説明

横型ブラインドのラダークランプ

【課題】
横型ブラインドの巻き取りドラムにスリップ可能に外嵌されてラダーコード又はラダーテープを支持するラダークランプの左右方向位置を規定する。
【解決手段】
ラダークランプを、前後方向の中央において左右に延長するピンを介して相互回動自在に連結される前側及び後側円弧状板部から形成し、前側及び後側円弧状板部の外周面にラダーコード又はラダーテープの前側及び後側上端部をそれぞれ係止する前側及び後側係止溝を有する前側及び後側係止突起を設け、内周面に巻き取りドラムの外周面の雄ねじと係合する雌ねじを設けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横型ブラインドの巻き取りドラムに外嵌されてラダーコード又はラダーテープを支持するラダークランプに関する。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドのスラット列を吊り下げるラダーコード又はラダーテープの上端部は、ヘッドボックス内において回転軸と一体回転する巻き取りドラム又はチルトドラムにスリップ可能に外嵌されるラダークランプに取り付けられる。ラダークランプを前後の中央においてピンを介して相互回動自在に連結される前側及び後側円弧状板部から形成し、その外周面に周方向に延長する突起を設け、その突起にラダーコード又はラダーテープの前側及び後側上端部を係止する係止溝を設けることは公知である。
【0003】
ラダークランプをチルトドラムに外嵌するときは、チルトドラム外周面に環状溝を形成しその環状溝にラダークランプを嵌め込むと、ラダークランプの左右方向位置は規定される。しかし、巻き取りドラムにラダークランプを外嵌するときは、環状溝を形成することができないため、ラダークランプの左右方向位置は規定されない。その結果、ラダーコード又はラダーテープに左右方向の外力が作用すると、ラダーコード又はラダーテープと共にラダークランプの位置が左右に移動するため、ラダーコード又はラダーテープの左右方向位置が不安定になるという問題がある。
【特許文献1】実公平5−24796号公報
【特許文献2】特開2004−238821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題は、横型ブラインドの巻き取りドラムにスリップ可能に外嵌されてラダーコード又はラダーテープを支持するラダークランプの左右方向位置を規定することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するため、本発明は、横型ブラインドのドラムホルダーに支持される巻き取りドラムにスリップ可能に外嵌されてラダーコード又はラダーテープを支持するラダークランプにおいて、半円より大きい開環状のラダークランプを、前後方向の中央において左右に延長するピンを介して相互回動自在に連結される前側及び後側円弧状板部から形成し、前側及び後側円弧状板部の外周面にラダーコード又はラダーテープの前側及び後側上端部をそれぞれ係止する前側及び後側係止溝を有する前側及び後側係止突起を設け、内周面に巻き取りドラムの外周面の雄ねじと係合する雌ねじを設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のラダークランプは、前後方向の中央において連結する前側及び後側円弧状板部を開いて巻き取りドラムに外嵌すると、前側及び後側円弧状板部の内周面の雌ねじは巻き取りドラム外周面の雄ねじに自動的に嵌り込む。ラダークランプは、内周面の雌ねじが巻き取りドラム外周面の雄ねじとネジ係合するため、左右方向位置が規定される。したがって、ラダーコード又はラダーテープに左右方向の外力が作用しても、ラダークランプは左右に移動しないから、外力が去ると、ラダーコード又はラダーテープは自動的に原位置に復帰する。これにより、ラダーコード又はラダーテープの左右方向位置は常に安定する。
【0007】
巻き取りドラムが回転するとき、ラダークランプは、始め、巻き取りドラムと共に回転し、ラダーコード又はラダーテープの前後の一方を上昇し他方を下降させるから、スラットは前傾又は後傾する。スラットが前傾限度に近づくと、ラダークランプが開いて前側円弧状板部が巻き取りドラムから外れてスリップし、逆に、スラットが後傾限度に近づくと、ラダークランプが開いて後側円弧状板部が巻き取りドラムから外れてスリップするから、スラットが限度以上に傾斜することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ヘッドボックスから垂下するラダーコード又はラダーテープ上端部の前後間隔をできるだけ狭くするため、前側及び後側円弧状板部には係止突起の下方から周方向に延長して下縁に抜けるスリットを設け、そのスリットにラダーコード又はラダーテープの上端部を通し、巻き取りドラムに接して垂下させることが好ましい。
