説明

検知解析システムおよびネットワークを介したデータ通信

ハウジング(22)と、ハウジング(22)内にあって、入力に応答するセンサ要素(56)と、ハウジング(22)内にあって、センサ要素(56)と通信して、センサ要素(56)により生成された出力信号に基づいて電気出力を生成する電子回路(24)を備え、非常にコンパクトな携帯型センサユニット(12)と;および、センサユニット(12)と物理的に分離し、センサユニット(12)に電源を供給し、かつ、これを制御し、センサユニット(12)からの出力を処理し、任意的に表示し、ネットワーク(18)上の他の場所に送信する電子ユニット(14)と;を有し、通信提供機器(20, 120, 220)により、電子ユニット(14)により生成された命令がセンサユニット(12)に、センサユニット(12)からの電気出力が電子ユニット(14)にそれぞれ送信されるようになっている、検知解析システム(10)、方法およびネットワーク(18)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、たとえば、環境中に存在する特性、条件および物質、ないしは、人間の体内に存在する生理的条件や物質を検知および解析する、検知解析システムおよび方法に関する。具体的には、本発明は、携帯性が非常に高く、コンパクトで、物理的に分離している電子計算機および通信装置との組合せで使用されるセンサユニットを活用する、検知解析システム、ネットワーク、および方法に関する。電子計算機および通信装置は、前記センサユニットに電力を供給し、制御を行い、さらにセンサユニットの出力データを処理するように構成されるため、センサユニットはこれらの機能に必要な要素を省略できる。電子計算機および通信装置は、他のセンサユニットや電子計算機および通信装置を備えるネットワークの一部とすることができる。かかるネットワークでは、センサとリモート通信が可能で、センサ出力や離れた場所で生成された命令を発信することができる。
【背景技術】
【0002】
化学物質および流体解析装置は、通常、材料(気体、液体および固体)のサンプルについて、サンプル中の成分の有無または量、あるいは、サンプルの物理的または化学的特性を検知および解析する。化学および/または流体解析を行う従来の装置は、一般的には、専用ディスプレイ、キーボード、データ処理機能、および制御アルゴリズムを備えた、大きな専用ユニットである。これら装置は、一般的に大きな消費電力を必要とし、交流電源が使用できない場合に一時的に作動させるために大きなバッテリを装備していたとしても、連続的に使用するためには交流電源を必要とする。現在の機器は、RS−231シリアル通信ケーブルなどを介してコンピュータとリンク可能となっており、コンピュータにデータを送信し、未加工データまたは処理データを、保存、処理、およびプリントすることができる。かかるコンピュータは、、ワイヤレスネットワークの一部となって、未加工データまたは処理データを離れた場所に送信することが可能となっている。
【0003】
サイズ、重量およびコストの観点から、従来の化学および流体解析装置は、解析が必要とされる離れた場所で幅広く使用されるには限界がある。また、環境条件や障害などを監視する場合など、検知および監視するに好都合な複数の場所での使用にも限界がある。また、ワイヤレス通信には消費電力が要求されることが、従来のネットワークにワイヤレスのセンサ装置を設置しようとする場合の大きな制限となっている。また、ネットワークの受信装置から離してワイヤレスセンサを設置できる距離には、消費電力と共に、ワイヤレスセンサのノードのサイズや大きさが大きくなってしまうという問題から、制限がある。
【0004】
無線または有線によるセンサおよびセンサネットワークに対する種々の改良が提案されている(たとえば、特許文献1、非特許文献1〜4参照)。しかしながら、より汎用の検知解析システム、ネットワークおよび方法に対するニーズは引き続き存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6338010号公報(Sparks et al.)
【特許文献2】米国特許第6637257号公報(Sparks)
【特許文献3】米国特許第6942169号公報(Sparks)
【特許文献4】米国特許第7008193号公報(Najafi et al.)
【特許文献5】米国特許第5936164号公報(Sparks et al.)
【特許文献6】米国特許第5706565号公報(Sparks et al.)
