説明

検索装置、検索方法、及び、プログラム

【課題】曖昧な記憶に基づく音声入力による検索によっても、効果的に検索対象を抽出することが可能な検索装置を提供する。
【解決手段】履歴記憶手段は、検索により得られた施設情報及び検索日を記憶部に履歴として記憶する。関連記憶手段は、複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、施設情報及び属性を関連づけて記憶部に記憶する。日に係る検索用語は月日の経過により変化することから変更手段は、記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、記憶部に記憶した日検索用語を変更する。音声による検索のため、受け付け手段は音声入力された日検索用語、及び、施設情報または属性を受け付ける。そして、抽出手段は記憶部に記憶した変更手段による変更後の日検索用語、施設情報及び属性を参照し、受け付けた日検索用語、及び、施設情報または属性に対応する検索対象を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の検索を行う検索装置、検索方法、及び検索装置を機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、数多くの情報の中から携帯電話機、カーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータまたはWebサーバコンピュータを用いた情報検索処理技術が普及している。検索の際には検索用語をキーボード等から入力、または、音声により検索用語を入力する。音声により検索用語を入力した場合、音声認識処理が行われる。音声認識処理技術は年々その精度が向上しているものの、認識率が低く依然として使い勝手が悪いという問題がある。特許文献1に記載の車載音声認識装置は、この問題を解消するために、車両の走行履歴をドライバ毎に記憶し、記憶した走行履歴に基づいて、各ドライバに応じた音声認識辞書を作成する技術を開示している。
【特許文献1】特開2006−349427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、過去の検索により得られた検索対象について、後日もう一度、当該検索対象の取得をユーザが希望する場合がある。しかしながら、時間の経過によりユーザの検索対象及び検索用語等に対する記憶が薄れることから、このような過去の検索対象について、音声認識を用いた有効な検索が実現できないという問題があった。なお、特許文献1にはこれに対応する解決手段が全く記載されていない。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、日検索用語及び検索対象または属性の組み合わせに基づく音声認識用の言語モデル(音声認識プログラムで受理可能な全文章の情報に相当する正規文法またはNグラム等)を作成することにより、曖昧な記憶に基づく音声入力による検索によっても、効果的に検索対象を抽出することが可能な検索装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に開示する装置は、情報の検索を行う検索装置において、検索により得られた検索対象及び検索日を記憶部に記憶する履歴記憶手段と、複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記記憶部に記憶する関連記憶手段と、前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更手段と、音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を受け付ける受け付け手段と、前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を抽出する抽出手段とを備える。
【0006】
本願に開示する装置によれば、履歴記憶手段は、検索により得られた検索対象及び検索日を記憶部に履歴として記憶する。関連記憶手段は、複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、検索対象及び当該検索対象の属性を関連づけて記憶部に記憶する。日に係る検索用語は月日の経過により変化することから変更手段は、記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、記憶部に記憶した日検索用語を変更する。音声による検索のため、受け付け手段は音声入力された日検索用語、及び、検索対象または属性を受け付ける。そして、抽出手段は記憶部に記憶した、変更手段による変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を抽出する。
【発明の効果】
【0007】
当該装置の一観点によれば、月日の経過に応じて変化する日検索用語と、検索対象またはその属性との組み合わせに基づく検索用の文法が生成される。従って月日の経過に従い記憶が薄れ、曖昧な日及び検索対象または属性を音声入力して検索を行った場合でも、日により変動する生成された文法との比較により、効果的に希望する検索対象を抽出することが可能となる等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は情報検索システムの概要を示す説明図である。本実施形態においては、検索対象として、携帯電話機またはカーナビゲーション装置等による検索により結果を得ることができる駅、観光地、球技場、レストラン、住宅、ホテルまたは百貨店等の施設情報を一例として説明する。
【0009】
検索装置1、1、1・・・は、例えば車両、船舶またはオートバイ等の移動体に搭載されるナビゲーション装置、車両等から取り外すことが可能な携帯型のナビゲーション装置、または携帯端末機等が用いられる。携帯端末機としてはノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン及び音楽再生機等が用いられる。検索装置1が携帯電話機等の場合、インターネット及び電話回線網等を含む通信網Nを介して接続されるサーバコンピュータ2との連携処理により、経路探索等を実行するようにしても良い。
【0010】
すなわち、経路探索に必要とされる地図データベース(以下、DB)及び道路DBは容量が大きいため、サーバコンピュータ2に格納しておき、携帯電話機は現在地及び目的地の情報をサーバコンピュータ2へ送信する。サーバコンピュータ2は経路探索を行い地図情報及び道路情報と共に結果を携帯電話機へ送信する。それ以外の各処理は携帯電話機にて実行する。なお、携帯電話機の記憶容量が大きい場合は、地図DB及び道路DBを格納しておき、カーナビゲーション装置と同じく、全ての処理を実行するようにしても良い。本実施の形態においては、検索装置1として、車両に搭載されるカーナビゲーション装置を用いる例を挙げて説明する。以下では検索装置1をカーナビゲーション装置1と読み替えて説明する。
【0011】
続いて本実施形態の概要を説明する。カーナビゲーション装置1は、目的地または経由地等として検索された施設情報及び検索日を履歴として記憶している。カーナビゲーション装置1は、検索日に基づき、「今月」または「先週」等の日に関する文言、施設情報及び当該施設情報の属性(ジャンル)を含む受理可能な文章相当の文法・言語モデル(以下、単に文法という)を作成する。さらに、日が経過する度に、日に関する文言を変更する処理を行う。例えばユーザが、2008年7月7日月曜日にうどん屋「A店」を検索し、ここでうどんを食べたものとする。この場合「A店」に関する文法「今日行ったうどん屋」は、1日経過により、「昨日行ったうどん屋」となる。また、同月内において数週間経過した場合、「A店」に関する文法は「今月行ったうどん屋」となる。
【0012】
カーナビゲーション装置1はマイク110から入力された音声に基づき、音声認識処理を行う。ユーザは、検索の際、「今月」または「先週」等の日に関する文言及び「行った」または「寄った」等の動詞を含む日検索用語を音声入力する。これにあわせて、ユーザは「A店」等の施設名である施設情報、または、「うどん屋」等の施設情報に係る属性(ジャンル)を音声入力する。そして、同年7月25日金曜日、ユーザが再び、同じうどん屋で飲食を希望したと想定する。この場合、ユーザはうろ覚えながら「今月行ったうどん屋」をマイク110から入力する。
【0013】
この入力された「今月行ったうどん屋」は、日に関する文言「今月」及びジャンル「うどん屋」を含む。カーナビゲーション装置1は、変更処理により日に関する文言が随時変更される文法と、入力された音声とを比較し、7月7日に行った「A店」を抽出する。そしてカーナビゲーション装置1は結果を表示部14へ出力する。このように日及び場所をベースとし、当該日を変更処理することで、日に関する情報を利用しない場合と比較して、音声認識に基づく抽出処理の精度を向上させることが可能となる。以下に詳細を説明する。
【0014】
図2はカーナビゲーション装置1のハードウェア群を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、入力部13、表示部14、記憶部15、通信部16、及び、時計部18を含む。その他、カーナビゲーション装置1はスピーカ19、マイク110、GPS(Global Positioning System)受信機111及び自立航法用センサ112等を含む。CPU11は、バス17を介してハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部15に格納された制御プログラム15Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0015】
表示部14は例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であり、地図、道路、施設等の各種情報を表示する。入力部13はプッシュボタン等である。なお、タッチパネルの如く表示部14上に入力部13を積層しても良い。以下では、タッチパネルを用いた例を説明する。スピーカ19は施設情報を案内する際に出力される音声データに係る音声信号を増幅して出力する。マイク110は外部から入力された音声信号を電気信号へ変換する。変換後の電気信号は図示しないA/D変換器によりデジタルデータへ変換されてCPU11へ出力される。通信部16はCAN(Controller Area Network)バス30に接続されるCANコントローラであり、車両に搭載される他の装置との間でCANプロトコルに従い情報の送受信を行う。なお、CAN以外のプロトコルを採用しても良いことはもちろんである。
【0016】
エンジン始動部31はユーザのイグニッションスイッチのオン操作等に伴い、エンジン始動信号をCANバス30に出力する。通信部16はこのエンジン始動信号を受信しCPU11へ出力する。時計部18は日時情報をCPU11へ出力する。なお、本実施の形態においては、時計部18は日付に加えて時、分及び秒の情報をも出力するが、説明を容易にするために日を中心とした例を説明する。GPS受信機111は、人工衛星(GPS衛星)からの電波を受信し車両の現在位置と現在方位を測定する。測定された位置情報は、車両の緯度、経度、及び標高についてのデータを含む。自立航法用センサ112は、車両の移動距離を検出する車速センサや車両の回転角度を検出する角度センサを含む。GPS受信機111および自立航法用センサ112の出力信号は、CPU11に供給され、CPU11はこれらの出力信号に基づき車両の現在位置および方位を算出する。
【0017】
記憶部15は例えばハードディスクまたは大容量メモリ等であり制御プログラム15P、地図DB151、道路DB152、音声認識プログラム153、施設DB154、履歴ファイル155、及び、日検索用語ファイル156が記憶されている。このほか記憶部15には、辞書DB157、カレンダーファイル158及び経路探索プログラム159等が記憶されている。CPU11は各DB等のフィールドのキーを関連付けたスキーマにおいてSQL(Structured Query Language)等を用いて対話することにより、必要な情報の記憶、検索等の処理を実行する。
【0018】
