説明

検針支援装置、検針支援システム及び検針支援方法

【課題】エネルギー消費量の検針を確実に行うことができるようにする。
【解決手段】電力量測定装置20は、電力量計10に接続されるシリアル通信インタフェース23と電極21とを備えるようにする。また、電力測定装置20は、シリアル通信インタフェース23を介して電力量計10から電力量を取得する電力量取得部と、電極21に人体5が接触された場合に人体5を介してデータログ装置30との間で通信を行う人体通信部210と、人体通信部210を介して検針データをデータログ装置30に送信する検針データ送信部215とを備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検針支援装置、検針支援システム及び検針支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力量計などの計測器を検針する場合には、検針員が計測器を目視して検針値を携帯端末に入力していた。近年では検針員が計測器の設置場所まで出向くことなく、通信回線を利用して遠隔地から検針結果を取得する自動検針装置が利用されることもある。特許文献1には、アナログ回線とデジタル回線との両方に対応することができる自動検針装置が提案されている。
【特許文献1】特開2003−242582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、電力の供給先毎に設置されている電力量計毎にアナログ又はデジタルの公衆回線を接続する必要があるため、回線の敷設に手間がかかる。
【0004】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、エネルギー消費量の検針を確実に行うことのできる検針支援装置、検針支援システム、及び検針支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明のうち請求項1に記載の発明は、検針支援装置であって、エネルギー消費量の計測器に接続される計測器インタフェースと、前記計測器インタフェースを介して前記計測器から前記エネルギー消費量を取得するエネルギー消費量取得部と、前記エネルギー消費量の検針員の人体に接触された場合に前記人体を介して前記検針員が携帯する携帯端末との間の通信を行う人体通信インタフェースと、前記計測器から取得した前記エネルギー消費量を前記人体通信インタフェースを介して前記携帯端末に送信するエネルギー消費量送信部と、を備えることとする。
本発明の検針支援装置によれば、検針員は、検針員の人体を介して自動的に計測器からのエネルギー消費量を携帯端末に取り込むことができる。したがって、検針員による検針値の入力作業を省略することができる。よって、検針にかかる検針員の作業時間を短縮することが可能となり、さらには検針員の入力ミスや測定値の見誤りなどを回避することができる。
【0006】
また、本発明の検針支援装置によれば、公衆電話回線などの通信回線を用いることなく、エネルギー量を自動的に携帯端末に取り込むことができる。したがって、通信回線を敷設するコストをかけないで済むため、安価に実現可能である。
【0007】
また、本発明の検針支援装置では、検針員の人体を介した通信を行うため、エネルギー消費量が漏洩するリスクを低減することができる。したがって、エネルギーの需要家の個人情報であるエネルギー消費量をより安全に取り扱うことができる。
【0008】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検針支援装置であって、前記計測器インタフェースは、RS232C又はRS485の規格に従って前記計測器との間で通信を行うインタフェースであることとする。
この場合、検針支援装置は測定器と別体として、RS232CやRS485などの規格に従ってケーブルを介して電力量計10から検針値を取り込むことができる。したがって、測定器からケーブルを延ばし、検針支援装置を測定器から離して設置することも可能である。よって、例えば、測定器の設置場所が狭く、検針員が直接測定器の表示を目視できないような場合であっても、検針支援装置のみを検針員の手の届く範囲に設置することにより、確実な検針を行うことができる。
【0009】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の検針支援装置であって、前記携帯端末を認証するための認証情報を記憶する認証情報記憶部と、前記認証情報に基づいて前記人体インタフェースを介して接続された前記携帯端末を認証する認証部と、を備え、前記エネルギー消費量送信部は、前記携帯端末の認証に成功した場合に、前記エネルギー消費量を前記携帯端末に送信することとする。
この場合、エネルギー消費量の送信に先立って検針員の認証を行うことができるので、より安全にエネルギーの需要家に関する情報であるエネルギー消費量を取り扱うことができる。
【0010】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の検針支援装置であって、エネルギーの消費者を特定する消費者IDを記憶する消費者ID記憶部を備え、前記エネルギー消費量送信部は、前記消費者IDを付帯させて前記エネルギー消費量を前記携帯端末に送信することとする。