【特許文献7】米国特許第5663508号公報(Sparks)
【特許文献8】米国特許第4039852号公報
【特許文献9】米国特許第5907407号公報
【特許文献10】米国特許第4820386号公報
【特許文献11】米国特許第7095501号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】C. Hsin et al., "Randomly Duty-Cycled Wireless Sensor Networks: Dynamics of Coverage," IEEE Trans. On Wireless Communications, Vol. 5, No. 11, 3182-3192 (Nov. 2006)
【非特許文献2】K. Wise, "Wireless Integrated Microsystems: Coming Revolution in Gathering of Information," NSTI Nanotech '06, Boston, MA, p.455-458 (May 2006)
【非特許文献3】F. Kocer et al., "A New Transponder Architecture with On-Chip ADC for Long-Range Telemetry Applications," Journal Solid-St Cir., Vol41 No. 5, p.1142-1148 (May 2006)
【非特許文献4】D. Sparks et al., "Multi-Sensor Modules with Data Bus Communication Capability," Proceedings of the Spring SAE Conf. No. 1999-01-1277, p.1 (1999)
【非特許文献5】M. Agah et al., "High Speed MEMS-based Gas Chromatography," IEEE Journal of MEMS, Vol. 15, p.1371-1378 (Oct. 2006)
【非特許文献6】H. Kim et al., "Integrated Peristaltic Eighteen-Stage Electrostatic Gas Micro Pump with Active Microvalves," Solid State Sensor, Actuator and Microsystem Workshop, Hilton Head Island, SC, p. 292-295 (June 2006)
【非特許文献7】C. Lui et al., "Chamber Evaluation of a Portable GC with Tunable Retention and Microsensor-Array Detection for Indoor Air Quality Monitoring," Journal of Environmental Monitoring, Vol. 8, p.270-278 (Feb. 2006)
【非特許文献8】C. Eun et al., "Controlling Ultra Wide Band Transmission from a Wireless Micromachined Geiger Counter," IEEE Int'l. Conference on MEMS, Istanbul, Turkey, p.570-573 (Jan. 2006)
【非特許文献9】D. Sparks et al., "Coriolis Mass Flow, Density and Temperature Sensing with a Single Vacuum Sealed MEMS Chip," Solid-State Sensors and Actuator,and Microsystem Workshop, Hilton Head, SC, p.75 (June 2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、非常にコンパクトな携帯型のセンサユニットと、該センサユニットに給電して制御を行うと共に、該センサユニットの出力を処理し、表示することも可能な、物理的に分離した電子ユニットとを使用し、ネットワークなどを介して、センサ出力を他の場所に送信できる、検知解析システム、方法およびネットワークを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検知解析システムは、携帯型センサユニットと、電子ユニットと、電子回路と該電子ユニットとの間で通信および電力の移動を可能とする、1以上のリンクと備える。前記センサユニットは、ハウジングと、該ハウジング内に設けられ、入力に応答するセンサ素子と、該ハウジング内に設けられ、該センサ素子と通信して、該センサ素子で生成された出力信号に基づいて電気出力を生成する電子回路とを備える。前記電子ユニットは、前記センサユニットとは物理的に分離しており、該センサユニットに対する命令を生成し、前記センサユニットからの電気出力を受け取り、該電気出力を処理し、さらに、該電気出力を離れた場所に送信することができる。前記リンクは、前記センサユニットに電力を供給し、該センサユニットに前記電子ユニットで生成された命令を送信し、該センサユニットからの電気出力を該電子ユニットに送信する。好ましくは、電子ユニットの通信機能により、センサユニットと共に、センサネットワークが構築される。
【0009】
本発明の検知解析方法は、携帯型センサユニットを用いて、該携帯型センサユニット内のセンサ素子で入力を検知し、センサ素子で出力信号を生成し、センサ素子により生成された出力信号に基づいて電気出力を生成するものである。次に、該電気出力は、物理的にセンサユニットから分離した電子ユニットに送信され、該電子ユニットは、前記センサユニットに電力を供給し、該センサユニットに送られる命令を生成し、該センサユニットからの電気出力を受信および処理し、さらに、電気出力を離れた場所に送信するように作動する。
【0010】
