説明

楽曲配信システムおよび楽曲配信装置

【課題】レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させること。
すること。
【解決手段】楽曲配信装置の記憶部が、発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を当該発売前楽曲を試聴させたいユーザの属性情報と関連付けて記憶し、楽曲配信装置の楽曲選択部が、記憶部に記憶された発売前楽曲情報の中から携帯端末装置のユーザの属性情報と関連付けられた発売前楽曲情報を選択し、楽曲配信装置の楽曲配信部が、楽曲選択部によって選択された発売前楽曲情報を携帯端末装置へ配信する。また、本実施例では、携帯端末装置の記憶部が、楽曲配信部によって配信された発売前楽曲情報を記憶し、携帯端末装置の再生処理部が、記憶部に記憶された発売前楽曲情報に含まれる音源データの再生処理を実行するように楽曲配信システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲配信システムおよび楽曲配信装置に関し、特に、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることができる楽曲配信システムおよび楽曲配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話向けの音楽ダウンロードサービスのように、各レコード会社が保有する楽曲を携帯端末装置に対して配信する楽曲配信システムが知られている。
【0003】
このような楽曲配信システムでは、販促効果を高めることを目的とした各種のサービスが行われている。たとえば、楽曲配信システムでは、嗜好の似たユーザがダウンロードした楽曲やかかる楽曲のアーティストに関する情報を提示するリコメンドサービスを行っている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、楽曲配信システムでは、ユーザAが楽曲「BB」をダウンロードした場合に、楽曲「BB」をダウンロードしたことのある他のユーザCが過去にダウンロードした楽曲のアーティスト「DD」をユーザAが好むアーティストであると推測する。そして、楽曲配信システムでは、アーティスト「DD」の楽曲情報をユーザAの携帯端末装置へ送信することによってアーティスト「DD」の売れ筋楽曲等をユーザAに対して試聴させていた。
【0005】
このようなリコメンドサービスを実施することによって、楽曲配信システムでは、ダウンロード実績のある楽曲、すなわち、発売済みの楽曲に対する販促効果を高めることができる。
【0006】
一方、レコード会社では、発売済みの楽曲だけでなく、発売前の楽曲もユーザに対して試聴させることで、発売前の楽曲に対するユーザの購買意欲を促進させたいと考える場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−169909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来技術では、発売前の楽曲をユーザに対して試聴させたいというレコード会社の要望を十分に満足させることができなかった。
【0009】
たとえば、レコード会社では、ユーザからのダウンロード実績が未だないデビュー前の新人アーティストの発売前の楽曲をユーザに試聴させたいという要望がある。しかし、従来のリコメンドサービスでは、ダウンロード実績が既にあるアーティストの楽曲しか紹介することができないため、上記の要望を満たすことができなかった。
【0010】
このことから、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることができる楽曲配信システムあるいは楽曲配信装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0011】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることができる楽曲配信システムおよび楽曲配信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、携帯端末装置と、前記携帯端末装置に対して楽曲を配信する楽曲配信装置とを含んだ楽曲配信システムであって、前記楽曲配信装置は、発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を記憶する配信楽曲記憶手段と、前記配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から所定の発売前楽曲情報を選択する楽曲選択手段と、前記楽曲選択手段によって選択された発売前楽曲情報を前記携帯端末装置へ配信する配信手段とを備え、前記携帯端末装置は、前記配信手段によって配信された発売前楽曲情報を記憶する受信楽曲記憶手段と、前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報に含まれる音源データの再生処理を実行する再生処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、携帯端末装置に対して楽曲を配信する楽曲配信装置であって、発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を記憶する配信楽曲記憶手段と、前記配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から所定の発売前楽曲情報を選択する楽曲選択手段と、前記楽曲選択手段によって選択された発売前楽曲情報を前記携帯端末装置へ配信する配信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、楽曲配信装置の配信記憶手段が、発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を記憶し、楽曲配信装置の楽曲選択手段が、配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から所定の発売前楽曲情報を選択し、楽曲配信装置の配信手段が、楽曲選択手段によって選択された発売前楽曲情報を携帯端末装置へ配信する。また、本発明によれば、携帯端末装置の受信楽曲記憶手段が、配信手段によって配信された発売前楽曲情報を記憶し、携帯端末装置の再生処理手段が、受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報に含まれる音源データの再生処理を実行することとした。したがって、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明に係る楽曲配信手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る楽曲配信装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、本実施例に係る楽曲配信装置および携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、楽曲配信装置に記憶される配信楽曲情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、車載装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、発売前楽曲の配信処理および再生処理の動作例を示す図である。
【図7】図7は、再生履歴情報の送信処理および実績情報の蓄積処理の動作例を示す図である。
【図8】図8は、予約処理の動作例を示す図である。
【図9】図9は、乗車者の組合せを考慮して発売前楽曲を配信する場合の動作例を示す図である。
【図10】図10は、ユーザの嗜好順に発売前楽曲を再生する場合の動作例を示す図である。
【図11】図11は、楽曲配信装置、携帯端末装置および車載装置の間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る楽曲配信手法を適用した楽曲配信システムおよび楽曲配信装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る楽曲配信手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る楽曲配信手法を適用した楽曲配信システムおよび楽曲配信装置についての実施例を図2〜図11を用いて説明することとする。
【0017】
まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明に係る楽曲配信手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る楽曲配信手法の概要を示す図である。同図に示すように、本発明に係る楽曲配信手法では、各レコード会社が薦める発売前の楽曲(以下、「発売前楽曲」と記載する)を各レコード会社が指定する特定のユーザに対して試聴させるために配信する。
【0018】
具体的には、同図に示したように、本発明に係る楽曲配信手法では、まず、楽曲配信センタが、各レコード会社から配信依頼情報を取得する(同図の(1)参照)。ここで、楽曲配信センタとは、携帯端末装置への楽曲配信サービスを提供する企業等である。
【0019】
また、配信依頼情報とは、各レコード会社がユーザに対して試聴させたい発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報をターゲットとなるユーザの性別や年代といった属性情報と関連付けた情報である。なお、発売前楽曲情報は、発売前楽曲の音源データの他、楽曲名、アーティスト名、発売日等を含んでいる。
【0020】
楽曲配信センタでは、レコード会社から配信依頼情報を取得すると、取得した配信依頼情報を配信楽曲DB(データベース)へ格納する(同図の(2)参照)。すなわち、配信楽曲DBには、各レコード会社が薦める発売前楽曲が、かかる発売前楽曲を試聴させたいターゲットユーザの属性情報と関連付けて記憶されることとなる。
【0021】
つづいて、本発明に係る楽曲配信手法では、携帯端末装置が、自装置のユーザに関する属性情報を楽曲配信センタに対して送信する(同図の(3)参照)。ここで、かかる属性情報には、ユーザの性別や年代等が含まれている。
【0022】
また、楽曲配信センタでは、配信楽曲DBに記憶された発売前楽曲情報のうち、携帯端末装置から受信した属性情報に対応する発売前楽曲情報を選択して携帯端末装置へ配信する(同図の(4)参照)。そして、本発明に係る楽曲配信手法では、携帯端末装置が、楽曲配信センタから配信された発売前楽曲情報を記憶するとともに、記憶した発売前楽曲情報の再生処理を実行する(同図の(5)参照)。
【0023】
たとえば、携帯端末装置は、車載装置との間で近距離無線通信を行う機能を備えている。そして、本発明に係る楽曲配信手法では、携帯端末装置が、車載装置との間で通信リンクを確立させた場合に、発売前楽曲情報に含まれる音源データを車載装置を用いて再生させる。なお、かかる場合に、携帯端末装置は、発売前楽曲を車載装置に対して再生させるだけでなく、自装置で再生することもできる。
【0024】
このように、本発明に係る楽曲配信手法では、楽曲配信センタが、各レコード会社が薦める発売前楽曲をターゲットユーザの属性情報と関連付けて配信楽曲DBへ記憶し、配信楽曲DBに記憶された発売前楽曲情報の中から携帯端末装置のユーザの属性情報と関連付けられた発売前楽曲情報を選択して配信する。そして、本発明に係る楽曲配信手法では、携帯端末装置が、楽曲配信センタから配信された発売前楽曲情報を記憶するとともに、所定のタイミング、特に、車載装置との通信リンクが確立した場合に、発売前楽曲情報に含まれる音源データの再生処理を実行することとした。したがって、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることができる。
【0025】
すなわち、従来のリコメンドサービスでは、ダウンロード実績のないデビュー前のアーティストの発売前楽曲を紹介することができない。また、発売前の楽曲をウェブサイトへアップロードして試聴させようとした場合であっても、レコード会社が薦める発売前楽曲をターゲットユーザが選択して試聴してくれるとは限らない。このように、これらのサービスを用いたとしても、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることが困難であった。
【0026】
一方、本発明に係る楽曲配信手法では、各レコード会社が薦める発売前楽曲を各レコード会社がターゲットとするユーザに対して配信することで、各レコード会社が薦める発売前楽曲がターゲットユーザによって試聴される機会をより確実に増やすことができる。また、本発明に係る楽曲配信手法によれば、既に人気のあるアーティストだけでなく、将来性のある新人アーティストの発売前楽曲をユーザに購入してもらうきっかけを作ることができる。すなわち、レコード会社からユーザに対して発売前楽曲を売り込むことによって、ビジネスチャンスの広げることが可能となる。
【0027】
また、発売前楽曲の全てを無条件に配信することとすると、膨大な量の発売前楽曲がユーザに対して配信されることとなり、ユーザが発売前楽曲を試聴しきれなかったり、ユーザの試聴意欲を減退させてしまったりするおそれがある。この結果、レコード会社がターゲットとするユーザに対して発売前楽曲を試聴してもらえないおそれがある。
【0028】
しかし、本発明に係る楽曲配信手法のように、レコード会社がターゲットとするユーザに限定して発売前楽曲を配信することによって、各レコード会社が薦める発売前楽曲を、その発売前楽曲を試聴してほしいユーザに対してより確実に試聴させることが可能となる。
【0029】
ところで、本発明に係る楽曲配信手法では、各携帯端末装置による発売前楽曲の再生実績を各レコード会社へフィードバックすることも併せて行っている。これによって、レコード会社は、再生実績をマーケティングに活用したり、再生実績が思わしくない場合にはターゲット層を変更する等の対処を行ったりすることもできる。なお、かかる点の詳細については、実施例において後述することとする。
【0030】
以下では、図1を用いて説明した楽曲配信手法を適用した楽曲配信システムおよび楽曲配信装置についての実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0031】
図2は、本実施例に係る楽曲配信装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、本実施例に係る楽曲配信装置10は、インターネットや無線通信網といったネットワークを介して携帯端末装置20と接続する。また、楽曲配信装置10は、インターネット等のネットワークを介してレコード会社A〜Cと接続されている。なお、本実施例に係る楽曲配信システムは、楽曲配信装置10および携帯端末装置20を少なくとも含むものである。
【0032】
レコード会社A〜Cは、CD等のレコードや楽曲配信用の音源データの製作・販売を行う企業である。本実施例において、レコード会社A〜Cは、自社が保有する発売前楽曲のうち、ユーザに対して特に試聴させたいお薦め楽曲を、その楽曲を試聴させたいターゲットユーザの属性情報と関連付けて記憶する発売前お薦め楽曲DB(データベース)400a〜400cを有している。
【0033】
また、楽曲配信装置10は、配信楽曲DB100を有している。配信楽曲DB100は、携帯端末装置20に対して配信する楽曲を格納するデータベースである。具体的には、レコード会社A〜Cは、発売前お薦め楽曲DB400a〜400cに記憶した発売前楽曲情報およびターゲットユーザの属性情報を配信依頼情報として楽曲配信装置10へ送信する。そして、楽曲配信装置10は、各レコード会社A〜Cから受け取った発売前楽曲情報およびターゲットユーザの属性情報を配信楽曲DB100へ格納する。
【0034】
一方、携帯端末装置20は、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置30間と接続する。ここで、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)とは、2.4GHzの周波数帯を用いて半径数10m程度の無線通信を行う近距離無線通信規格であり、近年では、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電子機器に広く適用されている。
【0035】
なお、本実施例では、ブルートゥース(登録商標)を用いて携帯端末装置20/車載装置30間の通信を行う場合について説明するが、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いることとしてもよい。また、携帯端末装置20/車載装置30間の通信を有線通信で行うこととしてもよい。
【0036】
車載装置30は、表示機能やオーディオ再生機能、携帯端末装置との通信機能といった基礎的な機能のみを実装し、携帯端末装置20と連携することで多機能化する車載装置である。
