側面、正面、背面、底面の6面で表される。そこで、入力部102は、各面に対して2段ディップスイッチを備え、測定モードでは各面に対して‘許可’/‘禁止’を設定し、検査モードでは各面に対して操作部(可動部)の‘有り’/‘無し’を設定する。なお、入力部102は、GUI部品のチェクボタンであってもよい。
【0020】
センサ103は、検査装置100の位置、つまり、(X、Y、Z)座標を検出する。そして、センサ103は、検出した検査装置100の位置を示す位置情報を、計算部104に順次出力する。センサ103は、例えば、検査装置100のX軸、Y軸、Z軸それぞれの加速度を計測する加速度センサと、検査装置100のピッチ角、ロール角、ヨー角それぞれの角加速度を計測するジャイロセンサとから成る3次元センサである。
【0021】
計算部104は、センサ103から順次入力される位置情報を用いて、モード切替部101から入力される動作モードで測定されるべき対象(測定モードでは設置スペース、検査モードでは被検査物体)のサイズ(奥行き、幅、高さ)を計算する。具体的には、操作入力(例えば、確定ボタンの押下)により、検査装置100の現時点の位置を確定する旨を示す確定情報が入力部102から計算部104に入力される。そして、計算部104は、確定情報が入力された時点の位置情報を、検査装置100の現時点の位置として確定する。そして、計算部104は、測定モードでは、今回確定情報が入力された時点の位置情報と前回確定情報が入力された時点の位置情報とを用いて、図2に示すように、奥行き、幅、高さの順に設置スペースのサイズを算出する。そして、計算部104は、算出した設置スペースの(奥行き、幅、高さ)を示す情報を記憶部105に出力する。一方、計算部104は、検査モードでは、今回確定情報が入力された時点の位置情報と前回確定情報が入力された時点の位置情報とを用いて、図3に示すように、高さ、幅、奥行きの順に被検査物体のサイズを算出する。そして、計算部104は、算出した被検査物体の(高さ、幅、奥行き)を示す情報を判定部106に出力する。
【0022】
記憶部105は、測定モード時に入力部102から入力される許可情報、及び、測定モード時に計算部104から入力される設置スペースのサイズ(奥行き、幅、高さ)を記憶する。例えば、記憶部105は、不揮発メモリであり、図4に示すように、設置スペースの高さ、奥行き、幅、及び、設置スペースを規定する各面における被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを示す許可情報(許可又は禁止)を記憶する。
【0023】
判定部106は、記憶部105に記憶されている設置スペースに関する情報(図4に示す設置スペースのサイズ、及び、許可情報)と、検査モード時に入力部102及び計算部104からそれぞれ入力される、被検査物体に関する情報(被検査物体のサイズ、及び、設置情報)とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。具体的には、判定部106は、被検査物体の多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた場合に、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。まず、判定部106は、被検査物体のサイズと設置スペースのサイズとを比較することにより、被検査物体が設置スペースに収容可能か否かを判定する。さらに、判定部106は、被検査物体の設置情報(被検査物体における操作部(可動部)の設置状況)と設置スペースの許可情報(入力部102における設定結果)とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。具体的には、判定部106は、設置情報と許可情報とを比較することにより、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち操作部(可動部)が設置された面に対応する全ての面で操作部(可動部)の設置が許可されている場合、設置スペースに被検査物体が設置可能であると判定する。これに対して、判定部106は、設置情報と許可情報とを比較することにより、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち操作部(可動部)が設置された面に対応する面のいずれか1つでも操作部(可動部)の設置が禁止されている場合、設置スペースに被検査物体が設置不可であると判定する。そして、判定部106は、判定結果(設置可能(合格)又は設置不可(不合格))を出力部107に出力する。
【0024】
出力部107は、判定部106から入力される判定結果をユーザに通知するための情報を出力する。例えば、出力部107は、圧電ブザーであり、判定結果が設置不可(不合格)の場合には、警告音を鳴らしてもよい。なお、出力部107は、GUI部品のテキストボックスに「設置可能(合格)」又は「設置不可(不合格)」が分かる表示を行ってもよい。
【0025】
次に、本実施の形態に係る検査装置100の設置判定処理の詳細について説明する。
【0026】
図5〜図7は、検査装置100の設置判定処理の流れを示す図である。図5において、ステップ(以下、STという)101では、センサ103は、検査装置100の位置情報の測定を開始する。
【0027】
ST102では、モード切替部101は、動作モードを、測定モード及び検査モードのいずれか一方に切り替える。動作モードが測定モードの場合(ST102:測定モード)、ST103では、検査装置100は測定処理(図6)を実行し、動作モードが検査モードの場合(ST102:検査モード)、ST104では、検査装置100は検査処理(図7)を実行する。
【0028】
図6は、検査装置100の測定モード時の処理(図5のST103:測定処理)の流れを示す図である。図6において、ST201では、入力部102は、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否か(許可又は禁止)を設定する。
【0029】
ST202では、計算部104は、入力部102から確定情報が入力されたか否か、つまり、入力部102での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST202:NO)、計算部104は待機する。一方、確定ボタンが押された場合(ST202:YES)、ST203では、計算部104は、センサ103から位置情報((X,Y,Z)座標)を取得する。
【0030】
ST204では、計算部104は、測定モード開始時からの確定ボタン押下回数を特定する。
【0031】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST204:1回目)、ST205では、計算部104は、ST203で取得した位置情報を、設置スペースのサイズの測定開始位置(例えば、図2に示す測定開始位置)として確定する。そして、ST202の処理に戻る。
【0032】
確定ボタン押下が2回目の場合(ST204:2回目)、ST206では、計算部104は、ST205で確定した位置と、今回ST203で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの奥行きとして計算する。ST207では、計算部104は、ST206で算出された、設置スペースの奥行きを記憶部105に保存する。そして、ST202の処理に戻る。
【0033】
確定ボタン押下が3回目の場合(ST204:3回目)、ST208では、計算部104は、前回(2回目)のST203で取得した位置情報に示される位置と、今回ST203で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの幅として計算する。ST209では、計算部104は、ST208で算出された、設置スペースの幅を記憶部105に保存する。そして、ST202の処理に戻る。
【0034】
確定ボタン押下が4回目の場合(ST204:4回目)、ST210では、計算部104は、前回(3回目)のST203で取得した位置情報に示される位置と、今回ST203で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの高さとして計算する。ST211では、計算部104は、ST210で算出された、設置スペースの高さを記憶部105に保存する。
【0035】
記憶部105は、ST212において、ST201で設定された許可情報を入力部102から読み出し、ST213において、ST212で読み出した許可情報を保存する。
【0036】
図7は、検査装置100の検査モード時の処理(図5のST104:検査処理)の流れを示す図である。図7において、ST301では、入力部102は、被検査物体を構成する各面における操作部(操作パネル)及び可動部が設置された面の有無(設置状況)を設定する。
【0037】
ST302では、計算部104は、ST202(図6)と同様、入力部102から確定情報が入力されたか否か、つまり、入力部102での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST302:NO)、計算部104は待機する。一方、確定ボタンが押された場合(ST302:YES)、ST303では、計算部104は、センサ103から位置情報((X,Y,Z)座標)を取得する。
【0038】
ST304では、計算部104は、検査モード開始時からの確定ボタン押下回数を特定する。
【0039】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST304:1回目)、ST305では、計算部104は、ST303で取得した位置情報を、被検査物体のサイズの測定開始位置(例えば、図3に示す測定開始位置)として確定する。そして、ST302の処理に戻る。
【0040】
確定ボタン押下が2回目の場合(ST304:2回目)、ST306では、計算部104は、ST305で確定した位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、被検査物体の高さとして計算する。ST307では、判定部106は、図6のST211で記憶部105に記憶された設置スペースの高さを読み出す。ST308では、判定部106は、ST306で計算部104が算出した被検査物体の高さと、ST307で読み出した設置スペースの高さとを比較することにより、被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下であるか否かをチェックする。被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下の場合(ST308:以下)、ST302の処理に戻る。一方、被検査物体の高さが設置スペースの高さを超える場合(ST308:超える)、ST318の処理に進む。
【0041】
確定ボタン押下が3回目の場合(ST304:3回目)、ST309では、計算部104は、前回(2回目)のST303で取得した位置情報に示される位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、被検査物体の幅として計算する。ST310では、判定部106は、図6のST209で記憶部105に記憶された設置スペースの幅を読み出す。ST311では、判定部106は、ST309で計算部104が算出した被検査物体の幅と、ST310で読み出した設置スペースの幅とを比較することにより、被検査物体の幅が設置スペースの幅以下であるか否かをチェックする。被検査物体の幅が設置スペースの幅以下の場合(ST311:以下)、ST302の処理に戻る。一方、被検査物体の幅が設置スペースの幅を超える場合(ST311:超える)、ST318の処理に進む。
【0042】
確定ボタン押下が4回目の場合(ST304:4回目)、ST312では、計算部104は、前回(3回目)のST303で取得した位置情報に示される位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、被検査物体の奥行きとして計算する。ST313では、判定部106は、図6のST207で記憶部105に記憶された設置スペースの奥行きを読み出す。ST314では、判定部106は、ST312で計算部104が算出した被検査物体の奥行きと、ST313で読み出した設置スペースの奥行きとを比較することにより、被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行き以下であるか否かをチェックする。被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行きを超える場合(ST311:超える)、ST318の処理に進む。
【0043】
被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行き以下の場合(ST314:以下)、ST315では、判定部106は、ST301で入力部102が設定した設置情報を読み出す。ST316では、判定部106は、図6のST213で記憶部105に記憶された許可情報を読み出す。
【0044】
ST317では、判定部106は、ST315で読み出した設置情報とST316で読み出した許可情報とを比較する。具体的には、判定部106は、設置スペースを規定する多面のうち被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部の設置が禁止されている面(許可情報で‘禁止’が設定されている面)に、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されていない面(設置情報で‘無し’が設定されている面)が向けられているか否かを判定する。換言すると、判定部106は、設置スペースを規定する多面のうち、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置された面(設置情報で‘有り’が設定されている面)に対応する全ての面で、上記操作部(可動部)の設置が許可されているか否かを判定する。
【0045】
被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている全ての面が、許可情報において全て許可されている場合(ST317:許可有り)、検査処理をそのまま終了する。
【0046】
一方、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている面のいずれか1つでも、許可情報において許可されていない場合(ST317:許可無し)、又は、被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)が設置スペースのサイズ(高さ、幅、奥行き)を超えた場合(ST308,ST311,ST314:超える)、ST318では、出力部107は、設置スペースに被検査物体が設置不可(不合格)であることを通知するための警告ブザーを鳴動させる。
【0047】
図7に示すように、検査モードでは、判定部106は、被検査物体のサイズと設置スペースのサイズとを比較することにより、設置スペースに被検査物体が終了可能か否かを判定する(ST302〜ST314)。
【0048】
さらに、図7に示すように、検査モードでは、判定部106は、被検査物体の操作部(可動部)の設置状況と、設置スペースを規定する各面で操作部(可動部)の設置を許可するか否かの設定結果とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する(ST301,ST315〜ST317)。具体的には、判定部106は、被検査物体の多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた場合に設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0049】
つまり、検査装置100は、設置スペースと被検査物体との間でサイズを比較するだけでなく、設置スペースを規定する各面での操作部(可動部)の使用可否(許可情報に示される許可/禁止)と、被検査物体の操作部(可動部)の設置状況(設置情報に示される有り/無し)とを比較する。換言すると、検査装置100は、設置スペースに被検査物体が収容可能か否かを判定するだけでなく、設置スペースに被検査物体を設置した後に被検査物体を使用可能か否かも判定する。
【0050】
次に、検査装置100における測定モード時の処理及び検査モード時の処理の具体例について説明する。
【0051】
ここでは、検査装置100が、図8に示す設置スペースに図9A又は図10Aに示す被検査物体が設置可能か否かを判定する場合について説明する。
【0052】
以下の説明では、図8に示す空間のうち、面aが正面として設定される。また、図9Aに示す検査物体のうち面bが正面として設定され、図10Aに示す検査物体のうち面cが正面として設定される。
【0053】
また、図9Aに示す被検査物体を構成する多面のうち正面に蓋(可動部)が設置されており、図10Aに示す被検査物体を構成する多面のうち天井面に蓋(可動部)が設置されている。
【0054】
また、図8に示す許可情報のうち‘許可’を‘0’で表し、‘禁止’を‘1’で表す。同様に、図9A及び図10Aに示す設置情報のうち、操作部(可動部)の設置がない場合(‘無し’)を‘0’で表し、操作部(可動部)の設置が有る場合(‘有り’)を‘1’で表す。
【0055】
まず、測定モードについて説明する。
【0056】
図8に示すように、設置スペースを規定する6面のうち、天井面、左側面、背面、底面は、壁、床又は障害物(例えば棚等)に接している。そこで、入力部102は、図8に示すように、天井面、左側面、背面、底面では、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止(1)する(図6のST201)。これに対し、入力部102は、図8に示すように、右側面及び正面では、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可(0)する(図6のST201)。
【0057】
また、図8に示すように、入力部102における操作入力により、位置P1、位置P2、位置P3、位置P4の順に確定ボタンが押下されたとする(図6のST202:YES)。よって、計算部104は、設置スペースのサイズを、奥行き(位置P1と位置P2との間の距離)、幅(位置P2と位置P3との間の距離)、高さ(位置P3と位置P4との間の距離)の順に計算する(図6のST206,ST208,ST210)。例えば、図8では、計算部104は、奥行き=80cm、幅=80cm、高さ=110cmを計算し、記憶部105は、計算部104が計算した値を不揮発メモリに記憶する。すなわち、図8に示すように、検査装置100では、奥行き=80cm、幅=80cm、高さ=110cmの直方体を設置スペースとして規定する。
【0058】
次に、検査モードについて説明する。
【0059】
図9Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち正面には、蓋(可動部)が設置されている。そこで、入力部102は、図9Aに示すように、正面では、被検査物体の可動部の有無を‘有り(1)’に設定する(図7のST301)。これに対し、入力部102は、図9Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち、正面以外の面(天井面、左側面、右側面、背面、底面)では、被検査物体の可動部の有無を‘無し(0)’に設定する(図7のST301)。
【0060】
また、図9Aでは、入力部102における操作入力により、位置P5、位置P6、位置P7、位置P8の順に確定ボタンが押下されたとする(図7のST302:YES)。よって、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ(位置P5と位置P6との間の距離)、幅(位置P6と位置P7との間の距離)、奥行き(位置P7と位置P8との間の距離)の順に計算する(図7のST306,ST309,ST312)。つまり、図9Aに示すように、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの順に計算する。すなわち、図9Aに示すように、検査装置100では、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの直方体で構成される被検査物体を設定する。
【0061】
ここで、図9Aに示す被検査物体の高さ=100cm、幅=65cm、及び、奥行き=70cmは、図8に示す設置スペースの高さ=110cm、幅=80cm、及び、奥行き=80cm以下となる。すなわち、判定部106は、被検査物体のサイズが設置スペースのサイズ以下(図7のST308、ST311、ST314:以下)であり、被検査物体が設置スペースに収容可能であると判定する。
【0062】
次いで、判定部106は、図8に示す許可情報と図9Aに示す設置情報とを比較する(図7のST317)。具体的には、判定部106は、被検査物体を構成する6面のうち正面を、設置スペースを規定する6面のうち正面に設定された面に向けた場合に、設置情報で‘有り(1)’が設定されている全ての面において、許可情報で‘許可(0)’が設定されているか否かを判断する。例えば、図9Aに示す設置情報で‘有り(1)’が設定されている正面では、図8に示す許可情報が‘許可(0)’に設定されている。
【0063】
換言すると、判定部106は、許可情報で‘禁止(1)’が設定されている全ての面において、設置情報で‘無し’が設定されているか否かを判断する。例えば、図8に示す許可情報のうち‘禁止(1)’が設定されている天井面、左側面、背面、底面では、図9Aに示す設置情報で‘無し(0)’が設定されている。
【0064】
よって、判定部106は、図9Aに示す被検査物体が図8に示す設置スペースに設置可能であると判定する。つまり、判定部106は、図9Bに示すように、図9Aに示す被検査物体が図8に示す設置スペースに収容可能であり、かつ、設置後の被検査物体において正面に設置された蓋(可動部)を使用可能であると判定する。
【0065】
次に、検査モードにおいて、検査装置100が図9Aに示す被検査物体の代わりに図10Aに示す被検査物体の設置について判定する場合について説明する。
【0066】
図10Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち天井面には、蓋(可動部)が設置されている。そこで、入力部102は、図10Aに示すように、天井面では、被検査物体の可動部の有無を‘有り(1)’に設定する(図7のST301)。これに対し、入力部102は、図10Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち、天井面以外の面(左側面、右側面、正面、背面、底面)では、被検査物体の可動部の有無を‘無し(0)’に設定する(図7のST301)。
【0067】
また、図10Aでは、入力部102における操作入力により、位置P9、位置P10、位置P11、位置P12の順に確定ボタンが押下されたとする(図7のST302:YES)。よって、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ(位置P9と位置P10との間の距離)、幅(位置P10と位置P11との間の距離)、奥行き(位置P11と位置P12との間の距離)の順に計算する(図7のST306,ST309,ST312)。つまり、図10Aに示すように、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの順に計算する。すなわち、図10Aに示すように、検査装置100では、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの直方体で構成される被検査物体を設定する。