本発明の検知解析システムおよび方法は、種々の幅広い分野に応用することができる。たとえば、これらに限定されないが、空気中、水中、または他の流体中にある、汚染物質、放射線、爆発物、生化学的因子、病原体、化学的毒素を含む危険有害性物質などの環境条件について、検出、監視、増幅、並替え、フィルタ処理、解析、測定などの検知および解析を行う。また、体液における種々の生物学的ないしは生化学的な物質や因子の存在ないしはそのレベルを検出、測定、解析するといった、人体内の条件(疾患)の検知および解析を行うこともできる。本発明のキーとなる特徴は、電子ユニットが、センサユニットに対する命令を生成し、センサユニットの出力を処理し、センサユニットに対して電力を供給し、センサユニットの対するすべてのネットワーク通信を実行することにより、センサユニットのサイズ、コスト、複雑性が大幅に低減されることにある。さらに、本発明のこのような特徴により、このセンサユニットを複数のセンサユニットからなる大きなネットワーク中において使用することが可能となる。センサユニットは、電子ユニットに対して、様々な手段により接続可能に構成することができる。このような手段としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)およびミニUSBインターフェース(これら両方とも、USBインプリメンターズ・フォーラム(USB−IF)により指定されたもの)、RS−232およびRS−488ケーブル、およびワイヤレスデバイスなどが挙げられる。電子ユニットとしては、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション(WS)、コンピュータ、ラップトップ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、衛星電話、その他のデータ処理能力を備えてセンサユニットと通信できるよう装備された携帯電子機器が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好適な実施形態に係り、センサユニットがコンピュータのUSBポートに接続され、該コンピュータはネットワークの一部をなして、該コンピュータが該ネットワーク上のリモートデバイスと通信可能な状態となっている、検知解析システムの概略図である。
【図2】図1に示すシステム中で使用されるように構成されたセンサユニットの一実施形態の概略図である。
【図3】図1に示すシステム中で使用されるように構成されたセンサユニットの別の実施形態の概略図である。
【図4】図1〜図3のセンサユニットに使用されるセンサ素子の一形態の概略斜視図である。
【図5】図1〜図3のセンサユニットに使用されるセンサ素子の一形態の概略断面図である。
【図6】図1〜図5に示したセンサユニットの一つに材料を導入する技術について概略的に示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のその他の目的および効果は、以下の詳細な説明により明らかにされる。
【0013】
図1に検知解析システム10を示すが、検知解析システム10は、パーソナルコンピュータ14のポートに接続されたセンサユニット12を備えている。コンピュータ14は、データ処理可能な複数のリモートデバイス16と通信可能であり、そのうちの少なくともいくつかは、センサユニット12の構造と同一または類似のセンサユニットを備えることが可能である。また、コンピュータ14とリモートデバイス16とは、ワイヤレスまたはネットワークケーブルを介して互いに通信可能なネットワーク18を形成する。図では、一つのセンサユニット12がコンピュータ14に接続された状態を示しているが、複数のセンサユニット12がコンピュータ14の異なるポートに接続されていたり、ネットワーク18を介して接続されていてもよい。
【0014】
図1からわかるように、センサユニット12は、コンピュータ14に接続された小型の携帯型デバイスである。図1の好ましい実施形態では、センサユニット12とコンピュータ14との接続は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)通信ポートであるが、ミニUSBポート、RS−232シリアルケーブル、RS−488シリアルケーブル、IEEEコネクタ、およびワイヤレス接続(RF、IRおよび光通信など)も本発明の範囲内にある。また、コンピュータ14のUSBポートに直接接続されるように図示されているが、センサユニット12とコンピュータ14とを物理的に大きく分離させるためにケーブルを使用してもよい。ケーブルの使用により、センサユニット12の使用状態や向きについての自由度を高めることができ、コンピュータ14をセンサユニット12の使用環境および危険有害性物質から保護することができる。コンピュータ14として、パーソナルコンピュータ(PC)を示したが、コンピュータ14とは、計算、通信、および/またはデータ処理の能力を備える種々の電子デバイスを意味し、ワークステーション(WS)、ラップトップ、ノートブック、PDA、携帯電話、衛星電話なども含まれる。すなわち、図および以下の説明における「コンピュータ」の語は、これら電子デバイスを包括するものと理解されるべきものであり、リモートデバイス16についても同様である。本発明の好適な態様によれば、センサユニット12のユーザインタフェース・タスクの大部分、より好ましくはすべては、コンピュータ14を使用して、または介して実行される。たとえば、コンピュータ14は、センサユニット12の校正(キャリブレーション)、プログラム作成、および制御、センサユニット12で得られたデータの処理、操作、保存、および表示、並びに、その後のネットワーク18に対する生データおよび/または処理データの送信に使用することができる。USBコネクタの使用により、種々のバスプロトコルの適用が可能となり、コンピュータ14とセンサユニット12との間でデータおよび命令の共有ができるため、センサユニット12を、プリンタのように一周辺機器として操作することが可能となる。
【0015】
図2および図3に、センサユニット12の二つの実施形態を示す。ユニットハウジング22の内部にある特定要素を示すために、外カバー28の一部を破断して示してある。これら各実施形態において、ハウジング22は、MEMS(マイクロマシン)センサ素子56がMEMSチップ50上に設けられているものとして示されているが、後述するように他の種類のセンサ素子も本発明の範囲に含まれる。センサ素子56は、それぞれハウジング22の入口32から流入した流体(気体または液体)が、ハウジング22の出口34から吐出されるまでの間に流動する、管として示されている。より具体的に後述するように、各センサ素子56の近傍に、センサ素子56とそこを流れる流体温度を検知し調整するための熱素子54を設けることができる。各ハウジング22は、制御信号をMEMSチップ50に供給し、MEMSチップ50からの出力信号を受領する電子回路(概略的に図示される)を備えた、プリント基板(PCB)24をさらに備える。
【0016】
図2と図3に示した実施形態では、図2のセンサユニット12においては標準USBコネクタ20が装備され、図3のセンサユニット12にはミニUSBコネクタ120が装備されている点が主に異なっている。その他、図2のセンサユニット12では、センサ素子56を流れる流体を引き込むと共に、センサ素子56から流体を排出するための補助するポンプ30が、ハウジング22の出口34に隣接した位置に装備されている。一方、図3のセンサユニット12では、同じ目的のために、入口32に隣接してハウジング22の内部にポンプ30が設けられている。図3の実施形態では、流体がセンサ素子56を連続的に流れることができるように、インラインチューブ36をさらに備えている。図3のインラインチューブ36は、多くの異なるバイアルまたはアレイ・ウェルを連続的に同じセンサを使って検査する複数サンプル試験システムに対して好適である。
