説明

極細シールドケーブル及びこれを用いたハーネス

【課題】狭いスペースであっても容易にシールド層の端末処理が可能な極細シールドケーブルを提供する。
【解決手段】内部導体2の周囲に絶縁層3が形成された被覆線4の長手方向に沿って金属線からなる外部導体6が縦添えされ、被覆線4および外部導体6が共に撚り合わされた撚線5と、撚線5の周囲に設けられて被覆線4および外部導体6を一括して被覆するシールド層7と、シールド層7の周囲に設けられてシールド層7を被覆するジャケット8と、を備え、シールド層7は、圧延加工して形成された導電線条10が外部導体6に接するように螺旋状に巻回されて設けられているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に医療用に供される極細シールドケーブル及びこれを用いたハーネスに係り、特に、シールド部分の端末接続性が向上した極細シールドケーブル及びこれを用いたハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や胃カメラ、超音波内視鏡などの医療機器において信号伝送に使用されるケーブルには、例えば、内部導体と、該内部導体の周囲に設けられた絶縁層と、絶縁層の周囲に設けられたシールド層と、シールド層の周囲に設けられたジャケットとを備えたシールドケーブルが広範に用いられている。特に近年では、EMI(Electro Magnetic Interference)特性やSKEW(スキュー)特性といった電気特性や、携帯電話の端末接続部の省スペース化に伴う薄型化や内視鏡を飲み込む際の患者の苦痛を減らすための細径化が要求されるため、シールド部分であるシールド層に横巻シールドを適用した外径が0.3mm以下の極細シールドケーブルが用いられている。
【0003】
具体的には、図9,10に示すように、極細シールドケーブル90,100は、内部導体91を絶縁層92で被覆した1本又は複数本の被覆線93と、被覆線93の外周に設けられ、多数本の横巻素線94からなる横巻シールドで構成されたシールド層95と、シールド層95の外周に被覆されたジャケット96とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−28209号公報
【特許文献2】特開平10−247425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シールド層に横巻シールドを適用した従来の極細シールドケーブルは、その先端が例えば胃カメラや内視鏡の先端に設けられたCCDカメラ、内視鏡ヘッド、或いは血管内へ挿入されるカテーテルの先端などと接続される。このとき、機器側の接続部分のスペースが小さい(狭い)ため、外径が細い(外径25〜30μm程度)多数本(20〜30本程度)の横巻素線で構成されたシールド層の端末処理(機器側のグランド電極との接続)が難しいという問題がある。例えば、極細シールドケーブルを機器側に接続する際には、先端部分のジャケットおよびシールド層を段剥きして被覆線を突出させ、機器側の内部導体と接続される電極のピッチ間隔に合わせて被覆線に曲げなどを施してすることが多い。
【0006】
このとき、ジャケットから突出したシールド層は、機器側のグランド電極に接続されるが、シールド層を横巻シールドされたままの形状でグランド電極に載置して接続する場合、シールド層の先端部分の横巻素線が被覆線に突き刺さり、絶縁層を貫通して内部導体と接触し、ショートしてしまう問題が生じる虞がある。
【0007】
また、突出したシールド層を構成する多数本の横巻素線を束ねて、この束ねた横巻素線をグランド電極に載置して接続する場合、横巻素線を束ねるために、多数本の横巻素線を一旦ばらした後、巻き癖によって多方向にばらけた横巻素線を束ねるなどの作業が必要であり、手間や時間がかかる作業が生じるという問題がある。
【0008】
さらに、多数本の横巻素線の端末処理には大きなスペースが必要であるため、機器全体の細径化に適さない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、狭いスペースであっても容易にシールド層の端末処理が可能な極細シールドケーブル及びこれを用いたハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、内部導体の周囲に絶縁層が形成された被覆線の長手方向に沿って金属線からなる外部導体が縦添えされ、前記被覆線および前記外部導体が共に撚り合わされた撚線と、前記撚線の周囲に設けられて前記被覆線および前記外部導体を一括して被覆するシールド層と、前記シールド層の周囲に設けられて前記シールド層を被覆するジャケットと、を備え、前記シールド層は、圧延加工して形成された導電線条が前記外部導体に接するように螺旋状に巻回されて設けられている極細シールドケーブルである。
