説明

楽曲コンテンツ選択再生装置、楽曲コンテンツ選択再生方法および楽曲コンテンツ配信再生システム

【課題】楽曲コンテンツの楽曲データは変更することなく、使用者の運動に同調した楽曲コンテンツを、使用者に提供することができる装置を提供する。
【解決手段】コンテンツ再生手段で再生中の楽曲コンテンツのテンポを検出するテンポ検出手段と、再生音を聴取している使用者の運動ピッチを検出する運動ピッチ検出手段を設ける。運動ピッチ検出手段の検出出力に基づいて、運動ピッチが安定しているか否かを判別し、運動ピッチが安定していると判別したときに、運動ピッチ検出手段で検出された運動ピッチとテンポ検出手段で検出されたテンポとを参照して、再生中の楽曲コンテンツと使用者の運動との間で同調しているか否かを判断する手段を設ける。同調していると判断されたときに、次に再生する楽曲コンテンツとして、同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばウォーキングやジョギングなどの運動をしている使用者に、運動状況に合致する楽曲コンテンツを提供することができるようにする楽曲コンテンツ選択再生装置、楽曲コンテンツ選択再生方法および楽曲コンテンツ配信再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯型の楽曲コンテンツ再生装置は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記録媒体の大容量化に伴い、大量の楽曲コンテンツを格納できるようになってきており、ユーザは、その大量の楽曲コンテンツの中から、例えば階層構造の楽曲コンテンツ選択用一覧メニューを用いるなどして、自分が希望する楽曲コンテンツを選択して再生するようにするのが一般的である。
【0003】
しかし、携帯型の楽曲コンテンツ再生装置の使用者(聴取者)が、例えばウォーキングやジョギングなどの運動をしながら楽曲コンテンツを再生して聴取する場合には、ディスプレイに表示される上述のような楽曲コンテンツ選択用一覧メニューを見ながら選択する操作は、非常に煩わしい。
【0004】
一方、従来から、次に再生する楽曲コンテンツを、大量の楽曲コンテンツの中からランダムに自動的に選択して、使用者に提供する技術や、使用者の嗜好傾向などを予め登録しておいたり、再生履歴などを参照して使用者の嗜好傾向を検出したりして、その嗜好傾向に基づいて、次に再生する楽曲コンテンツを自動的に選択して、使用者に提供する技術が提案されており、これらの技術を用いることでユーザによる煩雑な操作を不要とすることができる。
【0005】
しかしながら、上記の技術を用いて携帯型の楽曲コンテンツ再生装置が、次に再生する楽曲コンテンツを自動的に選択して使用者に提供する場合、使用者の運動に同調している楽曲コンテンツが提供されるとは限らないという問題がある。
【0006】
すなわち、使用者が音楽を聴きながら歩行やジョギングなどの運動をする場合において、聴取している音楽が、その運動に同調あるいは同期(説明が煩雑になるので、この明細書では、同調とのみ記述する)しているときには、使用者は、いわゆるリズムに乗って軽快に運動をすることができると想像され、運動中の使用者に対しては、そのような運動に同調している楽曲コンテンツを提供することができることが好ましいからである。
【0007】
この問題を解決するため、例えば特許文献1(特開2005−156641公報)や特許文献2(特開2003−085888公報)には、使用者(聴取者)の歩行や走行の運動ピッチ(この明細書では、単位時間例えば1分間当たりに使用者が足を踏む回数を運動ピッチと称する)に併せて再生楽曲のテンポをコントロールする技術が記載されている。また、特許文献3(特開平6−342282号公報)には、使用者の動きにしたがったリズムあるいはテンポで音楽を出力する技術が示されている。
【0008】
上記の先行技術文献は、次の通りである。
【特許文献1】特開2005−156641公報
【特許文献2】特開2003−085888公報
【特許文献1】特開平6−342282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1〜3の技術は、楽曲データを処理して楽曲のテンポを制御する必要があり、処理が複雑となると共に、装置が高価になるという問題がある。また、もともとの楽曲のテンポやリズムを変更するため、違和感が生じることがあるという問題もある。
【0010】
この発明は、以上の点にかんがみ、楽曲コンテンツの楽曲データは変更することなく、使用者の運動に同調した楽曲コンテンツを、使用者に提供することができるようにする装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置は、
複数個の楽曲コンテンツのデータを格納する楽曲コンテンツ格納部と、
楽曲コンテンツのデータを再生して、使用者に再生音を聴取させるようにするためのコンテンツ再生手段と、
前記コンテンツ再生手段で再生中の楽曲コンテンツのテンポを検出するテンポ検出手段と、
前記再生音を聴取している前記使用者の運動ピッチを検出する運動ピッチ検出手段と、
前記運動ピッチ検出手段の検出出力に基づいて、前記運動ピッチが安定しているか否かを判別する運動ピッチ安定判別手段と、
前記運動ピッチ安定判別手段で、前記運動ピッチが安定していると判別したときに、前記運動ピッチ検出手段で検出された運動ピッチと前記テンポ検出手段で検出されたテンポとを参照して、前記再生中の楽曲コンテンツと前記使用者の運動との間で同調しているか否かを判断する同調判断手段と、
前記同調判断手段で同調していると判断されたときに、次に再生する楽曲コンテンツとして、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする次コンテンツ選択手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
上述の構成のこの発明による楽曲コンテンツ選択再生装置によれば、運動ピッチ検出手段により、使用者の歩行や走行の運動ピッチが検出される。そして、運動ピッチ安定判別手段で運動ピッチが安定していると判別したときに、運動ピッチ検出手段で検出された運動ピッチとテンポ検出手段で検出された再生中の楽曲コンテンツのテンポとを参照して、再生中の楽曲コンテンツと使用者の運動との間で同調しているか否かが、同調判断手段で判断される。
【0013】
そして、次コンテンツ選択手段は、同調判断手段で同調していると判断されたときに、次に再生する楽曲コンテンツとして、同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする。
【0014】
したがって、この発明によれば、運動ピッチ安定判別手段で運動ピッチが安定していると判別されたときの使用者の運動ピッチに同調する楽曲コンテンツが次に再生する楽曲コンテンツとして選択されるので、運動中の使用者に対して、その運動に同調する楽曲コンテンツを次コンテンツとして提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、楽曲コンテンツの楽曲データは変更することなく、使用者の運動に同調した楽曲コンテンツを、使用者に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、楽曲コンテンツ選択再生装置の第1の実施形態のハードウエア構成例を示すブロック図である。この例の楽曲コンテンツ選択再生装置は、マイクロコンピュータを備えた構成を有しており、システムバス10に対して、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、ハードディスク装置部4、操作部5、ネットワークインターフェース6、通信インターフェース7、オーディオデコーダ8、LCD(Liquid Crystal Display)ドライバ9、楽曲テンポ検出部11、運動ピッチ検出部12が接続されている。
【0018】
ROM2には、この例の楽曲コンテンツ選択再生装置における主要動作制御のためのプログラムが記憶されており、CPU1は、このROM2のプログラムにしたがったソフトウエア処理を、RAM3をワークエリアとして用いて実行するようにする。また、RAM3の一部の領域を、再生する楽曲コンテンツのバッファエリアとしても用いる。
【0019】
ハードディスク装置部4は、楽曲コンテンツ格納部を構成する大容量記憶媒体であって、大量の楽曲コンテンツのそれぞれの楽曲データと、属性データとを格納している。属性データとしては、図2に示すように、楽曲ID(楽曲コンテンツの識別情報)、コンテンツ・ファイル・パス、ファイル名、アルバム名、楽曲タイトル、アーティスト名、楽曲演奏時間、ジャケット・イメージ・データ・パス、楽曲テンポのデータの他、後述する使用者の運動モード毎の、当該楽曲コンテンツの優先度の評価値などが記憶されている。
【0020】
楽曲データも楽曲IDを含んでおり、楽曲データと属性データとは、楽曲IDを介在して互いに関連付けられている。
【0021】
楽曲テンポのデータとしては、この例では、BPM(Beats Per Minute:1分間における拍数)値が用いられている。
【0022】
また、後述するように、この実施形態では、BPM値に基づいて次に再生する楽曲コンテンツを選択するようにするが、楽曲コンテンツの優先度とは、同じBPM値の楽曲コンテンツがあるときに、次に再生すべきものとして優先する度合いを示すものである。この優先度は評価値からなり、評価値が高ければ高いほど優先度は高いと認識される。
【0023】
また、通常再生モードは、運動ピッチに応じて楽曲コンテンツを選択するのではない再生モードであり、従来から提案されている使用者の嗜好度や再生頻度などに基づいて次に再生する楽曲コンテンツの選択がなされる。つまり、この通常再生モードの優先度の評価値は、使用者の嗜好度や再生頻度に応じて更新される。
【0024】
ウォーキングモードは、使用者がウォーキングしながら(歩きながら)楽曲コンテンツを再生するモードで、後述するように、楽曲コンテンツを再生して聴取しながらのウォーキング中に、当該再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポに、運動ピッチ(ウォーキングであるので歩行ピッチ;単位時間、この例では1分間当たりの歩数で表わす)が同調しているときには、次に再生する楽曲コンテンツは、同調しているとされている再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同等の楽曲テンポの楽曲コンテンツが選択される。
【0025】
また、ジョギングモードは、使用者が歩く速度よりは速く移動しているときに楽曲コンテンツを併せて聴取するモードである。このジョギングモードにおいても、ウォーキングモードと同様に、楽曲コンテンツを再生して聴取しながらのジョギング中に、当該再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポに、運動ピッチ(ジョギングであるので走行ピッチ;単位時間、この例では1分間当たりにおいて、走行中に足を踏む回数で表わす)が同調しているときには、次に再生する楽曲コンテンツは、同調しているとされている再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同等の楽曲テンポの楽曲コンテンツが選択される。
【0026】
ここで、上記において、同調しているとされている再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同等の楽曲テンポとは、同調しているとされている再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと等しい楽曲テンポあるいはその整数倍またはその整数分の1倍の楽曲テンポ、さらには、その楽曲テンポに近似する楽曲テンポを含むものである。
【0027】
そして、ウォーキングモードおよびジョギングモードにおける楽曲コンテンツの優先度の評価値は、この実施形態では、後述するように、運動ピッチと楽曲テンポが同調しており、かつ、その同調状態が、予め定めた所定時間、この例では30秒以上継続しているときに、加点されて高くなるように更新される。
【0028】
また、この実施形態では、後述するように、運動ピッチと楽曲テンポが非同調であるとき、あるいは、運動ピッチと楽曲テンポが同調していても、その同調状態が、予め定めた所定時間、この例では30秒以上継続しないときには、ウォーキングモードおよびジョギングモードにおける楽曲コンテンツの優先度の評価値は、減点されて低くなるように更新される。
【0029】
なお、この実施形態では、楽曲コンテンツ選択再生装置が、特定の一人の使用者が使用することを想定しており、この優先度の評価値は、当該特定の一人の使用者についてのものとされる。もしも、複数人が当該楽曲コンテンツ選択再生装置を使用することを想定する場合には、上述した3種の再生モードと優先度の評価値との対応情報は、使用者識別情報(使用者ID)と関連付けて、使用者毎に記憶するようにすればよい。
【0030】