【0017】
図4および図5に、MEMSチップ50およびセンサ素子56の特定の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。センサ素子56のチューブ58は、センサユニットハウジング22の入口32から出口34を流れる流体が導かれる導管として機能する。本発明のこの実施形態によれば、センサ素子56およびそのチューブ58は、本件出願人に譲渡されたタジガダパらによる米国特許第6,477,901号に概略的に示されている、コリオリ質量流量センサ、密度センサ、または化学濃度センサの一部をなす。コリオリセンサの構造および操作についての記載は、本明細書中に参照として組み込まれる。タジガダパらの技術では、ウェハボンディングおよびシリコンエッチング技術を使用して、チューブ58がシリコン基材60の上方に架かる自立構造となるように微細加工している。自立チューブ58は、チューブ58の内部流路62を流体が流動する際に共鳴振動し、チューブ58がコリオリ効果によって捩れる。チューブ58の下方で基材60の表面上に位置するドライブ電極66により、振幅が調整できることが好ましく、センサユニット12内の回路24により、振動周波数と振幅が制御できるよう、センサ電極68がフィードバックを行う。タジガダパらの技術で説明されているように、振動時にチューブ58が捩れる(反る)度合いは、共鳴振動の第2次モードの振幅変化を基準として、チューブ58を流れる流体の質量流量に相関付けることができる。流体が充填された振動するチューブ58の固有周波数とゲインとは、チューブ58を流れる流体の密度、化学濃度、および/または粘度によって変化する。このため、チューブ58を流れる流体の密度、化学濃度、および/または粘度が変化する場合には、チューブ58の振動が共鳴周波数またはその近傍を維持するように制御する結果、振動周波数が変化する。図5に、キャップ70により封止され、チューブ58が減衰なく高いQ値で駆動できるように、封入物を排気可能であるセンサ素子56を概略的に示す。
【0018】
上記の共振センサ素子56の有利な点としては、従来のコリオリタイプの流量センサと比較して、寸法が非常に小さく、微量の流体を正確に測定できるという点がある。さらに、センサ素子56は、流量測定精度を±1%未満とすることができ、きわめて低い流量(たとえば、1ml/h未満)であっても測定することができる。その形状がチューブ状であるため、センサ素子56は、両方向の流れを検出することができ、センサユニット12の流れ方向が間違っていることを検出できる。
【0019】
図6は、図2のセンサユニット12に注射器72によって流体サンプルが充填され、流体は廃棄容器74に吐出される状態を示す図である。流体を流入させる他の流体源および態様には、スポイトのゴム球、ピペット、複数サンプル供給システムが含まれ、その他の流体抽出および制御装置を検知解析システム10に一体的に組み込んでもよい。コンピュータ14を液体化学物質から保護するために、センサユニット12に飛沫防護シールド(図示せず)を設けてもよい。また、図6には、センサユニット12とコンピュータ14との間を接続するUSBケーブル接続220が示されている。USBケーブル接続220の長さは、センサユニット12が晒される危険な化学物質や高温からコンピュータ14を離間させるのに十分な長さであれば、任意の長さを採用できる。
【0020】
本発明に使用されるセンサユニット12は、主として検知または検出のタスクを実行するものであり、選択的に、検知された出力の増幅、ソート、フィルタ処理、さらにその後の検知された出力のコンピュータ14への送信などの限られた解析処理も実行できる。USBコネクタ20または120が用いられる好適実施形態では、センサユニット12が必要とする電力はすべてコンピュータ14によって供給される(たとえば、ラップトップUSB用の5V、500mA)。代替的または追加的に、電力の全部または一部を、他の電源(図示せず)から供給してもよい。たとえば、これらに限定されないが、ハウジング22中のバッテリ、プラグイン電源、追加のUSBコネクタが挙げられる。USBコネクタ20および120は、双方向通信能力を備えていることが好ましい。これにより、センサユニット12からコンピュータ14に出力が転送されるだけではなく、コンピュータ14からセンサユニット12に命令も転送することができる。センサユニット12を操作するためのアルゴリズムは、センサユニット12のプリント基板24上のメモリ26に保存させることができる。または、センサユニット12の寸法、消費電力、およびコストを低減するため、コンピュータ14のメモリに保存することもでき、これらを組み合わせてもよい。
【0021】
本発明の好ましい態様においては、センサユニット12は、コンピュータ14(または前述の類似する電子ユニット)に接続されなければ操作不能である。次の理由から、コンピュータ14を必要とすることが好ましい。すなわち、センサユニット12に対する給電および制御のため、ユーザがコンピュータキーボード、インターネット、ワイヤレス装置を介してセンサユニット12に入力するため、センサユニット12で得られた出力の処理、操作および表示のため、出力を離れた場所(たとえば、リモートデバイス16)へワイヤレスまたは有線通信手段で転送するためである。センサユニット12のメモリ26に保存されたアルゴリズムは、コンピュータ14が表示、ユーザインターフェース処理、および、データ処理を行うことができるように、コンピュータ14にアップロード可能となっている。あるいは、コンピュータプログラムの全部または一部が、コンパクトディスク(CD)、メモリースティック、インターネットなどの他の手段により、コンピュータ14のメモリにロードされるようにしてもよい。その後、コンピュータプログラムがコンピュータ14上で実行され、センサユニット12およびそのセンサ素子56を制御し、また、ポンプ30および熱素子54を制御する。このように、センサユニット12には、大きなマイクロプロセッサは不要であるが、プリント基板24にマイクロプロセッサを設けることが望ましい状況もあることは予測可能である。コンピュータプログラムは、試験の継続時間、サンプリングおよび解析についてコンピュータ14により追跡可能となっていることが好ましく、センサ出力が所定範囲を超えた場合に、警報や警告がコンピュータ14により生成されるようにしてもよい。
【0022】