【0011】
請求項2の発明は、前記撚線は、前記被覆線が複数本並列に配置され、前記外部導体が前記被覆線の配列方向に対して垂直な方向に、前記被覆線に関して対称となるように複数本配置されて撚り合わせされている請求項1に記載の極細シールドケーブルである。
【0012】
請求項3の発明は、前記外部導体の外径が前記被覆線の外径の0.7倍であり、前記導電線条の厚さが前記外部導体の外径の1/10以上1/3以下である請求項1又は2に記載の極細シールドケーブルである。
【0013】
請求項4の発明は、前記絶縁層はふっ素樹脂からなり、前記ジャケットは接着層付プラスチックテープ又はふっ素樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の極細シールドケーブルである。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の極細シールドケーブルの両端部で、前記ジャケットから前記内部導体と前記シールド層とをそれぞれ突出させ、突出させた前記内部導体を、コネクタの前記内部導体と接続するための電極に接続すると共に、突出させた前記シールド層の前記導電線条を前記コネクタのグランド電極に接続するか、或いは前記外部導体を前記コネクタのグランド電極に接続したハーネスである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の極細シールドケーブルを複数本並列に配置してなるテープ状ケーブルの両端部で、前記ジャケットから前記内部導体と前記シールド層とをそれぞれ突出させ、突出させた前記内部導体を、コネクタの前記内部導体と接続するための電極に接続すると共に、突出させた前記シールド層の前記導電線条を前記コネクタのグランド電極に接続するか、或いは前記外部導体を前記コネクタのグランド電極に接続したハーネスである。
【0016】
請求項7の発明は、前記導電線条は、形状を変化させて前記コネクタの内部のスペースに維持させた請求項5又は6に記載のハーネスである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、狭いスペースであっても容易にシールド層の端末処理が可能な極細シールドケーブル及びこれを用いたハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る極細シールドケーブルを示す横断面図である。
【図2】図1の極細シールドケーブルの端末部を示す斜視図である。
【図3】図1の極細シールドケーブルと機器側との接続を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る極細シールドケーブルを示す横断面図である。
【図5】図4の極細シールドケーブルの端末部を示す斜視図である。
【図6】図1の極細シールドケーブルを用いたテープ状ケーブルを示す横断面図である。
【図7】図4の極細シールドケーブルを用いたテープ状ケーブルを示す横断面図である。
【図8】本発明の極細シールドケーブルを用いたハーネスを示す上面図である。
【図9】従来の2心の極細シールドケーブルを示す横断面図である。
【図10】従来の1心の極細シールドケーブルを示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る極細シールドケーブルを示す横断面図である。図2は、図1の極細シールドケーブルの端末部を示す斜視図である。
【0021】
図1,2に示すように、本実施の形態に係る極細シールドケーブル1は、内部導体2の周囲に絶縁層3が形成された被覆線4の長手方向に沿って金属線からなる外部導体6が縦添えされ、被覆線4および外部導体6が共に撚り合わされた撚線5と、撚線5の周囲に設けられて被覆線4および外部導体6を一括して被覆するシールド層7と、シールド層7の周囲に設けられてシールド層7を被覆するジャケット8と、を備える。この極細シールドケーブル1は、携帯電話、胃カメラ、カテーテルなどの機器の狭いスペースに配線されること、繰返し捻りを受けることなどから外径が0.3mm以下に形成される。
【0022】
