標識信号の増幅による感受性がある磁気アッセイ
本発明は、二次ナノ粒子標識、一般には磁気標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置及び方法に関する。二次標識を一次標識に結合する結果として、標識から生成される信号が増幅される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置及び方法に関する。本発明は、更に、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される増幅を増幅するための、一次及び二次ナノ粒子標識の組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケア研究の一部は、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、ホルモン、代謝物、薬剤等の分子に関する分子診断を使用し、プリオン、エンザイム、アプタマー、リボザイム及びデオキシリボザイムのような活性の触媒的生体分子の活性度及び機能を決定し、人間組織を含む細胞、ヒト細胞、細菌及びウィルスを識別することを容易にする開発を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気バイオセンサは、超常磁性粒子により標識化された生物学的ターゲットを検出するために使用される。いくつかの標識フォーマットが、生物学的アナライトの検出のために実現されることができる。これらは、標識化されたアナライトがセンサに結合する直接的アッセイ、アナライトがセンサに結合し、その後、標識を含むモイエティの結合が続くサンドイッチアッセイ、及びアナライトが標識化されたモイエティに結合するためにセンサ表面とコンピートするコンペティティブ又はインヒビションアッセイを含む。
【0004】
直接的アッセイは、核酸アッセイのPCRアンプリコンのような容易に直接に標識化されるアナライトについて使用される。サンドイッチアッセイは、低い検出限界及び高い特異性を与えることで最もよく知られている。しかしながら、それは、ターゲットアナライトが、2つのモイエティを結合するための利用可能な部位を有することを必要とする。薬剤、代謝物、ホルモン、毒物(例えば毒素)及びビタミンのような小分子は、2つの結合するモイエティを収容することができず、従って、コンペティティブアッセイが好ましい。サンドイッチアッセイの場合、検出される標識の量は、センサ上のターゲットの濃度に直接関係するが、コンペティティブアッセイの場合、標識の量は、アナライト濃度とともに減少するセンサ上の自由結合部位の濃度に関連する。
【0005】
アッセイの検出限界は、
Rdet=2*s.db
によって与えられる。ここで、Rdetは、検出限界であり、s.dbは、器械的なバックグラウンド及び非特異的結合から生じる信号の標準偏差である。アッセイの感度を高め、ゆえにより低い濃度を検出することが可能であるように、これらの濃度における信号は、少なくともRdetでなければならず、好適にはずっと高い。磁気標識によって検出される信号は、センサ上の標識の密度、及び標識上の磁気コンテントのボリュームに比例にする。センサに結合される標識の密度を増やすことは、アッセイの成分間の結合の効率を高め、表面に結合する標識のスピード及び効果を改善することによって、達成されることができる。しかしながら、アッセイにおいて大きい標識(>1μmの直径)を使用することによって標識の磁気ボリュームを増加することは、標識ごとの信号の寄与を増やすが、アッセイの最終のステージが、センサ表面上への磁気標識の結合を必要とするので、不利である。このプロセスは、より小さい標識と比べて、立体障害及びより大きい標識の体積比に対する(センサ表面に結合するための)低減された表面により、より大きい標識の場合非常に遅く、非効率的でありうる。結果として、標識あたりの信号が標識直径によって増加するとしても、信号に寄与する標識の数は減少する。
【0006】
本発明の目的は、アッセイの感度を高めることによって上述した欠点を解決し、こうしてより低い濃度の検出を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの見地によれば、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置であって、
一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持する分離手段であって、二次ナノ粒子標識は、一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、分離手段と、
アッセイへの二次標識のリリースを制御する制御ユニットと、
を有し、一次及び二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が磁気標識である、装置に関連する。
【0008】
それによって、1又は複数の二次標識が単一の一次標識に結合することができるので、検出されるべき標識の密度及びゆえに信号が増大されるので、ナノ粒子標識によって生成される生成信号を増幅することができる装置が、提供される。従って、例えば<nMのアナライトの低い濃度が、容易に検出されることができることになる。他の利点は、検出表面に付着する一次標識が小さいことが可能であり、それによって立体障害を低減し、バイオセンサ表面に結合することが可能な標識のグラムあたりの表面積を増やすことができる。一次標識は、溶液中のターゲットに結合される標識でありえ、又はバイオセンサ表面に付着されるターゲットでありえる。この結合は、中間結合グループを通じて行われることができる。本発明によれば、ナノ粒子標識なる語は、マイクロメートルのレンジの粒子を含むことができるが、一般には、粒子は、数百ナノメートルから数ナノメートルであり、又はナノメートルの何分の一でもありうる。更に、ナノ粒子のジオメトリは、さまざまでありうる。本発明による分離手段なる語は、例えば一次又は二次標識がリザーバにある場合の物理的な分離を意味し、又は一次及び二次標識が互いに結合することができない化学的分離を意味する。
【0009】
一実施例において、分離手段は、
一次又は二次ナノ粒子標識を含むチャンバから物理的に隔てられるリザーバ、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して、二次ナノ粒子標識を受容(host)するように適応される第2の表面、及び外部の力を適用するための力機構、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して二次ナノ粒子標識を受容するように適応される第2の表面、及び前記第2の表面上の二次ナノ粒子標識の表面をカバーする不活性層を生成するための不活性標識のカプセル化層、及び外部の力を適用するための力機構、
カプセル化手段、及びカプセル化手段から標識をリリースするためのカプセル除去手段、
一次及び二次標識を互いに結合するために必要な結合メンバを提供する結合手段を含む複合物を含むリザーバ、並びに
一次及び二次標識を互いに結合するために必要な結合メンバを提供するための結合手段を含む複合物を含む第2の表面、複合物をカプセル化するためのカプセル化手段、及び複合物からカプセル化手段を除去するためのカプセル除去手段、
を含むグループから選択される。
【0010】
一実施例において、一次ナノ粒子標識は、マルチアナライトアッセイにおける2又はそれ以上の異なるタイプのナノ粒子標識を含む。
【0011】
一実施例において、少なくとも二次ナノ粒子標識は更に、互いに分離される三次ナノ粒子標識、四次ナノ粒子標識、その他を含む。三次ナノ粒子標識は、二次ナノ粒子標識に結合するように適応され、四次ナノ粒子標識は、三次ナノ粒子標識に結合するように適応される等である。一次標識に対する二次標識の結合部位の数は制限されるので、二次標識に対する三次標識の付加の結合等が、センサ信号の他の増幅を可能にする。
【0012】
一実施例において、少なくとも二次ナノ粒子標識は、1又は複数の異なるタイプの二次ナノ粒子標識を含む。そのようにして、二次ナノ粒子標識は、さまざまな結合タイプの標識に結合することができ、又は同じ一次標識上のさまざまな結合部位に結合することができる。
【0013】
好適な実施例において、一次及び二次ナノ粒子標識は、磁気標識であり、装置は更に、磁界を生成し、それによって標識に磁気モーメントを引き起こす磁界生成器を有し、好適には、標識によって生成される磁界を検出するための表面を含むバイオセンサを有する。磁気標識は、それらが磁界において作用されることができるという利点を有する。このようにして、磁気標識は、ある位置から他の位置に能動的に移動されることができる。この特性は、例えば引力によって、粒子がセンサ表面に到達するスピードを高めるために、及び反対方向の力によって、センサ表面に結合されていない又は弱く結合されている標識を除去するために、使用されることができる。磁気モーメントを検出するバイオセンサは、生物学的基材がほとんど磁性がなく、ゆえにバックグラウンド信号に寄与しないという付加の利点を有する。
【0014】
一実施例において、バイオセンサは、生成された磁界を検出するGMR、TMR、AMR又はホールデバイスを有する。
【0015】
一実施例において、標識は、金属ナノ粒子、半導電ナノ粒子、染料を含むポリマナノ粒子、カーボンナノ粒子、及び染料標識を含む磁性粒子を含むグループから選択され、一次又は二次標識の少なくとも一方が、磁気標識である。
