説明

樹脂成型品製造方法

【課題】 表面にコゲや色ムラが無い射出成型品を提供するのみでなく、その際、資源の無駄使いも起こらないようにすることである
【解決手段】 射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばサンドイッチ状樹脂成型品の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、図2に示されるサンドイッチ型射出成型装置が提案されている。そして、この種の射出成型装置にあっては、先ず、外層樹脂材供給径路を介して外層樹脂材(スキン材料)をノズルから金型内に射出し、次いでノズルを内層樹脂材供給径路側に切換えて内層樹脂材(例えば、発泡性材料)をノズルから金型内に射出し、そして最後にノズルを外層樹脂材供給径路側に切換えて外層樹脂材(スキン材料)をゲート部に射出することが行われている。
【0003】
又、図3に示されるコ・インジェクション装置も提案されている。そして、この種の射出成型装置にあっては、先ず、外層樹脂材供給径路を介して外層樹脂材(スキン材料)をノズルから金型内に射出し、次いで外層樹脂材(スキン材料)を射出しながら内層樹脂材(コア材料)をノズルから金型内に射出する。そして、コア材料の発泡によって金型キャビティは充填される。又、ゲート部は最終的に外層樹脂材(スキン材料)でシールされる。
【非特許文献1】射出成形(発行所:株式会社プラスチックス・エージ、発行日:1990年2月10日 改定第9版)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上記射出成型装置において、例えば木の幹とか葉などの如きの植物性材料や毛などの動物性材料の如きの熱によって変性し易い材料、或いは熱変性が比較的起こり易い樹脂を含有させた複合樹脂を、外層樹脂材(スキン材料)として用いることが提案されている。
【0005】
これは、外層樹脂材(スキン材料)中に含まれている植物性材料を射出成型品の表面に出現させることによって、この植物性材料によって射出成型品の風合いを高め、製品価値が高まることを期待したのである。
【0006】
ところで、例えば植物の葉などを含有させた樹脂を外層樹脂材として用い、かつ、プラスチック製品廃棄物からの再生樹脂を内層樹脂材として用い、前記図2や図3の如きの射出成型装置で射出成型した場合、製品表面にコゲが認められたり、色ムラが頻繁に起こってしまうことに出会った。
【0007】
斯かる原因についての検討が鋭意推し進められて行った結果、前記の問題は、外層樹脂材中に添加した植物性材料に起因することが突き止められるに至った。すなわち、樹脂中に含まれている植物性材料や動物性材料は、射出成型装置におけるスクリューで混練を受けてノズルから射出されるまでの供給径路に滞留している間に、射出成型の為に加熱している熱とか剪断熱によって変質し、これによって、コゲが出来たり、色ムラが起きるのであろうことが突き止められた。このことは、植物性材料や動物性材料が含まれない樹脂のみで外層樹脂材を構成した場合、前記のような問題が起こらなかったことからも類推できる。
【0008】
そこで、一回の射出成型毎に、射出成型装置のスクリュー部出口端からノズル口の間に残されている外層樹脂材を外部に捨て、新しい外層樹脂材を供給し、そして射出成型を行うと言った工程で製品を成型した。そして、これを何度も繰り返して行ったが、予想通り、コゲや色ムラは認められなかった。
【0009】
しかしながら、外層樹脂材の廃棄は資源の無駄使いであるばかりか、廃棄処理上も問題である。
【0010】
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記の問題点を解決することである。特に、表面にコゲや色ムラが無い射出成型品を提供することである。かつ、表面にコゲや色ムラが無い射出成型品を提供するのみでなく、その際、資源の無駄使いも起こらない技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決する為の研究開発を、鋭意、押し進めて行く中に、本発明者は、図2や図3の如きの射出成型装置による射出成型品は、外層樹脂と内層樹脂とからなるものであり、コゲや色ムラは射出成型品の表面に起こる現象であり、内層樹脂に起こっていても全く問題にならないものであることから、コゲや色ムラの原因となる外層樹脂材を射出成型品の内部に充填させておけば、廃棄の問題は起こらず、かつ、資源の問題も起こらず、共に解決されるであろうことに気付くに至った。
【0012】
このような知見に基づいて本発明が達成されたものである。
【0013】
すなわち、前記の課題は、射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程
を具備することを特徴とする樹脂成型品製造方法によって解決される。
【0014】
特に、射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して熱変質性材含有外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている熱変質性材含有外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程
を具備することを特徴とする樹脂成型品製造方法によって解決される。
【0015】
又、射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して植物材含有外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている植物材含有外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程
を具備することを特徴とする樹脂成型品製造方法によって解決される。
【0016】
特に、前記樹脂成型品製造方法における移行工程が、
樹脂材吐出口が閉止状態にて、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材に前進圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である
ことを特徴とする前記樹脂成型品製造方法によって解決される。
【0017】
或いは、前記樹脂成型品製造方法における移行工程が、
樹脂材吐出口が閉止状態にて、内層樹脂材供給径路に残っている内層樹脂材に後退圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である
