説明

様々な粘度および密度の液状物質の調剤の装置

本発明は異なる粘度または密度の液体物質の用量を調剤する装置に関し、装置は、容器(11)、容器の一部によって形成された槽(24)の中に格納されスライドするピストン(25)、前記容器の残りの部分によって形成されおよび送出される物質を含有するよう設計された積載タンク(33)、ピストン(25)に関連して動く計量機構(12)、液体を積載タンクに正常に押し出すため計量機構を有するピストンと関連する予積載の突き押し手段(27)、
および、前記予積載可撓性装置の突き押しのもとで物質の用量に対応する長さで前方に動かすピストンを交互に停止および開放するための、計量機構と容器の間のブロッキング手段(13)、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、革新的な装置に関して主に向けられたものであるが、しかしのみならず、様々な粘度および密度の液体物質、または様々な粒度分布の粉末のいずれも含む、アプリケーターまたは分配器を用いて、正しい使用のため規定量に調剤される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一方で、用量に送出される量の物質を含む容器の液体物質の計量装置は既知であるが、しかし、容器の物質の用量一式を放出および分配するため、ねじまたは他の手段の使用を通じての手動介入が毎回必要とされる。
【0003】
一方で、計量される液体物質は特性および使用方法によって異なり得る。事実、集合状態によって、規則的な目盛り付きの測定を得るには問題が生じ、物質がそれぞれ異なる反応を示し、および適切なそして個別の測定方法が要求される、それらは異なる粘度および密度を有する。
【0004】
一般に今のところ既知である装置は、たとえ手動にしてもそれぞれの操作のため、すなわち使用ごと毎回、エネルギー源の助けが必要である。
【発明の開示】
【0005】
本発明の目的は、その操作があらかじめ決められた潜在的なエネルギー源を用いて実行され、指令が出されたとき既定の用量で運ぶため問題の物質の作用に適合する推進要素の緩徐な動きが徐々に生じる、上記の用途のための装置を使用することによる、そのような問題を効果的に解決することである。
【0006】
本発明のほかの目的は、液体の粘度および密度に関わらず、自動的な方法でおよび一回送出分にあらかじめ計量されて、液体物質を含有および分配することに着想された装置を提案することである。
【0007】
また他の目的は、装置部品の一部に追加的な介入の必要のない、計量スイッチに単一の圧力を用いて容易で繰り返し操作ができる、使いやすく信頼できる装置を提案および提供することである。
【0008】
本発明のまた他の目的は、物質の粘度または密度に関係なく規則的な用量の送出が可能で、およびあらかじめ決められたエネルギー源を用いて、突き押し要素の軽い前進運動が必要に応じて用量を増加させることができる、計量送出装置を提供することである。
【0009】
本発明の目的はさらに、継続的な使用のために、使い捨てもおよび再充電もできる計量送出装置を提供することである。
【0010】
これらの目的およびそこから派生する潜在的な利点は、近位閉鎖端および遠位開口端を有するシリンダー型の容器、前記容器の一部によって形成され、前記閉鎖端に隣接する槽の中で格納され動くピストン、前記容器の残りの部分によって形成され、開口端に隣接しおよび送出される液体物質を含有するよう設計された積載タンク、前記槽に設置され、前記容器のピストンの動きに関連する計量機構、前記ピストンおよび前記計量機構に関連して、積載タンクに物質を正常に押し出す予積載の可撓性装置、ピストンを交互に停止および開放し、前記予積載の可撓性装置の突き押しのもとで、槽の遠位開口から容器シリンダーに連結するアプリケーターへ物質の用量を送出するそれぞれの段階で、対応する前進運動を段階的に統率するための、計量機構と容器シリンダーの間のブロッキング手段、から構成される、異なる密度の液体物質の規定の用量を送出する装置によって達成される。
【0011】
さらに、積載タンクとアプリケーターの間に、単動式バルブおよび集積タンクが挿入されることが可能である。単動式バルブは通常閉鎖しており、および積載タンクの中の物質上にあるピストンから突き押しされるときのみ開く。
【0012】