【0016】
別の見地によれば、本発明は更に、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法であって、
一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持するステップであって、二次ナノ粒子標識は、一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、ステップと、
アッセイへの二次標識のリリースを制御し、二次標識が一次標識に結合することを可能にするステップと、
を含み、一次及び二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が、磁気標識である、方法に関する。
【0017】
従って、一次標識あたりの大きい全体的な信号寄与により、低濃度(<nM)のアナライトが、容易に検出可能である。
【0018】
一実施例において、アッセイは、
−サンドイッチアッセイ、
−直接的アッセイ、
−コンペティティブ又はインヒビションアッセイ、
−核酸アッセイ、及び、
−酵素活性アッセイ、
を含むグループから選択される。
【0019】
従って、ナノ粒子標識によって生成される生成信号は、アッセイのタイプに関係なく増幅されることができる。
【0020】
一実施例において、二次標識の直径は、一次標識の直径より小さい。従って、立体障害も低減されることになる。しかしながら、二次標識の直径は、一次標識のものとちょうど同じであってもよく、又はより大きくてもよい。
【0021】
一実施例において、一次標識は、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合される。
【0022】
一実施例において、一次標識が、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されたのち、アッセイへの二次標識のリリースが、実施される。
【0023】
一実施例において、一次標識が、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合され、バイオセンサに結合されていない又は弱く結合された一次標識が、除去されたのち、アッセイへの二次標識のリリースが、実施される。
【0024】
一実施例において、生成された信号の検出の前に、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されていない又は弱く結合されている一次及び二次標識が、アッセイから除去される。
【0025】
更に別の見地によれば、本発明は更に、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅するための一次及び二次ナノ粒子標識の組み合わせの使用であって、少なくとも二次ナノ粒子標識が、一次標識に付着され、それによって増幅剤として作用するように適応され、一次及び二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が、磁気標識である、使用に関する。
【0026】
一実施例において、一次ナノ粒子標識及び少なくとも二次ナノ粒子標識は、磁気標識であり、信号は、標識によって生成される磁界である。
【0027】
一実施例において、使用は、体液サンプル中のカンナビス、エクスタシー、メタンフェタミン、メサドン及びアンフェタミン、コカイン、クラック、ヘロインを含むグループから選択されるドラッグを検出することを含む。
【0028】
一実施例において、使用は、タンパク質、グルコースのような小分子、ホルモン、毒素、ステロイド、ビタミン及び代謝物、ペプチド、DNA及びRNAのような核酸を検出することを含む。
【0029】
本発明の見地は、それぞれ、他の見地のいかなるものとも組み合わせられることができる。本発明のこれら及び他の見地は、以下に記載される実施例から明らかであり、それらを参照して説明される。
【0030】
本発明の実施例は、図面を参照して、例示によってのみ記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、二次ナノ粒子標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する本発明による装置100を示している。以下の実施例において、ナノ粒子標識は、磁気標識を含むが、例えば金属ナノ粒子、半導電ナノ粒子、染料を含むポリマナノ粒子、カーボンナノ粒子及び染料標識を含む磁性粒子のような他のタイプの標識も可能であるものとする。
【0032】
増幅は、一次磁気標識に、二次磁気標識の1又は複数を付着させることによって得られる。図示されるように、装置は、分離手段(S_U)101、制御ユニット(C_U)102、一般に磁気センサ、磁界生成器(F_P)104、及び標識203によって生成される磁界を検出する表面を含むバイオセンサ103を有する。センサは、粒子の任意の特性に基づいて、センサ表面上に又はセンサ表面の近傍にある磁性粒子の存在を検出するための任意の適切なセンサでありえる。例えば、磁性粒子の存在は、磁気方法(例えば磁気抵抗、ホール、コイル)、光学的方法(撮像、蛍光、化学ルミネセンス、吸収、散乱、表面プラズモン共鳴、ラマン、その他)、音響検出(表面音響波、バルク弾性波、カンチレバー、石英水晶、その他)、電気的検出(例えば導通、インピーダンス、電流測定、レドックスサイクリング)、その他を介して、検出することができる。
【0033】
分離手段(S_U)101は、一次標識から二次標識を分離するように適応され、そのようにして、バイオセンサ103から二次標識を密閉する。分離は、例えばリザーバの形の物理的な分離、又は標識が互いに化学的に結合されえない化学的分離を含むことができる。制御ユニット(C_U)102は、リザーバ分離手段(S_M)101からの二次標識のリリースを制御するように適応される。磁界生成器(F_P)104は、内部又は外部ユニットでありえ、ワイヤを有することができ、この場合、生成される磁界は、ワイヤ、電磁コイル及び永久磁石の電流によって生成される。磁界生成器は、標識203、204に磁気モーメントを生じさせるために磁界106を生成するように適応される。バイオセンサ103は、例えば巨大磁気抵抗素子(GMR)、トンネリング磁気抵抗素子(TMR)、異方性磁気抵抗素子(AMR)、ホール素子、その他を使用することによって、標識によって生成された磁界(107)を検出する。
【0034】
図2は、二次磁気標識を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅する本発明による装置200の実施例を示している。本実施例において、分離手段101(S_M)は、一次標識203から物理的に分離される二次標識204を保持するリザーバ又はチャンバ201を有する。リザーバ201は更に、主チャンバ206への二次粒子204のフローを可能にするために制御ユニット(C_U)102によって動作される、ゲート205又は機械的、電気的又は磁気的に活性なバルブを有する。一実施例において、制御ユニット(C_U)102は、コンピュータ制御され、その制御は、例えば、二次標識の一部のみを、バイオセンサ103が配置される主チャンバ206に導入することを含むことができる。従って、コンピュータ(図示せず)は、二次標識202の数を近似するために、リザーバ201内の圧力のような物理的パラメータを利用するとともに、二次粒子の流出量を制御するように開く時間を最適化するように適応される。
【0035】
図3は、図2の装置において実施される機能的なステップを図で示している。二次標識204が、リザーバ201からリリースされ、一次標識に付着されるまで(図3の右側)、一次標識204は、二次標識204の非存在下で、バイオセンサ103の表面に付着される(図3の左側)。本実施例において、一次標識は、2つの結合モイエティ301、302を有する。1つのモイエティ302は、一次標識をターゲット303に結合し、ターゲット303は、結合モイエティ304を介して表面に結合し、もう1つの結合モイエティ301は、二次標識204と結合する。一次標識の複数の結合モイエティは、1つの結合モイエティ又は2より多くの結合モイエティを含みうる。結合モイエティは、アビジン、ビオチン、ハプテン、抗体、タンパク質、ペプチド、レクチン、炭水化物、アプタマー及び核酸を含むことができる。
【0036】
一次磁気標識の直径は、数ナノメートルから数百ナノメートル又はミクロンレンジまでありうる。一実施例において、ナノ粒子標識は、酸化鉄の小さいグレインを囲むポリマからなり、酸化鉄基材を形成し、従って、超常磁性特性を有する。しかしながら、磁気標識の物質特性は、標識が常磁性又は強磁性の特性を有するようなものであってもよい。
【0037】
一実施例において、一次標識203及び二次標識204の表面上の結合モイエティは、標識203、204の表面を機能化することによって、例えばカルボキシル酸、アミン、トシル、アルデヒド、マレイミド、チオール又はエポキシのような反応性の官能基によってそれらをコーティングし、又はそのような反応性官能基を生成するために表面反応を実施することによって、達成される。このようなコーティングの結果は、例えばアビジン、ビオチン、抗体、ペプチド、アプタマー及びオリゴヌクレオチドのような生物学的分子を含む結合モイエティの固定化のために反応基を提供する。このような結合モイエティは更に、それらが表面上の反応基とより容易に反応するように、修飾されることができる。例えば、カルボキシル酸基は、タンパク質及びペプチド上で自然に発生しうるアミン基と反応するが、これらのアミン基は、カルボキシ化された表面上でそれらの固定化を可能にするために、オリゴヌクレオチド及びアプタマーに加えられることもできる。