内部導体2は複数の銅線9(例えば、銀めっき銅合金線)を撚り合わせてなる。銅線9としては、携帯電話のヒンジ部や胃カメラ、カテーテルの内部へ通すことを考慮すると、サイズは40AWG(7/0.028〜0.032)〜48AWG(7/0.011〜0.015)が望ましい。
【0023】
絶縁層3は、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)樹脂などのふっ素樹脂からなる。
【0024】
外部導体6は、例えば軟銅線などの金属線が1本で形成されるか、又は複数本撚り合わされて形成されてなる。外部導体6を被覆線4を挟むように対称に配置するのは、外部導体6で構成されるグランド線が対称に配置されることで2本のグランド線で機器を使用する際に発生するノイズを打ち消し合い、ノイズによる電気特性の低下を抑制するためである。外部導体6としては、錫めっき又は銀めっき銅線、或いは銅合金線の単線や撚線を用いるのが望ましい。
【0025】
また、外部導体6の外径は、被覆線4の外径の0.7倍の太さにするのが好ましい。これにより、図9に示した従来の極細シールドケーブル90で空間となっていた部分に外部導体6を隙間無く配置してケーブル形状を丸くすることができ、さらに従来の極細シールドケーブル90より外径が太くなることを防止できる。なお、被覆線4の外径は、極細シールドケーブル1の細径化、耐屈曲性などを考慮すると、0.07mm以上0.21mm以下が好ましい。
【0026】
撚線5は、被覆線4が複数本(図1,2では2本)並列に配置され、外部導体6が被覆線4の配列方向に対して垂直な方向に、被覆線4に関して対称となるように複数本(図1,2では2本)配置されて撚り合わせされている。すなわち、被覆線4の配列方向に対して垂直な方向であって隣り合う被覆線4同士が接する部分で1対の外部導体6が対向するように配置されて撚り合わされている。
【0027】
ジャケット8は、薄肉で且つ繰返し曲げに強い材料である、接着層付プラスチックテープ(ポリエステルテープ)を接着層が内側(撚線5側)となるようにラップ巻きして形成される。或いはふっ素樹脂(例えば、PFA、FEP、ETFE)を押出成形によってシールド層7を被覆するように押出被覆して形成される。
【0028】
さて、本実施の形態に係る極細シールドケーブル1では、シールド層7は、圧延加工して形成された導電線条10が外部導体6に接するように螺旋状に巻回されて設けられている。具体的には、シールド層7に、幅0.1〜0.4mm、厚さ0.06〜0.026mmの断面形状に圧延加工して形成された導電線条10を用いると共に、導電線条10を被覆線4と外部導体6との外周に導電線条10の側面(導電線条10の幅方向(図2では左右方向)に位置して対向する1対の面)同士が接するように突き合わせて螺旋状に巻回してシールド層7を形成している。
【0029】
このとき、シールド層7は、2本の外部導体6に接触するように巻回される。つまり、シールド層7の内周面の長手方向に沿って外部導体6が接触している状態となり、シールド層7と外部導体6とが一体となってシールドが形成され、従来と同等或いは従来より優れた電気特性が得られる。また、導電線条10は、従来の横巻シールドを形成する横巻素線より薄いため、耐屈曲性が向上する。
【0030】
なお、導電線条10は、極細シールドケーブル1の細径化を考慮して、重なり合わないように巻回される。このように導電線条10を重なり合わないように巻回すと、巻回した導電線条10の側面同士が接触せずコイル状となる場合がある。このように巻回した導電線条10がコイル状になると、通常はそのコイルによって内部導体2で伝送される信号にノイズが重畳されてしまう虞がある。しかし、本実施の形態に係る極細シールドケーブル1では、導電線条10が外部導体6の長手方向に沿って接触しているため、導電線条10がコイル状となってもノイズが発生するレベルを従来の横巻シールドと同等レベルとすることができる。
【0031】
導電線条10は、ケーブル全体の硬さやシールド層7の半田接続信頼性を考慮し、その厚さが外部導体6の外径の1/10以上1/3以下とされる。また、導電線条10は、例えば、外径30μmの丸型形状の銅線又は銅合金線を厚さ6μm、幅110μmに圧延加工及び伸線加工して形成される。
【0032】
このように、シールド層7を構成する導電線条10が圧延加工して形成されたものからなることにより、導電線条10に曲げを施すなどして形状を変化(変形)させたときに、変形後の形状を維持することができる機能(特性)を有すると共に、維持していた変形後の形状を新たな形状へ変化させてその新たな形状を維持することができる機能(特性)を有する。
【0033】
