説明

楽音再生装置及び楽音再生方法

【課題】視聴者がエフェクト処理を再調整する手間を低減する。
【解決手段】本発明に係る楽音再生装置100は、楽音データ101Aに第1エフェクト処理を実行することにより処理済楽音データ102Aを生成するエフェクト処理部13Aと、楽音データ101Bに第2エフェクト処理を実行することにより処理済楽音データ102Bを生成するエフェクト処理部13Bと、楽音データ101A及び101Bの特性に基づき、エフェクト処理部13Aによる第1エフェクト処理の実行の有無を制御し、エフェクト処理部13Bによる第2エフェクト処理の実行の有無を制御するエフェクト制御部19と、処理済楽音データ102Aと処理済楽音データ102Bとをミキシングすることによりミキシング楽音データ103を生成するミキシング処理部15と、ミキシング楽音データを再生楽音データ105として出力する楽音出力部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽音再生装置及び楽音再生方法に関し、特に、2つ以上の楽音データをミキシングすることにより再生楽音データを生成する楽音再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、楽音再生装置は、楽音に対して、音質改善及び臨場感向上を目的としたエコー処理などのエフェクト処理を実行することがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、主音声となるオーディオストリームと、副音声となるオーディオストリームとを、個別にデコードしてからミキシングして出力するミキシング技術がある。この技術は、映画に監督のコメンタリを付与する場合などに使用される。このような技術を用いて様々な再生を行うことで、1つのコンテンツを複数回楽しむことができる。
【0004】
上記2点の技術を組み合わせた例として、例えば、特許文献2記載の技術が知られている。特許文献2記載の技術は、2つの楽音に対して、個別にエフェクト処理を施した後にミキシングする。これにより、再生のバリエーションが、さらに増加することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−060550号公報
【特許文献2】特開2006−133685号公報
【特許文献3】特開2005−242182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2記載の構成では、一度エフェクト処理の内容を決定すると、エフェクト処理の再調整を実行しない限り、常に同じエフェクト処理が実行される。
【0007】
もしある時刻で、視聴者が臨場感を味わうためにエコー処理を掛けたが、その後、ミキシング前の楽音の一つが音声に切り替わったと仮定する。
【0008】
この場合、エコー処理が行われることで音声が聞き取りにくくなる。さらに、エコー処理された音声が、エコー処理された他の楽音とミキシングされることで、さらに当該音声が聞き取りにくくなる。
【0009】
そのため、音声を聞き取りやすくするために、視聴者がエコー処理を再調整する手間が発生する。
【0010】
このように、視聴者は視聴中に楽音の特性が変化するたびに、何度もエフェクト処理の再調整をすることになる。これにより、視聴者は楽音を楽しむことに集中できない。
【0011】
そこで本発明は、視聴者がエフェクト処理を再調整する手間を低減できる楽音再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、第1楽音データ及び第2楽音データをミキシングすることにより再生楽音データを生成する楽音再生装置であって、前記第1楽音データを取得する第1楽音取得部と、前記第2楽音データを取得する第2楽音取得部と、前記第1楽音データに第1エフェクト処理を実行することにより第1処理済楽音データを生成する第1エフェクト処理部と、前記第2楽音データに第2エフェクト処理を実行することにより第2処理済楽音データを生成する第2エフェクト処理部と、前記第1楽音データの特性を示す第1楽音特性データを取得する第1楽音特性取得部と、前記第2楽音データの特性を示す第2楽音特性データを取得する第2楽音特性取得部と、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理部による前記第1エフェクト処理の実行の有無を制御し、前記第2エフェクト処理部による前記第2エフェクト処理の実行の有無を制御するエフェクト制御部とを備え、前記第1エフェクト処理部は、前記第1エフェクト処理を実行しない場合、前記第1楽音データを前記第1処理済楽音データとして出力し、前記第2エフェクト処理部は、前記第2エフェクト処理を実行しない場合、前記第2楽音データを前記第2処理済楽音データとして出力し、前記楽音再生装置は、さらに、前記第1処理済楽音データと前記第2処理済楽音データとをミキシングすることによりミキシング楽音データを生成するミキシング処理部と、前記ミキシング楽音データを前記再生楽音データとして出力する楽音出力部とを備える。
【0013】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、第1及び第2楽音特性データを用いて、自動的に第1及び第2エフェクト処理の実行/未実行を切り替えることができる。これにより、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、視聴者がエフェクト処理を再調整する手間を低減できる。これにより、視聴者は、楽音を楽しむことに集中できる。
【0014】
また、前記第1楽音データの特性及び前記第2楽音データの特性は、当該第1楽音データ又は当該第2楽音データが音声であるか、音楽であるかであり、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音データが音楽である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させ、前記第1楽音データが音声である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させず、前記第2楽音データが音楽である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させ、前記第2楽音データが音声である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させなくてもよい。
【0015】
また、前記第1楽音データの特性及び前記第2楽音データの特性は、当該第1楽音データ又は当該第2楽音データが音声であるか、音楽であるか、無音であるかであり、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音データが音声である場合、かつ、前記第2楽音データが音楽である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させず、前記第1楽音データが音声である場合、かつ、前記第2楽音データが無音である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させ、前記第2楽音データが音声である場合、かつ、前記第1楽音データが音楽である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させず、前記第2楽音データが音声である場合、かつ、前記第1楽音データが無音である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させなくてもよい。
【0016】
また、前記楽音再生装置は、さらに、前記第1楽音データの特性を解析することにより前記第1楽音特性データを生成する第1楽音解析部と、前記第2楽音データの特性を解析することにより前記第2楽音特性データを生成する第2楽音解析部とを備え、前記第1楽音特性取得部は、前記第1楽音解析部により生成された前記第1楽音特性データを取得し、前記第2楽音特性取得部は、前記第2楽音解析部により生成された前記第2楽音特性データを取得してもよい。
【0017】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、第1及び第2楽音特性データが存在しない場合でも、自動的に当該第1及び第2エフェクト処理の実行/未実行を切り替えることができる。
【0018】
また、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す第1パラメータを生成し、前記第2エフェクト処理の強さを示す第2パラメータを生成するパラメータ生成部を備え、前記第1エフェクト処理部は、前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行ってもよい。
