説明

樹状物質およびそれを含む構造体

【課題】可視光での高度な光触媒活性を有し、安価で大量製造が可能な光触媒材料を提供する。
【解決手段】六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質であって、前記樹状物質は幹部と枝部からなり、該幹部は(001)方向に、該枝部は(001)方向に配向していることを特徴とする樹状物質。前記幹部の太さが20nm〜500nm、枝部の太さが5nm〜200nmの範囲である樹状物質。前記幹部の長さが100nm〜10μm、枝部の長さが10nm〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹状物質。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質、前記樹状物質を含む新規な構造体およびこれらを含有する可視光応答性光触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な光触媒材料として酸化チタンが良く知られ、励起光の照射により有機物を分解したり、表面の濡れ性が向上する光誘起親水化反応を発現することが知られている。光触媒反応を起こすためにはその光触媒のバンドギャップ以上のエネルギーをもった光子(フォトン)が必要である。酸化チタンを光触媒として使用した場合、光触媒反応を起こすために必要なフォトンのエネルギーは酸化チタンのバンドギャップに相当する3.0eV以上、すなわち、光の波長に換算すると400nm以下の紫外線が必要となる。蛍光灯や白熱電灯等の室内の照明装置から照射される紫外線強度は微弱なため、酸化チタンの室内の照明装置による親水化は充分でなかった。
近年、酸化チタンに窒素等のアニオンをドーピングすることで可視光の照射でも光触媒反応が発現する材料が報告されている(非特許文献1)。
しかしながら、非特許文献2に開示されているように、窒素等のドーパントの準位は酸化チタンの価電子帯の上に孤立準位として存在するために光励起によって生成した正孔の移動度が低く、アニオンドープ酸化チタンの可視光での量子効率は紫外線での効率よりも著しく低いことが報告されている。
【0003】
一方、不純物をドーピングした材料ではなく、単純酸化物を用いる方が電子正孔対の高い移動度が期待できる。単純酸化物の中でも酸化タングステンはバンドギャップが2.6eV〜2.8eVで可視光を吸収することが知られている。酸化タングステンの価電子帯のレベルは深く、光励起で生成した正孔は強い酸化力を持つ。
しかしながら、酸化タングステンの伝導帯のレベルは酸化チタンに比べると低く、電子の還元力が弱いため、必ずしも大気中における有機物の分解活性が高いとは言えない。
近年、酸化タングステンに助触媒を添加することで高度な有機物の光触媒分解反応が報告されている。例えば、非特許文献3では白金、非特許文献4では銅ビスマス酸化物を助触媒として使用した場合、可視光照射下でアセトアルデヒド等のガス状の有機物が光触媒反応によって二酸化炭素まで分解しうることが報告されている。
【0004】
特に光触媒を空気浄化や水処理へ応用する場合、光触媒粒子のサイズは小さく、大きな表面積を持つことが好ましい。酸化タングステン微粒子の合成は、タングステン酸塩を出発源とする焼成法などが知られているが、こうした方法で合成した酸化タングステン粒子の大きさは数μmと大きくなる。また、酸化タングステンの出発原料として使用されるタングステン酸塩や金属タングステン塩は不安定なため、ナノ構造を制御するのは困難であり、こうした原料を利用した酸化タングステンの合成例は乏しい。粒子径の小さい微粒子状の酸化タングステンを得る方法として、例えば非特許文献3に開示されているように、遠心分離によって粒径の小さい粒子を選択的に回収する方法が提案されているが、こうした方法では大きな粒子は廃棄することになり、微粒子状の酸化タングステンを得る収率が非常に悪いことが予想される。一方、光触媒材料のナノ構造を制御することで、大表面積化、光の散乱効果等、様々な光触媒活性向上効果が期待できる。
酸化タングステンのナノ構造を制御した先行例として、例えば、非特許文献5に開示されているように、酸素欠陥型酸化タングステンであるW18O49の樹状の粒子が報告されている。この先行技術の樹状結晶は高い比表面積を持つ一方、酸素欠陥が電子正孔対の再結合センターとして働くため、光触媒材料としては適さない。また、非特許文献5に開示されている先行技術の製造方法は1600℃程度の加熱工程が必要なため、大面積へのコーティングや大量生産が制限され、製造コストも高くなる。
一方、酸化タングステンのナノ構造を制御した別の先行例として、非特許文献6に開示されているように、水熱法による六方晶酸化タングステンのナノワイヤが報告されている。この先行例では水熱法で合成できるため製造コストを大幅に低くできることが期待できるが、製造した粒子はロッド状、ワイヤ状で平滑な表面を持つため、粒子自体の比表面積が大きくなく、光触媒材料としての高活性化が期待できない。