音声認識プログラム153はマイク110から入力された音声データを認識し、認識結果を出力する。具体的には、CPU11は、音声データから特徴量を抽出し、次いで、所定の音響モデル(例えば、音素の音響的特徴を表す隠れマルコフモデル)及び言語モデル(N単語の並びの偏りを表すNグラム確率モデルまたは正規文法等)を用いたマッチング処理を行う。即ち、CPU11は、音響モデル及び言語モデルを用いて、音声データから抽出した特徴ベクトル列と、辞書DB157に記憶された単語及び文法等との音響的な照合を順次行う。このマッチング処理により認識候補が決定された場合、認識候補が認識結果として、出力される。辞書DB157には音声認識処理において用いる単語の他、本実施の形態の処理において生成される文法が記憶される。なお、この生成される文法は辞書DB157とは別に記憶するようにしても良い。
【0019】
地図DB151には地図上に施設及び道路等を描画するための描画データが記憶されている。また道路DB152には、道路情報として道路を示すリンク及びリンクを接続する交差点等のノードに関する情報が記憶されている。具体的にはリンク、ノード、これらを特定するためのID、属性としての位置情報、道幅、距離、道路種別、及び、走行レーン情報等が記憶されている。施設DB154は、レストラン、病院、百貨店、パーキングエリア、観光地、駅、公園及び個人宅等の各施設に関する施設情報を記憶している。
【0020】
図3は施設DB154のレコードレイアウトを示す説明図である。施設DB154は施設IDフィールド、施設名フィールド、位置情報フィールド及び属性フィールド等を含む。施設IDフィールドには施設を特定するための固有の識別情報である施設IDが記憶されている。施設名フィールドには施設IDに対応づけて施設情報である施設の名称が記憶されている。位置情報フィールドには施設の緯度及び経度等を含む位置情報が記憶されている。属性フィールドには施設の属性の一つとして、施設のジャンルを記憶している。例えば、「A店」は「うどん屋」のジャンルに属し、「うどん屋」はさらにその上位ジャンルである「うどん・そば」に属する。
【0021】
「うどん・そば」ジャンルは、上位の「麺類」のジャンルに属し、「麺類」は上位の「和食」のジャンルに属し、「和食」はさらに上位の「レストラン」のジャンルに属する。施設DB154には施設名、施設IDといった基本的な施設情報の他、施設の住所、電話番号、営業案内及び評価等施設に関する情報を記憶している。なお、本実施の形態で示すデータレイアウト及びその具体例はあくまで一例でありこれに限るものではない。上述したデータ間の関係が維持されていれば良く、設計に応じて自由なデータの持たせ方をすれば良い。
【0022】
経路探索プログラム159は現在地から目的地までの経路探索を行うプログラムである。CPU11は、経路探索プログラム159に従い、地図DB151、道路DB152及び施設DB154を参照し、ダイクストラ法等を用いて目的地までの経路を複数探索する。CPU11は、経路探索の際、道路の属性、接続状態、所要時間、所要距離、及び、リンク等を考慮して各経路のコスト算出を行う。そしてCPU11は、コストの最も小さい経路を推奨する経路として決定する。CPU11は推奨経路を走行する際に必要とされる地図情報を地図DB151から読み出し、表示部14へ表示する。
【0023】
経路探索を行う場合、目的地である施設情報の検索を行う。施設情報は、電話番号の入力、住所の入力、施設名の文字入力、表示部14に表示された地図上の施設を入力部13から入力、またはレストラン及びうどん屋等のジャンルの入力に基づく検索条件に基づき検索される。CPU11は入力部13から入力される検索条件を受け付け、施設DB154、地図DB151、及び道路DB152を参照し、検索結果としての施設情報を表示部14へ出力する。CPU11は検索により得られた施設情報(検索対象)及び検索日を履歴ファイル155に記憶する。
【0024】
図4は履歴ファイル155のレコードレイアウトを示す説明図である。履歴ファイル155は、検索日フィールド、施設IDフィールド及び施設名フィールドを含む。CPU11は、検索により得られた施設情報である施設IDを施設IDフィールドに記憶し、またこれに対応する施設名を施設名フィールドに記憶する。またCPU11は検索した日を時計部18から出力される日を参照して検索日フィールドに記憶する。図4では、ユーザがうどん屋であるA店(施設ID「001」)を、2008年7月7日に検索したことを例として記載している。CPU11は検索結果が得られる度に、施設情報及び検索日を履歴ファイル155に逐次記憶していく。
【0025】
図5は日検索用語ファイル156のレコードレイアウトを示す説明図である。日検索用語ファイル156は日に関する文言を含む日検索用語を複数種類記憶している。日に関する文言は、例えば今日、昨日、一昨日、今週、先週、2週間前、今月、先月、今年、去年、及び、2年前等の如く、現在及び過去において検索した日を特定するための名詞が用いられる。本実施形態においては、説明を容易にするために日に関する文言として、今日、昨日、今週、先週及び今月を用いた例を説明する。日検索用語は日に関する文言を含み、施設情報を検索する際に用いられる用語である。
【0026】
日検索用語は上述した日に関する文言と、動詞または助詞等とを含む用語である。例えば動詞の過去形である「行った」、「寄った」、「食べた」、「調べた」及び「検索した」等である。また助詞は名詞の後に接続される「の」等が例としてあげられる。本実施の形態においては一例として動詞の過去形「行った」及び「寄った」、並びに、助詞「の」を用いる例を説明する。日検索用語ファイル156はユニットIDフィールド、日に関する文言フィールド及び日検索用語フィールドを含む。ユニットIDフィールドには、日に関する文言及びこれに対応する複数の日検索用語を特定するためのIDが記憶されている。
【0027】
日に関する文言フィールドには、「今日」及び「昨日」等の現在及び過去の日に関する文言が記憶されている。日検索用語は候補となる複数の日検索用語を音声データとして記憶している。例えばID「101」の日に関する文言「今日」に対応づけて、「きょういった」、「きょうよった」及び「ほんじつの」等が記憶されている。
【0028】
図6はカレンダーファイル158の概要を説明するための説明図である。カレンダーファイル158はCPU11が、履歴ファイル155から読み出した検索日と、時計部18から出力される日情報とに基づき、検索日からの経過情報を出力する際に利用するカレンダー及び規則が記憶されている。経過情報は検索日及び時計部18から出力される日に基づき定まる検索日からの経過日に関する情報である。具体的には、経過情報は検索日、検索日からの経過日及びカレンダーに基づき、規則的に求められる複数の日に関する文言である。この経過情報は、上述した日に関する文言に対応し、例えば、今日、昨日、一昨日、今週、先週、2週間前、今月、先月、今年、去年及び2年前等が該当する。
【0029】
カレンダーファイル158内にはカレンダー1581及び規則ファイル1582が記憶されている。図6には、2008年7月のカレンダー1581の一部を示し、また規則ファイル1582として第2週月曜日の例を示した。検索日が2008年7月7日月曜日とする。CPU11は、検索日当日の場合、経過日が0の同日、同週、同月であるので、今日の他、今週、及び今月を経過情報として出力する。また、7月8日水曜日の場合、経過日は1日の同週、同月であるので、昨日、今週及び今月を経過情報として出力する。9日から12日までは、経過日が2日から5日、また、同週及び同月であるので今週及び今月が規則ファイル1582から出力される。
【0030】
13日から19日の場合、既に次週へ移行しているので、経過情報は先週及び今月となる。また20日から月末の31日は同月であるため、経過情報は今月となる。また8月1日以降は、月の末をまたぐため経過情報は先月となる。カレンダーファイル158には、検索日が、土曜日、または、月末等の場合にも備えて、日ごとに検索日からの経過日に応じて経過情報の規則を記憶した規則ファイル1582が設けられている。
【0031】
続いて文法作成処理のアルゴリズムを説明する。図7は1日後に生成される文法を示す説明図である。7月7日にうどん屋である「A店」を検索し、食事したとする。7月8日には、食事した日は昨日、今週、または、今月となる。CPU11は上述したカレンダーファイル158を参照し、昨日、今週及び今月の経過情報を出力する。CPU11はこの出力した経過情報に対応する日検索用語を日ユニット100として、日検索用語ファイル156から抽出する。以下では、「今日」等の経過情報に対応して記憶された複数の日検索用語の集合を適宜日ユニット100という。図7の例では、ユニットID102「昨日」、ユニットID103「今週」及びユニットID105「今月」に係る複数の日検索用語が含まれた日ユニット100、100、100が読み出される。
【0032】
CPU11は、施設情報としての施設名「A店」並びに「うどん屋」及び「レストラン」等のジャンルを含む施設ユニット200を、施設DB154から出力する。以下では、施設情報及び複数のジャンルの集合を適宜施設ユニット200という。音声認識の際には、開始状態から終了状態までの経路が確立した場合に、文法に対する音声認識が成功したと判断し、対応する施設情報「A店」が抽出される。図7の例では、開始状態から終了状態までの間の全ての矢印で示す経路が接続されている。従って、CPU11は「きのういった」「れすとらん」を音声認識した場合、7月7日に行った「A店」を抽出することができる。
【0033】
また、CPU11は「こんげついった」「うどんや」と音声認識した場合、同様に7月7日に行った「A店」を抽出することができる。CPU11は時計部18から出力される日が変わった場合、以下に述べる変更処理を行う。図8は2日後に生成される文法を示す説明図である。CPU11は、7月9日に対応する経過情報を、カレンダーファイル158を参照して出力する。ここで出力される経過情報は「今週」及び「今月」であり、「昨日」は含まれない。図8に示す如く、ユニットID102に係る日ユニット100と施設ユニット200との間の連結線は非接続となる。従って、CPU11は「きのういった」「えーてん」を音声認識した場合でも、7月7日に行った「A店」を抽出することができない。一方、CPU11は「こんげつの」「めんるい」、または、「こんしゅういった」「うどんそば」と音声認識した場合、同様に7月7日に行った「A店」を抽出することができる。
【0034】
図9は辞書DB157のレコードレイアウトを示す説明図である。辞書DB157は以下に示す日ユニット100及び施設ユニット200に関する情報を記憶している。辞書DB157は検索IDフィールド、ユニットIDフィールド、施設IDフィールド、施設名フィールド及び属性の一つである属性ジャンルフィールドを含む。なお、紙面の都合上割愛するが、検索日等も記憶されている。検索IDフィールドには、特定の日に検索した施設情報を一意に特定するためのIDが記憶されている。本例では7月7日に検索したうどん屋「A店」に対し、検索ID「0707001」が付与されている。ユニットIDフィールドには、音声認識に用いる日ユニット100を特定するユニットIDが記憶されている。
【0035】
図9(a)の例は、検索日である7月7日当日の記憶例を示している。当日の経過情報は今日、今週及び今月であるので、ユニットID101、103及び105の日ユニット100が読み出されている。施設IDフィールドには「A店」を特定するための施設IDが記憶されている。
【0036】
辞書DB157の施設名フィールドには施設名である「A店」とその読み情報が記憶される。属性ジャンルフィールドには、施設名と共に施設ユニット200を構成するジャンル情報と読み情報とが記憶されている。これらは、音声認識処理の際に用いられる。なお、施設名及びジャンルについてはこれら各単語のIDのみを記憶しておき、同じく辞書DB157に記憶された各単語の読み情報を、IDをキーに読み出すようにしても良い。以下では、説明を容易にするために辞書DB157に日ユニット100及び施設ユニット200に対する読み情報が記憶されているものとして説明する。なお、辞書DB157の施設名フィールドに、読み情報ではなく、音声データを直接記憶し、これと入力音声データの照合を行う構成も可能である。
【0037】