【0019】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、再生楽音をさらに細かく調整できる。
【0020】
また、前記パラメータ生成部は、前記エフェクト制御部が前記第1エフェクト処理部の状態を、前記第1エフェクト処理を実行する状態から実行しない状態に切り替える場合、前記第1エフェクト処理の強さを連続的に減少させる前記第1パラメータを生成し、前記エフェクト制御部が前記第1エフェクト処理部の状態を、前記第1エフェクト処理を実行しない状態から実行する状態に切り替える場合、前記第1エフェクト処理の強さを連続的に増加させる前記第1パラメータを生成し、前記エフェクト制御部が前記第2エフェクト処理部の状態を、前記第2エフェクト処理を実行する状態から実行しない状態に切り替える場合、前記第2エフェクト処理の強さを連続的に減少させる前記第2パラメータを生成し、前記エフェクト制御部が前記第2エフェクト処理部の状態を、前記第2エフェクト処理を実行しない状態から実行する状態に切り替える場合、前記第2エフェクト処理の強さを連続的に増加させる前記第2パラメータを生成してもよい。
【0021】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、再生楽音の急激なエフェクトの変化を和らげることができるため、さらに最適な再生楽音を生成できる。
【0022】
また、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す第1パラメータを生成し、前記第2エフェクト処理の強さを示す第2パラメータを生成するパラメータ生成部を備え、前記第1エフェクト処理部は、前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行い、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音データが音声であり、かつ前記第2楽音データが音楽である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させず、前記第2楽音データが音声であり、かつ前記第1楽音データが音楽である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させず、前記第1楽音データ及び前記第2楽音データが共に音声である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させ、かつ、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させ、前記パラメータ生成部は、前記第1楽音データ及び前記第2楽音データが共に音声である場合、前記第1楽音データが音楽である場合より前記第1エフェクト処理の強さが弱くなるように前記第1パラメータを生成し、かつ、前記第2楽音データが音楽である場合より前記第2エフェクト処理の強さが弱くなるように前記第2パラメータを生成してもよい。
【0023】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、再生楽音をさらに細かく調整できる。
【0024】
また、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第1パラメータからいずれかを選択し、前記第2エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第2パラメータからいずれかを選択するパラメータ選択部を備え、前記第1エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行ってもよい。
【0025】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、再生楽音をさらに細かく調整できる。さらに、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、当該調整に要する処理量を低減できる。
【0026】
また、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す第1パラメータを生成し、前記第2エフェクト処理の強さを示す第2パラメータを生成するパラメータ生成部と、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第3パラメータからいずれかを選択し、前記第2エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第4パラメータからいずれかを選択するパラメータ選択部とを備え、前記第1及び前記第2楽音データに対する処理量が、予め定められた閾値より少ない場合、前記第1エフェクト処理部は、前記パラメータ生成部により生成された前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記パラメータ生成部により生成された前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行い、前記処理量が前記閾値より多い場合、前記第1エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第3パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第4パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行ってもよい。
【0027】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、再生楽音をさらに細かく調整できる。さらに、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、限られた処理性能を最大限生かして、最適な再生楽音を生成できる。
【0028】
また、前記楽音再生装置は、さらに、前記ミキシング処理部により生成された前記ミキシング再生楽音データに第3エフェクト処理を行うことにより第3処理済楽音データを生成する第3エフェクト処理部を備え、前記エフェクト制御部は、前記第1及び前記第2エフェクト処理を実行し、かつ、前記第3エフェクト処理を実行しない第1条件で生成される再生楽音データと、前記第3及び前記第2エフェクト処理を実行せず、かつ、前記第3エフェクト処理を実行する第2条件で生成される再生楽音データとが同等である場合、前記第1及び前記第2エフェクト処理部に前記第1及び前記第2エフェクト処理を実行させず、かつ、前記第3エフェクト処理部に前記第3エフェクト処理を実行させ、前記第1条件で生成される再生楽音データと前記第2条件で生成される再生楽音データとが同等でない場合、前記第1及び前記第2エフェクト処理部に前記第1及び前記第2エフェクト処理を実行させ、かつ、前記第3エフェクト処理部に前記第3エフェクト処理を実行させず、前記第3エフェクト処理部は、前記第3エフェクト処理を実行しない場合、前記ミキシング楽音データを前記第3処理済楽音データとして出力し、前記楽音出力部は、前記第3処理済楽音データを前記再生楽音データとして出力してもよい。
【0029】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、エフェクト処理の内容に応じて、エフェクト処理をミキシングの前段で2回実行するのではなく、ミキシングの後段で1回実行するだけで最適な再生楽音を得ることができる。よって、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、処理量を低減できる。
【0030】
また、前記楽音再生装置は、さらに、前記第1楽音データのデコード時の情報である第1デコード情報を取得する第1デコード情報取得部と、前記第2楽音データのデコード時の情報である第2デコード情報を取得する第2デコード情報取得部とを備え、前記第1楽音解析部は、前記第1デコード情報を用いて前記第1楽音特性データを生成し、前記第2楽音解析部は、前記第2デコード情報を用いて前記第2楽音特性データを生成してもよい。
【0031】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、楽音データの解析に必要な情報を生成するのではなく、当該情報を参照するだけで済むため、処理量を低減できる。
【0032】
また、前記楽音再生装置は、さらに、前記第1楽音解析部による前記第1楽音特性データの生成処理の実行の有無と、前記第2楽音解析部による前記第2楽音特性データの生成処理の実行の有無とを制御する楽音解析制御部を備え、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音解析部による前記第1楽音特性データの生成処理が実行されない場合、前記第1エフェクト処理部による前記第1エフェクト処理の実行の有無を維持し、前記第2楽音解析部による前記第2楽音特性データの生成処理が実行されない場合、前記第2エフェクト処理部による前記第2エフェクト処理の実行の有無を維持してもよい。