提案装置は基本的に、容器11、計量機構12、コントロールプッシュボタン13、単動式バルブ14、集積タンク15、および操作に連結される交換可能なアプリケーター16から構成される。これらの構成材は、プラスチック材料で鍛造プレスされることが可能である。
【0013】
容器11は整列され、およびできれば取り外せないように互いに連結された、近位シリンダー17および遠位シリンダー18から構成されることが好ましい。
【0014】
詳細には、近位シリンダー17は、そこからガイドシャンク20がシリンダーの内部に向かって伸びる、ヘッド19の壁によって閉鎖される一端を有する。近位シリンダー17の反対の端は開いており、および補助連結システム22および遠位シリンダー18の隣接端と連結しおよびシールを形成するよう設計された末梢付着システム21が備わっている。後者のもう一方の端は開いており、およびまた、集積タンク15がアプリケーター16とともに付着される単動式バルブ14を適用することができるよう、連結システム23が備わっている。
【0015】
近位シリンダー17は槽24を形成し、および計量機構12は前記槽に位置する。この機構は、前記槽に誘導され軸方向にスライドし、ガイドシャンク20に向かいおよびガイドシャンクを格納する中空ステム26が備わり、および少なくとも一つの突き押し装置によって徐々に前進させるよう圧力を加えられる、ピストン25から構成される。
【0016】
突き押し装置は例として、前記ガイドシャンク20の周囲および前記ステム26の中に設置され、および近位シリンダーのヘッドの壁とピストンの間に保持された、あらかじめ搭載されたスプリング27から構成される。あるいは、突き押し装置はヘッド壁とピストンの間に槽24の中に挿入された圧縮ガスから構成されることが可能である。
【0017】
ピストン25は、近位シリンダー17によって形成される槽24の内表と、シールを形成するよう連結される。縦方向に、ピストンのステム26の片側から二つの歯の平行柱のある計量プレート28が想定される。歯の一方の柱は計量29用で、もう一方は制御30用である。柱の歯はそれぞれ、均一に整列され間隔を空けられ、しかし計量柱の歯と制御柱の歯は対照的にジグザグになる。近位シリンダー17の片側には、コントロールプッシュボタン13を受容するよう設計された開口が提供される。このプッシュボタンはプレート28の前に、2つの計量および制御の歯の柱、それぞれ29、30とともに設置され、および交差するように可動である。前記プッシュボタン13はスプリング13によって作動され、およびピストンとともに徐々に前進するため、計量歯柱29の歯および制御歯柱30の歯に交互に係合するよう設計された歯止め32が供給されている。
【0018】
遠位シリンダー18は近位シリンダー17に連結されるとき、ピストン25と単動式バルブ14の間の量で、および用量に送出される異なる粘度の液体の初期量を受容するよう設計された積載タンク33を形成する。
【0019】
図の実施例では、単動式バルブ14は、遠位シリンダーの自由端およびスプリング36によって作動される閉鎖35まで接続するバルブ本体34から構成される。特に、バルブ本体34は積載タンクから33集積タンク15へ、その後アプリケーター16に供給するよう設計された、液体の輸送槽37を形成する。
【0020】
この輸送槽37は、基本的に前記タンク33の底を形成する壁が提供されたバルブシート38を通って片側で積載タンク33と連絡し、およびもう一方の側は、通過して集積タンク15と連絡する穴のある基壁39を有する。
【0021】
閉鎖35はバルブシート38に関連し、および関連するスプリング36によって突き押しされ、通常、液体物質が積載タンク33から退出するのを止めるためシートの閉鎖位置に保持される。
【0022】
注目すべきことは、円錐型であることが好ましい集積タンク15は、液体物質のアプリケーター16への出口通路40を有し、および安全バルブが備わることが可能なことである。
【0023】
アプリケーターは様々な構成を有する。
【0024】
指示的に、しかし限定的ではなく、アプリケーターはブラシ、パッド、カニューレ型、歯ブラシ形など、用途に必要とされる方法および送出される物質の適用によるものであることが可能である。さらに前述の装置は、単動式バルブかつ/また、集積タンク上にあり前記タンクに関連してアプリケーターを格納する閉鎖キャップ42に適合できる保護キャップ41が、備わることが可能である。
【0025】
積載タンクの量が分かると、計量プレート28上の歯29、30の間の距離が、ピストンのそれぞれの前進運動で送出される用量を構成する液体物質の量に基づいて選択され得る。