【0068】
よって、図10Aでは、判定部106は、図9Aと同様、被検査物体のサイズが設置スペースのサイズ以下(図7のST308、ST311、ST314:以下)であり、被検査物体が設置スペースに収容可能であると判定する。
【0069】
次いで、判定部106は、図8に示す許可情報と図10Aに示す設置情報とを比較する(図7のST317)。ここで、図8に示す許可情報のうち‘禁止(1)’が設定されている天井面では、図10Aに示す設置情報で‘有り(1)’が設定されている。よって、判定部106は、図8に示す設置スペースに図10Aに示す被検査物体が設置不可であると判定する。つまり、判定部106は、図10Bに示すように、図10Aに示す被検査物体が図8に示す設置スペースに収容可能であるものの、設置後の被検査物体において蓋(可動部)を使用できないと判定する。
【0070】
このように、検査装置100は、図9A及び図10Aに示す被検査物体のサイズが同一(図8に示す設置スペースに収容可能)であるにも関わらず、設置後に蓋(可動部)の使用が可能な図9Aに示す被検査物体を設置可能と判定し、設置後に蓋(可動部)の使用ができない図10Aに示す被検査物体を設置不可と判定する。
【0071】
すなわち、検査装置100は、被検査物体が設置スペースに収容可能か否かを判定するだけでなく、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。換言すると、検査装置100は、被検査物体を構成する多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた状況、つまり、実際に被検査物体を設置スペースに設置した際の使用状況を考慮する。
【0072】
これにより、図10Bに示すように、設置スペースに被検査物体が収容可能であっても、設置後の被検査物体において、操作部(可動部)が設置された面が障害物(天井、壁、柱又は棚等)に接しているために使用できなくなることを回避することができる。
【0073】
このようにして、本実施の形態によれば、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0074】
さらに、本実施の形態によれば、検査装置では、設置スペースのサイズ又は被検査物体のサイズを測定する際、予め設定された順序でサイズ(高さ、奥行き、幅)が測定される。このため、検査装置は、測定順序に基づいて、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面、及び、被検査物体を構成する多面のうち正面を特定することができる。よって、本実施の形態では、ユーザが上記正面を指示するステップを省略することができる。
【0075】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の動作に加え、さらに、被検査物体に設置された可動部の可動領域を考慮して、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する場合について説明する。
【0076】
以下、具体的に説明する。図11及び図12は、本実施の形態に係る検査装置100(図1)の設置判定処理のうち検査モード時の処理(図5のST104:検査処理)の流れを示す図である。なお、本実施の形態に係る検査装置100における測定モード時の処理の流れは実施の形態1と同様(図6)である。また、図11及び図12において、実施の形態1(図7)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0077】
図11において、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている全ての面が、許可情報において全て許可されている場合(ST317:許可有り)、ST400では、検査装置100は、被検査物体に設置された可動部の可動領域を考慮した検査処理(可動部検査処理)を行う。
【0078】
図12は、検査装置100における可動部検査処理(図11のST400)の流れを示す図である。図12において、ST401では、検査装置100は、検査装置100の電源がオフ(例えば、モード切替部101の動作モードが電源オフ)であるか否かを判断する。電源がオフの場合(ST401:YES)、検査処理を終了する。
【0079】
電源がオフでない場合(ST401:NO)、ST402では、計算部104は、ST302(図11)と同様、入力部102での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST402:NO)、計算部104は待機する。
【0080】
一方、確定ボタンが押された場合(ST402:YES)、ST403では、計算部104は、センサ103から位置情報((X,Y,Z)座標)を取得する。
【0081】
ST404では、計算部104は、ST403で取得した位置情報を用いて、被検査物体に設置された可動部を可動させた状態の被検査物体の高さを計算する。すなわち、計算部104は、図11のST306で計算した被検査物体の高さを、被検査物体に設置された可動部を可動させた状態の被検査物体の高さに更新する。ST405では、判定部106は、図6のST211で記憶部105に記憶された設置スペースの高さを読み出す。
【0082】
ST406では、判定部106は、ST404で計算部104が算出した被検査物体の高さ(可動部を可動させた状態の高さ)と、ST405で読み出した設置スペースの高さとを比較することにより、被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下であるか否かをチェックする。可動部を可動させた状態の被検査物体の高さが設置スペースの高さを超える場合(ST406:超える)、ST413の処理に進む。
【0083】
可動部を可動させた状態の被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下の場合(ST406:以下)、ST407〜ST409では、計算部104及び判定部106は、ST404〜ST406と同様にして、可動部が可動された状態の被検査物体の幅に対する判定処理を行う。
【0084】
可動部を可動させた状態の被検査物体の幅が設置スペースの幅以下の場合(ST409:以下)、ST410〜ST412では、計算部104及び判定部106は、ST404〜ST406又はST407〜ST409と同様にして、可動部が可動された状態の被検査物体の奥行きに対する判定処理を行う。可動部を可動させた状態の被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行き以下の場合(ST412:以下)、ST401に戻る。
【0085】
可動部を可動させた状態の被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)が設置スペースのサイズ(高さ、幅、奥行き)を超える場合(ST406、ST409、ST412:超える)、ST413では、出力部107は、設置スペースに被検査物体が設置不可(不合格)であることを通知するための警告ブザーを鳴動させる。
【0086】
次に、検査装置100における検査モード時の処理の具体例について説明する。
【0087】
ここでは、実施の形態1と同様、検査装置100が、図8に示す設置スペースに図9Aに示す被検査物体が設置可能か否かを判定する場合について説明する。ここで、図9Aに示す被検査物体に設置された蓋(可動部)は閉じた状態である。
【0088】
また、実施の形態1と同様、検査装置100は、図11のST301〜ST317の処理を行うことにより、図8に示す設置スペースに図9Aに示す被検査物体が収容可能であると判定する(つまり、図11に示すST400の処理に進む)。
【0089】
ここで、図13Aに示すように、検査装置100は、図9Aに示す被検査物体に設置された蓋(可動部)を開けた状態(つまり、閉じた状態から可動させた後の状態)について可動部検査処理を行う(図11のST400)。なお、図9A及び図13Aにおいて、被検査物体に設置された蓋(可動部)の開閉前後(可動前後)では、被検査物体の高さ及び幅は変わらず、奥行きのみが変わるものとする。
【0090】
この場合、計算部104は、図13Aに示す蓋を開けた状態(可動部が可動された状態)の被検査物体の高さを再計算する(ST404)。そして、判定部106は、図8に示す記憶部105に記憶された設置スペースの高さ=110cmと、被検査物体の高さ=100cm(可動前後で同一)とを比較する(ST406)。同様にして、計算部104は、図13Aに示す蓋を開けた状態(可動部が可動された状態)の被検査物体の幅を再計算する(ST407)。そして、判定部106は、図8に示す記憶部105に記憶された設置スペースの幅=80cmと、被検査物体の幅=65cm(可動前後で同一)とを比較する(ST409)。
【0091】
次いで、計算部104は、図13Aに示す蓋を開けた状態(可動部が可動された状態)の被検査物体の奥行きを再計算する(ST410)。具体的には、計算部104は、被検査物体の奥行きとして80.1cmを算出する。つまり、図9A及び図13Aに示すように、蓋を閉じた状態から開けた状態に可動させると、被検査物体の奥行きは70cmから80.1cmに変化する。よって、図13Aに示すように、判定部106では、計算部104から入力される被検査物体の奥行きの値が更新される。
【0092】
そして、判定部106は、図8に示す記憶部105に記憶された設置スペースの奥行き=80cmと、被検査物体の幅=80.1cmとを比較する(ST412)。よって、判定部106は、被検査物体の幅=80.1cmが設置スペースの幅=80cmを超えるため(ST412:超える)、図13Bに示すように、図8に示す設置スペースに被検査物体(図9A及び図13A)が設置不可(不合格)であると判定する。
【0093】
このように、本実施の形態では、検査装置100は、実施の形態1と同様、設置スペースに被検査物体が収容可能か否かを判定するだけでなく、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0094】
さらに、本実施の形態では、検査装置100は、実施の形態1の動作に加え、被検査物体に設置された可動部の可動領域に基づいて、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。具体的には、図13Aに示すように、被検査物体では、蓋(可動部)の開閉によって被検査物体の奥行きが70cm〜80.1cmの間で変化する。これに対して、検査装置100は、蓋を閉めた状態の被検査物体(図9Aの状態)に対して設置スペースへの設置可能か否かを判定するだけでなく、蓋を開けた状態(図13Aの状態)に対しても、設置スペースへの設置可能か否かを判定する。
【0095】
これにより、図13Bに示すように、設置後の被検査物体において、可動部(蓋)を可動させる際に、障害物(天井、壁、柱又は棚等)の存在により、全ての可動領域で可動部を可動できなくなることを回避することができる。または、被検査物体を設置スペースに設置した際、被検査物体に設置された可動部をどれだけ可動させることができるか(例えば、被検査物体に設置された引き出しをどこまで引き出せるか)を、実際に設置することなく特定することができる。換言すると、被検査物体に設置された可動部における可動領域の制限がどれくらいであるかを、実際に設置することなく特定することができる。なお、検査装置100がアプリケーションとして携帯端末に具備される場合に、例えば、被検査物体に設置された引き出しをどこまで引き出せるかを確認する際、ユーザは携帯端末を手に持って実際に引き出しをどこまで引き出せるかを確認する使い方が考えられる。この場合、使用形態上、ユーザがGUI画面を見ることができないことがあり、大変、使い勝手が悪い。そこで、出力部107は、バイブ機能を具備し、「設置不可(不合格)」の場合、バイブレータを動作させてもよい。
【0096】
このようにして、本実施の形態によれば、被検査物体に設置された可動部の可動領域を含めて、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0097】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、被検査物体のサイズ及び設置スペースのサイズの測定手順を予め設定することで、被検査物体を構成する多面のうち正面、及び、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定される面を設定する場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、被検査物体を構成する多面のうち正面、及び、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定される面を、被検査物体のサイズ及び設置スペースのサイズを測定した後に設定する場合について説明する。
【0098】
以下、具体的に説明する。図14は、本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。なお、図14において、実施の形態1(図1)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0099】
図14に示す検査装置200において、センサ201は、検査装置200の位置、及び、検査装置200の姿勢を検出する。例えば、センサ201は、加速度センサ及びジャイロセンサを備え、慣性航法により検査装置200の位置及び姿勢を検出する。そして、センサ201は、検査装置200の位置を示す位置情報を記憶部203に出力し、検査装置200の姿勢を示す姿勢情報を計算部202に出力する。
【0100】
計算部202は、記憶部203に記憶されている検査装置200の位置情報を用いて、モード切替部101から入力される動作モードで測定されるべき対象(測定モードでは設置スペース、検査モードでは被検査物体)を規定する直方体の各方向(例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の単位ベクトルを算出する。例えば、検査装置200の位置情報として、図15及び図16に示すように、位置情報0〜3が記憶部203から入力された場合、計算部202は、位置情報0〜3を用いて、単位ベクトルVector1〜3を算出する。
【0101】
また、計算部202は、図15及び図16に示す位置情報0〜3を用いて、位置情報に示される位置間の距離1〜3を計算する。すなわち、計算部202は、設置スペースのサイズ又は被検査物体のサイズ(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の長さ)を測定する。
【0102】
また、計算部202は、センサ201から入力される姿勢情報を用いて、検査装置100の向きを示すベクトルを計算する。具体的には、計算部202は、上記単位ベクトルを計算後、入力部102から確定情報が入力された場合、その時点の姿勢情報を用いて計算されるベクトルを、設置スペース(又は被検査物体)の正面方向のベクトル(図15に示すVectorF)とする。次いで、計算部202は、正面方向のベクトルを計算後、入力部102から確定情報が入力された場合、その時点の姿勢情報を用いて計算されるベクトルを、設置スペース(又は被検査物体)の底面方向のベクトル(図16に示すVectorB)とする。
【0103】
また、計算部202は、単位ベクトル(図15及び図16に示すVector1〜3)と、正面方向及び底面方向を示すベクトル(図15及び図16に示すVectorF及びVectorB)とに基づいて、位置情報に示される位置間の距離(図15及び図16に示す距離1〜3)が設置スペース又は被検査物体の奥行き、幅、高さのいずれに相当するかを判定する。つまり、検査装置200では、入力部102は、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定し、計算部202は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定する。ただし、計算部202は、設置スペースを規定する多面のサイズを測定した後に、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面を設定する。
【0104】
そして、計算部202は、測定モードでは、設置スペースについて、算出したベクトルを示すベクトル情報、距離を示す距離情報、又は、設置スペースのサイズ(高さ、奥行き、幅)を記憶部203に出力する。また、計算部202は、検査モードでは、被検査物体のサイズ(高さ、奥行き、幅)を判定部106に出力する。
【0105】
記憶部203は、センサ201から入力される位置情報(図15及び図16に示す位置情報0〜3)、計算部202から入力されるベクトル情報(図15及び図16に示すVector1〜3、VectorF及びVectorB)、及び、計算部202から入力される距離情報(図15及び図16に示す距離1〜3)及び設置スペースのサイズ(高さ、奥行き、幅)を記憶する。また、記憶部203は、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルを示すベクトル情報を表示部204に出力し、位置情報を計算部202に出力する。なお、例えば、記憶部203では、位置情報、ベクトル情報及び距離は、測定モード時の設置スペースの高さ、奥行き、幅を決定するまでに使用される情報であるので、図17Aに示すように、揮発メモリに記憶されてもよい。一方、例えば、記憶部203では、設置スペースのサイズ(奥行き、幅、高さ)及び許可情報は、測定モードでの測定後にも引き続き使用される情報であるので、図17Bに示すように、不揮発メモリに記憶されてもよい。
【0106】
表示部204は、入力部102から入力される確定情報に基づいて、記憶部203から入力される正面方向のベクトル又は記憶部203から入力される底面方向のベクトルを表示する。具体的には、表示部204は、位置情報(図15及び図16に示す位置情報0〜3)が全て確定した後に、確定情報が入力された場合、現時刻の正面方向のベクトルを順次表示するとともに、ユーザに対して測定対象(設置スペース又は被検査物体)の正面方向の決定(正面方向のベクトルVectorFの決定)を促すメッセージを表示する。また、表示部204は、次に確定情報が入力された場合(正面方向のベクトルVectorFが確定した場合)、底面方向のベクトルを表示するとともに、ユーザに対して測定対象(設置スペース又は被検査物体)の底面方向の決定(底面方向のベクトルVectorBの決定)を促すメッセージを表示する。
【0107】
次に、本実施の形態に係る検査装置200の設置判定処理の詳細について説明する。
【0108】
まず、測定モードについて説明する。図18A及び図18Bは、検査装置200の測定モード時の処理(図5に示すST103:測定処理)の流れを示す図である。なお、図18A及び図18Bにおいて、実施の形態1(図6)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0109】
図18Aにおいて、確定ボタン押下が1回目の場合(ST204:1回目)、ST501では、記憶部203は、ST203でセンサ201から取得した位置情報を、位置情報0(X0,Y0,Z0)として登録する。そして、ST202の処理に戻る。同様にして、ST502〜ST504では、記憶部203は、ST203でセンサ201から取得した情報を、位置情報1〜3として登録する。
【0110】
位置情報0〜3を登録後、ST505では、表示部204は、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定する面、つまり、正面方向に検査装置200を向けて、正面方向のベクトルを登録するための登録ボタンを押下することを促すメッセージを表示する。このとき、表示部204は、計算部202で算出される正面方向のベクトルを順次表示する。ST506では、計算部202は、ST505で登録ボタンが押された時点のベクトル(図15では設定された設置スペースの内部から検査装置200を面dに向けた方向のベクトル)を正面方向のベクトルVectorF(XF,YF,ZF)として計算する。同様にして、ST507及びST508では、底面方向のベクトルVectorB(XB,YB,ZB)(図16では設定された設置スペースの内部から検査装置200を面eに向けた方向のベクトル)が計算される。
【0111】
ST509では、計算部202は、ST501で記憶部203に登録された位置情報0、及び、ST502で記憶部203に登録された位置情報1を用いて、単位ベクトルVector1(V_X1,V_Y1,V_Z1)(図15及び図16ではY軸方向の単位ベクトル)を計算する。同様にして、ST510及びST511では、計算部202は、単位ベクトルVector2及びVector3を計算する。
【0112】
ST512では、計算部202は、ST501で記憶部203に登録された位置情報0に示される位置(X0,Y0,Z0)と、ST502で記憶部203に登録された位置情報1に示される位置(X1,Y1,Z1)との間の距離を距離1として計算する。同様にして、ST513及びST514では、計算部202は、位置情報1、2を用いて距離2を計算し、位置情報2、3を用いて距離3を計算する。そして、図18Bに示すST515の処理に進む。
【0113】
図18Bにおいて、ST515では、計算部202は、ST506及びST508で得たVectorF及びVectorB、及び、ST509〜ST511で得た単位ベクトルVector1〜3を用いて、設置スペースを規定する多面のうち正面に設定される面を判定する。換言すると、計算部202は、ST512〜ST514で得た距離1〜3が、設置スペースの高さ、奥行き、幅のいずれに相当するかを判定する。
【0114】
具体的には、計算部202は、VectorF及びVectorBと、Vector1〜3との内積の絶対値を互いに比較する。ここで、2つのベクトルの向きが同一の場合(2つのベクトルが平行である場合)、2つのベクトルの内積の絶対値は最大(1.0)になる。よって、例えば、正面方向を表すVectorFとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、設置スペースを規定する多面のうち奥行き方向を表す単位ベクトルと言える。つまり、VectorFとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルの向きに対応する距離は奥行きを示す。同様に、底面方向を表すVectorBとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、設置スペースを規定する多面のうち高さ方向を表す単位ベクトルと言える。つまり、VectorBとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルの向きに対応する距離は高さを示す。
【0115】
例えば、図15では、VectorFとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、Vector2である。具体的には、|VectorF*Vector2|は、|VectorF*Vector1|及び|VectorF*Vector3|よりも大きくなる。そのため、図15に示すVector2の向き(X軸方向)に対応する距離2は奥行きを示す。また、図16では、VectorBとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、Vector3である。具体的には、|VectorB*Vector3|は、|VectorB*Vector1|及び|VectorF*Vector2|よりも大きくなる。そのため、図16に示すVector3の向き(Z軸方向)に対応する距離3は高さを示す。