【0038】
ここに図示した実施例は、ターゲット303が、バイオセンサ表面103上のモイエティ304と一次標識203にカップリングされるモイエティ302との間にサンドイッチされる、いわゆるサンドイッチアッセイであり、すなわち、ターゲットアナライトは、結合のための2つの利用可能な部位を有しなければならないことに注意すべきである。図3に示されるようなシナリオは、後述する他の実施例と同様に、他のタイプのアッセイ、例えば標識化されたアナライトがセンサに結合し、そののち一次標識204を含むモイエティの結合が続く直接的アッセイ、又は例えば2つの結合モイエティを収容することができないビタミン、薬剤、代謝物、ホルモン、毒物(例えば毒素)のような分子に好ましいコンペティティブ若しくはインヒビションアッセイ、にも適用することができる。
【0039】
二次標識204は、本実施例において、一次標識上の結合モイエティ301と結合するのに適している1つのタイプの結合モイエティ309を含む。二次標識204上の複数の結合モイエティは、当然ながら、2以上のタイプの結合モイエティを含むことができ、各々の個々の結合モイエティは、一次標識上の特定の結合モイエティ(及び更には三次モイエティ)に適応されることができる。
【0040】
矢印308は、リザーバの開口、すなわち主チャンバ206への二次標識204のリリースを示している。図3の右側は、二次標識204が結合モイエティ301を介して一次標識203に付着されるところを示している。これらの第2の標識204を一次標識に付着させることにより、一次標識203によって生成される信号が増幅され、従って、アッセイの感度は、各々の個々のターゲット303に関連する標識の拡大された密度により、高められる。
【0041】
図4は、二次磁気標識204を使用することによって、アッセイの一次標識203から生成される信号を増幅する本発明による装置400の別の実施例を示しており、一次標識203及び二次標識204が同一チャンバ内に配置されている。本実施例において、分離手段(S_M)101は、二次標識204が付着される第2の表面401を含む。付着は、例えば表面401上の特定の位置に磁界を印加することによって達成されることができ、表面401に二次標識204を維持するために二次標識204の磁気特性を利用する。磁界を除去することによって、二次標識204は、表面からリリースされる。制御ユニット(C_U)102は、磁界302を与え、局所的に磁界をリリースするための、好適にはコンピュータ制御される機構402を有する。表面に二次標識を引き寄せる別のやり方は、静電引力を使用することによるものでありうる。表面401から標識をリリースするステップは、静電引力を除去し及び/又は静電斥力を与えるレベル及び符号で、表面401に電流又は電圧を印加することを含む。
【0042】
更に、二次標識204の結合を速めるために、それらは、一次標識203を含む所望の位置、すなわち磁界を有するセンサ表面103に引き寄せられることができる。結合されていない又は弱く結合された二次標識204の除去は、センサ表面203から離れる磁気力によって達成されることができる。更に、特定の位置に引き寄せられる標識のタイプは、作動磁界の周波数によって識別されることができる。特定のタイプの標識は、別のタイプの標識より高い磁界周波数で磁化されることができる。高周波電磁界を使用することによって、別のタイプの標識に影響を及ぼすことなく、1つのタイプの標識を引き寄せることが可能である。粒子の検出は、一般に、双方の標識が磁化される磁界周波数を使用して行われる。
【0043】
磁界を使用し、磁気特性を利用することに代わって、分離手段(S_M)101は、二次標識204が付着されるような表面特性を有する表面を含むことができ、その場合、表面401から標識をリリースするステップは、表面401に熱エネルギーを供給することを含む(熱によるエネルギーは、標識及び表面の間の結合エネルギーを越える)。従って、コンピュータ制御されるヒータが、二次標識204をリリースすることを制御するために好都合に実現されることができる。二次標識204を表面401に引き寄せる付加の方法は、静電引力によるものでありえ、その場合、表面401から標識をリリースするステップは、静電引力を除去し及び/又は静電斥力を与えるレベル及び符号で、表面401において電流又は電圧を印加することを含む。
【0044】
図5は、機能的なステップを図で示しており、二次標識204が、表面401からリリースされ、一次標識に付着されるまで(図5の右側)、図4の一次標識203は、二次標識204の非存在下で、表面103に付着されている(図5の左側)。矢印501は、磁界又は熱エネルギーの事前の印加が、表面401から二次標識204をリリースさせることを表すことができる。
【0045】
図6は、二次磁気標識204を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅する本発明による装置600の別の実施例を示しており、 分離手段(S_M)101は、二次磁気標識204が、例えば化学的結合を介して結合され、又は磁気又は電気的な力のような外力を介して引き寄せられる第2の表面603を有する。本実施例において、二次不活性標識又は結合メンバを有しない他の任意の種類の不活性標識又は粒子が、二次標識204上に不活性層を提供するために使用される。不活性二次標識204は、例えば磁界を印加することによって、二次標識204がある表面603に引き寄せられることができ、同じ磁界が、(結合メンバを含む)「活性」二次標識及び不活性二次標識204の両方を保持するように適応されうる。この結果は、バイオセンサ表面103にまだ結合されていない一次標識203が、不活性層によって保護される二次標識に結合することができず、二次標識が、同じチャンバ内に配置されることができるということである。結合メンバを有しないもの及び結合メンバを有するものの両方である二次標識204のリリースは、磁界をリリースし又は変化させることによって実現される。本実施例における制御ユニット(C_U)102の役目は、電界又は磁界を制御することを含みうる。
【0046】
図7は、図6の装置において実施される機能的なステップを図で示しており、図7の左側は、不活性二次標識203によって形成される不活性層700と、二次標識203を囲む一次標識204とを示している。図7の右側は、不活性標識203が例えば磁界をリリースすることによって表面からリリースされたところを示している。
【0047】
図8は、二次磁気標識を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅する本発明による装置800の更に別の実施例を示している。本実施例において、分離手段は、カプセル化手段803と、カプセル化手段803から標識をリリースするために、溶解し又は分解するために磁気的、機械的、化学的又は電気的に活性化されることができる物質へのカップリングを有するカプセル除去手段801と、を有する。カプセル化プロセスは、装置800内でインシチュで又は外部で行われることができる。例えば、二次標識204が、ポリマ内にカプセル化される場合、それは、加熱時に溶解し又は溶融する(例えば低融点アガロースのようなゲル、ワックス及び水素結合されるポリマ)。従って、カプセル除去手段801は、熱を加えるためのヒータを有することができる。一実施例において、二次標識は、超音波パルスの露呈時に強制的に開かれることができるポリマ又は脂質カプセル内にそれらを配置することによって、カプセル化されることができる。カプセル化手段は、個別のナノ粒子又はナノ粒子の基を覆うことができる。従って、制御ユニット(C_U)102は、カプセル除去手段801及び物質へのカップリングを制御するように適応される。
【0048】
図9は、図8の装置において実施される機能的なステップを図で示している。 最初に、カプセル化手段803が除去され、結合モイエティ309が露呈されて一次標識204上のモイエティ301に結合することができるまで、二次標識203は、カプセル化手段803内にカプセル化される。
【0049】
図10は、二次磁気標識を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅するために二次標識をカプセル化する本発明による装置1000の更に別の実施例を示している。本実施例において、分離手段は、まず、リザーバ1001に、標識から分離されたままにされることができる複合物1004を含み、複合物は、一次標識に結合する第1のモイエティ1002及び二次標識203に結合する第2のモイエティ1003を少なくとも含む。本実施例において、一次標識は、それらが二次標識に直接結合することを可能にする結合モイエティを含まない。従って、複合物1004が、一次及び二次標識203、204の間の結合を提供する。その結果は、一次標識及び二次標識が同一チャンバ内に配置されることができるということである。
【0050】
複合物は、ここに図示されるように物理的に分離されたリザーバ1001からリリースされることができ、又は前述したものと同様にカプセル化層から活性化されリリースされることができる。制御ユニット(C_U)102は、例えばリザーバから主チャンバへの複合物1002のフローを制御することによって、リザーバ1001を制御するように適応されることができる。