【0005】
【非特許文献1】R. Asahi et al. Science, 293, 269 (2001)
【非特許文献2】H. Irie et al. J. Phys. Chem. B, 107, 5483 (2003)
【非特許文献3】阿部、大谷、第26回光がかかわる触媒化学シンポジウム、予稿集、東京 (2007)
【非特許文献4】K. Sayama et al. J. Phys. Chem. C, 111, 7574 (2007)
【非特許文献5】Y. Q. Zhu et al. Chem. Phys. Lett., 309, 327 (1999)
【非特許文献6】Z. Gu et al. J. Phys. Chem. B, 110, 23829 (2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、可視光照射下でも高度な光触媒活性を有する新規な六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質および該樹状物質を含む構造体、および安価で大量に合成することができる該樹状物質の工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この出願は以下の発明を提供するものである。
〈1〉六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質であって、前記樹状物質は幹部と枝部からなり、該幹部は(001)方向に、該枝部は(001)方向に配向していることを特徴とする樹状物質。
〈2〉前記幹部の太さが20nm〜500nm、枝部の太さが5nm〜200nmの範囲であることを特徴とする〈1〉に記載の樹状物質。
〈3〉前記幹部の長さが100nm〜10μm、枝部の長さが10nm〜2μmの範囲であることを特徴とする〈1〉または〈2〉に記載の樹状物質。
〈4〉前記枝部同士が中心となる幹部に対して6回対称で接合していることを特徴とする〈1〉から〈3〉のいずれかに記載の樹状物質。
〈5〉結晶安定化剤が含まれていることを特徴とする〈1〉から〈4〉のいずれかに記載の樹状物質。
〈6〉前記結晶安定化剤が、プロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムからなる群より選択される少なくとも一種のカチオンであることを特徴とする〈5〉に記載の樹状物質。
〈7〉前記樹状物質の表面に触媒活性化剤が設けられていることを特徴とする〈1〉から〈6〉のいずれかに記載の樹状物質。
〈8〉前記触媒活性化剤が、白金、銀、金、パラジウム、ニッケル、銅、鉄、クロム、ルテニウム、鉛、チタン、ニオブ、バナジウムおよびセリウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属もしくは金属化合物であることを特徴とする〈7〉に記載の樹状物質。
〈9〉前記触媒活性化剤が前記樹状物質の幹部の先端から800nmよりも深い位置に設けられていることを特徴とする〈7〉または〈8〉に記載の樹状物質。
〈10〉基材と、六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層と、〈1〉〜〈9〉のいずれかに記載の樹状物質を含む表面層からなる構造体。
〈11〉樹状物質を含む表面層の厚さが100nm〜10μmであることを特徴とする〈10〉に記載の構造体。
〈12〉前記六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層の厚さが1μm〜100μmであることを特徴とする〈10〉または〈11〉に記載の構造体。
〈13〉前記樹状物質の幹の方向が基材に対して配向していることを特徴とする〈9〉から〈12〉のいずれかに記載の構造体。
〈14〉前記基材に金属タングステンが含まれることを特徴とする〈13〉に記載の構造体。
〈15〉〈1〉から〈14〉のいずれかに記載の樹状物質またはその構造体を含有する可視光応答性光触媒。
〈16〉密封容器中で、金属タングステンを硝酸とシュウ酸を混合した酸性水溶液で処理することを特徴とする〈1〉〜〈9〉のいずれかに記載の樹状物質の製造方法。
〈17〉前記酸性水溶液中に上記結晶安定化剤が含まれていることを特徴とする〈16〉に記載の樹状物質の製造方法。
〈18〉前記酸性水溶液中での処理温度が100℃〜250℃であることを特徴とする〈16〉または〈17〉に記載の樹状物質の製造方法。
〈19〉前記酸性の水溶液で処理した後に、更に大気中で300℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする〈15〉から〈18〉のいずれかに記載の樹状物質の製造方法。