【0026】
実際には、ピストン25の段階運動による前進段階は、あらかじめ搭載されたスプリング27によって確立され、および、コントロールプッシュボタン13の使用によって、その瞬間に係合された歯29から開放するため、および前進後に自動的にピストンをブロックするよう追随する歯30に係合させるため、毎回実行される。
【0027】
初めに、ピストン25はスプリング27の働きに反して後方に動き、およびプッシュボタン13、計量プレートの第一歯29(ピストンに最も近いもの)に係合された歯止め32によって、その位置で停止される。
【0028】
遠位シリンダー18に導入された液体物質をアプリケーター16によって使用されよう送出するため、関連するスプリング27によって突き押しされ、単動式バルブ14に押し出すために物質に圧力を生じさせて前進運動させるピストン25を開放できるよう、単純にコントロールボタンを採択する。この圧力はその後単動式バルブを開き、およびその結果、物質がバルブ本体の底壁の穴を通って集積タンク15に流入し、およびそこからアプリケーター16に要求通りに送出される。
【0029】
ゲル、エマルジョン、第一親水液、および高い粘度のような物質のために、送出される物質の用量が、ピストンの突き押しによって常に、遠位シリンダーに形成される積載タンクから集積タンクに、特別に目盛り付けされるが可能な前記底部の穴を通って通過できるよう、単動式バルブは穿孔底部43に交換されることが可能である。さらに装置は、固体物質および異なる粒度分布の粉末形状物質を計量するためにも、準備および使用されることが可能である。
【0030】
いずれの場合にも、送出および使用される物質の用量は、あらかじめ搭載されたスプリングの規則的な作用および歯付きの計量プレートの制御の結果、コントロールプッシュボタンの使用によって後者が開放されるごとに、同一および既定のピストンの前進運動によって目盛り付けされる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
また一方本発明は、指示的な、および限定的ではない同封の図の参照によって、より詳細に本説明が継続して示される。
【0032】
【図1】本発明による装置の断面図である。
【図2】装置の容器シリンダーの近接部の図である。
【図3】A、B、Cはそれぞれ、計量機構の前、後ろ、横の図である。
【図4】A、B、Cはそれぞれ、関連した計量機構と結合した図2のシリンダーの近接部の前、後ろ、横の図である。
【図5】図4Aの矢印V−Vに沿った断面図である。
【図6】装置の容器シリンダーの遠位部およびその関連する要素の分解図である。
【図7】完成した装置の一例の外観図である。および、
【図8】装置組立の透視で示された図である。
【符号の説明】
【0033】
11容器
12計量機構
13コントロールプッシュボタン
14単動式バルブ
15集積タンク
16アプリケーター
17近位シリンダー
18遠位シリンダー
19ヘッド
20ガイドシャンク
21末梢付着システム
22補助連結システム
23連結システム
24槽
25ピストン
26中空システム
27スプリング
28計量プレート
29計量(歯柱)
30制御(歯柱)
31スプリング
32歯止め
33積載タンク
34バルブ本体
35閉鎖
36スプリング
37輸送槽
38バルブシート
39穴つき基壁
40出口通路
41保護キャップ
42閉鎖キャップ
43穿孔底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液、エマルジョン、ゲル、およびアプリケーターによって使用されるようなものなど、異なる粘度または密度の液体の用量を調剤する装置において、
近位閉鎖端および開口遠位端を有する容器シリンダー(11)、
前記閉鎖端に隣接する前記容器の一部によって形成される槽(24)の中に格納され、中で動くピストン(25)
前記容器の残りの部分によって形成され、開口端に隣接し、および調剤される液体物質を含有するよう設計された積載タンク(33)、
前記槽に設置され、前記容器のピストン(25)に関連して動く計量機構(12)、
積載タンクに物質を正常に押し出すため、前記計量機構が備わる前記ピストンに関連する予積載の突き押し手段(27)、
積載槽の遠位端から容器シリンダーに接着できるアプリケーターに向かって、物質の用量それぞれの間隔の送出に対応する前記予積載のスプリング手段の突き押しのもとに、規則的な前方間隔で前記ピストンを交互に停止および開放するための、計量機構と容器シリンダーの間のブロッキング手段(12)、