このように、本発明の検知解析システム10では、センサ機能を実行する装置には、ディスプレイ、キーパッド、または制御機能は不要である。好ましくは、これらのすべての機能と操作は、コンピュータ14によって実行される。センサユニット12からのデータは、コンピュータ14によって、マイクロソフトエクセル(登録商標)、Metlab(登録商標)などの周知のソフトウェアを使用して処理、保存、印刷される。グラフおよびリアルタイムのセンサデータは、コンピュータ14のスクリーンに表示される。ハイパーターミナル(登録商標)、Labview(登録商標)、Labview Kernel(登録商標)、ビジュアルベーシック(登録商標)を使用して、センサユニット12の出力をコンピュータスクリーンに表示し操作することができる。コンピュータのキーボードを使用して、センサユニット12の作動を開始、修正、終了させるための入力や一定期間の間において試験または監視される複数サンプルをより良好に追跡するためのサンプル識別符号の入力を行うようにしてもよい。コンピュータ14は、未処理および操作されたデータを、プリンタ、CD、ディスク、データスティック、その他の装置に転送可能である。センサ出力、密度、レベル、量、質、警報、警告などのすべてのデータは、コンピュータ14により取得および処理されるため、センサユニット12および検知解析システム10全体に関する情報を、より高速に交換することが可能となる。
【0023】
また、コンピュータ14は、ユーザによって現場でセンサユニット12を校正できる機能(自動校正、再校正、自動出力ゼロ化などと呼ばれる)を有することが好ましい。ユーザは、コンピュータ14を介して(たとえば、コンピュータキーパッドなどを使用して)、センサユニット12にアクセスすることができ、校正を開始することができる。校正には、たとえば、一つ以上の液体標準をセンサユニット12に挿入して行われる。校正係数はプリント基板24のメモリ26に保存され、さらにプリント基板24は校正操作を実行するための簡易な校正回路を有していてもよい。
【0024】
上述のように、本発明における携帯型のセンサユニット12は、より正確な、または再現性のある解析を行うため、解析中の流体温度を制御および維持できる機能を備えることができる。コンピュータ14の制御機能によって、ユーザはコンピュータ14を介して望ましい温度をプログラムできる。ペルチェ式またはジュール式の発熱ユニットなどからなる熱素子54に電力を供給するため、追加の電源(図示せず)を用いてもよい。あるいは、熱素子54に電力を与えるため、第2のUSBコネクタ(図示せず)を使用してもよい。温度制御機能によって、15℃〜35℃の範囲において、4〜5桁の密度測定精度を実現できる。センサユニット12のポンプ30は、加熱システムまたはプリント基板24上に一体的に組み込むことができ、また、同じ電源を使用することもできる。
【0025】
上述のように、本発明における検知解析システム10は、センサユニット12を操作すると共に、ネットワーク18にアクセスするための装置として、コンピュータ14の使用に限定されるものではない。本発明のセンサユニット12は、種々の電子ユニット、たとえば、携帯電話、衛星電話、無線通信、PDA、ラップトップやノートパソコンなどの携帯機器に接続することができる。この技術分野において、センサデータをコンピュータまたはPDAのデータストリームで送信することは周知であるが、携帯電話についても、テキストメッセージ、写真、電子メールと同様の手段により、データを送信することが可能である。本発明の携帯性により、センサユニット12によって解析を実行する場所の自由度を大きく向上させることができる。これら携帯デバイスおよびそれらに接続されたセンサユニット12は、電池、燃料電池、壁のコンセントからの交流電源、または車載電源から電力の供給を受けることが可能である。
【0026】
図2〜図4に示したセンサ素子56は、流体の流量、密度、比重、化学濃度などの特性および特徴の測定に適用されている、センサユニット12のセンサ素子56を、流体および非流体における他の様々なパラメータの測定に適用することも可能である。かかるパラメータには、次のものに限定されないが、たとえば、流体品質、流体年齢、流体種類、化学組成、溶解ガス、圧力、温度、湿度、粘度、動的粘度、屈折率、音速、運動粘度、流量、質量流量、pH、赤外線スペクトルおよび吸収、蛍光性、放射線、導電率、誘電率、運動、振動、加速、衝撃の一つ以上、あるいはこれらの任意の組み合わせが含まれる。また、広い範囲の流体および非流体への適用が可能である。次のものに限定されないが、たとえば、石油化学製品、燃料、燃料混合体、飲料、飲料濃縮物および混合物、尿、尿素、泌尿器学、血液学、血液、体液、薬学、生物学的および生化学的製剤、アルコール含有量および割合、血中アルコール濃度(BAC)、呼気中アルコール濃度(BrAC)、オクタン、不凍液、車両用液体、潤滑剤、塗料、接着剤、殺虫剤、水、香料、香水、メタノール濃度、エタノール濃度、バイオ燃料混合体、精製石油化学製品、発酵液体および薬剤、糖度(ブリックス)、糖度(プラート)、湿度、汚染物質、粒子、生物学的有害物質、爆発物、放射性物質、ウイルス、バクテリアおよび他の病原体、および、化学毒物の、検知、計測、および/または解析が挙げられる。上記の検知機能を実行することができるセンサには、種々のものが知られている。次のものに限定されないが、微流量計、MEMSセンサ、光学および赤外線センサおよび受信装置、静電容量センサ、抵抗センサ、ピエゾ抵抗センサ、圧電センサ、化学センサ、金属酸化物電極および金属電極センサ、共振回路、SAW(定在音波)センサ、ビームセンサ、パドルセンサ、タービンセンサ、圧力および差圧センサ、音響センサ、音速センサ、屈折率センサ、ガスクロマトグラフィ(GC)センサ、質量センサ、磁力センサ、電磁センサ、蛍光センサ、放射線センサ、減衰および吸収計測装置、分光装置、および、残留ガス解析装置などが挙げられる。センサユニット12の中に複数のセンサ素子を備え、または、センサユニット12に複数のセンサ素子を組み合わせて、すべてのセンサ素子が連続的に流れる同一の流体をサンプスリングするようにしてもよい。また、センサユニット12は、追加の電気的インターフェースポート(USBなど)を備え、センサユニット12に対して別のセンサユニット12を直接連結し、そのデータがセンサユニット12を中継してコンピュータ14に送信されるようにしてもよい。また、センサユニット12に対して追加の入口および出口を設けて、ハウジング22中の異なるセンサ素子56に対して、別個に流れる流体を平行に供給することも可能である。
【0027】
本発明のセンサユニット12に対して組み込み可能な、特に優れたセンサの種類は、ガスクロマトグラフおよびMEMSポンプなどのバイオケミカルセンサ、並びにバイオセンサであり、特許文献2〜4、非特許文献5〜7に開示されており、それらの内容は本明細書中に組み込まれる。非常に低濃度の毒性ガスおよび汚染物質などの化学物質を測定するために、微小またはMEMSガスクロマトグラフを用いることができる。ガスクロマトグラフは、センサユニット12を通じてガスを引き、異なるガス種を分離増幅するために、微小ポンプ(ポンプ30など)と組み合わせることができる。USBポートから供給された電力と、携帯型ラップトップまたは携帯電話の無線/有線通信機能を用いることで、これら微小化学センサの使用範囲を大きく拡大するネットワークを構築することができる。