操作部5は、使用者の入力操作を受け付けるもので、再生開始指示操作キー、再生終了指示操作キー、3種の再生モードのいずれを選択するかの再生モード選択キーなどの操作キーを含んでいる。操作部5は、操作キーに代えて、あるいは操作キーに加えてタッチパッドによる操作入力手段を含んでいても良い。
【0031】
ネットワークインターフェース6は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のインターフェースからなり、例えばパーソナルコンピュータと接続される。そして、パーソナルコンピュータに格納されている楽曲コンテンツの楽曲データおよび属性情報を、このネットワークインターフェース6を通じて取得して、ハードディスク装置部4に格納するようにする。
【0032】
また、この実施形態では、ハードディスク装置部4に格納されている楽曲コンテンツのうち、不要となった楽曲コンテンツの楽曲データおよびその属性情報を、このネットワークインターフェース6を通じてパーソナルコンピュータに転送して退避することができるようにされている。
【0033】
通信インターフェース7には、通信回路13が接続されており、無線通信ネットワークを通じてインターネットあるいはLAN(Local Area Network)と接続することが可能とされている。そして、この実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置は、インターネットあるいはLANに接続されている楽曲コンテンツの配信サーバから楽曲コンテンツの楽曲データおよびその属性情報をダウンロードして、ハードディスク装置部4に格納する機能を備えている。
【0034】
オーディオデコーダ8は、ハードディスク装置部4から読み出された再生対象の楽曲コンテンツの楽曲データについて、復号、圧縮伸張などのデコード処理をしてデジタルオーディオ信号に変換すると共に、変換したデジタルオーディオ信号を、さらに、アナログオーディオ信号に変換して、オーディオアンプ14に出力するようにする。
【0035】
オーディオアンプ14は、アナログオーディオ信号を増幅して、この例では、ヘッドホン15に出力する。ヘッドホン15では、楽曲コンテンツを音響再生する。この実施形態では、使用者は、この実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置を携帯すると共に、ヘッドホン15を頭部に装着し、このヘッドホン15により音響再生された音楽を聴きながら、ウォーキングやジョギングなどの運動を行なう。
【0036】
LCDドライバ9には、LCD16が接続されており、このLCD16の表示画面には、CPU1の制御により生成されたハードディスク装置部4に格納されている楽曲コンテンツの一覧リストが表示されたり、再生中の楽曲タイトルや楽曲テンポ(BPM値)が表示されたりする。
【0037】
使用者は、このLCD16の表示画面に表示された楽曲コンテンツの一覧リストから再生したい楽曲コンテンツを操作部5を通じた選択操作により選曲することができる。ただし、この実施形態では、ウォーキングモードやジョギングモードにおいては、最初の楽曲コンテンツは、この一覧リストから選択するようにするも、2曲目以降の楽曲コンテンツの選択は、後述するように、楽曲コンテンツ選択再生装置が自動的に選択して、使用者に提供するようにしている。
【0038】
楽曲テンポ検出部11は、再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポを検出する。この実施形態では、楽曲テンポ情報の例としてのBPM値は、楽曲コンテンツの属性データとしてハードディスク装置部4に記録されているので、この楽曲テンポ検出部11は、ハードディスク装置部4からの、再生中である楽曲コンテンツの属性データ中の楽曲テンポ情報の読み出し手段で構成される。
【0039】
例えば、パーソナルコンピュータにおいて、楽曲データの解析をオフラインで行なっておき、その解析結果である楽曲テンポとしてのBPM値を、属性データの一つとして楽曲コンテンツに対応して記憶しておく。携帯端末であるこの実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置からの転送要求があったときに、パーソナルコンピュータは、転送要求のあった楽曲コンテンツの楽曲データと共に、その属性データを、楽曲コンテンツ選択再生装置に転送するようにする。
【0040】
配信サーバが、インターネットあるいはLANを通じて楽曲コンテンツを配信する場合にも同様で、上述のパーソナルコンピュータの場合と同様にして配信サーバで楽曲テンポ情報を含む属性データを予め用意しておくようにすればよい。
【0041】
また、楽曲コンテンツの属性データに楽曲テンポ情報が含まれていない場合には、楽曲テンポ検出部11は、楽曲データから楽曲テンポを測定して検出する手段で構成される。この楽曲テンポの検出は、楽曲コンテンツの再生時に行なって、その検出結果を予め当該楽曲コンテンツの属性データの一つとしてハードディスク装置部4に記憶しておくことができる。
【0042】
しかし、過去の再生時に楽曲テンポの検出を行なっていない場合や、過去に再生していない楽曲コンテンツの楽曲テンポの場合には、再生中にリアルタイムに測定して検出する方法が用いられる。楽曲テンポをリアルタイムに計測する機能を楽曲テンポ検出部11が備えている場合には、次に再生する候補楽曲の楽曲データの一部を取り出し、その楽曲テンポを検出してハードディスク装置部4に当該楽曲コンテンツの属性データとして記憶するようにする。なお、次に再生する楽曲として複数の候補楽曲がある場合には、それら複数の候補楽曲のそれぞれについて、楽曲データの一部を取り出し、その楽曲テンポを検出してハードディスク装置部4に属性データとして記憶するようにする。
【0043】
このリアルタイムにより楽曲テンポを測定して検出する方法としては、時間波形のピーク間隔を計数するもの(例えば特開2004−302053公報)や、周波数スペクトルの強度間隔から求めるもの(例えば特開2005−234494公報)などが知られており、これらの手法を用いて検出することができる。
【0044】
運動ピッチ検出部12には、歩行/走行センサ17が接続されており、運動ピッチ検出部12は、歩行/走行センサ17からの使用者の歩行や走行の検出出力から、歩行ピッチや走行ピッチなどの運動ピッチを検出するようにする。
【0045】
歩行/走行センサ17は、例えば振動加速度センサで構成され、例えば楽曲コンテンツ選択再生装置本体あるいはヘッドホン15に装着される。ヘッドホン15に装着される場合には、歩行/走行センサ17からの接続線は、ヘッドホン15の接続コードと一緒に纏められて、楽曲コンテンツ選択再生装置に対して接続される。
【0046】
使用者が、この実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置を携帯して、楽曲コンテンツをヘッドホン15で聴取しながらウォーキングやジョギングをすると、その歩行や走行に応じた上下動により、歩行/走行センサ17が加振される。
【0047】
歩行/走行センサ17は、これに加わる振動加速度を検出し、その検出信号を運動ピッチ検出部12に供給する。歩行/走行センサ17で検出された振動加速度信号には、本来検出したいピッチ信号のほかにさまざまな振動検出信号や雑音が含まれている可能性があるので、運動ピッチ検出部12では、信号処理を容易にするため、帯域通過フィルター処理を施して、注目する周波数帯域成分を抽出する。通常、人間の歩行ピッチや走行ピッチは100〜160歩/分程度であると考えられるので、せいぜい0.5〜5Hzの通過帯域を有するバンドパスフィルタを用いればよい。
【0048】
歩行/走行センサ17からの振動検出信号の周期性や安定性を判断するため、運動ピッチ検出部12では、上記バンドパスフィルタの出力信号に対し自己相関演算を施す。
【0049】
歩行/走行センサ17を構成する振動加速度センサがアナログ信号を出力するタイプである場合には、A/D変換器によりデジタル信号に変換したほうが処理しやすい。A/D変換および前置のアンチエリアシング・フィルタ処理の形式は限定されるものでなく、上記の帯域通過フィルター処理をこの中に含めてもよい。
【0050】
そして、運動ピッチ検出部12では、バンドパスフィルタからのデジタル化された出力信号は、バッファメモリに蓄積されながら自己相関演算を施される。運動ピッチ検出部12では、バッファメモリから所定時間長(例えば、1〜数秒分)のデータを読み出し、そのデータについて自己相関演算を施す。
【0051】
そして、運動ピッチ検出部12では、それ以降、新たなデータが入力されるたびにデータ読み出し区間をシフトしながら同様に演算を繰り返す。もちろん、毎サンプリングごとに繰り返す必要はなく、所定時間(数サンプルごと)単位で行ってもよい。
【0052】
運動ピッチ検出部12では、上記の自己相関演算処理により、歩行/走行センサ17からの振動検出信号の周期および安定性が判断される。振動検出信号の周期は、演算波形の局所ピークの間隔から求められ、これにより運動ピッチが求められる。また、振動検出信号の安定性は、その局所ピーク値の大きさ間隔、ピーク値や間隔のばらつき(分散など)から評価され、これにより運動ピッチが安定しているかどうかが判定される。
【0053】
なお、以上の運動ピッチ検出部12での運動ピッチ検出処理は、CPU1がROM2のプログラムを用いたソフトウエア処理とすることができることは言うまでもない。
【0054】
また、歩行/走行センサ17に用いられる振動加速度センサは、少なくとも鉛直方向の上下動が検出できるものであればよく、他の目的、例えば携帯端末自体の落下検出のために設けられている2軸または3軸の振動加速度センサを用いるようにしてもよい。
【0055】
[楽曲コンテンツ選択再生処理動作の説明]
次に、上述のようなハードウエア構成を備える楽曲コンテンツ選択再生装置における楽曲コンテンツ選択再生処理動作の例を、以下に説明する。ここで、使用者は、実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置を携行し、楽曲を聴取しながら、ウォーキングまたはジョギングなどの運動(スポーツジムでの運動を含む)をしているものとする。
【0056】
<第1の例>
図3および図4は、楽曲コンテンツ選択再生処理動作の第1の例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートにおける各ステップの処理は、CPU1がROM2に記憶されているプログラムにしたがってRAM3をワークエリアとして使用しながら実行する。後述する他のフローチャートの処理においても同様である。
【0057】
使用者が操作部5の再生モードキーで、ウォーキングモードあるいはジョギングモードのいずれかを選択し、楽曲一覧リストから任意の楽曲コンテンツを選択した後、再生キーを操作することにより、図3のスタートから、処理が開始する。
【0058】
先ず、CPU1は、ハードディスク装置部4から、使用者により指定された楽曲コンテンツの楽曲データを読み出して楽曲の再生を開始する(ステップS1)。そして、楽曲テンポ検出部11は、ハードディスク装置部4の使用者により指定された楽曲コンテンツの楽曲テンポ(BPM値)を読み出して、再生中楽曲コンテンツの楽曲テンポを検出し、システムバス10を通じてCPU1に通知する。これにより、CPU1は、再生中楽曲コンテンツの楽曲テンポを検出する(ステップS2)。
【0059】
再生と同時に運動ピッチ検出部12では、歩行/走行センサ17からの振動検出信号を受けて、上述した運動ピッチの演算検出処理動作を開始する。そして、前述したように、運動ピッチ検出部12は、検出した運動ピッチの情報と、当該運動ピッチが安定しているかどうかの情報を、システムバス10を通じてCPU1に通知する。これにより、CPU1は、使用者の運動ピッチを検知すると共に、運動ピッチが安定しているかどうかを認識するようにする(ステップS3)。
【0060】
そして、CPU1は、運動ピッチ検出部12からの出力に基づいて、運動ピッチが安定しているか否かを判別し(ステップS4)、運動ピッチが安定していないと判別したときには、使用者により操作部5を通じて再生停止指示がなされたか否か判別し(ステップS5)、再生停止指示がなされたと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
【0061】
また、ステップS5で、再生停止指示がなされていないと判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたか否か判別し(ステップS6)、最後まで再生されてはいないと判別したときには、ステップS4に戻り、このステップS4以降の処理を繰り返す。
【0062】
また、ステップS6で、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたと判別したときには、CPU1は、検出した現在の運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、楽曲テンポ検出部11を通じて検索し、当該運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次の楽曲コンテンツとして選択するように決定する(ステップS7)。より具体的には、楽曲コンテンツの最後まで読み出されてRAM3に形成されるバッファに一時記憶されたときに、次コンテンツの検索および選択を行う。