CPU11は履歴ファイル155に検索日及び施設情報を記憶する度に、辞書DB157に音声認識用の文法を生成すべく、辞書DB157に検索ID、施設ID、日ユニット100及び施設ユニット200に関する情報を記憶する。そしてCPU11は日が変わる度に、辞書DB157内のユニットIDフィールドの記憶内容、すなわちユニットIDを変更する。図9(b)は1日後の7月8日の記憶例を示している。検索ID「070701」で示されるレコードは、「今日」を示すユニットID101が削除され、逆に「昨日」を示すユニットID102に変更されていることが理解できる。
【0038】
以上のハードウェアにおいて本実施の形態に係る決定処理の内容を、フローチャートを用いて説明する。図10は文法生成処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は検索により得られた施設情報としての施設名及び施設ID、並びに、検索日を履歴ファイル155に図4の如く記憶する(ステップS101)。CPU11は検索日である今日に対応する日ユニット100を日検索用語ファイル156から読み出す(ステップS102)。具体的には、CPU11は規則ファイル1582に記憶された今日に対応するユニットID101(今日)、103(今週)及び105(今月)に係る日ユニット100、100、100を読み出す。一つの日ユニット100内部には一つまたは複数の日検索用語が音声データとして記憶されている。
【0039】
次いでCPU11はステップS101で記憶した施設名に対応するジャンルを施設DB154から読み出す(ステップS103)。CPU11は施設名の単語に係る音声データ、及び、ジャンルの単語に係る音声データを辞書DB157から読み出す。そして、CPU11は施設名及びジャンルのいずれかの音声データがor条件で抽出される施設ユニット200として、辞書DB157に記憶する。CPU11は文法を生成すべく固有の検索IDを付与する。CPU11は検索ID、日ユニット100、及び、施設ユニット200を対応づけて辞書DB157に図9の如く記憶する(ステップS104)。
【0040】
図11乃至図13は変更処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は時計部18から出力される日時情報を監視することにより、日付が変更されたか否かを判断する(ステップS111)。CPU11は変更されていないと判断した場合(ステップS111でNO)、日付が変更されるまで待機する。一方、CPU11は日付が変更されたと判断した場合(ステップS111でYES)、時計部18から出力される日を参照し、施設情報を検索した検索日からの経過日を算出する(ステップS112)。CPU11は算出した経過日、検索日及びカレンダーファイル158を参照し、時に関する文言に対応する経過情報を出力する(ステップS113)。具体的には上述した如くCPU11は検索日が属する月及び変更処理日が属する月のカレンダー1581を読み出す。そして、検索日、経過日、及び、変更処理日に基づき、日ごとに検索日からの経過日に応じて経過情報の規則を記憶した規則ファイル1582を参照し、経過情報を出力する。
【0041】
CPU11は出力された経過情報に対応する日ユニット100を、日検索用語ファイル156から読み出す(ステップS114)。CPU11は辞書DB157に記憶した過去の日ユニット100のレコードを削除する(ステップS115)。そしてCPU11はステップS114で読み出した日ユニット100へ、辞書DB157のレコードを変更する(ステップS116)。以上述べた処理を、辞書DB157に記憶された全ての検索IDに係る日ユニット100に対して実行する。これにより、日の経過に伴い音声認識に用いられる文法が変更されることになる。
【0042】
音声認識による検索を希望するユーザは、トークスイッチ(図示せず)を押してからマイク110から日検索用語及び施設名の組み合わせ、または、日検索用語及びジャンルの組み合わせを入力する。CPU11はトークスイッチが押されたか否かを判断する(ステップS1170)。CPU11はトークスイッチが押されていないと判断した場合(ステップS1170でNO)、押されるまで待機する。CPU11はトークスイッチが押されたと判断した場合(ステップS1170でYES)、マイク110から入力された音声データと文法とを用いて音声認識処理を行う(ステップS117)。具体的にはCPU11は日検索用語及び施設名またはジャンルを受け付ける。CPU11は音声認識処理に失敗したか否かを判断する(ステップS118)。例えば、CPU11は上述のステップS117における音声認識処理において、所定の基準を満たす認識候補が得られなかった場合、音声認識に失敗したと判断する。CPU11は音声認識に失敗したと判断した場合(ステップS118でYES)、記憶部15から音声の再入力を促す画面を読み出す(ステップS119)。CPU11は読み出した再入力を促す画面を表示部14へ出力する(ステップS121)。CPU11は処理を再びS1170へ戻す。具体的にはCPU11は受け付けた音声データに係る日検索用語が辞書DB157内の日ユニット100に記憶されており、かつ、施設名またはジャンルが施設ユニット200に音声データとして記憶されているか否かを判断する。CPU11はこれら2つがこの順序で、アンド条件で記憶されていないと判断した場合ステップS119へ移行する。なお、表示部14へ画面表示するのではなく、スピーカ19から再入力を促す音声を出力するようにしても良い。
【0043】
CPU11は音声認識処理に失敗していないと判断した場合(ステップS118でNO)、対応する検索IDを抽出する(ステップS122)。具体的にはCPU11は日検索用語及び施設名またはジャンルの2つがこの順序で、アンド条件で記憶されていると判断した場合、対応する検索IDを抽出する。CPU11は検索IDに対応する施設IDを辞書DB157から読み出す(ステップS123)。CPU11は施設IDに対応する施設名、ジャンル、及び、営業案内等を施設DB154から読み出す(ステップS124)。また施設IDに対応する検索日を履歴ファイル155から読み出す(ステップS125)。CPU11は表示部14へ検索日、施設名、ジャンル、及び営業案内、並びに、地図表示ボタン及び消去ボタンを表示部14へ出力する(ステップS126)。
【0044】
図14は抽出結果の表示イメージを示す説明図である。CPU11は記憶部15に予め記憶したテンプレート文法に、読み出した施設名、ジャンル、及び営業案内を表示する。また地図表示ボタン126には、施設IDとのリンクを設定した上で、表示部14に図14の如くアイコン表示する。また、結果表示画面を消去するコマンドが付与された消去ボタン127を表示部14に表示する。その他、音声認識した文法と、辞書DB157に記憶された文法とのマッチングにより得られた文法「今月行ったうどん屋」が表示される。そして、抽出結果として検索日時、施設名、うどん屋及びレストラン等のジャンル、並びに営業案内が表示部14に表示される。これにより、ユーザの日に関する記憶があいまいで、また、施設名に対する記憶が曖昧な場合でも、的確に所望の施設情報を抽出することが可能となる。
【0045】
CPU11は地図表示ボタン126の入力を入力部13から受け付けたか否かを判断する(ステップS127)。CPU11は地図表示ボタン126の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS127でNO)、消去ボタン127の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS128)。CPU11は消去ボタン127の入力を受け付けていないと判断した場合(ステップS128でNO)、処理をステップS127へ戻す。一方CPU11は消去ボタン127の入力を受け付けたと判断した場合(ステップSで128でYES)、処理を終了する。ステップS127においてCPU11は地図表示ボタン126の入力を受け付けたと判断した場合(ステップS127でYES)、施設IDをもとに施設近傍の地図を地図DB151から読み出して表示部14へ出力する(ステップS129)。
【0046】
実施の形態2
実施の形態2は複数の抽出結果が得られた場合の処理に関する。図15は実施の形態2に係る辞書DB157のレコードレイアウトを示す説明図である。図15の例は、7月1日にA店のうどん屋を検索し、7月2日にE店のパスタ屋を検索し、7月7日に実施の形態1で述べた如くA店のうどん屋を検索した例を示す。検索ID「0701001」で示すレコードは、経過情報が先週及び今月であるため、ユニットID104(先週)及びユニットID105(今月)の日ユニット100が辞書DB157に変更処理の上、記憶されている。
【0047】
検索ID「0702005」についても、検索ID「0701001」と同じく、経過情報が先週及び今月であるため、ユニットID104(先週)及びユニットID105(今月)の日ユニット100が辞書DB157に変更処理の上、記憶されている。E店はパスタ屋であるが、ジャンルに「レストラン」が付与されている点で、うどん屋の「A店」と共通する。ここで、実施の形態1で述べたように、ユーザが「こんげついった」「れすとらん」と音声入力した場合、日検索用語「こんげついった」及びジャンル「レストラン」にアンド条件で合致する3つの候補が抽出される。これは、7月1日及び7日に検索したうどん屋A店、及び2日に行ったパスタ屋E店である。
【0048】
本実施の形態においては、ユーザが入力した曖昧な発話に基づく検索を支援すべく、複数の施設情報が抽出された場合、検索日、または、検索日及び属性であるジャンルを表示部14へ出力する処理を行う。なお、検索日のみを表示するようにしても良いが、本実施の形態においては検索日及びジャンルの双方を表示する例を説明する。図16は実施の形態2に係る抽出結果の表示イメージを示す説明図である。CPU11は記憶部15に予め記憶したテンプレート文法に、読み出した複数の検索日、施設名、ジャンル、及び営業案内を表示する。また、各施設名に対応づけて施設IDが関連づけられた地図表示ボタン126を表示する。さらに、結果表示画面を消去するコマンドが付与された消去ボタン127を表示部14に表示する。
【0049】
図17は出力処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は実施の形態1のステップS122と同じく、検索IDを辞書DB157から抽出する(ステップS161)。CPU11は抽出した検索IDが複数か否かを判断する(ステップS162)。CPU11は複数でないと判断した場合は(ステップS162でNO)、実施の形態1で述べた処理を行うべく、処理を終了する。なおこの場合、CPU11はステップS123へ処理を戻す。CPU11は検索IDが複数であると判断した場合(ステップS162でYES)、CPU11は各検索IDに対応する施設IDを辞書DB157から読み出す(ステップS163)。CPU11は各施設IDに対応する施設名、ジャンル、及び、営業案内等を施設DB154から読み出す(ステップS164)。またCPU11は、各施設IDに対応する検索日を辞書DB157から読み出す(ステップS165)。CPU11は表示部14へ各検索IDに対応する検索日、施設名、ジャンル、及び営業案内、並びに、地図表示ボタン126及び消去ボタン127を、図16の如く表示部14へ出力する(ステップS166)。これにより、ユーザは日検索用語が曖昧な場合、または、広範なジャンルを音声入力した場合でも、記憶をたどるキーとなる検索日、施設名、営業案内等が表示部14に視認可能に表示される。従って、より効率よく検索結果を得ることが可能となる。
【0050】
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0051】
実施の形態3
実施の形態3は経過情報を拡大する形態に関する。例えば年始にうどん屋の検索を行い、半年後に音声認識による検索を行う場合、経過情報は「今年」であるので、「ことしいったうどんや」を入力する必要がある。しかし、記憶が薄れ、去年の年末と勘違いすることもある。本実施の形態においては関連ファイルを参照し、経過情報を拡大する。例えば異なる日に関する文言である「去年」を拡大した経過情報として利用する。これによれば、「きょねんいったうどんや」でも、A店を検索することが可能となる。以下に詳細を説明する。
【0052】
図18は実施の形態3に係るカーナビゲーション装置1のハードウェア群を示すブロック図である。実施の形態1の構成に加えて記憶部15には関連ファイル1510が記憶されている。図19は関連ファイル1510のレコードレイアウトを示す説明図である。関連ファイル1510は経過情報及び検索日フィールド、並びに、拡大する経過情報フィールドが記憶されている。関連ファイル1510は経過情報及び検索日に対応づけて、拡大すべき日に関する文言である経過情報を記憶している。