【0033】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、楽音データを解析しない場合が発生するため、処理量を低減できる。
【0034】
また、前記楽音解析制御部は、前記第1楽音解析部による前記第1楽音特性データの生成処理、及び前記第2楽音解析部による前記第2楽音特性データの生成処理を予め定められた周期で実行させるタイム制御部を備えてもよい。
【0035】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、楽音データの解析の精度を保ちつつ、処理量を低減できる。
【0036】
また、前記タイム制御部は、さらに、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性が変化している期間が予め定められた第1時間より短いか否かを判定し、前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性が変化している期間が予め定められた第2時間より短いか否かを判定し、前記エフェクト制御部は、前記第1楽音データの特性が変化している期間が前記第1時間より短い場合、当該特性の変化に基づく前記第1エフェクト処理部による前記第1エフェクト処理の実行の有無を維持し、前記第2楽音データの特性が変化している期間が前記第2時間より短い場合、当該特性の変化に基づく前記第2エフェクト処理部による前記第2エフェクト処理の有無を維持してもよい。
【0037】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、エフェクト処理の実行/未実行が頻繁に切り替わることによる視聴者の違和感を低減できる。
【0038】
また、前記楽音再生装置は、さらに、前記第1又は第2楽音データに、予め定められたイベントが発生したことを示すイベント情報を取得するイベント取得部を備え、前記楽音解析制御部は、前記イベント情報により前記イベントが発生したことが示される場合、前記第1及び前記第2楽音解析部に前記第1及び前記第2楽音特性データを生成させてもよい。
【0039】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、効率的な楽音データの解析を実行できるので、処理量を低減できる。
【0040】
また、前記イベントは、シーン切替又は楽音切替であってもよい。
【0041】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、効率的な楽音データの解析を実行できるので、処理量を低減できる。
【0042】
また、前記楽音解析制御部は、前記第1楽音データがマルチチャネル信号である場合、前記第1楽音解析部にセンターチャネル又はフロントチャネルを指定し、前記第2楽音データがマルチチャネル信号である場合、前記第2楽音解析部にセンターチャネル又はフロントチャネルを指定する解析チャネル指定部を備え、前記第1楽音解析部は、前記第1楽音データに含まれる、前記解析チャネル指定部により指定されたチャネルの特性を解析することにより前記第1楽音特性データを生成し、前記第2楽音解析部は、前記第2楽音データに含まれる、前記解析チャネル指定部により指定されたチャネルの特性を解析することにより前記第2楽音特性データを生成してもよい。
【0043】
この構成によれば、本発明の一形態に係る楽音再生装置は、楽音データを解析するチャネルを限定することで、処理量を低減できる。
【0044】
なお、本発明は、このような楽音再生装置として実現できるだけでなく、楽音再生装置に含まれる特徴的な手段をステップとする楽音再生方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0045】
さらに、本発明は、このような楽音再生装置の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現できる。
【発明の効果】
【0046】
以上より、本発明は、視聴者がエフェクト処理を再調整する手間を低減できる楽音再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る楽音再生処理のフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に係る、楽音データの特性とエフェクト処理の実行の有無との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る楽音再生処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3の変形例に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3の変形例に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3の変形例に係る処理部選択処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態4に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る楽音再生処理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態5に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態6の変形例に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態6係る楽音再生装置における楽音解析処理の実行/未実行の時間変化の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態6に係る楽音解析制御処理のフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態7に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態7の変形例に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図19】本発明の実施の形態7に係る楽音解析制御処理のフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態8に係る楽音再生装置のブロック図である。
【図21】本発明の実施の形態8に係る解析チャネル指定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0049】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る楽音再生装置は、楽音データの特性に応じて、エフェクト処理の実行/未実行を自動的に切り替える。これにより、本発明の実施の形態1に係る楽音再生装置は、視聴者がエフェクト処理を再調整する手間を低減できる。
【0050】
まず、本発明の実施の形態1に係る楽音再生装置100の構成を説明する。
【0051】
図1は、本発明の実施の形態1に係る楽音再生装置100のブロック図である。この楽音再生装置100は、楽音データ101A及び101Bをミキシングすることにより再生楽音データ105を生成する。
【0052】
図1に示す楽音再生装置100は、楽音取得部11A及び11Bと、エフェクト処理部13A及び13Bと、ミキシング処理部15と、楽音出力部16と、楽音特性取得部31A及び32Bと、エフェクト制御部19とを備える。
【0053】
楽音取得部11Aは、外部から入力された楽音データ101Aを取得する。楽音取得部11Bは、外部から入力された楽音データ101Bを取得する。また、楽音データ101A及び101Bは、音楽データ又は音声データ等のデジタルのオーディオデータである。例えば、楽音データ101A及び101Bは、PCM(Pulse Code Modulation)データである。
【0054】
エフェクト処理部13Aは、楽音取得部11Aが取得した楽音データ101Aに対してエフェクト処理を実行することにより処理済楽音データ102Aを生成する。エフェクト処理部13Bは、楽音取得部11Bが取得した楽音データ101Bに対してエフェクト処理を実行することにより処理済楽音データ102Bを生成する。
【0055】
最良の形態のひとつとして、エフェクト処理部13A及び13Bは、エフェクト処理として、特許文献1記載のエコー処理、及びドルビープロロジック技術のようなチャネル拡張処理のどちらか一方を実行する、又は、両方を並列実行する。
【0056】