【0063】
そして、CPU1は、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、ハードディスク装置部4から読み出して、その再生を開始する(ステップS8)。そして、ステップS4に戻り、このステップS4以降の処理を繰り返す。なお、ステップS8では、前の楽曲と後の楽曲とを、いわゆるクロスフェードさせて、交替させるようにするのが好ましい。
【0064】
ステップS4で運動ピッチが安定していると判別したときには、CPU1は、その安定している状態における運動ピッチと、再生中楽曲コンテンツの楽曲テンポがほぼ同じ(全く等しい状態を含む)であるかどうかにより、使用者のウォーキングやジョギングの運動と、再生中楽曲のテンポとの間で同調しているかどうかを判別する(図4のステップS11)。
【0065】
このステップS11で、同調していると判別したときには、CPU1は、当該同調している状態が、予め定められた所定時間、この例では、30秒間以上に渡って継続しているか否かを判別する(ステップS12)。
【0066】
ステップS11で、同調していないと判別したとき、また、ステップS12で、同調している状態が30秒間以上継続してはいないと判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツは、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチには楽曲テンポが合わない楽曲コンテンツであるとして、そのときの再生モードについての優先度の評価値(図2参照)をダウンさせるように更新する(ステップS13)。
【0067】
そして、CPU1は、現在の運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次の楽曲コンテンツとして選択するように決定し(ステップS14)、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、ハードディスク装置部4から読み出して、再生楽曲を、再生中の楽曲コンテンツから、選択決定した楽曲コンテンツへと変更する(ステップS15)。このとき、CPU1は、変更の前後の楽曲を、いわゆるクロスフェードすることで、再生楽曲をスムースにつなげるようにする。そして、CPU1は、ステップS15の次には、ステップS4に戻り、このステップS4以降の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS12で、同調している状態が30秒間以上継続していると判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツは、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチに合致する楽曲テンポの楽曲コンテンツであるとして、そのときの再生モードについての優先度の評価値(図2参照)をアップさせるように更新する(ステップS16)。
【0069】
次に、CPU1は、使用者により操作部5を通じて再生停止指示がなされたか否か判別し(ステップS17)、再生停止指示がなされたと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
【0070】
また、ステップS17で、再生停止指示がなされていないと判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたか否か判別し(ステップS18)、最後まで再生されてはいないと判別したときには、運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックをするタイミングであるかどうかを判別する(ステップS19)。
【0071】
そして、同調状態の再チェックをするタイミングではないと判別したときには、CPU1は、ステップS17に戻り、このステップS17以降の処理を繰り返す。また、同調状態の再チェックをするタイミングであると判別したときには、CPU1は、図3のステップS2に戻り、このステップS2以降の運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックを行なう。
【0072】
この再チェックは、歩行または走行していた使用者が、目的地に到着して歩行や走行を止めた場合や、あるペースでジョギングしていた使用者が、ジョギング速度をスローダウンさせて、呼吸を整えている場合などに適応するためである。
【0073】
この実施形態で、例えば所定時間毎に再チェックを行なうものとしたときには、ステップS19では、前回の同調状態のチェックから前記所定時間経過したか否かを判別する処理となる。なお、同調状態のチェックは、常時行なっても良いことは言うまでもない。
【0074】
また、使用者が運動速度をスローダウンさせるなど、運動ピッチ(歩行ピッチや走行ピッチ)が変化したことを検出した場合に、それを再チェックタイミングであると判断して、上記の同調チェック処理を行なって、それ以降の再生楽曲コンテンツを決定するようにしてもよい。
【0075】
なお、図3および図4では、省略したが、使用者が歩行や走行を止めたことを検出した場合には、この実施形態では、その際に再生中であった楽曲の途中で、あるいは、その楽曲の終了を待って、再生中であった楽曲の楽曲テンポに関係なく、ウォーキングモードやジョギングモードから通常再生モードに移行するようにする。ここで、使用者が歩行や走行を止めたことの検出は、一時停止などを含めず、所定の時間以上に渡って歩行や走行を行なわない状態を検出することによりなされる。
【0076】
また、この場合に、ウォーキングモードやジョギングモードから、単なる通常再生モードに移行するのではなく、通常再生モードおいて、自動的にCPU1が、ランダムに次楽曲コンテンツを選択して使用者に提供するランダム再生モードや、ハードディスク装置部4に記録されている順に順次に楽曲コンテンツを連続して再生する連続再生モードに移行するようにしてもよい。
【0077】
次に、ステップS18で、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたと判別したときには、CPU1は、運動ピッチと同調していると判別された現在再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同一の楽曲テンポの楽曲コンテンツを、楽曲テンポ検出部11を通じて検索し、当該楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次の楽曲コンテンツとして選択するように決定する(ステップS20)。このとき、CPU1は、ステップS20において、同調中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同一の楽曲テンポの楽曲コンテンツを、複数個、検出したときには、現在の再生モードの優先度の評価値が高いものを優先的に、次に再生する楽曲コンテンツとして選択決定するようにする。
【0078】
そして、CPU1は、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、ハードディスク装置部4から読み出して、その再生を開始する(ステップS21)。そして、ステップS17に戻り、このステップS17以降の処理を繰り返す。なお、ステップS21では、前の楽曲と後の楽曲とを、いわゆるクロスフェードさせて、交替させるようにするのが好ましい。前後の楽曲は、もともと同様なテンポの楽曲なのでスムースに入れ替えることができる。
【0079】
なお、ステップS20において、ハードディスク装置部4に格納される楽曲の中に、同調中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同一の楽曲テンポが見つからない場合には、その楽曲テンポとしてのBPM値Nとしたとき、当該BPM値Nの1/M倍またはM倍(M:2以上の整数)のBPM値(N/MまたはN×MのBPM値)の楽曲コンテンツを、次に再生する楽曲コンテンツとして選択決定するようにしてもよい。
【0080】
さらに、そのようにしても適切な楽曲テンポ(BPM値)の楽曲が見当たらない場合には、CPU1は、同調中の楽曲コンテンツのBPM値に近いBPM値の楽曲コンテンツを選択し、その楽曲コンテンツの再生時のテンポを、目標とするBPM値となるように再生速度を制御して再生するようにすればよい。
【0081】
以上説明したこの実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置によれば、次のような効果が得られる。
【0082】
音楽を聴きながらウォーキングしたり、ジョギングしたりしている場合に、その楽曲に同調して歩行/走行しているなら、リスナ(使用者)は、その楽曲のリズムに乗って軽快に歩行/走行しているものと想像される。しかも、その歩行/走行ピッチ(運動ピッチ)が安定しているとすれば、このペースを暫く続行したいと考えている可能性が高い。その状態で楽曲が終了してしまったり、違うテンポの楽曲に移行してしまうことは、リスナにとってみれば心地よくない。
【0083】
上述した実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置においては、次に再生する楽曲コンテンツは、現在再生中の楽曲テンポと同じものを連続して再生させるようにしているので、リスナ(使用者)は、その楽曲のリズムに乗って軽快に歩行/走行を継続することができる。
【0084】
また、楽曲に同調して歩行/走行しているときに、その歩行/走行ピッチが安定しているとすれば、この歩行/走行に楽曲が合っている、この歩行/走行に楽曲が好適であるとリスナは感じている可能性が高い。
【0085】
しかしながら、短時間だけ同調して歩行することは有り得る。すなわち、短時間ならなんとか同調して歩行することができても、それ以上の時間にわたって再生するには楽曲テンポがやや速かったり、やや遅かったりする場合もある。このような場合には、使用者は安定な運動ピッチの状態で、かつ、予め定められた所定時間以上、この例では、30秒間以上、この楽曲に同調して歩行は続けられないと考えられる。
【0086】
この点、上述した実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置における第1の例おいては、所定時間、上述の例では30秒間以上、楽曲に同調している状態が継続している場合に、再生されているその楽曲に対し、次に再生する楽曲コンテンツとして優先的に選択される優先度の評価値を加点するようにしている。また、楽曲に同調しておらず、あるいは、同調していても、30秒以上継続して同調状態を継続してはいない場合には、この実施形態では、優先度の評価値を減点して更新するようにしている。
【0087】
そして、この実施形態では、この優先度の評価値が高ければ高いほど、次に再生する楽曲コンテンツとして選択される優先順位を高順位とするようにしている。
【0088】
このため、この実施形態においては、次に再生される楽曲コンテンツとして選択決定される楽曲コンテンツは、使用者のウォーキングモードやジョギングモードにおいて、安定的に同調するであろう楽曲コンテンツとすることができる。
【0089】
上記の楽曲テンポと同調して歩行/走行しているかの判断は現在再生中の1曲について行なわれればよく、以降の再生楽曲は、そのBPM値に基づいて選曲されるようにしてもよい。もちろん、上述の実施の形態のように、再生中の楽曲ごとに、その同調判断を行なってもよい。
【0090】
また、再生中の楽曲に対して優先度の評価点が加点された場合は、この楽曲に対する以降の同調度チェックと、再チェックのための時間カウントはしないで、楽曲の最後まで再生するようにしてもよい。
【0091】
なお、使用者が聴取中の楽曲が、自らの歩行/走行リズムに合っていると感じ、かつ、ステップS11で、楽曲のテンポが運動ピッチに同調していると判別される状態であっても、同調状態の継続監視時間の例である30秒間経過する前に、歩行/走行していた使用者が目的地に到着して歩行/走行を止めた場合や、横断歩道の信号機で歩行を止めざるを得ない場合、または、あるペースでジョギングしていた使用者が、スローダウンさせて呼吸を整えている場合などがある。
【0092】
このようなときにおいて、例えば30秒間経過前に歩行/走行を止めたことを検出した場合、現在再生中の楽曲の途中で、まだ残りの演奏時間が30秒間以上ある場合には、優先度の評価値の減点は行なわずに、再度、同調度チェックからのルーチンを行なうようにしてもよい。また、使用者がスローダウンさせるなど歩行/走行ピッチが変化したことを検出した場合も同様にできる。
【0093】