【0028】
他の優れたセンサとしては、すでに開発されている、MEMSベースの放射線センサ、その他の小型ガイガーカウンタが挙げられる。たとえば、非特許文献8を参照されたい。その内容は本明細書中に組み込まれる。
【0029】
圧力、温度、湿度、および他の気象に関連する条件およびパラメータを測定可能な、特定のセンサの例としては、特許文献5〜7、非特許文献7および非特許文献9に開示された、数多くのMEMS圧力センサ、温度センサ、流速センサ、湿度センサが挙げられる。これらの内容は本明細書中に組み込まれる。
【0030】
化学濃度センサの優れた例としては、血中アルコール濃度(BAC)および呼気中アルコール濃度(BrAC)センサ、たとえば、米国文献8〜11に開示されたBACセンサおよびBrACセンサ、センサ素子、並びに方法が挙げられる。これらの内容は本明細書中に組み込まれる。BACおよびBrACを測定可能なセンサ素子を一つまたは複数備えたセンサユニット12は、たとえば、人の呼気や血液を直接センサユニット12に通すことで、人に直接適用することができる。あるいは、たとえば、車両の客室などの密閉空間内の個人の呼気を測定する受動センサとして機能させることもできる。後者の例では、コンピュータ14として、車両のオンボード・コンピュータを用いることができる。
【0031】
本発明の検知解析システム10は、分散型ネットワーク(たとえば、図1の符号18参照)において、上記パラメータおよび条件の連続的または定期的な監視に使用するのに好適である。たとえば、検知解析システム10は、ネットワーク18中において、各ポンプ30によりセンサユニット12中に導かれた空気中に含まれる空中汚染物質(化学物質、溶剤、二酸化炭素、煤塵など)を含む環境条件を、連続的または定期的に監視するために使用することができる。政府の人員、科学者、および公衆が、モバイルまたは固定コンピュータおよび通信デバイスを使用し、本発明のセンサユニット12によって大気環境を監視することができる。ポンプ30、注射器72、ピペット、または機能的に同様の装置を使用して、水源を連続的または定期的に同様の方法で検査することができる。特定の場所では、複数のセンサユニット12を用い、一つまたは複数のデータ処理装置、たとえば、ラップトップとともに使用して、空気、水、食品、飲料、および/または土のサンプルを長期にわたって試験することができる。複数のセンサユニット12を用い、同様の方法により、気象データ、たとえば、温度、湿度、気圧、風速、光量などを収集することができる。
【0032】
携帯電話、無線通信、コンピュータ、ラップトップ、PDA、および他の携帯型軍事および民生電子ユニットに接続された拡張された検出システムを提供するネットワーク18を使用し、基本的にどのような大きさの地理的範囲に対しても、任意数のセンサユニット12を配置することで、生物化学兵器薬剤、放射性物質、爆発物、病原体などを試験および監視することができる。この機能により、携帯電話やインターネット網が既に存在している都市部においては、第1応答者(現場)、警察、防衛ないしは国防組織の人員などによって、密に配置されたセンサユニット12のネットワーク18を使用して、多岐にわたる潜在的な危険因子を追跡することができる。
【0033】
同様に、本発明の検知解析システム10およびネットワーク18の生物学的な応用には、人間、動物、および植物の、生物学的および生理的条件およびパラメータに関する試験および監視が含まれる。これらには、血液中のグルコース、尿中の血液およびグルコース、血液、尿または呼気中のアルコール、白血球および赤血球数、サイトメトリ、DNAおよびRNA解析、並びに、空気中または水中の病原体および生物化学薬剤などの検出が含まれる。本発明によれば、コンピュータ14、その他のラップトップ、PDA、携帯電話など携帯型コンピュータデバイスにより持ち運んで設置できる場所であれば、いずれの場所においてもこれらの試験を行うことができる。これらの試験結果は、ネットワーク18上の医師や医療従事者に送信可能である。さらに、センサユニット12のネットワーク18が密に配置されていることで、医療施設から採取された大気中における、空気感染および血液感染する病原体および抗原の追跡が可能となる。センサユニット12のネットワーク18は、医療機関において、血液、尿、細胞液中の病原体の存在を監視するために適用することもできる。これは、長い期間と地域にわたることで、パンデミックや病気の突発を追跡するために使用可能である。また、医療機関は、空気媒介試験または試験片試験により、院内感染の原因となる病原体の広がりを採取および追跡することが可能となる。
【0034】
上述のように、呼気中アルコール濃度(BrAC)センサユニット12は、個人(運転手または乗客)から直接サンプルを採取したり、客室から空気を引き、車両のオンボード・コンピュータで操作することができるように、旅客車両に設置することが可能である。車両の通信機能(無線通信、衛星電話、携帯電話など)および携帯電話を用いることで、検知解析システム10に対してネットワーク18を構築することができる。これによりセンサユニット12により取得されたデータは、リモートデバイス16に対して送信することができる。このようなネットワーク18には、捜査当局のネットワークが含まれ、検知解析システム10を飲酒運転を抑制したり防止するために使用することもできる。
【0035】
本発明の検知解析システム10は、日常的な産業用途において使用することも可能である。たとえば、セールス人員や現場のサービスエンジニアが検知解析システム10およびネットワーク18を使用して、自分たちの会社が顧客に納品した装置や化学薬品からデータを取得したり、化学者および品質管理人員が、工場や精製所内でデータを連続的に取得することができる。
【0036】
上記の各用途において、センサユニット12の出力に閾値を設けることも可能である。この閾値を超えた場合に、リモートデバイス16に対して、地上通信線、電子メール、無線、または有線でメッセージや信号が送られる。このようなイベント型の警告システムは、連続的な監視システムと比較して、多くの有利な点を有する。たとえば、ユーザは本発明の検知解析システム10を連続的に監視する必要がなく、測定されたパラメータが所定の安全範囲を超えた場合に情報を受け取ることができる。
【0037】