楽音特性取得部31Aは、楽音データ101Aの特性を示す楽音特性データ104Aを取得する。楽音特性取得部31Bは、楽音データ101Bの特性を示す楽音特性データ104Bを取得する。
【0057】
なお、楽音特性取得部31A及び31Bは、楽音再生装置100が搭載される装置内の他の処理部により生成された楽音特性データ104A及び104Bを取得してもよいし、他の装置で生成された楽音特性データ104A及び104Bを、ネットワーク等を経由して取得してもよい。また、最良の形態のひとつとして、楽音特性データ104A及び104Bは、楽音データ101A及び101Bが音声であるか、音楽であるか、無音であるかを示す音声検出データを含む。
【0058】
エフェクト制御部19は、楽音特性データ104A及び104Bで示される楽音データ101A及び101Bの特性に応じて、再生楽音データ105が最適な音になるようにエフェクト処理部13A及び13Bによるエフェクト処理の実行/未実行を制御する。
【0059】
また、エフェクト処理部13Aは、エフェクト処理を実行しない場合、楽音データ101Aを処理済楽音データ102Aとして出力する。また、エフェクト処理部13Bは、エフェクト処理を実行しない場合、楽音データ101Bを処理済楽音データ102Bとして出力する。
【0060】
ミキシング処理部15は、処理済楽音データ102A及び102Bミキシングすることにより、ミキシング楽音データ103を生成する。
【0061】
楽音出力部16は、楽音のデジタルデータの出力部であり、ミキシングしたPCMデータであるミキシング楽音データ103を再生楽音データ105として外部へ出力する。
【0062】
図2は、エフェクト制御部19によるエフェクト処理部13Aに対する制御のフローチャートである。なお、エフェクト処理部13Bに対する処理も同様である。
【0063】
まず、エフェクト制御部19は、楽音特性データ104Aで示される楽音データ101Aの特性を判定する(S101)。
【0064】
楽音データ101Aが音楽である場合(S101で音楽)、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させる(S103)。
【0065】
また、楽音データ101Aが無音である場合(S101で無音)、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させない(S104)。
【0066】
また、楽音データ101Aが音声である場合(S101で音声)、エフェクト制御部19は、他方の楽音データ101Bが無音であるか否かを判定する(S102)。
【0067】
他方の楽音データ101Bが無音の場合(S102でYes)、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させる(S103)。
【0068】
一方、他方の楽音データ101Bが無音でない場合(S102でNo)、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させない(S104)。
【0069】
また、図3は、楽音データ101A及び101Bの特性の組み合わせと、エフェクト処理部13A及び13Bによるエフェクト処理の実行/未実行との関係の一例を示す図である。
【0070】
以上により、本発明の実施の形態1に係る楽音再生装置100は、ミキシング後の楽音で音声が聞き取りにくくなることを防止できる。また、楽音再生装置100は、視聴者によるがエフェクト調整の手間を低減できる。このように、楽音再生装置100は、自動で良好な臨場感と、良好な音声の聞き取りとを両立させることができる。
【0071】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る楽音再生装置100Aのブロック図である。
【0072】
図4に示す楽音再生装置100Aは、図1に示す楽音再生装置100の構成に加え、さらに、楽音解析部17A及び17Bを備える。なお、図1と同様の要素には同一の符号を付しており、以下、相違点を主に説明する。
【0073】
楽音解析部17Aは、楽音データ101Aの特性を解析することにより楽音特性データ104Aを生成する。楽音解析部17Bは、楽音データ101Bの特性を解析することにより楽音特性データ104Bを生成する。
【0074】
最良の形態のひとつとして、楽音解析部17A及び17Bは、楽音データ101A及び101Bが音声であるか、音楽であるか、無音であるかを検出する音声検出機能を有する。なお、音声検出機能の詳細は、例えば、特許文献3に記載されている。
【0075】
また、楽音特性取得部31Aは、楽音解析部17Aにより生成された楽音特性データ104Aを取得する。また、楽音特性取得部31Bは、楽音解析部17Bにより生成された楽音特性データ104Bを取得する。
【0076】
この構成により、本発明の実施の形態2に係る楽音再生装置100Aは、楽音データ101A及び101Bから楽音特性データ104A及び104Bを生成できる。これにより、楽音再生装置100Aは、楽音特性データ104A及び104Bが存在しない場合でも、自動でエフェクト処理の実行/未実行を切り替えることが可能となる。
【0077】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る楽音再生装置100Bのブロック図である。この楽音再生装置100Bは、図4に示す楽音再生装置100Aの構成に加え、さらに、パラメータ生成部20A及び20Bを備える。以下、追加したブロックと信号の流れを説明する。
【0078】
パラメータ生成部20Aは、楽音データ101A及び101Bの特性に基づき、エフェクト処理部13Aで使用するパラメータ107Aを自動的に生成する。また、パラメータ生成部20Bは、楽音データ101A及び101Bの特性に基づき、エフェクト処理部13Bで使用するパラメータ107Bを自動的に生成する。
【0079】
また、エフェクト処理部13Aは、パラメータ107Aを用いて、楽音データ101Aにエフェクト処理を行う。また、エフェクト処理部13Bは、パラメータ107Bを用いて、楽音データ101Bにエフェクト処理を行う。
【0080】
最良の形態のひとつとして、パラメータ生成部20Aは、楽音データ101A及び101Bの特性の組み合わせに応じて、エフェクト処理の強さを変更する。
【0081】
図6は、この場合のエフェクト制御部19によるエフェクト処理部13Aに対する制御のフローチャートである。なお、エフェクト処理部13Bに対する処理も同様である。
【0082】
また、楽音データ101Aが音楽及び無音(S101で音楽及び無音)の場合の処理は、図2と同様である。
【0083】
楽音データ101Aが音声である場合(S101で音声)、エフェクト制御部19は、他方の楽音データ101Bの特性を判定する(S105)。
【0084】
他方の楽音データ101Bが無音の場合(S105無音)、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させる(S103)。
【0085】
また、他方の楽音データ101Bが音楽である場合(S105で音楽)、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させない(S104)。
【0086】
また、他方の楽音データ101Bが音声である場合(S105で音声)、つまり、楽音データ101A及び101Bが共に音声である場合、エフェクト制御部19は、エフェクト処理部13Aにエフェクト処理を実行させるが、エフェクトの掛かり具合が、ステップS103の場合より弱くなるようにパラメータ107Aを生成する(S106)。
【0087】
また、別の最良の形態のひとつとして、パラメータ生成部20A及び20Bは、エフェクト処理を実行から未実行に切り替えると決定した場合、徐々にエフェクトの掛かり具合を弱めるようにパラメータ107A及び107Bを自動生成する。反対に、パラメータ生成部20A及び20Bは、エフェクト処理を未実行から実行に切り替えると決定した場合、徐々にエフェクトの掛かり具合を強めるようにパラメータ107A及び107Bを自動生成する。
【0088】
この構成により、本発明の実施の形態3に係る楽音再生装置100Bは、再生楽音の急激なエフェクトの変化を和らげることができるため、さらに最適な再生楽音を実現できる。
【0089】
また、上記説明では、パラメータ107A及び107Bを自動で生成するパラメータ生成部20A及び20Bを用いる例を説明したが、図7に示す楽音再生装置100Cのように、パラメータ生成部20A及び20Bの代わりに、パラメータ選択部21A及び21Bを用いてもよい。
【0090】
このパラメータ選択部21Aは、予め準備された複数のパラメータから、楽音特性データ104A及び104Bに応じて、パラメータ107Aを選択する。また、パラメータ選択部21Bは、予め準備された複数のパラメータから、楽音特性データ104A及び104Bに応じて、パラメータ107Bを選択する。