なお、上述の実施形態においては、楽曲のテンポと使用者の運動ピッチとが同調しているか否かだけでなく、その同調状態が所定時間(上述の例では30秒間)以上継続したときに、優先度の評価値を上げるようにすると共に、その後に再生する楽曲コンテンツは、同等のテンポの楽曲コンテンツを、その優先度の評価値の高いもの順に優先させて選択するようにしたが、楽曲のテンポと使用者の運動ピッチとが同調したら、上記のように所定時間の継続を判別することなく、優先度の評価値を上げるようにすると共に、その後に再生する楽曲コンテンツは、同等のテンポの楽曲コンテンツを、その優先度の評価値の高いもの順に優先させて選択するようにしてもよい。
【0094】
また、上述の例では、30秒間以上、安定的に同調して歩行していると、優先度の評価値を加点するようにしたが、さらに、その安定的に同調している継続時間(30秒間を超えた時間)に応じて、優先度の評価値に加点する値を変更してもよい。
【0095】
逆に、同調時間の短さに応じて、優先度の評価値から減点する値を変更してもよい。その場合には、もちろん、同調時間が短いほど、減点する値は大きな値とする。
【0096】
また、運動ピッチ(歩行ピッチまたは走行ピッチ)と、再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポとのずれ、または、そのずれの分散に応じて優先度の評価値を低くするようにしてもよい。
【0097】
なお、上述の実施形態では、再生モードは、通常再生モードのほかに、ウォーキングモードとジョギングモードを想定したが、これ以外に、室内健康器具(トレーニング機材)を使って走りながら楽曲を再生するトレーニングモードなど、歩行や走行のリズムに応じた再生モードを設けてもよい。もちろん、運動に応じて再生モードをまとめて1つにしてもよいし、さらに、すべてをまとめて1つの優先度の評価値属性としてもよい。
【0098】
<第2の例>
ハードディスク装置部4に多数の楽曲コンテンツが格納されている場合、運動ピッチには同調するものの、楽曲そのものやアーティストはそれほど好みでないものが選択される場合がある。
【0099】
また、上記の実施例では、使用者は、所定時間例えば30秒間以上、歩行/走行リズムを安定的に続けていれば、その楽曲コンテンツの優先度の評価値は加点されていた。逆に、歩行/走行リズムに合わない楽曲に対しては、歩行/走行リズムを安定的に続行しなければ優先度の評価値は減点されることになる。
【0100】
しかし、使用者が歩行リズムを大きく変更することが困難である場合もある。例えば、ジョギング中や、特に、トレーニング機材を使ってランニングしている場合などは歩行/走行リズムを変えられない場合もある。
【0101】
以上のような状況から、使用者が、好まない楽曲コンテンツの優先度が、使用者に意思に反してアップしてしまうことがある。この第2の例は、この点を改善した例である。
【0102】
この例では、楽曲のテンポと使用者の運動ピッチとが同調したと判別したら、上記のようにその同調状態の所定時間の継続を判別するのではなく、使用者の当該再生中コンテンツに対する評価の操作入力を受け付けて、その使用者の操作入力に応じて、優先度の評価値の加点、減点をするようにする。
【0103】
図5は、この第2の例の概要を説明するための図である。この図5は、この第2の例の場合において、楽曲コンテンツAから楽曲コンテンツBに、再生される楽曲コンテンツが変更される様子を示したものである。
【0104】
この第2の例においては、図5(A)に示すように、楽曲コンテンツAの再生を開始し、その楽曲テンポを検出し、また、使用者の運動ピッチを検出する。そして、検出した楽曲テンポと運動ピッチとから、楽曲と使用者の運動との同調判断を行なう。そして、同調判断の結果、同調していると判断したときには、その後、ユーザ評価操作の受付期間を設けて、そのユーザ評価操作受付期間におけるユーザ評価操作に応じて、再生中楽曲コンテンツAの優先度の評価値の更新を実行するようにする。
【0105】
この第2の例においては、図5(A)に示すように、クロスフェードすることなく、楽曲コンテンツAと楽曲コンテンツBとをつなげてよいし、図5(B)に示すように、前の楽曲コンテンツAの最後と、後の楽曲コンテンツBの先頭をオーバーラップ再生、前の楽曲コンテンツAの再生音の音量を徐々に減少させながら、後の楽曲コンテンツBの再生音の音量を徐々に上昇させるようにクロスフェードして、つなげるようにしても良い。
【0106】
なお、図5(C)に示すように、楽曲コンテンツAが使用者の運動と同調していないときに、楽曲の途中から楽曲コンテンツBに交替させる場合には、図示のように、楽曲コンテンツAと楽曲コンテンツBとをクロスフェードさせて、交替させるようにした方が好ましい。
【0107】
この第2の例におけるユーザ評価操作の例としては、種々の操作態様が可能である。その第1の態様例は、操作部5に、OKキーとNGキーとを設けて、当該キー操作をユーザ評価操作として受け付けるものである。使用者は、同調している楽曲コンテンツの優先度の評価値を上げることに同意する場合には、OKキーを操作し、同意しない場合には、NGキーを操作するようにする。
【0108】
ユーザ評価操作の第2の態様例は、歩行/走行センサ17として内蔵されている振動加速度センサを利用する例である。この第2の態様例においては、例えば楽曲コンテンツ選択再生装置本体を、例えば1回叩く操作はOK操作とし、例えば2回短い間隔で叩く操作はNG操作とする。なお、この場合、操作を何もしないことをOK操作として、例えば2回短い間隔で叩く操作をNG操作とするようにしてもよい。
【0109】
ユーザ評価操作の第3の態様例は、第2の態様例と同様に、歩行/走行センサ17として内蔵されている振動加速度センサを利用する例である。この第3の態様例は、使用者が、携帯端末としての楽曲コンテンツ選択再生装置を手に持って、あるいは腕に取り付けてランニングしている場合に、この携帯端末を1回あるいは複数回、振るという単純な動作を、NG操作として行なう。この第3の態様例では、操作を何もしないことをOK操作とする。携帯端末としての楽曲コンテンツ選択再生装置は、振られることで、安定的に同調していないと判断するので、結果的に優先度の評価値を減点させる操作とすることができる。
【0110】
ユーザ評価操作の受付期間は、楽曲再生中の任意の区間、つまり、楽曲の途中部分、終了部分などの所定時間長、例えば10秒間であって、楽曲と使用者の運動とが同調していると判断された後の期間であれば良い。
【0111】
この第2の例の楽曲コンテンツ選択再生装置では、運動ピッチが安定しており、楽曲と使用者の運動とが同調していると判断されると、ユーザ評価操作の受付期間において、例えばLCD16の表示画面に、「この曲は気に入った?」や「優先度を上げる?」などといったメッセージを表示する。使用者は、再生中の楽曲の優先度を上げたければOK操作をするようにし、楽曲が気に入らなければ、NG操作をするようにすれば良い。
【0112】
また、OKキーやNGキーを設ける場合には、これらのキーボタン付近あるいはキーボタンそのものを点滅させて入力を促してもよい。
【0113】
また、使用者が、楽曲コンテンツ選択再生装置のLCD16の表示画面を見ていない、あるいは見ることができない状況を考慮したときには、ユーザ評価操作の受付期間であることを音声により使用者に通知することが好ましい。
【0114】
例えば、ユーザ評価操作の受付期間になったら、「ピッ、ピッ」という楽曲テンポに同期した(つまりは歩行/走行ピッチに同期した)テンポ音を、再生楽曲音にミックスして再生するようにしてもよい。
【0115】
使用者は、楽曲再生中に上述のようなテンポ音が聴こえてきたら、当該再生中の楽曲の優先度を上げたければ、OK操作をし、楽曲が気に入らなければ、NG操作をする。なお、上記のようなテンポ音に限らず、ユーザ評価操作入力を促すメッセージ音声を、楽曲音にミックスするようにしてもよい。
【0116】
以上の説明からもわかるように、この第2の例では、歩行/走行ピッチと楽曲テンポの同調度の判断は、楽曲全体にわたって行なわれるわけではなく、任意の区間で所定時間長だけ行ない、その後に、ユーザ評価操作の受付期間を設けて、OK操作、NG操作の入力受付を行なえばよい。もちろん、このシーケンスを楽曲再生中に複数回行なってもよい。
【0117】
図6は、この第2の例の場合の処理動作の要部を示すフローチャートの一部である。この図6のフローチャートは、前述した第1の例の図3のフローチャートに続く図4のフローチャート部分に対応するもので、この第2の例では、第1の例の図4のフローチャート部分が図6のフローチャート部分に置き換えられるものである。前述の第1の例の図3のフローチャート部分は、この第2の例においても全く同様であるので省略した。
【0118】
すなわち、この第2の例においては、図3のステップS4で運動ピッチが安定していると判別したときには、CPU1は、その安定している状態における運動ピッチと、再生中楽曲コンテンツの楽曲テンポがほぼ同じ(全く等しい状態を含む)であるかどうかにより、使用者のウォーキングやジョギングの運動と、再生中楽曲のテンポとの間で同調しているかどうかを判別する(図6のステップS31)。
【0119】
ステップS31で、同調していないと判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツは、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチには楽曲テンポが合わない楽曲コンテンツであるとして、そのときの再生モードについての優先度の評価値(図2参照)をダウンさせるように更新すると共に、この例では、NGフラグをさらに記録する(ステップS32)。
【0120】
そして、CPU1は、現在の運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次の楽曲コンテンツとして選択するように決定し(ステップS33)、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、ハードディスク装置部4から読み出して、再生楽曲を、再生中の楽曲コンテンツから、選択決定した楽曲コンテンツへと変更する(ステップS34)。このとき、CPU1は、変更の前後の楽曲を、いわゆるクロスフェードすることで、再生楽曲をスムースにつなげるようにする。そして、CPU1は、ステップS34の次には、図3のステップS4に戻り、このステップS4以降の処理を繰り返す。
【0121】
このステップS31で、同調していると判別したときには、CPU1は、使用者にユーザ評価操作の受付期間であることを報せる通知をする(ステップS35)。前述したように、この例では、優先度をアップすることについてのユーザの承認操作を促す通知を、LCD17の表示画面を通じて行なうと共に、再生中の楽曲音にミックスした音声により行なうようにする。
【0122】
そして、CPU1は、使用者により、ユーザ評価操作入力として、優先度をアップすることについてのユーザの承認操作(OK操作)がなされたか否か判別する(ステップS36)。何もしない操作をOK操作とする場合には、例えばユーザ評価操作受付区間において何も操作がなされなかったことを検出することにより、OK操作がされたと判別する。
【0123】
このステップS36で、OK操作がなされてはいないと判別したときには、CPU1は、承認NG操作がなされたか否か判別する(ステップS37)。そして、このステップS37で、承認NG操作がなされてはいないと判別したときには、CPU1は、ステップS36に戻る。
【0124】
また、ステップS37で承認NG操作がなされたと判別したときには、CPU1は、ステップS32に進み、再生中の楽曲コンテンツは、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいて、使用者の運動ピッチには楽曲テンポが同調していても、好みが使用者に合わない楽曲コンテンツであるとして、そのときの再生モードについての優先度の評価値(図2参照)をダウンさせるように更新すると共に、この例では、NGフラグをさらに記録する。その後、ステップS33に進み、前述したこのステップS33以降の処理を繰り返す。
【0125】
また、ステップS36で、OK操作がなされたと判別したときには、CPU1は、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチに楽曲テンポが合致し、かつ、使用者の好みに合う楽曲コンテンツであるとして、そのときの再生モードについての優先度の評価値(図2参照)をアップさせるように更新すると共に、この例では、OKフラグをさらに記録する(ステップS38)。
【0126】
次に、CPU1は、使用者により操作部5を通じて再生停止指示がなされたか否か判別し(ステップS39)、再生停止指示がなされたと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
【0127】
また、ステップS39で、再生停止指示がなされていないと判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたか否か判別し(ステップS40)、最後まで再生されてはいないと判別したときには、前述の第1の例と同様に、運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックをするタイミングであるかどうかを判別する(ステップS41)。