センサユニット12は、データ処理装置(14または16)に接続されており、それらデータ処理装置は多くの場合、無線(ワイヤレスネットワーク、携帯電話用信号塔、衛星、ローカルワイヤレスラップトップアンテナ、無線通信など)または地上通信線(電話線、ケーブル線、ネットワークサービス等)を介する通信機能を既に備えているため、本発明は、広範囲にわたって配置されたセンサユニット12のネットワーク18として好適に実行される。ネットワーク18中の各センサユニット12は、異なる場所で同様に機能してもよいし、異なる種類のセンサ能力を持つ複数のセンサユニット12を、同じ場所または異なる場所に配置してネットワーク18を構成してもよい。センサユニット12からのデータは、データ処理をリアルタム、または、経時的に処理するため、1カ所に集中して送信しても、複数箇所(たとえば、複数のコンピュータ)に送信してもよい。センサユニット12により測定される地域は、時間とともに変化し得る。センサユニット12とともに使用可能なデータ処理装置(携帯電話、PDA、ラップトップ、衛星電話、無線通信など)の多くは携帯型であるため、一つのセンサユニット12によって測定できる領域を、時間とともに変更することが可能である。各センサユニット12によって一定領域がカバーされ、配置された(複数ユーザ)一つのネットワーク18中に複数のセンサユニット12が備えられるため、より広範囲の地域を測定できる。、携帯電話用信号塔、地上通信線、電話回線、ケーブル線、衛星、ローカルワイヤレスラップトップアンテナ、サーバ、無線通信などによって接続された、携帯電話、PDA、無線通信、およびラップトップなどの携帯型電子ユニットは、いずれの場所でも既に普及しており、本発明の検知解析システム10を含むネットワーク18は、ビルの中、スタジアムの中、市街地など局所的に、あるいは、広範囲に、全国的や世界的に使用できる。さらに将来的には、スマート音楽装置(iPodなど)、カメラ、テレビ、ラジオなどの電子ユニットもネットワーク18を構成し得る。いずれの場合においても、本発明の検知解析システム10およびネットワーク18により取得されたデータは、統計データを補強して関係分野の現象をよりよく理解するため、他のデータ源、たとえば通常の研究施設に対して提供可能である。
【0038】
センサユニット12から電源と通信装置とを分離したことにより、上述のネットワーク18の構築を大きく促進することができる。電源と通信機能は、センサユニット12が接続されるデータ処理装置(コンピュータ14または上記の他の装置)により提供されるため、センサユニット12の寸法と複雑さは、既存の検知解析システムと比較し、大きく低減される。さらに既存の通信装置を活用することで、センサネットワークを、より広範囲かつ安価に構築することができる。
【0039】
以上、本発明について特定の実施形態に基づいて説明したが、当業者には、その他の態様にも本発明を適用できることは明らかである。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ、画定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、該ハウジング内にあって、入力に応答するセンサ素子と、および、該ハウジング内にあって、該センサ素子と通信を行うと共に、該センサ素子により生成された出力信号に基づいて電気出力を生成する電子回路とを含む携帯型センサユニットと、
前記センサユニットと物理的に分離し、該センサユニットに対する命令を生成し、該センサユニットからの前記電気出力を受け取り、該電気出力を処理し、さらに該電気出力をリモート位置に送信することが可能である電子ユニットと、
前記電子回路と前記電子ユニットとの間を通信状態とし、該電子ユニットにより生成された前記命令を前記センサユニットに伝達し、該センサユニットからの前記電気出力を該電子ユニットに伝達する通信提供手段と、
前記電子ユニットから前記センサユニットに電力を供給する手段と、
を備える、検知解析システム。
【請求項2】
前記通信提供手段は、前記電子回路の前記電気出力が前記電子ユニットに伝達され、該電子ユニットから前記センサユニットに命令が伝達される、ケーブルからなる、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項3】
前記通信提供手段は、前記電子回路の前記電気出力を前記電子ユニットに伝達し、該電子ユニットから前記センサユニットに命令を伝達することが可能なシリアルインターフェースデバイスからなる、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項4】
前記通信提供手段および前記電力提供手段は、前記電子回路の前記電気出力を前記電子ユニットに伝達し、該電子ユニットから前記センサユニットに命令を伝達することが可能であると共に、該電子ユニットから該センサユニットに電力を供給することが可能である、少なくとも一つのユニバーサルシリアルバスコネクタからなる、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項5】
前記ユニバーサルシリアルバスコネクタは、さらにケーブルを備える、請求項4に記載の検知解析システム。
【請求項6】
前記通信提供手段は、前記電子回路の前記電気出力をワイヤレスで前記電子ユニットに伝達する手段と、該電子ユニットからの前記命令をワイヤレスで前記センサユニットに命令を伝達する手段とを有する、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項7】
前記電子ユニットは、前記センサユニットに備えられた前記通信提供手段と物理的に接続され、受信可能に構成された通信ポートを備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項8】
前記電子ユニットは、前記センサユニットの電気出力を操作する手段を備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項9】
前記電子ユニットは、前記操作されたセンサユニットの電気出力を表示する手段を備える、請求項8に記載の検知解析システム。
【請求項10】
前記電子ユニットは、前記センサユニットに対する前記命令を生成するためのユーザインターフェース手段を備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項11】
前記電子ユニットは、前記センサユニットを校正する手段を備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項12】
前記電子ユニットは、前記センサユニットを制御するアルゴリズムを保存するメモリ手段を備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項13】
前記センサユニットは、該センサユニットを制御するアルゴリズムを保存するメモリ手段を備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項14】