【0091】
また、図8に示す楽音再生装置100Dのように、パラメータ生成部20A及び20Bとパラメータ選択部21A及び21Bとを共に用いてもよい。この場合、エフェクト処理部13Aで使用するパラメータ107Aは、静的、又は、動的に選択されたパラメータ生成部20Aとパラメータ選択部21Aとのどちらかが出力する。同様に、エフェクト処理部13Bで使用するパラメータ107Bは、静的、又は、動的に選択されたパラメータ生成部20Bとパラメータ選択部21Bとのどちらかが出力する。この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0092】
また、パラメータ107Aを、パラメータ生成部20Aとパラメータ選択部21Aとのどちらの処理部で生成するか動的に選択する最良の形態のひとつを図9に示す。なお、パラメータ107Bに対する処理も同様である。
【0093】
図9に示すように、処理量(処理負荷)が予め定められた閾値より少ない場合(S110でNo)は、パラメータ107Aを細かく設定できるパラメータ生成部20Aがパラメータ107Aを生成する(S112)。また、処理量(処理負荷)が上記閾値より多い場合(S110でYes)は、パラメータ107Aの設定が粗くなるが、処理の軽いパラメータ選択部21Aがパラメータ107Aを生成する(S111)。
【0094】
この構成により、本発明の実施の形態3に係る楽音再生装置100Dは、限られた処理性能を最大限生かして、最適な再生楽音を実現できる。
【0095】
なお、ここでは、上記実施の形態2に係る楽音再生装置100Aが、さらに、パラメータ生成部20A及び20Bを備える例を述べたが、実施の形態1に係る楽音再生装置100に同様の変形例を適用してもよい。
【0096】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4に係る楽音再生装置100Eのブロック図である。図10に示す楽音再生装置100Eは、図5に示す実施の形態3に係る100Bの構成に加え、さらに、エフェクト処理部22を備える。また、エフェクト制御部19が、さらに、パラメータ生成部20Cを備える。以下、追加したブロックと信号の流れを説明する。
【0097】
パラメータ生成部20Cは、楽音データ101A及び101Bの特性に基づき、エフェクト処理部22で使用するパラメータ107Cを自動的に生成する。
【0098】
エフェクト処理部22は、エフェクト処理部13A及び13Bと同等の機能を有する。このエフェクト処理部22は、パラメータ107Cを用いて、ミキシング処理部15から出力されたミキシング楽音データ103に対してエフェクト処理を実行することにより、処理済楽音データ110を生成する。
【0099】
また、エフェクト制御部19は、楽音データ101A及び101Bの特性に基づき、エフェクト処理部22によるエフェクト処理の実行/未実行を制御する。また、エフェクト処理部22は、エフェクト処理を実行しない場合、ミキシング楽音データ103を処理済楽音データ110として出力する。
【0100】
また、楽音出力部16は、処理済楽音データ110を再生楽音データ105として出力する。
【0101】
この構成でのエフェクト制御部19の最良の形態のひとつを図11に示す。
【0102】
エフェクト制御部19は、楽音データ101A及び101Bの両方にエフェクト処理部を実行すると判断した場合(S120でYes)、エフェクト処理部13A及び13Bが共にエフェクト処理を実行し、かつ、エフェクト処理部22がエフェクト処理を実行しない場合と、エフェクト処理部13A及び13Bが共にエフェクト処理を実行せず、かつ、エフェクト処理部22がエフェクト処理を実行する場合とで、再生楽音データ105(処理済楽音データ110)が同等であるか否かを判定する(S121)。
【0103】
エフェクト処理部13A及び13Bが共にエフェクト処理を実行し、かつ、エフェクト処理部22がエフェクト処理を実行しない場合と、エフェクト処理部13A及び13Bが共にエフェクト処理を実行せず、かつ、エフェクト処理部22がエフェクト処理を実行する場合とで、再生楽音データ105が同等である場合(S121でYes)、エフェクト制御部19は、前段のエフェクト処理部13A及び13Bにエフェクト処理を実行させず、かつ、後段のエフェクト処理部22にエフェクト処理を実行させる(S122)。
【0104】
また、エフェクト制御部19は、楽音データ101A及び101Bの一方のみにエフェクト処理部を実行させると判断した場合(S120でNo)、又は、エフェクト処理部13A及び13Bが共にエフェクト処理を実行し、かつ、エフェクト処理部22がエフェクト処理を実行しない場合と、エフェクト処理部13A及び13Bが共にエフェクト処理を実行せず、かつ、エフェクト処理部22がエフェクト処理を実行する場合とで、再生楽音データ105(処理済楽音データ110)が同等でない場合(S121でNo)、前段のエフェクト処理部13A及び13Bにエフェクト処理を実行させ、かつ、後段のエフェクト処理部22にエフェクト処理を実行させない(S123)。
【0105】
この構成により、本発明の実施の形態4に係る楽音再生装置100Eは、所定の条件を満たす場合は、複数回エフェクト処理を実行するのではなく、1回のエフェクト処理で最適な再生楽音データ105を生成できる。これにより、楽音再生装置100Eは、処理量を低減できるので、低電力化、及び省資源化を実現できる。
【0106】
なお、ここでは、上記実施の形態3に係る楽音再生装置100Bが、さらに、エフェクト処理部22を備える例を述べたが、他の実施の形態、及びその変形例に係る楽音再生装置に同様の変形例を適用してもよい。
【0107】
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5に係る楽音再生装置100Fのブロック図である。この楽音再生装置100Fは、図10に示す実施の形態4に係る楽音再生装置100Eの構成に加え、さらに、デコード情報取得部23A及び23Bを備える。以下、追加したブロックと信号の流れを説明する。
【0108】
デコード情報取得部23Aは、楽音データ101Aのデコード時のデジタル情報であるデコード情報111Aを取得する。デコード情報取得部23Bは、楽音データ101Bのデコード時のデジタル情報であるデコード情報111Bを取得する。
【0109】
また、楽音解析部17Aは、デコード情報111Aを用いて楽音データ101Aの特性を解析することにより、楽音特性データ104Aを生成する。また、楽音解析部17Bは、デコード情報111Bを用いて楽音データ101Bの特性を解析することにより、楽音特性データ104Bを生成する。
【0110】
最良の形態のひとつとして、デコード情報111A及び111Bは、ストリームデコード時に生成される周波数成分データである。また、楽音解析部17A及び17Bは、当該周波数成分データを用いて、楽音データ101A又は101Bの音声検出を行う。
【0111】
この構成により、本発明の実施の形態5に係る楽音再生装置100Fは、楽音解析部17A及び17Bが周波数成分データを生成する処理を省略できる。これにより、楽音再生装置100Fは、処理量を低減できるので、低電力化及び省資源化を実現できる。
【0112】
なお、ここでは、上記実施の形態4に係る楽音再生装置100Eが、さらに、デコード情報取得部23A及び23Bを備える例を述べたが、他の実施の形態、及びその変形例に係る楽音再生装置に同様の変形例を適用してもよい。
【0113】
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6に係る楽音再生装置100Gのブロック図である。図13に示す楽音再生装置100Gは、図12に示す実施の形態5に係る楽音再生装置100Fの構成に加え、さらに、楽音解析制御部25を備える。以下、追加したブロックと信号の流れを説明する。
【0114】
楽音解析制御部25は、楽音解析部17A及び17Bによる解析処理(楽音特性データ104A及び104Bの生成処理)の実行/未実行を制御する。
【0115】
以下、最良の形態のひとつを、図14及び図15を用いて、以下に説明する。
【0116】
図14に示す楽音再生装置100Hでは、楽音解析制御部25は、タイム制御部26を備える。このタイム制御部26は、楽音解析部17A及び17Bによる解析処理の実行/未実行を時間で制御する。具体的には、図15に示すように、タイム制御部26は、楽音解析部17A及び17Bが解析処理を実行する実行区間と、楽音解析部17A及び17Bが解析処理を実行しない未実行区間とを予め定められた周期で切り替える。また、例えば、各実行区間の長さである実行時間T1と、各未実行区間の長さである未実行時間T2とは、予めタイム制御部26で設定される。
【0117】
ここで、楽音データの特性は、一般に短時間では変化しないため、予め定められた周期で解析処理を行ったとしても、視聴者に対する違和感は少ない。