【0009】
スリットの上部を左右から囲むと共に係止突起近くまで延長するの2本の案内突起を設け、その案内突起によりラダーコード又はラダーテープの上端部をスリットに案内することが好ましい。ラダークランプに形成する雌ねじは2ないし4ピッチ分とすることができる。
【実施例】
【0010】
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は本発明実施例を備える横型ブラインドの要部を示す部分切り欠き正面図、図2は図1のII−II線矢視図、図3はラダークランプの立面図、図4はラダークランプの側面図、図5は前側円弧状板部の後面図、図6は後側円弧状板部の前面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、横型ブラインドのヘッドボックス1内において、角軸の回転軸2に巻き取りドラム3が一体回転するが軸方向には摺動自在に取り付けられる。巻き取りドラム3はスリーブ4を貫通し、巻き取りドラム3の外周面の雄ねじMはスリーブ4の内周面の雌ねじと係合する。スリーブ4はヘッドボックス1に固定されるドラムホルダー5と一体である。
【0012】
昇降コード6は、上端が巻き取りドラム3に止着され、ドラムホルダー5に内装される昇降コード弛み検出機構7を介してヘッドボックス1から垂下し、ついで上下に整列するスラット8を貫通し、下端はボトムレール9に止着される。図1において、回転軸2が矢印方向に回転すると、巻き取りドラム3は回転しながら右方移動し、昇降コード6を巻き取るから、ボトムレール9は上昇する。回転軸2が反対方向に回転すると、巻き取りドラム3は回転しながら左方移動し、昇降コード6を巻き解くから、ボトムレール9は下降する。
【0013】
巻き取りドラム3には半円より大きい開環状のラダークランプ10が外嵌される。ラダークランプ10は、前後方向の中央において左右に延長するピン11を介して相互回動自在に連結される前側及び後側円弧状板部12a、12bから形成される。図3及び図4に示すように、ラダークランプ10の前側円弧状板部12aの外周面上部には、前側係止溝13aを有する前側係止突起14aが一体に形成され、その下には下縁へ抜ける前側スリット15aと、前側係止突起14aの近くから下方に延長して前側スリット15aの上部を左右から囲む2本の前側案内突起16aが形成される。同じく、後側円弧状板部12bの外周面上部には、後側係止溝13bを有する後側係止突起14bが一体に形成され、その下には下縁へ抜ける後側スリット15bと、後側係止突起14bの近くから下方に延長して後側スリット15bの上部を左右から囲む2本の後側案内突起16bが形成される。
【0014】
前側及び後側円弧状板部12a、12bの内周面には、巻き取りドラムの外周面の雄ねじMと係合する雌ねじFを設ける。図5及び図6に示すように、雌ねじFは2ないし4ピッチとし、前側及び後側円弧状板部12a、12bのスリット15a15bより左側の内周面に形成される。図1において、この雌ねじFが形成される前側及び後側円弧状板部12a、12bの左側は、ラダークランプ10がスリ−ブ4に近接する側である。
【0015】
図2に示すように、ラダーコード17の前側上端部17aは、ラダークランプ10の前側係止溝13aを介して前側係止突起14aに止着され、ついで、前側案内突起16aに案内されて前側スリット15aを通り、ついで、巻き取りドラム3の前面に接しながらドラムホルダー5の前側コード出口に入る。後側上端部17bは、ラダークランプ10の後側係止溝13bを介して後側係止突起14bに止着され、ついで、後側案内突起16bに案内されて後側スリット15bを通り、ついで、巻き取りドラム3の後面に接しながらドラムホルダー5の後側コード出口に入る。
【0016】