【0116】
よって、図15及び図16の場合には、ST515の判定では、計算部202は、ST519において、図15及び図16に示す距離3を高さとし、距離2を奥行きとし、距離1を幅として保存する。
【0117】
このようにして、検査装置200は、設置スペースのサイズを測定した後に、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面を設定する。
【0118】
次に、検査モードについて説明する。図19A〜Cは、検査装置200の検査モード時の処理(図5に示すST104:検査処理)の流れを示す図である。なお、図19A〜Cにおいて、実施の形態1(図7)、又は、測定モード(図18A及び図18B)と同一の処理には同一の符号を付し、その説明を省力する。
【0119】
すなわち、検査装置200は、図19Aにおいて、図7に示すST301〜ST304の処理、及び、図18Aに示すST501〜ST514の処理と同一の処理を行い、図19Bにおいて、図18Bに示すST515〜ST521の処理と同一の処理を行う。ただし、図19Bに示すST515〜ST521では、計算部202は、被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)を判定部106に保存する。
【0120】
つまり、検査装置200は、測定モードと同様、被検査物体のサイズを測定した後に、被検査物体を構成する多面のうち正面を設定する。
【0121】
また、図19Cにおいて、ST307では、判定部106は、図18BのST516〜ST521のいずれかで保存された設置スペースの高さを読み出す。ST308では、判定部106は、図19BのST516〜ST521のいずれかで保存された被検査物体の高さと、ST307で読み出した設置スペースの高さとを比較することにより、被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下であるか否かをチェックする。被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下の場合(ST308:以下)、ST310の処理に進む。一方、被検査物体の高さが設置スペースの高さを超える場合(ST308:超える)、ST318の処理に進む。
【0122】
ST310、ST311では、ST308、ST309と同様にして、判定部106は、被検査物体の幅と設置スペースの幅とを比較することにより、被検査物体の幅が設置スペースの幅以下であるか否かをチェックする。また、ST313、ST314では、ST308、ST309(又はST310、ST311)と同様にして、判定部106は、被検査物体の奥行きと設置スペースの奥行きとを比較することにより、被検査物体の幅が設置スペースの奥行き以下であるか否かをチェックする。
【0123】
次に、設置スペースにおいて正面として設定される面を判定する処理の一例について説明する。
【0124】
以下の説明では、図20に示すように、センサ201は、位置情報0(X0=+0cm,Y0=+0cm,Z0=+0cm)、位置情報1(X1=+80cm,Y1=+0cm,Z1=+0cm)、位置情報2(X2=+80cm,Y2=+80cm,Z2=+0cm)、位置情報3(X3=+80cm,Y3=+80cm,Z3=+100cm)を検出する(図18AのST501〜ST504)。
【0125】
そして、計算部202は、Vector1(V_X1=+1cm,V_Y1=+0cm,V_Z1=+0cm)、Vector2(V_X2=+0cm,V_Y2=+1cm,V_Z2=+0cm)及びVector3(V_X3=+0cm,V_Y3=+0cm,V_Z3=+1cm)を計算する(図18AのST509〜ST511)。また、計算部202は、距離1=80cm、距離2=80cm及び距離3=100cmを計算する(図18Aに示すST512〜ST514)。
【0126】
また、計算部202は、センサ201が検出した姿勢情報を用いて、正面方向のベクトルVectorFを(XF=+1cm,YF=+0cm,ZF=+0cm)とし、底面方向のベクトルVectorBを(XB=+0cm,YB=+0cm,ZB=−1cm)とする(図18AのST506、ST508)。
【0127】
そこで、計算部202は、図20に示すように、VectorFと、Vector1〜3との内積演算を行い、内積の絶対値が最大であるVector1が奥行きを表すベクトルであると判定する。また、計算部202は、図20に示すように、VectorBと、Vector1〜3との内積演算を行い、内積の絶対値が最大であるVector3が高さを表すベクトルであると判定する。
【0128】
よって、計算部202は、図20に示す距離1(80cm)を設置スペースの奥行きとし、距離2(80cm)を設置スペースの幅とし、距離3(100cm)を設置スペースの高さとする(図18Bに示すST517)。
【0129】
つまり、検査装置200では、設置スペースのサイズ(X軸、Y軸、Z軸方向の長さ)を測定した後に、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルを設定することにより、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面を設定することができる。
【0130】
このようにして、本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2と異なり、検査装置は、設置スペースのサイズ又は被検査物体のサイズを測定後に、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面、及び、被検査物体を構成する多面のうち正面を決定する。これにより、設置スペース及び被検査物体について正面を予め設定しなくても、実施の形態1及び実施の形態2と同様、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0131】
なお、本実施の形態では、設置スペース(又は被検査物体)のサイズを測定する際に測定誤差が生じても、設置スペース(又は被検査物体)の奥行き、幅、高さ(つまり、上述した正面)を正確に判定することができる。例えば、設置スペースの実際のサイズが上記図20に示す値であるのに対し、設置スペースのサイズを測定した結果、図21に示すように位置情報1〜3で測定誤差が生じたとする。しかし、この場合でも、検査装置200は、VectorF及びVectorBを用いて、設置スペースの奥行き、高さ、幅を正確に判定することができる。すなわち、本実施の形態では、設置スペースのサイズを測定する際に生じる測定誤差は被検査物体の設置判定処理に影響を及ぼさない。
【0132】
また、本実施の形態では、検査装置が、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルを設定することにより、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面又は被検査物体を構成する多面のうち正面を決定する場合について説明した。しかし、検査装置は、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルに限らず、正面方向(又は背面方向)のベクトル、底面方向(又は天井方向)のベクトル、及び、側面方向のベクトルのうちいずれか2つの方向のベクトルを特定すればよい。
【0133】
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、設置スペースを規定する多面及び被検査物体を構成する多面を単純に直方体で表す場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、設置スペースを規定する多面及び被検査物体を構成する多面を、任意の4点以上の頂点を有する多面体で表す場合について説明する。
【0134】
以下、具体的に説明する。図22は、本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。なお、図22において、実施の形態1(図1)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0135】
図22に示す検査装置300において、入力部301は、設置スペースを規定する多面体の各頂点の位置を確定するための確定ボタンと、設置スペースを規定する多面体を登録するための登録ボタンを備える。すなわち、検査装置300では、操作入力により、確定ボタンが押下されるたびに新たな頂点を含む多面体が新たに形成され、登録ボタンが押下された時点の多面体を設置スペースとして設定する。また、入力部301は、表示部304に表示される、登録された設置スペースを規定する多面体の各面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可又は禁止するかを設定する。
【0136】
計算部302は、入力部301から確定情報が入力された時点(確定ボタンが押下された時点)の位置情報を記憶部303を介してセンサ103から取得する。そして、計算部302は、入力部301から登録ボタンが押された旨を示す登録情報が入力されるまで、センサ103から取得した位置情報を用いて形成される平面を示す平面情報を生成する。具体的には、計算部302は、センサ103から取得した位置情報(ポイント)のうち、3つの位置情報の組み合わせから成る平面を算出する。そして、計算部302は、算出した平面を示す平面情報を記憶部303に順次出力する。
【0137】
記憶部303は、測定モード時に、センサ103から入力される位置情報、計算部302から入力される設置スペースを規定する多面体の各平面を示す平面情報、及び、入力部301から入力される、被検査物体の操作部(可動部)の設置が禁止された平面を示す禁止情報を記憶する。また、記憶部303は、位置情報を計算部302に出力し、平面情報及び禁止情報を表示部304に出力する。
【0138】
表示部304は、入力部301から確定情報が入力されるたびに、つまり、設置スペースを規定する多面体が更新されるたびに、記憶部303から入力される平面情報に基づいて、設置スペースを規定する多面体を表示(例えば、3D表示)する。例えば、表示部304は、センサ103から入力される姿勢情報に基づいて、検査装置300の現時点の位置を原点とし、検査装置300の向き(姿勢方向)を視線方向として設置スペースの形状を表示する。また、表示部304は、記憶部303から入力される禁止情報に基づいて、表示する設置スペースを規定する多面において、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止している平面と、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可している平面(禁止していない平面)とを区別して表示(例えば、各平面を色分けして表示)してもよい。
【0139】
次に、本実施の形態に係る検査装置300の設置判定処理の詳細について説明する。
【0140】
図23A及び図23Bは、本実施の形態に係る検査装置300(図22)の設置判定処理のうち測定モード時の処理(図5に示すST103:測定処理)の流れを示す図である。なお、本実施の形態に係る検査装置300における検査モード時の処理の流れは実施の形態1と同様(図7)である。また、図23A及び図23Bにおいて、実施の形態1(図6)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0141】
図23Aにおいて、ST601では、計算部302は、入力部301が備える登録ボタンが押下されたか否かを判断する。登録ボタンが押下されていない場合(ST601:NO)、入力部301が備える確定ボタンが押下されるたびに(ST202:YES)、ST602では、計算部302は、ST203でセンサ103から取得した位置情報に基づいて、3つの位置情報の組み合わせから成る平面を算出する。そして、記憶部303は、ST203でセンサ103が検出した位置情報(座標情報)を登録(記憶)するとともに、ST602で計算部302が算出した平面を示す平面情報を登録(記憶)する。例えば、記憶部303は、図24に示すように、確定ボタンが押されるたびにセンサ103から入力される位置情報(座標情報)であるPOINT=1〜n(nは座標情報番号)を登録する。また、図24に示すように、計算部302は、座標情報POINT=1、2、3の3つの座標情報から成る平面情報PLANE=0を算出し、記憶部303は、平面情報PLANE=0〜n(nは平面情報番号)を登録する。
【0142】
ST603では、表示部304は、記憶部303から入力される座標情報及び平面情報に示される座標及び平面から成る多面体を3D表示する。
【0143】
一方、登録ボタンが押下された場合(ST601:YES)、ST604では、検査装置300の制御部(図示せず)は、ST202での確定ボタンの押下回数が4回以上であるか否かを判断する。ここで、複数の平面を有する多面体を形成するためには、任意の4つ以上の座標(図24に示すPOINT)を設定し、かつ、4つ以上の座標のうち3つの座標の組み合わせから成る平面に属さない座標が1つ以上存在していることが条件となる。そこで、確定ボタンの押下回数が4回未満の場合(ST604:4回未満)、ST605では、制御部は、警告ブザーを鳴動させて、ST601の処理に戻る。
【0144】
一方、確定ボタンの押下回数が4回以上の場合(ST604:4回以上)、つまり、設置スペースを規定する多面体が設定された場合、ST606では、表示部304は、登録後の設置スペースの形状を3D表示する。
【0145】
ST607では、入力部301は、登録後の設置スペースを規定する多面体の各平面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止するか否かを設定する(ここでは、禁止を設定するための禁止ボタンを押下したか否かを判断する)。ここで、入力部301は、表示部304で表示される設置スペースを規定する各面について、操作入力により、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定してもよい。
【0146】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止する場合(ST607:YES)、ST608では、入力部301は、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止した平面を示す情報を禁止情報として記憶部303に保存する。例えば、図24では、入力部301は、平面情報に示されるPLANE=0〜nのうち、PLANE=0,1を、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止した平面として設定する。
【0147】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止しない場合(ST607:NO)、ST609では、入力部301は、登録後の設置スペースを規定する多面体の各平面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定する(ここでは、許可を設定するための許可ボタンを押下したか否かを判断する)。
【0148】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止して(ST607:YES)、ST608で或る平面に対して禁止情報が保存された場合、又は、或る平面に対して被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止しない場合(ST607:NO)、ST610では、入力部301は、次の平面を読み出す。このとき、表示部304は、許可又は禁止の設定対象である平面を強調させることで、ユーザに対して設定対象の平面を明確になるようにしてもよい。
【0149】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止しない場合(ST607:NO)且つ被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可しない場合(ST609:NO)、又は、全ての平面の許可又は禁止の設定が終了していない場合(ST611:NO)、ST606の処理に戻る。つまり、全ての平面の許可又は禁止の設定が終了するまで(ST611:YES)、ST606〜ST610を繰り返す。
【0150】
全ての平面の許可又は禁止の設定が終了すると(ST611:YES)、図23Bに示すST612〜ST620では、検査装置300は、設置スペースにおいて正面及び底面として設定すべき方向を判定する。
【0151】
具体的には、図23Bに示すST612では、表示部304は、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定する面、つまり、正面方向に検査装置300を向けて、正面方向のベクトルを登録するための登録ボタンを押下することを促すメッセージを表示する。このとき、表示部304は、計算部302で算出される正面方向のベクトルを順次表示する。
【0152】
ST613では、計算部302は、入力部301から確定情報が入力されたか否か、つまり、入力部301での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST613:NO)、計算部302は待機する。一方、確定ボタンが押された場合(ST613:YES)、ST614では、計算部302は、センサ103から検査装置300の姿勢情報を取得する。
【0153】
ST615では、計算部302は、測定モード開始時からの確定ボタン押下回数を特定する。
【0154】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST615:1回目)、ST616では、計算部302は、ST612で登録ボタンが押された時点のベクトルを正面方向のベクトルVectorF(XF,YF,ZF)として計算する。同様にして、ST617及びST618(ST615:2回目)では、底面方向のベクトルVectorB(XB,YB,ZB)が計算される。
【0155】
ST619では、記憶部303は、ST616で計算された正面方向のベクトルVectorF(XF,YF,ZF)を設定情報(VectorF)として保存する。ST620では、記憶部303は、ST618で計算された底面方向のベクトルVectorB(XB,YB,ZB)を設定情報(VectorB)として保存する。これにより、記憶部303には、図24に示すように、設置情報として、VectorF及びVectorBが保存される。
【0156】
次に、設置スペースを規定する多面体の設定処理の具体例について説明する。ここでは、図25A〜D及び図26Aに示すように、検査装置300の現在位置を示すポインタが表示部304で表示(3D表示)される。
【0157】
例えば、入力部301で確定ボタンが3回押下された場合、図25Aに示すように、計算部302は、確定ボタンが押下されるたびにセンサ103から順次入力された座標POINT=1、2、3の3点の組み合わせから成る平面PLANE=0を算出する。
【0158】
次いで、入力部301で4回目の確定ボタンが押下された場合、図25Bに示すように、計算部302は、センサ103から入力された座標POINT=4を新たに加えた4点の座標POINT=1〜4を用いて平面を算出する。具体的には、計算部302は、座標POINT=1、2、4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=1を新たに算出し、座標POINT=1、3、4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=2を新たに算出し、座標POINT=2、3、4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=3を新たに算出する。
【0159】
同様にして、入力部301で5、6回目の確定ボタンが押下されると、図25C及び図25Dに示すように、計算部302は、センサ103から入力される座標POINT=5,6を用いて、平面PLANE=4〜6(図25C)及びPLANE=7〜9を新たに算出する。ただし、図25Cにおいて、座標POINT=1,2,4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=1(図25Bで算出された平面)は、座標POINT=1,2,3,4,5の5点の組み合わせから成る多面体の内部に包含される。よって、記憶部303は、記憶している平面PLANE=1を削除する。同様に、図25Dでは、記憶部303は、座標POINT1〜6の6点の組み合わせから成る多面体の内部に包含される平面PLANE=6(POINT2,4,5の3点の組み合わせから成る平面)を削除する。
【0160】
同様にして、入力部301で7回目の確定ボタンが押下されると、図26Aに示すように、計算部302は、センサ103から入力される座標POINT=7を用いて、平面PLANE=10〜13を新たに算出する。ただし、図26Aでは、記憶部303は、多面体の内部に包含される平面PLANE=5,8(図25C及び図25Dで算出された平面)を削除する。
【0161】
そして、入力部301で登録ボタンが押下されると、検査装置300は、図26Aに示す座標POINT=1〜7の7点の組み合わせから成る多面体を、設置スペースとして設定する。ここで、図26Aに示す設置スペースを規定する多面体について、記憶部303は、平面PLANE=0〜13のうち平面PLANE1,5,6,8を削除したため、平面PLANE=0,2〜4,7,9〜13の10個の平面情報を記憶している。
【0162】
そこで、入力部301は、10個の平面PLANE=0,2〜4,7,9〜13に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか禁止するかを設定する。このとき、表示部304は、被検査物体の操作部(可動部)の設置の許可/禁止を設定する対象である平面(例えば、図26BではPLANE=0)を強調(図26B,Cに示す斜線部分)してもよい。また、表示部304は、図26Cに示すように、被検査物体の操作部(可動部)の設置の許可/禁止が設定済みである平面(図26CではPLANE=0)の色を変えてもよい(図26Cでは塗りつぶし部分)。
【0163】
このようにして、本実施の形態によれば、検査装置は、設置スペースを、実施の形態1〜3で説明した直方体よりもさらに複雑な形状で表すことが可能となる。すなわち、本実施の形態によれば、検査装置は、設置スペースを実施の形態1よりも複雑な形状で表すことで、実際の設置スペースにより近似させた多面体を規定することができる。つまり、本実施の形態に係る検査装置は、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを実施の形態1よりもより正確に判定できる。
【0164】
よって、本実施の形態によれば、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを、実施の形態1よりもより正確に判定できる。
【0165】
例えば、検査装置は、実施の形態1のようにして設置スペースを直方体で表すことにより、簡易な操作で設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。これに対して、検査装置は、本実施の形態のようにして設置スペースを直方体よりも複雑な形状で表すことにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを実施の形態1よりも正確に判定できる。すなわち、検査装置は、簡易に設置判定処理を行うか、より正確に設置判定処理を行うかに応じて、実施の形態1又は本実施の形態を切り替えて適用してもよい。