【0037】
次に、本実施例に係る楽曲配信装置10および携帯端末装置20の構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施例に係る楽曲配信装置10および携帯端末装置20の構成を示すブロック図である。なお、同図には、楽曲配信装置10および携帯端末装置20の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0038】
同図に示したように、楽曲配信装置10は、通信インタフェース11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。また、記憶部12は、ユーザ情報12aと、配信楽曲情報12bとを記憶しており、制御部13は、楽曲選択部13aと、楽曲配信部13bと、実績情報蓄積部13cと、実績情報送信部13dとを備えている。なお、記憶部12は、図2に示した配信楽曲DB100に相当する。
【0039】
一方、携帯端末装置20は、通信インタフェース21と、近距離通信部22と、制御部23と、記憶部24とを備えている。また、制御部23は、楽曲要求部23aと、連携部23bと、再生処理部23cと、履歴情報送信部23dとを備えている。また、記憶部24は、ユーザ情報24aと、楽曲情報24bと、再生履歴情報24cとを記憶している。
【0040】
以下では、まず、楽曲配信装置10の各構成要素について説明する。通信インタフェース11は、携帯端末装置20との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。
【0041】
記憶部12は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、ユーザ情報12aおよび配信楽曲情報12bを記憶する。ユーザ情報12aは、楽曲配信センタが提供する楽曲配信サービスの加入者に関する情報である。具体的には、ユーザ情報12aは、ユーザの性別や年代といった属性情報をユーザが所持する携帯端末装置の識別子(以下、「IDm」と記載する)と関連付けた情報である。
【0042】
配信楽曲情報12bは、各レコード会社A〜Cから送信される配信依頼に含まれる発売前楽曲情報およびターゲット属性情報を各レコード会社A〜Cの識別情報と関連づけた情報である。ここで、かかる配信楽曲情報12bの具体的な内容について図4を用いて説明する。
【0043】
図4は、楽曲配信装置10に記憶される配信楽曲情報12bの一例を示す図である。なお、同図の(A)には、配信楽曲情報12bの一例を、同図の(B)には、配信楽曲情報12bに含まれる実績情報の一例を、それぞれ示している。
【0044】
同図の(A)に示したように、配信楽曲情報12bは、「ターゲット属性情報」項目と、「発売前楽曲情報」項目と、「実績情報」項目とをレコード会社の識別情報と関連付けた情報である。
【0045】
ここで、「ターゲット属性情報」項目は、レコード会社A〜Cが発売前楽曲を試聴させたいと考えているユーザであるターゲットユーザに関する属性情報が格納される項目である。具体的には、「ターゲット属性情報」項目は、「性別」項目および「年代」項目を含んでいる。「性別」項目は、ターゲットユーザの性別が格納される項目であり、「年代」項目は、ターゲットユーザの年代が格納される項目である。
【0046】
「発売前楽曲情報」項目は、発売前楽曲の音源データを含む発売前楽曲に関する情報が格納される項目である。具体的には、「発売前楽曲情報」項目は、「アーティスト」項目、「曲名」項目、「発売日」項目、「その他情報」項目および「音源データ」項目を含んでいる。
【0047】
「アーティスト」項目は、発売前楽曲の演奏者(アーティスト)の名称が格納される項目であり、「曲名」項目は、発売前楽曲の楽曲名が格納される項目であり、「発売日」項目は、発売前楽曲の発売日が格納される項目である。
【0048】
「その他情報」項目には、発売前楽曲に関するその他の情報が格納される。たとえば、「その他情報」項目には、発売前楽曲のジャンル、発売前楽曲を収録したアルバムのアルバム名あるいは発売前楽曲のタイアップ情報等が格納される。「音源データ」項目は、発売前楽曲の音源データが格納される項目である。
【0049】
「実績情報」項目は、発売前楽曲の配信実績や再生実績等が格納される項目であり、後述する実績情報蓄積部13cによって蓄積される。ここで、同図の(A−1)に示した「実績情報」項目の具体的内容を同図の(B)に示す。
【0050】
同図の(B)に示したように、「実績情報」項目は、「配信数」項目、「再生回数」項目、「リピート回数」項目、「お気に入り登録数」項目、「予約数」項目、「スキップ回数」項目および「削除回数」項目を含んでいる。なお、実績情報を蓄積する場合の動作例については、図7を用いて後述することとする。
【0051】
「配信数」項目は、発売前楽曲の携帯端末装置20への配信数が格納される項目である。「再生回数」項目は、携帯端末装置20の再生処理部23cによって再生処理が行われた回数が格納される項目である。また、「再生回数」項目は、「車載装置」項目および「携帯端末」項目を含んでいる。ここで、「車載装置」項目は、発売前楽曲が車載装置30を介して再生された回数を格納する項目であり、「携帯端末」項目は、発売前楽曲が車載装置30を介することなく再生された回数を格納する項目である。
【0052】
「リピート回数」項目は、発売前楽曲がリピート再生された回数が格納される項目であり、「お気に入り登録数」項目は、発売前楽曲が携帯端末装置20のお気に入りフォルダへの登録された回数が格納される項目である。また、「スキップ回数」項目は、発売前楽曲が先送り操作された回数が格納される項目であり、「削除回数」項目は、発売前楽曲が削除された回数が格納される項目である。
【0053】
図3に戻り、制御部13について説明する。楽曲選択部13aは、記憶部12に記憶された配信楽曲情報12bの中からユーザの属性情報と関連付けられた発売前楽曲情報を選択する処理部である。
【0054】
具体的には、楽曲選択部13aは、携帯端末装置20の楽曲要求部23aから発売前楽曲の配信要求を受け取った場合に、配信要求から属性情報を取り出す。そして、楽曲選択部13aは、取り出した属性情報に対応する発売前楽曲情報を配信楽曲情報12bの中から選択する。また、楽曲選択部13aは、選択した発売前楽曲情報を楽曲配信部13bへ渡す処理も併せて行う。
【0055】
楽曲配信部13bは、楽曲選択部13aによって選択された発売前楽曲情報を通信インタフェース11経由で携帯端末装置20へ配信する処理部である。具体的には、楽曲配信部13bは、図4の(A)に示した「アーティスト」項目、「曲名」項目、「発売日」項目、「その他情報」項目および「音源データ」項目に格納された各情報を携帯端末装置20の楽曲要求部23aへ配信する。
【0056】
なお、楽曲選択部13aおよび楽曲配信部13bの動作例については、図6を用いて後述することとする。
【0057】
実績情報蓄積部13cは、携帯端末装置20から取得した再生履歴情報を実績情報として記憶部12へ蓄積する処理部である。具体的には、実績情報蓄積部13cは、携帯端末装置20の履歴情報送信部23dから発売前楽曲の再生履歴情報を取得すると、取得した再生履歴情報を対応する発売前楽曲情報と関連付け、実績情報として配信楽曲情報12bへ蓄積する。なお、実績情報の内容は、図4の(B)に示した通りである。
【0058】
実績情報送信部13dは、配信楽曲情報12bに蓄積された実績情報を定期的に(たとえば、1日に1回)取り出し、取り出した実績情報を対応するレコード会社A〜Cに対して送信する処理部である。このように実績情報を各レコード会社へ送信することによって、各レコード会社A〜Cは、取得した実績情報をマーケティングに活用したり、実績情報が思わしくない場合にはターゲット層を変更する等の対処を行ったりすることができる。
【0059】
なお、実績情報蓄積部13cおよび実績情報送信部13dの動作例については、図7を用いて後述することとする。
【0060】
次に、携帯端末装置20の各構成要素について説明する。通信インタフェース21は、楽曲配信装置10との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。また、近距離通信部22は、車載装置30との間でブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を行うための通信デバイスである。
【0061】
制御部23は、発売前楽曲の配信要求処理、車載装置30との連携処理、発売前楽曲の再生処理、再生履歴情報の送信処理といった処理を実行する処理部である。