前記センサユニットは、前記メモリ手段から前記電子ユニットへ前記アルゴリズムをアップロードする手段を備える、請求項13に記載の検知解析システム。
【請求項15】
前記電子ユニットおよび前記センサユニットは、それぞれ、前記センサユニットを制御するアルゴリズムを保存するメモリ手段を備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項16】
前記センサユニットは、前記ハウジング内に電源を有しない、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項17】
前記センサユニットは、前記ハウジング内に、前記センサ素子と前記電子回路とに給電するバッテリを備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項18】
前記電子ユニットは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータ、ラップトップ、PDA、無線通信、携帯電話、および、衛星電話の中から選択され、該電子ユニットは、ネットワークコミュニケーションを可能とするネットワーク内に設けられる、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項19】
前記センサユニットは、前記電子ユニットを介する以外のネットワークコミュニケーション手段を有しない、請求項18に記載の検知解析システム。
【請求項20】
前記ネットワークは、請求項1に記載のセンサユニットを複数有し、かつ、請求項1に記載の電子ユニットを複数有し、前記複数のセンサユニットは、それぞれ、前記複数の電子ユニットの中の少なくとも一つと通信することで、前記複数の電子ユニットにより生成された命令が前記複数のセンサユニットに伝達され、前記複数のセンサユニットからの前記電気出力が複数の電子ユニットに伝達され、さらに、該ネットワークは複数の電子ユニット間での通信が可能である、請求項18に記載の検知解析システム。
【請求項21】
前記ネットワークは、複数の前記電子ユニットを接続して該ネットワーク内で互いに通信するための接続手段を有し、該接続手段は、携帯電話用通信塔、地上通信線、電話回線、ケーブル線、衛星、ローカルワイヤレスラップトップアンテナ、ネットワークサーバ、および無線通信の中から選択される、請求項20に記載の検知解析システム。
【請求項22】
前記センサユニットは、材料を受け入れて前記センサ素子に送る入口と、前記センサ素子から該材料を受け取ると共に、前記ハウジングから該材料を吐出する出口と、を有し、
前記センサ素子が応答する前記入力は、前記材料の特性であり、該センサ素子により生成される前記出力信号は、前記材料の前記特性に対応する、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項23】
前記材料は、空気、水、化学物質、飲料、体液、血液、呼気、尿、および唾液の中から選択される流体であり、前記センサ素子が応答する前記特性は、生物学的有害物質、爆発物、環境汚染物質、放射性物質、化学毒物、生物学的指標、薬学的条件、DNA、RNA、体液、化学薬品、細胞、胞子、抗原、病原体、およびアルコールの中から選択された少なくとも一つであり、前記センサユニットは、該特性の検出、監視、増幅、並べ替え、フィルタ処理、解析、および測定のうち、少なくとも一つを実行することが可能である、請求項22に記載の検知解析システム。
【請求項24】
前記センサユニットは、前記センサ素子を通して前記材料を引き込むためのポンプ手段をさらに備える、請求項22に記載の検知解析システム。
【請求項25】
前記ポンプ手段は、前記センサユニット上に一体的に組み込まれており、前記電子ユニットにより給電される、請求項24に記載の検知解析システム。
【請求項26】
前記センサユニットは、ガスクロマトグラフセンサである、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項27】
前記センサユニットは、ガイガーカウンタである、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項28】
前記センサユニットは、血中または呼気中アルコール濃度センサである、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項29】
前記センサ素子が応答する前記入力は、磁場、運動性、加速性、衝撃性、振動性、温度、圧力、質量、重力、赤外線検出、電磁場、放射線、誘電係数、屈折率、導電性、抵抗、温度特性、および光学特性の中から選択される、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項30】
前記センサユニットは、前記センサ素子の温度を変更するための温度変更手段をさらに備える、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項31】
前記電子ユニットは、前記センサ素子の前記温度変更手段を制御する手段を備える、請求項30に記載の検知解析システム。
【請求項32】
前記電子ユニットは、前記センサユニットに給電する手段、前記センサユニットの前記電気出力を操作する手段、前記センサユニットの前記電気出力を表示する手段、前記センサユニットの前記電気出力を制御する手段、および、前記センサユニットを制御するアルゴリズムを保存するメモリ手段を有し、前記センサユニットは、上記各手段を有さない、請求項1に記載の検知解析システム。
【請求項33】
携帯型のセンサユニットを用いて、該センサユニット中のセンサ素子により入力を検知し、該センサ素子によって出力信号を生成し、該センサ素子により生成された出力信号に基づいて電気出力を生成し、
該電気出力を、前記センサユニットとは物理的に分離した電子ユニットに送信し、
前記電子ユニットを操作して前記センサユニットに電力を供給し、該センサユニットへ命令を送り、該センサユニットからの前記電気出力を受け取って処理し、さらに、前記電気出力および/または処理された前記電気出力を離間した場所へ伝達する、
検知解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−515147(P2010−515147A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543998(P2009−543998)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/009398
【国際公開番号】WO2008/079158
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(507255754)インテグレイテッド センシング システムズ,インク. (4)
【Fターム(参考)】