【0011】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の検針支援装置であって、前記検針支援部は、前記エネルギーが消費された時間帯毎に前記エネルギー消費量を取得し、前記エネルギー消費量送信部は、前記時間帯のそれぞれについて、前記時間帯を示す情報を付帯させて前記エネルギー消費量を前記携帯端末に送信することとする。
【0012】
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、エネルギー消費量の検針を支援するシステムであって、前記エネルギー消費量の計測器から前記エネルギー消費量を取得する検針支援装置と、前記エネルギー消費量の検針員が使用する携帯端末と、を含んで構成され、前記検針支援装置は、前記計測器に接続される計測器インタフェースと、前記計測器インタフェースを介して前記計測器から前記エネルギー消費量を取得する検針支援部と、前記検針員の人体に接触された場合に前記人体を介して前記携帯端末との間の通信を行う人体通信インタフェースと、前記計測器から取得した前記消費量を前記人体通信インタフェースを介して前記携帯端末に送信するエネルギー消費量送信部と、を備え、前記携帯端末は、前記人体を介して前記検針支援装置との間の通信を行う人体通信インタフェースと、前記人体通信インタフェースを介して前記検針支援装置から送信される前記消費量を受信するエネルギー消費量受信部と、受信した前記エネルギー消費量を記憶するエネルギー消費量記憶部と、を備えることとする。
【0013】
本発明の検針支援システムによれば、検針値を自動的に携帯端末に取り込むことができるので、検針員の入力ミスや測定値の見誤りを低減することができる。
また、検針員の人体を介した通信を行うため、エネルギー消費量が漏洩するリスクを低減することができる。したがって、エネルギーの需要家の個人情報であるエネルギー消費量をより安全に取り扱うことができる。
また、検針員が実際に計測器の場所まで出向き、計測器を目視して検針値を確認することができる。よって、確実な検針を行うことができる。
【0014】
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の検針支援システムであって、前記携帯端末は、印刷装置と、前記検針支援装置から受信する前記消費量を前記印刷装置に出力するエネルギー消費量印刷部と、を備えることとする。
この場合、検針員は、携帯端末を用いてその場でエネルギー消費量の印刷を行うことができる。したがって、検針員は、携帯端末40から出力された印刷物を、直接需要家に手渡したり、需要家宅のポストに投函したりすることができる。
【0015】
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の検針支援システムであって、前記携帯端末は、表示装置と、前記検針支援装置から受信する前記消費量を前記表示装置に表示するエネルギー消費量表示部と、を備えることとする。
この場合、検針員は、計測器の表示と、携帯端末で取得した値とを比較して確認することができる。よって、より確実な検針を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エネルギー消費量の検針を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
==全体構成==
図1は、本発明の一実施形態に係る検針支援システムの全体構成を示す図である。同図に示すように、本実施形態の検針支援システムは、電力量計10が計測した電力量の検針値を含むデータ(以下、検針データという。)を取得する検針値取得装置20、検針員が装着するデータログ装置30、及び検針員の携帯端末40を含んで構成されている。本実施形態の検針支援システムは、検針員が電力量計10の設置場所まで出向いて行う検針業務を支援するシステムである。
【0018】
検針値取得装置20(本発明の検針支援装置に対応する。)は電極21を備えており、検針員の人体5が電極21に触れている間は、検針値取得装置20とデータログ装置30(本発明の携帯端末に対応する。)との間で人体5を介したデータ通信(以下、人体通信という。)を行うことが可能となっている。同様に、検針員の携帯端末40にも電極41が備えられており、検針員の人体5が電極41に触れている間、携帯端末40とデータログ装置30との間で人体通信を行うことが可能となっている。本実施形態では、検針員が検針値取得装置20の電極41を触れることで、検針値取得装置20からデータログ装置30に検針データが転送され、続いて検針員が携帯端末40の電極41を触れることで、データログ装置30から携帯端末40に検針データが転送される。このようにして、データログ装置30を介して、検針値取得装置20から携帯端末40に検針データが自動的に収集されるようにしている。
【0019】
なお、上記のような人体通信には、既存の技術(例えば、松下電工株式会社が提供するタッチ通信システム、URL:http://mew.co.jp/press/0409/0409-3.htmや、特開2004−260800号公報を参照)を利用することができる。
【0020】
==検針値取得装置==
図2は、検針値取得装置20のハードウェア構成を示す図である。検針値取得装置20は、電極21、送受信回路22、シリアル通信インタフェース23、CPU201、メモリ202、記憶装置203を備えている。