【0166】
なお、本実施の形態では、設置スペースを4点以上の座標から成る多面体で表す場合について説明した。しかし、本発明では、設置スペースに限らず、被検査物体を構成する多面体を、4点以上の座標、かつ、4つ以上の座標のうち3つの座標の組み合わせから成る平面に属さない座標が1つ以上存在している複数の座標から成る多面体として表してもよい。これにより、被検査物体の形状をより複雑に表すことができ、検査装置は、本実施の形態と同様、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを実施の形態1よりも正確に判定できる。
【0167】
(実施の形態5)
本実施の形態では、被検査物体のサイズ又は被検査物体の操作部(可動部)の設置状況を示す設置情報を、検査装置の外部から取得する場合について説明する。
【0168】
以下、具体的に説明する。図27は、本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。なお、図27において、実施の形態1(図1)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0169】
図27に示す検査装置400において、データ入力部401は、被検査物体のサイズ(高さ、奥行き、幅)、及び、被検査物体における操作部及び可動部の設置状況を示す設置情報を、検査装置400の外部から取得する。例えば、データ入力部401は、被検査物体のサイズ及び設置情報を、外部記憶媒体(外部メモリ)から取得してもよい。または、データ入力部401は、被検査物体のサイズ及び設置情報を、インターネット等の通信システムを介して外部から取得(ダウンロード)してもよい。そして、データ入力部401は、取得した被検査物体のサイズ及び設置情報を記憶部402に出力する。
【0170】
記憶部402は、データ入力部401から入力される、被検査物体のサイズ及び設置情報を、例えば、不揮発メモリに記憶する。
【0171】
判定部403には、入力部102から設置スペースの許可情報が入力され、計算部104から設置スペースのサイズ(奥行き、幅、高さ)が入力される。また、判定部403は、記憶部402から被検査物体のサイズ(奥行き、幅、高さ)及び設置情報を読み出す。そして、判定部403は、被検査物体のサイズ及び設置情報(つまり、検査装置400の外部から取得した情報)と、設置スペースのサイズ及び許可情報とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0172】
次に、本実施の形態に係る検査装置400の設置判定処理の詳細について説明する。
【0173】
図28〜図30は、検査装置400の設置判定処理の流れを示す図である。なお、図28〜図30において、実施の形態1(図5〜図7)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0174】
図28において、図示しないモード切替部において切り替えられた動作モードがデータ設定モードの場合(ST102:データ設定モード)、ST701では、検査装置400はデータ設定処理(図29)を実行し、動作モードが検査モードの場合(ST102:検査モード)、ST702では、検査装置400は検査処理(図30)を実行する。
【0175】
図29は、検査装置400のデータ設定モード時の処理(図28に示すST701:データ設定処理)の流れを示す図である。図29において、データ入力部401は、ST801において、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部の設置状況を示す設置情報を外部から入力し、ST802において、被検査物体のサイズ(奥行き、幅、高さ)を外部から入力する。
【0176】
また、データ入力部401は、ST803において、ST802で取得した被検査物体のサイズ(奥行き、幅、高さ)を記憶部402に保存し、ST804では、ST801で取得した被検査物体の設置情報を記憶部402に保存する。
【0177】
図30は、検査装置400の検査モード時の処理(図28に示すST702:検査処理)の流れを示す図である。図30において、ST901では、入力部102は、図6のST201と同様にして、設置スペースを規定する各面における操作部(可動部)の設置を許可するか否か(許可又は禁止)を設定する。
【0178】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST304:1回目)、ST902では、計算部104は、ST303でセンサ103から取得した位置情報を、設置スペースのサイズの測定開始位置として確定する。そして、ST302の処理に戻る。
【0179】
確定ボタン押下が2回目の場合(ST304:2回目)、ST903では、計算部104は、ST902で確定した位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの高さとして計算する。
【0180】
ST904では、判定部403は、図29のST803で記憶部402に記憶された被検査物体の高さを読み出す。
【0181】
ST905では、判定部403は、ST903で計算部104が算出した設置スペースの高さと、ST904で読み出した被検査物体の高さとを比較することにより、設置スペースの高さが被検査物体の高さを超えるか否かをチェックする。設置スペースの高さが被検査物体の高さを超える場合(ST905:超える)、ST302の処理に戻る。一方、設置スペースの高さが被検査物体の高さ以下となる場合(ST905:以下)、ST318の処理に進む。
【0182】
ST906〜ST908では、判定部403は、ST903〜ST905と同様にして、設置スペースの幅が被検査物体の幅を超えるか否かをチェックし、ST909〜ST911では、判定部403は、ST903〜ST905(又はST906〜ST908)と同様にして、設置スペースの奥行きが被検査物体の奥行きを超えるか否かをチェックする。
【0183】
つまり、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている全ての面が、許可情報において許可されていない場合(ST317:許可無し)、又は、設置スペースのサイズ(高さ、幅、奥行き)が被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)以下の場合(ST905,ST908,ST911:以下)、ST318では、出力部107は、設置スペースに被検査物体が設置不可(不合格)であることを通知するための警告ブザーを鳴動させる。
【0184】
すなわち、実施の形態1では、検査モード時にはセンサ103によって測定された被検査物体のサイズが、不揮発メモリに記憶されている設置スペースのサイズ以下となるか否かが判定される。これに対し、本実施の形態では、検査装置400は、検査モード時にはセンサ103によって測定された設置スペースのサイズが、記憶部402(不揮発メモリ)に記憶されている被検査物体のサイズを超えるか否かを判定する。
【0185】
このように、検査装置400は、被検査物体のサイズ及び設置情報を、検査装置400の外部から取得する。これにより、検査装置400は、外部から取得した被検査物体のサイズ及び設置情報を用いることで、被検査物体のサイズを実際に測定しなくても、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定することができる。例えば、検査装置400では、ネットワークから家電製品又は家具等の被検査物体の情報(サイズ及び設置情報)をダウンロードして取得することで、設置スペースに設置可能であるか否かを購入前に判断することができる。
【0186】
このようにして、本実施の形態によれば、検査装置の外部から被検査物体のサイズ及び設置情報を取得する。これにより、検査装置で被検査物体のサイズの測定及び設置情報の設定をすることなく、実施の形態1と同様、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0187】
なお、本実施の形態では、検査装置が、被検査物体のサイズ及び設置情報を外部から取得する場合について説明した。しかし、本発明では、検査装置は、設置スペースのサイズ及び許可情報を外部から取得してもよい。この場合、検査装置は、センサで検出された位置情報を用いて被検査物体のサイズを測定し、被検査物体を構成する各面の操作部(可動部)の設置状況を設定する。そして、検査装置は、測定した被検査物体のサイズ及び設定した設置情報と、外部から取得した設置スペースのサイズ及び許可情報を比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。この場合でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0188】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0189】
なお、上記実施の形態では、センサを備える検査装置を移動させて設置スペースを規定する多面を測定する場合について説明した。しかし、設置スペースを規定する多面を測定するために、例えば、超音波距離センサ又は光センサを用いてもよい。例えば、ユーザが検査装置を天井付近まで持ち上げるのは困難であることが想定されるため、床と天井との間の距離(つまり、高さ)を測定する際には、検査装置は、超音波距離センサを用いて高さを測定してもよい。または、検査装置は、設置スペースを規定する多面のうち奥行きを測定する際、超音波距離センサを用いることにより、測定モードにおける検査装置(ユーザ)の移動範囲を少なく抑えることが可能となる。
【0190】
また、上記実施の形態では、センサとしてジャイロセンサを用いる場合について説明した。しかし、センサとしては、ジャイロセンサの代わりに、地磁気を検知して方位を計測する地磁方位センサを用いてもよい。この場合、検査装置は、上記実施の形態で用いた、検査装置の向き(姿勢方向)を示す姿勢情報を、地磁方位センサで検出される検査装置の向いている方位から得てもよい。また、検査装置は、地磁方位センサで検出される検査装置の方位(例えば、東西南北)に基づいて、検査装置の現時点の位置を原点とし設置スペースを規定する各面(例えば、正面として設定された面)がどの方位に向いているかを表示してもよい。また、検査装置は、高さ方向を決定する際、その方向を指定するステップにおいて、加速度センサを用いて重力方向を検出することにより、高さ方向を決めてもよい。
【0191】
また、本発明において、例えば、検査装置は、測定モードにおいて、設置スペースを規定する多面のうち底面の任意の座標を3点以上測定して、測定した底面と水平面との差を底面(床)の歪みとして算出してもよい。これにより、例えば、洗濯機又は冷蔵庫等の水平に設置しなければならない被検査物体に対して、検査装置は、高さ調整のために被検査物体の底面に設置すべき水平マット(スペーサとも呼ばれる)の高さ(厚み)を特定することができる。
【0192】
また、上記実施の形態では、検査装置が、設置スペースを規定する各面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定する場合について説明した。しかし、検査装置は、例えば、設置スペースを規定する面において、任意の3点を選択し、選択した3点を組み合わせて形成される面について、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定してもよい。これにより、検査装置では、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かをより細かく判定することが可能となる。
【0193】
また、本発明において、被検査物体本体以外に電源ケーブル又は排水パイプ等を備えている場合、検査装置は、測定モード時には電源コンセント又は排水管等の位置を測定するステップを設け、検査モード時には検査装置の電源プラグ又は排水パイプ取り付け位置を測定するステップと、電源ケーブル又は排水パイプ等の長さを入力するステップを設けてもよい。そして、検査装置は、設置スペースに、電源コンセント又は配水管等のサイズを含めた被検査物体が収容可能か否かを判定し、かつ、電源ケーブル又は排水パイプ等が電源コンセント又は排水管に届かない場合は警告ブザーを鳴動させてもよい。
【0194】
なお、近年の殆どの携帯端末等には、本発明の実現に必要なジャイロセンサ又は磁気センサと加速度センサとを具備しており、ソフトウェア変更のみで容易に実施が可能である。
【0195】
なお、折畳式の場合、外側に出ている表示部に判定情報を表示してもよい。また、表示部の方向によって、加速度センサから読み出した加速度方向を入れ替えてもよい。また、計測前には、他のイベントによって計測が中断されないように、計測モードを最優先に設定し、他の操作を禁止してもよい。その設定は手動でも自動でも可能である。また、計測中には、他のイベントが発生した場合、データをクリアしてもよい。また、一時的に記憶手段に記憶しておくことも可能である。また表示手段にて最善の持ち方又は持ち位置を報知してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明は、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する検査装置等に適用することができる。
【符号の説明】
【0197】
100,200,300,400 検査装置
101 モード切替部
102,301 入力部
103,201 センサ
104,202,302 計算部
105,203,303,402 記憶部
106,403 判定部
107 出力部
204,304 表示部
401 データ入力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置および設置判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家電製品又は家具等を購入する際、家電製品又は家具等の物体のサイズ、及び、それらを設置する設置スペースのサイズを簡単に測定し、かつ、設置スペースに上記物体が収容可能か否かを判定することで、商品購入を支援する検査装置が検討されている。
【0003】
例えば、物体のサイズを測定する従来方法として、加速度センサを利用することで、物体の任意の位置間のサイズを測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、設置スペースに物体が収容可能か否かを判定する従来方法として、或る測定手段によって得られた物体のサイズを示すサイズ情報と、データベースに蓄積している設置スペースのサイズ基準値とを比較することにより、物体がサイズ基準値に収容できるか否かを判定する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−114439号公報
【特許文献2】特開平9−269218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、特許文献1及び特許文献2にそれぞれ開示された方法を組み合わせることが考えられる。具体的には、検査装置は、家電製品等、検査対象である被検査物体のサイズ、及び、設置スペースのサイズを測定する。そして、検査装置は、測定した被検査物体のサイズと、測定した設置スペースのサイズとを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0006】
しかしながら、上記検査装置は、設置スペースに被検査物体が収容可能か否かのみしか判定できない。そのため、例えば、設置スペースに被検査物体(例えば、家電製品又は家具)が設置可能ではあるが、設置後の家電製品の操作部(例えば、操作パネル)にユーザの手が届かない状況、又は、設置スペースに家具(被検査物体)が設置可能ではあるが、設置後の家具の可動部(例えば、引き出し)を引き出せない状況が発生し得る。すなわち、上記検査装置では、設置後の被検査物体の使用状況が考慮されていないという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定することができる検査装置及び設置判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検査装置は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定手段と、前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定手段における設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定手段と、を具備する構成を採る。
【0009】
本発明の設置判定方法は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定ステップと、前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定ステップにおける設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定ステップと、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る設置スペースのサイズの測定手順を示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る被検査物体のサイズの測定手順を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る記憶部で記憶される設置スペースのサイズ及び許可情報の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の流れを示す図
【図6】本発明の実施の形態1に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図7】本発明の実施の形態1に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図8】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図10】本発明の実施の形態1に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図11】本発明の実施の形態2に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図12】本発明の実施の形態2に係る検査装置における検査モード時の処理(可動部検査処理)の流れを示す図
【図13】本発明の実施の形態2に係る検査装置における設置判定処理の具体例を示す図
【図14】本発明の実施の形態3に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態3に係る設置スペース及び被検査物体の測定手順を示す図
【図16】本発明の実施の形態3に係る設置スペース及び被検査物体の測定手順を示す図
【図17A】本発明の実施の形態3に係る記憶部で記憶される位置情報、ベクトル情報及び距離情報の一例を示す図
【図17B】本発明の実施の形態3に係る記憶部で記憶される設置スペースのサイズ及び許可情報の一例を示す図
【図18A】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図18B】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図19A】本発明の実施の形態3に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図19B】本発明の実施の形態3に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図19C】本発明の実施の形態3に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【図20】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図21】本発明の実施の形態3に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図22】本発明の実施の形態4に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図23A】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図23B】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図24】本発明の実施の形態4に係る記憶部で記憶される座標情報、平面情報及び禁止情報の一例を示す図
【図25】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図26】本発明の実施の形態4に係る検査装置における測定モード時の処理の具体例を示す図
【図27】本発明の実施の形態5に係る検査装置の構成を示すブロック図
【図28】本発明の実施の形態5に係る検査装置における設置判定処理の流れを示す図
【図29】本発明の実施の形態5に係る検査装置における測定モード時の処理の流れを示す図
【図30】本発明の実施の形態5に係る検査装置における検査モード時の処理の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。本発明の各実施の形態に係る検査装置は、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。ここで、被検査物体は多面で構成され、被検査物体の設置を想定している設置スペースは多面で規定される。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す検査装置100において、モード切替部101は、被検査物体の設置を想定している設置スペースのサイズを測定する測定モード、及び、被検査物体のサイズを測定し、設置スペースに被検査物体が設置可能であるか否かを判定する検査モードのいずれか一方に動作モードを切り替える。そして、モード切替部101は、切り替えた動作モードを示す情報を入力部102及び計算部104に出力する。例えば、モード切替部101は、3段ディップスイッチを備え、検査装置100の電源オフ、測定モード及び検査モードの3つの状態を切り替える。なお、検査装置100がアプリケーションとして携帯端末に具備される場合、モード切替部101は、アプリケーションを利用したGUI画面であって、電源オフとは、アプリケーションが起動されていない状態であってもよい。
【0015】
入力部102は、モード切替部101から入力される動作モードが測定モードの場合、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部(例えば、家電製品の操作パネル)及び可動部(例えば、家具の引き出し等)の設置を許可するか否か(許可又は禁止)を設定する。そして、入力部102は、各面における許可又は禁止の設定結果を示す許可情報を記憶部105に出力する。例えば、設置スペースを規定する多面のうち、壁又は天井等に接する面に、被検査物体の操作部及び可動部が設置された面を向けても、設置後の被検査物体においてユーザは操作部及び可動部を利用することができない可能性がある。そこで、入力部102では、例えば、設置スペースを規定する多面のうち壁又は天井等に接する面に対して、操作部及び可動部の設置が禁止される。
【0016】