を特徴とする、装置。
【請求項2】
単動式バルブ(14)かつ/また用量が運ばれる集積タンク(15)は積載タンクの開口端とアプリケーターの間に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
計量される物質の型によって決まる目盛り付きまたは皿穴付きの底部は、積載タンクの開口端とアプリケーターの間に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
容器シリンダーは、隣接する端が連結された近位シリンダー(17)および遠位シリンダー(18)から構成され、および近位シリンダーは計量機構を有するピストンの格納槽(24)を形成し、および遠位シリンダーは液体物質の積載タンク(33)を形成し、かつ直接または間接にアプリケーターを保持する、請求項1、2、または3に記載の装置。
【請求項5】
単動式バルブ(14)は容器シリンダーの開口、および閉鎖スプリングによって作動される閉鎖に連結するバルブ本体を有し、および前記本体は液体物質を積載タンク(33)から集積タンク(15)に移す輸送槽(37)を形成し、アプリケーターを(16)供給するよう設計され、前記輸送槽(37)の片側は壁に原則的に前記タンクの底を形成する壁に提供されるバルブシート(38)を用いて積載タンク(33)に連絡し、およびもう一方の側は集積タンク(15)と連絡する穴あき基壁(39)を有し、閉鎖(35)は前記バルブ(38)に関連し、かつ関連スプリング(36)によって、液体が積載タンク(33)から退出するのを防ぐよう、シートを閉鎖位置に正常に付き押しされる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項6】
ピストンは容器の近位閉鎖端から伸びる軸ガイドシャンクに沿ってスライドする中空ステムを有し、および計量機構は前記ピストンのステムの片側に関連し、かつ沿って伸びる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
計量機構はピストンステムに付着されて計量歯(29)の柱および制御歯(30)の柱を支持するプレートから構成され、前記歯の柱は平行であり、それぞれの柱の歯は均一に整列および間隔をあけられて、および計量柱の歯は制御柱の歯に対して規則的な間隔で交互になる、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
予積載手段は、前記ガイドシャフトとピストンステムの間に位置する少なくとも一つのスプリングから構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
予積載突き押し手段は、ピストンと容器の近位閉鎖端の間に設置された圧縮ガスである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ブロッキング手段はスプリングプッシュボタン、容器の中に挿入され、前記計量機構に交差して配向され、およびピストンの段階内での規則的な前進運動を制御するため、交互に計量歯柱29と制御歯柱30に係合するよう設計された歯止めを有する、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
単動式バルブは、集積槽またはタンク(17)から前記容器の遠位開口(13)を通って集積槽への液体物質の用量の通路を制御し、前記単動式バルブは、予積載可撓性手段によって前方に突き押しされるときにプランジャによって、液体物質に圧力がかかる場合のみ、正常に閉鎖および開放する、請求項1〜10のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−514590(P2009−514590A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538502(P2008−538502)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【国際出願番号】PCT/IT2006/000762
【国際公開番号】WO2007/052322
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508123272)
【Fターム(参考)】