【0062】
楽曲要求部23aは、楽曲配信装置10に対して発売前楽曲の配信要求を行う処理部である。具体的には、楽曲要求部23aは、ユーザ情報24aからユーザの属性情報を取り出し、取り出した属性情報を含んだ配信要求を通信インタフェース21経由で楽曲配信装置10の楽曲選択部13aへ送信する。
【0063】
ここで、記憶部24に記憶されるユーザ情報24aには、ユーザの性別や年代といった属性情報が含まれている。なお、かかるユーザ情報24aは、属性情報の他にユーザの嗜好情報も含んでいるが、かかる点については、図10を用いて後述することとする。
【0064】
なお、楽曲要求部23aは、所定のタイミングが到来した場合に配信要求を行う。ここで、所定のタイミングとは、たとえば、携帯端末装置20の電源が投入された場合や、本実施例に係る楽曲配信システムを実現するための楽曲配信アプリケーションを起動させた場合あるいは前回の配信要求から所定期間が経過した場合などである。
【0065】
また、楽曲要求部23aは、楽曲配信部13bから発売前楽曲情報を取得すると、取得した発売前楽曲情報を楽曲情報24bとして記憶部24に記憶する処理も併せて行う。
【0066】
連携部23bは、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置30との通信リンクを確立するとともに、確立した通信リンクを用いて携帯端末装置20/車載装置30間の通信処理を行う処理部である。
【0067】
また、連携部23bは、車載装置30との通信リンクを確立した場合に、通信リンクが確立した旨を再生処理部23cへ通知する処理も併せて行う。また、連携部23bは、車載装置30から受け取った各種操作情報を再生処理部23cへ渡す処理も行う。
【0068】
再生処理部23cは、記憶部24に記憶された楽曲情報24に含まれる音源データの再生処理を実行する処理部である。具体的には、再生処理部23cは、車載装置30との通信リンクが確立した旨を連携部23bから受けた場合に、発売前楽曲情報の再生処理を開始する。ここで、かかる再生処理の動作例については、図6を用いて後述することとする。なお、再生処理部23cは、車載装置30と連携して発売前楽曲を再生するだけでなく、自装置単体で発売前楽曲を再生することもできる。
【0069】
また、再生処理部23cは、連携部23bから発売前楽曲の再生に関する各種の操作情報を受け取った場合に、受け取った操作に対応する処理を実行する。たとえば、再生処理部23cは、連携部23bから発売前楽曲のスキップ操作を受け取った場合には、楽曲情報24bから次の発売前楽曲情報を取り出して車載装置30へ送信する。
【0070】
また、再生処理部23cは、連携部23bから受け取った各種の操作情報を対応する発売前楽曲の楽曲名等と関連付けて再生履歴情報24cとして記憶部24に記憶する処理も行う。なお、かかる処理の詳細については、図7を用いて後述することとする。
【0071】
履歴情報送信部23dは、記憶部24に記憶された再生履歴情報24cを所定のタイミング(たとえば、1日1回)で楽曲配信装置10のへ送信する処理部である。
【0072】
記憶部24は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、ユーザ情報24a、楽曲情報24bおよび再生履歴情報24cを記憶する。ユーザ情報24aは、ユーザの属性情報や嗜好情報を含んだ情報である。
【0073】
また、楽曲情報24bは、楽曲配信装置10から配信された発売前楽曲情報であり、再生履歴情報24cは、発売前楽曲に対する各種操作(たとえば、再生操作やリピート操作あるいはスキップ操作など)の操作履歴を発売前楽曲情報に含まれる「曲名」項目等と関連付けた情報である。
【0074】
次に、車載装置30の構成について図5を用いて説明する。図5は、車載装置30の構成を示すブロック図である。なお、同図には、車載装置30の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0075】
同図に示したように、車載装置30は、近距離通信部31と、タッチパネルディスプレイ32と、スピーカ33と、制御部34とを備えている。近距離通信部31は、携帯端末装置20との間でブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を行うための通信デバイスである。
【0076】
タッチパネルディスプレイ32は、各種画像を表示するためのディスプレイの表面に入力用のタッチパネルを付した入出力デバイスである。ここでは、説明の便宜上、タッチパネルディスプレイ32を表示部32aと操作部32bとに分けて説明する。スピーカ33は、携帯端末装置20から近距離通信部31を介して送信される音源データを出力する音声出力部である。
【0077】
制御部34は、連携部34aと再生処理部34bとを備えている。連携部34aは、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて携帯端末装置20との通信リンクを確立するとともに、確立した通信リンクを用いて車載装置30/携帯端末装置20間の通信処理を行う処理部である。
【0078】
また、連携部34aは、携帯端末装置20から発売前楽曲情報を取得した場合に、発売前楽曲情報に含まれる音源データを再生処理部34bへ渡す処理も併せて行う。また、連携部34aは、携帯端末装置20から取得した発売前楽曲情報に含まれる音源データ以外の情報(たとえば、図4(A)に示した「アーティスト」項目や「曲名」項目など)を表示部32aに対して表示させる処理を行う。
【0079】
また、連携部34aは、操作部32bから各種の操作情報を取得した場合に、取得した操作情報を近距離通信部31経由で携帯端末装置20へ送信する処理を行う。
【0080】
再生処理部34bは、連携部34aから音源データを受け取った場合に、受け取った音源データをスピーカ33に対して出力させる処理部である。
【0081】
次に、発売前楽曲の配信処理および再生処理の動作例について図6を用いて説明する。図6は、発売前楽曲の配信処理および再生処理の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、発売前楽曲の配信処理の動作例について、同図の(B)には、発売前楽曲の再生処理の動作例について、それぞれ示している。
【0082】
同図の(A)に示したように、携帯端末装置20では、楽曲要求部23aが、電源投入時等に、ユーザ情報24aから属性情報を取り出し、取り出した属性情報を含んだ配信要求を楽曲配信装置10に対して送信する(同図の(A−1)参照)。ここで、楽曲要求部23aは、性別「男性」および年代「20代」を含んだ属性情報を楽曲配信装置10へ送信するものとする。
【0083】
つづいて、楽曲配信装置10では、楽曲選択部13aが、携帯端末装置20から配信要求を受信すると、受信した配信要求から属性情報を取り出し、取り出した属性情報に対応する発売前楽曲情報を配信楽曲情報12bの中から選択する(同図の(A−2)参照)。ここで、楽曲選択部13aは、性別「男性」および年代「20代」を含んだ属性情報を受信したため、性別「男性」および年代「20代」と関連付けられた発売前楽曲情報として、曲名「●●●」、発売日「3/24」等を含んだ発売前楽曲情報を選択する。(図4の(A)参照)。
【0084】
なお、ここでは、発売前楽曲情報が1つのみ選択される場合について説明するが、楽曲選択部12aは、該当する発売前楽曲情報が複数存在する場合には、複数の発売前楽曲情報を選択する。また、楽曲配信装置10は、携帯端末装置20に対して配信済みの発売前楽曲情報を所定の記憶領域に記憶しており、未配信の発売前楽曲情報のみを配信するものとする。
【0085】
つづいて、楽曲配信装置10では、楽曲配信部13bが、楽曲選択部13aによって選択された発売前楽曲情報を携帯端末装置20へ配信する(同図の(A−3)参照)。そして、携帯端末装置20では、楽曲要求部13aが、受信した発売前楽曲情報を楽曲情報24bとして記憶部24へ追加する(同図の(A−4)参照)。
【0086】
なお、ここでは、携帯端末装置20が配信要求として属性情報を送信する場合について説明したが、これに限ったものではない。すなわち、携帯端末装置20の楽曲要求部23aが、配信要求として自装置のIDmを楽曲配信装置10の楽曲選択部13aへ送信し、楽曲選択部13aが、携帯端末装置20から取得したIDmに対応する属性情報をユーザ情報12aから取り出すこととしてもよい。
【0087】