また、入力部102は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定する。ここで、被検査物体を構成する多面のうち正面は、通常、ユーザが被検査物体を使用する際に対向する面である。そのため、入力部102では、設置スペースを規定する多面のうち、被検査物体の正面として設定された面は、操作部及び可動部の設置を許可される。ただし、検査装置100では、測定モード(図2)及び検査モード(図3)においてサイズ(高さ、幅、奥行き)を測定する順序が予め設定されている。測定モードでは、例えば、図2に示すように、正面の4つの頂点のうち底面に属する2つの頂点のいずれか1つを測定開始位置とする。そして、検査装置100は、図2に示すように、奥行き、幅、高さの順に設置スペースを規定する多面のサイズを測定する。一方、検査モードでは、例えば、図3に示すように、測定モードと同様、正面の4つの頂点のうち底面に属する2つの頂点のいずれか1つを測定開始位置とする。そして、検査装置100は、図3に示すように、高さ、幅、奥行きの順に被検査物体を構成する多面のサイズを測定する。これより、入力部102では、ユーザが操作入力により上記正面を指定することなく、上記正面を設定することができる。例えば、図2では、幅及び奥行きが測定された辺を含む面に対向する面が正面に設定され、図3では、高さ及び幅が測定された辺を含む面が正面に設定される。
【0017】
また、入力部102は、操作入力によって検査装置100の位置を確定するための確定ボタンを備える。そして、入力部102は、操作入力により確定ボタンが押下された場合、確定ボタンが押下された旨を示す確定情報を計算部104に出力する。なお、入力部102は、GUI部品のボタンであってもよい。
【0018】
一方、入力部102は、検査モードの場合、被検査物体を構成する各面において、操作部(例えば、家電製品の操作パネル)及び可動部(例えば、家具の引き出し等)が設置された面の有無を設定する。そして、入力部102は、被検査物体を構成する各面における操作部及び可動部の設置状況(操作部及び可動部の設置の有無)を示す設置情報を判定部106に出力する。
【0019】
例えば、設置スペース及び被検査物体が直方体で表される場合について説明する。この場合、設置スペース及び被検査物体は、天井面、左側面、右側面、正面、背面、底面の6面で表される。そこで、入力部102は、各面に対して2段ディップスイッチを備え、測定モードでは各面に対して‘許可’/‘禁止’を設定し、検査モードでは各面に対して操作部(可動部)の‘有り’/‘無し’を設定する。なお、入力部102は、GUI部品のチェクボタンであってもよい。
【0020】
センサ103は、検査装置100の位置、つまり、(X、Y、Z)座標を検出する。そして、センサ103は、検出した検査装置100の位置を示す位置情報を、計算部104に順次出力する。センサ103は、例えば、検査装置100のX軸、Y軸、Z軸それぞれの加速度を計測する加速度センサと、検査装置100のピッチ角、ロール角、ヨー角それぞれの角加速度を計測するジャイロセンサとから成る3次元センサである。
【0021】
計算部104は、センサ103から順次入力される位置情報を用いて、モード切替部101から入力される動作モードで測定されるべき対象(測定モードでは設置スペース、検査モードでは被検査物体)のサイズ(奥行き、幅、高さ)を計算する。具体的には、操作入力(例えば、確定ボタンの押下)により、検査装置100の現時点の位置を確定する旨を示す確定情報が入力部102から計算部104に入力される。そして、計算部104は、確定情報が入力された時点の位置情報を、検査装置100の現時点の位置として確定する。そして、計算部104は、測定モードでは、今回確定情報が入力された時点の位置情報と前回確定情報が入力された時点の位置情報とを用いて、図2に示すように、奥行き、幅、高さの順に設置スペースのサイズを算出する。そして、計算部104は、算出した設置スペースの(奥行き、幅、高さ)を示す情報を記憶部105に出力する。一方、計算部104は、検査モードでは、今回確定情報が入力された時点の位置情報と前回確定情報が入力された時点の位置情報とを用いて、図3に示すように、高さ、幅、奥行きの順に被検査物体のサイズを算出する。そして、計算部104は、算出した被検査物体の(高さ、幅、奥行き)を示す情報を判定部106に出力する。
【0022】
記憶部105は、測定モード時に入力部102から入力される許可情報、及び、測定モード時に計算部104から入力される設置スペースのサイズ(奥行き、幅、高さ)を記憶する。例えば、記憶部105は、不揮発メモリであり、図4に示すように、設置スペースの高さ、奥行き、幅、及び、設置スペースを規定する各面における被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを示す許可情報(許可又は禁止)を記憶する。
【0023】
判定部106は、記憶部105に記憶されている設置スペースに関する情報(図4に示す設置スペースのサイズ、及び、許可情報)と、検査モード時に入力部102及び計算部104からそれぞれ入力される、被検査物体に関する情報(被検査物体のサイズ、及び、設置情報)とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。具体的には、判定部106は、被検査物体の多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた場合に、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。まず、判定部106は、被検査物体のサイズと設置スペースのサイズとを比較することにより、被検査物体が設置スペースに収容可能か否かを判定する。さらに、判定部106は、被検査物体の設置情報(被検査物体における操作部(可動部)の設置状況)と設置スペースの許可情報(入力部102における設定結果)とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。具体的には、判定部106は、設置情報と許可情報とを比較することにより、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち操作部(可動部)が設置された面に対応する全ての面で操作部(可動部)の設置が許可されている場合、設置スペースに被検査物体が設置可能であると判定する。これに対して、判定部106は、設置情報と許可情報とを比較することにより、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち操作部(可動部)が設置された面に対応する面のいずれか1つでも操作部(可動部)の設置が禁止されている場合、設置スペースに被検査物体が設置不可であると判定する。そして、判定部106は、判定結果(設置可能(合格)又は設置不可(不合格))を出力部107に出力する。
【0024】
出力部107は、判定部106から入力される判定結果をユーザに通知するための情報を出力する。例えば、出力部107は、圧電ブザーであり、判定結果が設置不可(不合格)の場合には、警告音を鳴らしてもよい。なお、出力部107は、GUI部品のテキストボックスに「設置可能(合格)」又は「設置不可(不合格)」が分かる表示を行ってもよい。
【0025】
次に、本実施の形態に係る検査装置100の設置判定処理の詳細について説明する。
【0026】
図5〜図7は、検査装置100の設置判定処理の流れを示す図である。図5において、ステップ(以下、STという)101では、センサ103は、検査装置100の位置情報の測定を開始する。
【0027】
ST102では、モード切替部101は、動作モードを、測定モード及び検査モードのいずれか一方に切り替える。動作モードが測定モードの場合(ST102:測定モード)、ST103では、検査装置100は測定処理(図6)を実行し、動作モードが検査モードの場合(ST102:検査モード)、ST104では、検査装置100は検査処理(図7)を実行する。
【0028】
図6は、検査装置100の測定モード時の処理(図5のST103:測定処理)の流れを示す図である。図6において、ST201では、入力部102は、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否か(許可又は禁止)を設定する。
【0029】
ST202では、計算部104は、入力部102から確定情報が入力されたか否か、つまり、入力部102での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST202:NO)、計算部104は待機する。一方、確定ボタンが押された場合(ST202:YES)、ST203では、計算部104は、センサ103から位置情報((X,Y,Z)座標)を取得する。
【0030】
ST204では、計算部104は、測定モード開始時からの確定ボタン押下回数を特定する。
【0031】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST204:1回目)、ST205では、計算部104は、ST203で取得した位置情報を、設置スペースのサイズの測定開始位置(例えば、図2に示す測定開始位置)として確定する。そして、ST202の処理に戻る。
【0032】
確定ボタン押下が2回目の場合(ST204:2回目)、ST206では、計算部104は、ST205で確定した位置と、今回ST203で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの奥行きとして計算する。ST207では、計算部104は、ST206で算出された、設置スペースの奥行きを記憶部105に保存する。そして、ST202の処理に戻る。
【0033】
確定ボタン押下が3回目の場合(ST204:3回目)、ST208では、計算部104は、前回(2回目)のST203で取得した位置情報に示される位置と、今回ST203で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの幅として計算する。ST209では、計算部104は、ST208で算出された、設置スペースの幅を記憶部105に保存する。そして、ST202の処理に戻る。
【0034】
確定ボタン押下が4回目の場合(ST204:4回目)、ST210では、計算部104は、前回(3回目)のST203で取得した位置情報に示される位置と、今回ST203で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの高さとして計算する。ST211では、計算部104は、ST210で算出された、設置スペースの高さを記憶部105に保存する。
【0035】
記憶部105は、ST212において、ST201で設定された許可情報を入力部102から読み出し、ST213において、ST212で読み出した許可情報を保存する。
【0036】
図7は、検査装置100の検査モード時の処理(図5のST104:検査処理)の流れを示す図である。図7において、ST301では、入力部102は、被検査物体を構成する各面における操作部(操作パネル)及び可動部が設置された面の有無(設置状況)を設定する。
【0037】
ST302では、計算部104は、ST202(図6)と同様、入力部102から確定情報が入力されたか否か、つまり、入力部102での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST302:NO)、計算部104は待機する。一方、確定ボタンが押された場合(ST302:YES)、ST303では、計算部104は、センサ103から位置情報((X,Y,Z)座標)を取得する。
【0038】
ST304では、計算部104は、検査モード開始時からの確定ボタン押下回数を特定する。
【0039】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST304:1回目)、ST305では、計算部104は、ST303で取得した位置情報を、被検査物体のサイズの測定開始位置(例えば、図3に示す測定開始位置)として確定する。そして、ST302の処理に戻る。
【0040】
確定ボタン押下が2回目の場合(ST304:2回目)、ST306では、計算部104は、ST305で確定した位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、被検査物体の高さとして計算する。ST307では、判定部106は、図6のST211で記憶部105に記憶された設置スペースの高さを読み出す。ST308では、判定部106は、ST306で計算部104が算出した被検査物体の高さと、ST307で読み出した設置スペースの高さとを比較することにより、被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下であるか否かをチェックする。被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下の場合(ST308:以下)、ST302の処理に戻る。一方、被検査物体の高さが設置スペースの高さを超える場合(ST308:超える)、ST318の処理に進む。
【0041】
確定ボタン押下が3回目の場合(ST304:3回目)、ST309では、計算部104は、前回(2回目)のST303で取得した位置情報に示される位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、被検査物体の幅として計算する。ST310では、判定部106は、図6のST209で記憶部105に記憶された設置スペースの幅を読み出す。ST311では、判定部106は、ST309で計算部104が算出した被検査物体の幅と、ST310で読み出した設置スペースの幅とを比較することにより、被検査物体の幅が設置スペースの幅以下であるか否かをチェックする。被検査物体の幅が設置スペースの幅以下の場合(ST311:以下)、ST302の処理に戻る。一方、被検査物体の幅が設置スペースの幅を超える場合(ST311:超える)、ST318の処理に進む。
【0042】
確定ボタン押下が4回目の場合(ST304:4回目)、ST312では、計算部104は、前回(3回目)のST303で取得した位置情報に示される位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、被検査物体の奥行きとして計算する。ST313では、判定部106は、図6のST207で記憶部105に記憶された設置スペースの奥行きを読み出す。ST314では、判定部106は、ST312で計算部104が算出した被検査物体の奥行きと、ST313で読み出した設置スペースの奥行きとを比較することにより、被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行き以下であるか否かをチェックする。被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行きを超える場合(ST311:超える)、ST318の処理に進む。
【0043】
被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行き以下の場合(ST314:以下)、ST315では、判定部106は、ST301で入力部102が設定した設置情報を読み出す。ST316では、判定部106は、図6のST213で記憶部105に記憶された許可情報を読み出す。
【0044】
ST317では、判定部106は、ST315で読み出した設置情報とST316で読み出した許可情報とを比較する。具体的には、判定部106は、設置スペースを規定する多面のうち被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部の設置が禁止されている面(許可情報で‘禁止’が設定されている面)に、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されていない面(設置情報で‘無し’が設定されている面)が向けられているか否かを判定する。換言すると、判定部106は、設置スペースを規定する多面のうち、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置された面(設置情報で‘有り’が設定されている面)に対応する全ての面で、上記操作部(可動部)の設置が許可されているか否かを判定する。
【0045】
被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている全ての面が、許可情報において全て許可されている場合(ST317:許可有り)、検査処理をそのまま終了する。
【0046】
一方、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている面のいずれか1つでも、許可情報において許可されていない場合(ST317:許可無し)、又は、被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)が設置スペースのサイズ(高さ、幅、奥行き)を超えた場合(ST308,ST311,ST314:超える)、ST318では、出力部107は、設置スペースに被検査物体が設置不可(不合格)であることを通知するための警告ブザーを鳴動させる。
【0047】
図7に示すように、検査モードでは、判定部106は、被検査物体のサイズと設置スペースのサイズとを比較することにより、設置スペースに被検査物体が終了可能か否かを判定する(ST302〜ST314)。
【0048】
さらに、図7に示すように、検査モードでは、判定部106は、被検査物体の操作部(可動部)の設置状況と、設置スペースを規定する各面で操作部(可動部)の設置を許可するか否かの設定結果とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する(ST301,ST315〜ST317)。具体的には、判定部106は、被検査物体の多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた場合に設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0049】
つまり、検査装置100は、設置スペースと被検査物体との間でサイズを比較するだけでなく、設置スペースを規定する各面での操作部(可動部)の使用可否(許可情報に示される許可/禁止)と、被検査物体の操作部(可動部)の設置状況(設置情報に示される有り/無し)とを比較する。換言すると、検査装置100は、設置スペースに被検査物体が収容可能か否かを判定するだけでなく、設置スペースに被検査物体を設置した後に被検査物体を使用可能か否かも判定する。
【0050】
次に、検査装置100における測定モード時の処理及び検査モード時の処理の具体例について説明する。
【0051】
ここでは、検査装置100が、図8に示す設置スペースに図9A又は図10Aに示す被検査物体が設置可能か否かを判定する場合について説明する。
【0052】
以下の説明では、図8に示す空間のうち、面aが正面として設定される。また、図9Aに示す検査物体のうち面bが正面として設定され、図10Aに示す検査物体のうち面cが正面として設定される。
【0053】
また、図9Aに示す被検査物体を構成する多面のうち正面に蓋(可動部)が設置されており、図10Aに示す被検査物体を構成する多面のうち天井面に蓋(可動部)が設置されている。
【0054】
また、図8に示す許可情報のうち‘許可’を‘0’で表し、‘禁止’を‘1’で表す。同様に、図9A及び図10Aに示す設置情報のうち、操作部(可動部)の設置がない場合(‘無し’)を‘0’で表し、操作部(可動部)の設置が有る場合(‘有り’)を‘1’で表す。
【0055】
まず、測定モードについて説明する。
【0056】
図8に示すように、設置スペースを規定する6面のうち、天井面、左側面、背面、底面は、壁、床又は障害物(例えば棚等)に接している。そこで、入力部102は、図8に示すように、天井面、左側面、背面、底面では、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止(1)する(図6のST201)。これに対し、入力部102は、図8に示すように、右側面及び正面では、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可(0)する(図6のST201)。
【0057】
また、図8に示すように、入力部102における操作入力により、位置P1、位置P2、位置P3、位置P4の順に確定ボタンが押下されたとする(図6のST202:YES)。よって、計算部104は、設置スペースのサイズを、奥行き(位置P1と位置P2との間の距離)、幅(位置P2と位置P3との間の距離)、高さ(位置P3と位置P4との間の距離)の順に計算する(図6のST206,ST208,ST210)。例えば、図8では、計算部104は、奥行き=80cm、幅=80cm、高さ=110cmを計算し、記憶部105は、計算部104が計算した値を不揮発メモリに記憶する。すなわち、図8に示すように、検査装置100では、奥行き=80cm、幅=80cm、高さ=110cmの直方体を設置スペースとして規定する。
【0058】
次に、検査モードについて説明する。
【0059】
図9Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち正面には、蓋(可動部)が設置されている。そこで、入力部102は、図9Aに示すように、正面では、被検査物体の可動部の有無を‘有り(1)’に設定する(図7のST301)。これに対し、入力部102は、図9Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち、正面以外の面(天井面、左側面、右側面、背面、底面)では、被検査物体の可動部の有無を‘無し(0)’に設定する(図7のST301)。
【0060】
また、図9Aでは、入力部102における操作入力により、位置P5、位置P6、位置P7、位置P8の順に確定ボタンが押下されたとする(図7のST302:YES)。よって、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ(位置P5と位置P6との間の距離)、幅(位置P6と位置P7との間の距離)、奥行き(位置P7と位置P8との間の距離)の順に計算する(図7のST306,ST309,ST312)。つまり、図9Aに示すように、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの順に計算する。すなわち、図9Aに示すように、検査装置100では、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの直方体で構成される被検査物体を設定する。
【0061】
ここで、図9Aに示す被検査物体の高さ=100cm、幅=65cm、及び、奥行き=70cmは、図8に示す設置スペースの高さ=110cm、幅=80cm、及び、奥行き=80cm以下となる。すなわち、判定部106は、被検査物体のサイズが設置スペースのサイズ以下(図7のST308、ST311、ST314:以下)であり、被検査物体が設置スペースに収容可能であると判定する。
【0062】
次いで、判定部106は、図8に示す許可情報と図9Aに示す設置情報とを比較する(図7のST317)。具体的には、判定部106は、被検査物体を構成する6面のうち正面を、設置スペースを規定する6面のうち正面に設定された面に向けた場合に、設置情報で‘有り(1)’が設定されている全ての面において、許可情報で‘許可(0)’が設定されているか否かを判断する。例えば、図9Aに示す設置情報で‘有り(1)’が設定されている正面では、図8に示す許可情報が‘許可(0)’に設定されている。
【0063】