ことを特徴とする前記樹脂成型品製造方法によって解決される。
【0018】
中でも、前記樹脂成型品製造方法における移行工程が、
樹脂材吐出口が閉止状態にて、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材に前進圧を加えると共に、内層樹脂材供給径路に残っている内層樹脂材に後退圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である
ことを特徴とする前記樹脂成型品製造方法によって解決される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、射出成型に際して、コゲや色ムラの原因となる恐れが有る外層樹脂材は、外層樹脂材として用いられるのでは無く、内層樹脂材(或いはその一部)として用いられるようになる。
【0020】
従って、射出成型品に、外層樹脂材中に含有させた熱変質性材料に起因したコゲや色ムラが起こらない。
【0021】
かつ、コゲや色ムラの原因となる外層樹脂材を内層樹脂材として用いるので、資源の無駄遣いが無くなり、かつ、廃棄コストも掛からなくなり、射出成型品が低廉なものになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明になる樹脂成型品製造方法は、射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型(特に、コ・インジェクション)された樹脂成型品の製造方法であって、積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程を具備する。特に、射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して熱変質性材含有外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型(特に、コ・インジェクション)された樹脂成型品の製造方法であって、積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている熱変質性材含有外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程を具備する。或いは、射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して植物材含有外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型(特に、コ・インジェクション)された樹脂成型品の製造方法であって、積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている植物材含有外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程を具備する。前記移行工程は、樹脂材吐出口が閉止状態にて、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材に前進圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である。或いは、樹脂材吐出口が閉止状態にて、内層樹脂材供給径路に残っている内層樹脂材に後退圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である。中でも、樹脂材吐出口が閉止状態にて、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材に前進圧を加えると共に、内層樹脂材供給径路に残っている内層樹脂材に後退圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である。
【0023】
本発明において、外層樹脂材中に含有される熱変質性材としては、例えば植物材や動物材の如きのものが有る。勿論、耐熱性が低い樹脂のようなものも挙げられる。前記、植物材としては、樹木の幹や皮とか葉、竹や草の茎や葉、果実の皮など適宜なものが挙げられる。動物材としては、毛皮や毛などが挙げられる。そして、製品の目的によって前記の材は適宜選択される。又、含有量も適宜決められる。尚、含有量は、一般的には、5〜20wt%である。又、前記材の大きさも適宜決められる。破砕した粉末状のものから粒子状、或いは二次元的な広がりを持った形状、若しくは三次元的なブロック状のものであっても良い。
【0024】
本発明で用いられる樹脂は適宜なものが用いられる。射出成型に用いることが出来る樹脂であれば何でも良い。但し、外層樹脂材に用いられる樹脂と内層樹脂材に用いられる樹脂とは、基本的には、似た特性のものであることが好ましい。すなわち、サンドイッチ状に積層されることから、両者の樹脂は、例えば成形温度や成形収縮率が略同程度のものであることが好ましい。このような特徴を備えておれば、如何なる樹脂でも良い。例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等のオレフィン系樹脂が用いられる。その他にも適宜な熱可塑性樹脂が用いられる。例えば、スチレン系樹脂なども用いられる。単独でも混合のものでも良い。尚、外層樹脂材は表面に在るのに対して、内層樹脂材は表面に露出していない。従って、内層樹脂材には工業廃材や一般プラスチック廃棄物類を利用することも出来る。例えば、食品トレーを分別回収した再生ペレットや、ラミネート加工されたシート端材等を用いることも出来る。尚、射出成型によって成型することから、外層樹脂材は、MI値が7g/10分〜20g/10分のものが好ましく、そして内層樹脂材は、MI値が5g/10分〜15g/10分のものが好ましい。すなわち、過度にMI値が高い樹脂を用いると、金型内で外層樹脂と内層樹脂とが混錬してしまい、逆に、MI値が低い樹脂を用いると、末端部やウエルド部より内層樹脂が露出する場合がある。又、本発明で用いる樹脂は、ブロック状あるいは粉末状何れのものでも良い。
【0025】
以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
【0026】
[実施例]
熱変質性材として植物(樹木)の葉を用いた。尚、この葉は、粉砕されており、二次元的な拡がりを持ったものも有る他、粉末状と言えるようなものも有る。そして、外層樹脂材料として、MI=10.0g/10分のポリプロピレンを用いた。これ等の材料を用い、所望の方法によって、葉配合樹脂コンパウンドを得、これを外層樹脂材とした。
【0027】