【0118】
また、別の最良の形態のひとつを図16に示す。
【0119】
まず、タイム制御部26は、楽音データ101Aの特性が変化している期間の長さを測定する(S130)。
【0120】
ここで、楽音データ101Aの特性が変化している期間とは、例えば、図15に示す音声区間中の無音区間112である。また、楽音データ101Aの特性が変化している期間とは、無音区間中の音声区間又は音楽区間であってもよいし、音声区間中の音楽区間であってもよいし、音楽区間中の無音区間又は音声区間であってもよい。
【0121】
楽音データ101Aの特性が変化している期間の長さが一定時間より短い場合(S130でYes)、エフェクト制御部19は、楽音解析部17Aの解析結果をエフェクト処理部13Aに反映させず、エフェクト処理の実行/未実行を維持する(S131)。
【0122】
また、楽音データ101Aの特性が変化している期間の長さが上記一定時間より長い場合(S130でNo)、タイム制御部26は、実行時間を通常の実行時間T1より長い実行時間T3に設定する(S132)。例えば、タイム制御部26は、図15に示す音声区間から無音区間に変わる特性変化点113の周辺で実行時間を実行時間T3にする。これにより、楽音解析部17Aによる解析処理の精度を上げることができる。そして、タイム制御部26は、楽音特性の変化が落ち着き次第、楽音解析部17Aの実行時間を実行時間T1に戻す。
【0123】
また、エフェクト制御部19は、ステップS132で長くした実行区間内で楽音特性に変化があった場合(S133でYes)、楽音解析部17Aの解析結果をエフェクト処理部13Aに反映させ、エフェクト処理の実行/未実行を切り替える(S134)。また、エフェクト制御部19は、ステップS132で長くした実行区間内で楽音特性に変化がない場合(S133でNo)、エフェクト処理の実行/未実行を維持する(S131)。
【0124】
なお、タイム制御部26による楽音データ101Bに対する処理も同様である。
【0125】
以上により、本発明の実施の形態6に係る楽音再生装置100Hは、エフェクト処理の実行/未実行が連続して切り替わることにより発生する違和感を低減できる。
【0126】
また、楽音再生装置100Hは、解析処理を実行しない時間ができることで、処理量を低減できるので、低電力化及び省資源化を実現できる。
【0127】
なお、ここでは、上記実施の形態5に係る楽音再生装置100Fが、さらに、楽音解析制御部25を備える例を述べたが、他の実施の形態、及びその変形例に係る楽音再生装置に同様の変形例を適用してもよい。
【0128】
(実施の形態7)
図17は、本発明の実施の形態7に係る楽音再生装置100Iのブロック図である。図17に示す楽音再生装置100Iは、図14に示す実施の形態6に係る楽音再生装置100Hの構成に加え、イベント取得部27を備える。
【0129】
このイベント取得部27は、楽音データ101A及び101Bに、予め定められたイベントが発生したことを示すイベント情報114を取得する。
【0130】
また、楽音解析制御部25は、イベント情報114によりイベントが発生したことが示される場合、楽音解析部17A及び17Bに楽音特性データ104A及び104Bを生成させる。
【0131】
これにより、本発明の実施の形態7に係る楽音再生装置100Iは、イベントが発生した時点で解析処理を実行することにより効率的な楽音データ101A及び101Bの解析処理を実現できる。
【0132】
なお、イベントとしては、シーン切替、楽音切替等があるが、最良の形態のひとつとして、楽音切替をイベント情報114とするシステムを例に説明する。
【0133】
図18は、この場合の楽音再生装置100Jのブロック図である。図18では、イベント取得部27は、楽音切替情報取得部28A及び28Bを備える。以下追加したブロックと信号の流れを説明する。
【0134】
楽音切替情報取得部28Aは、楽音データ101Aの楽音切替情報115Aを取得する。また、楽音切替情報取得部28Bは、楽音データ101Bの楽音切替情報115Bを取得する。
【0135】
この構成での楽音解析制御部25の最良の形態のひとつを図19に示す。
【0136】
楽音切替時は楽音特性が変化する可能性が高いことを利用し、楽音切替情報115Aにより楽音切替が発生したことが示される場合(S140でYes)、楽音解析制御部25は、強制的に楽音解析部17A及び17Bに解析処理を実行させる(S141)。また、楽音切替情報115Aにより楽音切替が発生したことが示されない場合(S140でNo)、楽音解析制御部25は、通常の処理(例えば、図16に示す処理)を行う(S142)。
【0137】
この構成により、本発明の実施の形態7に係る楽音再生装置100I及び100Jは、楽音解析処理を実行するタイミングを正確に知ることができ、効率的な楽音解析処理を実行できる。これにより、楽音再生装置100I及び100Jは、処理量を低減できるので、低電力化及び省資源化を実現できる。
【0138】
なお、ここでは、上記実施の形態6に係る楽音再生装置100Hが、さらに、イベント取得部27を備える例を述べたが、他の実施の形態、及びその変形例に係る楽音再生装置に同様の変形例を適用してもよい。
【0139】
(実施の形態8)
図20は、本発明の実施の形態8に係る楽音再生装置100Kのブロック図である。図20に示す楽音再生装置100Kは、図18に示す実施の形態7に係る楽音再生装置100Jの構成に対し、楽音解析制御部25が、さらに、解析チャネル指定部30を備える点が異なる。以下、このブロックと信号の流れを説明する。
【0140】
解析チャネル指定部30は、楽音データ101A及び101Bに含まれる複数のチャネルのうち、楽音解析部17A及び17Bが楽音解析処理を実行するチャネルを指定する。
【0141】
楽音解析部17Aは、楽音データ101Aに含まれる、解析チャネル指定部30により指定されたチャネルの特性を解析することにより楽音特性データ104Aを生成する。楽音解析部17Bは、楽音データ101Bに含まれる、解析チャネル指定部30により指定されたチャネルの特性を解析することにより楽音特性データ104Bを生成する。
【0142】
最良の形態のひとつを図21に示す。
【0143】
ここで、楽音解析部17A及び17Bが音声検出を行う場合、音声成分がセンターチャネルに集中する。これを利用し、解析チャネル指定部30は、楽音データ101Aがマルチチャネル信号であり、センターチャネルが存在する場合(S150でYes、かつ、S151でYes)、楽音解析部17Aに解析処理をセンターチャネルのみに対して実行することを指示する(S152)。また、楽音データ101Aが、センターチャネルが存在しないストリームであれば(S151でNo)、解析チャネル指定部30は、楽音解析部17AにLF/RFのフロントチャネルのみに解析処理を実行することを指示する(S153)。
【0144】
なお、楽音データ101Bに対する処理も同様である。
【0145】
この構成により、本発明の実施の形態8に係る楽音再生装置100Kは、5.1chストリームのようなマルチチャネルストリームが入力された場合、解析するチャネルを制限する。これにより、楽音再生装置100Kは、処理量を低減できるので、低電力化及び省資源化が実現できる。
【0146】
なお、ここでは、上記実施の形態6に係る楽音再生装置100Jが、さらに、解析チャネル指定部30を備える例を述べたが、他の実施の形態、及びその変形例に係る楽音再生装置に同様の変形例を適用してもよい。
【0147】
以上、本発明の実施の形態に係る楽音再生装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0148】
例えば、上記実施形態は、2つの楽音データをミキシングする楽音再生装置について説明したが、3以上の楽音データミキシングする楽音再生装置に対しても、同様に、本発明を適用できる。
【0149】
また、上記実施の形態に係る楽音再生装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0150】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0151】
また、本発明の実施の形態に係る、楽音再生装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0152】
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0153】
また、上記実施の形態1〜8に係る、楽音再生装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【0154】
更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明は、楽音再生装置に適用でき、複数の楽音をミキシングして再生する場合に有用である。
【符号の説明】
【0156】