前側及び後側上端部17a、17bはドラムホルダー5の前側及び後側コード出口を通ると、梯子状に連結して1本のラダーコード17となり、ヘッドボックス1から垂下して各スラット8を支持する。回転軸2が図1の矢印方向に回転すると、ラダークランプ10は、始め、巻き取りドラム3と共に回転し、ラダーコード17の前側上端部17aを下げ後側上端部17bを上げるから、スラット8は前傾する。スラット8が前傾限度に近づくと、ラダークランプ10が開いて前側円弧状板部12aが巻き取りドラムから外れてスリップするからスラット8はそれ以上傾斜しない。回転軸2が反対方向に回転すると、ラダークランプ10は、始め、巻き取りドラム3と共に回転し、ラダーコード17の前側上端部17aを上げ後側上端部17bを下げるから、スラット8は後傾する。スラット8が後傾限度に近づくと、ラダークランプ10が開いて後側円弧状板部12bが巻き取りドラムから外れてスリップするからスラット8はそれ以上傾斜しない。
【0017】
ラダークランプ10は、前側及び後側円弧状板部12a、12bを開いて巻き取りドラム3に外嵌すると、前側及び後側円弧状板部12a、12bの内周面の雌ねじFが巻き取りドラム3の外周面の雄ねじMとネジ係合するから、ラダークランプ10の左右方向位置が規定され、ラダーコードの左右方向位置も安定する。ラダーコード17に左右方向の外力が作用してラダーコードが左右にずれても、ラダークランプ10は左右に移動しないから、外力がなくなると、ラダーコード17は自動的に元の位置に復帰する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明実施例を備える横型ブラインドの要部を示す部分切り欠き正面図、
【図2】図1のII−II線矢視図、
【図3】ラダークランプの立面図、
【図4】ラダークランプの側面図、
【図5】前側円弧状板部の後面図、
【図6】後側円弧状板部の前面図。
【符号の説明】
【0019】
1:ヘッドボックス
2:回転軸
3:巻き取りドラム
4:ラダーテープ
5:スリーブ
6:昇降コード
7:昇降コード弛み検出機構
8:スラット
9:ボトムレール
10:ラダークランプ
11:ピン
12a:前側円弧状板部、 12b:後側円弧状板部
13a:前側係止溝、 13b:後側係止溝
14a:前側係止突起、 14b:後側係止突起
15a:前側スリット、 15b:後側スリット
16a:前側案内突起、 16b:後側案内突起
17:ラダーコードロール、17a:前側上端部、17b:後側上端部
F:雌ねじ
M:雄ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横型ブラインドのドラムホルダーに支持される巻き取りドラムにスリップ可能に外嵌されてラダーコード又はラダーテープを支持するラダークランプであって、前記ラダークランプは、半円より大きい開環状であり、前後方向の中央において左右に延長するピンを介して相互回動自在に連結される前側及び後側円弧状板部からなり、前記前側及び後側円弧状板部は、外周面に前記ラダーコード又はラダーテープの前側及び後側上端部を係止する前側及び後側係止突起を備え、内周面に前記巻き取りドラムの外周面の雄ねじと係合する雌ねじを備えることを特徴としてなる横型ブラインドのラダークランプ。
【請求項2】
前側及び後側係止突起はそれぞれ係止溝を有することを特徴としてなる請求項1に記載の横型ブラインドのラダークランプ。
【請求項3】
前側及び後側円弧状板部は、係止突起の下方から周方向に延長して下縁に抜けるリットを備えることを特徴としてなる請求項1又は2に記載の横型ブラインドのラダークランプ。
【請求項4】
前側及び後側円弧状板部は、係止突起の近くから延長してスリットの上部を左右から囲む2本の案内突起を備えることを特徴としてなる請求項3に記載の横型ブラインドのラダークランプ。
【請求項5】
雌ねじはスリットより左側又は右側の部分に形成されることを特徴としてなる請求項3又は4に記載の横型ブラインドのラダークランプ。
【請求項6】
雌ねじは2ないし4ピッチ分形成されることを特徴としてなる請求項1なし5にいずれか1つに記載の横型ブラインドのラダークランプ。




















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−97302(P2006−97302A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283594(P2004−283594)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】