換言すると、判定部106は、許可情報で‘禁止(1)’が設定されている全ての面において、設置情報で‘無し’が設定されているか否かを判断する。例えば、図8に示す許可情報のうち‘禁止(1)’が設定されている天井面、左側面、背面、底面では、図9Aに示す設置情報で‘無し(0)’が設定されている。
【0064】
よって、判定部106は、図9Aに示す被検査物体が図8に示す設置スペースに設置可能であると判定する。つまり、判定部106は、図9Bに示すように、図9Aに示す被検査物体が図8に示す設置スペースに収容可能であり、かつ、設置後の被検査物体において正面に設置された蓋(可動部)を使用可能であると判定する。
【0065】
次に、検査モードにおいて、検査装置100が図9Aに示す被検査物体の代わりに図10Aに示す被検査物体の設置について判定する場合について説明する。
【0066】
図10Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち天井面には、蓋(可動部)が設置されている。そこで、入力部102は、図10Aに示すように、天井面では、被検査物体の可動部の有無を‘有り(1)’に設定する(図7のST301)。これに対し、入力部102は、図10Aに示すように、被検査物体を構成する6面のうち、天井面以外の面(左側面、右側面、正面、背面、底面)では、被検査物体の可動部の有無を‘無し(0)’に設定する(図7のST301)。
【0067】
また、図10Aでは、入力部102における操作入力により、位置P9、位置P10、位置P11、位置P12の順に確定ボタンが押下されたとする(図7のST302:YES)。よって、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ(位置P9と位置P10との間の距離)、幅(位置P10と位置P11との間の距離)、奥行き(位置P11と位置P12との間の距離)の順に計算する(図7のST306,ST309,ST312)。つまり、図10Aに示すように、計算部104は、被検査物体のサイズを、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの順に計算する。すなわち、図10Aに示すように、検査装置100では、高さ=100cm、幅=65cm、奥行き=70cmの直方体で構成される被検査物体を設定する。
【0068】
よって、図10Aでは、判定部106は、図9Aと同様、被検査物体のサイズが設置スペースのサイズ以下(図7のST308、ST311、ST314:以下)であり、被検査物体が設置スペースに収容可能であると判定する。
【0069】
次いで、判定部106は、図8に示す許可情報と図10Aに示す設置情報とを比較する(図7のST317)。ここで、図8に示す許可情報のうち‘禁止(1)’が設定されている天井面では、図10Aに示す設置情報で‘有り(1)’が設定されている。よって、判定部106は、図8に示す設置スペースに図10Aに示す被検査物体が設置不可であると判定する。つまり、判定部106は、図10Bに示すように、図10Aに示す被検査物体が図8に示す設置スペースに収容可能であるものの、設置後の被検査物体において蓋(可動部)を使用できないと判定する。
【0070】
このように、検査装置100は、図9A及び図10Aに示す被検査物体のサイズが同一(図8に示す設置スペースに収容可能)であるにも関わらず、設置後に蓋(可動部)の使用が可能な図9Aに示す被検査物体を設置可能と判定し、設置後に蓋(可動部)の使用ができない図10Aに示す被検査物体を設置不可と判定する。
【0071】
すなわち、検査装置100は、被検査物体が設置スペースに収容可能か否かを判定するだけでなく、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。換言すると、検査装置100は、被検査物体を構成する多面のうち正面を、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面に向けた状況、つまり、実際に被検査物体を設置スペースに設置した際の使用状況を考慮する。
【0072】
これにより、図10Bに示すように、設置スペースに被検査物体が収容可能であっても、設置後の被検査物体において、操作部(可動部)が設置された面が障害物(天井、壁、柱又は棚等)に接しているために使用できなくなることを回避することができる。
【0073】
このようにして、本実施の形態によれば、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0074】
さらに、本実施の形態によれば、検査装置では、設置スペースのサイズ又は被検査物体のサイズを測定する際、予め設定された順序でサイズ(高さ、奥行き、幅)が測定される。このため、検査装置は、測定順序に基づいて、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定された面、及び、被検査物体を構成する多面のうち正面を特定することができる。よって、本実施の形態では、ユーザが上記正面を指示するステップを省略することができる。
【0075】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1の動作に加え、さらに、被検査物体に設置された可動部の可動領域を考慮して、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する場合について説明する。
【0076】
以下、具体的に説明する。図11及び図12は、本実施の形態に係る検査装置100(図1)の設置判定処理のうち検査モード時の処理(図5のST104:検査処理)の流れを示す図である。なお、本実施の形態に係る検査装置100における測定モード時の処理の流れは実施の形態1と同様(図6)である。また、図11及び図12において、実施の形態1(図7)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0077】
図11において、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている全ての面が、許可情報において全て許可されている場合(ST317:許可有り)、ST400では、検査装置100は、被検査物体に設置された可動部の可動領域を考慮した検査処理(可動部検査処理)を行う。
【0078】
図12は、検査装置100における可動部検査処理(図11のST400)の流れを示す図である。図12において、ST401では、検査装置100は、検査装置100の電源がオフ(例えば、モード切替部101の動作モードが電源オフ)であるか否かを判断する。電源がオフの場合(ST401:YES)、検査処理を終了する。
【0079】
電源がオフでない場合(ST401:NO)、ST402では、計算部104は、ST302(図11)と同様、入力部102での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST402:NO)、計算部104は待機する。
【0080】
一方、確定ボタンが押された場合(ST402:YES)、ST403では、計算部104は、センサ103から位置情報((X,Y,Z)座標)を取得する。
【0081】
ST404では、計算部104は、ST403で取得した位置情報を用いて、被検査物体に設置された可動部を可動させた状態の被検査物体の高さを計算する。すなわち、計算部104は、図11のST306で計算した被検査物体の高さを、被検査物体に設置された可動部を可動させた状態の被検査物体の高さに更新する。ST405では、判定部106は、図6のST211で記憶部105に記憶された設置スペースの高さを読み出す。
【0082】
ST406では、判定部106は、ST404で計算部104が算出した被検査物体の高さ(可動部を可動させた状態の高さ)と、ST405で読み出した設置スペースの高さとを比較することにより、被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下であるか否かをチェックする。可動部を可動させた状態の被検査物体の高さが設置スペースの高さを超える場合(ST406:超える)、ST413の処理に進む。
【0083】
可動部を可動させた状態の被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下の場合(ST406:以下)、ST407〜ST409では、計算部104及び判定部106は、ST404〜ST406と同様にして、可動部が可動された状態の被検査物体の幅に対する判定処理を行う。
【0084】
可動部を可動させた状態の被検査物体の幅が設置スペースの幅以下の場合(ST409:以下)、ST410〜ST412では、計算部104及び判定部106は、ST404〜ST406又はST407〜ST409と同様にして、可動部が可動された状態の被検査物体の奥行きに対する判定処理を行う。可動部を可動させた状態の被検査物体の奥行きが設置スペースの奥行き以下の場合(ST412:以下)、ST401に戻る。
【0085】
可動部を可動させた状態の被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)が設置スペースのサイズ(高さ、幅、奥行き)を超える場合(ST406、ST409、ST412:超える)、ST413では、出力部107は、設置スペースに被検査物体が設置不可(不合格)であることを通知するための警告ブザーを鳴動させる。
【0086】
次に、検査装置100における検査モード時の処理の具体例について説明する。
【0087】
ここでは、実施の形態1と同様、検査装置100が、図8に示す設置スペースに図9Aに示す被検査物体が設置可能か否かを判定する場合について説明する。ここで、図9Aに示す被検査物体に設置された蓋(可動部)は閉じた状態である。
【0088】
また、実施の形態1と同様、検査装置100は、図11のST301〜ST317の処理を行うことにより、図8に示す設置スペースに図9Aに示す被検査物体が収容可能であると判定する(つまり、図11に示すST400の処理に進む)。
【0089】
ここで、図13Aに示すように、検査装置100は、図9Aに示す被検査物体に設置された蓋(可動部)を開けた状態(つまり、閉じた状態から可動させた後の状態)について可動部検査処理を行う(図11のST400)。なお、図9A及び図13Aにおいて、被検査物体に設置された蓋(可動部)の開閉前後(可動前後)では、被検査物体の高さ及び幅は変わらず、奥行きのみが変わるものとする。
【0090】
この場合、計算部104は、図13Aに示す蓋を開けた状態(可動部が可動された状態)の被検査物体の高さを再計算する(ST404)。そして、判定部106は、図8に示す記憶部105に記憶された設置スペースの高さ=110cmと、被検査物体の高さ=100cm(可動前後で同一)とを比較する(ST406)。同様にして、計算部104は、図13Aに示す蓋を開けた状態(可動部が可動された状態)の被検査物体の幅を再計算する(ST407)。そして、判定部106は、図8に示す記憶部105に記憶された設置スペースの幅=80cmと、被検査物体の幅=65cm(可動前後で同一)とを比較する(ST409)。
【0091】
次いで、計算部104は、図13Aに示す蓋を開けた状態(可動部が可動された状態)の被検査物体の奥行きを再計算する(ST410)。具体的には、計算部104は、被検査物体の奥行きとして80.1cmを算出する。つまり、図9A及び図13Aに示すように、蓋を閉じた状態から開けた状態に可動させると、被検査物体の奥行きは70cmから80.1cmに変化する。よって、図13Aに示すように、判定部106では、計算部104から入力される被検査物体の奥行きの値が更新される。
【0092】
そして、判定部106は、図8に示す記憶部105に記憶された設置スペースの奥行き=80cmと、被検査物体の幅=80.1cmとを比較する(ST412)。よって、判定部106は、被検査物体の幅=80.1cmが設置スペースの幅=80cmを超えるため(ST412:超える)、図13Bに示すように、図8に示す設置スペースに被検査物体(図9A及び図13A)が設置不可(不合格)であると判定する。
【0093】
このように、本実施の形態では、検査装置100は、実施の形態1と同様、設置スペースに被検査物体が収容可能か否かを判定するだけでなく、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0094】
さらに、本実施の形態では、検査装置100は、実施の形態1の動作に加え、被検査物体に設置された可動部の可動領域に基づいて、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。具体的には、図13Aに示すように、被検査物体では、蓋(可動部)の開閉によって被検査物体の奥行きが70cm〜80.1cmの間で変化する。これに対して、検査装置100は、蓋を閉めた状態の被検査物体(図9Aの状態)に対して設置スペースへの設置可能か否かを判定するだけでなく、蓋を開けた状態(図13Aの状態)に対しても、設置スペースへの設置可能か否かを判定する。
【0095】
これにより、図13Bに示すように、設置後の被検査物体において、可動部(蓋)を可動させる際に、障害物(天井、壁、柱又は棚等)の存在により、全ての可動領域で可動部を可動できなくなることを回避することができる。または、被検査物体を設置スペースに設置した際、被検査物体に設置された可動部をどれだけ可動させることができるか(例えば、被検査物体に設置された引き出しをどこまで引き出せるか)を、実際に設置することなく特定することができる。換言すると、被検査物体に設置された可動部における可動領域の制限がどれくらいであるかを、実際に設置することなく特定することができる。なお、検査装置100がアプリケーションとして携帯端末に具備される場合に、例えば、被検査物体に設置された引き出しをどこまで引き出せるかを確認する際、ユーザは携帯端末を手に持って実際に引き出しをどこまで引き出せるかを確認する使い方が考えられる。この場合、使用形態上、ユーザがGUI画面を見ることができないことがあり、大変、使い勝手が悪い。そこで、出力部107は、バイブ機能を具備し、「設置不可(不合格)」の場合、バイブレータを動作させてもよい。
【0096】
このようにして、本実施の形態によれば、被検査物体に設置された可動部の可動領域を含めて、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0097】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、被検査物体のサイズ及び設置スペースのサイズの測定手順を予め設定することで、被検査物体を構成する多面のうち正面、及び、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定される面を設定する場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、被検査物体を構成する多面のうち正面、及び、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定される面を、被検査物体のサイズ及び設置スペースのサイズを測定した後に設定する場合について説明する。
【0098】
以下、具体的に説明する。図14は、本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。なお、図14において、実施の形態1(図1)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0099】
図14に示す検査装置200において、センサ201は、検査装置200の位置、及び、検査装置200の姿勢を検出する。例えば、センサ201は、加速度センサ及びジャイロセンサを備え、慣性航法により検査装置200の位置及び姿勢を検出する。そして、センサ201は、検査装置200の位置を示す位置情報を記憶部203に出力し、検査装置200の姿勢を示す姿勢情報を計算部202に出力する。
【0100】
計算部202は、記憶部203に記憶されている検査装置200の位置情報を用いて、モード切替部101から入力される動作モードで測定されるべき対象(測定モードでは設置スペース、検査モードでは被検査物体)を規定する直方体の各方向(例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の単位ベクトルを算出する。例えば、検査装置200の位置情報として、図15及び図16に示すように、位置情報0〜3が記憶部203から入力された場合、計算部202は、位置情報0〜3を用いて、単位ベクトルVector1〜3を算出する。
【0101】
また、計算部202は、図15及び図16に示す位置情報0〜3を用いて、位置情報に示される位置間の距離1〜3を計算する。すなわち、計算部202は、設置スペースのサイズ又は被検査物体のサイズ(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の長さ)を測定する。
【0102】
また、計算部202は、センサ201から入力される姿勢情報を用いて、検査装置100の向きを示すベクトルを計算する。具体的には、計算部202は、上記単位ベクトルを計算後、入力部102から確定情報が入力された場合、その時点の姿勢情報を用いて計算されるベクトルを、設置スペース(又は被検査物体)の正面方向のベクトル(図15に示すVectorF)とする。次いで、計算部202は、正面方向のベクトルを計算後、入力部102から確定情報が入力された場合、その時点の姿勢情報を用いて計算されるベクトルを、設置スペース(又は被検査物体)の底面方向のベクトル(図16に示すVectorB)とする。
【0103】
また、計算部202は、単位ベクトル(図15及び図16に示すVector1〜3)と、正面方向及び底面方向を示すベクトル(図15及び図16に示すVectorF及びVectorB)とに基づいて、位置情報に示される位置間の距離(図15及び図16に示す距離1〜3)が設置スペース又は被検査物体の奥行き、幅、高さのいずれに相当するかを判定する。つまり、検査装置200では、入力部102は、設置スペースを規定する各面について、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定し、計算部202は、設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定する。ただし、計算部202は、設置スペースを規定する多面のサイズを測定した後に、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面を設定する。
【0104】
そして、計算部202は、測定モードでは、設置スペースについて、算出したベクトルを示すベクトル情報、距離を示す距離情報、又は、設置スペースのサイズ(高さ、奥行き、幅)を記憶部203に出力する。また、計算部202は、検査モードでは、被検査物体のサイズ(高さ、奥行き、幅)を判定部106に出力する。
【0105】
記憶部203は、センサ201から入力される位置情報(図15及び図16に示す位置情報0〜3)、計算部202から入力されるベクトル情報(図15及び図16に示すVector1〜3、VectorF及びVectorB)、及び、計算部202から入力される距離情報(図15及び図16に示す距離1〜3)及び設置スペースのサイズ(高さ、奥行き、幅)を記憶する。また、記憶部203は、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルを示すベクトル情報を表示部204に出力し、位置情報を計算部202に出力する。なお、例えば、記憶部203では、位置情報、ベクトル情報及び距離は、測定モード時の設置スペースの高さ、奥行き、幅を決定するまでに使用される情報であるので、図17Aに示すように、揮発メモリに記憶されてもよい。一方、例えば、記憶部203では、設置スペースのサイズ(奥行き、幅、高さ)及び許可情報は、測定モードでの測定後にも引き続き使用される情報であるので、図17Bに示すように、不揮発メモリに記憶されてもよい。
【0106】
表示部204は、入力部102から入力される確定情報に基づいて、記憶部203から入力される正面方向のベクトル又は記憶部203から入力される底面方向のベクトルを表示する。具体的には、表示部204は、位置情報(図15及び図16に示す位置情報0〜3)が全て確定した後に、確定情報が入力された場合、現時刻の正面方向のベクトルを順次表示するとともに、ユーザに対して測定対象(設置スペース又は被検査物体)の正面方向の決定(正面方向のベクトルVectorFの決定)を促すメッセージを表示する。また、表示部204は、次に確定情報が入力された場合(正面方向のベクトルVectorFが確定した場合)、底面方向のベクトルを表示するとともに、ユーザに対して測定対象(設置スペース又は被検査物体)の底面方向の決定(底面方向のベクトルVectorBの決定)を促すメッセージを表示する。
【0107】
次に、本実施の形態に係る検査装置200の設置判定処理の詳細について説明する。
【0108】
まず、測定モードについて説明する。図18A及び図18Bは、検査装置200の測定モード時の処理(図5に示すST103:測定処理)の流れを示す図である。なお、図18A及び図18Bにおいて、実施の形態1(図6)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0109】
図18Aにおいて、確定ボタン押下が1回目の場合(ST204:1回目)、ST501では、記憶部203は、ST203でセンサ201から取得した位置情報を、位置情報0(X0,Y0,Z0)として登録する。そして、ST202の処理に戻る。同様にして、ST502〜ST504では、記憶部203は、ST203でセンサ201から取得した情報を、位置情報1〜3として登録する。
【0110】
位置情報0〜3を登録後、ST505では、表示部204は、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定する面、つまり、正面方向に検査装置200を向けて、正面方向のベクトルを登録するための登録ボタンを押下することを促すメッセージを表示する。このとき、表示部204は、計算部202で算出される正面方向のベクトルを順次表示する。ST506では、計算部202は、ST505で登録ボタンが押された時点のベクトル(図15では設定された設置スペースの内部から検査装置200を面dに向けた方向のベクトル)を正面方向のベクトルVectorF(XF,YF,ZF)として計算する。同様にして、ST507及びST508では、底面方向のベクトルVectorB(XB,YB,ZB)(図16では設定された設置スペースの内部から検査装置200を面eに向けた方向のベクトル)が計算される。
【0111】
ST509では、計算部202は、ST501で記憶部203に登録された位置情報0、及び、ST502で記憶部203に登録された位置情報1を用いて、単位ベクトルVector1(V_X1,V_Y1,V_Z1)(図15及び図16ではY軸方向の単位ベクトル)を計算する。同様にして、ST510及びST511では、計算部202は、単位ベクトルVector2及びVector3を計算する。
【0112】
ST512では、計算部202は、ST501で記憶部203に登録された位置情報0に示される位置(X0,Y0,Z0)と、ST502で記憶部203に登録された位置情報1に示される位置(X1,Y1,Z1)との間の距離を距離1として計算する。同様にして、ST513及びST514では、計算部202は、位置情報1、2を用いて距離2を計算し、位置情報2、3を用いて距離3を計算する。そして、図18Bに示すST515の処理に進む。
【0113】
図18Bにおいて、ST515では、計算部202は、ST506及びST508で得たVectorF及びVectorB、及び、ST509〜ST511で得た単位ベクトルVector1〜3を用いて、設置スペースを規定する多面のうち正面に設定される面を判定する。換言すると、計算部202は、ST512〜ST514で得た距離1〜3が、設置スペースの高さ、奥行き、幅のいずれに相当するかを判定する。