【0128】
そして、ステップS41で、同調状態の再チェックをするタイミングではないと判別したときには、CPU1は、ステップS39に戻り、このステップS39以降の処理を繰り返す。また、同調状態の再チェックをするタイミングであると判別したときには、CPU1は、図3のステップS2に戻り、このステップS2以降の運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックを行なう。この再チェックの処理は、第1の例と同様であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
【0129】
次に、ステップS40で、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたと判別したときには、CPU1は、運動ピッチと同調していると判別された現在再生中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同一の楽曲テンポの楽曲コンテンツを、楽曲テンポ検出部11を通じて検索し、当該楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次の楽曲コンテンツとして選択するように決定する(ステップS42)。このとき、CPU1は、ステップS42において、同調中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同一の楽曲テンポの楽曲コンテンツを、複数個、検出したときには、現在の再生モードの優先度の評価値が高いものを優先的に、次に再生する楽曲コンテンツとして選択決定するようにする。
【0130】
そして、CPU1は、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、ハードディスク装置部4から読み出して、その再生を開始する(ステップS43)。そして、ステップS39に戻り、このステップS39以降の処理を繰り返す。なお、ステップS42では、前の楽曲と後の楽曲とを、いわゆるクロスフェードさせて、交替させるようにするのが好ましい。前後の楽曲は、もともと同様なテンポの楽曲なのでスムースに入れ替えることができる。
【0131】
なお、ステップS42において、ハードディスク装置部4に格納される楽曲の中に、同調中の楽曲コンテンツの楽曲テンポと同一の楽曲テンポが見つからない場合には、その楽曲テンポとしてのBPM値Nとしたとき、当該BPM値Nの1/M倍またはM倍(M:2以上の整数)のBPM値(N/MまたはN×MのBPM値)の楽曲コンテンツを、次に再生する楽曲コンテンツとして選択決定するようにしてもよいのは第1の例と同様である。
【0132】
また、さらに、そのようにしても適切な楽曲テンポ(BPM値)の楽曲が見当たらない場合には、第1の例と同様に、CPU1は、同調中の楽曲コンテンツのBPM値に近いBPM値の楽曲コンテンツを選択し、その楽曲コンテンツの再生時のテンポを、目標とするBPM値となるように再生速度を制御して再生するようにすればよい。
【0133】
この第2の例によれば、楽曲と使用者の運動ピッチとが同調していても、使用者の好みに合致しない楽曲コンテンツの優先度の評価値を低くすることができる。
【0134】
また、この第2の例においては、優先度を高くした楽曲コンテンツには、OKフラグを付与し、また、優先度を低くした楽曲コンテンツには、NGフラグを付与して、それらのフラグ情報を、属性データの一つとして記憶するようにしたので、次のような処理をすることができて便利である。
【0135】
すなわち、再生をしながら、あるいは、再生終了後の時点などにおいて、OKフラグが付けられた楽曲コンテンツの楽曲テンポに近い楽曲コンテンツの優先度の評価値を高め、NGフラグを付けられた楽曲コンテンツの楽曲テンポに近い楽曲コンテンツの優先度の評価値を低めるようにすることができる。
【0136】
また、再生終了後の時点において、運動を終えて、帰宅してから、この実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置をパーソナルコンピュータに接続して、NGフラグが付与されている楽曲はパーソナルコンピュータ側に退避またはハードディスク装置部4から削除する処理を行ない、また、OKフラグが付与されている楽曲と同様な楽曲テンポの曲を、パーソナルコンピュータから転送するようにすることができる。
【0137】
また、インターネットあるいはLANを通じて、楽曲コンテンツをダウンロードする場合には、配信サーバから、OKフラグが付与されている楽曲コンテンツと同等の楽曲テンポの楽曲コンテンツを配信してもらうようにすることができる。
【0138】
[第2の実施形態]
上述した第1の実施形態の楽曲コンテンツ選択再生装置は、自装置にハードディスク装置部を備え、自装置において、次に再生する楽曲コンテンツを選択決定するようにした。
【0139】
これに対して、例えば、室内健康器具(トレーニング機材)を使用する場合には、楽曲コンテンツ選択再生装置に、楽曲コンテンツ格納部としてのハードディスク装置部4を搭載する必要はない。例えば、トレーニング機材側に楽曲を格納するハードディスク装置部を設け、トレーニング機材側からFM変調または無線LANにより楽曲データを、携帯端末としての楽曲コンテンツ選択再生装置に送信するようにすることができる。
【0140】
楽曲コンテンツ選択再生装置は、トレーニング機材側から送信されてきた楽曲を受信して、再生する。使用者は、楽曲コンテンツ選択再生装置で、トレーニング機材側から送信されてきた聴きながらウォーキングやジョギングなどの運動をする。
【0141】
楽曲コンテンツ選択再生装置では、これに備わる歩行/走行センサにより使用者の歩行リズムを検出し、楽曲との同調度をチェックする。この同調度のチェックの際に必要となる楽曲コンテンツの楽曲テンポの情報の取得方法としては、楽曲コンテンツ選択再生装置が、楽曲テンポをリアルタイムに計測して取得してもよいし、トレーニング機材から送信された楽曲テンポ情報を取得するようにしてもよい。
【0142】
そして、楽曲コンテンツ選択再生装置は、チェックした同調度に応じて優先度の評価値の加点あるいは減点をして、トレーニング機材にその優先度の評価値の情報を送信する。
【0143】
なお、楽曲コンテンツ選択再生装置は、同調しているかどうかの同調度情報を送信して、トレーニング機材側で、優先度の評価値の加点/減点を行ってもよい。
【0144】
トレーニング機材は、使用者識別情報、歩行/走行ピッチ(運動ピッチ)、楽曲コンテンツID、更新後の優先度の評価値を関連付けて記録する。
【0145】
そして、トレーニング機材は、楽曲コンテンツ選択再生装置から受信した同調度の情報あるいは優先度の評価値の加点状況または減点状況から、次に楽曲コンテンツ選択再生装置に送信する楽曲コンテンツを選択決定するようにする。すなわち、同調しているときには、あるいは、優先度の評価点が加点されたときには、同調していると判断された再生中楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツのうち、優先度の評価値の高いものを、次楽曲コンテンツとして選択決定する。
【0146】
また、同調度の情報が非同調を示しているとき、あるいは、優先度の評価値が減点されたときには、再生中の楽曲コンテンツとは異なる、楽曲コンテンツ選択再生装置から送られてくる使用者の運動ピッチに合致するテンポの楽曲コンテンツを次楽曲コンテンツとして選択決定するようにする。
【0147】
以上は、トレーニング機材と楽曲コンテンツ選択再生装置との連携による楽曲コンテンツ選択再生方法の実施形態に付いての説明であるが、例えば無線ネットワークを含む通信ネットワークを通じて配信サーバと、携帯端末としての楽曲コンテンツ選択再生装置とが連携して、楽曲コンテンツ選択再生方法の実施形態を構成する場合にも、この発明は、同様に適用できる。
【0148】
図7は、配信サーバと連携して楽曲コンテンツ選択再生方法の実施形態を構成する楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態のハードウエア構成例を示すものである。
【0149】
この図7の例の楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態である楽曲コンテンツ再生端末100は、図1に示した、楽曲コンテンツ格納部を構成するハードディスク装置部4などを有しない。
【0150】
その代わりに、無線ネットワークを含む通信ネットワーク150を通じて、この楽曲コンテンツ再生端末100と接続される楽曲コンテンツ配信サーバ(以下、単に配信サーバという)200には、楽曲コンテンツ格納部として、前述したハードディスク装置部4と同様に、楽曲コンテンツの楽曲データと属性データとを記憶する記憶装置部が設けられている。
【0151】
そして、この例の楽曲コンテンツ再生端末100は、図7に示すように、図1に示した楽曲コンテンツ選択再生装置とは、ハードディスク装置部4と、楽曲テンポ検出部11とが設けられていないだけで、その他は、図1のハードウエア構成と全く同様である。ただし、ROM3に記憶されるソフトウエア処理プログラムは、上述の第1の実施形態とは異なる。
【0152】
配信サーバ200は、そのハードウエア構成は、図8に示すようなものとされる。すなわち、配信サーバ200は、マイクロコンピュータを備える構成を有するもので、図8に示すように、システム110を介して、CPU201に対して、ROM202、RAM203、楽曲コンテンツ格納部204、通信インターフェース205、楽曲テンポ検出部206、配信コンテンツ決定部207が接続されている。
【0153】
ROM202には、この配信サーバ200が実行するソフトウエア処理プログラムが格納されており、CPU201は、そのプログラムを、RAM203をワークエリアとして利用しながら実行する。
【0154】
楽曲コンテンツ格納部204には、楽曲コンテンツの楽曲データと、前述と同様に、図2に示したような属性データとが、楽曲コンテンツIDにより関連付けられて記憶されている。
【0155】
通信インターフェース205には、無線通信を行なうための通信回路211が接続されている。楽曲テンポ検出部206は、前述した楽曲テンポ検出部11と同様の構成を備える。
【0156】
また、配信コンテンツ決定部は、CPU201によるソフトウエア処理によっても構成可能な部位であり、楽曲コンテンツと楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の運動との同調度合いを判別して、次に再生する楽曲コンテンツを選択決定するようにする。
【0157】
この第2の実施形態における処理動作の一例を、図9〜図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0158】
図9および図10は、配信サーバ200の処理動作を説明するためのフローチャートである。先ず、この配信サーバ200の処理動作について説明する。この配信サーバ200の処理は、楽曲コンテンツ再生端末100からの楽曲コンテンツのストリーミング配信要求を受け取ったときに、図9のスタートから開始する。
【0159】
CPU201は、最初は、楽曲コンテンツ格納部204から任意の楽曲コンテンツの楽曲データを読み出して、それをストリーミング配信する(ステップS51)。そして、楽曲テンポ検出部206が、楽曲コンテンツ格納部204から、配信中の楽曲コンテンツの楽曲テンポ(BPM値)を読み出して、配信中楽曲コンテンツの楽曲テンポを検出し、システムバス210を通じてCPU201に通知する。これにより、CPU201は、配信中楽曲コンテンツの楽曲テンポを検出する(ステップS52)。
【0160】
そして、楽曲コンテンツ再生端末100から運動ピッチの情報が送られてくるので、CPU201は、この運動ピッチの情報を受信する(ステップS53)。そして、CPU201は、前述したような運動ピッチが安定しているかどうかの演算処理を行なって、運動ピッチが安定しているか否かを判別する(ステップS54)。
【0161】
このステップS54で、運動ピッチが安定していないと判別したときには、CPU201は、通信ネットワーク150を通じた楽曲コンテンツ再生端末100からの配信停止要求を受信したか否かを判別し(ステップS55)、配信停止要求を受信したと判別したときには、配信停止処理をして(ステップS59)、この処理ルーチンを終了する。
【0162】
また、ステップS55で、配信停止要求を受信しなかったと判別したときには、CPU201は、配信中の楽曲コンテンツを最後まで配信したか否か判別し(ステップS56)、最後まで配信してはいないと判別したときには、ステップS53に戻り、このステップS53以降の処理を繰り返す。
【0163】