内層樹脂材として、ラミネートPP(ポリプロピレン)シート端材からなる再生樹脂(MI=8.0g/10分)を用意した。
【0028】
又、図1に示される如きの射出成型装置(コ・インジェクション装置)を用意した。図1はコ・インジェクション装置の要部の断面図である。図1中、1は、射出成型装置Mにおける外層樹脂材供給径路(ノズル口とスクリュー先端部との間における径路)である。2は、射出成型装置Mにおける内層樹脂材供給径路(ノズル口とスクリュー先端部との間における径路)である。この外層樹脂材供給径路1の先端部(ノズル口側)と内層樹脂材供給径路2の先端部(ノズル口側)とは、互いに、連通している。例えば、図3に示された従来のコ・インジェクション装置の説明図からも判る通り、ノズル口近傍の箇所において、外層樹脂材供給径路1と内層樹脂材供給径路2とは、繋がっている。尚、上記説明した部分の構造は、従来のコ・インジェクション装置にも採用されているから、詳細な説明は省略される。
【0029】
本発明のコ・インジェクション装置においては、シリンダー部におけるスクリューを前進させると、シリンダー内の樹脂組成物は前進させられ、供給径路に存在する樹脂組成物には前進圧が掛かってノズル口から射出され、又、スクリューを後退させると、シリンダー内の樹脂組成物は後退させられ、供給径路に存在する樹脂組成物に負圧(後退圧)が掛かるようになっている。従って、例えばノズル口にキャップを配設、或いは射出成型品自体にノズル先端を当接させること等によって、ノズル口を閉止した状態にて、内層樹脂材供給側のスクリューを後退させて内層樹脂材供給径路2内に存在する内層樹脂材に負圧(後退圧)を掛けると共に、外層樹脂材供給側のスクリューを前進させて外層樹脂材供給径路1内に存在する外層樹脂材に前進圧を掛けると、外層樹脂材供給径路1内に残っていたり、外層樹脂材供給径路1の内壁に付着している古い(熱劣化が起きた)外層樹脂材(屑)は、外層樹脂材供給径路1と内層樹脂材供給径路2との接続部3を介して内層樹脂材供給径路2側に流れ込む(移行する)ように構成されている。
【0030】
さて、上記材料および装置を用いて、外層樹脂材を180℃にて射出後、引き続いて内層樹脂材を共に射出し、外層樹脂材で表面が包まれた構造の板材を得た。
【0031】
尚、この板材は、その表面に色ムラは認められず、かつ、コゲも認められないものであった。
【0032】
前記第1回目のショット後、引き続いて同様にコ・インジェクションを行い、板材を得た。このような射出成型を連続して数回繰り返して成型品を得ている中に、成型品の表面に色ムラが認められるようになった。又、コゲも認められるようになった。
【0033】
そこで、この段階において、射出成型工程を一時停止した。そして、ノズル口を閉止した状態にて、内層樹脂材供給側のスクリューを後退させて内層樹脂材供給径路2内に存在する内層樹脂材に負圧(後退圧)を掛けて後退可能にすると共に、外層樹脂材供給側のスクリューを前進させて外層樹脂材供給径路1内に存在する古い外層樹脂材に前進圧を掛け、外層樹脂材供給径路1の内壁に付着している劣化している外層樹脂材(屑)を、外層樹脂材供給径路1と内層樹脂材供給径路2との接続部3を介して内層樹脂材供給径路2側に移行せしめた。これによって、外層樹脂材供給径路1の内部は綺麗になる。
【0034】
この後、再度、射出成型を開始した。
【0035】
この再開直後の射出成型品は、表面部は、勿論、バージンの外層樹脂材で構成されている。一方、内層部の一部または全部が、コゲ・色ムラの有る外層樹脂材で構成されている。しかしながら、コゲ・色ムラの有る外層樹脂材で内層部の一部または全部が構成されていても、これは、それ程、支障が有る訳では無く、製品として十分に使用できる場合が殆どである。従って、無駄が少なく、高品質な成型品が低廉なコストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明になる射出成型装置の要部の概略断面図
【図2】従来の射出成型の説明図
【図3】従来の射出成型の説明図
【符号の説明】
【0037】
M 射出成型装置
1 外層樹脂材供給径路(ノズル口とスクリュー先端部との間の径路)
2 内層樹脂材供給径路(ノズル口とスクリュー先端部との間の径路)
3 接続部

代理人 宇 高 克 己


【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程
を具備することを特徴とする樹脂成型品製造方法。
【請求項2】
射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して熱変質性材含有外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている熱変質性材含有外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程
を具備することを特徴とする樹脂成型品製造方法。
【請求項3】
射出成型装置の外層樹脂材供給径路を介して植物材含有外層樹脂材を金型内に供給する外層樹脂材供給工程と、射出成型装置の内層樹脂材供給径路を介して金型内に内層樹脂材を供給する内層樹脂材供給工程とを備えてなる外層樹脂材と内層樹脂材とが積層成型された樹脂成型品の製造方法であって、
積層成型樹脂成型品の射出成型工程に先立って、外層樹脂材供給径路に残っている植物材含有外層樹脂材を内層樹脂材供給径路に移行させる移行工程
を具備することを特徴とする樹脂成型品製造方法。
【請求項4】
移行工程は、
樹脂材吐出口が閉止状態にて、外層樹脂材供給径路に残っている外層樹脂材に前進圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの樹脂成型品製造方法。
【請求項5】
移行工程は、
樹脂材吐出口が閉止状態にて、内層樹脂材供給径路に残っている内層樹脂材に後退圧を加え、外層樹脂材供給径路と内層樹脂材供給径路との連通部を介して外層樹脂材供給径路から内層樹脂材供給径路に前記外層樹脂材を移行させる移行工程である
ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの樹脂成型品製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−111987(P2007−111987A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305468(P2005−305468)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(391011825)中央化学株式会社 (32)
【Fターム(参考)】