【0053】
経過情報及び検索日フィールドには、経過情報と月または日とが対応づけて記憶されている。また拡大する経過情報フィールドには、経過情報及び検索日フィールドに記憶された経過情報である日に関する文言とは異なる日に関する文言が、拡大する経過情報として記憶されている。例えば、経過情報が「今年」、検索日が「1月」の場合、「今年」に近接する「去年」が拡大する経過情報として記憶されている。これにより、年末年始の記憶の曖昧さに起因する検索漏れを排除することが可能となる。同様に、経過情報が「去年」、検索日が「12月」の場合、「今年」が拡大する経過情報となる。また、経過情報が「今月」、検索日が「1日」から「5日」の場合、月初めであり「先月」と勘違いしやすいことから、「先月」が拡大する経過情報となる。同様に経過情報が「先月」、検索日が「25日」から「31日」の場合、今月と勘違いしやすいことから、「今月」が拡大する経過情報となる。なお、関連ファイル1510に記憶したルールはあくまで一例であり、これに限るものではない。
【0054】
図20は経過情報の拡大処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態1で述べたステップS113及びS114間のサブルーチンとして以下の処理を実行するようにすればよい。CPU11はステップS113で出力した経過情報及び辞書DB157に記憶した検索日を読み出す(ステップS201)。CPU11は経過情報及び検索日に対応する日に関する文言を、図19に示す関連ファイル1510から読み出す(ステップS202)。CPU11は読み出した拡大すべき日に関する文言を経過情報に追加する処理を行う(ステップS203)。
【0055】
これにより、例えば本来の経過情報である「今年」に加えて、「去年」が追加され経過情報が拡大することになる。以下ではこの追加された日に関する文言を含む経過情報に基づき、ステップS114以降の処理が実行される。なお、実施の形態1乃至3においては、検索対象として施設情報を例に挙げたが、これに限るものではない。例えば、検索対象には書籍、映画DVD(Digital Versatile Disc)、または、音楽ファイル等の各種商品情報等が含まれる。例えば音楽配信サービスの場合、カーナビゲーション装置1に代えてサーバコンピュータ及びパーソナルコンピュータまたは携帯電話機を用いる。そしてパーソナルコンピュータ等から、「きのうこうにゅうした」「○○(商品名を示す楽曲のタイトル)」、「きのうかった」「AA(ジャンルを示すアーティスト名)」、または、「せんげつだうんろーどした」「ようがく」等を音声入力する。音声データはサーバコンピュータにインターネット経由で送信される。サーバコンピュータはカーナビゲーション装置1と同様の処理を行い、商品情報である楽曲のタイトルを抽出する。抽出された楽曲のタイトルは、パーソナルコンピュータ等へ送信される。音声による検索及びキーボードによる検索結果は、同様にサーバコンピュータに履歴として記憶され、日の変更処理が行われる。
【0056】
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0057】
実施の形態4
実施の形態4は検索により得られた施設情報だけではなく、実際に立ち寄った施設情報をも対象に含める技術に関する。図21は実施の形態4に係るカーナビゲーション装置1のハードウェア群を示すブロック図である。実施の形態3の構成に加えて、ドア開閉センサ32及び車速センサ1120が設けられている。車速センサ1120は車速をCPU11へ出力する。また、ドア開閉センサ32はCANバス30を通じて車両のドアが開いたことを示す開信号または閉じたことを示す閉信号をCPU11へ出力する。CPU11は車両が所定時間以上待機した場合、位置情報取得手段としてのGPS受信機111から位置情報を取得する。
【0058】
車両が所定時間以上待機したか否かは、例えば車速センサ1120から出力される速度が時速0kmの時間が1時間以上の場合に待機したと判断するようにすればよい。その他、渋滞により停車していることを排除するために、当該条件に加えて、さらにドア開閉センサ32から開信号が出力されたことを条件としても良い。その他、CPU11はエンジン始動部31からエンジン停止信号が出力された日時を時計部18からの出力を参照して、記憶部15に記憶する。そして、CPU11は次にエンジン始動部31からエンジン始動信号が出力された日時を時計部18からの出力を参照して記憶部15に記憶する。そしてCPU11はエンジン停止時の日時と始動時の日時との差分が所定時間(例えば1時間)以上の場合に所定時間以上待機したと判断するようにしても良い。本実施の形態においては説明を容易にするために、エンジン停止時とエンジン始動時との間の時間に基づき所定時間以上待機したか否かを判断する例を挙げて説明する。
【0059】
CPU11は所定時間以上待機した際に、GPS受信機111により取得した位置情報に対応する施設情報を施設DB154から読み出す。またCPU11はエンジン停止時の日を取得日として記憶部15に記憶する。CPU11はこの取得日を検索日として履歴ファイル155に記憶し、また施設DB154から読み出した施設ID及び施設名を履歴ファイル155に記憶する。
【0060】
図22は実施の形態4に係る履歴ファイル155のレコードレイアウトを示す説明図である。図22の例では、2008年7月9日に施設ID「005」のパスタ屋「E店」にユーザが検索することなく立ち寄った際の履歴が記憶されている。CPU11は取得日を検索日フィールドに記憶する。またCPU11は検索ではなく、所定時間以上待機することにより取得した施設情報であることを記憶するために取得日フラグフィールドにフラグを記憶する。図22の例では白色丸印でしめすフラグを記している。
【0061】
図23は施設情報の取得処理の手順を示すフローチャートである。CPU11はエンジン始動部31からエンジン停止信号を受け付ける(ステップS231)。CPU11は、時計部18から出力される日時を参照し、停止した日時を記憶部15に記憶する(ステップS232)。CPU11はその後、エンジン始動部31からエンジン始動信号を受け付ける(ステップS233)。CPU11は始動した日時を記憶部15に記憶する(ステップS234)。CPU11はステップS232にて記憶した停止日時から、ステップS234で記憶した始動日時までの時間は、予め記憶部15に記憶した所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS235)。CPU11は所定時間以上でないと判断した場合(ステップS235でNO)、一時的な停車であると判断し処理を終了する。
【0062】
CPU11は一定時間以上と判断した場合は(ステップS235でYES)、GPS受信機111から出力される位置情報を取得し、また時計部18から出力される日を取得日として記憶部15に記憶する(ステップS236)。CPU11は取得した位置情報に対応する施設情報を施設DB154から読み出す(ステップS237)。この施設情報は例えば、施設名及び施設IDである。CPU11は履歴ファイル155に取得日を検索日として検索日フィールドに記憶する(ステップS238)。またCPU11は取得日フラグ、施設ID及び施設名を図22の如く、履歴ファイル155に記憶する(ステップS239)。CPU11は取得日を検索日とし、取得した施設情報を検索により得られた施設情報と同様に処理する。以降の処理は実施の形態1のステップS102以降の処理と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0063】
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
実施の形態5
実施の形態5は検索したまたは立ち寄った施設情報近傍の施設情報を活用する形態に関する。図24は実施の形態5に係る施設DB154のレコードレイアウトを示す説明図である。施設ID「007」で示す施設名「F駅」には、ジャンル「駅」、ジャンル「駅」の上位概念であるジャンル「私鉄」、ジャンル「私鉄」の上位概念である「鉄道」が記憶されている。施設ID「008」で示す「Gホテル」には、ジャンル「ホテル」、ジャンル「ホテル」の上位概念であるジャンル「宿泊施設」が記憶されている。本実施の形態においては、A店の近傍にF駅が存在し、B店の近傍にGホテルが存在するものとして説明する。
【0065】
駅、ホテル、球技場、テレビ塔、史跡名勝、空港、学校、アミューズメントパーク、高速道路インターチェンジ、及び百貨店等のランドマークは月日が経過した場合でも、記憶していることが多い。例えばA店の名称を忘れても、ランドマークであるF駅を手掛かりとする場合がある。図24に示す如く施設DB154には、ランドマークフィールドが設けられており、各施設に対応づけて、各施設近傍のランドマークに関する情報が記憶されている。例えばA店近傍のランドマークは、F駅であり、B店近傍のランドマークはGホテルである。
【0066】
同様にF駅近傍のランドマークは近傍のH百貨店であり、Gホテル近傍のランドマークはDランドである。なお、ランドマークは複数記憶しておいても良く、また存在しない場合は、記憶しなくても良い。また、本実施の形態においては、施設に対応づけて予め記憶したランドマークを施設DB154から抽出する例を説明するが、これに限るものではない。例えば、CPU11は、A店の位置情報とF駅の位置情報とに基づき距離を算出し、当該距離が一定距離内(例えば100m以内)であり、かつ、施設名「F駅」にランドマークフラグが記憶されている場合に、F駅をA店に対するランドマークとして抽出すればよい。
【0067】
図25は実施の形態5に係る辞書DB157のレコードレイアウトを示す説明図である。施設情報の属性としてジャンルフィールドに加え、ランドマークである近傍施設IDフィールド及び近傍施設名フィールドが追加されている。近傍施設フィールドには、施設名「A店」に対応する近傍の施設名「F駅」が記憶されている。また、近傍施設IDフィールドには、近傍の施設名「F駅」に対応する近傍施設ID「007」が記憶されている。CPU11は辞書DB157に施設IDを記憶する場合、施設DB154を参照し、ランドマークフィールドに記憶された近傍施設名及び近傍施設IDを辞書DB157に記憶する。
【0068】
取得日フラグフィールドには、実施の形態4で述べた如く、検索ではなく、所定時間以上待機した際に取得した施設情報であることを示すフラグが記憶されている。図25の例ではA店は、実施の形態1で述べた如く検索により得られた施設情報であり、E店は所定時間以上待機することにより取得した施設情報である。図26は1日後に生成される文法を示す説明図である。施設ユニット200には施設情報「A店」、並びに、属性であるジャンル「レストラン」等及び近傍施設情報「F駅」が音声データとして追加されている。これにより、「こんげついった」「えーてん」の他、「こんげついった」「えふえき」と音声入力した場合でも、検索ID「0701001」で特定されるうどん屋「A店」が抽出される。従って、記憶が薄れた場合でも、強い印象を与えるランドマークを手掛かりに施設情報の抽出が可能となる。特に、施設名に対しジャンルが存在しない小さな店舗、個人宅またはビルの場合、効果が大きい。
【0069】
図27は近傍施設情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態1で述べたステップS104の処理後以下の処理を実行する。CPU11はステップS104で記憶した施設名に対応する近傍の施設名を施設DB154のランドマークフィールドを参照して抽出する(ステップS271)。CPU11は近傍施設名に対応する施設IDを施設DB154から読み出す(ステップS272)。CPU11は辞書DB157の属性フィールドに抽出した近傍の施設名、及び、読み出した近傍の施設IDを記憶する(ステップS273)。
【0070】