〈20〉〈7〉〜〈9〉のいずれかに記載の触媒活性化剤の担持方法であって、前記樹上物質を触媒活性化剤の前駆体を含む溶媒の中で、波長500nm以上の光照射をおこなうことを特徴とする〈7〉〜〈9〉のいずれかに記載の樹状物質の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の樹状物質は表面積が大きく光触媒活性が高いため、空気浄化や水浄化用の光触媒として使用することができる。本発明の樹状物質を含む構造体の表面は親水的であるため、防曇、防汚部材への応用が可能となる。特に、本発明の樹状物質は可視光での活性を有するため、紫外線の少ない室内照明で使用する可視光応答性光触媒として応用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の樹状物質は、六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質であって、前記樹状物質は幹部と枝部からなり、該幹部は(001)方向に、該枝部は(001)方向に配向していることを特徴とする。
本発明の樹状物質を図1の模式図によって説明する。本発明の樹状物質は六方晶の酸化タングステンからなり、幹部、枝部で構成される。前記幹部は(001)方向、枝部は(001)方向に配向している。(001)面は熱力学的に安定な面であるため、熱的化学的耐久性が期待できる。
本発明の好適な態様において、幹部の太さが20nm〜500nm、枝部の太さが5nm〜200nm、幹部の長さが100nm〜10μm、枝部の長さが10nm〜2μmの範囲にある。こうした構造は表面積が高く、高い光触媒活性を発現する。より好ましくは、幹部の太さが50nm〜250nm、枝部の太さが10nm〜200nm、幹部の長さが1〜5μm、枝部の長さが10nm〜1μmの範囲にあるものである。
また、本発明に係る幹部の太さ、長さは実質的に可視光の波長にほぼ相当するので、可視光を散乱する効果が期待でき、光触媒として励起光を有効に使うことができる。
前記幹部ないし枝部の断面の形状は円形や楕円形でも構わないし、多角形であっても構わない。
また、本発明の樹状物質は六方晶の酸化タングステンからなり、幹部の長軸は(001)方向に配向しているため、(001)方向に垂直な軸には等価な6回対称軸が実質的に存在する。このため、本発明の樹状物質に含まれる枝部は幹部を中心にして6回対称で接合している。結晶構造が正方晶や立方晶の場合、対称軸は4回対称となる一方、本発明の樹状物質に含まれる枝部は6回対称であるため、正方晶や立方晶よりも枝部の本数が多く、表面積が増大し、高い光触媒活性が発現する。
【0010】
また、本発明の六方晶の酸化タングステンの結晶にはミクロ的にみるとトンネルが存在するため、ここに結晶安定化剤を封入しておくことが好ましい。かかる封入により結晶が安定となり、熱的化学的耐久性に優れる。このような結晶安定化剤としては、プロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムからなる群より選択される少なくとも一種のカチオンが挙げられる。またこのイオンは、イオン交換されていることが好ましい。
また、封入されたイオンは、結晶化後、適宜他のイオンとイオン交換することも可能である。
【0011】
また、本発明の樹状物質は酸化タングステンからなるため、波長410nm以上の可視光を吸収することができ、可視光での光触媒機能が発現する。
本発明の樹状物質を光励起するための光源として、例えば、ブラックライト、殺菌ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀−キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、LED(白色、青、緑、赤)、レーザー光、太陽光等が好適に使用できる。
本発明の樹状物質は、揮発性有害物質の分解機能や抗ウイルス機能を持つ室内の住宅部材に応用することが可能である。また、空気清浄機や水浄化のための装置に応用することもできる。更に、表面の高い水濡れ性を利用して曇りや水滴形成を防止する防曇部材や雨水によるセルフクリーニング機能を持つ部材へと応用することができる。
【0012】
また、本発明の樹状物質の光触媒活性を高めるため、前記樹状物質の表面に触媒活性剤を設けておくことが好ましい。このような触媒活性剤としては、白金、銀、金、パラジウム、ニッケル、銅、鉄、クロム、ルテニウム、鉛、チタン、ニオブ、バナジウムおよびセリウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属または金属化合物(金属塩、金属酸化物など)を挙げることができる。これらの助触媒の作用機構は定かではないが、白金等の貴金属粒子を設けた場合、本発明に係る酸化タングステンの伝導帯にある電子が貴金属粒子に移動し、多電子還元を起こすことが期待される。一方、鉄、銅、クロム等の金属塩を設けた場合、これらの金属塩も可視光を吸収することが可能となり、こうした金属塩の増感効果によって、より多くの可視光を吸収することが可能となる。