【0021】
記憶装置203はプログラムやデータを記憶する、例えば、フラッシュメモリやNVRAM、ハードディスクドライブなどである。CPU201は記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。送受信回路22は、電極21に触れた人体5を介して他の装置との間での人体通信を行う回路である。シリアル通信インタフェース23は、例えば、RS232CやRS485などの規格に従って電力量計10と接続するためのインタフェースである。
【0022】
図3は、検針値取得装置20のソフトウェア構成を示す図である。検針値取得装置20は、人体通信部210、人体接触検知部211、検針員番号取得部212、認証部213、検針データ作成部214、検針データ送信部215、検針値取得部216、検針予定者記憶部25、機器番号記憶部26を備えている。
【0023】
人体接触検知部211は、電極21に人体5が接触したことを検知する。人体通信部210は、検針員の人体5を介して他の装置との間で通信を行う。検針員番号取得部212は、人体通信部210を介してデータログ装置30にアクセスし、データログ装置30に記憶されている、そのデータログ装置30を装着している検針員に割り当てられている識別情報(以下、検針員番号という。)を取得する。
【0024】
検針予定者記憶部25(本発明の認証情報記憶部に対応する。)は、電力量計10の検針を行う予定の検針員の検針員番号(本発明の認証情報に対応する。)を記憶する。認証部213は、人体5を介して通信可能となったデータログ装置30の認証を行う。本実施形態では、検針員番号取得部212が取得した検針員番号が、検針予定者記憶部25に記憶されているかどうかにより、データログ装置30の認証を行う。認証部213による検針員の認証に成功すると、検針値取得部216は電力量計10から時間帯別の電力量の検針値を取得する。機器番号記憶部26には、検針値取得装置20に割り当てられている識別情報(以下、機器番号という。)を記憶している。
【0025】
検針データ作成部214は、検針値取得部216が取得した時間帯別の検針値に、機器番号と、現在の日時とを付帯させて検針データを作成する。ここで作成される検針データの一例を図4に示す。同図に示すように、検針データには、機器番号、検針日時、時間帯、検針値が含まれている。時間帯は、電力が消費された時間帯を示す。時間帯としては、例えば、「昼間」や「深夜」などがある。なお、検針値は、電力量計10が設置されてから通算の電力量であってもよいし、前回の検針日時から現在日時までの間に消費された電力量であってもよい。検針データ送信部215は、人体通信部210を介して、検針データ作成部214が作成した検針データをデータログ装置30に送信する。
【0026】
==データログ装置==
図5は、データログ装置30のハードウェア構成を示す図である。データログ装置30は、電極31、送受信回路32、フラッシュメモリ33、圧電ブザー34を備えている。電極31は検針員の人体が接触する部分である。送受信回路32は、電極31に触れた人体5を介して他の装置との間での人体通信を行う回路である。
【0027】
図6は、データログ装置30の機能ブロック図である。データログ装置30は、人体通信部310、検針員番号送信部311、検針データ受信部312、検針データ送信部313、報知部314、検針員番号記憶部35、検針データ記憶部36を備えている。
【0028】
人体通信部310は、検針員の人体5を介して他の装置との間で通信を行う。検針員番号送信部311は、検針員番号記憶部35に記憶されている検針員番号を人体通信部310を介して検針値取得装置20や携帯端末40に送信する。検針員番号記憶部35は、データログ装置30を装着する検針員に割り当てられている検針員番号を記憶する。検針データ受信部312は、人体通信部310を介して検針値取得装置20から検針データを受信し、受信した検針データを検針データ記憶部36に記憶する。検針データ送信部313は、検針データ記憶部36に記憶されている検針データを読み出し、読み出した検針データを人体通信部310を介して携帯端末40に送信する。報知部314は、検針データ受信部312が検針データを受信して検針データ記憶部36に記憶したときや、検針データ送信部313が検針データを携帯端末40に送信したときに、圧電ブザー34を作動させ、検針データの送受信が完了した旨を検針員に報知する。
【0029】
なお、上記人体通信部310、検針データ受信部312、検針データ送信部313、及び報知部314は、送受信回路32の動作により実現される。また、検針員番号記憶部35及び検針データ記憶部36は、フラッシュメモリ33が提供する記憶領域として実現される。
【0030】
==携帯端末==
図7は、携帯端末40のハードウェア構成を示す図である。携帯端末40は、電極41、送受信回路42、CPU401、メモリ402、記憶装置403、タッチパネルディスプレイ404、プリンタ405を備えている。記憶装置403は、プログラムやデータを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどである。CPU401は記憶装置403に記憶されているプログラムをメモリ402に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。送受信回路42は、電極41に触れた人体5を介して他の装置との間での人体通信を行う回路である。