また、ステップS56で、配信中の楽曲コンテンツを最後まで配信したと判別したときには、CPU201は、ステップS53で受信した楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の現在の運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、楽曲テンポ検出部206を通じて検索し、当該運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次に配信する楽曲コンテンツとして選択するように決定する(ステップS57)。そして、CPU201は、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、楽曲コンテンツ格納部204から読み出して、そのストリーミング配信を開始する(ステップS58)。そして、ステップS52に戻り、このステップS52以降の処理を繰り返す。
【0164】
ステップS54で運動ピッチが安定していると判別したときには、CPU201は、その安定している状態における運動ピッチと、配信中楽曲コンテンツの楽曲テンポがほぼ同じ(全く等しい状態を含む)であるかどうかにより、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者のウォーキングやジョギングの運動と、配信中楽曲のテンポとの間で同調しているかどうかを判別する(図10のステップS61)。
【0165】
このステップS61で、同調していると判別したときには、CPU1は、当該同調している状態が、予め定められた所定時間、この例では、30秒間以上に渡って継続しているか否かを判別する(ステップS62)。
【0166】
ステップS61で、同調していないと判別したとき、また、ステップS12で、同調している状態が30秒間以上継続してはいないと判別したときには、CPU201は、配信中の楽曲コンテンツは、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の運動ピッチには楽曲テンポが合わない楽曲コンテンツであるとして、図9のステップS57に進み、このステップS57以降の処理を繰り返す。
【0167】
ステップS62で、同調している状態が30秒間以上継続していると判別したときには、CPU201は、配信中の楽曲コンテンツは、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチに合致する楽曲テンポの楽曲コンテンツであるとして、次に配信する楽曲コンテンツとして、現在配信中の楽曲テンポ(BPM値)と同等の楽曲テンポの楽曲コンテンツを選択決定するようにする(ステップS63)。
【0168】
次に、CPU201は、通信ネットワーク150を通じた楽曲コンテンツ再生端末100からの配信停止要求を受信したか否かを判別し(ステップS64)、配信停止要求を受信したと判別したときには、配信停止処理をして(ステップS68)、この処理ルーチンを終了する。
【0169】
また、ステップS64で、配信停止要求を受信しなかったと判別したときには、CPU201は、配信中の楽曲コンテンツを最後まで配信したか否か判別し(ステップS65)、最後まで配信してはいないと判別したときには、運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックをするタイミングであるかどうかを判別する(ステップS67)。
【0170】
そして、CPU201は、ステップS67で、再チェックするタイミングであると判別したときには、図9のステップS52に戻り、このステップS52以降の処理を繰り返す。また、ステップS67で、同調状態を再チェックするタイミングになってはいないと判別したときには、ステップS64に戻り、このステップS64以降の処理を繰り返す。
【0171】
この再チェックは、前述の実施形態と同様であり、例えば所定時間毎に再チェックを行なうものとしたときには、ステップS67では、前回の同調状態のチェックから前記所定時間経過したか否かを判別する処理となる。なお、同調状態のチェックは、常時行なっても良いことは言うまでもない。
【0172】
また、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者が運動速度をスローダウンさせるなど、運動ピッチ(歩行ピッチや走行ピッチ)が変化したことを検出した場合に、それを再チェックタイミングであると判断して、上記の同調チェック処理を行なって、それ以降の再生楽曲コンテンツを決定するようにしてもよい。
【0173】
また、ステップS65で、配信中の楽曲コンテンツを最後まで配信したと判別したときには、ステップS63で選択決定された次配信の楽曲コンテンツの楽曲データのストリーミング配信を開始する(ステップS66)。そして、このステップS66の後は、ステップS64に戻り、このステップS64以降の処理を繰り返す。
【0174】
次に、図11は、楽曲コンテンツ再生端末100の処理動作の一例を示すフローチャートである。この図11の処理は、楽曲コンテンツ再生端末100のCPU1が、使用者の操作指示に基づいて、配信サーバ200と通信ネットワーク150を通じて通信路を形成し、配信要求を、配信サーバ200に送信したときにスタートから開始する。
【0175】
楽曲コンテンツ再生端末100のCPU1は、配信サーバ200から配信されてくる楽曲コンテンツの楽曲データを受信して、ストリーミング再生を開始する(ステップS71)。この再生開始と同時に運動ピッチ検出部12では、歩行/走行センサ17からの振動検出信号を受けて、上述した運動ピッチの演算検出処理動作を開始する。そして、前述したように、運動ピッチ検出部12は、検出した運動ピッチの情報を、システムバス10を通じてCPU1に通知する。CPU1は、受け取った運動ピッチの情報を、通信ネットワーク150を通じて配信サーバ200に送信する(ステップS72)。
【0176】
次に、CPU1は、使用者により配信停止要求操作がなされたか否か判別し(ステップS73)、配信停止要求操作がなされていないと判別したときには、ステップS71に戻って、このステップS71以降の処理を繰り返す。
【0177】
また、ステップS73で、使用者により配信停止要求操作がなされたと判別したときには、CPU1は、配信停止要求を通信ネットワーク150を通じて配信サーバ200に送信し(ステップS74)、その後、配信情報の受信再生終了処理をして(ステップS75)、この処理ルーチンを終了する。
【0178】
なお、この例では、楽曲コンテンツ再生端末の運動ピッチ検出部12は、運動ピッチが安定しているかどうかの演算は行なわず、配信サーバ200側で、運動ピッチが安定しているかどうかの演算を行なうようにしたが、第1の実施形態と同様に、楽曲コンテンツ再生端末の運動ピッチ検出部12が、運動ピッチが安定しているかどうかの演算をも行なって、配信サーバ200側に、運動ピッチの情報と共に、安定しているかどうかの情報も送るようにしても良い。
【0179】
上述の例では、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の運動ピッチと、配信サーバ200から配信されてストリーミング再生されている楽曲コンテンツとの同調チェックは、配信サーバ200側で行なうようにしたが、楽曲コンテンツ再生端末100側で、当該同調チェックを行なうようにすることもできる。図12〜図14は、その場合の配信サーバ200および楽曲コンテンツ再生装置100の処理動作を示すフローチャートの一例である。
【0180】
図12は、この例における配信サーバ200の処理動作を示すフローチャートの一例を示すものである。この配信サーバ200の処理は、楽曲コンテンツ再生端末100からの楽曲コンテンツのストリーミング配信要求を受け取ったときに、スタートから開始する。
【0181】
配信サーバ200のCPU201は、最初は、楽曲コンテンツ格納部204から任意の楽曲コンテンツの楽曲データを読み出して、それをストリーミング配信すると共に、その楽曲コンテンツの楽曲テンポの情報も送る(ステップS81)。
【0182】
次に、この例の場合には、楽曲コンテンツ再生端末100からは後述するように、使用者の運動ピッチと配信されてストリーミング再生されている楽曲コンテンツの楽曲テンポとが同調しているかどうかを示す同調度情報と、運動ピッチの情報が送られてくるので、CPU201は、当該同調度情報および運動ピッチの情報の受信を待つ(ステップS82)。
【0183】
ステップS82で、同調度情報を受信したと判別したときには、CPU201は、楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の運動ピッチと配信されてストリーミング再生されている楽曲コンテンツの楽曲テンポとが同調しているか否か判別する(ステップS83)。
【0184】
ステップS83で、同調していないと判別したときには、CPU201は、受信した楽曲コンテンツ再生端末100の使用者の現在の運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、楽曲テンポ検出部206を通じて検索し、当該運動ピッチに近い楽曲テンポの楽曲コンテンツを、次に配信する楽曲コンテンツとして選択するように決定する(ステップS84)。
【0185】
そして、CPU201は、当該次楽曲コンテンツとして選択決定された楽曲コンテンツの楽曲データを、楽曲コンテンツ格納部204から読み出して、そのストリーミング配信を開始する(ステップS85)。そして、ステップS82に戻り、このステップS82以降の処理を繰り返す。
【0186】
また、ステップS83で、同調していると判別したときには、CPU201は、次に配信する楽曲コンテンツとして、現在配信中の楽曲テンポ(BPM値)と同等の楽曲テンポの楽曲コンテンツを選択決定するようにする(ステップS86)。
【0187】
次に、CPU201は、通信ネットワーク150を通じた楽曲コンテンツ再生端末100からの配信停止要求を受信したか否かを判別し(ステップS87)、配信停止要求を受信したと判別したときには、配信停止処理をして(ステップS91)、この処理ルーチンを終了する。
【0188】
また、ステップS87で、配信停止要求を受信しなかったと判別したときには、CPU201は、配信中の楽曲コンテンツを最後まで配信したか否か判別し(ステップS88)、最後まで配信してはいないと判別したときには、運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックをする要求を、楽曲コンテンツ再生端末100から受信したか否かを判別する(ステップS90)。
【0189】
そして、CPU201は、ステップS90で、再チェック要求を受信したと判別したときには、ステップS82に戻り、このステップS82以降の処理を繰り返す。また、ステップS90で、再チェック要求を受信してはいないと判別したときには、ステップS87に戻り、このステップS87以降の処理を繰り返す。
【0190】
また、ステップS88で、配信中の楽曲コンテンツを最後まで配信したと判別したときには、ステップS86で選択決定された次配信の楽曲コンテンツの楽曲データのストリーミング配信を開始する(ステップS89)。そして、このステップS89の後は、ステップS87に戻り、このステップS87以降の処理を繰り返す。
【0191】
次に、図13および図14は、楽曲コンテンツ再生端末100の処理動作の一例を示すフローチャートである。この図13および図14の処理は、楽曲コンテンツ再生端末100のCPU1が、使用者の操作指示に基づいて、配信サーバ200と通信ネットワーク150を通じて通信路を形成し、配信要求を、配信サーバ200に送信したときにスタートから開始する。
【0192】
楽曲コンテンツ再生端末100のCPU1は、配信サーバ200から配信されてくる楽曲コンテンツの楽曲データを受信して、ストリーミング再生を開始する(ステップS101)。そして、楽曲データと共に配信されてくる楽曲テンポの情報を受信して、その楽曲テンポを検出する(ステップS102)。
【0193】
そして、ストリーミング再生開始と同時に運動ピッチ検出部12では、歩行/走行センサ17からの振動検出信号を受けて、上述した運動ピッチの演算検出処理動作を開始する。そして、前述したように、運動ピッチ検出部12は、検出した運動ピッチの情報と、当該運動ピッチが安定しているかどうかの情報を、システムバス10を通じてCPU1に通知する。これにより、CPU1は、使用者の運動ピッチを検知すると共に、運動ピッチが安定しているかどうかを認識するようにする(ステップS103)。
【0194】
次に、CPU1は、運動ピッチ検出部12からの出力に基づいて、運動ピッチが安定しているか否かを判別し(ステップS104)、運動ピッチが安定していないと判別したときには、使用者により操作部5を通じて配信停止要求操作がなされたか否か判別し(ステップS105)、配信停止要求操作がなされたと判別したときには、配信停止要求を配信サーバ200に通信ネットワーク150を通じて送って(ステップS107)、この処理ルーチンを終了する。
【0195】