前記金属または金属化合物(金属塩、金属酸化物)の割合は前記樹状物質に対して0.05wt%〜10wt%であることが好ましい。割合が0.05wt%以下の場合には顕著な触媒効果は見られず、10wt%以上の場合、樹状物質に届くべき光を遮蔽してしまう。また、前記金属、金属塩、ないし、金属酸化物は本発明にかかる樹状物質の表面に小さなサイズで設けられていることが好ましく、好適な粒子径は500nm以下である。
【0013】
前記触媒活性化剤を設ける位置として、好ましくは、前記樹状物質の幹部の先端から800nmよりも深い位置に設ける。触媒活性化剤を設けた場合の構造を模式的に図2に示す。触媒活性化剤は、幹部と枝部の少なくともいずれかに接しており、幹部を取り囲んだ構造でも構わない。前記触媒活性化剤の多くは還元サイトとして働くため、樹状物質の根元に接合したほうが、より表面の酸化活性が促進し、良好なセルフクリーニング特性が発現する。また、前記触媒活性化剤として金属微粒子を使用した場合、この金属微粒子が酸化タングステンの励起光を遮ってしまうため、これらの金属微粒子は幹部の根元に接合することが好ましい。
前記触媒活性化剤を設ける方法として、前記樹状物質の光還元力を利用した光電着法によって、貴金属粒子を表面に固定化することができる。光電着法の具体的な方法として、本発明の樹状物質を貴金属イオン水溶液に含浸させ、励起光を照射することによって、樹状物質の表面に貴金属粒子を析出させることができる。この際、照射する光の波長によって、貴金属微粒子を担持する位置を調節することができる。光を樹状物質の上方から照射した場合、光の波長によって樹状物質への光の進入深さが異なる。一般に、長波長の光の方が半導体の吸収係数が低いため、半導体の深い部分まで光が進入することができる。前記光電着の工程において、本発明のより好ましい態様として、波長500nm以上の光照射をおこなう。波長500nm以上の光照射によって、前記触媒活性化剤を前記樹状物質の幹部の先端から800nmよりも深い位置に接合させることができる。
【0014】
本発明の樹状物質を含む構造体を図3の模式図によって説明する。本発明の構造体は、樹状物質を含む表面層と、六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層が基材に形成されている。
前記六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層を設けることによって基材との密着強度が高くなる。前記樹状物質を含む表面層の厚さは100nm〜10μmの範囲で、六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層の厚さが1μm〜100μmとすることで、良好な密着強度が発現する。より好ましい前記表面層と中間層の厚さは1μm〜5μmと10μm〜20μmの範囲にある。
また、更に好ましい態様において、前記樹状物質の幹部の長手方向が基材に対して配向している。すなわち、前記樹状物質の幹部の長軸は(001)方向であるため、前記樹状物質を含む表面層は(001)方向に配向する。本発明の構造体の結晶配向性をX線回折法などによって評価した場合、粉末サンプルと比べ、(001)面と等価の(002)面の強い回折が発現する((001)面は消滅則のため回折がおこらない)。ここで言う配向とは完全に垂直である必要は無く、基材に対して概ね垂直に成長していれば良い。
【0015】
本発明に用いる基材は、本発明が使用される用途等に応じて適宜選択されることができ、特に限定されないが、金属タングステンを含んでいる方が好ましい。基材に金属タングステンが含有されていると、同じくタングステン元素を含有する中間層との間の密着強度が更に強くなる。この場合、金属タングステンは基材の中に練り込んであっても良いし、基材の表面に被膜として形成させても良い。本発明の好ましい態様によれば、基材は金属タングステン板であるのが好ましい。この場合、酸性水溶液で加熱処理するだけで、容易に、密着性に優れた中間層および樹状物質を含む表面層の両方を形成させることができる。透明性や意匠性が必要な基材にコーティングする場合、あらかじめ基材表面にスパッタ法や鍍金法によって金属タングステンを形成させ、その後酸性水溶液で加熱処理しても構わない。
【0016】
つぎに、本発明の樹状物質を製造する方法について述べる。
本発明の樹状物質は、金属タングステンを密閉容器内にて、金属タングステンを硝酸とシュウ酸を混合した酸性水溶液で処理することによって製造することができる。
本発明では、硝酸とシュウ酸を混合した酸性水溶液を用いることが肝要である。硝酸に代えて塩酸を用いた場合には、後記比較例にみられるように、処理後もタングステン基材の表面は金属光沢を有しており、表面の薄膜形成が阻害され、本発明の初期の目的を達成することが困難となる。
硝酸は他の無機酸に比べ酸化性が高く、容易に金属タングステンの表面を溶解させることができる。また、シュウ酸は加熱反応下では発泡性のため、表面積の高い樹状物質を合成することができる。