実施の形態1で述べた辞書DB157に対する日検索用語の変更処理の後、CPU11はマイク110から入力された音声データ、すなわち日検索用語及び、施設名、ジャンルまたは近傍の施設名を受け付ける(ステップS274)。CPU11は受け付けた音声データに係る日検索用語が辞書DB157内の日ユニット100に記憶されており、かつ、施設名、ジャンルまたは近傍の施設名が施設ユニット200に音声データとして記憶されているか否かを判断する(ステップS275)。CPU11はこれら2つがこの順序で、アンド条件で記憶されていないと判断した場合(ステップS275でNO)、記憶部15から音声の再入力を促す画面を読み出す(ステップS276)。CPU11は読み出した再入力を促す画面を表示部14へ出力する(ステップS277)。CPU11は処理を再びS274へ戻す。CPU11は日検索用語及び施設名、ジャンルまたは近傍の施設名がこの順序で、アンド条件で記憶されていると判断した場合(ステップS275でYES)、対応する検索IDを抽出する(ステップS278)。これ以降の処理は実施の形態1のステップS123以降と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0071】
本実施の形態5は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0072】
実施の形態6
近傍の施設情報を含む近傍検索用語をさらに考慮した抽出処理に関する。図28は実施の形態6に係る辞書DB157のレコードレイアウトを示す説明図である。辞書DB157はさらに、近傍ユニットIDフィールド、及び、近傍施設情報フィールドが設けられており、近傍施設情報フィールドには、近傍施設IDフィールド及び近傍施設名フィールドが含まれる。ランドマークである近傍施設情報を実施の形態5の如く属性としてではなく、新たな検索キーとして利用する。
【0073】
近傍施設IDフィールドには、実施の形態5で述べた如くランドマークである近傍の施設名を特定する近傍施設IDが記憶されている。また、近傍施設名フィールドには、ランドマークである近傍の施設名が記憶されている。近傍ユニットIDフィールドには、日ユニット100と同様に、複数の近傍施設情報に関する文言を含む近隣検索用語を特定するためのIDが記憶されている。図29は実施の形態6に係るカーナビゲーション装置1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15には近傍検索用語ファイル1511が設けられている。
【0074】
図30は近傍検索用語ファイル1511のレコードレイアウトを示す説明図である。近傍検索用語ファイル1511は近傍ユニットIDフィールド、近傍の施設名フィールド及び近傍検索用語フィールドを含む。近傍ユニットIDフィールドには、近傍の施設名に関する文言を含む近傍検索用語を特定する固有の識別番号が記憶されている。近傍の施設名フィールドには、ランドマークである「F駅」等の近傍の施設名が記憶されている。近傍検索用語には施設名に関する文言を含む複数の近傍検索用語が音声認識のため音声データとして記憶されている。例えば近傍の施設名がF駅の場合、近傍検索用語は「えふえき」を含む「えふえきぞいの」、「えふえきまえの」、「ちかてつえふえきまえの」、「えふえきの」、及び「えふえきのちかくの」等が複数記憶される。
【0075】
以下では、これら複数の近傍検索用語からなるセットを近傍ユニット150という。近傍検索用語は施設名、「沿い」、「前の」、「向かいの」、「近くの」または「中の」等の前置詞、及び、「の」等の助詞を含む。なお、近傍検索用語内の施設名に対する文言は、近傍施設情報に関する文言として複数の態様を予め記憶しておけばよい。例えば「Gホテル」は「ホテルG」等と音声入力されることがあるため、正式な施設名から派生する複数の読みを記憶しておく。この他、「F駅」は「地下鉄F駅」、または単に「F」等と記憶される。これらの近傍検索用語はランドマーク毎に予め近傍検索用語ファイル1511に記憶される。
【0076】
図31は1日後に生成される文法を示す説明図である。実施の形態1の例に加えて、近傍ユニット150が日ユニット100と施設ユニット200との間に挿入される。CPU11は辞書DB157に記憶された近傍ユニットIDを読み出し、これに対応する近傍検索用語を近傍検索用語ファイル1511から読み出す。図31の例はF駅に付与された近傍検索用語群を近傍ユニット150として表示している。この場合、ユーザが「こんげついった」「えふえきぞいの」「れすとらん」と音声入力した場合、CPU11は辞書DB157を参照して、開始状態から終了状態までユニットが連結した検索ID「0701001」を抽出する。日ユニット100及び施設ユニット200と同様に、近傍ユニット150内部に記憶した複数の近傍検索用語の内いずれか一つが合致すればよい。なお、本実施の形態においては近傍検索用語を施設名及び前置詞または助詞とする例を説明したがこれに限るものではない。近傍検索用語を施設名及び施設名の他の読み方または通称とし、前置詞または助詞を別途ユニット化しても良い。この場合、前置詞検索用語または助詞検索用語として辞書DB157に複数の前置詞が記憶される。
【0077】
図32及び図33は近傍施設情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態1で述べたステップS104の処理後以下の処理を実行する。CPU11はステップS104で記憶した施設名に対応する近傍の施設名を施設DB154のランドマークフィールドを参照して抽出する(ステップS321)。CPU11は近傍施設名に対応する施設IDを施設DB154から読み出す(ステップS322)。CPU11は辞書DB157の近傍施設情報フィールドに抽出した近傍の施設名、及び、読み出した近傍の施設IDを記憶する(ステップS323)。
【0078】
CPU11は抽出した近傍の施設名に対応する近傍ユニットID及び近傍検索用語を近傍検索用語ファイル1511から読み出す(ステップS324)。CPU11は読み出した近傍ユニットID及び音声データである近傍検索用語を辞書DB157に記憶する(ステップS325)。これにより、近傍施設情報に関する近傍検索用語の集合である近傍ユニット150が辞書DB157に記憶される。なお、CPU11は近傍ユニットIDのみを辞書DB157に記憶しておき、必要に応じて近隣検索用語ファイル1511に記憶した近傍検索用語に係る音声データを読み出すようにしても良い。
【0079】
実施の形態1で述べた辞書DB157に対する日検索用語の変更処理の後、CPU11はマイク110から入力された音声データ、すなわち日検索用語、近傍検索用語、及び、施設名、または、ジャンルを受け付ける(ステップS326)。CPU11は受け付けた音声データに係る日検索用語が辞書DB157内の日ユニット100に記憶されており、受け付けた近傍検索用語が辞書DB157内の近傍ユニット150に記憶されており、かつ、受け付けた施設名、または、ジャンルが施設ユニット200に音声データとして記憶されているか否かを判断する(ステップS327)。
【0080】
CPU11はこれら3つがこの順序で、アンド条件で記憶されていないと判断した場合(ステップS327でNO)、記憶部15から音声の再入力を促す画面を読み出す(ステップS328)。CPU11は読み出した再入力を促す画面を表示部14へ出力する(ステップS329)。CPU11は処理を再びS326へ戻す。CPU11は日検索用語、近傍検索用語及び施設名、または、ジャンルがこの順で、アンド条件で記憶されていると判断した場合(ステップS327でYES)、対応する検索IDを抽出する(ステップS331)。これ以降の処理は実施の形態1のステップS123以降と同様であるので詳細な説明は省略する。これにより、検索キーとしてより記憶に残りやすいランドマークを活用することができ、記憶が薄れた場合でも、検索精度を向上させることが可能となる。
【0081】
本実施の形態6は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至5と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0082】
実施の形態7
実施の形態7は施設情報近傍に存在する道路情報に関する文言を含む道路検索用語を用いる形態に関する。図34は実施の形態7に係る施設DB154のレコードレイアウトを示す説明図である。実施の形態7に係る施設DB154はさらに道路情報フィールドが設けられている。道路情報フィールドには施設名に対応づけて、施設が近傍の道路名が記憶されている。例えば、施設名「A店」は43号線沿いに存在することから、道路情報として43号線と記憶されている。施設近傍に存在する道路名は予め施設DB154に記憶しておくほか、道路DB152を参照して施設近傍の道路名を抽出するようにしても良い。
【0083】
具体的には、CPU11は、対象となる施設名に対応する位置情報を読み出す。CPU11は読み出した位置情報から所定距離内(例えば50m以内)の位置情報をもつリンクを抽出する。リンクには位置情報としての緯度及び経度、並びに、道路名が対応づけて道路DB152に記憶されている。CPU11は所定距離内に存在するリンクに対応する道路名を抽出する。CPU11は抽出した道路名を施設DB154の道路情報フィールドに記憶する。
【0084】
図35は実施の形態7に係る辞書DB157のレコードレイアウトを示す説明図である。辞書DB157はさらに、道路ユニットIDフィールド、及び、道路情報フィールドが設けられており、道路情報フィールドには道路名フィールドが含まれる。なお、道路情報には道路名を特定するための識別番号が含まれるが説明を容易にするために記載を省略している。道路情報を実施の形態5の如く属性としてではなく、新たな検索キーとして利用する。
【0085】
道路名フィールドには、施設名近傍に存在する道路名が記憶されている。道路ユニットIDフィールドには、日ユニット100と同様に、複数の道路名に関する文言を含む道路検索用語を特定するためのIDが記憶されている。図36は実施の形態7に係るカーナビゲーション装置1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15には道路検索用語ファイル1512が設けられている。
【0086】
図37は道路検索用語ファイル1512のレコードレイアウトを示す説明図である。道路検索用語ファイル1512は道路ユニットIDフィールド、道路名フィールド及び道路検索用語フィールドを含む。道路ユニットIDフィールドには、道路名に関する文言を含む道路検索用語を特定する固有の識別番号が記憶されている。道路名フィールドには、「43号線」、「X高速道路」、及び、「Yバイパス」等の道路名が記憶されている。道路検索用語には道路名に関する文言を含む複数の道路検索用語が音声認識のため音声データとして記憶されている。例えば道路名が43号線の場合、道路検索用語は「よんじゅうさんごうせん」の他、「こくどうよんじゅうさんごうせんまえの」、「よんじゅうさんごうせんの」、及び、「るーとよんじゅうさんまえの」等が複数記憶される。
【0087】
以下では、これら複数の道路検索用語からなるセットを道路ユニット160という。日ユニット100及び施設ユニット200と同様に、道路ユニット160内部に記憶した複数の道路検索用語の内いずれか一つが合致すればよい。道路検索用語は道路名、「沿い」、「前の」、「向かいの」、または、「近くの」または「脇の」等の前置詞、及び、「の」等の助詞を含む。なお、道路検索用語内の道路名に対する文言は、道路情報に関する文言として、複数の態様を予め記憶しておけばよい。例えば「X高速道路」は「X高速」等と省略して音声入力されることがあるため、正式な道路名から派生する複数の読みを記憶しておく。この他、「X高速道路」は「高速道路X」、または単に「X」等と記憶される。これらの道路検索用語は道路名毎に予め道路検索用語ファイル1512に記憶される。
【0088】
図38は1日後に生成される文法を示す説明図である。実施の形態1の例に加えて、道路ユニット160が日ユニット100と施設ユニット200との間に挿入される。CPU11は辞書DB157に記憶された道路ユニットIDを読み出し、これに対応する道路検索用語を道路検索用語ファイル1512から読み出す。図38の例は「43号線」に付与された道路検索用語群を道路ユニット160として表示している。この場合、ユーザが「こんげついった」「よんじゅうさんごうせんぞいの」「れすとらん」と音声入力した場合、CPU11は辞書DB157を参照して、開始状態から終了状態までユニットが連結した検索ID「0701001」を抽出する。なお、本実施の形態においては道路検索用語を施設名、前置詞または助詞の組み合わせとする例を説明したがこれに限るものではない。道路検索用語を道路名及び道路名の他の読み方または通称とし、前置詞または助詞を別途ユニット化しても良い。この場合、前置詞検索用語または助詞検索用語として辞書DB157に複数の前置詞または助詞が記憶される。