【0051】
図11は、図10の装置において実施される機能的なステップを図で示しており、ただ1つのタイプの結合モイエティ302を有する一次標識204を示している。複合物1004の付加後、二次標識203は、結合モイエティ1002、1003を介して、一次標識204に結合することができる。
【0052】
図12は、二次ナノ粒子標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法のフロー図を示している。アッセイは、サンドイッチアッセイ、直接的アッセイ、コンペティティブ又はインヒビションアッセイなどを含むことができる。最初に、二次ナノ粒子標識が、一次ナノ粒子標識(S1、1201)から分離される。これは、一次標識がまずバイオセンサ表面に結合することを可能にするために、行われることができる。結合していない又は弱く結合している一次標識は、その後、非特異的に結合された一次標識(すなわちターゲットに付着されていない標識)の増幅を防ぐために、(例えば磁気的又は流体力学的)力による洗浄を通じて除去されることができる。その後、二次標識が、一次標識を含むアッセイにリリースされる(S2、1202)。二次標識のリリースは、制御されたやり方で行われる。二次標識は、一次標識に結合し、一次標識に結合されていない又は弱く結合される二次標識は、除去されることができる。
【0053】
開示された実施例の特定の具体的な詳細は、本発明の明確且つ完全な理解を提供するために、説明のために示されており、制限的なものではない。しかしながら、当業者には、本発明が、この開示の精神及び範囲から逸脱することなく、ここに示される詳細に正確に適合しない他の実施例において実施されることができることが理解されるべきである。更に、このコンテクストにおいて、簡潔さ及び明確さのために、よく知られた装置、回路及び方法の詳細な説明は、不必要な詳細及び起こりうる混同を避けるために省かれている。
【0054】
参照符号が、請求項に含まれているが、参照符号の包含は、明確さの理由のためだけであり、請求項の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】二次ナノ粒子標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する本発明による装置を示す図。
【図2】図1の装置の一実施例を示す図。
【図3】図2の装置において実施される機能的なステップを示す図。
【図4】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図5】図4の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図6】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図7】図6の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図8】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図9】図8の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図10】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図11】図10の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図12】アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法のフロー図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置及び方法に関する。本発明は、更に、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される増幅を増幅するための、一次及び二次ナノ粒子標識の組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケア研究の一部は、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、ホルモン、代謝物、薬剤等の分子に関する分子診断を使用し、プリオン、エンザイム、アプタマー、リボザイム及びデオキシリボザイムのような活性の触媒的生体分子の活性度及び機能を決定し、人間組織を含む細胞、ヒト細胞、細菌及びウィルスを識別することを容易にする開発を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気バイオセンサは、超常磁性粒子により標識化された生物学的ターゲットを検出するために使用される。いくつかの標識フォーマットが、生物学的アナライトの検出のために実現されることができる。これらは、標識化されたアナライトがセンサに結合する直接的アッセイ、アナライトがセンサに結合し、その後、標識を含むモイエティの結合が続くサンドイッチアッセイ、及びアナライトが標識化されたモイエティに結合するためにセンサ表面とコンピートするコンペティティブ又はインヒビションアッセイを含む。
【0004】
直接的アッセイは、核酸アッセイのPCRアンプリコンのような容易に直接に標識化されるアナライトについて使用される。サンドイッチアッセイは、低い検出限界及び高い特異性を与えることで最もよく知られている。しかしながら、それは、ターゲットアナライトが、2つのモイエティを結合するための利用可能な部位を有することを必要とする。薬剤、代謝物、ホルモン、毒物(例えば毒素)及びビタミンのような小分子は、2つの結合するモイエティを収容することができず、従って、コンペティティブアッセイが好ましい。サンドイッチアッセイの場合、検出される標識の量は、センサ上のターゲットの濃度に直接関係するが、コンペティティブアッセイの場合、標識の量は、アナライト濃度とともに減少するセンサ上の自由結合部位の濃度に関連する。
【0005】
アッセイの検出限界は、
Rdet=2*s.db
によって与えられる。ここで、Rdetは、検出限界であり、s.dbは、器械的なバックグラウンド及び非特異的結合から生じる信号の標準偏差である。アッセイの感度を高め、ゆえにより低い濃度を検出することが可能であるように、これらの濃度における信号は、少なくともRdetでなければならず、好適にはずっと高い。磁気標識によって検出される信号は、センサ上の標識の密度、及び標識上の磁気コンテントのボリュームに比例にする。センサに結合される標識の密度を増やすことは、アッセイの成分間の結合の効率を高め、表面に結合する標識のスピード及び効果を改善することによって、達成されることができる。しかしながら、アッセイにおいて大きい標識(>1μmの直径)を使用することによって標識の磁気ボリュームを増加することは、標識ごとの信号の寄与を増やすが、アッセイの最終のステージが、センサ表面上への磁気標識の結合を必要とするので、不利である。このプロセスは、より小さい標識と比べて、立体障害及びより大きい標識の体積比に対する(センサ表面に結合するための)低減された表面により、より大きい標識の場合非常に遅く、非効率的でありうる。結果として、標識あたりの信号が標識直径によって増加するとしても、信号に寄与する標識の数は減少する。
【0006】
本発明の目的は、アッセイの感度を高めることによって上述した欠点を解決し、こうしてより低い濃度の検出を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの見地によれば、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置であって、
一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持する分離手段であって、二次ナノ粒子標識は、一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、分離手段と、
アッセイへの二次標識のリリースを制御する制御ユニットと、
を有し、一次及び二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が磁気標識である、装置に関連する。
【0008】
それによって、1又は複数の二次標識が単一の一次標識に結合することができるので、検出されるべき標識の密度及びゆえに信号が増大されるので、ナノ粒子標識によって生成される生成信号を増幅することができる装置が、提供される。従って、例えば<nMのアナライトの低い濃度が、容易に検出されることができることになる。他の利点は、検出表面に付着する一次標識が小さいことが可能であり、それによって立体障害を低減し、バイオセンサ表面に結合することが可能な標識のグラムあたりの表面積を増やすことができる。一次標識は、溶液中のターゲットに結合される標識でありえ、又はバイオセンサ表面に付着されるターゲットでありえる。この結合は、中間結合グループを通じて行われることができる。本発明によれば、ナノ粒子標識なる語は、マイクロメートルのレンジの粒子を含むことができるが、一般には、粒子は、数百ナノメートルから数ナノメートルであり、又はナノメートルの何分の一でもありうる。更に、ナノ粒子のジオメトリは、さまざまでありうる。本発明による分離手段なる語は、例えば一次又は二次標識がリザーバにある場合の物理的な分離を意味し、又は一次及び二次標識が互いに結合することができない化学的分離を意味する。