【0031】
図8は、携帯端末40のソフトウェア構成を示す図である。携帯端末40は、人体通信部410、人体接触検知部411、検針データ取得部412、検針データ出力部413、検針データ記憶部45を備えている。
【0032】
人体接触検知部411は、電極41に人体5が接触したことを検知する。人体通信部410は、検針員の人体5を介して他の装置との間で人体通信を行う。検針データ取得部412は、人体通信部410を介して、データログ装置30から送信される検針データを受信し、受信した検針データを検針データ記憶部45に記憶する。検針データ出力部413は、検針データ記憶部45に記憶された検針データをタッチパネルディスプレイ404やプリンタ405に出力する。
【0033】
なお、上記人体通信部410及び人体接触検知部411は携帯端末40が備える送受信回路42により実現される。検針データ取得部412及び検針データ出力部413は、CPU401が記憶装置403に記憶されているプログラムをメモリ402に読み出して実行することにより実現される。また、検針データ記憶部45は、メモリ402や記憶装置403が提供する記憶領域として実現される。
【0034】
==処理==
次に、検針員が電力量計10の検針を行う場合における本実施形態の検針支援システムの処理について説明する。図9に本実施形態の検針支援システムによる上記の処理の流れを示す。
【0035】
検針値取得装置20は、検針員の人体5が電極21に触れたことを検知すると(S501)、人体5を介した人体通信によりデータログ装置30から検針員番号を取得する(S502)。検針値取得装置20は、データログ装置30から取得した検針員番号が、検針予定者記憶部25に記憶されているかどうかにより、検針員の認証を行う(S503)。検針員の認証に成功すると、検針値取得装置20は、電力量計10から時間帯別の電力量を取得する(S504)。検針値取得装置20は、電力量計10から取得した時間帯別の電力量のそれぞれに、機器番号と、現在の日時とを付帯させた検針データを作成し、作成した検針データをデータログ装置30に送信する(S505)。
【0036】
データログ装置30は、検針値取得装置20から送信される検針データを受信すると、受信した検針データを検針データ記憶部36に記憶し(S506)、圧電ブザー34を作動させて、検針データを記憶した旨を検針員に報知する(S507)。
【0037】
上記のようにして、検針員の人体5が検針値取得装置20の電極21に触れた場合に検針値取得装置20が電力量計10から取得した電力量を含む検針データがデータログ装置30に取り込まれる。
【0038】
続いて検針員が携帯端末40の電極41に触れると、携帯端末40は、検針員の人体5が電極41に触れたことを検知し(S521)、人体5を介した人体通信によりデータログ装置30にアクセスする。データログ装置30は、携帯端末40からのアクセスに応じて、検針データを携帯端末40に送信し(S522)、圧電ブザー34を作動させて、検針データを送出した旨を検針員に報知する(S523)。
【0039】
一方携帯端末40は、受信した検針データを検針データ記憶部45に記憶し、検針データ記憶部45に記憶した検針データを、タッチパネルディスプレイ404に表示する(S524)。また、携帯端末40は、検針員の操作に応じて、検針データを所定の様式でプリンタ405から出力する(S525)。
【0040】
このようにして、本実施形態の検針支援システムを用いて検針を行う場合において、検針員は、検針員の人体5を検針値取得装置20及び携帯端末40のそれぞれの電極に触れることにより、自動的に電力量計10からの検針値を携帯端末40に取り込むことができる。すなわち、検針員が検針値取得装置20の電極21及び携帯端末40の電極41のそれぞれを触るだけで、電力量計10の検針値を検針員の携帯端末40に取り込むことができる。したがって、検針員による検針値の入力作業を省略することができる。よって、検針にかかる検針員の作業時間を短縮することが可能となり、さらには検針員の入力ミスや電力量計10の検針値の見誤りなどを防止することができる。
【0041】
また、検針員は携帯端末40から出力される検針データと、電力量計10に表示されている検針値とを目視により確認することで、より確実な検針を行うことができる。
【0042】
また、本実施形態の検針支援システムでは、検針値取得装置20を公衆電話回線などの通信回線に接続させることなく、電力量を自動的に検針できる。したがって、通信回線を敷設するコストをかけないで済むため、安価に実現可能である。
【0043】
また、検針値取得装置20は電力量計10と別体として、RS232CやRS485などの規格に従ってケーブルを介して電力量計10から検針値を取り込むことができる。したがって、電力量計10からケーブルを延ばして検針値取得装置20を電力量計10から離して設置することも可能である。よって、例えば、電力量計10の設置場所が狭く、検針員が直接電力量計10の表示を目視できないような場合であっても、検針値取得装置20のみを検針員の手の届く範囲に設置することにより、確実な検針を行うことができる。なお、RS232CやRS485の規格に限らず、各種の規格により電力量計10から出力される検針値を取得するようにしてもよい。例えば、イーサネット(登録商標)による通信を行うようにしてもよい。