硝酸の好適な濃度範囲は、0.01M〜0.5M、より好ましくは0.05M〜0.3Mの範囲である。これらの範囲よりも濃度が薄いと反応が進まず、濃度が濃いと金属タングステンが過度に溶解してしまう。また、好適なシュウ酸の添加量は水溶液25mLに対して1〜2gを導入する。
【0017】
また、本発明の樹状物質の結晶構造を制御する目的で、かかる酸性水溶液中に、更に、結晶安定化剤を導入しておくことが好ましい。このような結晶安定化剤として、前記した、プロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムからなる群より選択される少なくとも一つのカチオンが挙げられる。特に、ルビジウムを導入した場合、樹状物質を高い収率で得ることができる。前記ルビジウムの好適な添加量は溶液25mLに対して0.01〜0.5gを導入する。
【0018】
前記酸性水溶液中での処理は、密閉容器中で、好ましくは100℃〜250℃の加熱処理をおこなう。この範囲よりも温度が低い場合には反応が進まず、温度が高い場合には出発原料の金属タングステンが過度に溶解してしまう。本発明の樹状物質を収率良く得るための更に好適な温度範囲は120℃〜200℃である。
【0019】
本発明の樹状物質の触媒活性を高めるため、触媒活性化剤として、たとえば、白金、銀、金、パラジウム、ニッケル、銅、鉄、クロム、ルテニウム、鉛、チタン、ニオブ、バナジウムおよびセリウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属または金属化合物(金属塩、金属酸化物など)を表面に分散させることもできる。前記金属、金属過化合物(金属塩、金属酸化物)として、白金等の貴金属粒子を使用する場合、出発原料として貴金属の微粒子が分散したコロイドを用いることができる。また、前記貴金属粒子の別の態様として、本発明の樹状物質の光還元力を利用した光電着法によって、貴金属粒子を表面に固定化することもできる。光電着法の具体的な方法として、本発明の樹状物質を貴金属イオン水溶液に含浸させ、励起光を照射することによって、樹状物質の表面に貴金属粒子を析出させることができる。前述したとおり、励起光の波長によって前記貴金属微粒子の担持する位置を制御することができる。また、前記貴金属粒子の別の態様として、貴金属イオンを含む樹状物質を水素や真空の雰囲気で加熱することによって貴金属粒子を樹状物質の表面に析出させることもできる。
【0020】
さらに、本発明の樹状物質の活性を高めるため、前記酸性水溶液中での加熱処理の後に、大気中で加熱処理しても構わない。可視光での高い光触媒活性を得るためには、前記大気中での加熱処理温度を300℃以上にすることが好ましい。また、前記金属、金属化合物(金属塩、金属酸化物等)の助触媒は酸性水溶液中での加熱処理の後に複合し、その後大気中で焼成してもよいし、また、酸性水溶液中での加熱処理と大気中での加熱を完了した後に複合しても構わない。
【0021】
本発明の樹状物質は高い可視光活性を有するため、特に、板ガラス、壁材、壁紙、タイル等の建築内装材に適用した場合、室内照明によって揮発性有害物質を分解したり、抗ウイルス効果を発揮し、高い親水性を有するため防曇、防汚効果を発揮する。また、本発明の樹状物質は、大気浄化や水質浄化に使用することもできる。
【実施例】
【0022】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0023】
実施例1
1.樹状物質の合成
本発明の前記樹状物質は、密閉容器内にて、金属タングステンを硝酸とシュウ酸を混合した酸性水溶液中で反応させることによって製造することができる。密閉容器内に入れた0.2Mの硝酸水溶液25gの中に、金属タングステン板、シュウ酸1.56g、硫酸ルビジウム0.2gを加えた。密閉容器内での加熱処理は、150℃で30時間おこない、冷却後、純水で洗浄した。更に樹状物質の活性を高めたり、被膜強度を高めるため、大気中で加熱処理を500℃ないし700℃で30分間の焼成をおこなった。また、光触媒活性を高める目的で白金の微粒子を前記樹状物質の表面にコーティングした。白金微粒子の合成は、非特許文献(F. A. Henglein et al. J. Phys. Chem. B, 101, 5889 (1997))と同様におこなった。得られた白金微粒子は水に分散しており、この溶液をスピンコート法によって樹状物質の表面にコーティングした。スピンコートは2000rpm×20secでおこなった。本実施例にて種々の条件で合成した樹状物質と比較例を表1に示す。比較例として多結晶WO3薄膜に白金をコートしたもの(比較例1)、そして、金属タングステン板(比較例2)、水熱反応溶媒として塩酸とシュウ酸を用いたもの(比較例3)。
なお、比較例1の多結晶WO3薄膜は非特許文献(M. Miyauchi et al. Chem. Mater. 14, 4714, (2002))と同様に合成した。
後述するが、#1〜#5の表面には六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質が形成する一方、比較例1〜3には樹状物質が見られなかった。