11A、11B 楽音取得部
13A、13B、22 エフェクト処理部
15 ミキシング処理部
16 楽音出力部
17A、17B 楽音解析部
19 エフェクト制御部
20A、20B、20C パラメータ生成部
21A、21B パラメータ選択部
23A、23B デコード情報取得部
25 楽音解析制御部
26 タイム制御部
27 イベント取得部
28A、28B 楽音切替情報取得部
30 解析チャネル指定部
31A、31B 楽音特性取得部
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K 楽音再生装置
101A、101B 楽音データ
102A、102B、110 処理済楽音データ
103 ミキシング楽音データ
104A、104B 楽音特性データ
105 再生楽音データ
107A、107B、107C パラメータ
111A、111B デコード情報
112 無音区間
113 特性変化点
114 イベント情報
115A、115B 楽音切替情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1楽音データ及び第2楽音データをミキシングすることにより再生楽音データを生成する楽音再生装置であって、
前記第1楽音データを取得する第1楽音取得部と、
前記第2楽音データを取得する第2楽音取得部と、
前記第1楽音データに第1エフェクト処理を実行することにより第1処理済楽音データを生成する第1エフェクト処理部と、
前記第2楽音データに第2エフェクト処理を実行することにより第2処理済楽音データを生成する第2エフェクト処理部と、
前記第1楽音データの特性を示す第1楽音特性データを取得する第1楽音特性取得部と、
前記第2楽音データの特性を示す第2楽音特性データを取得する第2楽音特性取得部と、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理部による前記第1エフェクト処理の実行の有無を制御し、前記第2エフェクト処理部による前記第2エフェクト処理の実行の有無を制御するエフェクト制御部とを備え、
前記第1エフェクト処理部は、前記第1エフェクト処理を実行しない場合、前記第1楽音データを前記第1処理済楽音データとして出力し、
前記第2エフェクト処理部は、前記第2エフェクト処理を実行しない場合、前記第2楽音データを前記第2処理済楽音データとして出力し、
前記楽音再生装置は、さらに、
前記第1処理済楽音データと前記第2処理済楽音データとをミキシングすることによりミキシング楽音データを生成するミキシング処理部と、
前記ミキシング楽音データを前記再生楽音データとして出力する楽音出力部とを備える
楽音再生装置。
【請求項2】
前記第1楽音データの特性及び前記第2楽音データの特性は、当該第1楽音データ又は当該第2楽音データが音声であるか、音楽であるかであり、
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音データが音楽である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させ、
前記第1楽音データが音声である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させず、
前記第2楽音データが音楽である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させ、
前記第2楽音データが音声である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させない
請求項1記載の楽音再生装置。
【請求項3】
前記第1楽音データの特性及び前記第2楽音データの特性は、当該第1楽音データ又は当該第2楽音データが音声であるか、音楽であるか、無音であるかであり、
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音データが音声である場合、かつ、前記第2楽音データが音楽である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させず、
前記第1楽音データが音声である場合、かつ、前記第2楽音データが無音である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させ、
前記第2楽音データが音声である場合、かつ、前記第1楽音データが音楽である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させず、
前記第2楽音データが音声である場合、かつ、前記第1楽音データが無音である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させる
請求項2記載の楽音再生装置。
【請求項4】
前記楽音再生装置は、さらに、
前記第1楽音データの特性を解析することにより前記第1楽音特性データを生成する第1楽音解析部と、
前記第2楽音データの特性を解析することにより前記第2楽音特性データを生成する第2楽音解析部とを備え、
前記第1楽音特性取得部は、前記第1楽音解析部により生成された前記第1楽音特性データを取得し、
前記第2楽音特性取得部は、前記第2楽音解析部により生成された前記第2楽音特性データを取得する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の楽音再生装置。
【請求項5】
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す第1パラメータを生成し、前記第2エフェクト処理の強さを示す第2パラメータを生成するパラメータ生成部を備え、
前記第1エフェクト処理部は、前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、
前記第2エフェクト処理部は、前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行う
請求項1〜4のいずれか1項に記載の楽音再生装置。
【請求項6】
前記パラメータ生成部は、
前記エフェクト制御部が前記第1エフェクト処理部の状態を、前記第1エフェクト処理を実行する状態から実行しない状態に切り替える場合、前記第1エフェクト処理の強さを連続的に減少させる前記第1パラメータを生成し、
前記エフェクト制御部が前記第1エフェクト処理部の状態を、前記第1エフェクト処理を実行しない状態から実行する状態に切り替える場合、前記第1エフェクト処理の強さを連続的に増加させる前記第1パラメータを生成し、
前記エフェクト制御部が前記第2エフェクト処理部の状態を、前記第2エフェクト処理を実行する状態から実行しない状態に切り替える場合、前記第2エフェクト処理の強さを連続的に減少させる前記第2パラメータを生成し、
前記エフェクト制御部が前記第2エフェクト処理部の状態を、前記第2エフェクト処理を実行しない状態から実行する状態に切り替える場合、前記第2エフェクト処理の強さを連続的に増加させる前記第2パラメータを生成する
請求項5記載の楽音再生装置。
【請求項7】
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す第1パラメータを生成し、前記第2エフェクト処理の強さを示す第2パラメータを生成するパラメータ生成部を備え、
前記第1エフェクト処理部は、前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、
前記第2エフェクト処理部は、前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行い、
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音データが音声であり、かつ前記第2楽音データが音楽である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させず、
前記第2楽音データが音声であり、かつ前記第1楽音データが音楽である場合、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させず、
前記第1楽音データ及び前記第2楽音データが共に音声である場合、前記第1エフェクト処理部に前記第1エフェクト処理を実行させ、かつ、前記第2エフェクト処理部に前記第2エフェクト処理を実行させ、
前記パラメータ生成部は、
前記第1楽音データ及び前記第2楽音データが共に音声である場合、前記第1楽音データが音楽である場合より前記第1エフェクト処理の強さが弱くなるように前記第1パラメータを生成し、かつ、前記第2楽音データが音楽である場合より前記第2エフェクト処理の強さが弱くなるように前記第2パラメータを生成する
請求項2記載の楽音再生装置。
【請求項8】