【0044】
また、本実施形態の検針支援システムでは、検針員が直接検針値取得装置20に触れ、検針員の人体5を介した通信を行うため、無線通信等に比べて検針データが漏洩するリスクを低減することができる。したがって、電力需要家の個人情報をより安全に取り扱うことができる。
【0045】
さらに、電力量計10が設置されている場所まで検針員が直接出向いているため、検針員は、携帯端末40を用いてその場で検針データの印刷を行うことができる。したがって、検針員は、携帯端末40から出力された印刷物を、直接需要家に手渡したり、需要家宅のポストに投函したりすることができる。
【0046】
また、本実施形態のデータログ装置30では、検針データが記憶されたとき、及び検針データが出力されたときにブザーによりその旨を検針員に報知するようにしているので、検針員は人体5を電極から離すタイミングを掴みやすい。したがって、検針データの転送中に検針員が電極から人体5を離してしまうことを防止し、確実に検針を行うようにすることができる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0048】
例えば、本実施形態では、時間帯別の検針値が電力量計10から出力されるものとしたが、もちろん時間帯の情報を伴わない検針値が出力されるようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、検針値取得装置20は、検針員の人体5が電極21に触れたことを検知したタイミングで、電力量計10から検針値を取得するものとしたが、これに限らず、任意のタイミングで検針値を取得して、メモリなどに記憶するようにしてもよい。例えば、検針値取得装置20は、定期的に検針値を取得するようにして、定期的な検針値の履歴を送出するようにしてもよい。この場合、検針員が訪問するタイミングにかかわらず、一定の期間における電力量の検針を行うことが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、データログ装置30を介して検針値取得装置20から出力される検針データが携帯端末40に取り込まれるようにしたが、これに限らず、携帯端末40を検針員の人体5に常時接触するようにしておき、検針値取得装置20から直接携帯端末40に検針データを送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末40が本発明の携帯端末に対応することになる。
【0051】
また、本実施形態では、電力の消費量を測定する電力量計10の検針値を検針するものとしたが、その他ガスや水道などの各種エネルギーの使用量の検針に容易に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る検針支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】検針値取得装置20のハードウェア構成を示す図である。
【図3】検針値取得装置20のソフトウェア構成を示す図である。
【図4】検針データの一例を示す図である。
【図5】データログ装置30のハードウェア構成を示す図である。
【図6】データログ装置30の機能ブロック図である。
【図7】携帯端末40のハードウェア構成を示す図である。
【図8】携帯端末40のソフトウェア構成を示す図である。
【図9】検針員が電力量計10の検針を行う場合における検針支援システムの処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0053】
5 人体 10 電力量計
20 検針値取得装置 21 電極
22 送受信回路 23 シリアル通信インタフェース
25 検針予定者記憶部 26 機器番号記憶部
201 CPU 202 メモリ
203 記憶装置 210 人体通信部
211 人体接触検知部 212 検針員番号取得部
213 認証部 214 検針データ作成部
215 検針データ送信部 216 検針値取得部
30 データログ装置 31 電極
32 送受信回路 33 フラッシュメモリ
34 圧電ブザー 35 検針員番号記憶部
36 検針データ記憶部 310 人体通信部
311 検針員番号送信部 312 検針データ受信部
313 検針データ送信部 314 報知部
40 携帯端末 41 電極
42 送受信回路 45 検針データ記憶部
401 CPU 402 メモリ
403 記憶装置 404 タッチパネルディスプレイ
405 プリンタ 410 人体通信部
411 人体接触検知部 412 検針データ取得部
413 検針データ出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー消費量の計測器に接続される計測器インタフェースと、
前記計測器インタフェースを介して前記計測器から前記エネルギー消費量を取得するエネルギー消費量取得部と、
前記エネルギー消費量の検針員の人体に接触された場合に前記人体を介して前記検針員が携帯する携帯端末との間の通信を行う人体通信インタフェースと、