このため、シールド層7とグランド電極とを接続する際に、螺旋状に巻回されて巻き癖がついた導電線条10であっても、巻き癖等を容易に直すことができると共に、グランド電極と接続するにあたって接続部分のスペース等を考慮した形状へ適宜変化させ維持させることでグランド電極と導電線条10(シールド層7)を接続することができる。
【0034】
その結果、煩わしい手間や時間を要することなく、容易にシールド層7の端末処理を行うことができる。その一例を図3により説明する。
【0035】
図3に示すように、極細シールドケーブル1を機器に接続する場合には、極細シールドケーブル1の端部で、ジャケット8からシールド層7、被覆線4、内部導体2を順次突出させた後、内部導体2を機器側に設けられた内部導体用電極30に接続し、他方、シールド層7の導電線条10を解くように引き出して機器側に設けられたグランド電極31に接続する。このとき、導電線条10を捻った状態でそのままグランド電極31に接続しても良いし、導電線条10を外部導体6に巻回して、これをグランド電極31に接続しても良い。
【0036】
このとき、極細シールドケーブル1では、シールド層7が1本の導電線条10で形成されているため、ジャケット8を除去しても従来の横巻シールドのようにばらけることがなくその形状が保持される。
【0037】
また、シールド層7と外部導体6が接しているので、シールド層7をグランド電極31に接続しなくても、外部導体6をグランド電極31に接続することのみで、シールド層7を構成する導電線条10を丸めるなどの形状を変化させて機器側や被覆線4などに影響を及ぼさないスペース(例えば、極細シールドケーブルの端末に接続されるコネクタの内部のスペース)に維持させておくことで、導電線条10が被覆線4に突き刺さるなどの問題を生じにくくすることができる。
【0038】
以上要するに、本実施の形態に係る極細シールドケーブル1では、機器側のグランド電極31に接続すべき導体が、1本の導電線条10のみ、或いは外部導体6のみでよいため、狭いスペースであっても容易にシールド層7の端末処理が可能であり、接続作業時間を大幅に短縮できる。
【0039】
また、導電線条10からなるシールド層7は、従来の丸型の横巻素線を用いたシールド層に比べて薄い(厚さ方向の大きさを小さくすることができる)ため、結果として極細シールドケーブル1の細径化にも寄与する。さらに、シールド層7が従来のそれに比べて薄いため、屈曲時にシールド層7が受けるダメージが従来よりも少なく、耐屈曲性を向上させることができる。
【0040】
以上説明した図1に示す極細シールドケーブル1は、例えば、低電圧差動伝送(LVDS:Low Voltage Differential Signaling)方式を採用する配線として使用することができる。この場合、極細シールドケーブルでは、例えば、0.5〜5V、数十〜250mA程度の電流が伝送される。
【0041】
次に、本発明の他の実施の形態に係る極細シールドケーブルを説明する。
【0042】
図4,5に示すように、他の実施の形態に係る極細シールドケーブル40は、撚線5を、1本の被覆線4に外部導体6を縦添え、撚り合わせて形成し、その撚線5の外周にシールド層7、ジャケット8を順次被覆したものである。
【0043】
この極細シールドケーブル40においても、図1に示す極細シールドケーブル1と同様の導電線条10を用いてシールド層7を形成しているため、極細シールドケーブル1と同様に、狭いスペースであっても容易にシールド層7の端末処理が可能であり、接続作業時間を大幅に短縮できる。
【0044】
また、図6,7に示すように、上述した極細シールドケーブル1,40を複数本(例えば、200本程度)集合して、超音波診断装置のプローブケーブルなどとして用いることも可能である。多チャンネル伝送を行う場合は、図6,7に示すように、極細シールドケーブル1,40を複数本平行に並べ、これをラミネートフィルム60などで挟み込んだテープ状ケーブル61,71として用いてもよい。
【0045】
最後に、極細シールドケーブル1,40を用いたハーネスを説明する。
【0046】
極細シールドケーブル1,40を用いたハーネスは、極細シールドケーブル1,40の両端部で、ジャケット8から内部導体2とシールド層7とをそれぞれ突出させ、突出させた内部導体2をコネクタの内部導体と接続するための電極に接続すると共に、突出させたシールド層7を構成する導電線条10を解くように引き出してコネクタのグランド電極に接続して形成される。なお、シールド層7をコネクタのグランド電極に接続せず、外部導体6のみをグランド電極に接続するようにしてもよい。このとき、シールド層7を構成する導電線条10を丸めるなどの形状を変化してコネクタ、機器側、或いは被覆線4などに影響を及ぼさないスペースに維持させておくことで、導電線条10が被覆線4に突き刺さるなどの問題を生じにくくすることができる。