一方、図6の(B)に示したように、携帯端末装置20では、連携部23bが、車載装置30との間で通信リンクを確立させると(同図の(B−1)参照)、再生処理部23cが、楽曲情報24bのうち音源データ以外の情報を楽曲リストとして記憶部24から取り出して車載装置30へ送信する(同図の(B−2)参照)。
【0088】
つづいて、車載装置30では、連携部34aが、携帯端末装置20から受信した楽曲リストをタッチパネルディスプレイ32の表示部32aに対して表示させる(同図の(B−3)参照)。そして、車載装置30では、表示部32aへ表示された楽曲リストを見たユーザによってタッチパネルディスプレイ32の操作部32bに対して再生操作が行われると、連携部34aが、携帯端末装置20に対して再生指示を送信する(同図の(B−4)参照)。
【0089】
つづいて、携帯端末装置20では、連携部23bが、車載装置30から再生指示を受け取ると、記憶部24から音源データを取り出して車載装置30へ送信する(同図の(B−5)参照)。そして、車載装置30では、再生処理部34bが、携帯端末装置20から受信した音源データを再生する(同図の(B−6)参照)。この結果、楽曲配信装置10から配信された発売前楽曲が車載装置30のスピーカから出力されることとなる。
【0090】
このように、携帯端末装置20の連携部23bが、楽曲再生機能を備えた車載装置30との間で通信リンクを確立させた場合に、携帯端末装置20の再生処理部23cが、記憶部24に記憶された発売前楽曲情報を車載装置30に対して再生させることとしたため、各レコード会社A〜Cの薦める発売前楽曲がユーザによって試聴される機会を増やすことができる。
【0091】
すなわち、ユーザは、運転中において車載装置30を利用して楽曲を聴く機会が多い。そのため、本実施例のように、携帯端末装置20に記憶された発売前楽曲を車載装置30を利用して再生可能とすることで、ユーザが発売前楽曲を試聴する機会を増やすことができる。
【0092】
ところで、携帯端末装置20は、ユーザが気に入らなかった発売前楽曲を自動的に削除することができる。具体的には、携帯端末装置20では、一定期間再生されなかった発売前楽曲情報あるいはユーザによってスキップ操作がなされた発売前楽曲情報が存在する場合(同図の(B−7)参照)、再生処理部23cが、該当する発売前楽曲情報を記憶部24から自動的に削除する(同図の(B−8)参照)。
【0093】
このように、再生処理部23cが、所定期間再生されなかった発売前楽曲情報または再生中に先送り操作が行われた発売前楽曲情報を記憶部24から削除することとしたため、ユーザにとって不必要な発売前楽曲情報によって携帯端末装置20の記憶容量が無駄に圧迫されることを防止できる。なお、携帯端末装置20の再生処理部23cは、発売前楽曲情報に含まれる「発売日」が現在日と一致した場合、すなわち、発売前楽曲の発売日が到来した場合にも削除する。
【0094】
次に、再生履歴情報の送信処理および実績情報の蓄積処理の動作例について図7を用いて説明する。図7は、再生履歴情報の送信処理および実績情報の蓄積処理の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、タッチパネルディスプレイ32の表示例を、同図の(B)には、再生履歴情報の送信処理および実績情報の蓄積処理の動作例を、それぞれ示している。
【0095】
同図の(A)に示したように、タッチパネルディスプレイ32の表示部32aには、発売前楽曲情報に含まれる音源データ以外の各種情報が表示される。具体的には、タッチパネルディスプレイ32の表示部32aには、発売前楽曲のアーティスト名や楽曲名、アルバム名、発売日、CDジャケット画像といった情報が表示される。
【0096】
また、タッチパネルディスプレイ32の表示部32aには、「予約」ボタン300a、「お気に入り」ボタン300b、「削除」ボタン300c、「RPT」ボタン300d、「頭出し」ボタン300eおよび「先送り」ボタン300fが表示されている。ユーザは、これらのソフトボタン300a〜300fを押下することによって発売前楽曲情報の再生に関する各種の操作を行うことができる。
【0097】
具体的には、「予約」ボタン300aは、再生中の発売前楽曲を予約したい場合に押下されるソフトボタンである。また、「お気に入り」ボタン300bは、再生中の発売前楽曲をお気に入りに登録したい場合に押下されるソフトボタンである。同様に、「削除」ボタン300c、「RPT」ボタン300d、「頭出し」ボタン300eおよび「先送り」ボタン300fは、それぞれ、再生中の発売前楽曲の「削除」、「リピート」(繰り返し再生)、「頭出し」、「先送り」(スキップ)を行う場合に押下されるソフトボタンである。
【0098】
ここで、同図の(B)に示したように、車載装置30の連携部34aは、各ソフトボタン300a〜300fが押下されると、押下されたソフトボタン300a〜300fに対応する操作情報を携帯端末装置20に対して送信する(同図の(B−1)参照)。また、携帯端末装置20の再生処理部23cは、車載装置30から受信した操作情報に従って予約処理やお気に入り登録処理、削除処理といった各種の処理を実行する。
【0099】
なお、お気に入り登録処理とは、発売前楽曲情報を記憶部24の他の記憶領域(お気に入りフォルダ)へ移動させる処理である。また、再生処理部23cは、「先送り」操作を受信した場合には、楽曲情報24bから次の発売前楽曲情報を取り出して車載装置30へ送信するとともに、「先送り」操作がなされた発売前楽曲情報を記憶部24から自動的に削除する。なお、予約処理については、図8を用いて後述することとする。
【0100】
つづいて、携帯端末装置20では、再生処理部23cが、車載装置30から受信した操作情報に応じて再生履歴情報24cを更新する(同図の(B−2)参照)。ここで、再生履歴情報24cは、図4の(B)に示した実績情報のうち「配信数」項目を除いた項目を含んでいる。なお、「配信数」項目は、楽曲配信部13bが発売前楽曲情報の配信を行うごとに更新される。
【0101】
たとえば、再生処理部23cは、連携部23bによって車載装置30との通信リンクが確立している状態で、発売前楽曲情報の再生指示を車載装置30から受信した場合には、「再生回数」項目に含まれる「車載装置」項目に「1」を追加する。また、再生処理部23cは、連携部23bによって車載装置30との通信リンクが確立されていない状態で、発売前楽曲情報の再生操作が自装置によってなされた場合には、「再生回数」項目に含まれる「携帯端末」項目に「1」を追加する。
【0102】
すなわち、再生処理部23cは、発売前楽曲が車載装置30側で再生されたか(すなわち、車内で再生されたか)あるいは携帯端末装置20側で再生されたか(すなわち、車外で再生されたか)を区別して記憶することとしている。
【0103】
つづいて、携帯端末装置20では、履歴情報送信部23dが、所定のタイミング(たとえば、1日1回)が到来した場合に、再生履歴情報24cを楽曲配信装置10へ送信する(同図の(B−3)参照)。また、楽曲配信装置10では、実績情報蓄積部13cが、携帯端末装置20から受信した再生履歴情報24cを対応する発売前楽曲情報と関連付けて実績情報として蓄積する(同図の(B−4)参照)。
【0104】
そして、楽曲配信装置10では、実績情報送信部13dが、所定のタイミング(たとえば、1日1回)で、各発売前楽曲情報の実績情報を対応するレコード会社A〜Cに対してそれぞれ送信する(同図の(B−5)参照)。
【0105】
このように、携帯端末装置20の履歴情報送信部23dが、記憶部24に記憶された発売前楽曲情報に対する再生操作、リピート操作、先送り操作あるいは削除操作の何れか一つを少なくとも含んだ再生履歴情報を楽曲配信装置10に対して送信し、楽曲配信装置10の実績情報蓄積部13cが、携帯端末装置20から取得した再生履歴情報を実績情報として発売前楽曲情報と関連付けて蓄積することとした。
【0106】
したがって、かかる実績情報を各レコード会社A〜Cへ送信することによって、各レコード会社A〜Cは、自社が薦める発売前楽曲に対するユーザからの反響を把握することができる。すなわち、レコード会社A〜Cは、取得した実績情報をマーケティングに活用することができる。また、レコード会社A〜Cは、発売前楽曲に対するターゲットユーザの反応が思わしくない場合に、ターゲット属性情報を変更するといった対処を行うことが可能となる。
【0107】
ここで、ターゲット属性情報の変更は、レコード会社からの指示に従って行ってもよいが、楽曲配信装置10が、実績情報に基づいて自動的に変更させてもよい。具体的には、楽曲配信装置10では、配信楽曲情報12bとして蓄積された実績情報が所定の条件を満たした場合に、実績情報蓄積部13cが、ターゲット属性情報の変更処理を行う。