【0089】
図39及び図40は道路情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。最初に近傍の道路名抽出処理手順について説明する。CPU11は対象となる施設名に対応する位置情報を読み出す(ステップS391)。CPU11は道路DB152から読み出した位置情報との比較において所定距離内に存在する位置情報を有するノードを読み出す(ステップS392)。CPU11は当該読み出したノードに対応する道路名を道路DB152から抽出する(ステップS393)。CPU11は施設名に対応づけて抽出した道路名を施設DB154に記憶する(ステップS394)。
【0090】
続いて、実施の形態1で述べたステップS104の処理後以下の処理を実行する。CPU11は辞書DB157の道路情報フィールドにステップS393で抽出した道路名を記憶する(ステップS395)。CPU11は道路名に対応する道路ユニットID及び道路検索用語を道路検索用語ファイル1512から読み出す(ステップS396)。CPU11は読み出した道路ユニットID及び音声データである道路検索用語を辞書DB157に記憶する(ステップS397)。これにより、道路情報に関する道路検索用語の集合である道路ユニット160が辞書DB157に記憶される。
【0091】
実施の形態1で述べた辞書DB157に対する日検索用語の変更処理の後、CPU11はマイク110から入力された音声データ、すなわち日検索用語、道路検索用語、及び、施設名、または、ジャンルを受け付ける(ステップS398)。CPU11は受け付けた音声データに係る日検索用語が辞書DB157内の日ユニット100に記憶されており、受け付けた道路検索用語が辞書DB157内の道路ユニット160に記憶されており、かつ、受け付けた施設名、または、ジャンルが施設ユニット200に音声データとして記憶されているか否かを判断する(ステップS399)。
【0092】
CPU11はこれら3つがこの順序にて、アンド条件で記憶されていないと判断した場合(ステップS399でNO)、記憶部15から音声の再入力を促す画面を読み出す(ステップS401)。CPU11は読み出した再入力を促す画面を表示部14へ出力する(ステップS402)。CPU11は処理を再びS398へ戻す。CPU11は日検索用語及び施設名、ジャンルまたは道路名がこの順序にて、アンド条件で記憶されていると判断した場合(ステップS399でYES)、対応する検索IDを抽出する(ステップS3403)。これ以降の処理は実施の形態1のステップS123以降と同様であるので詳細な説明は省略する。これにより、検索キーとして記憶に残りやすい道路情報を活用することができ、記憶が薄れた場合でも、検索精度を向上させることが可能となる。
【0093】
本実施の形態7は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至6と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0094】
実施の形態8
実施の形態8は重みを考慮した抽出処理に関する。図41は実施の形態8に係る辞書DB157のレコードレイアウトを示す説明図である。重みフィールド及び抽出日フィールドがさらに設けられている。抽出日フィールドには、音声認識の結果ステップS122において検索IDが抽出された際に、時計部18から出力された日がCPU11の指示により、記憶される。例えば検索ID「0701001」で示す文法は2008年7月22日に抽出されたことが記憶されている。なお、重み及び抽出日は説明を容易にするために、辞書DB157に記憶する例を挙げて説明するがこれに限るものではない。例えば記憶部15の別ファイルに、検索IDに対応づけて記憶するようにしても良い。
【0095】
重みは音声認識の場合、または、実施の形態2で述べたごとく、抽出された検索IDが複数存在する場合に利用する。前者について説明する。CPU11は、音響モデル、及び、言語モデルを参照して、音声認識処理を行い、入力音声を尤度が最大の単語列に変換する。ここで、単語列の尤度は、単語列と入力音声との照合尤度(音響尤度)、および、言語モデルに基づく単語列の尤度(言語尤度)の積(対数領域では和)として計算される。ステップS118等の音声認識の際には辞書DB157に記憶した単語列からなる文法の尤度に、辞書DB157に記憶した重みを付加する。つまり重みが大きい方が優先的に抽出されることになる。ここで重みは対数尤度領域で扱うものとして、0より大きく1以下とする。
【0096】
後者について説明する。抽出の結果、検索IDが複数存在する場合、重みが大きい順にソートし、重みが大きい所定数の検索IDを優先的に抽出するようにすれば良い。その他、ソートした順に全ての検索IDを表示部14へ出力するようにしても良い。以下では、後者の内、対応する検索IDが複数存在する場合に、重みが大きい所定数の検索IDを抽出する例を挙げて説明する。CPU11は重みを算出する場合、辞書DB157の施設IDを参照し、同一の施設IDが存在する数を計数する。そしてCPU11はこの計数した数に基づいて重みを付与する。例えば30回同一の施設IDが記憶されている場合は、適宜係数を乗じて、例えば0.01を乗じて重み0.3を算出する。これにより、頻繁に検索される施設情報、または、頻繁に立ち寄る施設情報については優先的に抽出結果を得ることが可能となる。以下では計数した回数を重みとする例を説明する。
【0097】
また、CPU11は辞書DB157を参照し、取得日フラグが設定されている場合、小さな重みを付与し、逆に取得日フラグが設定されていない場合、大きな重みを付与する。例えば、CPU11は、取得日フラグが設定されていない場合、上述した回数である重み30に大きい重み0.5を付与、または、大きい係数0.15を乗ずる。反対に取得日フラグが設定されている場合、CPU11は上述した回数である重み30に小さい重み0.3を付与、または、小さい係数0.11を乗ずる。立ち寄ることにより取得した施設情報よりも、検索により能動的に得た施設情報の方が、再度検索される可能性が高いと考えられることから、このような取り扱いとすればよい。本実施の形態においては取得日フラグが設定されていない場合に、第1の重みを加算し、取得日フラグが設定されている場合に、第1の重みより小さい第2の重みを加算する例を説明する。
【0098】
その他、検索IDがステップS122等の処理により抽出された回数を計数し、計数した回数に基づく重みを付与するようにしても良い。具体的には、CPU11は抽出日フィールドに記憶された抽出日の個数に基づく値を重みとすればよい。これにより、頻繁抽出される検索IDに係る施設情報を、優先的に抽出することが可能となる。以下では、上述した全ての重みを付与する例を説明するが、いずれか一つの方法により求めた重みを付与しても良い。
【0099】
図42及び図43は重み決定処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は、辞書DB157から施設IDを読み出す(ステップS421)。CPU11は読み出した施設IDと同一の施設IDを有する施設の個数を計数する(ステップS422)。CPU11は計数した値を重みとして、ステップS421で読み出した各施設IDの重みフィールドに記憶する(ステップS423)。続いてCPU11は取得日フラグが記憶されていない検索IDを辞書DB157から抽出する(ステップS424)。CPU11は抽出した検索IDに対応する重みフィールドに、記憶部15に予め記憶した第1の重みを加算する(ステップS425)。
【0100】
CPU11は取得日フラグが記憶されている検索IDを辞書DB157から抽出する(ステップS426)。CPU11は抽出した検索IDに対応する重みフィールドに、記憶部15に予め記憶した第2の重みを加算する(ステップS427)。CPU11は辞書DB157の抽出日フィールドを参照し、記憶されている抽出日の個数を検索ID毎に計数する(ステップS428)。CPU11は計数した値を対応する検索IDに対応する重みフィールドに加算する(ステップS429)。
【0101】
CPU11はマイク110から入力された音声データ、すなわち日検索用語及び施設名またはジャンルを受け付ける(ステップS431)。CPU11は受け付けた音声データに係る日検索用語が辞書DB157内の日ユニット100に記憶されており、かつ、施設名またはジャンルが施設ユニット200に音声データとして記憶されているか否かを判断する(ステップS432)。CPU11はこれらがこの順序にて、アンド条件で記憶されていないと判断した場合(ステップS432でNO)、記憶部15から音声の再入力を促す画面を読み出す(ステップS433)。CPU11は読み出した再入力を促す画面を表示部14へ出力する(ステップS434)。CPU11は処理を再びS431へ戻す。
【0102】
CPU11は日検索用語及び施設名またはジャンルがこの順序にて、アンド条件で記憶されていると判断した場合(ステップS432でYES)、対応する検索ID及び対応する重みを辞書DB157から読み出し(ステップS435)、RAM12に記憶する。CPU11はRAM12に記憶した検索IDの数が複数であるか否かを判断する(ステップS436)。CPU11は複数でないと判断した場合(ステップS436でNO)、単一の検索IDのみをRAM12から抽出し(ステップS437)、処理をステップS439へ進める。
【0103】
一方、CPU11は、RAM12に記憶された検索ID数が複数であると判断した場合(ステップS436でYES)、重みが大きい所定数の検索IDをRAM12から抽出する(ステップS438)。なお、この所定数(例えば5)は予め記憶部15に記憶されており、ユーザが入力部13から適宜の値を入力して記憶することが可能である。CPU11は時計部18から出力される日を受け付ける(ステップS439)。CPU11はステップS438で抽出した複数の検索ID、または、ステップS437で抽出した検索IDに対応づけて、抽出日を辞書DB157に記憶する(ステップS4310)。
【0104】
本実施の形態8は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至7と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0105】
実施の形態9
実施の形態9は辞書DB157内の施設情報のレコードの内、古い施設情報のレコード、及び、熟知している施設情報のレコードを削除する形態に関する。CPU11は辞書DB157に記憶した検索日と時計部18から出力される日に基づき経過日を算出する。CPU11はこの経過日が予め記憶した所定日以上(例えば3年以上)の場合に、対応する施設名に係るレコードを消去する。
【0106】
また、実施の形態4により取得した同一の施設情報が辞書DB157に記憶されている個数が所定値以上(例えば20回以上)の場合に、対応するレコードを消去する。これにより、自宅、勤務先、定期的訪れる地点等は、所定時間以上の待機により、施設情報として取得されるが、一定数以上の蓄積により消去されることになる。これにより、音声認識の際の不要な要素を排除することが可能となる。
【0107】
図44は経過日に基づく消去処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は辞書DB157から対象とする施設名の検索日を読み出す(ステップS441)。なお、この検索日には、実施の形態4で述べた取得日が含まれる。CPU11は時計部18から日の情報を受け付ける(ステップS442)。CPU11は時計部18から受け付けた日から、検索日を減ずることにより経過日を算出する(ステップS443)。CPU11はこの算出した経過日が記憶部15に予め記憶した所定日以上であるか否かを判断する(ステップS444)。CPU11は所定日以上でないと判断した場合(ステップS444でNO)、古い検索IDとはいえないことから、処理を終了する。一方、CPU11は所定日以上であると判断した場合(ステップS444でYES)、古い検索IDであると判断し、対象となる施設日に対応する検索IDのレコードを消去する(ステップS445)。