【0009】
一実施例において、分離手段は、
一次又は二次ナノ粒子標識を含むチャンバから物理的に隔てられるリザーバ、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して、二次ナノ粒子標識を受容(host)するように適応される第2の表面、及び外部の力を適用するための力機構、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して二次ナノ粒子標識を受容するように適応される第2の表面、及び前記第2の表面上の二次ナノ粒子標識の表面をカバーする不活性層を生成するための不活性標識のカプセル化層、及び外部の力を適用するための力機構、
カプセル化手段、及びカプセル化手段から標識をリリースするためのカプセル除去手段、
一次及び二次標識を互いに結合するために必要な結合メンバを提供する結合手段を含む複合物を含むリザーバ、並びに
一次及び二次標識を互いに結合するために必要な結合メンバを提供するための結合手段を含む複合物を含む第2の表面、複合物をカプセル化するためのカプセル化手段、及び複合物からカプセル化手段を除去するためのカプセル除去手段、
を含むグループから選択される。
【0010】
一実施例において、一次ナノ粒子標識は、マルチアナライトアッセイにおける2又はそれ以上の異なるタイプのナノ粒子標識を含む。
【0011】
一実施例において、少なくとも二次ナノ粒子標識は更に、互いに分離される三次ナノ粒子標識、四次ナノ粒子標識、その他を含む。三次ナノ粒子標識は、二次ナノ粒子標識に結合するように適応され、四次ナノ粒子標識は、三次ナノ粒子標識に結合するように適応される等である。一次標識に対する二次標識の結合部位の数は制限されるので、二次標識に対する三次標識の付加の結合等が、センサ信号の他の増幅を可能にする。
【0012】
一実施例において、少なくとも二次ナノ粒子標識は、1又は複数の異なるタイプの二次ナノ粒子標識を含む。そのようにして、二次ナノ粒子標識は、さまざまな結合タイプの標識に結合することができ、又は同じ一次標識上のさまざまな結合部位に結合することができる。
【0013】
好適な実施例において、一次及び二次ナノ粒子標識は、磁気標識であり、装置は更に、磁界を生成し、それによって標識に磁気モーメントを引き起こす磁界生成器を有し、好適には、標識によって生成される磁界を検出するための表面を含むバイオセンサを有する。磁気標識は、それらが磁界において作用されることができるという利点を有する。このようにして、磁気標識は、ある位置から他の位置に能動的に移動されることができる。この特性は、例えば引力によって、粒子がセンサ表面に到達するスピードを高めるために、及び反対方向の力によって、センサ表面に結合されていない又は弱く結合されている標識を除去するために、使用されることができる。磁気モーメントを検出するバイオセンサは、生物学的基材がほとんど磁性がなく、ゆえにバックグラウンド信号に寄与しないという付加の利点を有する。
【0014】
一実施例において、バイオセンサは、生成された磁界を検出するGMR、TMR、AMR又はホールデバイスを有する。
【0015】
一実施例において、標識は、金属ナノ粒子、半導電ナノ粒子、染料を含むポリマナノ粒子、カーボンナノ粒子、及び染料標識を含む磁性粒子を含むグループから選択され、一次又は二次標識の少なくとも一方が、磁気標識である。
【0016】
別の見地によれば、本発明は更に、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法であって、
一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持するステップであって、二次ナノ粒子標識は、一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、ステップと、
アッセイへの二次標識のリリースを制御し、二次標識が一次標識に結合することを可能にするステップと、
を含み、一次及び二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が、磁気標識である、方法に関する。
【0017】
従って、一次標識あたりの大きい全体的な信号寄与により、低濃度(<nM)のアナライトが、容易に検出可能である。
【0018】
一実施例において、アッセイは、
−サンドイッチアッセイ、
−直接的アッセイ、
−コンペティティブ又はインヒビションアッセイ、
−核酸アッセイ、及び、
−酵素活性アッセイ、
を含むグループから選択される。
【0019】
従って、ナノ粒子標識によって生成される生成信号は、アッセイのタイプに関係なく増幅されることができる。
【0020】
一実施例において、二次標識の直径は、一次標識の直径より小さい。従って、立体障害も低減されることになる。しかしながら、二次標識の直径は、一次標識のものとちょうど同じであってもよく、又はより大きくてもよい。
【0021】
一実施例において、一次標識は、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合される。
【0022】
一実施例において、一次標識が、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されたのち、アッセイへの二次標識のリリースが、実施される。
【0023】
一実施例において、一次標識が、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合され、バイオセンサに結合されていない又は弱く結合された一次標識が、除去されたのち、アッセイへの二次標識のリリースが、実施される。
【0024】
一実施例において、生成された信号の検出の前に、アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されていない又は弱く結合されている一次及び二次標識が、アッセイから除去される。
【0025】
更に別の見地によれば、本発明は更に、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅するための一次及び二次ナノ粒子標識の組み合わせの使用であって、少なくとも二次ナノ粒子標識が、一次標識に付着され、それによって増幅剤として作用するように適応され、一次及び二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が、磁気標識である、使用に関する。
【0026】
一実施例において、一次ナノ粒子標識及び少なくとも二次ナノ粒子標識は、磁気標識であり、信号は、標識によって生成される磁界である。
【0027】
一実施例において、使用は、体液サンプル中のカンナビス、エクスタシー、メタンフェタミン、メサドン及びアンフェタミン、コカイン、クラック、ヘロインを含むグループから選択されるドラッグを検出することを含む。
【0028】
一実施例において、使用は、タンパク質、グルコースのような小分子、ホルモン、毒素、ステロイド、ビタミン及び代謝物、ペプチド、DNA及びRNAのような核酸を検出することを含む。
【0029】
本発明の見地は、それぞれ、他の見地のいかなるものとも組み合わせられることができる。本発明のこれら及び他の見地は、以下に記載される実施例から明らかであり、それらを参照して説明される。
【0030】
本発明の実施例は、図面を参照して、例示によってのみ記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、二次ナノ粒子標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する本発明による装置100を示している。以下の実施例において、ナノ粒子標識は、磁気標識を含むが、例えば金属ナノ粒子、半導電ナノ粒子、染料を含むポリマナノ粒子、カーボンナノ粒子及び染料標識を含む磁性粒子のような他のタイプの標識も可能であるものとする。
【0032】
増幅は、一次磁気標識に、二次磁気標識の1又は複数を付着させることによって得られる。図示されるように、装置は、分離手段(S_U)101、制御ユニット(C_U)102、一般に磁気センサ、磁界生成器(F_P)104、及び標識203によって生成される磁界を検出する表面を含むバイオセンサ103を有する。センサは、粒子の任意の特性に基づいて、センサ表面上に又はセンサ表面の近傍にある磁性粒子の存在を検出するための任意の適切なセンサでありえる。例えば、磁性粒子の存在は、磁気方法(例えば磁気抵抗、ホール、コイル)、光学的方法(撮像、蛍光、化学ルミネセンス、吸収、散乱、表面プラズモン共鳴、ラマン、その他)、音響検出(表面音響波、バルク弾性波、カンチレバー、石英水晶、その他)、電気的検出(例えば導通、インピーダンス、電流測定、レドックスサイクリング)、その他を介して、検出することができる。
【0033】
分離手段(S_U)101は、一次標識から二次標識を分離するように適応され、そのようにして、バイオセンサ103から二次標識を密閉する。分離は、例えばリザーバの形の物理的な分離、又は標識が互いに化学的に結合されえない化学的分離を含むことができる。制御ユニット(C_U)102は、リザーバ分離手段(S_M)101からの二次標識のリリースを制御するように適応される。磁界生成器(F_P)104は、内部又は外部ユニットでありえ、ワイヤを有することができ、この場合、生成される磁界は、ワイヤ、電磁コイル及び永久磁石の電流によって生成される。磁界生成器は、標識203、204に磁気モーメントを生じさせるために磁界106を生成するように適応される。バイオセンサ103は、例えば巨大磁気抵抗素子(GMR)、トンネリング磁気抵抗素子(TMR)、異方性磁気抵抗素子(AMR)、ホール素子、その他を使用することによって、標識によって生成された磁界(107)を検出する。