【0108】
たとえば、楽曲配信装置10では、実績情報に含まれる「再生回数」に対する「スキップ回数」の割合が所定の割合(たとえば、0.5)以上である場合や、「配信数」に対する「再生回数」の割合が所定の割合以下である場合に、かかる実績情報を持つ発売前楽曲情報と関連付けられたターゲット属性情報を他の属性情報へ変更する。
【0109】
すなわち、実績情報蓄積部13cは、図4(A)に示したアーティスト「○○○」、曲名「●●●」を含む発売前楽曲情報の実績情報が上記の条件を満たした場合に、かかる発売前楽曲情報と関連付けられたターゲット属性情報(性別「男性」、年代「20代」)を他のターゲット属性情報(たとえば、性別「男性」、年代「30代」など)へ変更する。
【0110】
このように、実績情報蓄積部13cが、発売前楽曲情報と関連付けて蓄積した実績情報が所定の条件を満たした場合に、かかる発売前楽曲情報と関連付けられた属性情報を変更することとした。したがって、発売前楽曲に対するターゲットユーザの反応が思わしくない場合であっても、ターゲットユーザを迅速にシフトさせることによって、かかる発売前楽曲に対して良い反応を示すターゲットユーザをいち早く発見することができる。
【0111】
また、本実施例では、車載装置との通信リンクの確立の有無に応じて発売前楽曲情報が車載装置30または携帯端末装置20のどちらの装置で再生されたかを特定するとともに、特定結果をさらに含んだ再生履歴情報を楽曲配信装置10に対して送信することとした。したがって、各レコード会社A〜Cは、発売前楽曲の再生回数を車内で試聴された回数と車外で試聴された回数とに区別して把握することができる。
【0112】
次に、図7の(A)に示した「予約」ボタン300aが押下された場合に実行される予約処理の動作例について図8を用いて説明する。図8は、予約処理の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、予約処理の開始タイミングについて、同図の(B)には、予約処理の動作例について、それぞれ示している。
【0113】
同図の(A)に示したように、車載装置30では、連携部34aが、「予約」ボタン300aが押下された場合に、再生中の発売前楽曲を特定する情報(たとえば、楽曲名など)を含んだ予約指示を携帯端末装置20に対して送信する(同図の(A−1)参照)。
【0114】
また、携帯端末装置20では、車載装置30から予約指示を受信すると、再生処理部23cが、自装置のIDmをさらに含んだ予約指示を楽曲配信装置10に対して送信する(同図の(A−2)参照)。そして、楽曲配信装置10では、携帯端末装置20から受信した予約指示に基づいて予約処理を実行する(同図の(A−3)参照)。
【0115】
なお、同図の(A)に示したように、本実施例に係る携帯端末装置20は、GPS(Global Positioning System)衛星等の測位衛星から取得される位置情報(以下、「GPS情報」と記載する)を取得可能であるものとする。
【0116】
一方、図8の(B)に示したように、楽曲配信装置10では、予約処理の実行を開始すると、まず、楽曲配信部13bが、該当する発売前楽曲の発売日が到来するまでの間、予約指示に含まれるIDmに対応する携帯端末装置20に対して各種の告知情報を定期的に配信する(同図の(B−1)参照)。
【0117】
たとえば、同図の(B)に示したように、楽曲配信部13bは、ユーザが予約した発売前楽曲の曲名および発売日までの残り日数を配信する。なお、同図の(B)では、携帯端末装置20が、楽曲配信部13bから配信された告知情報を車載装置30のタッチパネルディスプレイ32に対して表示させた場合について示している。また、楽曲配信部13bは、その他の告知情報として、ユーザが予約した発売前楽曲のアーティストのコンサート情報等を配信することもできる。
【0118】
つづいて、予約指示を受けた発売前楽曲の発売日が到来したとする(同図の(B−2)参照)。かかる場合に、楽曲配信装置10では、ユーザが発売前楽曲のダウンロード購入を希望するならば、課金処理を行ったうえで(同図の(B−3)参照)、該当する発売前楽曲情報の配信期間の制限を解除する(同図の(B−4)参照)。これによって、ユーザは、発売前楽曲を発売後も引き続き聴くことができる。
【0119】
なお、楽曲配信装置10は、発売前楽曲情報に含まれる音源データがフルコーラスではなく、発売前楽曲の一部しか含んでいない場合には、フルコーラスの音源データを携帯端末装置20へ配信し直すこととすればよい。
【0120】
一方、ユーザがCD(Compact Disc)の現物購入を希望する場合には、楽曲配信装置10は、携帯端末装置20に対して現在位置情報(すなわち、GPS情報)の要求を行い、携帯端末装置20からGPS情報を取得する(同図の(B−5)参照)。
【0121】
つづいて、楽曲配信装置10は、取得したGPS情報によって示される携帯端末装置20の現在位置の周辺に存在するCDショップの位置情報を携帯端末装置20に対して送信する(同図の(B−6)参照)。そして、携帯端末装置20では、楽曲配信装置10から取得したCDショップの位置情報および測位衛星から取得した現在位置情報を車載装置30のタッチパネルディスプレイ32に対して表示させる。
【0122】
なお、このとき、楽曲配信装置10は、楽曲配信センタの提携先であるCDショップの位置情報のみを配信することとすれば、提携先のCDショップの売上増加に貢献することができる。
【0123】
ところで、これまでは、ユーザが発売前楽曲を1人で試聴する場合を想定して説明してきたが、これに限ったものではない。すなわち、発売前楽曲を車内で試聴する場合には、発売前楽曲が複数のユーザによって試聴されることも考えられる。そこで、以下では、乗車者の組合せを考慮して発売前楽曲を配信する場合について図9を用いて説明する。
【0124】
図9は、乗車者の組合せを考慮して発売前楽曲を配信する場合の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、乗車者の組合せの一例を、同図の(B)には、複数の属性情報の組合せと発売前楽曲情報とを関連付けた配信楽曲情報12bの一例を、同図の(C)には、乗車者の組合せに応じた発売前楽曲情報を選択する動作例を、それぞれ示している。
【0125】
同図の(A)に示したように、車載装置30を搭載した車両には、20代の女性および20代の男性の2人が乗車している。なお、ここでは、両者がともに携帯端末装置を所持するとともに、両者が所持する携帯端末装置にはユーザの属性情報がそれぞれ記憶されているものとする。
【0126】
また、同図の(B)に示したように、楽曲配信装置10の記憶部12には、発売前楽曲を試聴させたいユーザの属性情報の組合せと関連付けて発売前楽曲情報が記憶されている。たとえば、同図の(B)に示した場合には、性別「男性」・年代「20代」の属性情報と性別「女性」・年代「20代」の属性情報との組合せ(組合せ名「20代カップル」)が、曲名「●●●」を含んだ発売前楽曲情報と関連付けて記憶されている。
【0127】
同図の(C)に示したように、各乗車者は、各自の携帯端末装置20a,20bを用いて車載装置30に対して属性情報を送信する(同図の(C−1)参照)。また、車載装置30では、連携部34aが、所定時間内に受信した属性情報を組合せ情報として一方の携帯端末装置20aへ送信する(同図の(C−2)参照)。なお、連携部34aは、車載装置30と先に通信リンクを確立した携帯端末装置20に対して組合せ情報を送信すればよい。
【0128】
つづいて、車載装置30から組合せ情報を受信した携帯端末装置20aでは、楽曲要求部23aが、組合せ情報を含んだ配信要求を楽曲配信装置10に対して送信する(同図の(C−3)参照)。
【0129】
そして、楽曲配信装置10では、楽曲選択部13aが、携帯端末装置20aから受信した組合せ情報に対応する発売前楽曲情報を選択する(同図の(C−4)参照)。ここでは、楽曲選択部13aは、「20代カップル」の組合せ情報を受信したため、「20代カップル」に対応する発売前楽曲情報として、曲名「●●●」を含んだ発売前楽曲情報を選択する。そして、楽曲配信装置10では、楽曲配信部13bが、選択された発売前楽曲情報を携帯端末装置20aに対して配信する。
【0130】