【0108】
図45は取得回数に基づく消去処理の手順を示すフローチャートである。CPU11は辞書DB157から取得日フラグが記憶された施設名を読み出す(ステップS451)。CPU11は読み出した施設名を参照し、同一施設名を有するレコードの数を計数する(ステップS452)。CPU11は計数した値が記憶部15に予め記憶した所定値以上(例えば5以上)であるか否かを判断する(ステップS453)。CPU11は所定値以上でないと判断した場合(ステップS453でNO)、処理を終了する。一方、CPU11は所定値以上であると判断した場合(ステップS453でYES)、同一施設名のレコードを辞書DB157から消去する(ステップS454)。
【0109】
本実施の形態9は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至8と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0110】
実施の形態10
図46は実施の形態10に係るカーナビゲーション装置1を示すブロック図である。実施の形態1乃至実施の形態10に係るカーナビゲーション装置1を動作させるためのプログラムは、本実施の形態10のように、記録媒体読み取り装置(図示せず)にCD−ROM、または、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体1Aを読み取らせて記憶部15に記憶しても良い。また、当該プログラムは、通信網Nを介して接続される他のコンピュータ(図示せず)からダウンロードすることも可能である。以下に、その内容を説明する。
【0111】
図46に示すカーナビゲーション装置1は、検索対象及び検索日を記憶等させるプログラムを、記録媒体1Aによりまたは接続された通信モジュール(図示せず)を介して他のコンピュータ(図示せず)からダウンロードする。当該プログラムは、記憶部15の制御プログラム15Pとしてインストールされ、RAM12にロードして実行される。これにより、上述したカーナビゲーション装置1として機能する。
【0112】
本実施の形態10は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至9と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0113】
以上の実施の形態1乃至10を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0114】
(付記1)
情報の検索を行う検索装置において、
検索により得られた検索対象及び検索日を記憶部に記憶する履歴記憶手段と、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記記憶部に記憶する関連記憶手段と、
前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更手段と、
音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を受け付ける受け付け手段と、
前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする検索装置。
【0115】
(付記2)
前記変更手段は、
前記記憶部に記憶した検索日及び前記時計部から出力される日に基づき定まる前記検索日からの経過日に関する経過情報を出力する出力手段と、
経過情報に対応して複数の日検索用語を前記記憶部に記憶する手段と、
前記出力手段により出力した経過情報に対応する日検索用語を前記記憶部から読み出す読み出し手段と、
前記記憶部に記憶した日検索用語を、前記読み出し手段により読み出した日検索用語に変更する用語変更手段と
を備えることを特徴とする付記1に記載の検索装置。
【0116】
(付記3)
前記抽出手段により検索対象が複数抽出された場合、前記記憶部に記憶された各検索対象の検索日を出力する手段
を備えることを特徴とする付記1に記載の検索装置。
【0117】
(付記4)
前記抽出手段により検索対象が複数抽出された場合、前記記憶部に記憶された各検索対象の検索日、及び、各検索対象の属性を出力する手段
を備えることを特徴とする付記1に記載の検索装置。
【0118】
(付記5)
前記変更手段は、
前記記憶部に記憶した検索日及び前記時計部から出力される日に基づき定まる前記検索日からの経過日に関する経過情報を出力する出力手段と、
経過情報に対応して複数の日検索用語を前記記憶部に記憶する手段と、
経過情報及び検索日に対応して、関連する異なる日に関する文言を記憶した関連ファイルと、
前記出力手段により出力した経過情報及び前記記憶部に記憶した検索日に基づき、関連する異なる日に関する文言を前記関連ファイルから読み出す手段と、
該手段により読み出した異なる日に関する文言を前記出力手段により出力した経過情報に追加する手段と、
該手段により異なる日に関する文言を追加した経過情報に対応する日検索用語を前記記憶部から読み出す読み出し手段と、
前記記憶部に記憶した日検索用語を、前記読み出し手段により読み出した日検索用語に変更する用語変更手段と
を備えることを特徴とする付記1に記載の検索装置。
【0119】
(付記6)
前記検索対象は施設情報であり、
所定時間以上待機した地点の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
施設情報及び位置情報を記憶した施設データベースから、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に対応する施設情報を読み出す施設情報読み出し手段とを備え、
前記履歴記憶手段は、
検索により得られた施設情報及び検索日、並びに、前記施設情報読み出し手段により読み出した施設情報及び前記位置情報取得手段により位置情報を取得した際の取得日を記憶部に記憶する
ことを特徴とする付記1に記載の検索装置。
【0120】
(付記7)
前記施設データベースから、施設情報の近傍に存在する近傍施設情報を抽出する近傍抽出手段を備え、
前記関連記憶手段は、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記施設情報及び属性として前記近傍抽出手段により抽出した近傍施設情報を関連づけて前記記憶部に記憶する
ことを特徴とする付記6に記載の検索装置。
【0121】
(付記8)
前記施設データベースから、施設情報の近傍に存在する近傍施設情報を抽出する近傍抽出手段を備え、
前記関連記憶手段は、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、前記近傍抽出手段により抽出した近傍施設情報に関する文言を含む近傍検索用語、並びに、前記施設情報及び属性を関連づけて前記記憶部に記憶し、
前記受け付け手段は、
音声により入力された日検索用語、近傍検索用語、及び、前記施設情報または属性を受け付け、
前記抽出手段は、
前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、近傍検索用語、施設情報及び属性を参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、近傍検索用語、及び、施設情報または属性に対応する施設情報を抽出する
ことを特徴とする付記6に記載の検索装置。
【0122】
(付記9)
道路情報を記憶した道路データベースから、施設情報の近傍に存在する道路情報を抽出する道路抽出手段を備え、
前記関連記憶手段は、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、前記道路抽出手段により抽出した道路情報に関する文言を含む道路検索用語、並びに、前記施設情報及び属性を関連づけて前記記憶部に記憶し、
前記受け付け手段は、
音声により入力された日検索用語、道路検索用語、及び、前記施設情報または属性を受け付け、
前記抽出手段は、
前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、道路検索用語、施設情報及び属性を参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、道路検索用語、及び、施設情報または属性に対応する施設情報を抽出する
ことを特徴とする付記6に記載の検索装置。
【0123】
(付記10)
前記履歴記憶手段により記憶部に記憶された施設情報と同一の施設情報を計数する計数手段と、
該計数手段により計数した回数に基づく重みを施設情報に対応づけて記憶する重み記憶手段とを備え、
前記抽出手段は、
前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、施設情報及び属性、並びに、前記重み記憶手段により記憶した前記施設情報に対応する重みを参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、及び、施設情報または属性に対応する施設情報を抽出する
ことを特徴とする付記6に記載の検索装置。
【0124】
(付記11)
検索により得られた施設情報に対する重み、及び、該重みより小さい値であり前記施設情報読み出し手段により読み出した施設情報に対する重みを記憶する重み記憶手段を備え、
前記抽出手段は、
前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、施設情報及び属性、並びに、前記重み記憶手段により記憶した前記施設情報に対応する重みを参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、及び、施設情報または属性に対応する施設情報を抽出する
ことを特徴とする付記6に記載の検索装置。
【0125】
(付記12)
前記抽出手段により抽出した施設情報の抽出回数を計数する抽出回数計数手段を備え、
前記重み記憶手段は、
前記計数手段により計数した回数及び前記抽出回数計数手段により計数した抽出回数に基づく重みを施設情報に対応づけて記憶する
ことを特徴とする付記10に記載の検索装置。
【0126】
(付記13)
前記記憶部に記憶した施設情報に対応する検索日または取得日、及び、前記時計部から出力される日に基づき経過日を出力する経過出力手段と、
該経過出力手段により出力した経過日が所定日以上の場合に、前記記憶部に記憶した前記施設情報を消去する手段と
を備えることを特徴とする付記12に記載の検索装置。
【0127】
(付記14)
前記施設情報読み出し手段により読み出した施設情報の読み出し回数を計数する読み出し回数計数手段と、
該読み出し回数計数手段により計数した読み出し回数が所定値以上の場合に、前記記憶部に記憶した前記施設情報を消去する手段と
を備えることを特徴とする付記13に記載の検索装置。
【0128】
(付記15)
制御部を有する検索装置を用いて情報の検索を行う検索方法において、
検索により得られた検索対象及び検索日を前記制御部により記憶部に記憶する履歴記憶ステップと、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記制御部により前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記制御部により前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更ステップと、
音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、
前記記憶部に記憶した、前記変更ステップによる変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付けステップにより受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を前記制御部により抽出する抽出ステップと
を備えることを特徴とする検索方法。
【0129】
(付記16)
制御部を有するコンピュータに情報の検索を実行させるプログラムにおいて、
コンピュータに、
検索により得られた検索対象及び検索日を前記制御部により記憶部に記憶する履歴記憶ステップと、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記制御部により前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記制御部により前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更ステップと、