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第1パラメータからいずれかを選択し、前記第2エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第2パラメータからいずれかを選択するパラメータ選択部を備え、
前記第1エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、
前記第2エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行う
請求項1〜4のいずれか1項に記載の楽音再生装置。
【請求項9】
前記エフェクト制御部は、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す第1パラメータを生成し、前記第2エフェクト処理の強さを示す第2パラメータを生成するパラメータ生成部と、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第3パラメータからいずれかを選択し、前記第2エフェクト処理の強さを示す、予め定められた複数の第4パラメータからいずれかを選択するパラメータ選択部とを備え、
前記第1及び前記第2楽音データに対する処理量が、予め定められた閾値より少ない場合、前記第1エフェクト処理部は、前記パラメータ生成部により生成された前記第1パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記パラメータ生成部により生成された前記第2パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行い、
前記処理量が前記閾値より多い場合、前記第1エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第3パラメータを用いて前記第1エフェクト処理を行い、前記第2エフェクト処理部は、前記パラメータ選択部により選択された前記第4パラメータを用いて前記第2エフェクト処理を行う
請求項1〜4のいずれか1項に記載の楽音再生装置。
【請求項10】
前記楽音再生装置は、さらに、
前記ミキシング処理部により生成された前記ミキシング再生楽音データに第3エフェクト処理を行うことにより第3処理済楽音データを生成する第3エフェクト処理部を備え、
前記エフェクト制御部は、
前記第1及び前記第2エフェクト処理を実行し、かつ、前記第3エフェクト処理を実行しない第1条件で生成される再生楽音データと、前記第3及び前記第2エフェクト処理を実行せず、かつ、前記第3エフェクト処理を実行する第2条件で生成される再生楽音データとが同等である場合、前記第1及び前記第2エフェクト処理部に前記第1及び前記第2エフェクト処理を実行させず、かつ、前記第3エフェクト処理部に前記第3エフェクト処理を実行させ、
前記第1条件で生成される再生楽音データと前記第2条件で生成される再生楽音データとが同等でない場合、前記第1及び前記第2エフェクト処理部に前記第1及び前記第2エフェクト処理を実行させ、かつ、前記第3エフェクト処理部に前記第3エフェクト処理を実行させず、
前記第3エフェクト処理部は、前記第3エフェクト処理を実行しない場合、前記ミキシング楽音データを前記第3処理済楽音データとして出力し、
前記楽音出力部は、前記第3処理済楽音データを前記再生楽音データとして出力する
請求項1〜9のいずれか1項に記載の楽音再生装置。
【請求項11】
前記楽音再生装置は、さらに、
前記第1楽音データのデコード時の情報である第1デコード情報を取得する第1デコード情報取得部と、
前記第2楽音データのデコード時の情報である第2デコード情報を取得する第2デコード情報取得部とを備え、
前記第1楽音解析部は、前記第1デコード情報を用いて前記第1楽音特性データを生成し、
前記第2楽音解析部は、前記第2デコード情報を用いて前記第2楽音特性データを生成する
請求項4記載の楽音再生装置。
【請求項12】
前記楽音再生装置は、さらに、
前記第1楽音解析部による前記第1楽音特性データの生成処理の実行の有無と、前記第2楽音解析部による前記第2楽音特性データの生成処理の実行の有無とを制御する楽音解析制御部を備え、
前記エフェクト制御部は、前記第1楽音解析部による前記第1楽音特性データの生成処理が実行されない場合、前記第1エフェクト処理部による前記第1エフェクト処理の実行の有無を維持し、前記第2楽音解析部による前記第2楽音特性データの生成処理が実行されない場合、前記第2エフェクト処理部による前記第2エフェクト処理の実行の有無を維持する
請求項4記載の楽音再生装置。
【請求項13】
前記楽音解析制御部は、
前記第1楽音解析部による前記第1楽音特性データの生成処理、及び前記第2楽音解析部による前記第2楽音特性データの生成処理を予め定められた周期で実行させるタイム制御部を備える
請求項12記載の楽音再生装置。
【請求項14】
前記タイム制御部は、さらに、前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性が変化している期間が予め定められた第1時間より短いか否かを判定し、前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性が変化している期間が予め定められた第2時間より短いか否かを判定し、
前記エフェクト制御部は、前記第1楽音データの特性が変化している期間が前記第1時間より短い場合、当該特性の変化に基づく前記第1エフェクト処理部による前記第1エフェクト処理の実行の有無を維持し、前記第2楽音データの特性が変化している期間が前記第2時間より短い場合、当該特性の変化に基づく前記第2エフェクト処理部による前記第2エフェクト処理の有無を維持する
請求項13記載の楽音再生装置。
【請求項15】
前記楽音再生装置は、さらに、
前記第1又は第2楽音データに、予め定められたイベントが発生したことを示すイベント情報を取得するイベント取得部を備え、
前記楽音解析制御部は、前記イベント情報により前記イベントが発生したことが示される場合、前記第1及び前記第2楽音解析部に前記第1及び前記第2楽音特性データを生成させる
請求項12〜14のいずれか1項に記載の楽音再生装置。
【請求項16】
前記イベントは、シーン切替又は楽音切替である
請求項15に記載の楽音再生装置。
【請求項17】
前記楽音解析制御部は、
前記第1楽音データがマルチチャネル信号である場合、前記第1楽音解析部にセンターチャネル又はフロントチャネルを指定し、前記第2楽音データがマルチチャネル信号である場合、前記第2楽音解析部にセンターチャネル又はフロントチャネルを指定する解析チャネル指定部を備え、
前記第1楽音解析部は、前記第1楽音データに含まれる、前記解析チャネル指定部により指定されたチャネルの特性を解析することにより前記第1楽音特性データを生成し、
前記第2楽音解析部は、前記第2楽音データに含まれる、前記解析チャネル指定部により指定されたチャネルの特性を解析することにより前記第2楽音特性データを生成する
請求項4記載の楽音再生装置。
【請求項18】
第1楽音データ及び第2楽音データをミキシングすることにより再生楽音データを生成する楽音再生方法であって、
前記第1楽音データを取得する第1楽音取得ステップと、
前記第2楽音データを取得する第2楽音取得ステップと、
前記第1楽音データに第1エフェクト処理を実行することにより第1処理済楽音データを生成する第1エフェクト処理ステップと、
前記第2楽音データに第2エフェクト処理を実行することにより第2処理済楽音データを生成する第2エフェクト処理ステップと、
前記第1楽音データの特性を示す第1楽音特性データを取得する第1楽音特性取得ステップと、
前記第2楽音データの特性を示す第2楽音特性データを取得する第2楽音特性取得ステップと、
前記第1楽音特性データで示される前記第1楽音データの特性、及び前記第2楽音特性データで示される前記第2楽音データの特性に基づき、前記第1エフェクト処理ステップでの前記第1エフェクト処理の実行の有無を制御し、前記第2エフェクト処理ステップでの前記第2エフェクト処理の実行の有無を制御するエフェクト制御ステップとを含み、
前記第1エフェクト処理ステップは、前記第1エフェクト処理を実行しない場合、前記第1楽音データを前記第1処理済楽音データとして出力し、
前記第2エフェクト処理ステップでは、前記第2エフェクト処理を実行しない場合、前記第2楽音データを前記第2処理済楽音データとして出力し、
前記楽音再生方法は、さらに、
前記第1処理済楽音データと前記第2処理済楽音データとをミキシングすることによりミキシング楽音データを生成するミキシング処理ステップと、
前記ミキシング楽音データを前記再生楽音データとして出力する楽音出力ステップとを含む
楽音再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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