このように、本実施例では、車載装置30の連携部34aが、乗車者の属性情報を取得するとともに、取得した属性情報を乗車者が所持する携帯端末装置20へ送信し、楽曲配信装置10の記憶部12が、発売前楽曲情報を試聴させたいユーザの属性情報の組合せと関連付けて発売前楽曲情報を記憶することとした。また、本実施例では、携帯端末装置20の楽曲要求部23aが、車載装置30から複数の乗車者に対応する属性情報を取得した場合に、取得した属性情報の組合せを楽曲配信装置10へ送信し、楽曲配信装置10の楽曲選択部13aが、記憶部12に記憶された発売前楽曲情報の中から楽曲要求部23aによって送信された属性情報の組合せと関連付けられた発売前楽曲情報を選択することとした。
【0131】
したがって、各レコード会社A〜Cは、「20代カップル」や「家族連れ」、「友人同士」といった乗車者の組合せを考慮して発売前楽曲の配信を行うことができるため、発売前楽曲の販促活動をターゲットをさらに絞って行うことができる。
【0132】
なお、ここでは、各乗車者の携帯端末装置20a,20bから車載装置30に対して属性情報を送信する場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、車載装置30は、各乗車者に対して属性情報の入力を受け付けるとともに、入力された属性情報を車載装置30と通信リンクを確立させた携帯端末装置20へ送信することとしてもよい。これによって、携帯端末装置20を所持していない乗車者(たとえば、子供)が乗車する場合であっても、適切な組合せ情報を送信することができる。
【0133】
ところで、携帯端末装置20の記憶部24には、発売前楽曲が大量に記憶される可能性もある。かかる場合、ユーザの気に入らない曲が続けて再生されることによって、ユーザの試聴意欲がそがれるおそれがある。そこで、このような場合を考慮して、記憶部24に記憶された発売前楽曲をユーザの嗜好順に再生することとしてもよい。以下、かかる場合について図10を用いて説明する。
【0134】
図10は、ユーザの嗜好順に発売前楽曲を再生する場合の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、ユーザ情報24aに含まれる嗜好情報の一例を、同図の(B)には、楽曲情報24bに含まれる発売前楽曲の再生順序を、それぞれ示している。
【0135】
同図の(A)に示したように、記憶部24に記憶されるユーザ情報24aには、ユーザの嗜好情報が含まれている。具体的には、嗜好情報は、ユーザが好きなアーティストのアーティスト名やジャンル等を含む情報である。同図の(A)に示した場合には、嗜好情報は、アーティスト「□□□」やジャンル「洋楽」等を含んでいる。
【0136】
また、携帯端末装置20の再生処理部23cは、楽曲情報24bに含まれる発売前楽曲情報のうちユーザの嗜好情報との一致度が高いものから優先的に再生していく。ここで、同図の(B)に示したように、楽曲情報24bは、アーティスト「○○○」、ジャンル「J−POP」の発売前楽曲情報と、アーティスト「△△△」、ジャンル「洋楽」の発売前楽曲情報と、アーティスト「□□□」、ジャンル「洋楽」の発売前楽曲情報とを含んでいる(同図の(B−1)参照)。
【0137】
かかる場合に、再生処理部23cは、嗜好情報に含まれる「アーティスト」および「ジャンル」の双方と一致する発売前楽曲情報を最優先で再生する。ここでは、アーティスト「□□□」およびジャンル「洋楽」を含む発売前楽曲情報(曲名「■■■」)を最優先で再生する。つづいて、再生処理部23cは、嗜好情報に含まれる「アーティスト」および「ジャンル」の一方と一致する発売前楽曲を次に再生する。ここでは、ジャンル「洋楽」を含む発売前楽曲情報(曲名「▲▲▲」)を曲名「■■■」の発売前楽曲情報の次に再生する。
【0138】
そして、再生処理部23cは、嗜好情報に含まれる「アーティスト」および「ジャンル」の何れとも一致しない発売前楽曲を最後に再生する。ここでは、曲名「●●●」の発売前楽曲を最後に再生する。この結果、楽曲情報24bに含まれる発売前楽曲情報は、嗜好情報との一致度が高い順、すなわち、曲名「■■■」の発売前楽曲情報→曲名「▲▲▲」の発売前楽曲情報→曲名「●●●」の発売前楽曲情報の順に再生されることとなる(同図の(B−2)参照)。
【0139】
このように、携帯端末装置20の記憶部24が、ユーザが好む楽曲のジャンルまたは演奏者の何れか一つを少なくとも含んだ嗜好情報を記憶し、携帯端末装置20の再生処理部23cが、記憶部24に記憶された発売前楽曲情報のうち嗜好情報との一致度が高い発売前楽曲情報から優先的に再生処理を行うこととした。
【0140】
したがって、発売前楽曲が大量に記憶された場合に、ユーザの気に入らない曲が続けて再生されることによってユーザの試聴意欲がそがれることを防止でき、配信した発売前楽曲がユーザに試聴されることなく配信期間が過ぎてしまうといった事態を抑制することができる。
【0141】
次に、楽曲配信装置10、携帯端末装置20および車載装置30の間で実行される処理手順について図11を用いて説明する。図11は、楽曲配信装置10、携帯端末装置20および車載装置30の間で実行される処理手順を示すシーケンス図である。なお、同図には、携帯端末装置20が発売前楽曲の配信要求を行ってから車載装置30が発売前楽曲の再生を行うまでの処理手順について示している。
【0142】
同図に示したように、携帯端末装置20では、楽曲要求部23aが、発売前楽曲の配信要求タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、楽曲要求部23aは、携帯端末装置20の電源が投入されたか否か、楽曲配信アプリケーションが起動したか否かあるいは前回の配信要求から所定期間が経過したか否かなどを判定する。
【0143】
かかる処理において、楽曲要求部23aは、発売前楽曲の配信要求タイミングが到来したと判定した場合には(ステップS101、Yes)、ユーザ情報12aから属性情報を取り出し、取り出した属性情報を含んだ配信要求を楽曲配信装置10に対して送信する(ステップS102)。
【0144】
つづいて、楽曲配信装置10では、楽曲選択部13aが、携帯端末装置20から配信要求を受信すると、受信した配信要求から属性情報を取り出し、取り出した属性情報に対応する発売前楽曲情報を配信楽曲情報12bの中から選択する(ステップS103)。
【0145】
つづいて、楽曲配信装置10では、楽曲配信部13bが、楽曲選択部13aによって選択された発売前楽曲情報を携帯端末装置20へ配信する(ステップS104)。そして、携帯端末装置20では、楽曲要求部13aが、受信した発売前楽曲情報を楽曲情報24bとして記憶部24へ追加する(ステップS105)。
【0146】
一方、携帯端末装置20では、連携部23bが、車載装置30との間で通信リンクを確立させると(ステップS106)、再生処理部23cが、楽曲情報24bのうち音源データ以外の情報を楽曲リストとして記憶部24から取り出して車載装置30へ送信する(ステップS107)。
【0147】
つづいて、車載装置30では、連携部34aが、携帯端末装置20から受信した楽曲リストをタッチパネルディスプレイ32の表示部32aに対して表示させる(ステップS108)。そして、車載装置30では、発売前楽曲の再生操作がなされたか否かを判定し(ステップS109)、再生操作がなされたと判定すると(ステップS109、Yes)、連携部34aが、携帯端末装置20に対して再生指示を送信する(ステップS110)。
【0148】
つづいて、携帯端末装置20では、連携部23bが、車載装置30から再生指示を受け取ると、記憶部24から音源データを取り出して車載装置30へ送信する(ステップS111)。そして、車載装置30では、再生処理部34bが、携帯端末装置20から受信した音源データの再生処理を行って(ステップS112)、処理を終える。
【0149】
上述してきたように、本実施例では、楽曲配信装置の記憶部が、発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を当該発売前楽曲を試聴させたいユーザの属性情報と関連付けて記憶し、楽曲配信装置の楽曲選択部が、記憶部に記憶された発売前楽曲情報の中から携帯端末装置のユーザの属性情報と関連付けられた発売前楽曲情報を選択し、楽曲配信装置の楽曲配信部が、楽曲選択部によって選択された発売前楽曲情報を携帯端末装置へ配信する。また、本実施例では、携帯端末装置の記憶部が、楽曲配信部によって配信された発売前楽曲情報を記憶し、携帯端末装置の再生処理部が、記憶部に記憶された発売前楽曲情報に含まれる音源データの再生処理を実行することとした。したがって、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させることができる。
【0150】