また、ステップS105で、配信停止要求操作がなされていないと判別したときには、CPU1は、配信中の楽曲コンテンツが最後まで配信されたか否か判別し(ステップS106)、最後まで配信されてはいないと判別したときには、ステップS104に戻り、このステップS104以降の処理を繰り返す。
【0196】
また、ステップS106で、配信中の楽曲コンテンツが最後まで配信されたと判別したときには、CPU1は、ステップS101に戻り、配信サーバ200からの次の楽曲コンテンツの配信を受けるようにする。
【0197】
ステップS104で運動ピッチが安定していると判別したときには、CPU1は、その安定している状態における運動ピッチと、ストリーミング再生中楽曲コンテンツの楽曲テンポがほぼ同じ(全く等しい状態を含む)であるかどうかにより、使用者のウォーキングやジョギングの運動と、ストリーミング再生中楽曲のテンポとの間で同調しているかどうかを判別する(図14のステップS111)。
【0198】
このステップS111で、同調していると判別したときには、CPU1は、当該同調している状態が、予め定められた所定時間、この例では、30秒間以上に渡って継続しているか否かを判別する(ステップS112)。
【0199】
ステップS111で、同調していないと判別したとき、また、ステップS112で、同調している状態が30秒間以上継続してはいないと判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツが、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチに楽曲テンポが同調しているかどうかの指標である同調度情報として、「非同調」を意味する情報を配信サーバ200に送る(ステップS113)。そして、その後、CPU1は、図13のステップS13に戻る。
【0200】
ステップS112で、同調している状態が30秒間以上継続していると判別したときには、CPU1は、再生中の楽曲コンテンツは、使用者の指定したウォーキング再生モードあるいはジョギング再生モードにおいては、使用者の運動ピッチに合致する楽曲テンポの楽曲コンテンツであるとして、前記同調度情報として、「同調中」の情報を配信サーバ200に通信ネットワーク150を通じて送る(ステップS114)。
【0201】
次に、CPU1は、使用者により操作部5を通じて配信停止要求操作がなされたか否か判別し(ステップS115)、配信停止要求操作がなされたと判別したときには、配信停止処理をし(ステップS120)、その後、この処理ルーチンを終了する。
【0202】
また、ステップS115で、配信停止要求操作がなされていないと判別したときには、CPU1は、配信中の楽曲コンテンツが最後まで配信されたか否か判別し(ステップS116)、最後まで配信されてはいないと判別したときには、使用者の運動ピッチが、運動ピッチと楽曲テンポとの同調状態の再チェックをする必要があると考えられるほど変更したか否か判別し(ステップS118)、運動ピッチがそのように変更したと判別したときには、再チェック要求を配信サーバ200に送る(ステップS119)。そして、その後、CPU1は、図13のステップS102に戻り、このステップS102以降の処理を繰り返す。
【0203】
そして、ステップS118で、運動ピッチは変更していない、あるいは運動ピッチの変更が運動ピッチの揺らぎ程度の小さい時には、CPU1は、ステップS115に戻り、このステップS115以降の処理を繰り返す。
【0204】
次に、ステップS116で、再生中の楽曲コンテンツが最後まで再生されたと判別したときには、CPU1は、新たに配信サーバ200から配信されてくる楽曲コンテンツの楽曲データを受信して、ストリーミング再生を開始し(ステップS117)、その後、ステップS115に戻り、このステップS115以降の処理を繰り返す。
【0205】
なお、上述した第2の実施形態においては、配信サーバから楽曲コンテンツ再生端末に対して最初に配信する任意の楽曲コンテンツとしては、上述の例のように、完全に任意にランダムに選択した楽曲コンテンツであっても良いし、
(1)歩行ピッチ情報を先に受信し、これに同調しやすい楽曲を選択、
(2)ウォーキング/ジョギング/通常モード(「don’t care」モード)の各再生モードからリスナが選択し、再生モードに応じて楽曲を選択、
という方法を用いて選択するようにしても良い。例えば、上記の(2)の方法については、「ウォーキング」モードでは約100〜120BPM程度の楽曲を、「ジョギング」モードでは約130〜160BPM程度の楽曲を、それぞれ選曲し、通常モードでは、任意の楽曲テンポの楽曲コンテンツを選択するようにする。
【0206】
また、上述の例は、楽曲データをストリーミング配信する際に、次に配信提供する楽曲コンテンツを選択決定する場合の例であるが、配信サーバが、歩行リズムに安定的に同調できた楽曲と同等のテンポを有する楽曲のリストを、使用者の携帯端末としての楽曲コンテンツ再生端末に提供し、使用者は、そのときに、あるいは帰宅してから、配信サーバ200によりリストとして提供され推奨された楽曲を試聴または購入して、次回の歩行/ジョギング時に再生するようにしてもよい。
【0207】
[実施形態の効果]
以上説明した第1および第2の実施形態によれば、歩行/ジョギング中に歩行/走行ピッチに同調感のある楽曲を連続して聴くことができ、使用者(リスナ)の高揚感/グルーヴ(groove)感を持続することができる。
【0208】
また、スポーツとして歩行/ジョギングをしているときでも、歩行/走行ピッチに同調感のある楽曲を連続して聴くことにより、より長時間にわたって続行でき、快適にスポーツを楽しむことができる。
【0209】
また、歩行/ジョギング中に歩行ピッチに同調感のある楽曲に対し自動的に、あるいはOK操作やNG操作を介在させて半自動的に、優先度の評価値の加点あるいは減点を行うことができる。これにより、それ以降の再生において、優先度の評価点に基づく楽曲コンテンツの選曲ができる。
【0210】
また、OK/NG操作により、使用者の運動が楽曲に同調していても、リスナの好みでない楽曲コンテンツの優先度の評価値を下げたり、好みの楽曲コンテンツについて優先度の評価値を上げたりすることができ、より使用者の嗜好性を反映した自動選曲が可能となる。
【0211】
また、使用者が歩行やジョギング等の運動をしているときに、疲れてきたり、停止せざるを得ないときでも、自動的に適切なテンポの楽曲を選択してくれたり、通常の再生モードにスムーズに移行してくれるというメリットもある。
【0212】
[他の実施形態や変形例]
上述の実施形態では、楽曲コンテンツの楽曲データとその属性情報は、ハードディスク装置部などに、楽曲コンテンツIDにより関連付けられて記録されるようにしたが、楽曲コンテンツの楽曲データがCD(Compact Disc)などに記録されており、ハードディスク装置部やメモリーカードに、CDに記録されている楽曲コンテンツのそれぞれについての属性データが、互いに関連付けられて記録されていてもよい。
【0213】
また、上述の実施形態では、再生停止指示あるいは配信停止要求操作があったとき、単にこれらのウォーキング再生モードやジョギング再生モードを終了させるとしたが、これに加えて、例えばスキップ再生指示に対する動作を行うようにしても良い。すなわち、楽曲コンテンツの再生途中にスキップ再生指示がなされたときは、この楽曲コンテンツの最後まで再生せずに現在の運動ピッチに近いテンポの楽曲コンテンツの検索および選択するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1】この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態における楽曲コンテンツの属性データの一例を示す図である。
【図3】この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態における再生処理動作の第1の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図4】この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態における再生処理動作の第1の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図5】この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態における再生処理動作を説明するための図である。
【図6】この発明による楽曲コンテンツ選択再生装置の実施形態における再生処理動作の第2の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図7】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの実施形態における楽曲コンテンツ再生端末のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図8】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの実施形態における配信サーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図9】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの実施形態における配信サーバの処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図10】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの実施形態における配信サーバの処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図11】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの実施形態における楽曲コンテンツ再生端末の処理動作例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図12】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの他の実施形態における配信サーバの処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図13】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの他の実施形態における楽曲コンテンツ再生端末の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【図14】この発明による楽曲コンテンツ配信再生システムの他の実施形態における楽曲コンテンツ再生端末の処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【符号の説明】
【0215】
1…CPU、4…ハードディスク装置部、5…操作部、8…オーディオデコーダ、11…楽曲テンポ検出部、12…運動ピッチ検出部、17…歩行/走行センサ、100…楽曲コンテンツ再生端末、200…配信サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の楽曲コンテンツのデータを格納する楽曲コンテンツ格納部と、
楽曲コンテンツのデータを再生して、使用者に再生音を聴取させるようにするためのコンテンツ再生手段と、
前記コンテンツ再生手段で再生中の楽曲コンテンツのテンポを検出するテンポ検出手段と、
前記再生音を聴取している前記使用者の運動ピッチを検出する運動ピッチ検出手段と、
前記運動ピッチ検出手段の検出出力に基づいて、前記運動ピッチが安定しているか否かを判別する運動ピッチ安定判別手段と、
前記運動ピッチ安定判別手段で、前記運動ピッチが安定していると判別したときに、前記運動ピッチ検出手段で検出された運動ピッチと前記テンポ検出手段で検出されたテンポとを参照して、前記再生中の楽曲コンテンツと前記使用者の運動とが同調しているか否かを判断する同調判断手段と、
前記同調判断手段で同調していると判断されたときに、次に再生する楽曲コンテンツとして、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする次コンテンツ選択手段と、
を備える楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していないと判断したときに、前記再生中の楽曲コンテンツから、前記運動ピッチ検出手段で検出された前記運動ピッチに適合するテンポの楽曲に、再生する楽曲コンテンツを変更する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していると判断したときに、前記楽曲コンテンツのそれぞれの付随情報として前記楽曲コンテンツ格納部に記録されている、前記再生中の楽曲コンテンツを次に再生する楽曲コンテンツとして選択する際の指標データである優先度を、上昇させるように更新する優先度更新手段を備え、