【0114】
具体的には、計算部202は、VectorF及びVectorBと、Vector1〜3との内積の絶対値を互いに比較する。ここで、2つのベクトルの向きが同一の場合(2つのベクトルが平行である場合)、2つのベクトルの内積の絶対値は最大(1.0)になる。よって、例えば、正面方向を表すVectorFとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、設置スペースを規定する多面のうち奥行き方向を表す単位ベクトルと言える。つまり、VectorFとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルの向きに対応する距離は奥行きを示す。同様に、底面方向を表すVectorBとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、設置スペースを規定する多面のうち高さ方向を表す単位ベクトルと言える。つまり、VectorBとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルの向きに対応する距離は高さを示す。
【0115】
例えば、図15では、VectorFとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、Vector2である。具体的には、|VectorF*Vector2|は、|VectorF*Vector1|及び|VectorF*Vector3|よりも大きくなる。そのため、図15に示すVector2の向き(X軸方向)に対応する距離2は奥行きを示す。また、図16では、VectorBとの内積の絶対値が最大となる単位ベクトルは、Vector3である。具体的には、|VectorB*Vector3|は、|VectorB*Vector1|及び|VectorF*Vector2|よりも大きくなる。そのため、図16に示すVector3の向き(Z軸方向)に対応する距離3は高さを示す。
【0116】
よって、図15及び図16の場合には、ST515の判定では、計算部202は、ST519において、図15及び図16に示す距離3を高さとし、距離2を奥行きとし、距離1を幅として保存する。
【0117】
このようにして、検査装置200は、設置スペースのサイズを測定した後に、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面を設定する。
【0118】
次に、検査モードについて説明する。図19A〜Cは、検査装置200の検査モード時の処理(図5に示すST104:検査処理)の流れを示す図である。なお、図19A〜Cにおいて、実施の形態1(図7)、又は、測定モード(図18A及び図18B)と同一の処理には同一の符号を付し、その説明を省力する。
【0119】
すなわち、検査装置200は、図19Aにおいて、図7に示すST301〜ST304の処理、及び、図18Aに示すST501〜ST514の処理と同一の処理を行い、図19Bにおいて、図18Bに示すST515〜ST521の処理と同一の処理を行う。ただし、図19Bに示すST515〜ST521では、計算部202は、被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)を判定部106に保存する。
【0120】
つまり、検査装置200は、測定モードと同様、被検査物体のサイズを測定した後に、被検査物体を構成する多面のうち正面を設定する。
【0121】
また、図19Cにおいて、ST307では、判定部106は、図18BのST516〜ST521のいずれかで保存された設置スペースの高さを読み出す。ST308では、判定部106は、図19BのST516〜ST521のいずれかで保存された被検査物体の高さと、ST307で読み出した設置スペースの高さとを比較することにより、被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下であるか否かをチェックする。被検査物体の高さが設置スペースの高さ以下の場合(ST308:以下)、ST310の処理に進む。一方、被検査物体の高さが設置スペースの高さを超える場合(ST308:超える)、ST318の処理に進む。
【0122】
ST310、ST311では、ST308、ST309と同様にして、判定部106は、被検査物体の幅と設置スペースの幅とを比較することにより、被検査物体の幅が設置スペースの幅以下であるか否かをチェックする。また、ST313、ST314では、ST308、ST309(又はST310、ST311)と同様にして、判定部106は、被検査物体の奥行きと設置スペースの奥行きとを比較することにより、被検査物体の幅が設置スペースの奥行き以下であるか否かをチェックする。
【0123】
次に、設置スペースにおいて正面として設定される面を判定する処理の一例について説明する。
【0124】
以下の説明では、図20に示すように、センサ201は、位置情報0(X0=+0cm,Y0=+0cm,Z0=+0cm)、位置情報1(X1=+80cm,Y1=+0cm,Z1=+0cm)、位置情報2(X2=+80cm,Y2=+80cm,Z2=+0cm)、位置情報3(X3=+80cm,Y3=+80cm,Z3=+100cm)を検出する(図18AのST501〜ST504)。
【0125】
そして、計算部202は、Vector1(V_X1=+1cm,V_Y1=+0cm,V_Z1=+0cm)、Vector2(V_X2=+0cm,V_Y2=+1cm,V_Z2=+0cm)及びVector3(V_X3=+0cm,V_Y3=+0cm,V_Z3=+1cm)を計算する(図18AのST509〜ST511)。また、計算部202は、距離1=80cm、距離2=80cm及び距離3=100cmを計算する(図18Aに示すST512〜ST514)。
【0126】
また、計算部202は、センサ201が検出した姿勢情報を用いて、正面方向のベクトルVectorFを(XF=+1cm,YF=+0cm,ZF=+0cm)とし、底面方向のベクトルVectorBを(XB=+0cm,YB=+0cm,ZB=−1cm)とする(図18AのST506、ST508)。
【0127】
そこで、計算部202は、図20に示すように、VectorFと、Vector1〜3との内積演算を行い、内積の絶対値が最大であるVector1が奥行きを表すベクトルであると判定する。また、計算部202は、図20に示すように、VectorBと、Vector1〜3との内積演算を行い、内積の絶対値が最大であるVector3が高さを表すベクトルであると判定する。
【0128】
よって、計算部202は、図20に示す距離1(80cm)を設置スペースの奥行きとし、距離2(80cm)を設置スペースの幅とし、距離3(100cm)を設置スペースの高さとする(図18Bに示すST517)。
【0129】
つまり、検査装置200では、設置スペースのサイズ(X軸、Y軸、Z軸方向の長さ)を測定した後に、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルを設定することにより、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面を設定することができる。
【0130】
このようにして、本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2と異なり、検査装置は、設置スペースのサイズ又は被検査物体のサイズを測定後に、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面、及び、被検査物体を構成する多面のうち正面を決定する。これにより、設置スペース及び被検査物体について正面を予め設定しなくても、実施の形態1及び実施の形態2と同様、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0131】
なお、本実施の形態では、設置スペース(又は被検査物体)のサイズを測定する際に測定誤差が生じても、設置スペース(又は被検査物体)の奥行き、幅、高さ(つまり、上述した正面)を正確に判定することができる。例えば、設置スペースの実際のサイズが上記図20に示す値であるのに対し、設置スペースのサイズを測定した結果、図21に示すように位置情報1〜3で測定誤差が生じたとする。しかし、この場合でも、検査装置200は、VectorF及びVectorBを用いて、設置スペースの奥行き、高さ、幅を正確に判定することができる。すなわち、本実施の形態では、設置スペースのサイズを測定する際に生じる測定誤差は被検査物体の設置判定処理に影響を及ぼさない。
【0132】
また、本実施の形態では、検査装置が、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルを設定することにより、設置スペースを規定する多面のうち正面に対応する面又は被検査物体を構成する多面のうち正面を決定する場合について説明した。しかし、検査装置は、正面方向のベクトル及び底面方向のベクトルに限らず、正面方向(又は背面方向)のベクトル、底面方向(又は天井方向)のベクトル、及び、側面方向のベクトルのうちいずれか2つの方向のベクトルを特定すればよい。
【0133】
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、設置スペースを規定する多面及び被検査物体を構成する多面を単純に直方体で表す場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、設置スペースを規定する多面及び被検査物体を構成する多面を、任意の4点以上の頂点を有する多面体で表す場合について説明する。
【0134】
以下、具体的に説明する。図22は、本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。なお、図22において、実施の形態1(図1)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0135】
図22に示す検査装置300において、入力部301は、設置スペースを規定する多面体の各頂点の位置を確定するための確定ボタンと、設置スペースを規定する多面体を登録するための登録ボタンを備える。すなわち、検査装置300では、操作入力により、確定ボタンが押下されるたびに新たな頂点を含む多面体が新たに形成され、登録ボタンが押下された時点の多面体を設置スペースとして設定する。また、入力部301は、表示部304に表示される、登録された設置スペースを規定する多面体の各面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可又は禁止するかを設定する。
【0136】
計算部302は、入力部301から確定情報が入力された時点(確定ボタンが押下された時点)の位置情報を記憶部303を介してセンサ103から取得する。そして、計算部302は、入力部301から登録ボタンが押された旨を示す登録情報が入力されるまで、センサ103から取得した位置情報を用いて形成される平面を示す平面情報を生成する。具体的には、計算部302は、センサ103から取得した位置情報(ポイント)のうち、3つの位置情報の組み合わせから成る平面を算出する。そして、計算部302は、算出した平面を示す平面情報を記憶部303に順次出力する。
【0137】
記憶部303は、測定モード時に、センサ103から入力される位置情報、計算部302から入力される設置スペースを規定する多面体の各平面を示す平面情報、及び、入力部301から入力される、被検査物体の操作部(可動部)の設置が禁止された平面を示す禁止情報を記憶する。また、記憶部303は、位置情報を計算部302に出力し、平面情報及び禁止情報を表示部304に出力する。
【0138】
表示部304は、入力部301から確定情報が入力されるたびに、つまり、設置スペースを規定する多面体が更新されるたびに、記憶部303から入力される平面情報に基づいて、設置スペースを規定する多面体を表示(例えば、3D表示)する。例えば、表示部304は、センサ103から入力される姿勢情報に基づいて、検査装置300の現時点の位置を原点とし、検査装置300の向き(姿勢方向)を視線方向として設置スペースの形状を表示する。また、表示部304は、記憶部303から入力される禁止情報に基づいて、表示する設置スペースを規定する多面において、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止している平面と、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可している平面(禁止していない平面)とを区別して表示(例えば、各平面を色分けして表示)してもよい。
【0139】
次に、本実施の形態に係る検査装置300の設置判定処理の詳細について説明する。
【0140】
図23A及び図23Bは、本実施の形態に係る検査装置300(図22)の設置判定処理のうち測定モード時の処理(図5に示すST103:測定処理)の流れを示す図である。なお、本実施の形態に係る検査装置300における検査モード時の処理の流れは実施の形態1と同様(図7)である。また、図23A及び図23Bにおいて、実施の形態1(図6)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0141】
図23Aにおいて、ST601では、計算部302は、入力部301が備える登録ボタンが押下されたか否かを判断する。登録ボタンが押下されていない場合(ST601:NO)、入力部301が備える確定ボタンが押下されるたびに(ST202:YES)、ST602では、計算部302は、ST203でセンサ103から取得した位置情報に基づいて、3つの位置情報の組み合わせから成る平面を算出する。そして、記憶部303は、ST203でセンサ103が検出した位置情報(座標情報)を登録(記憶)するとともに、ST602で計算部302が算出した平面を示す平面情報を登録(記憶)する。例えば、記憶部303は、図24に示すように、確定ボタンが押されるたびにセンサ103から入力される位置情報(座標情報)であるPOINT=1〜n(nは座標情報番号)を登録する。また、図24に示すように、計算部302は、座標情報POINT=1、2、3の3つの座標情報から成る平面情報PLANE=0を算出し、記憶部303は、平面情報PLANE=0〜n(nは平面情報番号)を登録する。
【0142】
ST603では、表示部304は、記憶部303から入力される座標情報及び平面情報に示される座標及び平面から成る多面体を3D表示する。
【0143】
一方、登録ボタンが押下された場合(ST601:YES)、ST604では、検査装置300の制御部(図示せず)は、ST202での確定ボタンの押下回数が4回以上であるか否かを判断する。ここで、複数の平面を有する多面体を形成するためには、任意の4つ以上の座標(図24に示すPOINT)を設定し、かつ、4つ以上の座標のうち3つの座標の組み合わせから成る平面に属さない座標が1つ以上存在していることが条件となる。そこで、確定ボタンの押下回数が4回未満の場合(ST604:4回未満)、ST605では、制御部は、警告ブザーを鳴動させて、ST601の処理に戻る。
【0144】
一方、確定ボタンの押下回数が4回以上の場合(ST604:4回以上)、つまり、設置スペースを規定する多面体が設定された場合、ST606では、表示部304は、登録後の設置スペースの形状を3D表示する。
【0145】
ST607では、入力部301は、登録後の設置スペースを規定する多面体の各平面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止するか否かを設定する(ここでは、禁止を設定するための禁止ボタンを押下したか否かを判断する)。ここで、入力部301は、表示部304で表示される設置スペースを規定する各面について、操作入力により、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定してもよい。
【0146】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止する場合(ST607:YES)、ST608では、入力部301は、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止した平面を示す情報を禁止情報として記憶部303に保存する。例えば、図24では、入力部301は、平面情報に示されるPLANE=0〜nのうち、PLANE=0,1を、被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止した平面として設定する。
【0147】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止しない場合(ST607:NO)、ST609では、入力部301は、登録後の設置スペースを規定する多面体の各平面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定する(ここでは、許可を設定するための許可ボタンを押下したか否かを判断する)。
【0148】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止して(ST607:YES)、ST608で或る平面に対して禁止情報が保存された場合、又は、或る平面に対して被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止しない場合(ST607:NO)、ST610では、入力部301は、次の平面を読み出す。このとき、表示部304は、許可又は禁止の設定対象である平面を強調させることで、ユーザに対して設定対象の平面を明確になるようにしてもよい。
【0149】
被検査物体の操作部(可動部)の設置を禁止しない場合(ST607:NO)且つ被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可しない場合(ST609:NO)、又は、全ての平面の許可又は禁止の設定が終了していない場合(ST611:NO)、ST606の処理に戻る。つまり、全ての平面の許可又は禁止の設定が終了するまで(ST611:YES)、ST606〜ST610を繰り返す。
【0150】
全ての平面の許可又は禁止の設定が終了すると(ST611:YES)、図23Bに示すST612〜ST620では、検査装置300は、設置スペースにおいて正面及び底面として設定すべき方向を判定する。
【0151】
具体的には、図23Bに示すST612では、表示部304は、設置スペースを規定する多面のうち正面として設定する面、つまり、正面方向に検査装置300を向けて、正面方向のベクトルを登録するための登録ボタンを押下することを促すメッセージを表示する。このとき、表示部304は、計算部302で算出される正面方向のベクトルを順次表示する。
【0152】
ST613では、計算部302は、入力部301から確定情報が入力されたか否か、つまり、入力部301での操作入力による確定ボタンが押されたか否かを判断する。確定ボタンが押されていない場合(ST613:NO)、計算部302は待機する。一方、確定ボタンが押された場合(ST613:YES)、ST614では、計算部302は、センサ103から検査装置300の姿勢情報を取得する。
【0153】
ST615では、計算部302は、測定モード開始時からの確定ボタン押下回数を特定する。
【0154】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST615:1回目)、ST616では、計算部302は、ST612で登録ボタンが押された時点のベクトルを正面方向のベクトルVectorF(XF,YF,ZF)として計算する。同様にして、ST617及びST618(ST615:2回目)では、底面方向のベクトルVectorB(XB,YB,ZB)が計算される。
【0155】
ST619では、記憶部303は、ST616で計算された正面方向のベクトルVectorF(XF,YF,ZF)を設定情報(VectorF)として保存する。ST620では、記憶部303は、ST618で計算された底面方向のベクトルVectorB(XB,YB,ZB)を設定情報(VectorB)として保存する。これにより、記憶部303には、図24に示すように、設置情報として、VectorF及びVectorBが保存される。
【0156】
次に、設置スペースを規定する多面体の設定処理の具体例について説明する。ここでは、図25A〜D及び図26Aに示すように、検査装置300の現在位置を示すポインタが表示部304で表示(3D表示)される。
【0157】
例えば、入力部301で確定ボタンが3回押下された場合、図25Aに示すように、計算部302は、確定ボタンが押下されるたびにセンサ103から順次入力された座標POINT=1、2、3の3点の組み合わせから成る平面PLANE=0を算出する。
【0158】
次いで、入力部301で4回目の確定ボタンが押下された場合、図25Bに示すように、計算部302は、センサ103から入力された座標POINT=4を新たに加えた4点の座標POINT=1〜4を用いて平面を算出する。具体的には、計算部302は、座標POINT=1、2、4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=1を新たに算出し、座標POINT=1、3、4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=2を新たに算出し、座標POINT=2、3、4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=3を新たに算出する。
【0159】
同様にして、入力部301で5、6回目の確定ボタンが押下されると、図25C及び図25Dに示すように、計算部302は、センサ103から入力される座標POINT=5,6を用いて、平面PLANE=4〜6(図25C)及びPLANE=7〜9を新たに算出する。ただし、図25Cにおいて、座標POINT=1,2,4の3点の組み合わせから成る平面PLANE=1(図25Bで算出された平面)は、座標POINT=1,2,3,4,5の5点の組み合わせから成る多面体の内部に包含される。よって、記憶部303は、記憶している平面PLANE=1を削除する。同様に、図25Dでは、記憶部303は、座標POINT1〜6の6点の組み合わせから成る多面体の内部に包含される平面PLANE=6(POINT2,4,5の3点の組み合わせから成る平面)を削除する。
【0160】
同様にして、入力部301で7回目の確定ボタンが押下されると、図26Aに示すように、計算部302は、センサ103から入力される座標POINT=7を用いて、平面PLANE=10〜13を新たに算出する。ただし、図26Aでは、記憶部303は、多面体の内部に包含される平面PLANE=5,8(図25C及び図25Dで算出された平面)を削除する。
【0161】
そして、入力部301で登録ボタンが押下されると、検査装置300は、図26Aに示す座標POINT=1〜7の7点の組み合わせから成る多面体を、設置スペースとして設定する。ここで、図26Aに示す設置スペースを規定する多面体について、記憶部303は、平面PLANE=0〜13のうち平面PLANE1,5,6,8を削除したため、平面PLANE=0,2〜4,7,9〜13の10個の平面情報を記憶している。
【0162】
そこで、入力部301は、10個の平面PLANE=0,2〜4,7,9〜13に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか禁止するかを設定する。このとき、表示部304は、被検査物体の操作部(可動部)の設置の許可/禁止を設定する対象である平面(例えば、図26BではPLANE=0)を強調(図26B,Cに示す斜線部分)してもよい。また、表示部304は、図26Cに示すように、被検査物体の操作部(可動部)の設置の許可/禁止が設定済みである平面(図26CではPLANE=0)の色を変えてもよい(図26Cでは塗りつぶし部分)。