【0047】
また、多チャンネル伝送に対応したハーネス80は、図8に示すように、極細シールドケーブル1,40を複数本並列に配置してなるテープ状ケーブル61,71の両端部にコネクタ82をそれぞれ接続して形成される。
【0048】
以上より、本発明によれば、内部導体の周囲に絶縁層が形成された被覆線の長手方向に沿って金属線からなる外部導体が縦添えされ、前記被覆線および前記外部導体が共に撚り合わされた撚線と、前記撚線の周囲に設けられて前記被覆線および前記外部導体を一括して被覆するシールド層と、前記シールド層の周囲に設けられて前記シールド層を被覆するジャケットと、を備え、前記シールド層が、圧延加工して形成された導電線条が前記外部導体に接するように螺旋状に巻回されて設けられている極細シールドケーブルとしたことにより、機器内の狭いスペースにおいても容易にシールド層の端末処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1 極細シールドケーブル
2 内部導体
3 絶縁層
4 被覆線
5 撚線
6 外部導体
7 シールド層
8 ジャケット
10 導電線条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部導体の周囲に絶縁層が形成された被覆線の長手方向に沿って金属線からなる外部導体が縦添えされ、前記被覆線および前記外部導体が共に撚り合わされた撚線と、
前記撚線の周囲に設けられて前記被覆線および前記外部導体を一括して被覆するシールド層と、
前記シールド層の周囲に設けられて前記シールド層を被覆するジャケットと、を備え、
前記シールド層は、圧延加工して形成された導電線条が前記外部導体に接するように螺旋状に巻回されて設けられていることを特徴とする極細シールドケーブル。
【請求項2】
前記撚線は、前記被覆線が複数本並列に配置され、前記外部導体が前記被覆線の配列方向に対して垂直な方向に、前記被覆線に関して対称となるように複数本配置されて撚り合わせされている請求項1に記載の極細シールドケーブル。
【請求項3】
前記外部導体の外径が前記被覆線の外径の0.7倍であり、前記導電線条の厚さが前記外部導体の外径の1/10以上1/3以下である請求項1又は2に記載の極細シールドケーブル。
【請求項4】
前記絶縁層はふっ素樹脂からなり、前記ジャケットは接着層付プラスチックテープ又はふっ素樹脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載の極細シールドケーブル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の極細シールドケーブルの両端部で、前記ジャケットから前記内部導体と前記シールド層とをそれぞれ突出させ、突出させた前記内部導体を、コネクタの前記内部導体と接続するための電極に接続すると共に、突出させた前記シールド層の前記導電線条を前記コネクタのグランド電極に接続するか、或いは前記外部導体を前記コネクタのグランド電極に接続したことを特徴とするハーネス。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の極細シールドケーブルを複数本並列に配置してなるテープ状ケーブルの両端部で、前記ジャケットから前記内部導体と前記シールド層とをそれぞれ突出させ、突出させた前記内部導体を、コネクタの前記内部導体と接続するための電極に接続すると共に、突出させた前記シールド層の前記導電線条を前記コネクタのグランド電極に接続するか、或いは前記外部導体を前記コネクタのグランド電極に接続したことを特徴とするハーネス。
【請求項7】
前記導電線条は、形状を変化させて前記コネクタの内部のスペースに維持させた請求項5又は6に記載のハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−187323(P2011−187323A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51804(P2010−51804)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(300055719)日立電線ファインテック株式会社 (96)
【Fターム(参考)】