前記計測器から取得した前記エネルギー消費量を前記人体通信インタフェースを介して前記携帯端末に送信するエネルギー消費量送信部と、
を備えることを特徴とする検針支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検針支援装置であって、
前記計測器インタフェースは、RS232C又はRS485の規格に従って前記計測器との間で通信を行うインタフェースであること、
を特徴とする検針支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検針支援装置であって、
前記携帯端末を認証するための認証情報を記憶する認証情報記憶部と、
前記認証情報に基づいて前記人体インタフェースを介して接続された前記携帯端末を認証する認証部と、
を備え、
前記エネルギー消費量送信部は、前記携帯端末の認証に成功した場合に、前記エネルギー消費量を前記携帯端末に送信すること、
を特徴とする検針支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の検針支援装置であって、
エネルギーの消費者を特定する消費者IDを記憶する消費者ID記憶部を備え、
前記エネルギー消費量送信部は、前記消費者IDを付帯させて前記エネルギー消費量を前記携帯端末に送信すること、
を特徴とする検針支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の検針支援装置であって、
前記エネルギー消費量取得部は、前記エネルギーが消費された時間帯毎に前記エネルギー消費量を取得し、
前記エネルギー消費量送信部は、前記時間帯のそれぞれについて、前記時間帯を示す情報を付帯させて前記エネルギー消費量を前記携帯端末に送信すること、
を特徴とする検針支援装置。
【請求項6】
エネルギー消費量の検針を支援するシステムであって、
前記エネルギー消費量の計測器から前記エネルギー消費量を取得する検針支援装置と、前記エネルギー消費量の検針員が使用する携帯端末と、を含んで構成され、
前記検針支援装置は、
前記計測器に接続される計測器インタフェースと、
前記計測器インタフェースを介して前記計測器から前記エネルギー消費量を取得する検針支援部と、
前記検針員の人体に接触された場合に前記人体を介して前記携帯端末との間の通信を行う人体通信インタフェースと、
前記計測器から取得した前記消費量を前記人体通信インタフェースを介して前記携帯端末に送信するエネルギー消費量送信部と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記人体を介して前記検針支援装置との間の通信を行う人体通信インタフェースと、
前記人体通信インタフェースを介して前記検針支援装置から送信される前記消費量を受信するエネルギー消費量受信部と、
受信した前記エネルギー消費量を記憶するエネルギー消費量記憶部と、
を備えること、
を特徴とする検針支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の検針支援システムであって、
前記携帯端末は、
印刷装置と、
前記検針支援装置から受信する前記消費量を前記印刷装置に出力するエネルギー消費量印刷部と、
を備えること、
を特徴とする検針支援システム。
【請求項8】
請求項6に記載の検針支援システムであって、
前記携帯端末は、
表示装置と、
前記検針支援装置から受信する前記消費量を前記表示装置に表示するエネルギー消費量表示部と、
を備えること、
を特徴とする検針支援システム。
【請求項9】
エネルギー消費量の計測器と接続する計測器インタフェースと、前記エネルギー消費量の検針員の人体に接触した場合に、前記人体を介して前記検針員が携帯する携帯端末との間の通信を行う人体通信インタフェースとを備えるコンピュータが、
前記計測器インタフェースを介して前記エネルギー消費量を取得し、
前記計測器から取得した前記エネルギー消費量を前記人体通信インタフェースを介して前記携帯端末に送信すること、
を特徴とする検針支援方法。
【請求項10】
エネルギー消費量の検針を支援する方法であって、
前記エネルギー消費量の計測器に接続される計測器インタフェースと、前記エネルギー消費量の検針員の人体に接触された場合に前記人体を介して前記検針員が携帯する携帯端末との間の通信を行う人体通信インタフェースとを備えるコンピュータが、
前記計測器インタフェースを介して前記計測器から前記エネルギー消費量を取得し、
前記計測器から取得した前記消費量を前記人体通信インタフェースを介して前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末が、
前記人体通信インタフェースを介して前記検針支援装置から送信される前記消費量を受信し、
受信した前記エネルギー消費量をメモリに記憶すること、
を特徴とする検針支援方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−140638(P2007−140638A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329995(P2005−329995)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】