なお、上述してきた実施例では、各レコード会社がターゲットユーザを限定して発売前楽曲を配信する場合について説明してきたが、これに限ったものではなく、各レコード会社が薦める発売前楽曲を不特定多数のユーザに対して配信することとしてもよい。
【0151】
具体的には、楽曲配信装置10の楽曲選択部13aが、記憶部12の中から所定の発売前楽曲情報を取り出し、楽曲配信部13bが、楽曲選択部13aによって取り出された発売前楽曲情報を携帯端末装置20に対して配信する。ここで、楽曲選択部13aは、携帯端末装置20によって指定された発売前楽曲情報を選択することとしてもよいし、最新の発売前楽曲情報から順次選択してもよい。また、楽曲選択部13aは、発売前楽曲情報をランダムに選択することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0152】
以上のように、本発明に係る楽曲配信システムおよび楽曲配信装置は、レコード会社が薦める発売前の楽曲をユーザに対して適切に試聴させたい場合に有用であり、特に、携帯端末装置に記憶した発売前楽曲情報を車載装置を用いて再生する場合に適している。
【符号の説明】
【0153】
10 楽曲配信装置
11 通信インタフェース
12 記憶部
12a ユーザ情報
12b 配信楽曲情報
13 制御部
13a 楽曲選択部
13b 楽曲配信部
13c 実績情報蓄積部
13d 実績情報送信部
100 配信楽曲DB
20 携帯端末装置
21 通信インタフェース
22 近距離通信部
23 制御部
23a 楽曲要求部
23b 連携部
23c 再生処理部
23d 履歴情報送信部
24 記憶部
24a ユーザ情報
24b 楽曲情報
24c 再生履歴情報
30 車載装置
31 近距離通信部
32 タッチパネルディスプレイ
32a 表示部
32b 操作部
33 スピーカ
34 制御部
34a 連携部
34b 再生処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置と、前記携帯端末装置に対して楽曲を配信する楽曲配信装置とを含んだ楽曲配信システムであって、
前記楽曲配信装置は、
発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を記憶する配信楽曲記憶手段と、
前記配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から所定の発売前楽曲情報を選択する楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段によって選択された発売前楽曲情報を前記携帯端末装置へ配信する配信手段と
を備え、
前記携帯端末装置は、
前記配信手段によって配信された発売前楽曲情報を記憶する受信楽曲記憶手段と、
前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報に含まれる音源データの再生処理を実行する再生処理手段と
を備えたことを特徴とする楽曲配信システム。
【請求項2】
前記配信楽曲記憶手段は、
前記発売前楽曲情報を当該発売前楽曲を試聴させたいユーザの属性情報と関連付けて記憶し、
前記楽曲選択手段は、
前記配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から前記携帯端末装置のユーザの属性情報と関連付けられた発売前楽曲情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の楽曲配信システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置は、
前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報に対する再生操作、リピート操作、先送り操作あるいは削除操作の何れか一つを少なくとも含んだ再生履歴情報を前記楽曲配信装置に対して送信する履歴情報送信手段
をさらに備え、
前記楽曲配信装置は、
前記携帯端末装置から取得した再生履歴情報を実績情報として前記発売前楽曲情報と関連付けて蓄積する実績情報蓄積手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の楽曲配信システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置は、
楽曲再生機能を備えた車載装置との間で通信リンクを確立させる連携手段
をさらに備え、
前記再生処理手段は、
前記連携手段によって前記車載装置との通信リンクが確立された場合に、前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報を前記車載装置に対して再生させることを特徴とする請求項1、2または3に記載の楽曲配信システム。
【請求項5】
前記再生処理手段は、
前記連携手段によって前記車載装置との通信リンクが確立した場合には、前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報を前記車載装置に対して再生させ、前記車載装置との通信リンクが確立していない場合には、前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報を自装置で再生し、
前記履歴情報送信手段は、
前記車載装置との通信リンクの確立の有無に応じて前記発売前楽曲情報が前記車載装置または前記携帯端末装置のどちらの装置で再生されたかを特定するとともに、特定結果をさらに含んだ再生履歴情報を前記楽曲配信装置に対して送信することを特徴とする請求項3または4に記載の楽曲配信システム。
【請求項6】
前記実績情報蓄積手段は、
前記発売前楽曲情報と関連付けて蓄積した実績情報が所定の条件を満たした場合に、当該発売前楽曲情報と関連付けられた属性情報を変更することを特徴とする請求項3、4または5に記載の楽曲配信システム。
【請求項7】
自装置が搭載された車両へ乗車する乗車者の属性情報を取得するとともに、取得した属性情報を前記乗車者が所持する携帯端末装置へ送信する車載装置
をさらに備え、
前記楽曲配信装置の配信楽曲記憶手段は、
前記発売前楽曲を試聴させたいユーザの属性情報の組合せと関連付けて前記発売前楽曲情報を記憶し、
前記携帯端末装置は、
前記車載装置から複数の前記乗車者に対応する属性情報を取得した場合に、取得した属性情報の組合せを前記楽曲配信装置へ送信することによって前記発売前楽曲の配信を要求する配信要求手段
をさらに備え、
前記楽曲配信装置の楽曲選択手段は、
前記配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から前記配信要求手段によって送信された属性情報の組合せと関連付けられた発売前楽曲情報を選択することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の楽曲配信システム。
【請求項8】
前記携帯端末装置は、
前記ユーザが好む楽曲のジャンルまたは演奏者の何れか一つを少なくとも含んだ嗜好情報を記憶する嗜好情報記憶手段
をさらに備え、
前記発売前楽曲情報は、
前記発売前楽曲のジャンルまたは演奏者の何れか一つを少なくとも含み、
前記携帯端末装置の再生処理手段は、
前記受信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報のうち前記嗜好情報記憶手段に記憶された嗜好情報との一致度が高い発売前楽曲情報から優先的に前記再生処理を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の楽曲配信システム。
【請求項9】
携帯端末装置に対して楽曲を配信する楽曲配信装置であって、
発売前楽曲の音源データを含んだ発売前楽曲情報を記憶する配信楽曲記憶手段と、
前記配信楽曲記憶手段に記憶された発売前楽曲情報の中から所定の発売前楽曲情報を選択する楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段によって選択された発売前楽曲情報を前記携帯端末装置へ配信する配信手段と
を備えたことを特徴とする楽曲配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−209644(P2011−209644A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79607(P2010−79607)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(591117192)ニフティ株式会社 (144)
【Fターム(参考)】