音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、
前記記憶部に記憶した、前記変更ステップによる変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付けステップにより受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を前記制御部により抽出する抽出ステップと
を実行させるプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】情報検索システムの概要を示す説明図である。
【図2】カーナビゲーション装置のハードウェア群を示すブロック図である。
【図3】施設DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図4】履歴ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図5】日検索用語ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図6】カレンダーファイルの概要を説明するための説明図である。
【図7】1日後に生成される文法を示す説明図である。
【図8】2日後に生成される文法を示す説明図である。
【図9】辞書DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図10】文法生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】変更処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】変更処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】変更処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】抽出結果の表示イメージを示す説明図である。
【図15】実施の形態2に係る辞書DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図16】実施の形態2に係る抽出結果の表示イメージを示す説明図である。
【図17】出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態3に係るカーナビゲーション装置のハードウェア群を示すブロック図である。
【図19】関連ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図20】経過情報の拡大処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】実施の形態4に係るカーナビゲーション装置のハードウェア群を示すブロック図である。
【図22】実施の形態4に係る履歴ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図23】施設情報の取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態5に係る施設DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図25】実施の形態5に係る辞書DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図26】1日後に生成される文法を示す説明図である。
【図27】近傍施設情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態6に係る辞書DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図29】実施の形態6に係るカーナビゲーション装置のハードウェア群を示すブロック図である。
【図30】近傍検索用語ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図31】1日後に生成される文法を示す説明図である。
【図32】近傍施設情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図33】近傍施設情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】実施の形態7に係る施設DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図35】実施の形態7に係る辞書DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図36】実施の形態7に係るカーナビゲーション装置のハードウェア群を示すブロック図である。
【図37】道路検索用語ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図38】1日後に生成される文法を示す説明図である。
【図39】道路情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図40】道路情報の抽出処理及び検索IDの抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図41】実施の形態8に係る辞書DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図42】重み決定処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図43】重み決定処理及び抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図44】経過日に基づく消去処理の手順を示すフローチャートである。
【図45】取得回数に基づく消去処理の手順を示すフローチャートである。
【図46】実施の形態10に係るカーナビゲーション装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0131】
1 カーナビゲーション装置
1A 記録媒体
2 サーバコンピュータ
11 CPU
12 RAM
13 入力部
14 表示部
15 記憶部
15P 制御プログラム
16 通信部
18 時計部
19 スピーカ
110 マイク
111 GPS受信機
112 自立航法用センサ
31 エンジン始動部
32 ドア開閉センサ
100 日ユニット
150 近傍ユニット
151 地図DB
152 道路DB
153 音声認識プログラム
154 施設DB
155 履歴ファイル
156 日検索用語ファイル
157 辞書DB
158 カレンダーファイル
159 経路探索プログラム
160 道路ユニット
200 施設ユニット
1120 車速センサ
1510 関連ファイル
1511 近傍検索用語ファイル
1512 道路検索用語ファイル
N 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の検索を行う検索装置において、
検索により得られた検索対象及び検索日を記憶部に記憶する履歴記憶手段と、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記記憶部に記憶する関連記憶手段と、
前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更手段と、
音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を受け付ける受け付け手段と、
前記記憶部に記憶した、前記変更手段による変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付け手段により受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記記憶部に記憶した検索日及び前記時計部から出力される日に基づき定まる前記検索日からの経過日に関する経過情報を出力する出力手段と、
経過情報に対応して複数の日検索用語を前記記憶部に記憶する手段と、
前記出力手段により出力した経過情報に対応する日検索用語を前記記憶部から読み出す読み出し手段と、
前記記憶部に記憶した日検索用語を、前記読み出し手段により読み出した日検索用語に変更する用語変更手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記抽出手段により検索対象が複数抽出された場合、前記記憶部に記憶された各検索対象の検索日を出力する手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項4】
前記抽出手段により検索対象が複数抽出された場合、前記記憶部に記憶された各検索対象の検索日、及び、各検索対象の属性を出力する手段
を備えることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項5】
前記検索対象は施設情報であり、
所定時間以上待機した地点の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
施設情報及び位置情報を記憶した施設データベースから、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に対応する施設情報を読み出す施設情報読み出し手段とを備え、
前記履歴記憶手段は、
検索により得られた施設情報及び検索日、並びに、前記施設情報読み出し手段により読み出した施設情報及び前記位置情報取得手段により位置情報を取得した際の取得日を記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項6】
制御部を有する検索装置を用いて情報の検索を行う検索方法において、
検索により得られた検索対象及び検索日を前記制御部により記憶部に記憶する履歴記憶ステップと、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記制御部により前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記制御部により前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更ステップと、
音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、
前記記憶部に記憶した、前記変更ステップによる変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付けステップにより受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を前記制御部により抽出する抽出ステップと
を備えることを特徴とする検索方法。
【請求項7】
制御部を有するコンピュータに情報の検索を実行させるプログラムにおいて、
コンピュータに、
検索により得られた検索対象及び検索日を前記制御部により記憶部に記憶する履歴記憶ステップと、
複数の日に関する文言を含む日検索用語、並びに、前記検索対象及び該検索対象の属性を関連づけて前記制御部により前記記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記記憶部に記憶した検索日及び時計部から出力される日に基づき、前記制御部により前記記憶部に記憶した日検索用語を変更する変更ステップと、
音声により入力された日検索用語、及び、前記検索対象または属性を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、
前記記憶部に記憶した、前記変更ステップによる変更後の日検索用語、検索対象及び属性を参照し、前記受け付けステップにより受け付けた日検索用語、及び、検索対象または属性に対応する検索対象を前記制御部により抽出する抽出ステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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