【表1】

【0024】
2.樹状物質のキャラクタリゼーション
#1〜#5試料は、密閉容器内での加熱処理に使用する溶媒として硝酸を用いており、いずれも反応後には金属タングステン基材の表面に酸化被膜が形成している様子が目視にて確認できた。一方、比較例3は密閉容器内での反応に使用する溶媒として硝酸に代えて塩酸を用いたものであるが、反応後もタングステン基材の表面は金属光沢を有しており、表面の薄膜形成が阻害されていた。
本発明の前記樹状物質の結晶系を調べるため、X線回折装置(リガク、RINT2000)によって粉末X線回折を測定した。試料は#2、#4試料の被膜を剥離させ、粉砕した粉末を測定した。この結果を図4に示すが、大気中での熱処理前の#2試料、大気中での熱処理後の#4試料とも六方晶の酸化タングステンであることが明らかになった。一方、薄膜の結晶配向性を調べるため、#4と#5の薄膜のX線回折パターンを測定した。この結果を図5に示したが、いずれも(002)方向に強い回折が確認された。特に、大気中での加熱焼成後の方が(002)方向への配向が促進された。
次に、本発明に係る薄膜である#4試料の断面の走査型電子顕微鏡(Philips、FE-SEM XL series)写真を図6に示す。この結果、樹状物質が緻密な中間層の上部表面に析出している様子が確認できた。中間層の厚みは10μm〜20μmの範囲で、樹状物質を含む表面層の厚さは1μm〜5μmの範囲であった。図7、図8に#4試料の表面の走査型電子顕微鏡(Philips、FE-SEM XL series)写真を示す。表面にある樹状物質は一様に分布しており、幹部に対して枝部が6回対称で配置している様子が観察できた。また、幹部の太さが50〜250nm、枝部の太さが10〜200nm、幹部の長さが1〜10μm、枝部の長さが10nm〜1μmの範囲であった。#1〜#5試料に対しても走査型電子顕微鏡観察をおこなったが、全て同様な構造をしていることがわかった。
幹部、枝部の結晶方向を調べるため、透過型電子顕微鏡(日立、H9000)によって#4試料の構造を観察した。透過型電子顕微鏡像を図9に、枝部の電子線回折を図10に、幹部の電子線回折を図11に示した。この結果、幹部、枝部とも長軸方向が(002)方向、すなわち、(001)方向に配向していることが明らかとなった。
【0025】
3.樹状物質の光触媒特性
(水との接触角)
本発明の前記樹状物質の光触媒特性である光誘起親水性を調べるために、表面の水接触角の測定をおこなった。測定した試料は、上記表1に示した試料#1、#2、#3、比較例1、比較例2である。樹状物質を持つ薄膜は濡れ性が良いため、10wt%オレイン酸を塗布し接触角を十分上げてから光触媒活性による親水性を調べた。図12にブラックライト照射(UV: 2mW/cm2)による上記試料の水接触角変化を示す。照度は照度計(トプコン、VVR-2)で測定した。試料#1の水接触角は3時間までに40度から30度に急激に低下し、48時間後には10度以下まで減少し、72時間では5度以下となった。試料#2の水接触角は徐々に減少したが、20度以下になるには168時間を要した。試料#3の水接触角は、48時間後に10度以下まで減少し、72時間後には10度以下まで減少した。比較例1の水接触角は、98時間後においても40度以下にはならず、比較例2の水接触角は、変化がなかった。
次に、前記#1〜#3試料のうち、親水化活性の高かった#1試料に対し、可視光を照射した際の接触角の変化を測定し、結果を図13に示す。可視光照射は300Wのキセノンランプ(林時計工業)を用い、UVカットフィルター(旭テクノグラス、Y-43)、長波長カットフィルター(旭テクノグラス、C-50S)を介して照射した。この照射条件で、波長は410nm以上、照射エネルギーはスペクトロラディオメータ(ウシオ電機)で計測した値で124 mW/cm2となった。#1試料の水接触角は、48時間後には40度から30度に下がり、その後徐々に低下し6日後には20度以下となり、12日後には6度になった。この結果から、可視光の照射のよっても親水化反応が起こることが明らかとなった。

(気相アセトアルデヒドの分解)
実施例1で得た#1、#2試料を500mLのガラス製の密閉容器に設置した。密閉容器を相対湿度30%の合成空気で置換し、高濃度のアセトアルデヒドをシリンジで注入して初期濃度500ppmになるようにした。暗所にて吸着飽和になったことを確認した後、可視光の照射をおこなった。可視光の照射は300Wのキセノンランプ(林時計工業)を用い、UVカットフィルター(旭テクノグラス、Y-43)、長波長カットフィルター(旭テクノグラス、C-50S)を介して照射した。この照射条件で、波長は410nm以上、照射エネルギーはスペクトロラディオメータ(ウシオ電機)で計測した値で53.4 mW/cm2となった。密閉容器内のアセトアルデヒドと二酸化炭素の濃度をガスクロマトグラフ(島津製作所、GC-2014)を用いて測定した。図14には、可視光照射によるアセトアルデヒドの分解結果を示している。いずれの試料においてもアセトアルデヒドは、時間とともに酸化分解し、二酸化炭素が発生しているのがわかる。白金を担持した#1試料の方が二酸化炭素の発生速度が高いことが明らかになった。