前記次コンテンツ選択手段は、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの複数個の楽曲コンテンツから、前記優先度の高いものを優先的に選択する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していると判断したときに、前記使用者からの前記再生中の楽曲コンテンツについての嗜好/非嗜好の操作入力を検出する操作入力検出手段を備え、
前記操作入力検出手段で、前記再生中の楽曲コンテンツについて嗜好を意味する操作入力を検出したときに、前記優先度更新手段は、前記優先度を上昇させるように更新する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項5】
請求項3に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していると判断したときに、前記使用者からの前記再生中の楽曲コンテンツについての嗜好/非嗜好の操作入力を検出する操作入力検出手段を備え、
前記操作入力検出手段で、前記再生中の楽曲コンテンツについて非嗜好を意味する操作入力を検出したときに、前記優先度更新手段は、前記優先度を下降させるように更新する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していると判断したときに、前記嗜好/非嗜好の操作入力を促す通知を前記使用者に対して行なう通知手段を備える
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していると判断したときに、さらに前記同調している状態が予め定めた時間継続しているか否か判別する同調継続判別手段を備え、
前記次コンテンツ選択手段は、前記同調継続判別手段で、前記同調している状態が予め定めた時間継続していると判別したときに、次に再生する楽曲コンテンツとして、前記同調している状態が予め定めた時間継続していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項8】
請求項1に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調判断手段で前記同調していると判断したときに、さらに前記同調している状態が予め定めた時間継続しているか否か判別する同調継続判別手段と、
前記同調継続判別手段で、前記同調している状態が予め定めた時間継続していると判別したときに、前記楽曲コンテンツのそれぞれの付随情報として前記楽曲コンテンツ格納部に記録されている、前記再生中の楽曲コンテンツを次に再生する楽曲コンテンツとして選択する際の指標データである優先度を、上昇させるように更新する優先度更新手段とを備え、
前記次コンテンツ選択手段は、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの複数個の楽曲コンテンツから、前記優先度の高いものを優先的に選択する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項9】
請求項8に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調継続判別手段で前記同調している状態が前記予め定めた時間継続していると判別したときに、前記使用者からの前記再生中の楽曲コンテンツについての嗜好/非嗜好の操作入力を検出する操作入力検出手段を備え、
前記操作入力検出手段で、前記再生中の楽曲コンテンツについて嗜好を意味する操作入力を検出したときに、前記優先度更新手段は、前記優先度を上昇させるように更新する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項10】
請求項8に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調継続判別手段で前記同調している状態が前記予め定めた時間継続していると判別したときに、前記使用者からの前記再生中の楽曲コンテンツについての嗜好/非嗜好の操作入力を検出する操作入力検出手段を備え、
前記操作入力検出手段で、前記再生中の楽曲コンテンツについて非嗜好を意味する操作入力を検出したときに、前記優先度更新手段は、前記優先度を下降させるように更新する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記同調継続判別手段で前記同調している状態が前記予め定めた時間継続していると判別したときに、前記嗜好/非嗜好の操作入力を促す通知を前記使用者に対して行なう通知手段を備える
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項12】
請求項3または請求項8に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記優先度更新手段は、前記同調判断手段で前記同調していないと判断したときに、前記運動ピッチ検出手段で検出された運動ピッチと前記テンポ検出手段で検出されたテンポとのずれ、または、前記ずれの分散に応じて、前記楽曲コンテンツのそれぞれの付随情報として前記楽曲コンテンツ格納部に記録されている、前記再生中の楽曲コンテンツを次に再生する楽曲コンテンツとして選択する際の指標データである優先度を下降させる
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項13】
請求項1に記載の楽曲コンテンツ選択再生装置において、
前記楽曲コンテンツ格納部は、コンテンツ選択再生装置本体に対して通信路を通じて接続されていることを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生装置。
【請求項14】
楽曲コンテンツのデータを再生して、使用者に再生音を聴取させるようにするためのコンテンツ再生工程と、
前記コンテンツ再生工程で再生中の楽曲コンテンツのテンポを検出するテンポ検出工程と、
前記再生音を聴取している前記使用者の運動ピッチを検出する運動ピッチ検出工程と、
前記運動ピッチ検出工程での検出結果に基づいて、前記運動ピッチが安定しているか否かを判別する運動ピッチ安定判別工程と、
前記運動ピッチ安定判別工程で、前記運動ピッチが安定していると判別したときに、前記運動ピッチ検出工程で検出された運動ピッチと前記テンポ検出手段で検出されたテンポとを参照して、前記再生中の楽曲コンテンツと前記使用者の運動との間で同調しているか否かを判断する同調判断工程と、
前記同調判断工程で同調していると判断されたときに、次に再生する楽曲コンテンツとして、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする次コンテンツ選択工程と、
を備える楽曲コンテンツ選択再生方法。
【請求項15】
請求項14に記載の楽曲コンテンツ選択再生方法において、
前記同調判断工程で前記同調していると判断したときに、前記楽曲コンテンツのそれぞれの付随情報として前記楽曲コンテンツ格納部に記録されている、前記再生中の楽曲コンテンツを次に再生する楽曲コンテンツとして選択する際の指標データである優先度を、上昇させるように更新する優先度更新工程を備え、
前記次コンテンツ選択工程では、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの複数個の楽曲コンテンツから、前記優先度の高いものを優先的に選択する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生方法。
【請求項16】
請求項14に記載の楽曲コンテンツ選択再生方法において、
前記同調判断工程で前記同調していると判断したときに、さらに前記同調している状態が予め定めた時間継続しているか否か判別する同調継続判別工程と、
前記同調継続判別工程で、前記同調している状態が予め定めた時間継続していると判別したときに、前記楽曲コンテンツのそれぞれの付随情報として前記楽曲コンテンツ格納部に記録されている、前記再生中の楽曲コンテンツを次に再生する楽曲コンテンツとして選択する際の指標データである優先度を、上昇させるように更新する優先度更新工程を備え、
前記次コンテンツ選択工程では、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの複数個の楽曲コンテンツから、前記優先度の高いものを優先的に選択する
ことを特徴とする楽曲コンテンツ選択再生方法。
【請求項17】
楽曲コンテンツをストリーミング配信する配信サーバと、前記ストリーミング配信された楽曲コンテンツを、通信ネットワークを通じて受信して再生する楽曲コンテンツ再生端末とからなる楽曲コンテンツ配信再生システムであって、
前記配信サーバは、
前記配信する複数個の楽曲コンテンツのデータを格納する楽曲コンテンツ格納部と、
前記楽曲コンテンツ格納部から選択して読み出した楽曲コンテンツを前記楽曲コンテンツ再生端末に前記通信ネットワークを通じて配信する配信手段と、
前記配信された楽曲コンテンツのテンポを検出するテンポ検出手段と、
前記通信ネットワークを通じて前記楽曲コンテンツ再生端末から送られてくる使用者の運動ピッチ情報を受信する運動ピッチ情報受信手段と、
前記運動ピッチ情報受信手段で受信した前記運動ピッチ情報に基づいて、前記使用者の運動ピッチが安定しているか否かを判別する運動ピッチ安定判別手段と、
前記運動ピッチ安定判別手段で、前記運動ピッチが安定していると判別したときに、前記運動ピッチ情報受信手段で受信した運動ピッチと前記テンポ検出手段で検出されたテンポとを参照して、前記配信中の楽曲コンテンツと前記使用者の運動との間で同調しているか否かを判断する同調判断手段と、
前記同調判断手段で同調していると判断されたときに、次に配信する楽曲コンテンツとして、前記同調していると判断された楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする次コンテンツ選択手段と、
を備え、
前記楽曲コンテンツ再生端末は、
前記通信ネットワークを通じて送られてくる楽曲コンテンツを受信する楽曲コンテンツ受信手段と、
前記楽曲コンテンツ受信手段で受信した前記楽曲コンテンツのデータをストリーミング再生して、使用者に再生音を聴取させるようにするためのコンテンツ再生手段と、
前記再生音を聴取している前記使用者の運動ピッチを検出する運動ピッチ検出手段と、
前記運動ピッチ検出手段で検出した前記使用者の運動ピッチの情報を前記配信サーバにネットワークを通じて送る送信手段と、
を備える楽曲コンテンツ配信再生システム。
【請求項18】
楽曲コンテンツをストリーミング配信する配信サーバと、前記ストリーミング配信された楽曲コンテンツを、通信ネットワークを通じて受信して再生する楽曲コンテンツ再生端末とからなる楽曲コンテンツ配信再生システムであって、
前記配信サーバは、
前記配信する複数個の楽曲コンテンツのデータを格納する楽曲コンテンツ格納部と、
前記楽曲コンテンツ格納部から選択して読み出した楽曲コンテンツを前記楽曲コンテンツ再生端末に前記通信ネットワークを通じて配信する配信手段と、
前記楽曲コンテンツ再生端末から、前記配信中の楽曲コンテンツと使用者の運動との間で同調しているかどうかの同調度情報を、前記通信ネットワークを通じて受信する同調度情報受信手段と、
前記同調情報受信手段で、前記配信中の楽曲コンテンツと使用者の運動との間で同調しているか旨の同調度情報を受信したときに、次に配信する楽曲コンテンツとして、前記同調しているとされた楽曲コンテンツのテンポと同等のテンポの楽曲コンテンツを選択するようにする次コンテンツ選択手段と、
を備え、
前記楽曲コンテンツ再生端末は、
前記通信ネットワークを通じて送られてくる楽曲コンテンツを受信する楽曲コンテンツ受信手段と、
前記楽曲コンテンツ受信手段で受信した前記楽曲コンテンツのデータをストリーミング再生して、使用者に再生音を聴取させるようにするためのコンテンツ再生手段と、
前記配信された楽曲コンテンツのテンポを検出するテンポ検出手段と、
前記再生音を聴取している前記使用者の運動ピッチを検出する運動ピッチ検出手段と、
前記運動ピッチ検出手段で検出した前記運動ピッチに基づいて、前記使用者の運動ピッチが安定しているか否かを判別する運動ピッチ安定判別手段と、
前記運動ピッチ安定判別手段で、前記運動ピッチが安定していると判別したときに、前記運動ピッチ検出手段で検出された運動ピッチと前記テンポ検出手段で検出されたテンポとを参照して、前記配信中の楽曲コンテンツと前記使用者の運動との間で同調しているか否かを判断する同調判断手段と、
前記同調判断手段での同調判断結果である前記同調度情報を、前記通信ネットワークを通じて前記配信サーバに送る送信手段と、
を備える楽曲コンテンツ配信再生システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−140224(P2007−140224A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335210(P2005−335210)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】