【0034】
図2は、二次磁気標識を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅する本発明による装置200の実施例を示している。本実施例において、分離手段101(S_M)は、一次標識203から物理的に分離される二次標識204を保持するリザーバ又はチャンバ201を有する。リザーバ201は更に、主チャンバ206への二次粒子204のフローを可能にするために制御ユニット(C_U)102によって動作される、ゲート205又は機械的、電気的又は磁気的に活性なバルブを有する。一実施例において、制御ユニット(C_U)102は、コンピュータ制御され、その制御は、例えば、二次標識の一部のみを、バイオセンサ103が配置される主チャンバ206に導入することを含むことができる。従って、コンピュータ(図示せず)は、二次標識202の数を近似するために、リザーバ201内の圧力のような物理的パラメータを利用するとともに、二次粒子の流出量を制御するように開く時間を最適化するように適応される。
【0035】
図3は、図2の装置において実施される機能的なステップを図で示している。二次標識204が、リザーバ201からリリースされ、一次標識に付着されるまで(図3の右側)、一次標識204は、二次標識204の非存在下で、バイオセンサ103の表面に付着される(図3の左側)。本実施例において、一次標識は、2つの結合モイエティ301、302を有する。1つのモイエティ302は、一次標識をターゲット303に結合し、ターゲット303は、結合モイエティ304を介して表面に結合し、もう1つの結合モイエティ301は、二次標識204と結合する。一次標識の複数の結合モイエティは、1つの結合モイエティ又は2より多くの結合モイエティを含みうる。結合モイエティは、アビジン、ビオチン、ハプテン、抗体、タンパク質、ペプチド、レクチン、炭水化物、アプタマー及び核酸を含むことができる。
【0036】
一次磁気標識の直径は、数ナノメートルから数百ナノメートル又はミクロンレンジまでありうる。一実施例において、ナノ粒子標識は、酸化鉄の小さいグレインを囲むポリマからなり、酸化鉄基材を形成し、従って、超常磁性特性を有する。しかしながら、磁気標識の物質特性は、標識が常磁性又は強磁性の特性を有するようなものであってもよい。
【0037】
一実施例において、一次標識203及び二次標識204の表面上の結合モイエティは、標識203、204の表面を機能化することによって、例えばカルボキシル酸、アミン、トシル、アルデヒド、マレイミド、チオール又はエポキシのような反応性の官能基によってそれらをコーティングし、又はそのような反応性官能基を生成するために表面反応を実施することによって、達成される。このようなコーティングの結果は、例えばアビジン、ビオチン、抗体、ペプチド、アプタマー及びオリゴヌクレオチドのような生物学的分子を含む結合モイエティの固定化のために反応基を提供する。このような結合モイエティは更に、それらが表面上の反応基とより容易に反応するように、修飾されることができる。例えば、カルボキシル酸基は、タンパク質及びペプチド上で自然に発生しうるアミン基と反応するが、これらのアミン基は、カルボキシ化された表面上でそれらの固定化を可能にするために、オリゴヌクレオチド及びアプタマーに加えられることもできる。
【0038】
ここに図示した実施例は、ターゲット303が、バイオセンサ表面103上のモイエティ304と一次標識203にカップリングされるモイエティ302との間にサンドイッチされる、いわゆるサンドイッチアッセイであり、すなわち、ターゲットアナライトは、結合のための2つの利用可能な部位を有しなければならないことに注意すべきである。図3に示されるようなシナリオは、後述する他の実施例と同様に、他のタイプのアッセイ、例えば標識化されたアナライトがセンサに結合し、そののち一次標識204を含むモイエティの結合が続く直接的アッセイ、又は例えば2つの結合モイエティを収容することができないビタミン、薬剤、代謝物、ホルモン、毒物(例えば毒素)のような分子に好ましいコンペティティブ若しくはインヒビションアッセイ、にも適用することができる。
【0039】
二次標識204は、本実施例において、一次標識上の結合モイエティ301と結合するのに適している1つのタイプの結合モイエティ309を含む。二次標識204上の複数の結合モイエティは、当然ながら、2以上のタイプの結合モイエティを含むことができ、各々の個々の結合モイエティは、一次標識上の特定の結合モイエティ(及び更には三次モイエティ)に適応されることができる。
【0040】
矢印308は、リザーバの開口、すなわち主チャンバ206への二次標識204のリリースを示している。図3の右側は、二次標識204が結合モイエティ301を介して一次標識203に付着されるところを示している。これらの第2の標識204を一次標識に付着させることにより、一次標識203によって生成される信号が増幅され、従って、アッセイの感度は、各々の個々のターゲット303に関連する標識の拡大された密度により、高められる。
【0041】
図4は、二次磁気標識204を使用することによって、アッセイの一次標識203から生成される信号を増幅する本発明による装置400の別の実施例を示しており、一次標識203及び二次標識204が同一チャンバ内に配置されている。本実施例において、分離手段(S_M)101は、二次標識204が付着される第2の表面401を含む。付着は、例えば表面401上の特定の位置に磁界を印加することによって達成されることができ、表面401に二次標識204を維持するために二次標識204の磁気特性を利用する。磁界を除去することによって、二次標識204は、表面からリリースされる。制御ユニット(C_U)102は、磁界302を与え、局所的に磁界をリリースするための、好適にはコンピュータ制御される機構402を有する。表面に二次標識を引き寄せる別のやり方は、静電引力を使用することによるものでありうる。表面401から標識をリリースするステップは、静電引力を除去し及び/又は静電斥力を与えるレベル及び符号で、表面401に電流又は電圧を印加することを含む。
【0042】
更に、二次標識204の結合を速めるために、それらは、一次標識203を含む所望の位置、すなわち磁界を有するセンサ表面103に引き寄せられることができる。結合されていない又は弱く結合された二次標識204の除去は、センサ表面203から離れる磁気力によって達成されることができる。更に、特定の位置に引き寄せられる標識のタイプは、作動磁界の周波数によって識別されることができる。特定のタイプの標識は、別のタイプの標識より高い磁界周波数で磁化されることができる。高周波電磁界を使用することによって、別のタイプの標識に影響を及ぼすことなく、1つのタイプの標識を引き寄せることが可能である。粒子の検出は、一般に、双方の標識が磁化される磁界周波数を使用して行われる。
【0043】
磁界を使用し、磁気特性を利用することに代わって、分離手段(S_M)101は、二次標識204が付着されるような表面特性を有する表面を含むことができ、その場合、表面401から標識をリリースするステップは、表面401に熱エネルギーを供給することを含む(熱によるエネルギーは、標識及び表面の間の結合エネルギーを越える)。従って、コンピュータ制御されるヒータが、二次標識204をリリースすることを制御するために好都合に実現されることができる。二次標識204を表面401に引き寄せる付加の方法は、静電引力によるものでありえ、その場合、表面401から標識をリリースするステップは、静電引力を除去し及び/又は静電斥力を与えるレベル及び符号で、表面401において電流又は電圧を印加することを含む。
【0044】
図5は、機能的なステップを図で示しており、二次標識204が、表面401からリリースされ、一次標識に付着されるまで(図5の右側)、図4の一次標識203は、二次標識204の非存在下で、表面103に付着されている(図5の左側)。矢印501は、磁界又は熱エネルギーの事前の印加が、表面401から二次標識204をリリースさせることを表すことができる。
【0045】
図6は、二次磁気標識204を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅する本発明による装置600の別の実施例を示しており、 分離手段(S_M)101は、二次磁気標識204が、例えば化学的結合を介して結合され、又は磁気又は電気的な力のような外力を介して引き寄せられる第2の表面603を有する。本実施例において、二次不活性標識又は結合メンバを有しない他の任意の種類の不活性標識又は粒子が、二次標識204上に不活性層を提供するために使用される。不活性二次標識204は、例えば磁界を印加することによって、二次標識204がある表面603に引き寄せられることができ、同じ磁界が、(結合メンバを含む)「活性」二次標識及び不活性二次標識204の両方を保持するように適応されうる。この結果は、バイオセンサ表面103にまだ結合されていない一次標識203が、不活性層によって保護される二次標識に結合することができず、二次標識が、同じチャンバ内に配置されることができるということである。結合メンバを有しないもの及び結合メンバを有するものの両方である二次標識204のリリースは、磁界をリリースし又は変化させることによって実現される。本実施例における制御ユニット(C_U)102の役目は、電界又は磁界を制御することを含みうる。