【0026】
4.樹状物質への助触媒パラジウム(触媒活性化剤)の位置選択析出
光触媒活性を高める目的で、パラジウムの微粒子を本発明の前記樹状物質の選択的な位置に析出させた。パラジウムは、前記樹状物質にパラジウムイオンの光触媒還元反応によって析出させた。前記樹状物質がコーティングされた金属タングステン板を0.04 mM のエタノールを含む塩化パラジウム溶液に浸し200 W Hg-Xeランプ(モリテックス、MUV-202U)により平均波長330 nmのUV照射、150 W Xeランプ(分光計器、BIX-300)から波長400〜600 nmの可視光照射を、強度20 mW/cm2で4〜24時間おこなった。表2に各条件のパラジウム担持の試料を示す。
【表2】

図15に前記樹状物質にそれぞれの波長で析出させたパラジウムナノ粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す。パラジウムナノ粒子の高さは光源の波長によって制御できた。UV照射の場合(試料#6、#7)、パラジウムナノ粒子は前記樹状物質の上部に析出した。一方、500 nm以上の波長を持つ可視光照射の場合(試料#8、#9)、ほとんどのパラジウムナノ粒子は幹部の先端から800nmよりも深い根元の部分に析出した。前記パラジウムナノ粒子を設けた樹状物質を低倍率(面積120μm2)の走査型電子顕微鏡を観察した結果の一例を図16に示す。これらの低倍率写真を元に、統計的に、パラジウムナノ粒子の設けられた位置と個数を求めた。図17に120μm2あたりのパラジウムナノ粒子の析出数量と析出位置の分布図を示す。これらからも、前記樹状物質へのパラジウムナノ粒子の位置を選択的に析出することができることが明らかとなった。
次に、上記#6〜#9試料の光触媒特性として、実施例3と同様の水との接触角を測定した。試料薄膜は濡れ性が良いため、10wt%オレイン酸を塗布し接触角を50度以上まで上げてから光触媒活性による親水性を調べた。図18にブラックライト照射(UV: 2mW/cm2)を照射した場合の#6〜#9試料の水接触角変化を示す。水接触角の減少挙動は、パラジウムナノ粒子を析出した場所で違いが現れ、パラジウムナノ粒子が前記樹状物質の幹部の先端から800nmよりも深い位置に析出した薄膜の方(試料#8、#9)が上部に析出したもの(試料#6、#7)と比較して活性が良かった。試料#9の水接触角は約100時間で5度以下になった。試料#8の水接触角が5度以下になるには約130時間を要した。試料#6と7の水接触角は約150時間後においても25度以下にはならなかった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質を提供することができる。本発明の樹状物質は高い光触媒活性を有し、可視光の照射下でも高度な光触媒作用が発現する。本発明の樹状物質の製造は安価で、大量合成できるため、光触媒機能を有する様々な部材特に可視光応答性光触媒として応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の樹状物質の模式図
【図2】本発明の樹状物質に触媒活性化剤を設けた場合の模式図
【図3】本発明の樹状物質を含む構造体の断面模式図を示す
【図4】本発明の樹状物質の粉末のX線回折パターン
【図5】本発明の樹状物質の薄膜のX線回折パターン
【図6】本発明の樹状物質を含む構造体断面の走査型電子顕微鏡写真
【図7】本発明の樹状物質を含む構造体表面の走査型電子顕微鏡写真
【図8】本発明の樹状物質を含む構造体表面の走査型電子顕微鏡写真
【図9】本発明の樹状物質の透過型電子顕微鏡の制限視野の暗視野像の写真
【図10】本発明の樹状物質の幹部の透過型電子顕微鏡の電子線回折像の写真
【図11】本発明の樹状物質の枝部の透過型電子顕微鏡の電子線回折像の写真
【図12】本発明の試料#1〜#3と比較例1と2の水接触角の経時変化を表すグラフ(ブラックライト照射下)
【図13】本発明の試料#1の水接触角の経時変化を表すグラフ(可視光照射下)
【図14】本発明の試料#1および#2のアセトアルデヒド分解の経時変化を表すグラフ(可視光照射下)
【図15】本発明の樹状物質にパラジウムナノ粒子を設けた場合の走査型電子顕微鏡写真
【図16】本発明の樹状物質にパラジウムナノ粒子を設けた場合の走査型電子顕微鏡写真
【図17】本発明の樹状物質に各光波長において析出したパラジウムナノ粒子の樹状物質上の位置と析出数量の分布図を表すグラフ
【図18】本発明の試料#6〜#9の水接触角の経時変化を表すグラフ(ブラックライト照射下)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