【0163】
このようにして、本実施の形態によれば、検査装置は、設置スペースを、実施の形態1〜3で説明した直方体よりもさらに複雑な形状で表すことが可能となる。すなわち、本実施の形態によれば、検査装置は、設置スペースを実施の形態1よりも複雑な形状で表すことで、実際の設置スペースにより近似させた多面体を規定することができる。つまり、本実施の形態に係る検査装置は、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを実施の形態1よりもより正確に判定できる。
【0164】
よって、本実施の形態によれば、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを、実施の形態1よりもより正確に判定できる。
【0165】
例えば、検査装置は、実施の形態1のようにして設置スペースを直方体で表すことにより、簡易な操作で設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。これに対して、検査装置は、本実施の形態のようにして設置スペースを直方体よりも複雑な形状で表すことにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを実施の形態1よりも正確に判定できる。すなわち、検査装置は、簡易に設置判定処理を行うか、より正確に設置判定処理を行うかに応じて、実施の形態1又は本実施の形態を切り替えて適用してもよい。
【0166】
なお、本実施の形態では、設置スペースを4点以上の座標から成る多面体で表す場合について説明した。しかし、本発明では、設置スペースに限らず、被検査物体を構成する多面体を、4点以上の座標、かつ、4つ以上の座標のうち3つの座標の組み合わせから成る平面に属さない座標が1つ以上存在している複数の座標から成る多面体として表してもよい。これにより、被検査物体の形状をより複雑に表すことができ、検査装置は、本実施の形態と同様、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを実施の形態1よりも正確に判定できる。
【0167】
(実施の形態5)
本実施の形態では、被検査物体のサイズ又は被検査物体の操作部(可動部)の設置状況を示す設置情報を、検査装置の外部から取得する場合について説明する。
【0168】
以下、具体的に説明する。図27は、本実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。なお、図27において、実施の形態1(図1)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0169】
図27に示す検査装置400において、データ入力部401は、被検査物体のサイズ(高さ、奥行き、幅)、及び、被検査物体における操作部及び可動部の設置状況を示す設置情報を、検査装置400の外部から取得する。例えば、データ入力部401は、被検査物体のサイズ及び設置情報を、外部記憶媒体(外部メモリ)から取得してもよい。または、データ入力部401は、被検査物体のサイズ及び設置情報を、インターネット等の通信システムを介して外部から取得(ダウンロード)してもよい。そして、データ入力部401は、取得した被検査物体のサイズ及び設置情報を記憶部402に出力する。
【0170】
記憶部402は、データ入力部401から入力される、被検査物体のサイズ及び設置情報を、例えば、不揮発メモリに記憶する。
【0171】
判定部403には、入力部102から設置スペースの許可情報が入力され、計算部104から設置スペースのサイズ(奥行き、幅、高さ)が入力される。また、判定部403は、記憶部402から被検査物体のサイズ(奥行き、幅、高さ)及び設置情報を読み出す。そして、判定部403は、被検査物体のサイズ及び設置情報(つまり、検査装置400の外部から取得した情報)と、設置スペースのサイズ及び許可情報とを比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。
【0172】
次に、本実施の形態に係る検査装置400の設置判定処理の詳細について説明する。
【0173】
図28〜図30は、検査装置400の設置判定処理の流れを示す図である。なお、図28〜図30において、実施の形態1(図5〜図7)と同一の処理には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0174】
図28において、図示しないモード切替部において切り替えられた動作モードがデータ設定モードの場合(ST102:データ設定モード)、ST701では、検査装置400はデータ設定処理(図29)を実行し、動作モードが検査モードの場合(ST102:検査モード)、ST702では、検査装置400は検査処理(図30)を実行する。
【0175】
図29は、検査装置400のデータ設定モード時の処理(図28に示すST701:データ設定処理)の流れを示す図である。図29において、データ入力部401は、ST801において、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部の設置状況を示す設置情報を外部から入力し、ST802において、被検査物体のサイズ(奥行き、幅、高さ)を外部から入力する。
【0176】
また、データ入力部401は、ST803において、ST802で取得した被検査物体のサイズ(奥行き、幅、高さ)を記憶部402に保存し、ST804では、ST801で取得した被検査物体の設置情報を記憶部402に保存する。
【0177】
図30は、検査装置400の検査モード時の処理(図28に示すST702:検査処理)の流れを示す図である。図30において、ST901では、入力部102は、図6のST201と同様にして、設置スペースを規定する各面における操作部(可動部)の設置を許可するか否か(許可又は禁止)を設定する。
【0178】
確定ボタン押下が1回目の場合(ST304:1回目)、ST902では、計算部104は、ST303でセンサ103から取得した位置情報を、設置スペースのサイズの測定開始位置として確定する。そして、ST302の処理に戻る。
【0179】
確定ボタン押下が2回目の場合(ST304:2回目)、ST903では、計算部104は、ST902で確定した位置と、今回ST303で取得した位置情報に示される位置との間の距離を、設置スペースの高さとして計算する。
【0180】
ST904では、判定部403は、図29のST803で記憶部402に記憶された被検査物体の高さを読み出す。
【0181】
ST905では、判定部403は、ST903で計算部104が算出した設置スペースの高さと、ST904で読み出した被検査物体の高さとを比較することにより、設置スペースの高さが被検査物体の高さを超えるか否かをチェックする。設置スペースの高さが被検査物体の高さを超える場合(ST905:超える)、ST302の処理に戻る。一方、設置スペースの高さが被検査物体の高さ以下となる場合(ST905:以下)、ST318の処理に進む。
【0182】
ST906〜ST908では、判定部403は、ST903〜ST905と同様にして、設置スペースの幅が被検査物体の幅を超えるか否かをチェックし、ST909〜ST911では、判定部403は、ST903〜ST905(又はST906〜ST908)と同様にして、設置スペースの奥行きが被検査物体の奥行きを超えるか否かをチェックする。
【0183】
つまり、被検査物体の操作部(操作パネル)及び可動部が設置されている全ての面が、許可情報において許可されていない場合(ST317:許可無し)、又は、設置スペースのサイズ(高さ、幅、奥行き)が被検査物体のサイズ(高さ、幅、奥行き)以下の場合(ST905,ST908,ST911:以下)、ST318では、出力部107は、設置スペースに被検査物体が設置不可(不合格)であることを通知するための警告ブザーを鳴動させる。
【0184】
すなわち、実施の形態1では、検査モード時にはセンサ103によって測定された被検査物体のサイズが、不揮発メモリに記憶されている設置スペースのサイズ以下となるか否かが判定される。これに対し、本実施の形態では、検査装置400は、検査モード時にはセンサ103によって測定された設置スペースのサイズが、記憶部402(不揮発メモリ)に記憶されている被検査物体のサイズを超えるか否かを判定する。
【0185】
このように、検査装置400は、被検査物体のサイズ及び設置情報を、検査装置400の外部から取得する。これにより、検査装置400は、外部から取得した被検査物体のサイズ及び設置情報を用いることで、被検査物体のサイズを実際に測定しなくても、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定することができる。例えば、検査装置400では、ネットワークから家電製品又は家具等の被検査物体の情報(サイズ及び設置情報)をダウンロードして取得することで、設置スペースに設置可能であるか否かを購入前に判断することができる。
【0186】
このようにして、本実施の形態によれば、検査装置の外部から被検査物体のサイズ及び設置情報を取得する。これにより、検査装置で被検査物体のサイズの測定及び設置情報の設定をすることなく、実施の形態1と同様、設置後の被検査物体の使用状況を考慮して設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定できる。
【0187】
なお、本実施の形態では、検査装置が、被検査物体のサイズ及び設置情報を外部から取得する場合について説明した。しかし、本発明では、検査装置は、設置スペースのサイズ及び許可情報を外部から取得してもよい。この場合、検査装置は、センサで検出された位置情報を用いて被検査物体のサイズを測定し、被検査物体を構成する各面の操作部(可動部)の設置状況を設定する。そして、検査装置は、測定した被検査物体のサイズ及び設定した設置情報と、外部から取得した設置スペースのサイズ及び許可情報を比較することにより、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する。この場合でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0188】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0189】
なお、上記実施の形態では、センサを備える検査装置を移動させて設置スペースを規定する多面を測定する場合について説明した。しかし、設置スペースを規定する多面を測定するために、例えば、超音波距離センサ又は光センサを用いてもよい。例えば、ユーザが検査装置を天井付近まで持ち上げるのは困難であることが想定されるため、床と天井との間の距離(つまり、高さ)を測定する際には、検査装置は、超音波距離センサを用いて高さを測定してもよい。または、検査装置は、設置スペースを規定する多面のうち奥行きを測定する際、超音波距離センサを用いることにより、測定モードにおける検査装置(ユーザ)の移動範囲を少なく抑えることが可能となる。
【0190】
また、上記実施の形態では、センサとしてジャイロセンサを用いる場合について説明した。しかし、センサとしては、ジャイロセンサの代わりに、地磁気を検知して方位を計測する地磁方位センサを用いてもよい。この場合、検査装置は、上記実施の形態で用いた、検査装置の向き(姿勢方向)を示す姿勢情報を、地磁方位センサで検出される検査装置の向いている方位から得てもよい。また、検査装置は、地磁方位センサで検出される検査装置の方位(例えば、東西南北)に基づいて、検査装置の現時点の位置を原点とし設置スペースを規定する各面(例えば、正面として設定された面)がどの方位に向いているかを表示してもよい。また、検査装置は、高さ方向を決定する際、その方向を指定するステップにおいて、加速度センサを用いて重力方向を検出することにより、高さ方向を決めてもよい。
【0191】
また、本発明において、例えば、検査装置は、測定モードにおいて、設置スペースを規定する多面のうち底面の任意の座標を3点以上測定して、測定した底面と水平面との差を底面(床)の歪みとして算出してもよい。これにより、例えば、洗濯機又は冷蔵庫等の水平に設置しなければならない被検査物体に対して、検査装置は、高さ調整のために被検査物体の底面に設置すべき水平マット(スペーサとも呼ばれる)の高さ(厚み)を特定することができる。
【0192】
また、上記実施の形態では、検査装置が、設置スペースを規定する各面に対して、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定する場合について説明した。しかし、検査装置は、例えば、設置スペースを規定する面において、任意の3点を選択し、選択した3点を組み合わせて形成される面について、被検査物体の操作部(可動部)の設置を許可するか否かを設定してもよい。これにより、検査装置では、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かをより細かく判定することが可能となる。
【0193】
また、本発明において、被検査物体本体以外に電源ケーブル又は排水パイプ等を備えている場合、検査装置は、測定モード時には電源コンセント又は排水管等の位置を測定するステップを設け、検査モード時には検査装置の電源プラグ又は排水パイプ取り付け位置を測定するステップと、電源ケーブル又は排水パイプ等の長さを入力するステップを設けてもよい。そして、検査装置は、設置スペースに、電源コンセント又は配水管等のサイズを含めた被検査物体が収容可能か否かを判定し、かつ、電源ケーブル又は排水パイプ等が電源コンセント又は排水管に届かない場合は警告ブザーを鳴動させてもよい。
【0194】
なお、近年の殆どの携帯端末等には、本発明の実現に必要なジャイロセンサ又は磁気センサと加速度センサとを具備しており、ソフトウェア変更のみで容易に実施が可能である。
【0195】
なお、折畳式の場合、外側に出ている表示部に判定情報を表示してもよい。また、表示部の方向によって、加速度センサから読み出した加速度方向を入れ替えてもよい。また、計測前には、他のイベントによって計測が中断されないように、計測モードを最優先に設定し、他の操作を禁止してもよい。その設定は手動でも自動でも可能である。また、計測中には、他のイベントが発生した場合、データをクリアしてもよい。また、一時的に記憶手段に記憶しておくことも可能である。また表示手段にて最善の持ち方又は持ち位置を報知してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明は、設置スペースに被検査物体が設置可能か否かを判定する検査装置等に適用することができる。
【符号の説明】
【0197】
100,200,300,400 検査装置
101 モード切替部
102,301 入力部
103,201 センサ
104,202,302 計算部
105,203,303,402 記憶部
106,403 判定部
107 出力部
204,304 表示部
401 データ入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定手段と、
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定手段における設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定手段と、
を具備する検査装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記設置スペースを規定する多面において、前記被検査物体を構成する多面のうち前記操作部及び可動部が設置された面に対応する全ての面で前記操作部及び可動部の設置が許可されている場合、前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能であると判定し、
前記被検査物体を構成する多面のうち前記操作部又は可動部が設置された面に対応する面のいずれか1つでも前記操作部及び可動部の設置が禁止されている場合、前記設置スペースに前記被検査物体が設置不可であると判定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記判定手段は、さらに、前記被検査物体の可動部の可動領域に基づいて、前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項4】
前記設置スペースを規定する多面のサイズを測定する測定手段、をさらに具備し、
前記設定手段は、前記測定手段において前記サイズを測定した後に、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面に対応する面を設定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項5】
前記設置スペースを規定する多面を表示する表示手段を、さらに具備し、
前記設定手段は、前記表示手段で表示される前記設置スペースを規定する各面について、前記操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項6】
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況を前記検査装置の外部から取得する取得手段、をさらに具備し、
前記判定手段は、前記設定手段における設定結果と、前記外部から取得した前記設置状況とを比較することにより、前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記設置状況を外部記憶媒体から取得する、
請求項6記載の検査装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記設置状況を、通信システムを介して取得する、
請求項6記載の検査装置。
【請求項9】
請求項1記載の検査装置を具備する携帯端末装置。
【請求項10】
設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定ステップと、
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定ステップにおける設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定ステップと、
を具備する設置判定方法。
【請求項11】
設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定ステップと、
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定ステップにおける設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定ステップと、
を実行させる設置判定プログラム。
【請求項1】
設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定手段と、
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定手段における設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定手段と、
を具備する検査装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記設置スペースを規定する多面において、前記被検査物体を構成する多面のうち前記操作部及び可動部が設置された面に対応する全ての面で前記操作部及び可動部の設置が許可されている場合、前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能であると判定し、
前記被検査物体を構成する多面のうち前記操作部又は可動部が設置された面に対応する面のいずれか1つでも前記操作部及び可動部の設置が禁止されている場合、前記設置スペースに前記被検査物体が設置不可であると判定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記判定手段は、さらに、前記被検査物体の可動部の可動領域に基づいて、前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項4】
前記設置スペースを規定する多面のサイズを測定する測定手段、をさらに具備し、
前記設定手段は、前記測定手段において前記サイズを測定した後に、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面に対応する面を設定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項5】
前記設置スペースを規定する多面を表示する表示手段を、さらに具備し、
前記設定手段は、前記表示手段で表示される前記設置スペースを規定する各面について、前記操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項6】
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況を前記検査装置の外部から取得する取得手段、をさらに具備し、
前記判定手段は、前記設定手段における設定結果と、前記外部から取得した前記設置状況とを比較することにより、前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する、
請求項1記載の検査装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記設置状況を外部記憶媒体から取得する、
請求項6記載の検査装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記設置状況を、通信システムを介して取得する、
請求項6記載の検査装置。
【請求項9】
請求項1記載の検査装置を具備する携帯端末装置。
【請求項10】
設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定ステップと、
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定ステップにおける設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定ステップと、
を具備する設置判定方法。
【請求項11】
設置スペースを規定する多面において、被検査物体を構成する多面のうち正面に対応する面を設定し、前記設置スペースを規定する各面について、前記被検査物体の操作部及び可動部の設置を許可するか否かを設定する設定ステップと、
前記被検査物体における前記操作部及び可動部の設置状況と前記設定ステップにおける設定結果とを比較することにより、前記被検査物体を構成する多面のうち正面を、前記設置スペースを規定する多面のうち前記正面として設定された面に向けた場合に前記設置スペースに前記被検査物体が設置可能か否かを判定する判定ステップと、
を実行させる設置判定プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2011−145252(P2011−145252A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8151(P2010−8151)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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