【0046】
図7は、図6の装置において実施される機能的なステップを図で示しており、図7の左側は、不活性二次標識203によって形成される不活性層700と、二次標識203を囲む一次標識204とを示している。図7の右側は、不活性標識203が例えば磁界をリリースすることによって表面からリリースされたところを示している。
【0047】
図8は、二次磁気標識を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅する本発明による装置800の更に別の実施例を示している。本実施例において、分離手段は、カプセル化手段803と、カプセル化手段803から標識をリリースするために、溶解し又は分解するために磁気的、機械的、化学的又は電気的に活性化されることができる物質へのカップリングを有するカプセル除去手段801と、を有する。カプセル化プロセスは、装置800内でインシチュで又は外部で行われることができる。例えば、二次標識204が、ポリマ内にカプセル化される場合、それは、加熱時に溶解し又は溶融する(例えば低融点アガロースのようなゲル、ワックス及び水素結合されるポリマ)。従って、カプセル除去手段801は、熱を加えるためのヒータを有することができる。一実施例において、二次標識は、超音波パルスの露呈時に強制的に開かれることができるポリマ又は脂質カプセル内にそれらを配置することによって、カプセル化されることができる。カプセル化手段は、個別のナノ粒子又はナノ粒子の基を覆うことができる。従って、制御ユニット(C_U)102は、カプセル除去手段801及び物質へのカップリングを制御するように適応される。
【0048】
図9は、図8の装置において実施される機能的なステップを図で示している。 最初に、カプセル化手段803が除去され、結合モイエティ309が露呈されて一次標識204上のモイエティ301に結合することができるまで、二次標識203は、カプセル化手段803内にカプセル化される。
【0049】
図10は、二次磁気標識を使用することによって、アッセイの一次標識から生成される信号を増幅するために二次標識をカプセル化する本発明による装置1000の更に別の実施例を示している。本実施例において、分離手段は、まず、リザーバ1001に、標識から分離されたままにされることができる複合物1004を含み、複合物は、一次標識に結合する第1のモイエティ1002及び二次標識203に結合する第2のモイエティ1003を少なくとも含む。本実施例において、一次標識は、それらが二次標識に直接結合することを可能にする結合モイエティを含まない。従って、複合物1004が、一次及び二次標識203、204の間の結合を提供する。その結果は、一次標識及び二次標識が同一チャンバ内に配置されることができるということである。
【0050】
複合物は、ここに図示されるように物理的に分離されたリザーバ1001からリリースされることができ、又は前述したものと同様にカプセル化層から活性化されリリースされることができる。制御ユニット(C_U)102は、例えばリザーバから主チャンバへの複合物1002のフローを制御することによって、リザーバ1001を制御するように適応されることができる。
【0051】
図11は、図10の装置において実施される機能的なステップを図で示しており、ただ1つのタイプの結合モイエティ302を有する一次標識204を示している。複合物1004の付加後、二次標識203は、結合モイエティ1002、1003を介して、一次標識204に結合することができる。
【0052】
図12は、二次ナノ粒子標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法のフロー図を示している。アッセイは、サンドイッチアッセイ、直接的アッセイ、コンペティティブ又はインヒビションアッセイなどを含むことができる。最初に、二次ナノ粒子標識が、一次ナノ粒子標識(S1、1201)から分離される。これは、一次標識がまずバイオセンサ表面に結合することを可能にするために、行われることができる。結合していない又は弱く結合している一次標識は、その後、非特異的に結合された一次標識(すなわちターゲットに付着されていない標識)の増幅を防ぐために、(例えば磁気的又は流体力学的)力による洗浄を通じて除去されることができる。その後、二次標識が、一次標識を含むアッセイにリリースされる(S2、1202)。二次標識のリリースは、制御されたやり方で行われる。二次標識は、一次標識に結合し、一次標識に結合されていない又は弱く結合される二次標識は、除去されることができる。
【0053】
開示された実施例の特定の具体的な詳細は、本発明の明確且つ完全な理解を提供するために、説明のために示されており、制限的なものではない。しかしながら、当業者には、本発明が、この開示の精神及び範囲から逸脱することなく、ここに示される詳細に正確に適合しない他の実施例において実施されることができることが理解されるべきである。更に、このコンテクストにおいて、簡潔さ及び明確さのために、よく知られた装置、回路及び方法の詳細な説明は、不必要な詳細及び起こりうる混同を避けるために省かれている。
【0054】
参照符号が、請求項に含まれているが、参照符号の包含は、明確さの理由のためだけであり、請求項の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】二次ナノ粒子標識を使用することによって、アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する本発明による装置を示す図。
【図2】図1の装置の一実施例を示す図。
【図3】図2の装置において実施される機能的なステップを示す図。
【図4】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図5】図4の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図6】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図7】図6の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図8】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図9】図8の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図10】図1に示される装置の別の実施例を示す図。
【図11】図10の装置において実施される機能的なステップを図式的に示す図。
【図12】アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法のフロー図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置であって、
前記一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持する分離手段であって、前記二次ナノ粒子標識は、前記一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、分離手段と、
前記アッセイへの前記二次標識のリリースを制御する制御ユニットと、
を有し、
前記一次ナノ粒子標識及び前記二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が、磁気標識であり、前記装置が更に、磁界を生成し、それによって前記標識に磁気モーメントを生じさせる磁界生成器を有する、装置。
【請求項2】
前記分離手段は、
前記一次又は前記二次ナノ粒子標識を含むチャンバから物理的に隔てられたリザーバ、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して、前記二次ナノ粒子標識を受容するように適応される第2の表面、及び前記外部の力を適用するための力機構、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して、前記二次ナノ粒子標識を受容するように適応される第2の表面、前記第2の表面上の前記二次ナノ粒子標識の表面をカバーする不活性層を生成するための不活性標識のカプセル化層、及び前記外部の力を適用するための力機構、
カプセル化手段及び前記カプセル化手段から前記標識をリリースするためのカプセル除去手段、
前記一次及び前記二次標識を互いに結合するのに必要な結合メンバを提供する結合手段を含む複合物を含むリザーバ、並びに
前記一次及び前記二次標識を互いに結合するのに必要な結合メンバを提供する結合手段を含む複合物を含む第2の表面、前記複合物をカプセル化するカプセル化手段、及び前記複合物から前記カプセル化手段を除去するためのカプセル除去手段、