六方晶の酸化タングステンからなる樹状物質であって、前記樹状物質は幹部と枝部からなり、該幹部は(001)方向に、該枝部は(001)方向に配向していることを特徴とする樹状物質。
【請求項2】
前記幹部の太さが20nm〜500nm、枝部の太さが5nm〜200nmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の樹状物質。
【請求項3】
前記幹部の長さが100nm〜10μm、枝部の長さが10nm〜2μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹状物質。
【請求項4】
前記枝部同士が中心となる幹部に対して6回対称で接合していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の樹状物質。
【請求項5】
結晶安定化剤が含まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の樹状物質。
【請求項6】
前記結晶安定化剤が、プロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムからなる群より選択される少なくとも一種のカチオンであることを特徴とする請求項5に記載の樹状物質。
【請求項7】
前記樹状物質の表面に触媒活性化剤が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の樹状物質。
【請求項8】
前記触媒活性化剤が、白金、銀、金、パラジウム、ニッケル、銅、鉄、クロム、ルテニウム、鉛、チタン、ニオブ、バナジウムおよびセリウムからなる群から選択される少なくとも一種の金属もしくは金属化合物であることを特徴とする請求項7に記載の樹状物質。
【請求項9】
前記触媒活性化剤が前記樹状物質の幹部の先端から800nmよりも深い位置に設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の樹状物質。
【請求項10】
基材と、六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層と、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹状物質を含む表面層からなる構造体。
【請求項11】
樹状物質を含む表面層の厚さが100nm〜10μmであることを特徴とする請求項10に記載の構造体。
【請求項12】
前記六方晶の酸化タングステンからなる多結晶体を含む中間層の厚さが1μm〜100μmであることを特徴とする請求項10または11に記載の構造体。
【請求項13】
前記樹状物質の幹の方向が基材に対して配向していることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の構造体。
【請求項14】
前記基材に金属タングステンが含まれることを特徴とする請求項13に記載の構造体。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の樹状物質またはその構造体を含有する可視光応答性光触媒。
【請求項16】
密封容器中で、金属タングステンを硝酸とシュウ酸を混合した酸性水溶液で処理することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹状物質の製造方法。
【請求項17】
前記酸性水溶液中に上記結晶安定化剤が含まれていることを特徴とする請求項16に記載の樹状物質の製造方法。
【請求項18】
前記酸性水溶液中での処理温度が100℃〜250℃であることを特徴とする請求項16または17に記載の樹状物質の製造方法。
【請求項19】
前記酸性の水溶液で処理した後に、更に大気中で300℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする請求項16から18のいずれか1項に記載の樹状物質の製造方法。
【請求項20】
請求項7〜9のいずれかに1項に記載の触媒活性化剤の担持方法であって、前記樹上物質を触媒活性化剤の前駆体を含む溶媒の中で、波長500nm以上の光照射をおこなうことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに1項に記載の樹状物質の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−280479(P2009−280479A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234237(P2008−234237)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト 光触媒関連基礎技術の開発ならびに新環境科学領域の創成事業」産業技術力強化法第19条の適用をうける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】