を含むグループから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記一次ナノ粒子標識が、マルチアナライトアッセイにおける2又はそれ以上の異なるタイプのナノ粒子標識を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも二次ナノ粒子標識は、互いに分離される三次ナノ粒子標識、四次ナノ粒子標識等を更に含み、前記三次ナノ粒子標識は、前記二次ナノ粒子標識に結合するように適応され、前記四次ナノ粒子標識は、前記三次ナノ粒子標識に結合するように適応される等である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの二次ナノ粒子標識は、1又は複数の異なるタイプの二次ナノ粒子標識を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ナノ粒子標識は、磁気標識であり、前記装置は更に、前記標識によって生成される磁界を検出するための表面を含むバイオセンサを更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記バイオセンサは、前記生成された磁界を検出するGMR、TMR、AMR又はホールデバイスを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法であって、
前記一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持するステップであって、前記二次ナノ粒子標識は、前記一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、ステップと、
前記アッセイへの前記二次標識のリリースを制御するステップと、
を含み、
前記一次及び前記二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が磁気標識である方法。
【請求項9】
前記二次標識の直径が、前記一次標識の直径よりも小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一次標識は、前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記アッセイへの前記二次標識の前記リリースは、前記一次標識が前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されたあとに実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記アッセイへの前記二次標識の前記リリースは、前記一次標識が前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合され、前記バイオセンサに結合されていない又は弱く結合されている一次標識が除去されたのち、実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
生成された信号の検出の前に、前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されていない又は弱く結合されている前記一次及び前記二次標識が、前記アッセイから除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅するための、前記一次ナノ粒子標識及び二次ナノ粒子標識の組み合わせの使用であって、少なくとも1つの前記二次ナノ粒子標識が、前記一次標識に付着され、それによって増幅剤として作用するように適応される、使用。
【請求項1】
アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する装置であって、
前記一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持する分離手段であって、前記二次ナノ粒子標識は、前記一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、分離手段と、
前記アッセイへの前記二次標識のリリースを制御する制御ユニットと、
を有し、
前記一次ナノ粒子標識及び前記二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が、磁気標識であり、前記装置が更に、磁界を生成し、それによって前記標識に磁気モーメントを生じさせる磁界生成器を有する、装置。
【請求項2】
前記分離手段は、
前記一次又は前記二次ナノ粒子標識を含むチャンバから物理的に隔てられたリザーバ、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して、前記二次ナノ粒子標識を受容するように適応される第2の表面、及び前記外部の力を適用するための力機構、
外部力場を介して又は化学的結合力を介して、前記二次ナノ粒子標識を受容するように適応される第2の表面、前記第2の表面上の前記二次ナノ粒子標識の表面をカバーする不活性層を生成するための不活性標識のカプセル化層、及び前記外部の力を適用するための力機構、
カプセル化手段及び前記カプセル化手段から前記標識をリリースするためのカプセル除去手段、
前記一次及び前記二次標識を互いに結合するのに必要な結合メンバを提供する結合手段を含む複合物を含むリザーバ、並びに
前記一次及び前記二次標識を互いに結合するのに必要な結合メンバを提供する結合手段を含む複合物を含む第2の表面、前記複合物をカプセル化するカプセル化手段、及び前記複合物から前記カプセル化手段を除去するためのカプセル除去手段、
を含むグループから選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記一次ナノ粒子標識が、マルチアナライトアッセイにおける2又はそれ以上の異なるタイプのナノ粒子標識を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも二次ナノ粒子標識は、互いに分離される三次ナノ粒子標識、四次ナノ粒子標識等を更に含み、前記三次ナノ粒子標識は、前記二次ナノ粒子標識に結合するように適応され、前記四次ナノ粒子標識は、前記三次ナノ粒子標識に結合するように適応される等である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの二次ナノ粒子標識は、1又は複数の異なるタイプの二次ナノ粒子標識を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ナノ粒子標識は、磁気標識であり、前記装置は更に、前記標識によって生成される磁界を検出するための表面を含むバイオセンサを更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記バイオセンサは、前記生成された磁界を検出するGMR、TMR、AMR又はホールデバイスを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅する方法であって、
前記一次ナノ粒子標識から分離される少なくとも二次ナノ粒子標識を保持するステップであって、前記二次ナノ粒子標識は、前記一次ナノ粒子標識に結合するように適応されている、ステップと、
前記アッセイへの前記二次標識のリリースを制御するステップと、
を含み、
前記一次及び前記二次ナノ粒子標識の少なくとも一方が磁気標識である方法。
【請求項9】
前記二次標識の直径が、前記一次標識の直径よりも小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一次標識は、前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記アッセイへの前記二次標識の前記リリースは、前記一次標識が前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されたあとに実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記アッセイへの前記二次標識の前記リリースは、前記一次標識が前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合され、前記バイオセンサに結合されていない又は弱く結合されている一次標識が除去されたのち、実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
生成された信号の検出の前に、前記アッセイに含まれるバイオセンサの表面に結合されていない又は弱く結合されている前記一次及び前記二次標識が、前記アッセイから除去される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
アッセイの一次ナノ粒子標識から生成される信号を増幅するための、前記一次ナノ粒子標識及び二次ナノ粒子標識の組み合わせの使用であって、少なくとも1つの前記二次ナノ粒子標識が、前記一次標識に付着され、それによって増幅剤として作用するように適応される、使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−540328(P2009−540328A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514971(P2009−514971)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052237
【国際公開番号】WO2007/144834
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052237
【国際公開番号】WO2007/144834
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]